JP5387564B2 - 溶融ガラスの減圧脱泡装置および減圧脱泡方法 - Google Patents

溶融ガラスの減圧脱泡装置および減圧脱泡方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶融ガラスの減圧脱泡装置、および溶融ガラスの減圧脱泡方法に関する。
従来より、成形されたガラス製品の品質を向上させるために、溶解炉で原料を溶解した溶融ガラスを成形装置で成形する前に溶融ガラス内に発生した気泡を除去する清澄工程が利用されている。
この清澄工程では、清澄剤として硫酸ナトリウム(Na2SO4)等を原料内に予め添加し、原料を溶融して得られた溶融ガラスを所定温度に一定時間貯留、維持することで、清澄剤によって溶融ガラス内の気泡を成長させて浮上させて除去する方法が知られている。
また、減圧雰囲気内に溶融ガラスを導入し、この減圧雰囲気下、連続的に流れる溶融ガラス流内の気泡を大きく成長させて溶融ガラス内を浮上させ破泡させて除去し、その後減圧雰囲気から排出する減圧脱泡方法が知られている。
減圧脱泡方法では、溶融ガラス流を形成し、該溶融ガラス流を、減圧雰囲気内、具体的には、内部が所定の減圧度に保持された減圧脱泡槽内で移動させる。減圧脱泡槽内を移動する際、溶融ガラス内に含まれる気泡を比較的短時間に大きく成長させ、成長した気泡の浮力を利用して溶融ガラス中を浮上させ、溶融ガラスの表面で気泡を破泡させることで、効率よく溶融ガラス表面から気泡の除去を行うことができる。
減圧脱泡装置において、溶融ガラスの流路をなす減圧脱泡槽、上昇管および下降管のような溶融ガラスの導管の構成材料は、耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性に優れていることが求められる。これを満たす材料として、白金または白金ロジウム合金のような白金合金や、電鋳レンガのような耐火レンガが使用されている。
これらの材料は、耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性という点では優れた材料であるが、溶融ガラスの導管が耐火レンガ製、白金製または白金合金製のいずれの場合においても、導管壁面と、溶融ガラスと、の界面で泡が発生する場合がある。このような導管壁面と溶融ガラスとの界面での泡の発生が、減圧脱泡装置の減圧脱泡槽(特に減圧脱泡槽の下流側)や下降管で起こった場合、泡を溶融ガラスから除去することが困難となるため、製造されるガラスに欠点を生じさせる。
上述したように、溶融ガラス中の気泡を効果的かつ確実に除去するには、溶融ガラスの中で気泡を大きく成長させ、かつ溶融ガラス表面まで浮上させて破泡するプロセスが必要である。このようなプロセスを確実かつ効果的に行うためには、減圧脱泡槽内の減圧度を適切な範囲に保つことが必要である。
特許文献1に記載の溶融ガラス減圧脱泡方法では、減圧脱泡槽内の減圧度を常に適切な範囲に保つために、減圧脱泡槽内の減圧度を大気圧の変化に応じて補正することを提案している。但し、減圧脱泡槽内の減圧度を補正した場合、減圧脱泡槽内における溶融ガラスの液面が変化して減圧脱泡の効果に影響を及ぼすので、特許文献1に記載の溶融ガラスの減圧脱泡方法では、減圧脱泡槽内の減圧度を補正した場合、減圧脱泡槽の位置を上下に移動させることによって、減圧脱泡槽内における溶融ガラスの液面を一定に保つことを提案している。
特許文献1に記載の方法は、減圧脱泡槽内における溶融ガラスの液面を一定に保ちつつ、減圧脱泡槽内の減圧度を常に適切な範囲に保つことにより、減圧脱泡の効果を常に最適な状態に保持することができる。
しかしながら、全ての減圧脱泡装置において、減圧脱泡槽を上下させることができるわけではない。例えば、溶融ガラスの脱泡処理量を増加するために大型の減圧脱泡槽とした場合、減圧脱泡槽内の減圧度を補正したのに応じて、減圧脱泡槽を上下させることは非常に困難であり、現実的ではない。
また、特許文献2に記載の減圧脱泡装置のように、上昇管および下降管がそれぞれ上流側ピットおよび下流側ピットに固定された構造の減圧脱泡装置の場合、減圧脱泡槽を上下させることはできない。
これら減圧脱泡槽を上下させることができない減圧脱泡装置の場合、大気圧の変化に応じて、減圧脱泡槽内の減圧度を補正すると、減圧脱泡槽内における溶融ガラスの液面が変化して減圧脱泡の効果に影響が生じる。特に、減圧脱泡槽内における溶融ガラスの液面が上昇した場合、減圧脱泡槽の底面から溶融ガラスの液面までの距離が増加するので、減圧脱泡槽の底面付近に存在する泡が浮上することができなくなり、減圧脱泡の効果が低下する。減圧脱泡槽が上下できない場合、その底面の圧力は、減圧脱泡槽での溶融ガラス液面からの深さによって決まるので調整することが難しい。
特開2006−306662号公報 特開2000−7344号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するため、減圧脱泡装置を構成する減圧脱泡槽、上昇管および下降管のような溶融ガラスの導管壁面と、溶融ガラスと、の界面での泡の発生や、減圧脱泡槽内における溶融ガラスの液面上昇による減圧脱泡効果の低下による影響を抑制し、減圧脱泡の効果を安定して発揮することができる溶融ガラスの減圧脱泡装置、および、溶融ガラスの減圧脱泡方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、上昇管、減圧脱泡槽、下降管、前記上昇管に溶融ガラスを供給する上流側ピット、および、前記下降管からの溶融ガラスを収容する下流側ピットを有する溶融ガラスの減圧脱泡装置であって、前記下降管から前記下流側ピットへと移動する溶融ガラスの一部を分離する分離機構、および、前記分離機構により分離された溶融ガラスを前記上流側ピットに戻す戻し配管を有することを特徴とする溶融ガラスの減圧脱泡装置(以下、「本発明の減圧脱泡装置」という。)を提供する。
本発明の減圧脱泡装置の第1の態様では、前記下流側ピットの側部には、前記戻し配管の一方の端部をなす開口部が設けられており、
前記下降管の下流端には、その一部が前記分離機構として機能する白金製または白金合金製の中空管からなる溶融ガラスの導管構造が接続されており、
前記導管構造は、少なくとも下流端側が内管および外管からなる二重管構造をなしており、
前記内管は、上流端および下流端が開放端であり、
前記外管は、上流端が開放端で下流端が閉止端であり、前記閉止端の一部を内管が貫通しており、
前記外管の前記下流端側には、前記下流側ピットの側部に設けられた前記開口部と面する位置に開口部が設けられている。
本発明の減圧脱泡装置の第2の態様では、前記下流側ピットの側部には、前記戻し配管の一方の端部をなす開口部が設けられており、
前記下降管が、その一部が分離機構として機能する白金製または白金合金製の中空管からなる溶融ガラスの導管構造であり、
前記導管構造は、少なくとも下流端側が内管および外管からなる二重管構造をなしており、
前記内管は、上流端および下流端が開放端であり、
前記外管は、上流端が開放端で下流端が閉止端であり、前記閉止端の一部を内管が貫通しており、
前記外管の前記下流端側には、前記下流側ピットの側部に設けられた前記開口部と面する位置に開口部が設けられている。
本発明の減圧脱泡装置の第1および第2の態様において、前記導管構造の前記下流端側において、前記内管が前記外管の閉止端から突出していることが好ましい。
本発明の減圧脱泡装置の第1および第2の態様において、前記内管上流端から前記外管の前記下流端側に設けられた前記開口部の上流側端までの距離Lin(mm)と、前記内管の内径Din(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
in ≧ Din/2
本発明の減圧脱泡装置の第1および第2の態様において、前記外管の内径と前記内管の外径との差Dout-in(mm)と、前記内管の内径Din(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
out-in/2 ≧ 0.02×Din
本発明の減圧脱泡装置の第1および第2の態様において、前記内管上流端から前記外管の前記下流端側に設けられた前記開口部の上流側端までの距離Lin(mm)と、前記外管の内径と前記内管の外径との差Dout-in(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
in ≧ (Dout-in/2)×3
本発明の減圧脱泡装置の第1および第2の態様において、前記外管の流路の断面積から前記内管の流路の断面積を引いた断面積差Sout-in(mm2)と、前記内管の流路の断面積Sin(mm2)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
out-in ≦ Sin
本発明の減圧脱泡装置の第1および第2の態様において、前記外管の前記下流端側に設けられた前記開口部の面積S(mm2)と、前記外管の内径Dout(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
S ≧ 9×Dout
本発明の減圧脱泡装置の第1および第2の態様において、前記外管の前記下流端側に設けられた開口部の上流側端が前記下流側ピットの側部壁面に設けられた開口部の上流側端よりも0〜500mm下側に位置していることが好ましい。
本発明の減圧脱泡装置の第3の態様では、前記下降管と、前記下流側ピットと、が連通して接続されており、
前記下流側ピットが、外管をなすピット本体と、前記ピット本体内に位置し下流方向に延びる内管と、の二重管構造であり、前記ピット本体には前記戻し配管の一方の端部をなす開口部が設けられており、前記二重管構造が前記分離機構として機能する。
本発明の減圧脱泡装置の第3の態様において、前記下降管の内径D1(mm)と、前記内管の外径D2(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
1 > D2
本発明の減圧脱泡装置の第3の態様において、前記下降管の内径と前記内管の外径との差ΔD(mm)と、前記内管の内径D3(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
ΔD ≧ 0.04×D3
本発明の減圧脱泡装置の第3の態様において、前記下降管の流路の断面積から前記内管の流路の断面積を引いた断面積差ΔS(mm2)と、前記内管の流路の断面積S1(mm2)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
ΔS ≦ S1
本発明の減圧脱泡装置の第3の態様において、前記下降管と、前記内管とが、オーバーラップしている部分を有し、
前記オーバーラップしている部分の長さL(mm)と、前記内管の外径D2(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
L ≦ 5×D2
本発明の減圧脱泡装置の第3の態様において、前記下降管の下流端と前記内管の上流端との距離d(mm)と、前記内管の外径D2(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
0.5×D2 ≦ d ≦ 5×D2
本発明の減圧脱泡装置の第4の態様では、前記下流側ピット側の前記戻し配管の開口部が下記(1)、(2)を満たしており、該開口部が前記分離機構として機能する。
(1)前記開口部が、前記下降管を仮想的に下流側に延ばした仮想領域の一部を横切る。
(2)前記開口部が、前記下降管の中心軸を仮想的に下流側に延ばした仮想線を横切らない。
本発明の減圧脱泡装置の第4の態様において、前記戻し配管と前記仮想線との最短距離dmin(mm)と、前記下降管の半径Ddown(mm)と、が下記式を満たすことが好ましい。
0 < dmin < Ddown
本発明の減圧脱泡装置の第4の態様において、前記開口部と、前記仮想線と、がなす角度α(度)が下記式を満たすことが好ましい。
10 ≦ α ≦ 80
本発明の減圧脱泡装置の第4の態様は、前記開口部付近において、下流側ピット底面と、前記戻し配管の底面と、の高さが異なることが好ましい。
本発明の減圧脱泡装置の第4の態様において、互いに高さが異なる前記下流側ピット底面と、前記戻し配管の底面と、が角度5〜60度を有する傾斜構造により接続されていることが好ましい。
本発明の減圧脱泡装置の第4の態様において、前記開口部の面積と、前記戻し配管の断面積と、が略等しいことが好ましい。
本発明の減圧脱泡装置は、前記戻し配管内における溶融ガラス流を制御するためのポンプ手段をさらに有することが好ましい。
本発明の減圧脱泡装置は、前記戻し配管を通過する溶融ガラスを加熱する手段をさらに有することが好ましい。
本発明の減圧脱泡装置は、前記戻し配管を通過する溶融ガラスを攪拌する手段をさらに有することが好ましい。
また、本発明は、内部が減圧状態に保持された減圧脱泡槽中に溶融ガラスを通過させることにより該溶融ガラスを減圧脱泡する方法であって、上昇管、減圧脱泡槽、下降管、前記上昇管に溶融ガラスを供給する上流側ピット、前記下降管からの溶融ガラスを収容する下流側ピット、前記下降管から前記下流側ピットへと移動する溶融ガラスの一部を分離する分離機構、および、前記分離機構により分離された溶融ガラスを前記上流側ピットに戻す戻し配管を有する溶融ガラスの減圧脱泡装置を用いて前記減圧脱泡槽から流出する溶融ガラスの一部を分離し、該分離された溶融ガラスを再び前記減圧脱泡槽中に戻すことを特徴とする溶融ガラスの減圧脱泡方法(以下、「本発明の減圧脱泡方法」という。)を提供する。
本発明の減圧脱泡方法は、前記分離された溶融ガラスの量が、前記減圧脱泡槽中を通過する溶融ガラスの量の0.1%以上、10%以下であることが好ましい。
本発明の減圧脱泡方法は、前記分離された溶融ガラスの量が、前記減圧脱泡槽中を通過する溶融ガラスの量の1%以上、5%以下であることが好ましい。
本発明の減圧脱泡方法は、前記減圧脱泡槽中に溶融ガラスを通過させながら、前記減圧脱泡槽中を通過する溶融ガラスの量に対する前記分離された溶融ガラスの量の割合を変更してもよい。
本発明の減圧脱泡方法は、前記分離された溶融ガラスが、前記減圧脱泡槽中に戻される前に加熱されることが好ましい。
本発明の減圧脱泡方法は、前記分離された溶融ガラスが、前記減圧脱泡槽中に戻される前に攪拌されることが好ましい。
本発明の減圧脱泡方法によれば、減圧脱泡槽から流出する溶融ガラスの一部、具体的には、溶融ガラスの導管壁面と溶融ガラスとの界面での泡の発生や、減圧脱泡槽での溶融ガラスの液面上昇による減圧脱泡効果の低下によって、泡を多く含む境界層流を溶融ガラスのメインフローから分離して減圧脱泡槽に戻して再度減圧脱泡することにより、溶融ガラスの導管壁面と、溶融ガラスと、の界面での泡の発生や、減圧脱泡槽内における溶融ガラスの液面上昇による減圧脱泡の効果の低下による影響を抑制し、減圧脱泡の効果を安定化することができる。これにより、欠点の少ない高品質のガラス製品を製造することができる。
しかも、減圧脱泡槽において、メインフローから分離されて減圧脱泡槽に戻された溶融ガラスが下層、溶解槽から新たに供給される溶融ガラスが上層の2層流を形成すると考えられる。このような2層流が形成されることにより、溶解槽から新たに供給される溶融ガラスにとっては、減圧脱泡槽内における見かけ上の深さが減少する。これにより、減圧脱泡の効果が向上することが期待される。
また、本発明の減圧脱泡方法によれば、従来は上記の泡を含む溶融ガラスは減圧脱泡後に廃棄していたが、上記のとおり再度減圧脱泡をするので廃棄する溶融ガラスが減少し、歩留まりが向上する。
本発明の減圧脱泡装置は、下降管から下流側ピットへと移動する溶融ガラスの一部を分離する分離機構、および、分離機構により分離された溶融ガラスを前記上昇側ピットに戻す戻し配管を有しており、該分離機構では減圧脱泡槽から流出する溶融ガラスのうち、泡が多く含まれる境界層流を効果的に分離することができるため、本発明の減圧脱泡方法を実施するのに好適である。
図1は、本発明の減圧脱泡装置の第1の態様の断面図である。 図2は、図1に示す減圧脱泡装置1の延長管8の下端(下流端)側およびその周辺を示した部分拡大図である。 図3は、図2と同様の図であり、延長管8の特定の部分の寸法を示している。 図4は、延長管の別の形態を示した断面図であり、外管の閉止端の形状が図2に示す延長管8とは異なっている。 図5は、延長管の別の形態を示した断面図であり、内管の形状が図2〜図4に示す延長管8,8´とは異なっている。 図6は、延長管の別の形態を示した断面図である。 図7は、本発明の減圧脱泡装置の第3の態様を示した断面図である。 図8は、図7に示す減圧脱泡装置1´の下流側ピット15およびその周辺を示した部分拡大図である。 図9は、図8と同様の図であり、図中特定部分の寸法を示す符号が記載されている。 図10は、本発明の減圧脱泡装置の第3の態様の別の実施形態の下流側ピットおよびその周辺を示した部分拡大図であり、延長管と内管との関係が図9に示す形態とは異なっている。 図11は、図10と同様の図である。但し、内管上端(上流端)の形状が図10とは異なっている。 図12は、本発明の減圧脱泡装置の第4の態様を示した断面図である。 図13は、図12に示す減圧脱泡装置1´´の下流側ピットおよびその周辺を示した部分拡大図である。 図14は、本発明の減圧脱泡装置の第4の態様の別の実施形態の下流側ピットおよびその周辺を示した部分拡大図である。
符号の説明
1,1´,1´´:減圧脱泡装置
2:減圧ハウジング
3:減圧脱泡槽
4,4´:上昇管
5,5´:下降管
6:断熱材
7:延長管(上昇管側)
8,8´,14,14´:延長管(下降管側)
81,81´,81´´,81´´´:内管
82,82´,82´´,82´´´:外管
83,83´,83´´,83´´´:開口部
9,19:上流側ピット
10,15,15´,20:下流側ピット
11:戻し配管
12:ポンプ手段
13:攪拌手段
18:拡径部
22:開口部
23:仮想領域
24:仮想線
100:溶解槽
以下、図面を参照して本発明を説明する。図1は、本発明の減圧脱泡装置の第1の態様の断面図である。図1に示す減圧脱泡装置1は、溶解槽100中の溶融ガラスGを減圧脱泡して、次の処理槽(図示していない)に連続的に供給するプロセスに用いられるものである。
減圧脱泡装置1は、金属製、例えばステンレス鋼製であって、使用時その内部が減圧状態に保持される減圧ハウジング2を有する。減圧ハウジング2内には、減圧脱泡槽3がその長軸が水平方向に配向するように収納配置されている。減圧脱泡槽3の一端の下面には垂直方向に配向する上昇管4が、他端の下面には下降管5が取り付けられている。
減圧ハウジング2内において、減圧脱泡槽3、上昇管4および下降管5の周囲には断熱材6が配設されている。
減圧脱泡装置1において、減圧脱泡槽3、上昇管4および下降管5は、電鋳レンガのような耐火レンガ製、または白金製若しくは白金合金製の中空管である。
減圧脱泡槽3が耐火レンガ製の中空管である場合、減圧脱泡槽3は、外形が矩形断面を有する耐火レンガ製の中空管であり、溶融ガラスの流路をなす内部形状は矩形断面を有することが好ましい。
上昇管4および下降管5が耐火レンガ製の中空管である場合、上昇管4および下降管5は、外形が円形断面や矩形を含む多角形断面を有する耐火レンガ製の中空管であり、溶融ガラスの流路をなす内部形状が円形断面を有することが好ましい。
一方、減圧脱泡槽3が白金製または白金合金製の中空管である場合、減圧脱泡槽3における溶融ガラスの流路をなす内部断面形状が、円形または楕円形を有することが好ましい。
上昇管4および下降管5が白金製または白金合金製の中空管である場合、上昇管4および下降管5における溶融ガラスの流路をなす内部断面形状が、円形または楕円形を有することが好ましい。
減圧脱泡装置の各構成要素の寸法は、使用する減圧脱泡装置に応じて適宜選択することができるが、図1に示す減圧脱泡槽3の場合、その寸法の具体例は以下の通りである。
水平方向における長さ:1〜30m、好ましくは1〜25m、より好ましくは1〜20m内部断面形状における幅:0.2〜10m、好ましくは0.2〜7m、より好ましくは0.2〜5m
また、上昇管4および下降管5の寸法の具体例は以下の通りである。
長さ:0.2〜6m、好ましくは0.4〜4m
内部断面形状における幅:0.05〜0.8m、好ましくは0.1〜0.6m
上昇管4および下降管5の下端(下流端)には、それぞれ延長管7,8が取り付けられている。延長管7,8は、白金製または白金合金製の中空円筒管である。
上昇管4は、減圧脱泡槽3と連通しており、溶解槽100からの溶融ガラスGを減圧脱泡槽3に導入する。このため、上昇管4に取り付けられた延長管7の下端(下流端)は、上流側ピット9の開口端に嵌入され、該上流側ピット9内の溶融ガラスGに浸漬されている。
下降管5は、減圧脱泡槽3に連通しており、減圧脱泡後の溶融ガラスGを次の処理槽(図示せず)に導出する。このため、下降管5に取り付けられた延長管8の下端(下流端)は、下流側ピット10の開口端に嵌入され、該下流側ピット10内の溶融ガラスGに浸漬されている。
上流側ピット9および下流側ピット10は、耐火レンガ製、または白金製若しくは白金合金製である。上流側ピット9および下流側ピット10が耐火レンガ製の場合、その断面形状は、四角形等の多角形、円形または楕円形状であることが、作製の容易さや耐火レンガの侵食の防止等の理由により好ましい。一方、上流側ピット9および下流側ピット10が白金製または白金合金製の場合、その断面形状は、円形または楕円形状であることが、作製の容易さや変形の困難性等の理由により好ましい。
詳しくは後述するが、溶融ガラスの導管構造である延長管8は、下端(下流端)側が二重管構造をなしており、下降管5から下流側ピット10へと移動する溶融ガラスGの一部、より具体的には、下降管5から下流側ピット10へと移動する溶融ガラスGのうち、溶融ガラスの導管壁面と溶融ガラスとの界面での泡の発生や、減圧脱泡槽での溶融ガラスの液面上昇による減圧脱泡効果の低下によって、泡を多く含む部分を溶融ガラスのメインフローから分離する分離機構として機能する。分離機構によって分離された溶融ガラスを上流側ピット9に戻すための戻し配管11が、下流側ピット10と、上流側ピット9と、の間を接続している。
戻し配管11には、戻し配管11内における溶融ガラス流を制御するためのポンプ手段12、および、戻し配管11を通過する溶融ガラスを攪拌する攪拌手段13が設けられている。但し、ポンプ手段12および攪拌手段13は、本発明の減圧脱泡装置の第1の態様において必須の構成要件ではなく、これらの手段なしでも意図した機能を発揮できる場合、減圧脱泡装置1はこれらの手段を有しなくてもよい。
図2は、図1に示す減圧脱泡装置1の延長管8の下端(下流端)側およびその周辺を示した部分拡大図である。
図2に示す延長管8は、下端(下流端)側が内管81および外管82からなる二重管構造となっている。内管81および外管82は、いずれも白金製または白金合金製の中空円筒管である。ここで、白金合金の具体例としては、白金−金合金、白金−ロジウム合金が挙げられる。白金または白金合金と言った場合、白金または白金合金に金属酸化物を分散させてなる強化白金であってもよい。分散される金属酸化物としては、Al23、またはZrO2若しくはY23に代表される、長周期表における3族、4族若しくは13族の金属酸化物が挙げられる。
図2に示す延長管8において、内管81は、上端(上流端)および下端(下流端)が開放端となっている。
外管82は、上端(上流端)が開放端、下端(下流端)が閉止端になっている。内管81は、閉止端である外管82の下端(下流端)の一部を貫通しており、内管81の下端(下流端)は、外管82の下端(下流端)(閉止端)から突出している。なお、図2に示す延長管8では、内管81の下端(下流端)が、外管82の下端(下流端)(閉止端)から突出しているが、内管の下端(下流端)が外管の下端(下流端)(閉止端)から突出していなくてもよい。この場合、内管の下端(下流端)と外管の下端(下流端)の高さが一致している。内管81が閉止端である外管82の下端(下流端)の一部を貫通しているとは、閉止端である外管82の下端(下流端)の一部に、開放端である内管81の下端(下流端)が嵌合するための開口部が設けられていることを指す。
外管82の下端(下流端)(閉止端)側には開口部83が設けられている。より具体的には、外管82の下端(下流端)(閉止端)側の側壁に、外管82の長手方向の一辺よりも外管82の周方向の一辺のほうが長い横長な矩形形状をした開口部83が設けられている。図2において、開口部83は下流側ピット10の側部(側壁)に設けられた戻し配管11の開口部とほぼ同じ高さ位置に位置している。なお、開口部83は下流側ピット10の側部(側壁)に設けられた戻し配管11の開口部とほぼ同じ高さ位置か、または開口部83の上端(上流側端)が戻し配管11の開口部の上端(上流側端)よりも下側に位置することが好ましい。
延長管8の下端(下流端)側が二重管構造をなすことにより、下降管5から下流側ピット10へと移動する溶融ガラスGのうち、溶融ガラスの導管壁面と溶融ガラスとの界面での泡の発生や、減圧脱泡槽での溶融ガラスの液面上昇による減圧脱泡効果の低下によって、泡を多く含む部分を、溶融ガラスのメインフローから分離する分離機構として機能する。該延長管8が分離機構として機能する理由について以下に述べる。
上述したように、減圧脱泡を実施しているにもかかわらず、溶融ガラス中の泡が増加する原因の一つは、溶融ガラスの導管壁面と溶融ガラスとの界面での泡の発生である。溶融ガラスの導管壁面と溶融ガラスとの界面で発生した泡は、溶融ガラス中に均一に拡散することなく、導管の壁面に沿ってある厚さの境界層流、例えば、層厚10〜50mm程度の境界層流として流れる。
また、溶融ガラス中の泡が増加する別の一つの原因は、減圧脱泡槽内における溶融ガラスの液面が上昇した場合に、減圧脱泡効果が低下して減圧脱泡槽3の底面付近に存在する泡が浮上することができなくなることである。このような泡は、減圧脱泡槽3内では底面付近に存在するが、減圧脱泡槽3から流出して下降管5(さらに、延長管8)に到達した後も、下降管5(さらに、延長管8)の壁面、より具体的には、減圧脱泡槽内で水平方向における溶融ガラス流の流れ方向における上流側(以下、「水平方向上流側」という。)の壁面に沿ってある厚さの境界層流、例えば、層厚3〜5mm程度の境界層流として流れる。
以下、本明細書において、境界層流といった場合、溶融ガラスの導管壁面と溶融ガラスとの界面での泡の発生による境界層流と、減圧脱泡槽内における溶融ガラスの液面上昇による減圧脱泡効果の低下による境界層流の両方を含む。
このような境界層流を含んだ溶融ガラス流が図2に示す延長管8の二重管構造に到達すると、泡を多く含む境界層流は、内管81の外壁と外管82の内壁との間の空隙部分(以下、「二重管構造の空隙部分」ともいう。)に移動する。一方、境界層流を除いた溶融ガラス流のメインフロー(以下、「メインフロー」という。)は内管81内側の空隙(以下、「内管81内部」という。)に移動する。これにより、境界層流とメインフローとが物理的に分離される。なお、メインフローとは、減圧脱泡により泡が十分除去された溶融ガラス流であって、最終的には製品となり得るものを意味する。
内管81内部を移動するメインフローは、図中矢印A方向に移動する。すなわち、内管81の下端(下流端)(開放端)を通過して、下流側ピット10内を下流方向へと移動する。一方、二重管構造の空隙部分を移動する境界層流は、図中矢印B方向に移動する。すなわち、外管82の側壁に設けられた開口部83から下流側ピット10へと流出し、該下流側ピット10の側部(側壁)に設けられた開口部から戻し配管11へと移動する。
この結果、減圧脱泡により泡が十分除去されたメインフローのみが成形装置へと供給される。
一方、泡を多く含んだ境界層流は、戻し配管11内を移動して上流側ピット9へと送られる。上流側ピット9に到達した境界層流は、溶解槽100から新たに供給されてくる溶融ガラスとともに上昇管4(より具体的には、延長管7および上昇管4)を上昇して、減圧脱泡槽3に送られる。
このようにして、本発明の減圧脱泡装置では、泡を多く含んだ境界層流が減圧脱泡槽3に送られ再度減圧脱泡されることにより、溶融ガラスの導管壁面と、溶融ガラスと、の界面での泡の発生や減圧脱泡槽内における溶融ガラスの液面上昇による減圧脱泡効果の低下による影響が抑制される。
しかも、上流側ピット9へ送られた境界層流は、溶解槽100から供給される溶融ガラスとともにそのまま上昇管4の戻し配管側を上昇するので、減圧脱泡槽3では、メインフローから分離されて減圧脱泡槽3に戻された溶融ガラスが下層、溶解槽100から新たに供給される溶融ガラスが上層の2層流を形成すると考えられる。このような2層流が形成されることにより、溶解槽100から新たに供給される溶融ガラスにとっては、減圧脱泡槽3内における見かけ上の深さが減少する。これにより、減圧脱泡の効果が向上することが期待される。
なお、泡を多く含んだ境界層流を分離機構により分離し、戻し配管を通じて減圧脱泡槽に戻すことによって得られる上記の効果は、後述する本発明の減圧脱泡装置の第2〜第4の態様においても同様に発揮される。
本発明の減圧脱泡装置の第1の態様において、境界層流と、メインフローと、を適切に分離するために以下に述べる点について留意すべきである。以下に述べる点については図3を参照のこと。なお、図3は、各部の寸法を示す符号が追加されている点を除いて図2と同一である。
図3に示す延長管8において、開口部83からの境界層流(図2中、矢印Bで示す)と内管81からの溶融ガラスのメインフロー(図2中、矢印Aで示す)と、が再び合流することを防止するため、図3に示す内管81が外管82の下端(下流端)(閉止端)から突出していることが好ましい。
外管82の側壁に設けられた開口部83の位置および形状にもよるが、境界層流の出口である開口部83と、メインフローの出口である内管81下端(下流端)と、の距離が近いと、二重管構造によって分離された境界層流と、メインフローと、が再び合流するおそれがある。内管81が外管82の下端(下流端)(閉止端)から突出していれば、内管81下端(下流端)が開口部83から十分離れているので、境界層流とメインフローとが再び合流するおそれがなく、両者を確実に分離することができる。
境界層流とメインフローとを確実に分離することができる点で、開口部83下端(下流側端)から内管81下端(下流端)までの距離Lexitは、10〜200mmであることが好ましい。
境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、前記内管81の上端(上流端)から前記開口部83の上端(上流側端)までの距離Lin(mm)と、前記内管81の内径Din(mm)とが、下記式(1)に表す関係を満たすことが好ましい。
in ≧ Din/2・・・(1)
inおよびDinが、上記式(1)に示す関係を満たしていれば、開口部83からの二重管構造の長さ、より具体的には、開口部83からの二重管構造の空隙部分の長さが、境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに十分である。
inは、減圧脱泡装置の規模、特に該装置を通過する溶融ガラスの流量(t/日)によって異なるが、通常は50〜900mmであり、より好ましくは100〜700mmである。Linは50mm以上であることが好ましく、100mm以上であることがより好ましく、200mm以上1500mm以下であることが特に好ましい。但し、コスト面で問題がなければ、延長管8は全長にわたって二重管構造であってもよい。一方、Linが50mm以下であると、開口部83までの距離が不十分となり、境界層流とメインフローとの分離に支障をきたす可能性がある。
本発明の減圧脱泡装置の第1の態様において、Lin(mm)およびDin(mm)が下記式(2)で示す関係を満たすことがより好ましく、下記式(3)で示す関係を満たすことがさらに好ましい。
in ≧ 1.0×Din・・・(2)
1.0×Din ≦ Lin ≦ 4×Din・・・(3)
図1に示す減圧脱泡装置1において、二重管構造以外の部分も含めた延長管8全体の長さは、通常は100〜3000mmであり、より好ましくは200〜1500mmである。図1に示す構造の減圧脱泡装置1では、減圧脱泡槽3における溶融ガラスGの液面の高さを調節するため、減圧脱泡槽3を最大で600mm程度上下させる場合がある。この際、延長管8の先端が下流側ピット10内の溶融ガラスGに常に浸漬している必要がある。延長管8全体の長さが上記範囲であれば、減圧脱泡槽3を最大限に上下させても、延長管8の先端が下流側ピット10内の溶融ガラスGに常に浸漬した状態となる。
境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、外管82の内径と内管81の外径との差Dout-in(mm)が、内管81の内径Din(mm)との間で下記式(4)で表される関係を満たすことが好ましい。ここで、Dout-in/2は二重管構造の空隙部分の幅にあたる。
out-in/2 ≧ 0.02×Din・・・(4)
out-inおよびDinが、上記式(4)で示す関係を満たしていれば、二重管構造の空隙部分の幅が、境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに十分である。
境界層流は、溶融ガラスの温度や粘度、流路を構成する材料などによっても若干変動するが、3〜5mm程度の厚さを有する。これらの境界層流をメインフロー中に流入させないためには、上記のような関係が必要である。
out-in/2は、具体的には5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましく、さらに100mm以下であることが特に好ましい。Dout-in/2を100mm超とした場合、境界層流の厚さに対して二重管構造の空隙部分の幅が大きくなりすぎるため、メインフローのうち、分離されて二重構造の空隙部分に移動する量が増加して、製造されるガラスの歩留まりを低下させるので好ましくない。
図2に示す延長管8において、境界層流のみが分離されて、二重管構造の空隙部分に移動することが好ましく、これを達成するためには二重構造の空隙部分の幅を境界層流の層厚と実質的に同一にすることが理想的である。しかしながら、減圧脱泡の実施時における境界層流の層厚は、必ずしも一定ではなく、変動する場合もある。ゆえに、境界層流を確実に分離して、二重構造の空隙部分に移動させるためには、二重構造の空隙部分の幅を境界層流の層厚よりもある程度大きいことが好ましい。この場合、メインフローの一部も分離されて、二重構造の空隙部分に移動する。
したがって、二重構造の空隙部分の幅が境界層流の層厚よりも大きすぎる場合、メインフローのうち、分離されて二重構造の空隙部分に移動する量が増加して、製造されるガラスの歩留まりを低下させるので好ましくない。
本発明の減圧脱泡装置の第1の態様において、Dout-in(mm)およびDin(mm)が下記式(5)で示す関係を満たすことがより好ましく、下記式(6)で示す関係を満たすことがさらに好ましい。
out-in/2 ≧ 0.04×Din・・・(5)
0.04×Din ≦ Dout-in/2 ≦ 0.25×Din・・・(6)
ここで、Dinは、上記したように通常は50〜900mmであり、より好ましくは100〜700mmである。溶融ガラスの導管構造として用いる白金製または白金合金製の内管81および外管82の肉厚は、0.4〜6mmであることが好ましく、0.8〜4mmであることがより好ましい。
以上の点から、内管81の外径は、55〜905mmであることが好ましく、より好ましくは105〜705mmである。外管82の外径は、70〜1200mmであることが好ましく、より好ましくは100〜1000mmである。
また、境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、内管81の上端(上流端)から開口部83の上端(上流側端)までの距離Lin(mm)と、外管82の内径と内管81の外径との差Dout-in(mm)と、が下記式(7)で表される関係を満たすことが好ましい。
in ≧ (Dout-in/2)×3・・・(7)
inおよびDout-inが上記の関係を満たしていれば、二重構造の空隙部分の幅(Dout-in/2)との関係で見た場合に、開口部83からの二重管構造の空隙部分の長さLinが、境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに十分である。
また、Dout-in×20 ≧ Linであることが好ましい。
また、境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、外管82の流路の断面積から内管81の流路の断面積を引いた断面積差Sout-in(mm2)と、内管81の流路の断面積Sin(mm2)と、が下記式(8)で表される関係を満たすことが好ましい。
out-in ≦ Sin・・・(8)
ここで、外管82および内管81の流路の断面積とは、外管82および内管81の流路の長手方向に対して垂直な断面積を指す。Sout-inおよびSinが式(8)で表される関係を満たしていれば、境界層流の厚さに対して二重管構造の空隙部分の幅が大きくなりすぎないため、メインフローのうち、分離されて二重構造の空隙部分に移動する量が増加することがない。したがって、製造されるガラスの歩留まりが低下することがない。
本発明の減圧脱泡装置の第1の態様において、Sout-in(mm2)およびSin(mm2)が下記式(9)で表される関係を満たすことが好ましく、下記式(10)で表される関係を満たすことがさらに好ましい。
out-in ≦ 0.90 ×Sin・・・(9)
out-in ≦ 0.80 ×Sin・・・(10)
また、 0.50×Sin ≦ Sout-inであることが好ましい。
また、境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、開口部83の面積S83(mm2)と、外管82の内径Dout(mm)と、が下記式(11)で表される関係を満たすことが好ましい。
83 ≧ 9 × Dout・・・(11)
ここで、開口部83の面積S83は、該開口部83の平面上への投影面積である。S83およびDoutが上記式(11)で示す関係を満たしていれば、開口部83が外管82と内管81との空隙部分を通る溶融ガラスを流出させることができる程度に大きいため、該開口部83を通過する際の境界層流の流動抵抗が顕著に増加することがない。開口部83が非常に小さい場合、該開口部83を通過する際の境界層流の流動抵抗が顕著に増加する。この結果、二重管構造の空隙部分を移動する境界層流と、内管81の内部を移動するメインフローと、の間で流動性に著しい差が生じ、境界層流とメインフローとを分離する効果が低下する。なお、上記式(11)は、境界層流の厚さが3mmの場合には、3mm以上の流れの溶融ガラスを開口部から流出させる必要があり、その点に着目して求められた数式である。
本発明の減圧脱泡装置の第1の態様において、S83(mm2)およびDout(mm)が下記式(12)で示す関係を満たすことがより好ましく、下記式(13)で示す関係を満たすことがさらに好ましい。
83 ≧ 12×Dout・・・(12)
20 ×Dout ≦ S83 ≦ 90 ×Dout・・・(13)
83が90×Doutよりも大きい場合、外管82の内径に対して開口部83の大きさが大きくなりすぎるため、二重管構造によって分離された境界層流と、メインフローと、が再び合流するおそれがある。
なお、開口部83は、外管82の閉止端近傍に設けられることが好ましい。なお、閉止端近傍とは、外管82の閉止端の部分のみならず、図2に示すように、外管82の閉止端に近い部分の側壁部分をも含む。ここでいう「閉止端に近い部分」とは、外管82の閉止端から200mm以内の範囲のことを意味する。
開口部83を閉止端近傍に設けることにより、境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するための二重管構造の空隙部分を長くすることができる。
また、開口部83は必ずしも一つである必要はなく、複数あってもよい。開口部が複数の場合、少なくとも1つの開口部が外管82の閉止端から200mm以内にあればよい。
また、開口部83が矩形形状である場合、外管82の長手方向に長い矩形形状(すなわち、縦長の矩形形状)ではなく、外管82の周方向に長い矩形形状(すなわち、横長の矩形形状)であることが、該開口部83を境界層流が通過する際の流動抵抗が小さいことから好ましい。
開口部83の形状は、矩形形状に限定されず、他の形状であってもよい。例えば、正方形であってもよく、円形もしくは楕円形であってもよい。また、三角形、五角形、六角形、八角形等の他の多角形であってもよい。
開口部83は、外管82の周方向の長さ(すなわち、開口部83の幅)が、下流側ピット10の側部(側壁)に設けられた戻し配管11の開口部の幅よりも小さいことが好ましい。開口部83の幅が戻し配管11の開口部の幅よりも大きいと、二重管構造によって分離された境界層流と、メインフローと、が再び合流するおそれがある。
ここで、開口部83の幅は、該開口部83を平面上へ投影した形状における幅である。
同様に、戻し配管11の開口部が曲面形状である場合、上述した戻し配管11の開口部の幅とは、該開口部を平面上へ投影した形状における幅である。
図2において、外管82に設けられた開口部83は、下流側ピット10の側部(側壁)に設けられた戻し配管11の開口部付近、より具体的には、戻し配管11の開口部と同じ高さに位置している。但し、開口部83の上端(上流側端)が戻し配管11の開口部の上端(上流側端)からさらに下側(具体的には、開口部83の上端(上流側端)が戻し配管11の開口部の上端(上流側端)よりも0〜500mm下側)に位置することが好ましい。二重管構造によって分離された境界層流と、メインフローと、が再び合流することを防止するためには、開口部83の上端(上流側端)が戻し配管11の開口部の上端(上流側端)からさらに下側に位置することは好ましい構成である。
上述したように、図1に示す構造の減圧脱泡装置1では、減圧脱泡槽3における溶融ガラスGの液面の高さを調節するために、減圧脱泡槽3を最大で600mm程度上下させる場合がある。このため、開口部83と下流側ピット10の側部(側壁)に設けられた戻し配管11の開口部との位置関係は、図2に示した位置関係からある程度変化する。しかしながら、減圧脱泡槽3を上下動させた場合であっても、開口部83は、戻し配管11の開口部から離れすぎないことが、二重管構造によって分離された境界層流と、メインフローと、が再び合流することを防止するために好ましい。開口部83の上端(上流側端)と、戻し配管11の開口部の上端(上流側端)と、が最も離れた状態において、両者の距離は400mm以下であることが好ましく、200mm以下であることがより好ましい。
さらに、開口部83から流出された境界層流が、メインフローと再び合流することを防止するために、下流側ピット10の側部(側壁)に設けられた戻し配管11の開口部の面積をある程度大きくとる必要がある。具体的には、戻し配管11の開口部の面積をS11(mm2)とした場合、開口部83の面積S83(mm2)と、の間で下記式(14)で示す関係を満たすことが好ましい。
11 ≧ S83・・・(14)
本発明の減圧脱泡装置の第1の態様において、二重管構造をなす内管81および外管82は、白金または白金合金製の中空管であって、下記(1)〜(3)の条件を満たしている限り、その形状はこれに限定されない。
(1)内管81は上端(上流端)および下端(下流端)が開放端である。
(2)外管82は、上端(上流端)が開放端、下端(下流端)が閉止端となっている。但し、外管82の下端(下流端)の閉止端の一部を内管81が貫通している。
(3)外管82の下端(下流端)側に開口部83が設けられている。
したがって、内管81および外管82は、断面形状が楕円形状のものや、四角形、六角形、八角形等、多角形形状のものであってもよい。
また、図2に示す延長管8において、外管82の閉止端(下端(下流端))が水平端であるが、外管の閉止端の形状はこれに限定されない。図4は、延長管の別の形態を示した断面図であり、外管の閉止端の形状が図2に示す延長管8とは異なっている。図4に示す延長管8´において、内管81´と外管82´とが二重管構造をなしている点は、図2に示す延長管8と同様であるが、外管82´の閉止端(下端(下流端))が斜めに傾斜した形状になっている。
より具体的には、外管82´の長さについてみた場合、下流側ピット10の側部(側壁)に設けられた戻し配管11の開口部に面する側の長さがその反対側よりも長くなっており、外管82´の閉止端(下端(下流端))が斜めに傾斜している。
戻し配管11の開口部に面する側の外管82´の下端(下流端)付近の側壁には開口部83´が設けられている。図4に示す延長管8´では、二重構造の空隙部分を移動する境界層流を外管82´の斜めに傾斜した閉止端(下端(下流端))に沿って開口部83´方向に誘導することができる。
なお、内管81´の開口端、すなわち、上端(上流側端)や下端(下流側端)が斜めに傾斜した形状になっていてもよい。例えば、図4において、開口部83´から遠い側の内管81´の上端(上流端)が、開口部83´に近い側の内管81´の上端(上流端)よりも低くなるように傾斜した形状であった場合、以下の効果が生じる。開口部83´に到達するまでに境界層流が二重構造の空隙部分を移動する距離に関して、内管81´の上端(上流端)が傾斜していなかった場合、開口部83´から遠い側の空隙部分を境界層流が移動する距離のほうが、開口部83´に近い側の空隙部分を移動する距離よりも長くなるので、空隙部分を移動する境界層流で圧損が生じるおそれがある。開口部83´から遠い側の内管81´の上端(上流端)が、開口部83´に近い側の内管81´の上端(上流端)よりも低くなるように傾斜した形状であった場合、開口部83´から遠い側の空隙部分を境界層流が移動する距離と、開口部83´に近い側の空隙部分を境界層流が移動する距離と、の差が小さくなるため、空隙部分を移動する境界層流で圧損が発生するおそれが少なくなる。
図4に示す延長管8´においても、上記した式(1)〜(14)の関係が適用される。
なお、図4に示す延長管8´において、開口部83下端(下流側端)から内管81下端(下流端)までの距離Lexit(図3参照)は、開口部83´下端(下流側端)から内管81´の下端(下流端)までの距離である。内管81´上端(上流端)から開口部83´上端(上流側端)までの距離Lin、内管81´の内径Din、外管82´の内径と内管81´の外径との差Dout-in、内管81´および外管82´の流路の断面積、開口部83´の面積S83および下流側ピット10の側部(側壁)に設けられた戻し配管11の開口部の面積S11については、図2に示す延長管8と同様である。
また、図2〜図4に示す延長管8,8´において、内管81,81´は、全ての部位で径(内径、外径)同一の単なる直管形状をした中空円筒管が示されているが、内管の形状はこれに限定されない。図5は、延長管の別の形態を示した断面図であり、内管の形状が図2〜図4に示す延長管8,8´とは異なっている。図5に示す延長管8´´において、内管81´´と外管82´´とが二重管構造をなしている点は、図2〜図4に示す延長管8,8´と同様である。但し、図5に示す延長管8´´では、内管81´´の一部(図面では下端(下流端)近傍部分)が拡径しておりテーパ管形状をなしている。テーパ管形状をなす内管81´´の下端(下流端)が、外管82´´の内壁と接合することによって、内管81´´の外壁と外管82´´の内壁との間の空隙部分の下端(下流端)が閉止端となっている。したがって、内管81´´の下端(下流端)は、外管82´´の閉止端から突出していない。図5に示す延長管8´´では、二重構造の空隙部分を移動する境界層流をテーパ管形状をなす内管81´´の外壁に沿って開口部83´´方向に誘導することができる。
図5に示す延長管8´´においても、上記した式(1)〜(14)の関係が適用される。なお、図5に示す延長管8´´において、内管81´´の内径Dinは、内管81´´のうち、拡径していない部分の内径である。内管81´´上端(上流端)から開口部83´´上端(上流側端)までの距離Lin、外管82´´の内径と内管81´´の外径との差Dout-in、内管81´´および外管82´´の流路の断面積、開口部83´´の面積S83および下流側ピット10の側部(側壁)に設けられた戻し配管11の開口部の面積S11については、図2に示す延長管8と同様である。
また、図2〜図5に示す延長管8,8´,8´´は、外管82,82´,82´´の下端(下流端)側に設けられた開口部83,83´,83´´を下流側ピット10の側部(側壁)に設けられた戻し配管11の開口部付近に位置させることにより、開口部83,83´,83´´から流出された境界層流が、メインフローと再び合流することを防止しているが、図6に示す延長管8´´´のように、開口部83´´´から流出された境界層流をそのまま戻し配管11の開口部まで導くための導管84を設けてもよい。なお、図6に示す延長管8´´´では、開口部83´´´が外管82´´´の側壁ではなく、閉止端の一部に設けられている。
図6に示す延長管8´´´は、装置的に複雑にはなるが、確実にメインフローと境界層流とを分離できる点で優れている。
図2〜図5に示す延長管8,8´,8´´では、外管82,82´,82´´の下端(下流端)付近の側壁に開口部83,83´,83´´が1つ設けられており、図6に示す8´´´では、外管82´´´の閉止端の一部に開口部83´´´が1つ設けられている。但し、開口部の数はこれに限定されず、複数でもよい。この場合、複数の開口部は、外管の同一の高さ位置に並列するように(すなわち、左右等に)設けられていてもよく、または外管の周方向同一の位置に高さ位置を変えて(すなわち、上下に)設けられていてもよい。また、これらの二つの態様を組み合わせた形で(すなわち、上下左右等に)設けられていてもよい。
なお、開口部が複数存在する場合、Lexitは最も下側に位置する開口部下端(下流側端)から内管下端(下流端)までの距離とする。Linは最も上側に位置する開口部上端(上流側端)と内管上端(上流端)との間の距離とする。Sは全ての開口部の面積の合計とする。但し、上記式(14)については、互いに対応関係にある開口部(外管下端(下流側端)側の開口部とドレインアウトの開口部)について適用される。
上述した原理により延長管8が有する二重管構造により分離された溶融ガラス(境界層流)は、戻し配管11を通過して上流側ピット9へと戻される。
戻し配管11は、耐火レンガ製、または白金製若しくは白金合金製の中空管である。戻し配管11が耐火レンガ製の中空管である場合、外形が矩形断面を有する耐火レンガ製の中空管であり、溶融ガラスの流路をなす内部形状は矩形断面または円形断面を有することが好ましい。一方、戻し配管11が白金製または白金合金製の中空管である場合、溶融ガラスの流路をなす内部断面形状が、円形または楕円形を有することが好ましい。いずれの場合においても、戻し配管11において、溶融ガラスの流路をなす内部形状は下流側ピット10の側面に設けられた開口部の形状と一致していることが、溶融ガラスの滞留を防止できるので好ましい。また、溶融ガラスの流動抵抗の増加や圧損の発生を防止するため、戻し配管11の断面積は該戻し配管11全体を通じて一定であることが好ましい。したがって、戻し配管11の断面積は、下流側ピット10の側部(側壁)設けられた開口部の面積、および、上流側ピット9の側部(側壁)に設けられた開口部の面積と実質同一であることが好ましい。
また、戻し配管11は、上流側ピット9への経路が最短になるように設けることが好ましい。この点から、戻し配管11は、図1に示すように、上流側ピット9に向って水平方向に延ばすことが好ましい。また、戻し配管11における溶融ガラスの流動抵抗の増加を防止するため、戻し配管11に設ける曲部は最小限に留めることが好ましい。図1において、戻し配管11はポンプ手段12が設けられた部分で上昇しており、攪拌手段13が設けられた部分で下降しているが、ポンプ手段12と攪拌手段13の位置は逆であってもよく、それぞれの機能が得られる位置であればどこでもよい。
戻し配管11の寸法は、使用する減圧脱泡装置に応じて適宜選択することができる。図1に示す戻し配管11の場合、その寸法の具体例は以下の通りである。
水平方向における長さ: 1〜15m、好ましくは1〜12m、より好ましくは1〜10m
内部断面形状における幅: 0.2〜7m、好ましくは0.2〜5m、より好ましくは0.2〜3m
図1に示す減圧脱泡装置は、戻し配管11内における溶融ガラス流を制御するポンプ手段12を有している。ポンプ手段12は、戻し配管11内における溶融ガラス流を制御し、上流方向(矢印で示す)に向かう一定の流速の溶融ガラス流gを形成する。これにより、戻し配管11内における溶融ガラスの停滞が防止される。また、上流側ピット9から戻し配管11に溶融ガラスが進入して、戻し配管11内で溶融ガラスが逆流することが防止される。また、ポンプ手段12により、戻し配管11内における溶融ガラス流の流速を必要に応じて増減させることができる。
但し、ポンプ手段12を用いることなしに、戻し配管11内における溶融ガラス流を制御して、上流方向(矢印で示す)に向かう一定の流速の溶融ガラス流を形成することができる場合、ポンプ手段12はなくてもよい。例えば、上昇管4に接続された延長管7内の溶融ガラスの温度と、下降管5に接続された延長管8内の溶融ガラスの温度との差が大きい場合は、熱対流の影響によりポンプ手段12を用いなくても、戻し配管11内において、上流方向(矢印で示す)に向かう溶融ガラス流が形成される。
ポンプ手段12としては、高温の溶融ガラス流に耐えうる耐熱性を有し、粘度が高い溶融ガラスに対して使用可能なものである限り特に限定されず、公知の構造のポンプ手段から広く選択することができる。中でも、軸流式のポンプが、高温耐久性が高い理由から好ましい。軸流式のポンプとしては、プロペラ状の羽を有するものが広く知られているが、螺旋状の羽根を有する軸流式のポンプが高い効率が得られることから特に好ましい。
図1では、戻し配管11の中央付近にポンプ手段12を設けているが、ポンプ手段を設ける位置は特に限定されず、より下流側ピット10に近い側に設けてもよく、より上流側ピット9に近い側に設けてもよい。さらにまた、戻し配管11内における溶融ガラス流を適切に制御できる場合、下流側ピット10、より具体的には、下流側ピット10内の戻し配管11の開口部付近や、上流側ピット9内、例えば、上流側ピット9内の戻し配管11の開口部付近にポンプ手段を設けてもよい。
また、図1では戻し配管11内に1基のポンプ手段12が設けられているが、ポンプ手段12の数はこれに限定されず、ポンプ手段を複数設置してもよい。例えば、図1における攪拌手段13の代わりに、軸流式のポンプをポンプ手段として設置してもよい。
図1に示す減圧脱泡装置は、戻し配管11を通過する溶融ガラスを攪拌する攪拌手段13を有している。攪拌手段13は、必須の構成要件ではないが、戻し配管11を通過して上流側ピット9に戻される溶融ガラスの均質性を高めるために攪拌手段を設けることが好ましい。攪拌手段としては、溶融ガラスを攪拌する目的で使用される公知の手段から広く選択することができる。
なお、上述したように、軸流式のポンプは溶融ガラスを攪拌させる作用を有する。ポンプ手段として設置する軸流式のポンプによる攪拌作用によって、溶融ガラスの均質性を十分高めることができる場合、別途攪拌手段を設けなくてもよい。
また、戻し配管11のような水平方向に設置された導管構造を通過する溶融ガラスでは、溶融ガラスの部位によって温度ムラが生じる場合がある。例えば、戻し配管11の底面側の溶融ガラスが上層側の溶融ガラスに比べて温度が低くなる場合がある。このような温度ムラが生じると溶融ガラスの均質性に悪影響を及ぼすため好ましくない。
本発明の減圧脱泡装置の第1の態様において、戻し配管11を通過する溶融ガラスに温度ムラが生じるのを防止するため、戻し配管11を通過する溶融ガラスを加熱する加熱手段、例えば、戻し配管11の底面側から溶融ガラスを加熱する手段を設けることが好ましい。加熱手段を設ける場合、その種類は特に限定されず、ガラス溶解槽においてガラスを加熱するのと同様の手段を用いることができる。すなわち、燃料を燃焼することによって溶融ガラスを加熱する手段、電力を用いて溶融ガラスを加熱する手段等を用いることができる。
本発明の減圧脱泡装置の第2の態様は、下降管の下端(下流端)に延長管が取り付けられておらず、下降管自体がその下端(下流端)側に二重管構造を有する白金または白金合金製の中空管である点を除いて、本発明の減圧脱泡装置の第1の態様と同様である。したがって、本発明の減圧脱泡装置の第2の態様では、下降管の下端(下流端)が下流側ピットの開口端に嵌入され、該下流側ピット内の溶融ガラスに浸漬される。
本発明の減圧脱泡装置の第2の態様では、下降管が有する二重管構造が、下降管から下流側ピットへと移動する溶融ガラスのうち、泡を多く含んだ境界層流をメインフローから分離する分離機構として機能する。
なお、二重管構造を有する下降管が満たすべき特徴については、本発明の減圧脱泡装置の第1の態様において、延長管が有する二重管構造について記載したのと同様である。
次に、本発明の減圧脱泡装置の第3の態様について説明する。
図7は、本発明の減圧脱泡装置の第3の態様を示した断面図である。図7に示す減圧脱泡装置1´は、以下の相違点以外は図1に示す減圧脱泡装置1と同じである。
・下降管5の下端側(下流端)に接続する延長管14が二重管構造を有していない。
・下流側ピット15が後述する構造を有する。
図8は、図7に示す減圧脱泡装置1´の下流側ピット15およびその周辺を示した部分拡大図である。
図8に示す下流側ピット15は、外管をなすピット本体16と、該ピット本体16内に位置し、下流方向に延びる内管17と、の二重管構造となっている。この二重管構造が、下降管5から下流側ピット15へと移動する溶融ガラスGのうち、泡を多く含んだ境界層流をメインフローから分離する分離機構として機能する。
ピット本体16は、上端(上流端)が開口した有底筒状体であり、上端(上流端)の開口部の形状は、例えば四角形等の方形または円形である。ピット本体16の側部(側壁)には戻し配管11の開口部が設けられている。但し、戻し配管11の開口部を設ける位置は、ピット本体16の側部(側壁)に限定されず、ピット本体16の底部に設けてもよい。
内管17は、両端が開口した中空筒状管であり、その断面形状は例えば円形である。内管17は、その一端が溶融ガラスの流動方向における上流側、すなわち、下降管5側、より具体的には下降管5の下端(下流端)に取り付けられた延長管14側、に位置しており、他端は、ピット本体16の側部(側壁)を貫通して溶融ガラスの流動方向における下流方向に延びている。内管17は、その全体形状が略L字状をなしている。
ピット本体16および内管17は、通常は白金製または白金合金製である。ピット本体16および内管17が白金製または白金合金製の場合、その断面形状は、円形または楕円形状であることが、作製の容易さや変形の困難性等の理由により好ましい。
但し、ピット本体16および内管17は、耐火レンガ製であってもよい。ピット本体16および内管17が耐火レンガ製の場合、その断面形状は、四角形等の多角形、円形または楕円形状であることが、作製の容易さや耐火レンガの侵食の防止等の理由により好ましい。
図8において、延長管14と、内管17と、がオーバーラップしている部分を有する。
より具体的には、内管17の上端(上流端)が延長管14内部に位置することで両者がオーバーラップしている。但し、延長管14と、内管17と、がオーバーラップしている部分を有することは必須ではなく、両者がオーバーラップしなくてもよい。
また、図7に示す減圧脱泡装置1´では、耐火レンガ製、または、白金製若しくは白金合金製の下降管5の下端(下流端)に取り付けられた白金製または白金合金製の延長管14が下流側ピット15内(ピット本体16内)の溶融ガラスに浸漬しているが、減圧脱泡装置によっては、白金製または白金合金製の下降管が下流側ピット内の溶融ガラスに浸漬している場合もある。このような場合、白金製または白金合金製の下降管と、下流側ピットの内管と、が直接オーバーラップする。本発明の減圧脱泡装置の第3の態様にはこのようなものも含まれる。
以下、本明細書において、「下降管と、下流側ピットの内管と、がオーバーラップしている」と言った場合、下記(a),(b)の両方を包含する。
(a)耐火レンガ製、または、白金製若しくは白金合金製の下降管の下端(下流端)に取り付けられた白金製または白金合金製の延長管と、下流側ピットの内管と、がオーバーラップしている。
(b)白金製または白金合金製の下降管と、下流側ピットの内管と、が直接オーバーラップしている。
本発明の減圧脱泡装置の第3の態様において、境界層流と、メインフローと、を適切に分離するために以下に述べる点について留意すべきである。以下に述べる点については図9を参照のこと。なお、図9は、各部の寸法を示す符号が追加されている点を除いて図8と同一である。
図9において、延長管14の内径D1(mm)と、内管17の外径D2(mm)と、は下記式(15)で表される関係を満足することが好ましい。
1 > D2・・・(15)
すなわち、本発明の減圧脱泡装置の第3の態様において、下降管(延長管である場合も含む)と、下流側ピットの内管と、がオーバーラップしている場合、下流側ピットの内管の上端(上流端)が下降管内部に位置する関係となる。
本発明の減圧脱泡装置の第3の態様において、延長管と、内管とが上記のような関係になっていることにより、以下に述べる効果が発揮される。
境界層流を含んだ溶融ガラス流が、図8中、延長管14と、内管17と、がオーバーラップしている部分に到達すると、泡を多く含んだ境界層流は、延長管14の内壁と内管17の外壁との間の隙間に属する領域、すなわち、延長管14の内壁と内管17の外壁との間の空隙部分に移動する(図中、矢印Bで表す。)。一方、境界層流を除いたメインフローは内管17の内部に移動する(図中、矢印Aで表す。)。この結果、境界層流とメインフローとが物理的に分離される。
内管17の内部を移動するメインフローは、図中矢印A方向に沿って移動する。すなわち、内管17内部を下流方向へと移動する。一方、延長管14の内壁と内管17の外壁との間の空隙部分を移動する境界層流は、図中矢印B方向に沿って移動し、ピット本体16の側部(側壁)に設けられた開口部から戻し配管11へと移動する。
このようにして、境界層流と、メインフローと、が物理的に分離され、減圧脱泡により泡が十分除去されたメインフローのみが成形装置へと供給される。一方、泡を多く含んだ境界層流は、戻し配管11内を移動し、上流側ピット9へと送られる。上流側ピット9に到達した境界層流は、溶解槽100から新たに供給されてくる溶融ガラスとともに上昇管4(より具体的には、延長管7および上昇管4)を上昇して、減圧脱泡槽3に送られる。
境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、延長管14の内径D1(mm)と内管17の外径D2との差ΔD(mm)が、内管17の内径D3(mm)との間で下記式(16)で表される関係を満たすことが好ましい。
ΔD ≧ 0.04×D3・・・(16)
ΔDおよびD3が、上記式(16)で示す関係を満たしていれば、延長管14の内壁と内管17の外壁との間の空隙部分の幅、すなわち、ΔD/2が、境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに十分である。
ΔDは、具体的には10mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがより好ましく、40mm以上200mm以下であることが特に好ましい。ΔDを200mm超とした場合、境界層流の厚さに対して、延長管14の内壁と内管17の外壁との間の空隙部分の幅が大きくなりすぎるため、メインフローの流量が減少し好ましくない。
図8において、境界層流のみが分離されて、延長管14の内壁と内管17の外壁との間の空隙部分に移動することが好ましく、これを達成するためには延長管14の内壁と内管17の外壁との間の空隙部分の幅を境界層流の層厚と実質的に同一にすることが理想的である。
しかしながら、減圧脱泡の実施時における境界層流の層厚は、必ずしも一定ではなく、変動する場合もある。ゆえに、境界層流を確実に分離して、延長管14の内壁と内管17の外壁との間の空隙部分に移動させるためには、該空隙部分の幅を境界層流の層厚よりもある程度大きいことが好ましい。この場合、メインフローの一部も分離されて、該空隙部分に移動する。
したがって、延長管14の内壁と内管17の外壁との間の空隙部分の幅が境界層流の層厚よりも大きすぎる場合、メインフローのうち、分離されて該空隙部分に移動する量が増加して、製造されるガラスの歩留まりを低下させるので好ましくない。
減圧脱泡装置の第3の態様において、ΔD(mm)およびD3(mm)が下記式(17)で示す関係を満たすことがより好ましく、下記式(18)で示す関係を満たすことがさらに好ましい。
ΔD ≧ 0.08×D3・・・(17)
0.1×D3 ≦ ΔD ≦0.6×D3・・・(18)
ここで、D3は、通常は50〜900mmであり、より好ましくは100〜700mmである。白金製または白金合金製の内管17および延長管14の肉厚は、0.4〜6mmであることが好ましく、0.8〜4mmであることがより好ましい。
以上の点から、内管17の外径D2は、51〜912mmであることが好ましく、より好ましくは102〜708mmである。延長管14の外径は、60〜1300mmであることが好ましく、より好ましくは123〜1000mmである。
また、境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、延長管14の流路の断面積から内管17の流路の断面積を引いた断面積差ΔS(mm2)と、内管17の流路の断面積S1(mm2)と、が下記式(19)で表される関係を満たすことが好ましい。
ΔS ≦ S1・・・(19)
ここで、延長管14および内管17の流路の断面積とは、延長管14および内管17の流路の長手方向に対して垂直な断面積を指す。ΔSおよびS1が式(19)で表される関係を満たしていれば、境界層流の厚さに対して、延長管14の内壁と内管17の外壁との間の空隙部分の幅が大きくなりすぎないため、メインフローのうち、分離されて該空隙部分に移動する量が増加することがない。したがって、製造されるガラスの歩留まりが低下することがない。
また、 0.50×S1 ≦ ΔSであることが好ましい。
本発明の減圧脱泡装置の第3の態様において、オーバーラップ部分を有していることが好ましい。オーバーラップ部分を有していることで、境界層流とメインフローとを分離する効果が増大するため好ましい。
オーバーラップ部分の長さL(mm)と、内管17の外径D2(mm)と、が下記式(20)で表される関係を満たすことが好ましい。
L ≧ 0.5×D2・・・(20)
図7に示す構造の減圧脱泡装置1´では、減圧脱泡槽3における溶融ガラスGの液面の高さを調節するため、減圧脱泡槽3を最大で600mm程度上下させる場合がある。この際、延長管14は、減圧脱泡槽3の変位にしたがって上下に移動する。このためオーバーラップ部分の長さLは、減圧脱泡槽3の変位にしたがって変化し、減圧脱泡槽3を最大限上昇させた際にLが最小となる。
Lが最小となるこの状態を含めた全ての状態において、LおよびD2が上記式(20)に表す関係を満たすことが好ましい。但し、上記したとおり、Lはゼロ(つまり、延長管14と、内管17と、がオーバーラップしていない)であってもよい。
また、内管の上端(上流端)が延長管(下降管)内に入り込みすぎる可能性があることから、Lは、下記式(21)を満たすことが好ましい。
L ≦ 5 × D2・・・(21)
Lが最小となる状態を含めた全ての状態でLおよびD2が上記式(20)に表す関係を満たしていれば、減圧脱泡槽3の変位にかかわらず、延長管14の内壁と内管17の外壁との間の空隙部分の長さLが境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに十分である。また、減圧脱泡槽3を最大限に上下させても、延長管14の先端が下流側ピット15(ピット本体16)内の溶融ガラスGに常に浸漬した状態となる。
2は、減圧脱泡装置の規模、特に減圧脱泡装置を通過する溶融ガラスの流量(t/日)によって異なるが、通常は51〜912mmであり、より好ましくは102〜708mmである。Lは30mm以上1000mm以下であることが好ましく、50mm以上700mm以下であることがより好ましい。Lを1000mm超としても、境界層流とメインフローとの分離にはもはや寄与が少なく、オーバーラップしている部分の長さが非常に長くなるのでコスト増となる。
なお、延長管14自体の長さは、通常は200〜3000mmであり、より好ましくは400〜1500mmである。内管17は、図中下流方向に延びているため、その長さは特に限定されない。但し、内管17の長さは、50mm〜600mmであることが好ましく、100mm〜500mmであることがより好ましい。
本発明の減圧脱泡装置の第3の態様においては、下流側ピットが、外管をなすピット本体と、ピット本体内に位置し下流方向に延びる内管と、の二重管構造であればよく、図8に示すような延長管14と内管17とがオーバーラップしているものに限定されない。
図10は、本発明の減圧脱泡装置の第3の態様の別の実施形態の下流側ピットおよびその周辺を示した部分拡大図である。本実施形態は、延長管と、内管と、の関係が異なる点以外は、図8に示す実施形態と同じである。
図10に示す実施形態では、延長管14´と、内管17´と、がオーバーラップしておらず、延長管14´の下端(下流端)と、内管17´の上端(上流端)と、が離れている。オーバーラップしていないことで、白金導管自体を簡素化することができるとともに、設備上の設計を容易化することが可能となる。
なお、オーバーラップをしないことは、単なる設計変更であると認定されるおそれもあるが、そうではない。そこには溶融ガラスの装置特有の困難性を有していることを念頭に置く必要がある。
ガラス製造設備は、一度組み立てて溶融ガラスを流し始めると、非常に長期間(2〜15年程度)連続運転される。そうすると、もし何らかの失敗があった場合には、修理はほとんど効かず、全面的な建替えが必要になる。また、溶融ガラスは1200℃以上という非常な高温であるから、その流れを直接見ることは非常に困難である。そう考えた場合、溶融ガラス装置の設計は、後で問題が生じないような設備であると同時に、非常に簡易な設備であることが好ましい場合がある。
このオーバーラップをしないという発明は、オーバーラップをさせなくとも、本発明の目的を達成できる、という点で非常に大きい貢献を有している。
境界層流を含む溶融ガラス流が図10に示す延長管14´の下端(下流端)に到達すると、泡を多く含んだ境界層流は延長管14´の下端(下流端)において矢印B方向に沿って移動する。すなわち、延長管14´の下端(下流端)から外側に広がりピット本体16´の内壁と内管17´の外壁との間の空隙を移動する。一方、メインフローは矢印A方向に沿って移動し、内管17´内部へと移動する。この結果、境界層流と、メインフローと、が物理的に分離される。
図10に示す実施形態において、境界層流が矢印B方向に沿って移動する理由について以下に説明する。
延長管14´の下端(下流端)と内管17´の上端(上流端)との間の部分では、メインフローが流れるピット本体16´の中心付近と、ピット本体16´の外周付近(内壁付近)と、で圧力差が生じ、ピット本体16´の外周付近(内壁付近)はピット本体16´の中心付近に比べて圧力が低い状態となる。この圧力差によって、境界層流は矢印B方向に沿って移動する。
図10に示す実施形態において、メインフローは図中矢印A方向に沿って内管17´内部へと移動し、下流方向へと移動する。一方、境界層流は、図中矢印B方向に沿ってピット本体16´の内壁と内管17´の外壁との間の空隙部分へと移動し、ピット本体16´の側部(側壁)に設けられた開口部から戻し配管11へと移動する。このようにして、境界層流と、メインフローと、が物理的に分離され、減圧脱泡により泡が十分除去されたメインフローのみが成形装置へと供給される。一方、泡を多く含んだ境界層流は、戻し配管11内を移動し、上流側ピット9へと送られる。上流側ピット9に到達した境界層流は、溶解槽100から新たに供給されてくる溶融ガラスとともに上昇管4(より具体的には、延長管7および上昇管4)を上昇して、減圧脱泡槽3に送られる。
図10に示す実施形態において、延長管14´の下端(下流端)と内管17´の上端(上流端)との距離d(mm)と、内管17´の外径D2(mm)と、が下記式(22)で表される関係を満たすことが好ましい。
0 < d ≦ 5×D2・・・(22)
dおよびD2が上記式(22)を満たしていれば、延長管14´の下端(下流端)と内管17´の上端(上流端)との距離が、境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに十分である。より具体的には、dおよびD2が上記式(22)を満たしていれば、境界層流が矢印B方向に沿って移動する一方で、メインフローは矢印A方向に沿って移動する。したがって、メインフローの一部が矢印B方向に沿って移動するおそれがなく、矢印B方向に沿って移動する境界層流の一部が再びメインフローに合流するおそれもない。
dおよびD2が、下記式(23)を満たしていることがより好ましく、下記式(24)を満たしていることがさらに好ましい。
0.5×D2 ≦ d ≦ 4×D2・・・(23)
0.5×D2 ≦ d ≦ 2×D2・・・(24)
2は、図8に示す実施形態について記載したのと同様であり、通常は51〜912mmであり、より好ましくは102〜708mmである。dは30mm以上1000mm以下であることが好ましく、50mm以上700mm以下であることがより好ましい。
なお、延長管14´および内管17´の寸法については、図8に示す実施形態について記載したのと同様である。
図11は、本発明の減圧脱泡装置の第3の態様のさらに別の実施形態の下流側ピットおよびその周辺を示した部分拡大図である。図11に示す実施形態は、内管17´´上端(上流端)の形状が図12の内管17´とは異なっている。すなわち、図11に示す実施形態では、内管17´´の上端(上流端)に拡径部18が設けられている。図11に示す実施形態では、内管17´´の上端(上流端)に拡径部18が設けられていることにより、設備的な設計変更を最小限に抑えつつ、メインフローの流量を増大させることが可能となる。
なお、拡径部18は、図11に示すような急峻に径を小さくするのみならず、傾斜的にまたは階段状に径を小さくするものであってもよい。
図10または図11に示す実施形態において、延長管14´の内径D1(mm)と、内管17´,17´´の外径D2(mm)と、が下記式(25)で表される関係を満たすことが好ましい。
0.98×D2 ≦ D1 ≦ 2.5×D2・・・(25)
ここで、図11のように、内管17´´上端(上流端)に拡径部18が設けられている場合、内管17´´の外径D2は拡径部18の外径を意味する。
延長管14´の内径D1と、内管17´,17´´の外径D2と、が上記式(25)に示す関係を満たしていれば、延長管14´の内径と、内管17´,17´´の外径と、の差が顕著に大きくないため、境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに好適である。延長管14´の内径と、内管17´,17´´の外径と、の差が顕著に大きい場合、境界層流をメインフローから十分分離することができないおそれがある(内管17´,17´´の外径が大きい場合)。また、メインフローのうち境界層流側に分離される量が増加して、製造されるガラスの歩留まりを低下させるので好ましくない(延長管の14´の内径が大きい場合)。
次に、本発明の減圧脱泡装置の第4の態様について説明する。
図12は、本発明の減圧脱泡装置の第4の態様を示した断面図である。図12に示す減圧脱泡装置1´´は、以下の相違点以外は図1に示す減圧脱泡装置1と同じである。
・上流管および下流管に接続された延長管の下端が上流側ピットおよび下流側ピット内の溶融ガラスに浸漬された構造ではなく、上流管4´および下流管5´と、上流側ピット19および下流側ピット20と、がそれぞれ連通して液密に接続された構造である(相違点1)。
・本発明の減圧脱泡装置の第1〜第3の態様のような分離機構として機能する二重管構造を有していない(相違点2)。
図12に示す減圧脱泡装置1´´では、上流管4´および下流管5´と、上流側ピット19および下流側ピット20と、が液密に接続された構造であることにより構造が堅牢になることや、建設コストが削減できるなどの利点がある。
しかしながら、図12に示す減圧脱泡装置1´´は、上流管4´および下流管5´と、上流側ピット19および下流側ピット20と、がそれぞれ液密に接続された構造であるため、減圧脱泡槽3内の減圧度を補正した場合に、減圧脱泡槽3を上下させることによって減圧脱泡槽3内における溶融ガラスGの液面を一定に保つことはできない。したがって、減圧脱泡槽3内における溶融ガラスGの液面が変化した場合、それによって減圧脱泡の効果に影響が生じる。特に、減圧脱泡槽3内における溶融ガラスGの液面が上昇した場合、減圧脱泡効果が低下するので、泡を多く含んだ境界層流の増加が問題となる。
しかしながら、図12に示す減圧脱泡装置1´´では、下降管5´から下流側ピット20へと移動する溶融ガラスGのうち、泡を多く含んだ境界層流を分離機構によってメインフローから分離して、戻し配管11を通じて減圧脱泡槽3に戻すことにより、減圧脱泡効果の低下による影響を抑制することができる。
但し、本発明の減圧脱泡装置の第4の態様において、相違点1は必須の構成ではなく、本発明の減圧脱泡装置の第1〜第3の態様のように、上流管および下流管に接続された延長管の下端が、それぞれ上流側ピットおよび下流側ピット内の溶融ガラスに浸漬された構造であってもよい。
本発明の減圧脱泡装置の第4の態様では、下記(1)、(2)を満たすように、下流側ピット20に設けられた戻し配管11の開口部が、下降管5´から下流側ピット20へと移動する溶融ガラスGのうち、泡を多く含んだ境界層流をメインフローから分離する分離機構として機能する。
(1)該開口部が、下降管5´を仮想的に下流側に延ばした仮想領域の一部を横切る。
(2)該開口部が、下降管5´の中心軸を仮想的に下流側に延ばした仮想線を横切らない。
上記(1),(2)について、図13を参照して説明する。図13は、図12に示す減圧脱泡装置1´´の下流側ピットおよびその周辺を示した部分拡大図である。
図13において、戻し配管11は下流側ピット20の図中左側、すなわち、水平方向上流側の側部(側壁)の下端付近から水平方向上流側に向けて延びている。該戻し配管11の開口部22(破線で示す)は、下流側ピット20の水平方向上流側の側部(側壁)の下端付近に設けられており、下降管5´を仮想的に下流側に延ばした仮想領域23(斜線で示す)の一部を横切っている。なお、本明細書において、下降管を下流側に延ばした仮想領域とは、図13に示すように、下降管5´の外径を下流側に延ばした領域ではなく、下降管5´の内径を下流側に延ばした領域を意図している。このような構成とすることで、下降管5´から下流側ピット20へと移動する溶融ガラスGのうち、図中左側の下降管5´の壁面、すなわち、水平方向における溶融ガラス流Gの流動方向における上流側の下降管5´の壁面に沿って流れる境界層流が、メインフローから分離されて開口部22から戻し配管11へと移動する。
図13において、開口部22は、下降管5´の中心軸を仮想的に下流側に延ばした仮想線24(破線で示す)を横切らない。これによりメインフローのうち、境界層の部分を効果的に戻し配管11に導入することができる。
したがって、本発明の減圧脱泡装置の第4の態様では、下降管5´の壁面に沿って流れる境界層流のうち、水平方向上流側、すなわち、図中左側の下降管5´の壁面に沿って流れる境界層流が分離される。
上述したように、減圧脱泡を実施しているにもかかわらず、溶融ガラス中の泡が増加する原因には、溶融ガラスの導管壁面と溶融ガラスとの界面での泡の発生と、減圧脱泡槽内における溶融ガラスの液面上昇による減圧脱泡効果の低下と、がある。
建築用または自動車用のガラス等のように、製造されるガラスに要求される泡品質がそれほど厳しくない場合、後者による泡を主として含む境界層流を分離し、減圧脱泡槽に戻し、再度減圧脱泡を実施しても十分である。
上述したように、減圧脱泡槽内における溶融ガラスの液面上昇による減圧脱泡効果の低下によって生じる境界層流は、水平方向上流側、すなわち、図中左側の下降管5´の壁面に沿って流れるので、本発明の減圧脱泡装置の第4の態様を用いてメインフローから分離することができる。また、溶融ガラスの導管壁面と溶融ガラスとの界面での泡の発生による境界層流のうち、水平方向上流側、すなわち、図中左側の下降管5´の壁面に沿って流れるものは、本発明の減圧脱泡装置の第4の態様を用いてメインフローから分離することができる。
一方、フラットディスプレイ用パネルに用いられるガラスのように、製造されるガラスに要求される泡品質が非常に厳しい場合、二重管構造により境界層流をメインフローから分離する本発明の減圧脱泡装置の第1〜第3の態様を用いて、溶融ガラスの導管壁面と溶融ガラスとの界面での泡の発生による境界層流と減圧脱泡槽内における溶融ガラスの液面上昇による減圧脱泡効果の低下による境界層流の両方を分離することが好ましい。
なお、本発明の減圧脱泡装置の第1〜第3の態様を用いた場合、減圧脱泡槽3内において溶融ガラスG流の表層をなす境界層流も好適に分離することができる。減圧脱泡の条件によっては、減圧脱泡槽内の溶融ガラスGの表面に破泡していない泡が存在し、減圧脱泡槽内を移動する溶融ガラス流Gの表層をなす。溶融ガラス流Gが下降管へと移動する際には、破泡していない泡を含む溶融ガラス流Gの表層が減圧脱泡槽の下流端の壁面に沿って折り返す形で下降管へと移動する傾向がある。この結果、水平方向上流側の下降管の壁面に沿って流れる境界層流よりも、水平方向における溶融ガラス流の流れ方向における下流側(以下、「水平方向下流側」という。)の下降管の壁面に沿って流れる境界層流のほうが泡が多くなる傾向がある。二重管構造により境界層流をメインフローから分離する本発明の減圧脱泡装置の第1〜第3の態様を用いた場合、このような境界層流も好適に分離することができる。
本発明の減圧脱泡装置の第4の態様に話を戻すと、上記(1),(2)を満たすように開口部22を設けるためには、図13から明らかなように、戻し配管11の一端、より具体的には戻し配管11の開口部22の一端が、仮想領域23内で、かつ、仮想線24よりも水平方向上流側に位置すればよい。別の言い方をすると、戻し配管11と仮想線24との最短距離dmin(mm)と、下降管5´の半径Ddown(mm)と、が下記式(26)で表される関係を満たすように開口部22を設ければよい。
0 < dmin < Ddown・・・(26)
図13では、下流側ピット20の水平方向上流側の側部(側壁)の下端付近に開口部22が傾斜して設けられているが、上記(1)、(2)を満たす開口部は、下流側ピット20の底面に設けることも可能である。例えば、下流側ピット20の底面の左端付近に開口部を設ければ上記(1)、(2)を満たすこととなる。この場合、戻し配管は、開口部から図中下方に延びることになる。このような構成にしても、水平方向上流側、すなわち、図中左側の下降管5´の壁面に沿って流れる境界層流をメインフローから分離することができる。但し、このような構成とした場合、戻し配管を水平方向上流側に延ばすために戻し配管を途中で曲げる必要があるため戻し配管における溶融ガラスの流動抵抗が増加するおそれがある。また、下流側ピットの底面に戻し配管の開口部を設けた構造の場合、図13に示すような下流側ピット20の水平方向上流側の側部(側壁)の下端付近に開口部22が傾斜して設けた構造に比べて開口部の面積を大きくすることができないので戻し配管11における溶融ガラスの流動抵抗が大きくなる。
したがって、図13に示すように、下流側ピット20の水平方向上流側の側部(側壁)の下端付近に開口部22を傾斜して設けることが好ましい。ここで開口部22と、仮想線24と、がなす角度α(度)が下記式(27)を満たすことが好ましい。
10 ≦ α ≦ 80・・・(27)
ここで、角度αが上記式(27)を満たしていれば、境界層流の分離という点で優れており、開口部22の面積が適度になる。また、開口部22から戻し配管11に溶融ガラスが進入する際の流路の曲げ角度がゆるやかなので、戻し配管11における溶融ガラスの流動抵抗が増加することがない。また、境界層流の分離の観点および設備的な面からは、角度αが20度以上、70度以下がより好ましい。
図13に示すように、水平方向上流側に延びる戻し配管11の開口部22を下流側ピット20の水平方向上流側の側部(側壁)の下端付近に傾斜して設ける場合、開口部22付近での溶融ガラスの滞留を抑制するため、下流側ピット20の底面の高さと、戻し配管11の底面の高さを変えて、両者の間に段差を設けることが好ましい。図13では、下流側ピット20の底面に比べて戻し配管11の底面の高さが低くなっている。
図14は、本発明の減圧脱泡装置の第4の態様の別の実施形態の下流側ピットおよびその周辺を示した部分拡大図である。図14では、図13とは反対に戻し配管11の底面に比べて下流側ピット20の底面の高さが低くなっている。
図13および14に示すように、開口部22付近での溶融ガラスの滞留を抑制するために、下流側ピット20底面と、戻し配管11の底面と、の間に段差を設ける場合、両者の間は角度5〜60度を有する傾斜構造により接続することが好ましい。ここで、概略形状が角度5〜60度を有する傾斜構造といった場合、角度5〜60度を有するスロープ状の傾斜構造を主として意図するが、これに限定されず、階段状の構造であってその概略形状が角度5〜60度を有する傾斜構造となるものも含まれる。傾斜構造の角度が上記範囲であれば、開口部22付近での溶融ガラスの滞留を効果的に抑制することできる。また、傾斜構造の角度が小さすぎると傾斜構造の距離が長くなるので、下流側ピット20や戻し配管11の断面積が小さくなったり、下流側ピット20または戻し配管11の断面積が途中で変化する部分を生じることになるので好ましくない。
下流側ピット20の底面と、戻し配管11の底面と、を接続する傾斜構造は角度10〜60度を有することがより好ましく、角度30〜60度を有することがさらに好ましい。
下流側ピット20の底面と、戻し配管11の底面と、の間に段差を設ける場合、両者の間を角度5〜60度を有する傾斜構造により接続することができる限り段差の高さは特に限定されない。段差の高さは、開口部22の面積と戻し配管11の断面積とが実質同一となるように設けることが好ましい。
次に、本発明の減圧脱泡方法について説明する。
本発明の減圧脱泡方法は、内部が減圧状態に保持された減圧脱泡槽中に溶融ガラスを通過させることにより該溶融ガラスを減圧脱泡する方法であって、前記減圧脱泡槽から流出する溶融ガラスの一部を分離し、該分離された溶融ガラスを再び前記減圧脱泡槽中に戻すことを特徴とする。別の言い方をすると、本発明の減圧脱泡方法では、減圧脱泡装置を用いて溶融ガラスの減圧脱泡を実施する際に、減圧脱泡槽から流出する溶融ガラスの一部、具体的には、減圧脱泡槽から流出する溶融ガラスのうち、泡を多く含んだ境界層流を分離し、分離された境界層流を再び減圧脱泡槽中に戻し、再度減圧脱泡を行う。
したがって、本発明の減圧脱泡方法は、上述した本発明の減圧脱泡装置の第1〜4態様を用いて好ましく実施することができる。
本発明の溶融ガラスの減圧脱泡方法において、溶融ガラスは、減圧脱泡槽に連続的に供給・排出されることが好ましい。
なお、溶融ガラスの流量が1〜1000トン/日であることが生産性の点から好ましい。
減圧脱泡槽から流出する溶融ガラスのうち、分離して減圧脱泡槽に戻す溶融ガラスの割合は、減圧脱泡槽から流出する溶融ガラスに含まれる境界層流の割合によるため一概には言えないが、減圧脱泡槽から流出する溶融ガラスの20%以下であることが製造されるガラスの歩留まりを低下させないので好ましい。減圧脱泡槽から流出する溶融ガラスのうち、分離して減圧脱泡槽に戻す溶融ガラスの割合は0.1〜10%であることがより好ましく、1〜5%であることがさらに好ましい。
減圧脱泡槽から流出する溶融ガラスのうち、分離して減圧脱泡槽に戻す溶融ガラスの割合は、減圧脱泡を行いながら変更することもできる。例えば、減圧脱泡の開始時は溶融ガラスに含まれる泡の量が多いため、分離して減圧脱泡槽に戻す溶融ガラスの割合を高めに設定し、その後、減圧脱泡の状態が安定し、泡が少なくなってきた際には、分離して減圧脱泡槽に戻す溶融ガラスの割合を下げてもよい。分離して減圧脱泡槽に戻す溶融ガラスの割合は、ポンプ手段12によって戻し配管11における溶融ガラス流の流速を変えることで調節できる。
また、分離された溶融ガラスは、減圧脱泡槽中に戻す前に、戻し配管11内において、加熱および攪拌されることが好ましい。
溶解槽から供給される溶融ガラスと減圧脱泡槽内の溶融ガラスとの温度差が生じることを防止するために、減圧脱泡槽は、内部が1100℃〜1500℃、特に1150℃〜1450℃の温度範囲になるように加熱されていることが好ましい。減圧脱泡槽に戻す溶融ガラスの温度が溶解槽から常時供給される溶融ガラスの温度に比べて低くなった場合は、加熱する手段によって戻し配管11における溶融ガラスの温度を上げることができる。
減圧脱泡方法を実施する際、減圧ハウジングを外部から真空ポンプ等によって真空吸引することによって、減圧ハウジング内に配置された減圧脱泡槽の内部を、所定の減圧状態に保持する。ここで減圧脱泡槽内部は、51〜613hPa(38〜460mmHg)に減圧されていることが好ましく、より好ましくは、減圧脱泡槽内部は80〜338hPa(60〜253mmHg)に減圧されていることが好ましい。
本発明の減圧脱泡方法が対象とするガラスは、加熱溶融法により製造されるガラスである限り、組成的には制約されない。したがって、ソーダライムガラスに代表されるソーダライムシリカ系ガラスやアルカリホウケイ酸ガラスのようなアルカリガラスであってもよい。
本発明は、泡品質が厳しく要求される各種ガラスの製造に利用可能である。
なお、2008年2月27日に出願された日本特許出願2008−046247号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (28)

  1. 上昇管、減圧脱泡槽、下降管、前記上昇管に溶融ガラスを供給する上流側ピット、および、前記下降管からの溶融ガラスを収容する下流側ピットを有する溶融ガラスの減圧脱泡装置であって、前記下降管から前記下流側ピットへと移動する溶融ガラスの一部を分離する分離機構、および、前記分離機構により分離された溶融ガラスを前記上流側ピットに戻す戻し配管を有することを特徴とする溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  2. 前記下流側ピットの側部には、前記戻し配管の一方の端部をなす開口部が設けられており、
    前記下降管の下流端には、その一部が前記分離機構として機能する白金製または白金合金製の中空管からなる溶融ガラスの導管構造が接続されており、
    前記導管構造は、少なくとも下流端側が内管および外管からなる二重管構造をなしており、
    前記内管は、上流端および下流端が開放端であり、
    前記外管は、上流端が開放端で下流端が閉止端であり、前記閉止端の一部を内管が貫通しており、
    前記外管の前記下流端側には、前記下流側ピットの側部に設けられた前記開口部と面する位置に開口部が設けられている請求項1に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  3. 前記下流側ピットの側部には、前記戻し配管の一方の端部をなす開口部が設けられており、
    前記下降管が、その一部が分離機構として機能する白金製または白金合金製の中空管からなる溶融ガラスの導管構造であり、
    前記導管構造は、少なくとも下流端側が内管および外管からなる二重管構造をなしており、
    前記内管は、上流端および下流端が開放端であり、
    前記外管は、上流端が開放端で下流端が閉止端であり、前記閉止端の一部を内管が貫通しており、
    前記外管の前記下流端側には、前記下流側ピットの側部に設けられた前記開口部と面する位置に開口部が設けられている請求項1に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  4. 前記導管構造の前記下流端側において、前記内管が前記外管の閉止端から突出している請求項2または3に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  5. 前記内管上流端から前記外管の前記下流端側に設けられた前記開口部の上流側端までの距離Lin(mm)と、前記内管の内径Din(mm)と、が下記式で表される関係を満たす請求項2ないし4のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    in ≧ Din/2
  6. 前記外管の内径と前記内管の外径との差Dout-in(mm)と、前記内管の内径Din(mm)と、が下記式で表される関係を満たす請求項2ないし5のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    out-in/2 ≧ 0.02×Din
  7. 前記内管上流端から前記外管の前記下流端側に設けられた前記開口部の上流側端までの距離Lin(mm)と、前記外管の内径と前記内管の外径との差Dout-in(mm)と、が下記式で表される関係を満たす請求項2ないし6のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    in ≧ (Dout-in/2)×3
  8. 前記外管の流路の断面積から前記内管の流路の断面積を引いた断面積差Sout-in(mm2)と、前記内管の流路の断面積Sin(mm2)と、が下記式で表される関係を満たす請求項2ないし7のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    out-in ≦ Sin
  9. 前記外管の前記下流端側に設けられた前記開口部の面積S(mm2)と、前記外管の内径Dout(mm)と、が下記式で表される関係を満たす請求項2ないし8のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    S ≧ 9×Dout
  10. 前記外管の前記下流端側に設けられた開口部の上流側端が前記下流側ピットの側部に設けられた開口部の上流側端よりも0〜500mm下側に位置している請求項2ないし9のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  11. 前記下降管と、前記下流側ピットと、が連通して接続されており、
    前記下流側ピットが、外管をなすピット本体と、前記ピット本体内に位置し下流方向に延びる内管と、の二重管構造であり、前記ピット本体には前記戻し配管の一方の端部をなす開口部が設けられており、前記二重管構造が前記分離機構として機能する請求項1に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  12. 前記下降管の内径D1(mm)と、前記内管の外径D2(mm)と、が下記式で表される関係を満たす請求項11に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    1 > D2
  13. 前記下降管の内径と前記内管の外径との差ΔD(mm)と、前記内管の内径D3(mm)と、が下記式で表される関係を満たす請求項11または12に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    ΔD ≧ 0.04×D3
  14. 前記下降管の流路の断面積から前記内管の流路の断面積を引いた断面積差ΔS(mm2)と、前記内管の流路の断面積S1(mm2)と、が下記式で表される関係を満たす請求項11ないし13のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    ΔS ≦ S1
  15. 前記下降管と、前記内管と、がオーバーラップしている部分を有し、
    前記オーバーラップしている部分の長さL(mm)と、前記内管の外径D2(mm)と、が下記式で表される関係を満たす請求項11ないし14のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    L ≦ 5×D2
  16. 前記下降管の下流端と前記内管の上流端との距離d(mm)と、前記内管の外径D2(mm)と、が下記式で表される関係を満たす請求項11に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    0.5×D2 ≦ d ≦ 5×D2
  17. 前記下流側ピット側の前記戻し配管の開口部が下記(1)、(2)を満たしており、該開口部が前記分離機構として機能する請求項1に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    (1)前記開口部が、前記下降管を仮想的に下流側に延ばした仮想領域の一部を横切る。
    (2)前記開口部が、前記下降管の中心軸を仮想的に下流側に延ばした仮想線を横切らない。
  18. 前記戻し配管と前記仮想線との最短距離dmin(mm)と、前記下降管の半径Ddown(mm)と、が下記式を満たす請求項17に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    0 < dmin < Ddown
  19. 前記開口部と、前記仮想線と、がなす角度α(度)が下記式を満たす請求項17または18に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
    10 ≦ α ≦ 80
  20. 前記開口部付近において、下流側ピット底面と、前記戻し配管の底面と、の高さが異なる請求項17ないし19のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  21. 互いに高さが異なる前記下流側ピット底面と、前記戻し配管の底面と、が角度5〜60度を有する傾斜構造により接続されている請求項20に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  22. 前記開口部の面積と、前記戻し配管の断面積と、が略等しい請求項17ないし21のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  23. 前記戻し配管内における溶融ガラス流を制御するためのポンプ手段をさらに有する請求項1ないし22のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  24. 前記戻し配管を通過する溶融ガラスを加熱する手段をさらに有することを特徴とする請求項1ないし23のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  25. 前記戻し配管を通過する溶融ガラスを攪拌する手段をさらに有することを特徴とする請求項1ないし24のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  26. 内部が減圧状態に保持された減圧脱泡槽中に溶融ガラスを通過させることにより該溶融ガラスを減圧脱泡する方法であって、上昇管、減圧脱泡槽、下降管、前記上昇管に溶融ガラスを供給する上流側ピット、前記下降管からの溶融ガラスを収容する下流側ピット、前記下降管から前記下流側ピットへと移動する溶融ガラスの一部を分離する分離機構、および、前記分離機構により分離された溶融ガラスを前記上流側ピットに戻す戻し配管を有する溶融ガラスの減圧脱泡装置を用いて前記減圧脱泡槽から流出する溶融ガラスの一部を分離し、該分離された溶融ガラスを再び前記減圧脱泡槽中に戻すことを特徴とする溶融ガラスの減圧脱泡方法。
  27. 前記分離された溶融ガラスの量が、前記減圧脱泡槽中を通過する溶融ガラスの量の0.1%以上、10%以下である請求項26に記載の溶融ガラスの減圧脱泡方法。
  28. 前記減圧脱泡槽中に溶融ガラスを通過させながら、前記減圧脱泡槽中を通過する溶融ガラスの量に対する前記分離された溶融ガラスの量の割合が変更される請求項26または27に記載の溶融ガラスの減圧脱泡方法。
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