JP5387209B2 - 車両シート用のロータリダンパ - Google Patents

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Description

本発明は、粘性流体を収容する収容体の内部にベーンを有した回転体を回転自在に収容して、粘性流体により回転体の回転に対して制動を与え、これにより座部に回転自在に連結されて折り畳み自在とされた背もたれに適度な回転制動を与える車両シート用のロータリダンパに関する。
隙間を通過する粘性流体により、回転体の一方の回転に対しては大きな制動を与える一方、回転体の他方の回転に対しては小さな制動を与えるようにしたこの種のロータリダンパは、特許文献1等によって知られている。
特開2005−188636号公報 特開平9−42350号公報 特開平9−329173号公報 特開平8−109940号公報 特開平8−296687号公報
ところで、斯かるロータリダンパでは、粘性流体の粘度が温度によって変化するために、高温下の使用では制動が低下する一方、低温下の使用では制動が増大することとなり、高温でも低温でも変化のない制動が要求される機器、例えば自動車用等の車両シートへのこの種ロータリダンパの使用は適さないことになる。
また、自動車用等の車両シートでは、折畳み回転位置に向かう方向の弾性的回転力が常時付加された背もたれ部を折畳み回転位置に配置する場合には、弾性的回転力に抗して背もたれ部を初期回転位置に保持するロック機構のロック解除を行って弾性的回転力により背もたれ部を折畳み回転位置に向って回転させるのであるが、斯かる弾性的回転力を折畳み回転位置まで背もたれ部に付加するようになっていると、仮に、ロータリダンパで背もたれ部の回転を制動するようになっていても、弾性的回転力と折畳み回転位置手前の背もたれ部の自重による回転力(回転モーメント)とにより折畳み回転位置で背もたれ部を停止させる停止部材に背もたれ部を激突させる虞れがある。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、発生する制動に温度依存性がなく、高温でも低温でも変化のない制動を得ることができる上に、背もたれ部を折畳み回転位置に衝撃なしにもたらすことができる車両シート用のロータリダンパを提供することにある。
本発明による車両シート用のロータリダンパは、温度上昇に伴って粘度が低下する粘性流体を内部に収容すると共に車両用シートの座部及び当該座部に初期回転位置と折畳み回転位置との間で回転できるように回転自在に連結された背もたれ部のうちの一方に固定される収容体と、この収容体の内部に回転自在に配されて車両用シートの座部及び背もたれ部のうちの他方に固定されると共に収容体と協働して収容体の内部を少なくとも二室に区画する回転体と、一端で車両用シートの座部及び背もたれ部のうちの一方に連結される一方、他端で車両用シートの座部及び背もたれ部のうちの他方に連結されると共に収容体に対する回転体の回転軸心を中心とした背もたれ部の座部に対する初期回転位置から初期回転位置と折畳み回転位置との間の所定回転位置まで背もたれ部に折畳み回転位置に向かう弾性的回転力を付与する弾性手段とを具備しており、回転体は、収容体に回転自在に支持された回転体本体と、この回転体本体の外周面に設けられている弾性ベーンとを具備しており、弾性ベーンは、一端では回転体本体の外周面に連接する一方、他端では収容体の内周面に対面すると共に収容体の内周面と協働して二室のうちの一方の室を形成した湾曲状の凸面と、この凸面に対応して一端では回転体本体の外周面に連接する一方、凸面に沿って延びると共に収容体の内周面と協働して二室のうちの他方の室を形成した湾曲状の凹面とを具備しており、凸面は、その他端側で、円周方向において対峙した一対の楔空間を収容体の円弧状の内周面との間で形成する円弧状凸面となっており、この円弧状凸面は、二室のうちの一方の室に連通する一方の楔空間の径方向の幅が円周方向において他方の楔空間に向かうに連れて徐々に狭くなるように、当該一方の楔空間の径方向の幅を決定していると共に、二室のうちの他方の室に連通する他方の楔空間の径方向の幅が円周方向において一方の楔空間に向かうに連れて徐々に狭くなるように、当該他方の楔空間の径方向の幅を決定しており、一対の楔空間を通過する粘性流体は、弾性ベーンを弾性的に撓ませてその粘度によって一対の楔空間の径方向の幅を決定するようになっており、弾性ベーンは、初期回転位置から所定回転位置を介する折畳み回転位置への背もたれ部の座部に対する回転において他方の室から一方の室に狭められた一対の楔空間を通って流れて当該狭められた一対の楔空間によって規定されると共に当該回転に対して抗する流動抵抗を粘性流体に発生させするようになっている一方、折畳み回転位置から所定回転位置を介する初期回転位置への背もたれ部の座部に対する回転において一方の室から他方の室に広げられた一対の楔空間を通って流れて当該広げられた一対の楔空間によって規定されると共に当該回転に対して抗する流動抵抗を粘性流体に発生させるようになっている。
本発明による車両シート用のロータリダンパによれば、背もたれ部が弾性手段の弾性的回転力により初期回転位置から折畳み回転位置に向かう方向に回転されて、一方の室を拡大すると共に他方の室を縮小するように収容体に対して回転体が回転される際には、弾性ベーンの凹面に粘性流体の圧力が付与されるために、弾性ベーンの他端側が収容体の内周面に近づいて一対の楔空間を縮小するように弾性ベーンが弾性変形される結果、粘性流体は縮小された一対の楔空間を通って他方の室から一方の室に流れて、この縮小された一対の楔空間を通過する粘性流体の流動抵抗による大きな制動が回転体の回転に与えられて、背もたれ部は同方向に緩慢に所定回転位置を介して折畳み回転位置まで回転される一方、背もたれ部が手動により折畳み回転位置から初期回転位置に向かう方向に回転されて、一方の室を縮小すると共に他方の室を拡大するように収容体に対して回転体が回転される際には、弾性ベーンの湾曲状の凸面に粘性流体の圧力が付与されるために、弾性ベーンの他端側が収容体の内周面から離れて一対の楔空間を広げるように弾性ベーンが弾性変形される結果、粘性流体は広げられた一対の楔空間を通って一方の室から他方の室に流れて、この広げられた一対の楔空間を通過する粘性流体の比較的小さな流動抵抗による小さな制動が回転体の回転に与えられるために、背もたれ部は、小さな手動力により所定回転位置まで回転され、所定回転位置から初期回転位置までは弾性手段による徐々に増大する弾性的制動を手動力による回転に受けるようになっている。
そして、一方向ダンパとして機能する本発明によるロータリダンパによれば、温度上昇に伴って粘度が低下する粘性流体が回転体の回転において一対の楔空間を通過するために、例えば、低温下で常温(20℃)時よりも粘度が増加した粘性流体が一対の楔空間を通過する場合には、一対の楔空間での粘性流体の圧力増大により弾性ベーンの他端側が収容体の内周面から離れるように弾性ベーンが弾性変形されて一対の楔空間が広げられる結果、粘性流体自体の粘度増加と一対の楔空間の拡大による流動抵抗の低下とにより、低温にも拘らず常温時の制動を維持できる一方、高温下で常温時よりも粘度が低下した粘性流体が一対の楔空間を通過する場合には、一対の楔空間での粘性流体の圧力減少により弾性ベーンの他端側が収容体の内周面に近づくように弾性ベーンが弾性変形されて一対の楔空間が狭められる結果、粘性流体自体の粘度低下と一対の楔空間の縮小による流動抵抗の増大とにより、高温にも拘らず常温時の制動を維持できるようになり、而して、発生する制動に温度依存性がなく、高温でも低温でも変化のない制動を得ることができる。
好ましい例では、凹面は、凸面の一端から他端にかけて徐々に当該凸面に近づくように凸面に沿って延びており、収容体の内周面は、円弧状凸面と協働して一方の楔空間を形成する円筒状内周面と、この円筒状内周面に連接されていると共に凸面に相補的な形状の湾曲凹状内周面とを有しており、円弧状凸面は、円筒状内周面の曲率半径よりも小さな曲率半径を有している。
本発明の好ましい例では、収容体は、当該収容体に対する回転体の回転軸心を中心とした背もたれ部の座部に対する所定回転位置から背もたれ部の座部に対する折畳み回転位置までに相当する範囲に亘って延びたスリット又は凹所を有しており、回転体は、車両用シートの座部及び背もたれ部のうちの他方に固着された回転軸を有しており、弾性手段は、収容体のスリット又は凹所に配されて収容体に係合する一端と、回転体の回転軸に嵌合されて係合する他端とを有している。
本発明ではまた、弾性手段は、背もたれ部の座部に対する初期回転位置から所定回転位置までの折畳み回転位置に向かう回転では、弾性的回転力を背もたれ部に付与して一対の楔空間を通過する粘性流体の流動抵抗に抗して座部に対して背もたれ部を回転させる一方、背もたれ部の座部に対する所定回転位置から折畳み回転位置までの折畳み回転位置に向かう回転では、弾性的回転力の背もたれ部への付与を解除するようになっており、背もたれ部は、座部に対する所定回転位置から折畳み回転位置までの折畳み回転位置に向かう回転を一対の楔空間を通過する粘性流体の流動抵抗に抗して自重で行うことができるようになっていてもよい。
斯かる弾性手段を具備した車両シート用のロータリダンパによれば、背もたれ部の折畳み回転位置での停止部材への激突を避けることができる。
本発明に係る粘性流体としては、シリコーンオイルを好ましい例として挙げることができるが、その他の粘性流体であってもよく、また、収容体は、金属製であってもよいが、軽量化、費用の削減等の理由により硬質の合成樹脂製であってもよく、回転体もまた、金属製であってもよいが、軽量化、費用の削減等の理由により硬質の合成樹脂製であってもよく、弾性ベーンは、回転体本体とは別体にして回転体本体に溶接、嵌着、接着等により固着してもよいが、好ましくは回転体本体と一体形成されており、回転体本体と弾性ベーンとが一体形成される場合には、回転体は、弾性ベーンに適度な弾性が付与される合成樹脂素材が用いられるのが好ましい。
本発明によれば、発生する制動に温度依存性がなく、高温でも低温でも変化のない制動を得ることができる車両シート用のロータリダンパを提供することができる。
図1は本発明の好ましい一例の図2に示すI−I線矢視断面説明図である。 図2は図1に示す例のII−II線矢視断面説明図である。 図3は図1に示す例の正面説明図である。 図4は図1に示す例の図2に示すIV−IV線矢視断面説明図である。 図5は図1に示す例を用いた車両用シートの動作説明図である。 図6は図1に示す例の動作説明図である。 図7は図1に示す例の動作説明図である。 図8は図1に示す例の動作説明図である。 図9は図1に示す例の動作説明図である。
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
図1から図9において、本例の車両シート用のロータリダンパ1は、内部2にシリコーンオイル等からなって温度上昇に伴って粘度が低下する粘性流体3を収容すると共に車両用シート4の座部5及び座部5に初期回転位置P0と折畳み回転位置P3との間で回転できるように回転軸心Oを中心としてR1及びR2方向に回転自在に連結された背もたれ部6のうちの一方、本例では座部5に固定されるようになった合成樹脂製の収容体7と、収容体7の内部2にR1及びR2方向に回転自在に配されていると共に収容体7と協働して収容体7の内部2を少なくとも二室、本例では、室8及び9からなる二室と室10及び11からなる二室(図7及び図8参照)とに区画する合成樹脂製の回転体12と、一端部13で車両用シート4の座部5及び背もたれ部6のうちの一方、本例では座部5に連結される一方、他端部14で車両用シート4の座部5及び背もたれ部6のうちの他方、本例では背もたれ部6に連結されると共に収容体7に対する回転体12の回転軸心Oを中心とした背もたれ部6の座部5に対する初期回転位置P0から所定回転位置P1まで背もたれ部6に折畳み回転位置P2に向かう方向であるR1方向の弾性的回転力を付与する弾性手段15とを具備している。
収容体7は、内周面16及び17を有していると共に軸心方向Aの一方の環状の端面が閉塞された有底の筒体18と、筒体18の軸心方向Aの他方の環状の端面19に複数のねじ20により固着された蓋体21とを具備している。
内周面16と内周面17とは、回転軸心Oに関して対称の形状をもって互いに同様に形成されているので、以下、内周面16について説明すると、内周面16は、回転軸心Oを中心とする円筒状内周面25と、円筒状内周面25の一端に連接されていると共に回転体12の凸面26に相補的な形状の湾曲凹状内周面27と、一端で円筒状内周面25の他端に平坦面28を介して連接されている円筒状内周面29とを有しており、円筒状内周面25は、湾曲凹状内周面27と同様に、凹面からなっており、円筒状内周面29は凸面からなっている。
筒体18は、円筒状内周面25を有した円筒状の筒本体35と、筒本体35に回転軸心Oに関して対称の形状をもって互いに同様に一体的に形成されている一対の突部36及び37と、筒本体35の軸心方向Aの一方の環状の端面を閉塞すると共に筒本体35に一体的に形成されている底部38と、底部38に一体的に形成されていると共に回転軸心Oと同心であって軸心方向Aに延びた円筒部39とを具備しており、突部36は、内周面16の平坦面28及び円筒状内周面29並びに内周面17の湾曲凹状内周面27を有しており、突部37は、内周面17の平坦面28及び円筒状内周面29並びに内周面16の湾曲凹状内周面27を有しており、底部38は、収容体7に対する回転体12の回転軸心Oを中心とした背もたれ部6の座部5に対する所定回転位置P1から背もたれ部6の座部5に対する折畳み回転位置P2までに相当する範囲に亘って延びたスリット又は凹所、本例ではスリット40を有しており、回転軸心Oを中心とした円弧状のスリット40を有した底部38は、軸心方向Aの一方の側面41で内部2の軸心方向Aの一方を規定している。
中央に貫通孔42を有していると共に軸心方向Aの一方の側面43で内部2の軸心方向Aの他方を規定した楕円形の蓋体21は、ねじ45により座部5に固定されており、収容体7は、斯かる蓋体21で座部5に固定されている。
回転体12は、収容体7にR1及びR2方向に回転自在となるように支持された中空の回転体本体51と、回転体本体51の円筒状の外周面52に一体的に設けられている一対の弾性ベーン53及び54と、円筒状の回転体本体51の中心部の中空部55の一端部に一端部がセレーション結合をもって嵌装されていると共に車両用シートの座部5及び背もたれ部6のうちの他方、本例では背もたれ部6に固着された回転軸56とを具備しており、回転体本体51は、回転軸56のR1及びR2方向の回転で同方向に回転されるようになっており、背もたれ部6は斯かる回転軸56に連結されている。
回転体本体51の外周面52は、突部36及び37の夫々の円弧状の先端面57にR1及びR2方向に滑り移動自在に接触しており、回転体本体51の外周面52と突部36及び37の夫々の円弧状の先端面57との接触により、室8及び9からなる二室と室10及び11からなる二室とが相互に液密に分離されている。
弾性ベーン53及び54は、回転軸心Oに関して対称の形状をもって互いに同様に形成されているので、以下、弾性ベーン53について説明すると、弾性ベーン53は、一端では回転体本体51の外周面52に連接する一方、他端では収容体7の内周面16の円筒状内周面25に近接して対面すると共に収容体7の内周面16と協働して二室8及び9のうちの一方の室9を形成した湾曲状の凸面26と、凸面26に対応して一端では回転体本体51の外周面52に連接する一方、凸面26に沿って延びると共に収容体7の内周面16と協働して二室8及び9のうちの他方の室8を形成した湾曲状の凹面61とを具備している。
凸面26は、その他端側で、円周方向Rにおいて対峙した一対の楔空間71及び72を収容体7の円筒状内周面25と協働して形成すると共に円筒状内周面25の曲率半径よりも小さな曲率半径を有している円弧状凸面73となっており、円弧状凸面73は、室8に連通する一方の楔空間71の径方向Bの幅が円周方向Rにおいて他方の楔空間72に向かうに連れて徐々に狭くなるように、当該一方の楔空間71の径方向Bの幅を決定していると共に、室9に連通する他方の楔空間72の径方向Bの幅が円周方向Rにおいて一方の楔空間71に向かうに連れて徐々に狭くなるように、当該他方の楔空間72の径方向Bの幅を決定しており、楔空間71及び72を通過する粘性流体3は、弾性ベーン53を弾性的に撓ませてその粘度によって室8と室9とを連通する楔空間71及び72の径方向Bの幅を決定するようになっている。
凹面61は、凸面26の一端から他端にかけて徐々に当該凸面26に近づくように凸面26に沿って延びて凸面26の終端と共に終端しており、これにより、弾性ベーン53は、回転体本体51に連接された基部74からその自由端75に至るまで徐々に薄くなるように形成されている。
弾性ベーン53の軸心方向Aの一方の端面81を含めて回転体12の軸心方向Aの一方の端面82は、底部38の側面41にR1及びR2方向に回転できるように、滑り自在に密に接触しており、弾性ベーン53の軸心方向Aの他方の端面83は、蓋体21の側面43にR1及びR2方向に回転できるように、滑り自在に密に接触している。
楔空間71及び72を通過する粘性流体3は、初期回転位置P0から所定回転位置P1を介する折畳み回転位置P2への背もたれ部6の座部5に対するR1方向の回転において室8から室9に狭められた楔空間71及び72を通って流れて当該狭められた楔空間71及び72によって規定されると共に当該R1方向の回転に対して抗する流動抵抗を発生するようになっている一方、折畳み回転位置P2から所定回転位置P1を介する初期回転位置P0への背もたれ部6の座部5に対するR2方向の回転において室9から室8に広げられた楔空間71及び72を通って流れて当該広げられた楔空間71及び72によって規定されると共に当該R2方向の回転に対して抗する流動抵抗を発生するようになっている。
筒本体35と蓋体21との間、蓋体21と回転体本体51との間及び回転体本体51と底部38との間の夫々には、室8及び9並びに室10及び11の相互に対する粘性流体3の漏出と室8及び9並びに室10及び11から収容体7外部への粘性流体3の漏出とを防止するシールリング85が配されている。
弾性手段15は、一端部13がスリット40に配されて収容体7に係合すると共に他端部14が回転軸56の一端部に形成された切り欠き91に挿入されて当該回転軸56の一端部に嵌合されて係合する一方、一端部13及び他端部14の間で円筒部39を囲繞して回転体本体51の内部に配されたコイルばね92を具備しており、コイルばね92は、背もたれ部6が初期回転位置P0に回転される場合には、一端部13がスリット40の一端93において底部38に接触して一端部13のR2方向の回転が阻止されて背もたれ部6をR1方向に回転させる最大の弾性的回転力としての捻り弾性力を蓄えるようになっており、背もたれ部6が所定回転位置P1に回転される場合には、背もたれ部6をR1方向に回転させる捻り弾性力を生じないようになり、背もたれ部6が所定回転位置P1から折畳み回転位置P2まで回転される場合には、一端部13が背もたれ部6の回転と共にスリット40の一端93から他端94までスリット40に案内されて移動されるようになっている(図9参照)。
而して、コイルばね92は、背もたれ部6の座部5に対する初期回転位置P0から所定回転位置P1までの所定回転位置P1に向かうR1方向の回転では、一端部13がスリット40の一端93に接触して蓄えられた捻り弾性力を他端部14を介して背もたれ部6に付与して楔空間71及び72を通過する粘性流体3の流動抵抗に抗して座部5に対して背もたれ部6をR1方向に回転させると共に背もたれ部6の所定回転位置P1への回転で蓄えられた捻り弾性力を全て消費する一方、背もたれ部6の座部5に対する所定回転位置P1から折畳み回転位置P2までの折畳み回転位置P2に向かうR1方向の回転では、一端部13がスリット40の一端93から離れてスリット40の他端94に向かってR1方向に移動して捻り弾性力の背もたれ部6への付与及び捻り弾性力の蓄えを行わないようになっており、背もたれ部6の座部5に対する折畳み回転位置P2から所定回転位置P1までの所定回転位置P1に向かうR2方向の回転では、一端部13がスリット40の他端94から離れてスリット40の一端93に向かってR2方向に移動して捻り弾性力の背もたれ部6への付与及び捻り弾性力の蓄えを行わないようになっており、背もたれ部6の座部5に対する所定回転位置P1から初期回転位置P0までの初期回転位置P0に向かうR2方向の回転では、一端部13がスリット40の一端93において底部38に接触して一端部13と他端部14間で捻られて捻り弾性力を蓄えるようになっている。
自動車の車体95に取り付けられた座部5と座部5に回転自在に連結された背もたれ部6とを具備している車両用シート4においては、背もたれ部6は、自動車の前後方向に対して直交する鉛直面96に対して所定角度α、例えばα=25°だけ後方に傾いた初期回転位置P0から鉛直面96に対して所定角度β、例えばβ=90°だけ前方に傾いた折畳み回転位置P2まで回転軸心Oを中心としてR1及びR2方向に回転自在に座部5に連結されており、初期回転位置P0では、図示しないロック解除自在なロック機構によりR1方向の回転を禁止されるようになっており、ロック機構のロック解除で、初期回転位置P0から鉛直面96に対して所定角度γ、例えばγ=25°だけ前方に傾いた所定回転位置P1までは楔空間71及び72を通過する比較的大きな粘性流体3の流動抵抗に抗して弾性手段15の捻り弾性力によりR1方向に回転されるようになっており、所定回転位置P1から折畳み回転位置P2までは、楔空間71及び72を通過する比較的大きな粘性流体3の流動抵抗に抗して自重によりR1方向に回転するようになっている一方、折畳み回転位置P2から所定回転位置P1までは、楔空間71及び72を通過する比較的小さな粘性流体3の流動抵抗に抗して手動によりR2方向に回転されるようになっており、所定回転位置P1から初期回転位置P0までは、楔空間71及び72を通過する比較的小さな粘性流体3の流動抵抗と徐々に増加するコイルばね92の捻り弾性力に抗して手動によりR2方向に回転されるようになっていると共にコイルばね92に捻り弾性力を蓄えさせるようになっている。
以上のロータリダンパ1では、図1に示す回転体12の回転位置(初期回転位置P0に相当)で、ロック機構のロック解除で背もたれ部6がコイルばね92の捻り弾性力によりR1方向に回転されて、室8を縮小する一方、室9を拡大するように収容体7に対して回転体12がR1方向に回転される際には、弾性ベーン53の凹面61に粘性流体3の圧力が付与されるために、弾性ベーン53の他端75側が収容体7の円筒状内周面25に近づいて楔空間71及び72を縮小するように弾性ベーン53が弾性変形される結果、粘性流体3は縮小された楔空間71及び72を通って室8から室9に流れて、この縮小された楔空間71及び72を通過する粘性流体3の比較的大きな流動抵抗による大きな制動を回転体12のR1方向の回転に与えて背もたれ部6を同方向にゆっくりと所定回転位置P1(図7に示す回転体12の回転位置)を介して折畳み回転位置P2まで回転させる一方、図8に示す回転体12の回転位置(折畳み回転位置P2に相当)で、背もたれ部6が手動によりR2方向に回転されて、室8を拡大する一方、室9を縮小するように収容体7に対して回転体12がR2方向に回転される際には、弾性ベーン53の湾曲状の凸面26に粘性流体3の圧力が付与されるために、弾性ベーン53の他端75側が収容体7の円筒状内周面25から離れて楔空間71及び72を広げるように弾性ベーン53が弾性変形される結果、粘性流体3は広げられた楔空間71及び72を通って室9から室8に流れて、この広げられた楔空間71及び72を通過する粘性流体3の比較的小さな流動抵抗による小さな制動が回転体12のR2方向の回転に与えられるために、背もたれ部6は、小さな手動力により所定回転位置P1まで回転させることができ、所定回転位置P1から初期回転位置P0まではコイルばね92に捻り弾性力を蓄えるためにコイルばね92による徐々に増大する弾性的制動を手動力によるR2方向の回転に受けるようになっている。
また、一方向ダンパとして機能するロータリダンパ1では、温度上昇に伴って粘度が低下する粘性流体3が回転体12のR1及びR2方向の回転において楔空間71及び72を通過するようになっているために、例えば、低温下で常温時より粘度が増加した粘性流体3が楔空間71及び72を通過する場合には、楔空間71及び72での粘性流体3の圧力増大により弾性ベーン53の他端75側が収容体7の円筒状内周面25から常温時よりより離れるように弾性ベーン53が大きく弾性変形されて楔空間71及び72が常温時と比較して大きく広げられる結果、粘性流体3自体の粘度増加による流動抵抗の増大と楔空間71及び72の拡大による流動抵抗の低下とにより、低温にも拘らず常温時の制動を維持できる一方、高温下で常温時より粘度が低下した粘性流体3が楔空間71及び72を通過する場合には、楔空間71及び72での粘性流体の圧力減少により弾性ベーン53の他端75側が収容体7の円筒状内周面25に常温時より近づくように弾性ベーン53が小さく弾性変形されて楔空間71及び72が狭められる結果、粘性流体3自体の粘度低下による流動抵抗の減少と楔空間71及び72の縮小による流動抵抗の増大とにより、高温にも拘らず常温時の制動を維持できるようになり、而して、発生する制動に温度依存性がなく、高温でも低温でも変化のない制動を得ることができる結果、コイルばね92の捻り弾性力により背もたれ部6を折畳み回転位置P2に確実に回転させることができると共に一定の小さな手動力により背もたれ部6を初期回転位置P0に戻し回転させることができる。
以上のロータリダンパ1は、一対の弾性ベーン53及び54を有しているが、本発明のロータリダンパは、斯かる一対の弾性ベーンに代えて、一個又は三個以上の弾性ベーンを有していてもよい。
1 ロータリダンパ
2 内部
3 粘性流体
4 車両用シート
5 座部
6 背もたれ部
7 収容体
8、9、10、11 室
12 回転体
13 一端部
14 他端部
15 弾性手段

Claims (3)

  1. 温度上昇に伴って粘度が低下する粘性流体を内部に収容すると共に車両用シートの座部及び当該座部に初期回転位置と折畳み回転位置との間で回転できるように回転自在に連結された背もたれ部のうちの一方に固定される収容体と、この収容体の内部に回転自在に配されて車両用シートの座部及び背もたれ部のうちの他方に固定されると共に収容体と協働して収容体の内部を少なくとも二室に区画する回転体と、一端で車両用シートの座部及び背もたれ部のうちの一方に連結される一方、他端で車両用シートの座部及び背もたれ部のうちの他方に連結されると共に収容体に対する回転体の回転軸心を中心とした背もたれ部の座部に対する初期回転位置から初期回転位置と折畳み回転位置との間の所定回転位置まで背もたれ部に折畳み回転位置に向かう弾性的回転力を付与する弾性手段とを具備しており、回転体は、収容体に回転自在に支持された回転体本体と、この回転体本体の外周面に設けられている弾性ベーンとを具備しており、弾性ベーンは、一端では回転体本体の外周面に連接する一方、他端では収容体の内周面に対面すると共に収容体の内周面と協働して二室のうちの一方の室を形成した湾曲状の凸面と、この凸面に対応して一端では回転体本体の外周面に連接する一方、凸面に沿って延びると共に収容体の内周面と協働して二室のうちの他方の室を形成した湾曲状の凹面とを具備しており、凸面は、その他端側で、円周方向において対峙した一対の楔空間を収容体の円弧状の内周面との間で形成する円弧状凸面となっており、この円弧状凸面は、二室のうちの一方の室に連通する一方の楔空間の径方向の幅が円周方向において他方の楔空間に向かうに連れて徐々に狭くなるように、当該一方の楔空間の径方向の幅を決定していると共に、二室のうちの他方の室に連通する他方の楔空間の径方向の幅が円周方向において一方の楔空間に向かうに連れて徐々に狭くなるように、当該他方の楔空間の径方向の幅を決定しており、一対の楔空間を通過する粘性流体は、弾性ベーンを弾性的に撓ませてその粘度によって一対の楔空間の径方向の幅を決定するようになっており、弾性ベーンは、初期回転位置から所定回転位置を介する折畳み回転位置への背もたれ部の座部に対する回転において他方の室から一方の室に狭められた一対の楔空間を通って流れて当該狭められた一対の楔空間によって規定されると共に当該回転に対して抗する流動抵抗を粘性流体に発生させるようになっている一方、折畳み回転位置から所定回転位置を介する初期回転位置への背もたれ部の座部に対する回転において一方の室から他方の室に広げられた一対の楔空間を通って流れて当該広げられた一対の楔空間によって規定されると共に当該回転に対して抗する流動抵抗を粘性流体に発生させるようになっており、収容体は、当該収容体に対する回転体の回転軸心を中心とした背もたれ部の座部に対する所定回転位置から背もたれ部の座部に対する折畳み回転位置までに相当する範囲に亘って延びたスリット又は凹所を有しており、回転体は、車両用シートの座部及び背もたれ部のうちの他方に固着された回転軸を有しており、弾性手段は、収容体のスリット又は凹所に配されて収容体に係合する一端と、回転体の回転軸に嵌合されて係合する他端とを有しており、弾性手段は、背もたれ部の座部に対する初期回転位置から所定回転位置までの折畳み回転位置に向かう回転では、弾性的回転力を背もたれ部に付与して一対の楔空間を通過する粘性流体の流動抵抗に抗して座部に対して背もたれ部を回転させる一方、背もたれ部の座部に対する所定回転位置から折畳み回転位置までの折畳み回転位置に向かう回転では、弾性的回転力の背もたれ部への付与を解除するようになっており、背もたれ部は、座部に対する所定回転位置から折畳み回転位置までの折畳み回転位置に向かう回転を一対の楔空間を通過する粘性流体の流動抵抗に抗して自重で行うことができるようになっている車両シート用のロータリダンパ。
  2. 凹面は、凸面の一端から他端にかけて徐々に当該凸面に近づくように凸面に沿って延びている請求項1に記載の車両シート用のロータリダンパ。
  3. 収容体の内周面は、円弧状凸面と協働して一方の楔空間を形成する円筒状内周面と、この円筒状内周面に連接されていると共に凸面に相補的な形状の湾曲凹状内周面とを有しており、円弧状凸面は、円筒状内周面の曲率半径よりも小さな曲率半径を有している請求項1又は2に記載の車両シート用のロータリダンパ。
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