以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1において、電子部品実装装置1は、図示しない上流側の他の装置から搬入した多面取り基板2上に保持される照明基板製造用の複数の単位基板(以下、単に基板と称する)3のそれぞれに電子部品であるLED部品4を装着したうえで、その多面取り基板2を図示しない下流側の他の装置に搬出する装置であり、図示しないスクリーン印刷機や検査機、リフロー炉等の他の装置と連結されて実装基板生産用の部品実装ラインを構成している。以下、説明の便宜上、電子部品実装装置1における多面取り基板2の搬送方向(図1では矢印Aの向く方向)をX軸方向、X軸方向と直交する水平面内方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、Y軸方向を電子部品実装装置1の前後方向とする。
図1において、電子部品実装装置1は、基台11上に設置され、多面取り基板2を(したがって各基板3を)水平面内方向(X軸方向)に搬送して位置決めする基板搬送路12、基台11のY軸方向の一方側の面にX軸方向に並んで設置され、それぞれ基板3に装着されるLED部品4を供給する複数(ここでは3つ)のテープフィーダ13(パーツフィーダ)、基台11上に設けられたヘッド移動機構14により移動自在であり、各テープフィーダ13より供給されるLED部品4をピックアップして基板搬送路12上の多面取り基板2に保持された各基板3にLED部品4を装着する装着ヘッド15を備えている。
図1において、基板搬送路12は一対のベルトコンベアから成り、上流側の他の装置(例えばスクリーン印刷機)から送られてきた多面取り基板2を搬送(搬入)して基台11の中央の作業位置(図1に示す位置)に位置決めするとともに、装着ヘッド15によりLED部品4の装着が行われた多面取り基板2を搬送(搬出)して下流側の他の装置(例えば検査装置)に送り出す。
図1において、各テープフィーダ13は、同等の電気的特性を有する多数のLED部品4をひとつずつ一列に並べて収納したテープTを着脱自在に備えており、そのテープTを一定方向(ここでは基板搬送路12側に向かうY軸方向)にピッチ送りすることによって、基台11の中央部側(基板搬送路12の側)の端部に設けられた部品取り出し口13pにLED部品4をひとつずつ連続的に供給する。
ここで、3つのテープフィーダ13のうち、第1のテープフィーダ(符合を13aとする)はLED部品4として例えば赤色LEDを供給し、第2のテープフィーダ(符合を13bとする)はLED部品4として例えば青色LEDを供給し、第3のテープフィーダ(符合を13cとする)はLED部品4として例えば黄色LEDを供給する。すなわち本実施の形態において複数のテープフィーダ13は、基板3に装着される複数の種類のLED部品4をその種類ごとに供給するものとなっている。
図1において、ヘッド移動機構14は、基板搬送路12を跨いでY軸方向に延びて設けられた一対の門型フレーム14a、X軸方向に延びて設けられ、一対の門型フレーム14aに両端が支持されてY軸方向に移動自在に設けられたビーム状のX軸テーブル14b及びX軸テーブル14b上をX軸方向に移動自在に設けられたプレート状の移動ステージ14cから成る。移動ステージ14cには下方に延びた複数の吸着ノズル15Nが昇降及び上下軸(Z軸)回りに回転自在に設けられた前述の装着ヘッド15が取り付けられている。
図1において、装着ヘッド15には撮像視野を下方に向けた基板カメラ16が設けられており、基台11上の基板搬送路12とテープフィーダ13との間の領域には、撮像視野を上方に向けた部品カメラ17が設けられている。
図2(a),(b)において、各基板3は、多面取り基板2の基板搬送路12による搬送方向(X軸方向)に延びた長尺形状を有しており、多面取り基板2の幅方向(Y軸方向)に複数枚(ここでは5枚)並べられた状態で多面取り基板2上に保持されている。
図2(a)において、各基板3には多面取り基板2の搬送方向(X軸方向)に同一種類(同一色)のLED部品4が一列に並んで装着される色別LED部品装着領域SLが多面取り基板2の幅方向(Y軸方向)に3列並んで設けられており、これら3列の色別LED部品装着領域SL内には赤色、青色又は黄色のLED部品4が装着される複数のLED部品装着部位BSがそれぞれX軸方向に並んで設けられている。ここで、図2(a)は各基板3上のLED部品装着部位BSにLED部品4が装着される前の多面取り基板2を示しており、図2(b)は各基板3上のLED部品装着部位BSにLED部品4が装着された後の多面取り基板2を示している。なお、図2(b)では異なる種類のLED部品4には異なる模様を付して示している。
基板搬送路12による基板3(直接的には多面取り基板2)の搬送及び位置決め動作は、電子部品実装装置1が備える制御装置20(図1及び図3)の作業実行制御部20a(図3)が図示しないアクチュエータ等から成る基板搬送路駆動部21(図3)の作動制御を行うことによってなされ、各テープフィーダ13による部品取り出し口13pへのLED部品4の供給動作(テープTのピッチ送り動作)は、制御装置20の作業実行制御部20aが図示しないアクチュエータ等から成るテープフィーダ駆動部22(図3)の作動制御を行うことによってなされる。
ヘッド移動機構14による装着ヘッド15の水平面内方向への移動動作は、制御装置20の作業実行制御部20aが図示しないアクチュエータ等から成るヘッド移動機構駆動部23(図3)の作動制御(一対の門型フレーム14aに対するX軸テーブル14bのY軸方向への移動制御及びX軸テーブル14bに対する移動ステージ14cのX軸方向への移動制御)を行うことによってなされ、各吸着ノズル15Nの装着ヘッド15に対する昇降及び上下軸回りの回転動作は、制御装置20の作業実行制御部20aが図示しないアクチュエータ等から成るノズル駆動部24(図3)の作動制御を行うことによってなされる。
また、各吸着ノズル15NによるLED部品4の吸着及び離脱動作は、制御装置20の作業実行制御部20aが図示しないアクチュエータ等から成る真空圧供給部25(図3)の作動制御を行って吸着ノズル15N内に真空圧を供給し、また吸着ノズル15N内への真空圧の供給を解除することによってなされる。
基板カメラ16及び部品カメラ17による撮像動作は、制御装置20の作業実行制御部20aが基板カメラ16及び部品カメラ17の作動制御を行うことによってなされる(図3)。基板カメラ16及び部品カメラ17の撮像動作によって得られた画像のデータは画像データ記憶部20b(図3)に取り込まれて記憶され、制御装置20が備える画像認識部20c(図3)において画像認識される。
図3において、制御装置20は、当初収納数記憶部31、ピックアップ数計測部32、残存数算出部33、目標装着数記憶部34及び装着ヘッド作動停止部35を備えている。
当初収納数記憶部31には、各テープフィーダ13に装着されているテープTのテープフィーダ13に装着された当初に収納されていたLED部品4の数(当初収納数N1)が記憶される。具体的には、当初収納数記憶部31には、第1のテープフィーダ13aに装着されているテープTの赤色LEDの当初収納数、第2のテープフィーダ13bに装着されているテープTの青色LEDの当初収納数及び第3のテープフィーダ13cに装着されているテープTの黄色LEDの当初収納数が記憶される。なお、これら各テープフィーダ13に装着されているテープTの当初収納数(N1)は、オペレータ(図示せず)が入出力装置40(図1及び図3)等から入力する。
ピックアップ数計測部32は、各テープフィーダ13におけるテープTの送り動作の回数等に基づいて、各テープTから装着ヘッド15によりピックアップされたLED部品4の数(ピックアップ数N2)を計測する。具体的には、ピックアップ数計測部32は、第1のテープフィーダ13aのテープTからの赤色LEDのピックアップ数、第2のテープフィーダ13bのテープTからの青色LEDのピックアップ数及び第3のテープフィーダ13cのテープTからの黄色LEDのピックアップ数を計測する。
残存数算出部33は、当初収納数記憶部31に記憶された各テープフィーダ13のテープTの当初収納数(N1)から、ピックアップ数計測部32において計測された各テープフィーダ13のテープTからのピックアップ数(N2)を減じることにより、複数のテープフィーダ13におけるLED部品4の残存数(N)をLED部品4の種類ごとに算出する。具体的には、残存数算出部33は、第1のテープフィーダ13aのテープTの赤色LEDの残存数、第2のテープフィーダ13bのテープTの青色LEDの残存数及び第3のテープフィーダ13cのテープTの黄色LEDの残存数を算出する。
目標装着数記憶部34は、装着ヘッド15によって各基板3に装着されるLED部品4の目標装着数(N0)をLED部品4の種類ごとに記憶する。具体的には、目標装着数記憶部34は、各基板3における赤色LEDの目標装着数、青色LEDの目標装着数及び黄色LEDの目標装着数を記憶する。なお、基板3に装着されるLED部品4の目標装着数(N0)は、各基板3上の各色別LED部品装着領域SL内のLED部品装着部位BSの数でもある。
装着ヘッド作動停止部35は、基板搬送路12により位置決めされた各基板3への装着ヘッド15によるLED部品4の装着作業の開始前に、残存数算出部33により算出された3つのテープフィーダ13におけるLED部品4の残存数(N)と目標装着数記憶部34に記憶された基板3に装着されるLED部品4の目標装着数(N0)とをLED部品4の種類(色)ごとに比較する。そして、その結果、少なくともひとつの種類のLED部品4が目標装着数(N0)よりも残存数(N)の方が少ない状態になっていた場合に装着ヘッド15の作動を停止させて、装着ヘッド15が3つのテープフィーダ13a,13b,13cのいずれからもLED部品4のピックアップを(したがって基板3へのLED部品4の装着を)行わないようにする。
このため、例えば、基板3上の赤色LEDの目標装着数が「20」であるところ、その基板3に対するLED部品4の装着作業の開始前に算出された第1のテープフィーダ13aのテープTの赤色LEDの残存数が「10」であり、赤色LEDの残存数が赤色LEDの目標装着数よりも少なかった場合には、たとえ第2のテープフィーダ13bのテープTの青色LEDの残存数が青色LEDの目標装着数よりも多く、かつ第3のテープフィーダ13cのテープTの黄色LEDの残存数が黄色LEDの目標装着数よりも多い場合であっても、装着ヘッド15の作動は装着ヘッド作動停止部35によって停止されることになる。
次に、本実施の形態における電子部品実装装置1が実行する部品実装工程の手順を説明する。電子部品実装装置1の制御装置20の作業実行制御部20aは、先ず、基板搬送路駆動部21の作動制御を行って、上流側の他の装置(例えばスクリーン印刷機)から送られてきた多面取り基板2を基板搬送路12によって搬送(搬入)し、所定の作業位置に位置決めする(図4に示すステップST1の多面取り基板搬入位置決め工程)。
制御装置20の作業実行制御部20aは、多面取り基板2を所定の作業位置に位置決めしたら、基板カメラ16を(装着ヘッド15を)多面取り基板2の上方に移動させ、多面取り基板2に設けられた基板マーク(図示せず)を撮像する。そして、得られた画像を画像認識部20cに画像認識させることによって、多面取り基板2の正規の作業位置からの位置ずれを求める。
制御装置20の作業実行制御部20aはステップST1の多面取り基板搬入位置決め工程が終了したら、目標装着数記憶部34に記憶されたLED部品4の基板3への目標装着数(N0)をLED部品4の種類ごとに読み出す(図4に示すステップST2の目標装着数読み出し工程)。そして、残存数算出部33において各テープフィーダ13における残存数(N)を算出し(図4に示すステップST3の残存数算出工程)、その算出した各テープフィーダ13における残存数(N)とステップST2で読み出した目標装着数(N0)とをLED部品4の種類ごとに比較する(図4に示すステップST4の比較工程)。
制御装置20の作業実行制御部20aは、上記比較の結果、少なくともひとつの種類のLED部品4が目標装着数(N0)よりも残存数(N)の方が少ない状態になっているか否か、すなわち、部品不足となっているLED部品4があるか否かの判定を行う(図4に示すステップST5の判定工程)。そして、その結果、少なくともひとつの種類のLED部品4が目標装着数(N0)よりも残存数(N)の方が少ない状態になっていた場合、すなわち、部品不足となっているLED部品4があった場合には、制御装置20の作業実行制御部20aは装着ヘッド作動停止部35から装着ヘッド15の作動を停止させたうえで(図4に示すステップST6の装着ヘッド作動停止工程)、入出力装置40にメッセージを出力して、部品不足となっているLED部品4に対応するテープTを交換するようにオペレータに指示を与える(図4に示すステップST7のテープ交換指示工程)。
上記のステップST7のテープ交換指示工程により入出力装置40に出力されたメッセージを見たオペレータは、入出力装置40に示された部品不足となっているLED部品4に対応するテープTの交換を行ったうえで、テープTの交換を行った旨の操作及び新たなテープTに収納されているLED部品4の数(当初収納数N1)の入力操作(交換時入力操作)を入出力装置40から行う。
制御装置20の作業実行制御部20aは、上記メッセージの出力を行った後、入出力装置40からの出力信号に基づいて、オペレータによる交換時入力操作が行われたことの検知待ちを行い(図4に示すステップST8の交換時入力操作検知待ち工程)、オペレータによる交換時入力操作が行われたことを検知した場合にはステップST3に戻り、改めて残存数算出工程を実行する。
一方、制御装置20の作業実行制御部20aは、ステップST5において、全ての種類のLED部品4について目標装着数(N0)よりも残存数(N)の方が多い状態になっていた場合、すなわち、部品不足となっているLED部品4がなかった場合には、LED部品4を基板3に装着する(図4に示すステップST9のLED部品装着工程)。
このステップST9のLED部品装着工程では、制御装置20の作業実行制御部20aは先ず、装着ヘッド15をテープフィーダ13の上方に移動させ、ノズル駆動部24の作動制御を行うことによって、装着ヘッド15の吸着ノズル15Nをテープフィーダ13の部品取り出し口13pに供給されたLED部品4に接触させるとともに、真空圧供給部25の作動制御を行うことによって吸着ノズル15Nへの真空圧の供給を行い、吸着ノズル15NによりLED部品4をピックアップ(吸着)する(ピックアップステップ)。
制御装置20の作業実行制御部20aは、吸着ノズル15NによりLED部品4をピックアップしたら、そのピックアップしたLED部品4が部品カメラ17の上方を通過するように装着ヘッド15を移動させ、部品カメラ17によってLED部品4の撮像を行う。そして、得られた画像を画像認識部20cによって画像認識し、LED部品4の異常(変形や欠損など)の有無の検査を行うとともに、LED部品4の吸着ノズル15Nに対する位置ずれ(吸着ずれ)を求める(画像認識ステップ)。
制御装置20の作業実行制御部20aは、装着ヘッド15によりピックアップしたLED部品4の画像認識を行ったら、装着ヘッド15をLED部品4の装着を行おうとしている基板3の上方に移動させ、ピックアップしているLED部品4を基板3上のLED部品装着部位BS(このLED部品装着部位BSには、電子部品実装装置1の上流側に配置されたスクリーン印刷機によって予め半田が印刷されている)に接触させるとともに、真空圧供給部25の作動制御を行うことによって吸着ノズル15Nへの真空圧の供給を解除し、LED部品4を基板3上のLED部品装着部位BSに装着する(装着ステップ)。
ここで、制御装置20の作業実行制御部20aは、LED部品4を基板3上のLED部品装着部位BSに装着するときは、ステップST1の多面取り基板2の位置決め時に求めた多面取り基板2の位置ずれと、上記LED部品4の画像認識時に求めたLED部品4の吸着ずれが修正されるように、多面取り基板2に対する(すなわち基板3に対する)吸着ノズル15Nの位置補正(回転補正を含む)を行う。
制御装置20の作業実行制御部20aは、ひとつのLED部品4を基板3上(LED部品装着部位BS上)に装着したら、テープフィーダ駆動部22の作動制御を行って次にLED部品4を部品取り出し口13pに供給するテープTのピッチ送りを行ったうえで、現在LED部品4の装着を行っている基板3に装着すべき全てのLED部品4の装着が終了したか否かの判断を行う(図4に示すステップST10の部品装着終了判断工程)。その結果、制御装置20の作業実行制御部20aは、現在LED部品4の装着を行っている基板3に装着すべき全てのLED部品4の装着が終了していなかった場合にはステップST9のLED部品装着工程を繰り返し実行し、現在LED部品4の装着を行っている基板3に装着すべき全てのLED部品4の装着が終了していた場合には、現在LED部品4の装着を行っている多面取り基板2上の全ての基板3についてのLED部品4の装着が終了したか否かの判断を行う(図4に示すステップST11の全基板部品装着判断工程)。
制御装置20の作業実行制御部20aは、上記ステップST11において、現在LED部品4の装着を行っている多面取り基板2上の全ての基板3についてのLED部品4の装着が終了していなかった場合にはステップST3に戻ってまだLED部品4の装着を行っていない基板3に対してLED部品装着工程を実行する。一方、上記ステップST11において、現在LED部品4の装着を行っている多面取り基板2上の全ての基板3についてのLED部品4の装着が終了していた場合には、基板搬送路12を作動させて、現在基板搬送路12によって位置決めしている多面取り基板2を電子部品実装装置1の外部に搬出する(図4に示すステップST12の多面取り基板搬出工程)。
制御装置20の作業実行制御部20aは、ステップST12の多面取り基板搬出工程が終了したら、LED部品4の装着を行うべき多面取り基板2がまだあるか否かの判断を行う(図4に示すステップST13の基板有無判断工程)。その結果、制御装置20の作業実行制御部20aは、LED部品4の装着を行う多面取り基板2があった場合にはステップST1に戻って新たな多面取り基板2の搬入を行い、LED部品4の装着を行う多面取り基板2がなかった場合には一連の部品実装工程を終了する。
以上説明したように、本実施の形態における電子部品実装装置1は、複数の種類(複数色)のLED部品4が装着される基板3の搬送及び位置決めを行う基板搬送路12と、基板3に装着される複数の種類のLED部品4を種類(色)ごとに供給する複数のテープフィーダ13と、各テープフィーダ13より供給される複数の種類のLED部品4をピックアップして基板搬送路12により位置決めされた基板3に装着する装着ヘッド15と、複数のテープフィーダ13におけるLED部品4の残存数(N)をLED部品4の種類ごとに算出する残存数算出手段としての残存数算出部33と、基板3に装着されるLED部品4の目標装着数(N0)をLED部品4の種類ごとに記憶した目標装着数記憶手段としての目標装着数記憶部34と、基板搬送路12により位置決めされた基板3への装着ヘッド15によるLED部品4の装着作業の開始前に、残存数算出部33により算出された複数のテープフィーダ13におけるLED部品4の残存数(N)と目標装着数記憶部34に記憶された基板3に装着されるLED部品4の目標装着数(N0)とをLED部品4の種類ごとに比較し、少なくともひとつの種類のLED部品4が目標装着数(N0)よりも残存数(N)の方が少ない状態になっていた場合に、装着ヘッド15の作動を停止させる装着ヘッド作動停止手段(制御装置20の装着ヘッド作動停止部35)を備えたものとなっている。
また、本実施の形態における電子部品実装方法は、上記本実施の形態における電子部品実装装置1による電子部品実装方法であり、基板搬送路12により位置決めされた基板3への装着ヘッド15によるLED部品4の装着作業(ステップST9のLED部品装着工程)の開始前に、残存数算出部33により算出された複数のテープフィーダ13におけるLED部品4の残存数(N)と目標装着数記憶部34に記憶された基板3に装着されるLED部品4の目標装着数(N0)とをLED部品4の種類ごとに比較する工程(ステップST4の比較工程)と、残存数算出部33により算出された複数のテープフィーダ13におけるLED部品4の残存数(N)と目標装着数記憶部34に記憶された基板3に装着されるLED部品4の目標装着数(N0)とをLED部品4の種類ごとに比較した結果、少なくともひとつの種類のLED部品4が目標装着数(N0)よりも残存数(N)の方が少ない状態になっていた場合に、装着ヘッド15の作動を停止させる工程(ステップST6の装着ヘッド作動停止工程)を含むものとなっている。
本実施の形態における電子部品実装装置1及び電子部品実装方法では、基板3への装着ヘッド15によるLED部品4の装着作業の開始前に、3つのテープフィーダ13おけるLED部品4の残存数と基板3に装着されるLED部品4の目標装着数とをLED部品4の種類ごとに比較し、少なくともひとつの種類のLED部品4が目標装着数よりも残存数の方が少ない状態になっていた場合(部品不足を起こしているテープフィーダ13があった場合)に装着ヘッド15の作動を停止させるようになっているので、これを機会にテープTの交換等とLED部品4の装着対象とする基板3を変更することにより、各種類(色)のLED部品4とも同等の電気的特性を有するものがひとつの基板3に装着されるようにすることができ、電気的特性が異なるLED部品4が混載されて基板3全体が品質不良となる事態を防ぐことができる。
ここで、装着ヘッド15の停止がなされた後は、目標装着数より残存数の方が少ない状態(部品不足の状態)になっている種類のLED部品4を収納した新たなテープTがそれまでテープフィーダ13に装着されていたテープTの代わりに装着されてテープTの交換がなされるが、新たに装着されたテープTには同等の電気的特性を有するLED部品4が収納されていることから、装着ヘッド15を停止させた後、装着ヘッド15によるLED部品装着工程が実行される基板3には同等の電気的特性を有するLED部品4が装着されることになり、基板3の製品信頼性を維持することができる。
なお、同一の基板3に装着される赤、青、黄の3色のLEDは、各色のLED間で同等の電気的特性を有することが要求されるだけでなく、各色間についても一定の品質が保持されることが要求される。このため、同一の基板3に装着される3色のLEDを供給する3つのテープTのロットの組み合わせは同一である必要があり、例えば、赤色LEDを供給するテープT、青色LEDを供給するテープT、黄色LEDを供給するテープTのロットは(赤色LED:Aロット,青色LED:Bロット,黄色LED:Cロット)、(赤色LED:A′ロット,青色LED:B′ロット,黄色LED:C′ロット)、・・・のいずれかの組み合わせでなければならないと規定されることになる。したがって、(Aロット,Bロット,Cロット)の組み合わせでLED部品4の装着を行っていた場合であって、或る色のLEDについてのテープTを交換する際に、その色のLEDのテープTが不足するなどして、(Aロット,Bロット,Cロット)の組み合わせが維持できなくなるときには、その色のLEDのテープTだけでなく、3色全部のテープTを交換して新たな(A′ロット,B′ロット,C′ロット)等の組み合わせで部品装着を継続するようにする。
本実施の形態における電子部品実装装置1では、部品切れ発生時にパーツフィーダの変更を行って電子部品の装着を継続する従来の場合とは異なり、装着すべき全てのLED部品4の装着が完了した基板3については電気的特性が異なるLED部品4が混載されていないことが保証されているので、LED部品4の装着が完了した基板3については電気的特性が異なるLED部品4が混載されていないかどうかをチェックする必要はなく、そのような作業を省くことができる。
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されない。例えば、上述の実施の形態では、LED部品4は赤、青及び黄色の3色であったが、LED部品4は必ずしも赤、青及び黄色でなくてもよい。また、複数色(2色以上)であれば3色でなくてもよい。また、テープフィーダ13が供給する電子部品は必ずしもLED部品でなくてもよく、他の電子部品であってもよい。また、電子部品を供給するパーツフィーダはテープフィーダでなくてもよく、バルクフィーダやトレイフィーダ等であってもよい。
また、上述の形態では、部品不足になる状態を事前に検知して装着ヘッド15を停止させた後は、テープTの交換を待ってLED部品4の基板3への装着を再開する構成であったが、電子部品実装装置1が同一の種類のLED部品4を供給するテープフィーダ13を複数備えている場合には、テープTの交換を待つことなく、装着ヘッド15が同一の種類のLED部品4を供給する他のテープフィーダ13からLED部品4をピックアップして基板3に装着する構成としてもよい。
また、上述の実施の形態では、電子部品が装着される対象の基板(単位基板3)は照明基板であったが、これは必ずしも照明基板でなくてもよい。また、上述の実施の形態では、電子部品が装着される対象の基板(単位基板3)は多面取り基板2上に複数枚保持されたものとなっていたが、必ずしも多面取り基板上に保持されたものでなくてもよい。