JP5383311B2 - ワイパモータ及びワイパ装置 - Google Patents

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本発明は、ワイパモータ及びワイパ装置に関する。
楕円形状の回転子の外周にローラベアリングを介して可撓性の伝達エレメントを設け、該伝達エレメントの外歯を、楕円形状の回転子の長径部の両端において、歯数の異なる固定リング及び出力リングのそれぞれに噛み合わせた減速機構を有するワイパモータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特表平11−508855号公報
しかしながら、上記の如き従来の技術では、可撓性の伝達エレメントの歯を固定リング及び出力リングのそれぞれに噛み合わせる構成であるため、過負荷時等に伝達エレメントと固定リング及び出力リングとの噛み合いのずれが生じることが懸念される。
本発明は上記事実を考慮して、モータ本体の回転を減速しつつ確実に出力軸に伝えることができるワイパモータ、及び該ワイパモータを備えたワイパ装置を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係るワイパモータは、内歯を有するリングギヤと、周方向の一部において前記リングギヤの内歯に噛み合わされた外歯を有し、かつピッチ円の直径が前記リングギヤのピッチ円の半径よりも大である遊星ギヤと、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの何れか一方と同軸的に配置されると共に該リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に偏心して連結された回転軸を有するモータ本体と、前記モータ本体の回転軸と平行な軸線回りに自転可能に支持された出力軸と、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に、少なくとも一部が周方向に不等間隔となるように複数設けられた係合部と、前記出力軸又は該出力軸と同期して回転する回転部材に、少なくとも一部が周方向に不等間隔となるように複数設けられ、それぞれ前記係合部が周方向に係合する状態と該係合しない状態とをとり得る被係合部と、を有して構成され、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方の自転を、前記出力軸の自転に変換する回転変換機構と、を備えている。
請求項1、3、5、7記載のワイパモータでは、モータ本体の回転軸が回転すると、該回転軸に偏心して連結されたリングギヤ又は遊星ギヤは、相手方のギヤとの噛み合い位置を周方向に変化させつつ回転軸の軸心回りに公転しつつ自転する。このリングギヤ又は遊星ギヤの公転及び自転を伴う運動から、回転変換機構によって自転(成分)だけ出力軸に伝えられる。すなわち、リングギヤ又は遊星ギヤの自転が出力軸の自転に変換される。これにより、回転軸の回転が減速されて出力軸に伝達される。
ここで、本ワイパモータでは、減速機構としてリングギヤと遊星ギヤとを噛み合わせた差動歯車を有するため、確実に回転(トルク)伝達が可能である。しかも、遊星ギヤのピッチ円の直径がリンクギヤのピッチ円の半径よりも大であるため、遊星ギヤの外歯及びリングギヤの内歯の強度を確保することができる。すなわち、遊星ギヤの外歯及びリングギヤの内歯を、過負荷等に対し十分な強度を有する寸法形状に設定することが可能である。
このように、請求項1、3、5、7記載のワイパモータでは、モータ本体の回転を減速しつつ確実に出力軸に伝えることができる。
請求項記載の発明に係るワイパモータは、請求項1〜請求項8の何れか1項記載のワイパモータにおいて、前記遊星ギヤの歯先円の直径は、前記リングギヤの歯先円の直径よりも大とされている。
請求項記載のワイパモータでは、外歯ギヤである遊星ギヤの歯先円の直径(最大径)が内歯ギヤであるリングギヤの歯先円の直径(最小径)よりも大であるため、遊星ギヤの外歯及びリングギヤの内歯の強度を一層確保し易い。
請求項10記載の発明に係るワイパモータは、請求項1〜請求項9の何れか1項記載のワイパモータにおいて、前記モータ本体の回転軸と前記出力軸とが同軸的に配置されている。
請求項10記載のワイパモータでは、モータ本体の回転軸すなわちリングギヤ又は遊星ギヤの公転軸と、出力軸とが同軸的に配置されているので、回転変換機構によってリングギヤ又は遊星ギヤの公転を伴う自転が効率的に出力軸の自転に変換される。
請求項記載のワイパモータでは、複数の係合部及び被係合部が設けられているので、リングギヤ又は遊星ギヤの公転位置に応じて係合する係合部と被係合部との組が変化しつつ、出力軸又は回転部材(すなわち出力軸)がほぼ等速で回転される。なお、回転部材は、モータ出力軸と一体に回転するものであっても良い。ここで、複数組の係合部及び被係合部の少なくとも一部が周方向に不等間隔で配置されているので、モータ本体によるトルク変動と、回転変換機構における係合部と被係合部との係合する組の変化に伴うトルク伝達率の変動とが同期(共振)することが抑制される。
請求項記載の発明に係るワイパモータは、内歯を有するリングギヤと、周方向の一部において前記リングギヤの内歯に噛み合わされた外歯を有し、かつピッチ円の直径が前記リングギヤのピッチ円の半径よりも大である遊星ギヤと、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの何れか一方と同軸的に配置されると共に該リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に偏心して連結された回転軸を有するモータ本体と、前記モータ本体の回転軸と平行な軸線回りに自転可能に支持された出力軸と、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に周方向に等間隔で奇数である複数設けられた係合部と、前記出力軸又は該出力軸と同期して回転する回転部材に周方向に等間隔で奇数である複数設けられ、それぞれ前記係合部が周方向に係合する状態と該係合しない状態とをとり得る被係合部と、を有して構成され、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方の自転を、前記出力軸の自転に変換する回転変換機構と、を備えている。
請求項5記載の発明に係るワイパモータは、内歯を有するリングギヤと、周方向の一部において前記リングギヤの内歯に噛み合わされた外歯を有し、かつピッチ円の直径が前記リングギヤのピッチ円の半径よりも大である遊星ギヤと、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの何れか一方と同軸的に配置されると共に該リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に偏心して連結された回転軸を有するモータ本体と、前記モータ本体の回転軸と平行な軸線回りに自転可能に支持された出力軸と、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に周方向に等間隔でかつ前記モータ本体を構成するスロットの数に対し1以外の公約数を有しない数である複数設けられた係合部と、前記出力軸又は該出力軸と同期して回転する回転部材に周方向に等間隔でかつ前記モータ本体を構成するスロットの数に対し1以外の公約数を有しない数である複数設けられ、それぞれ前記係合部が周方向に係合する状態と該係合しない状態とをとり得る被係合部と、を有して構成され、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方の自転を、前記出力軸の自転に変換する回転変換機構と、を備えている。
請求項3、5記載のワイパモータでは、複数の係合部及び被係合部が周方向に等間隔で配置されているので、リングギヤ又は遊星ギヤの公転位置に応じて係合する係合部と被係合部との組が変化し、出力軸又は回転部材(すなわち出力軸)がほぼ等速で回転される。なお、回転部材は、モータ出力軸と一体に回転するものであっても良い。
請求項記載の発明に係るワイパモータは、請求項記載のワイパモータ記載のワイパモータにおいて、前記係合部及び被係合部の数が奇数とされている。
請求項2、3記載のワイパモータでは、係合部及び被係合部の組数が奇数であるため、偶数である場合と比較して、モータ本体から出力軸までのトルク伝達の変動が抑制される。
請求項記載の発明に係るワイパモータは、請求項〜請求項の何れか1項記載のワイパモータにおいて、前記係合部及び被係合部の数は、前記モータ本体を構成するスロットの数に対し、1以外の公約数を有しない数とされている。
請求項4、5記載のワイパモータでは、係合部及び被係合部の組数がモータ本体のスロット数に対し1以外の公約数を有しない数とされているため、モータ本体によるトルク変動と、回転変換機構における係合部と被係合部との係合する組の変化に伴うトルク伝達率の変動とが同期(共振)することが抑制される。
請求項8記載の発明に係るワイパモータは、請求項1〜請求項7の何れか1項記載のワイパモータにおいて、前記出力軸又は該出力軸と同期して回転する回転部材に設けられた検出部又は被検出部を有し、前記出力軸の回転位置を検出するための回転位置検出機構をさらに備えた。
請求項8記載のワイパモータでは、出力軸又は出力軸と同期して回転する部材(回転変換機構の出力軸側部材を含む)に回転位置検出機構が設けられているので、公転成分を機械的に除去して精度良く回転位置を検出することができる。なお、回転部材は、モータ出力軸と一体に回転するものであっても良い。
請求項記載の発明に係るワイパモータは、請求項1〜請求項の何れか1項記載のワイパモータにおいて、前記回転軸における前記モータ本体と前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方との間に配置され、該回転軸における前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方の公転に伴うアンバランスを打ち消すためのバランスウェイトをさらに備え、前記バランスウェイトにおける前記回転軸の軸線に対する最大偏心位置は、前記モータ本体のスロットを構成する複数の歯部の周方向中心線に対し周方向にオフセットされている
請求項7記載の発明に係るワイパモータは、内歯を有するリングギヤと、周方向の一部において前記リングギヤの内歯に噛み合わされた外歯を有し、かつピッチ円の直径が前記リングギヤのピッチ円の半径よりも大である遊星ギヤと、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの何れか一方と同軸的に配置されると共に該リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に偏心して連結された回転軸を有するモータ本体と、前記モータ本体の回転軸と平行な軸線回りに自転可能に支持された出力軸と、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方の自転を、前記出力軸の自転に変換する回転変換機構と、前記回転軸における前記モータ本体と前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方との間に、該回転軸の軸線に対する最大偏心位置が前記モータ本体のスロットを構成する複数の歯部の周方向中心線に対し周方向にオフセットされて配置され、該回転軸における前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方の公転に伴うアンバランスを打ち消すためのバランスウェイトと、を備えている。
請求項6、7記載のワイパモータでは、回転軸の軸線方向におけるモータ本体と減速機構との間にバランスウェイトが配置されているので、リングギヤ又は遊星ギヤの公転に伴うアンバランスが効率良く打ち消される(キャンセルされる)。
また、請求項6、7記載のワイパモータでは、バランスウェイトの最大偏心位置がモータ本体の歯部(スロットを形成する部分)の幅方向中心線に対し該幅方向にオフセットされているので、出力軸のトルク変動が抑制される。
請求項11記載の発明に係るワイパ装置は、ワイパアームに駆動力を伝達するためのピボット軸と、前記出力軸が前記ピボット軸と平行に配置された請求項1〜請求項10の何れか1項記載のワイパモータと、前記ワイパモータ及び前記ピボット軸に対し、それぞれの軸線方向における同じ側に配置され、前記出力軸の回転を前記ピボット軸の揺動に変換するリンク機構と、を備えた。
請求項11記載のワイパ装置では、リングギヤの内歯と遊星ギヤの外歯とを噛み合わせた減速機構を有する上記ワイパモータを有するため、該ワイパモータを回転軸すなわち出力軸の軸線方向にコンパクトに構成することができる。そして、このワイパモータの出力軸とピボット軸とが略平行に配置されると共に、該出力軸及びピボット軸に対する軸線方向の同じ側にリンク機構が配置されているため、ワイパ装置を全体としてワイパモータの出力軸の軸線方向にコンパクトに構成することができる。
請求項12記載の発明に係るワイパ装置は、請求項11記載のワイパ装置において、前記ピボット軸を回転可能に支持するピボットホルダ部と、前記ワイパモータのハウジングの少なくとも一部とが一体に形成されている。
請求項12記載のワイパ装置では、ワイパモータにおけるモータ本体と減速機構とが略同軸的に配置される構成であることから、該ワイパモータのハウジング形状を単純な形状に形成することができる。このため、該ハウジングの少なくとも一部にピボットホルダ部が一体に形成された構成を容易に得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係るワイパモータを示す図であって、(A)は側断面図、(B)は図1(A)の1B−1B線に沿った軸直角断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るワイパモータを構成する減速機構部の模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るワイパモータを構成する回転位置検出機構を示す、図1(A)の3−3線に沿った軸直角断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るワイパ装置を示す一部切り欠いた正面図である。 本発明の第2の実施形態に係るワイパ装置を示す一部切り欠いた正面図である。 本発明の実施形態に係るワイパモータを構成する差動減速機構の変形例を示す図であって、(A)は第1変形例を示す軸直角断面図、(B)は第2変形例を示す軸直角断面図である。 本発明の実施形態に係るワイパモータを構成する回転位置検出機構の第1変形例を示す図であって、(A)は側断面図、(B)は図7(A)の7B−7B線に沿った軸直角断面図である。 本発明の実施形態に係るワイパモータを構成する回転位置検出機構の第2変形例を示す図であって、(A)は側断面図、(B)は図8(A)の8B−8B線に沿った軸直角断面図である。 本発明の実施形態に係るワイパモータを構成する減速機構部の変形例を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態に係るワイパモータを構成する差動減速機構を示す軸直角断面図である。 本発明の実施形態に係るワイパモータを構成する自転取り出し機構における係合突起と係合孔との係合部位の数とトルク伝達変動幅との関係を示す線図である。 本発明の実施形態に係るワイパモータのトルク変動について説明するための図であって、(A)はモータ本体の電気的要因によるトルク変動を示す線図、(B)は自転取り出し機構の機械的要因によるトルク伝達率の変化を示す線図、(C)はワイパモータ全体としてのトルク変動を示す線図である。 本発明の第5の実施形態に係るワイパモータの要部を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るワイパモータにおけるカウンタウェイトのスロットに対する位置とトルク変動との関係を示す線図である。
本明細書において、第1及び第2の実施形態については参考例と読み替え、第3〜第5の実施形態を第1〜第3の実施形態と読み替えるものとする。
本発明の第1の実施形態に係るワイパモータ10、該ワイパモータ10を備えたワイパ装置11について、図1〜図4に基づいて説明する。先ず、ワイパモータ10について説明し、次いで、ワイパ装置11について説明することとする。
(ワイパモータの構成)
図1(A)には、ワイパモータ10が側断面図にて示されており、図1(B)には、図1(A)の1B−1B線に沿った軸直角断面図が示されている。図1(A)に示される如く、ワイパモータ10は、モータ本体部10Aと、減速機構部10Bとを主要部として構成されている。
モータ本体部10Aは、略有底円筒状に形成されたヨーク12を備えている。ヨーク12は、回転軸としてのアーマチャシャフト14における軸線方向の一端を、底部12Aの軸心部に配置された軸受16を介して回転自在に軸支している。このアーマチャシャフト14の軸線方向の他端側は、減速機構部10Bに突出されており、該減速機構部10Bによって回転自在に支持される構成とされている(後述)。
また、ヨーク12内には、電機子としてのアーマチャ18が収容されている。アーマチャ18は、アーマチャシャフト14に同軸的に固着されたコア(鉄心)18Aに巻線(コイル)18Bが巻き回されて構成されている。また、ヨーク12の円筒部12Bの内周面には、それぞれアーマチャ18の外周面に対向する一対のマグネット20が固着されている。
また、アーマチャ18には、整流子としてのコンミテータ22が設けられている。詳細は後述するが、コンミテータ22は、複数のセグメント22Aが周方向に等間隔で配置されて全体として略円筒状又は環状に形成されており、アーマチャシャフト14に同軸的に固着されている。周方向に隣り合うセグメント22A間には、図示しない絶縁部が配設されている。また、各セグメント22Aは、アーマチャ18の対応する巻線18Bにそれぞれ電気的に接続されている(図示省略)。
さらに、ヨーク12内には、一対のブラシ24が該ヨーク12に対する回転不能に配設されている。具体的には、各ブラシ24は、図1(A)に示される如く、コンミテータ22の軸線に対し対称に配置されたブラシホルダ部26内にセグメント22A(コンミテータ22の外周面)に対する接離可能に収容されると共に、スプリング28にてコンミテータ22側(径方向内向き)に付勢されている。これにより、各ブラシ24は、コンミテータ22のセグメント22Aに常時接触するようになっている。
この実施形態では、一対のブラシホルダ部26は、ヨーク12と減速機構部10B(後述するギヤハウジング)との間に保持されたブラシホルダ30に一体に形成されている。また、各ブラシ24は、それぞれ図示しない給電配線に接続されている。これにより、モータ本体部10Aでは、コンミテータ22が軸心廻りに回転(ヨーク12すなわちブラシ24に対し相対回転)することで、該コンミテータ22とブラシ24とが摺接しつつ整流が行なわれ、アーマチャ18に電機子電流が流れる構成とされている。
以上説明したように、第1の実施の形態に係るワイパモータ10のモータ本体部10Aは、マグネット式の直流モータとされている。この実施形態では、モータ本体部10Aは、軸線方向の寸法が短い偏平タイプのモータとして構成されている。
減速機構部10Bは、ヨーク12の開口端側(アーマチャシャフト14の軸線方向他端側)に接続されたギヤハウジング32を備えている。ギヤハウジング32は、底部32Aと円筒部32Bとを有する略有底円筒状に形成されており、円筒部32Bの開口端から径方向外向きに延設されたフランジ部32Cにおいて、ヨーク12の開口端から径方向外向きに延設されたフランジ部12Cにビス34にて接合されている。詳細説明は省略するが、このヨーク12とギヤハウジング32との接合状態で、ブラシホルダ30がヨーク12に対し固定的に保持されている。
また、減速機構部10Bは、出力軸としてのモータ出力軸36と、アーマチャシャフト14の回転を減速してモータ出力軸36に伝達する差動減速機構38とを備えている。モータ出力軸36は、ギヤハウジング32の底部32Aの軸心部に設けられたボス部40を貫通して、先端部36Aがモータ外部に突出されると共に、基端部36Bがギヤハウジング32内に配置されている。このモータ出力軸36の軸線方向中間部36Cは、軸受42を介してボス部40すなわちギヤハウジング32に回転自在に支持されている。
さらに、モータ出力軸36の基端部36Bには、内周面が円筒面とされた凹部44が同軸的に形成されており、該凹部44にはアーマチャシャフト14の先端14Aが挿入されている。この実施形態では、アーマチャシャフト14の先端14Aと凹部44の内周面との間には軸受46が設けられている。これにより、アーマチャシャフト14とモータ出力軸36とは、互いに同軸的な相対回転可能に連結されている。換言すれば、アーマチャシャフト14の先端14A(軸線方向の他端部)は、モータ出力軸36を介してギヤハウジング32すなわちヨーク12に対し回転自在に支持されているものと捉えることができる。
そして、図1(B)にも示される如く、差動減速機構38は、内歯48Aを有するリングギヤ48と、リングギヤ48の内歯48Aに噛み合う外歯50Aを有する遊星ギヤとしてのプラネタリギヤ50とを備えている。この実施形態では、リングギヤ48は、アーマチャシャフト14、モータ出力軸36と同軸的に配置されるように、ギヤハウジング32の円筒部32B一体に形成されている。すなわち、この実施形態におけるリングギヤ48は、ギヤハウジング32に対し相対回転不能な固定要素とされている。
図1(A)及び図1(B)に示される如く、プラネタリギヤ50は、リングギヤ48に対し偏心量axだけ偏心して配置され周方向の一部において、その外歯50Aがリングギヤ48の内歯48Aに噛み合わされている。プラネタリギヤ50におけるリングギヤ48との噛み合わせ部から180°離れた外歯50Aは、プラネタリギヤ50(アーマチャシャフト14)の軸心に対し噛み合わせ部の反対側に位置している。すなわち、図示は省略するが、プラネタリギヤ50のピッチ円の直径は、リングギヤ48のピッチ円の半径よりも大とされている。
この実施形態では、プラネタリギヤ50の歯先円の直径は、リングギヤ48の歯先円の直径よりも大とされている。これにより、差動減速機構38では、プラネタリギヤ50におけるリングギヤ48との噛み合わせ部に対する180°の位置で、外歯50Aの歯先が内歯48Aの歯先に対しわずかに離間する構成とされている。
このプラネタリギヤ50は、アーマチャシャフト14の軸線AL回りの回転に伴って、該軸線ALに対する上記の偏心量axを維持したまま該軸線AL回りに回転すなわち公転するように、アーマチャシャフト14に連結されている。具体的には、アーマチャシャフト14におけるギヤハウジング32内に位置する部分には、アーマチャシャフト14の軸線ALに対し偏心量axだけ偏心した偏心軸線ELを有する偏心軸部52が形成されている。そして、プラネタリギヤ50は、軸受54を介して偏心軸部52に同軸的かつ相対回転可能に固定されている。
したがって、プラネタリギヤ50は、アーマチャシャフト14の軸線AL回りの回転によって該軸線AL回りに公転されると共に、自軸(偏心軸線EL)回りの回転すなわち自転が許容される構成とされている。上記の通り外歯50Aが固定要素であるリングギヤ48の内歯48Aに噛み合わされたプラネタリギヤ50は、アーマチャシャフト14の回転に伴って、軸線AL回りに公転しつつ(リングギヤ48との噛み合わせ部位を該リングギヤ48の周方向に変化させつつ)偏心軸線EL回りに自転するようになっている。
減速機構部10Bは、このプラネタリギヤ50のアーマチャシャフト14の軸線AL回りの公転及び偏心軸線EL回りの自転を伴う運動から、該プラネタリギヤ50の自転を選択的に取り出し、モータ出力軸36の軸線AL回りの回転として伝達するための回転変換機構としての自転取り出し機構(オルダム機構)56を備えている。
自転取り出し機構56は、プラネタリギヤ50におけるモータ出力軸36側の端面から突出された係合部としての複数(この実施形態では8つ)の係合突起58と、モータ出力軸36の基端部36Bから径方向外向きに延設された回転部材としてのフランジ部60に設けられ係合突起58が1つずつ入り込まされた複数の被係合部としての係合孔62とを有して構成されている。この実施形態では、複数の係合突起58は、プラネタリギヤ50と同軸的な(偏心軸線ELを軸線とする)仮想円周に沿って周方向に等間隔で配置されている。また、複数の係合孔62は、フランジ部60(モータ出力軸36)と同軸的な仮想円周に沿って周方向に等間隔で配置されている。
また、この実施形態では、各係合突起58は、アーマチャシャフト14の軸線方向視で円形を成す短円柱状に形成されている。一方、各係合孔62は、アーマチャシャフト14の軸線方向視で円形を成しており、それぞれの内径が係合突起58の外径よりも大とされている。この係合突起58の外径に対する係合孔62の内径の差は、図1(B)に示されるプラネタリギヤ50の自転に伴う係合突起58の移動軌跡Lpと、モータ出力軸36の自転に伴う係合孔62の移動軌跡Loとの差異を吸収し得るように設定されている。なお、上記した移動軌跡Lpは、便宜上、プラネタリギヤ50の公転を省略して、偏心軸線ELを固定した場合の係合突起58の移動軌跡を示したものである。
以上説明した自転取り出し機構56では、プラネタリギヤ50からモータ出力軸36(フランジ部60)に1組の係合突起58とフランジ部60とが回転を伝達し、該回転を伝達する係合突起58と係合孔62との組がプラネタリギヤ50の公転位置及び自転位置に応じて順次入れ替わる構成とされている。
これにより、減速機構部10Bでは、軸線AL回りの公転及び偏心軸線EL回りの自転を伴うプラネタリギヤ50の運動から、自転取り出し機構56によって該プラネタリギヤ50の自転成分が取り出され、モータ出力軸36の軸線AL回りの回転に変換される構成である。このように差動減速機構38及び自転取り出し機構56を備えた減速機構部10Bは、図2に模式的に示される如くモデル化することができる。
また、ワイパモータ10は、プラネタリギヤ50がアーマチャシャフト14の軸線AL回りに公転するのに伴い生じるアンバランスを打ち消すためのカウンタウェイト(バランスウェイト)55を備えている。カウンタウェイト55は、アーマチャシャフト14の偏心軸部52におけるプラネタリギヤ50に対するモータ本体部10A側に一体的に回転するように固定されている。換言すれば、カウンタウェイト55は、モータ本体部10Aと差動減速機構38(減速機構部10B)との間に配置されているものと捉えることができる。
さらに、減速機構部10Bには、モータ出力軸36の回転位置を検出するための回転位置検出機構64が設けられている。回転位置検出機構64は、フランジ部60に同軸的かつ一体に回転するように設けられた被検出部としてのセンサマグネット66と、フランジ部60すなわちモータ出力軸36の回転に伴うセンサマグネット66の磁極変化に応じた信号を出力する検出部としての磁気センサ68とを主要部として、非接触式の回転位置検出機構として構成されている。
図3に示される如く、センサマグネット66は、それぞれ円環状に形成された複数(この実施形態では3つ)の単位マグネットとしての内側リングマグネット66A、中間リングマグネット66B、外側リングマグネット66Cを有して構成されている。これら内側リングマグネット66A、中間リングマグネット66B、外側リングマグネット66Cには、対応する磁気センサ68に対し異なるパターンとなるように着磁パターン(各1つ又は各複数のN極とS極とが周方向に交互に配置されて成るパターン)が形成されている。
このセンサマグネット66は、例えば磁性粉体を樹脂材に含ませて構成された所謂プラスチックマグネット(所謂ボンド磁石)とされており、リングマグネット66A、中間リングマグネット66B、外側リングマグネット66C(これらの連結部)を含む各部が一体に形成されている。
磁気センサ68は、図1(A)に示される如く、内側リングマグネット66A、中間リングマグネット66B、外側リングマグネット66Cに対応して3つのホール素子68A、68B、68Cを含んで構成されている。各ホール素子68A、68B、68Cは、ギヤハウジング32に固定された回路基板70に実装されており、その出力信号を回路基板70に設けられた図示しない制御装置に出力するようになっている。
詳細な説明は省略するが、回転位置検出機構64は、ヨーク12すなわち適用された車両の車体に対するモータ出力軸36の回転位置に応じた内側リングマグネット66A、中間リングマグネット66B、外側リングマグネット66Cの着磁パターンに応じた、各ホール素子68A、68B、68Cからの信号に基づいて、例えばワイパブレードの格納位置、下反転位置、上反転位置等を検出するようになっている。
以上説明したワイパモータ10は、ワイパ装置11のフレーム72(図4参照)に固定されて該ワイパ装置11を構成するようになっている。この実施形態では、ワイパモータ10をフレーム72に固定するため取付部として、図1(A)に示される如く、ギヤハウジング32の底部32Aに複数のビスボス部74が形成されている。
(ワイパ装置の構成)
図4には、ワイパモータ10を備えたワイパ装置11が一部切り欠いた正面図にて示されている。この図に示される如く、ワイパモータ10は、複数のビスボス部74に螺合されたビス76によって、フレーム72に固定的に締結されている。フレーム72には、一対のピボットホルダ78、80が設けられている。
ピボットホルダ78は、第1ワイパアーム82が連結された第1ピボット軸84を車体に対し回転自在に軸支しており、ピボットホルダ80は、第2ワイパアアーム86が連結された第2ピボット軸88を車体に対し回転自在に軸支している。第1ワイパアーム82、第2ワイパアアーム86の何れか一方が運転席用のワイパアームとされ、他方が助手席用のワイパアームとされている。
そして、図4に示される如く、ワイパ装置11では、一対の第1ピボット軸84、第2ピボット軸88とモータ出力軸36とは、略平行に配置されている。さらに、この実施形態では、一対の第1ピボット軸84、第2ピボット軸88が軸線方向の一方側(上側)に向けて配置されているのに対し、モータ出力軸36は、軸線方向の他方側(下側)に向けて配置されている。すなわち、第1ピボット軸84、第2ピボット軸88とモータ出力軸36とは、相対的に略180°方向(反対向き)を向く姿勢となるように配置されている。
さらに、ワイパ装置11は、モータ出力軸36の回転を第1ピボット軸84、第2ピボット軸88の揺動(往復回動)に変換するためのリンク機構90を備えている。リンク機構90は、一端がモータ出力軸36と一体に回転するように接続されたクランクアーム92と、一端が第1ピボット軸84と一体に回転するように接続された第1ピボットレバー94と、一端が第2ピボット軸88と一体に回転するように接続された第2ピボットレバー96と、一端がクランクアーム92の他端にボールジョイント98を介して連結されると共に他端が第2ピボットレバー96の他端にボールジョイント98を介して連結された第1リンク100と、一端が第2ピボットレバー96の他端にボールジョイント98を介して連結されると共に他端が第1ピボットレバー94の他端にボールジョイント98を介して連結された第2リンク102とを主要部として構成されている。
これにより、ワイパ装置11は、フレーム72に対する一方側にワイパモータ10、第1ピボット軸84(第1ワイパアーム82)、第2ピボット軸88(第2ワイパアアーム86)が配置されると共に、フレーム72に対する他方側にリンク機構90が配置されて構成とされている。そして、ワイパ装置11では、モータ出力軸36の回転に伴うクランクアーム92の回転が、第1リンク100を介して連結された第2ピボットレバー96の揺動に変換されると共に、該第2ピボットレバー96の揺動が第2リンク102を介して連結された第1ピボットレバー94の揺動として伝達されるようになっている。
以上により、ワイパ装置11は、ピボットホルダ78、80が設けられたフレーム72に、ワイパモータ10、第1ピボット軸84(第1ワイパアーム82)、第2ピボット軸88(第2ワイパアアーム86)及びリンク機構90が組み付けられたモジュール型のワイパ装置とされている。
次に、第1の実施の形態の作用を説明する。
上記構成のワイパモータ10が適用されたワイパ装置11では、ワイパモータ10が作動されてモータ出力軸36が回転すると、該モータ出力軸36の回転がリンク機構90によって、第1ピボットレバー94、第2ピボットレバー96の揺動に変換される。すると、第1ピボット軸84、第2ピボット軸88はそれぞれの軸回りに往復回動し、連結された第1ワイパアーム82、第2ワイパアアーム86を所定の角度範囲で揺動させる。これにより、ワイパ装置11では、第1ワイパアーム82、第2ワイパアアーム86のワイパブレードがウインドシールドガラスの上下の反転位置間で往復動され、該ウインドシールドガラスを払拭する。
ここで、ワイパ装置11を構成するワイパモータ10は、偏平型モータであるモータ本体部10Aに、互いに略平行に配置されたアーマチャシャフト14からモータ出力軸36に回転を減速して伝達するための差動減速機構38を有する減速機構部10Bを組み合わせて構成されているため、全体として軸線方向に薄く構成されている。
具体的には、減速機構部10Bがリングギヤ48の内側に略同一平面に沿ってプラネタリギヤ50を配置して構成される差動減速機構38を備えるため、該減速機構部10Bをアーマチャシャフト14の軸線方向にコンパクトに構成することができる。また、ワイパモータ10では、プラネタリギヤ50に設けた係合突起58と、フランジ部60(モータ出力軸36)に設けた係合孔62とで、プラネタリギヤ50の運動をモータ出力軸36の回転に変換する自転取り出し機構56を構成しているため、該自転取り出し機構56を含め減速機構部10Bをアーマチャシャフト14の軸線方向にコンパクトに構成することができる。
以上により、ワイパモータ10は、例えばウォーム減速機構の如き食い違い軸間で回転を伝達する減速機構を備えたワイパモータと比較して、モータ出力軸36の軸線方向から見た投影面積が縮小(小型化)されると共に軽量化され、かつこのような小型軽量な構成において、さらにアーマチャシャフト14の軸線方向にコンパクトに構成(薄型化)することができる。また、ワイパモータ10では、ウォーム減速機構の如き食い違い軸間で回転を伝達する減速機構を備えたワイパモータと比較して、アーマチャシャフト14、差動減速機構38共に、各軸受16、46等に生じるラジアル荷重による摩擦損失が大幅に低減され、その減速効率が大幅に向上する。
しかも、ワイパモータ10では、減速機構として、プラネタリギヤ50の歯先円の直径がリングギヤ48の歯先円の直径よりも大である差動減速機構38を備えるため、所要の減速比を維持しつつ、リングギヤ48の内歯48A、プラネタリギヤ50の外歯50Aを過負荷等に対し十分な強度を有する寸法形状に設定することができる。
例えば、小型化のためにモータ本体部を低トルク高回転化すると共により高減速比化する構成では、ギヤモジュールを小さくする(歯数を多くする)必要があり、ギヤの噛み合わせ部の過負荷等に対する強度が不足することが懸念される。また、減速機構に歯付きの可撓性部材を用いる構成においても、噛み合わせ部の過負荷等に対する強度が不足することが懸念される。特に、ギヤや可撓性部材を樹脂材や合成ゴム等にて構成する場合、動力伝達に伴う発熱による強度低下も懸念される。これらに対し、本ワイパモータ10では、比較的低回転型である偏平型のモータ本体部10Aを用いて、差動減速機構38にてモータ出力軸36の所要の回転速度を得ることができるので、全体として小型化、薄型化を図りつつ、差動減速機構38の強度すなわち所要のワイパ性能を確保することができる。
このように、第1の実施形態に係るワイパモータ10では、モータ本体部10Aの回転を減速しつつ確実にモータ出力軸36に伝えることができる。そして、この差動減速機構38を介して得られるモータ出力軸36の回転は完全な等速回転ではなく、僅かに速度変動を有する回転である。この速度変動がワイパ装置11から発生する共振を打ち消し、ワイパ装置の振動防止が可能になる。
また、ワイパモータ10では、モータ出力軸36がアーマチャシャフト14と同軸的に設けられているため、モータ出力軸36の軸線方向から見た投影面積が一層縮小される、すなわち一層の小型化が図られる。
さらに、ワイパモータ10では、自転取り出し機構56がそれぞれ複数の係合突起58と係合孔62とで構成されているため、モータ出力軸36の速度変動が少ない。特に、ワイパモータ10では、上記の通りモータ出力軸36がアーマチャシャフト14と同軸的に設けられると共に、多数(各8つ)の係合突起58と係合孔62とで自転取り出し機構56が構成されているので、モータ出力軸36を周方向の位置に依らずほぼ等速で駆動することができる。
またさらに、ワイパモータ10では、回転位置検出機構64を構成するセンサマグネット66がフランジ部60に設けられているため、換言すれば、自転取り出し機構56におけるモータ出力軸36と同軸的かつ一体に(同期して)回転する部分にセンサマグネット66が設けられているため、プラネタリギヤ50の公転の影響を受けることなくモータ出力軸36の回転位置を良好に検出することができる。
また、ワイパモータ10では、カウンタウェイト55がモータ本体部10Aとプラネタリギヤ50(差動減速機構38)との間に配置されているので、プラネタリギヤ50の公転に伴うアンバランスを効率良く打ち消す(キャンセルする)ことができる。また、カウンタウェイト55によって、ブラシ24とコンミテータ22との摺動に伴い生じる摩耗粉がモータ本体部10Aから差動減速機構38の噛み合わせ部に侵入することが抑制される。さらに、カウンタウェイト55によって、差動減速機構38の潤滑材がコンミテータ22とブラシ24との摺動接触部位に侵入することが抑制される。これらにより、差動減速機構38の噛み合わせ部、及びコンミテータ22とブラシ24との摺動接触部位の異常摩耗を防止又は効果的に抑制することができる。
またここで、上記の如きワイパモータ10を備えたワイパ装置11は、ワイパモータ10の小型化(アーマチャシャフト14の軸線方向視での投影面積縮小)、薄型化が果たされているので、車両への搭載性が良好であると共に、搭載スペースが小さい。これらにより、適用された車両のキャビンスペース拡大、エンジンスペース縮小に寄与する。また、上記したワイパモータ10小型化、薄型化に伴う軽量化によって、適用された車両の燃費改善(CO2排出量低減)に寄与する。
さらに、ワイパ装置11では、第1ピボット軸84、第2ピボット軸88とモータ出力軸36とが、互いに略平行で相対的に略180°方向(反対向き)を向く姿勢で配置されているため、リンク機構90(を構成する各リンク、アーム、レバー)を略水平に構成することができる。このため、ワイパモータ10の発生したトルクを効率良く第1ピボット軸84(第1ワイパアーム82)、第2ピボット軸88(第2ワイパアアーム86)の揺動に変換することができる。
しかも、一対のピボットホルダ78、80間にワイパモータ10が配置される構成になるので、ワイパ装置11は、全体として、ワイパモータ10(モータ出力軸36)の軸線方向にコンパクトな構成とされている。したがって、ワイパ装置11は、適用された車両への搭載性が一層良好であり、搭載スペースを一層小さくすることができる。
(他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態又は前出の構成と基本的に同一の部品、部分については、第1の実施形態又は前出の構成と同一の符号を付して説明、図示を省略する場合がある。
(第2の実施形態)
図5には、本発明の第2の実施形態に係るワイパモータ110を備えたワイパ装置111が一部切り欠いた正面図にて示されている。この図に示される如く、ワイパモータ110は、ギヤハウジング32に代えて、ギヤハウジング112を備えている。ギヤハウジング112は、底部32A、円筒部32B、フランジ部32Cとほぼ同径状に形成された底部112A、円筒部112B、フランジ部112Cを有する一方、フレーム72に相当するフレーム部114が一体に形成されている。また、底部112Aには、ビスボス部74に相当する部分は形成されていない。
すなわち、ワイパ装置111では、ワイパモータ110のギヤハウジング112に、ピボットホルダ78、80が一体に形成されている。このワイパ装置111を構成するワイパモータ110は、モータ出力軸36がリンク機構90側に突出するためにフレーム72を貫通する分だけ、ワイパモータ10(図5の想像線参照)と比較してモータ出力軸36、ボス部40が短く構成されている。ワイパモータ110、ワイパ装置111の他の構成は、ワイパモータ10、ワイパ装置11の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係るワイパモータ110、ワイパ装置111によっても、第1の実施形態に係るワイパモータ10、ワイパ装置11と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、ワイパモータ110が適用されたワイパ装置111では、ギヤハウジング112にフレーム部114が一体化されているので、部品点数の削減、加工費低減による低コスト化が実現でき、また、ワイパ装置111全体として一層の薄型化が図られる。具体的には、図5に想像線にて示すワイパモータ10と比較して、クランクアーム92をより上方に配置することができ、モジュール型のワイパ装置111における特に車幅方向中央部での薄型化が図られる。
例えばウォーム減速機構の如き食い違い軸間で回転を伝達する減速機構を備えたワイパモータでは、ハウジングの形状が複雑であり、フレームを一体に形成することは困難であったが、アーマチャシャフト14とモータ出力軸36とが略平行(同軸)に配置されるワイパモータ110では、特にギヤハウジングの形状が簡素化されるので、ギヤハウジング112の如くフレーム部114を一体化する構成が容易に実現される。
(第3の実施形態)
図10には、本発明の第3の実施形態に係るワイパモータ140を構成する差動減速機構142が図1(B)に対応する軸直角断面図にて示されている。この図に示される如く、差動減速機構142は、それぞれ複数の係合突起58、係合孔62が周方向に不等間隔で配置されて自転取り出し機構(オルダム機構)144が構成されている点で、複数の係合突起58、係合孔62が周方向に等間隔で配置されて構成された自転取り出し機構56を有する差動減速機構38とは異なる。
自転取り出し機構144は、自転取り出し機構56と同様に、各8つの係合突起58、係合孔62を有して構成されており、これら8組の係合突起58、係合孔62は、プラネタリギヤ50の自転に伴う係合突起58の移動軌跡Lpと、モータ出力軸36の自転に伴う係合孔62の移動軌跡Loとの差異を吸収し得るように設定されている。すなわち、プラネタリギヤ50に設けられた係合突起58と、フランジ部60に設けられた係合孔62とは、不等間隔である周方向の配置パターンが互いに一致(対応)されており、プラネタリギヤ50からモータ出力軸36(フランジ部60)に回転を伝達する係合突起58と係合孔62との組がプラネタリギヤ50の公転位置及び自転位置に応じて順次入れ替わる構成とされている。
この実施形態では、周方向に隣り合う係合突起58、係合孔62間の間隔の一部は、差動減速機構38と同様に45°である角度α0にて規定されている。そして、自転取り出し機構144では、周方向に隣り合う係合突起58、係合孔62間の間隔の他の一部は、角度α0とは異なる角度α1、α2にて規定されている。
より具体的には、この実施形態に係る自転取り出し機構144では、角度α1=40°、角度α2=50°とされている。この実施形態では、周方向に隣り合う係合突起58、係合孔62間の間隔のうち、角度α1の部分、角度α2の部分は、それぞれ軸対称となる2箇所に配置されている。したがって、残余の4箇所は、係合突起58、係合孔62間の間隔が角度α0の部分とされている。そして、この実施形態では、角度α1の部分と角度α2の部分とが周方向に隣り合って配置されている。
また、この実施形態では、プラネタリギヤ50の外歯50Aの歯数が50本であるのに対し、リングギヤ48の内歯48Aの歯数が49本とされている。したがって、自転取り出し機構144では、最小角度α1の範囲内に位置する内歯48Aの歯数は、(40°×49本/360°)≒5.4本、最大角度α2の範囲内に位置する内歯48Aの歯数は略6.8本となっている。これにより、自転取り出し機構144では、最小角度α1の部分(範囲)で外歯50Aと噛み合う内歯48Aの歯数N1と、角度α2の部分で外歯50Aと噛み合う内歯48Aの歯数N2との差ΔN(=N2−N1)が1本以上となる設定とされている。ワイパモータ140の他の構成は、ワイパモータ10又はワイパモータ110の対応する構成と同じである。
したがって、第3の実施形態に係るワイパモータ140によっても、基本的に第1又は第2の実施形態に係るワイパモータ10、110と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、ワイパモータ140では、自転取り出し機構144を構成する係合突起58、係合孔62が不等間隔で配置されているため、モータ出力軸36がスムースに回転される。この点について補足すると、プラネタリギヤ50のアーマチャシャフト14の軸線AL回りの公転及び偏心軸線EL回りの自転を伴う運動から、該プラネタリギヤ50の自転を選択的に取り出し、モータ出力軸36の軸線AL回りの回転として伝達する構成においては、1つの係合突起58、係合孔62に作用する力(伝達トルク)がモータ出力軸36の回転角に応じて正弦波状に変化するため、自転取り出し機構144全体としてのトルク伝達率は係合突起58、係合孔62の数分だけの変動を伴うこととなる。
ここで、ワイパモータ140では、上記の通り自転取り出し機構144を構成する係合突起58、係合孔62が不等間隔で配置されている。このため、回転を伝達に伴い係合する係合突起58と係合孔62との組が順次入れ替わる周期が不等間隔となり、係合突起58と係合孔62の孔壁との衝突による共振が生じ難い。すなわち、周方向に隣り合う係合突起58間、係合孔62間の角度αに応じて係合突起58と係合孔62の孔壁との衝突周期が変化するため、プラネタリギヤ50やフランジ部60に振動が発生しても、それが共振して振動が長時間続くことが抑制される。
特に、ワイパモータ140では、最小角度α1の部分と最大角度α2の部分とで外歯50Aに噛み合う内歯48Aの歯数が1本以上異なり、かつ、これら最小角度α1の部分と最大角度α2の部分とが周方向に隣り合って配置されている。このため、ワイパモータ140では、プラネタリギヤ50からモータ出力軸36へのトルク伝達の変動カーブに、変動周期(周方向に隣り合う2つの係合突起58が対応する係合孔62の孔壁に係合する間隔)が大きく異なる領域(期間)が続けて生じることとなる。このため、ワイパモータ140では、プラネタリギヤ50やフランジ部60に振動が発生しても、それが共振して振動が長時間続くことが防止又は効果的に抑制される。
このように、第3の実施形態に係るワイパモータ140では、第1、第2の実施形態と比較しても、モータ出力軸36のスムースな回転特性を得ることができる。また、本ワイパモータ140では、モータ出力軸36の回転ブレ(出力トルクのブレ)、作動音、振動の低減を図ることができる。
なお、第3の実施形態では、周方向に隣り合う係合突起58間、係合孔62間の各一部が不等間隔とされた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、周方向に隣り合う係合突起58間、係合孔62間の全てを不等間隔としても良い。また、周方向に隣り合う係合突起58間、係合孔62間の各一部が不等間隔とする構成においては、角度がα1、α2、α3の3種類である構成に限定されることはなく、2種類や4種類以上としても良い。
(第4の実施形態)
図示は省略するが、第4の実施形態に係るワイパモータは、係合突起58、係合孔62の数がそれぞれ7つとされている。すなわち、本ワイパモータでは、係合部としての係合突起58の数、被係合部としての係合孔62の数がそれぞれ奇数とされている。この実施形態では、係合突起58、係合孔62は、プラネタリギヤ50、フランジ部60の周方向に等間隔に配置されている。
また、本ワイパモータを構成するモータ本体部10Aは、2極12スロット(コア18Aの巻線18Bの数が12つ)の直流モータとされている。したがって、本ワイパモータでは、差動減速機構38を構成する自転取り出し機構56の係合部位の数(係合突起58、係合孔62の数である7つ)は、モータ本体部10Aを構成するアーマチャ18のコア18Aに形成されたスロットの数(12つ)に対し、1以外の公約数を有しない(1が最大公約数となる)設定とされている。本ワイパモータの他の構成は、ワイパモータ10又はワイパモータ110の対応する構成と同じである。
したがって、第4の実施形態に係るワイパモータによっても、基本的に第1又は第2の実施形態に係るワイパモータ10、110と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、本ワイパモータでは、係合突起58、係合孔62の数が奇数であるため、これらの数が偶数である構成と比較して、モータ出力軸36のトルク変動を抑制することができる。図11は、係合突起58、係合孔62の数ごとのモータ出力軸36のトルク変動幅(両振幅)を示す線図(実験結果)である。この図から、係合突起58、係合孔62の数が奇数である場合、その前後の偶数である場合よりもトルク変動が小さく、また奇数同士又は偶数同士で比較すると、係合突起58、係合孔62の数が多いほどトルク変動が小さくなることが解る。特に、係合突起58、係合孔62の数を7以上の奇数とすることで、8以上の偶数の場合よりもモータ出力軸36のトルク変動が小さく抑えられる。ここで、本ワイパモータでは、係合突起58、係合孔62の数が7つであるため、上記の通りこれらの数が偶数である構成と比較して、モータ出力軸36のトルク変動を抑制することができる。
さらに、本ワイパモータでは、係合突起58、係合孔62の数(7つ)とモータ本体部10Aのスロット数(12つ)とが1以外の公約数を有しない設定とされているため、モータ出力軸36がスムースに回転される。この点につき図12(A)〜図12(C)を参照しつつ補足する。図12(A)には、上記の通り2極12スロットのモータ本体部10Aにおける電気的要因によるトルク変動が線図(実測波形)にて示されている。この図から、モータ本体部10Aにおいては、1回転あたり12周期のトルク変動が生じることが解る。図12(B)には、上記の通り順次入れ替わる係合部位が7つである自転取り出し機構56(差動減速機構38)におけるトルク伝達率の変化(変動)が線図(実測波形)にて示されている。この図から、自転取り出し機構56においては、1回転あたり14周期のトルク伝達率の変化が生じることが解る。そして、図12(C)は、図12(A)に示す電気的要因によるトルク変動と、図12(B)に示す機械的要因によるトルク伝達率の変化とを同位相で掛け合わせた出力軸36(ワイパモータ全体)のトルク変動が、線図にて示されている。この図から、本ワイパモータでは、電気的要因によるトルク変動と機械的要因によるトルク伝達率の変化とが同期して増幅し合うことが抑制されることが解る。
このように、第4の実施形態に係るワイパモータでは、第1、第2の実施形態と比較しても、モータ出力軸36のスムースな回転特性を得ることができる。また、本ワイパモータ140では、モータ出力軸36の回転ブレ(出力トルクのブレ)、作動音、振動の低減を図ることができる。
なお、第4の実施形態では、7つの係合突起58、係合孔62が周方向に等間隔で配置された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、第3の実施形態の如く7つの係合突起58、係合孔62の少なくとも一部を不等間隔に配置しても良い。この場合、例えば、図12(C)における0°(360°)、180°でのトルク変動が抑制されるように、係合突起58、係合孔62の少なくとも一部を不等間隔に配置することが望ましい。
また、第4の実施形態では、係合突起58、係合孔62の数が奇数で、かつ該係合突起58、係合孔62の数とモータ本体部10Aのスロット数とが1以外に公約数を有しない好ましい例を示したが、本発明はこれに限定されることはない。したがって、例えば、係合突起58、係合孔62の数が奇数である構成においては、係合孔62の数とモータ本体部10Aのスロット数とが1以外に公約数を有する構成(例えば、スロット数12に対し係合突起58、係合孔62の数が9つ等)としても良く、また例えば、係合突起58、係合孔62の数とモータ本体部10Aのスロット数とが1以外に公約数を有しない構成においては、該係合突起58、係合孔62の数が偶数である構成(例えば、スロット数3に対し係合突起58、係合孔62の数が12つ等)としても良い。
(第5の実施形態)
図13には、本発明の第5の実施形態に係るワイパモータ150の要部が模式的な軸直角断面図にて示されている。この図に示される如く、ワイパモータ150は、カウンタウェイト55がコア18Aを構成する歯部としてのティース18Cに対し所定の配置とされている点で、第1〜第4の実施形態に係るワイパモータ10、110、140等とは異なる。
ティース18Cは、コア18Aの軸心から放射状に延び、スロット18Dの周方向端部を規定している。このティース18Cが巻線18Bを保持するようになっている。そして、ワイパモータ150では、カウンタウェイト55におけるモータ出力軸36の軸心から最も遠い最大偏心部55Aは、特定のティース18Cの周方向中心線CLtに対し所定角度θ1だけ周方向にオフセットして配置されている。この実施形態では、図14に示される角度θに対するプラネタリギヤ50の公転によるトルク変動幅(両振幅)との関係(実験結果)から、該トルク変動幅が極小となるθ1≒15°に設定されている。
この実施形態では、モータ本体部10Aは、2極12スロット(コア18Aの巻線18Bの数が12つ)の直流モータとされており、θ1=15°となる最大偏心部55Aの位置は、オフセットの基準とされたティース18Cと、該ティース18Cと周方向に隣り合うティース18Cとの中間部(これらが形成するスロット18Dの周方向中心線CLs)に、周方向位置が略一致する構成とされている。本ワイパモータ150の他の構成は、第1〜第4の実施形態に係るワイパモータ10、110、140等の対応する構成と同じである。
したがって、第5の実施形態に係るワイパモータによっても、基本的に第1〜第4の実施形態に係るワイパモータ10、110、140等と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、ワイパモータ150では、カウンタウェイト55の最大偏心部55Aは、特定のティース18Cの周方向中心線CLtに対し、該図14に示される如くモータ出力軸36のトルク変動が極小(最小)となる所定角度θ1≒15°だけ周方向にオフセットして配置されている。このため、ワイパモータ150では、モータ出力軸36がスムースに回転される。
このように、第5の実施形態に係るワイパモータ150では、第1〜第4の実施形態と比較しても、モータ出力軸36のスムースな回転特性を得ることができる。また、本ワイパモータ150では、モータ出力軸36の回転ブレ(出力トルクのブレ)、作動音、振動の低減を図ることができる。
なお、上記した各実施形態では、リングギヤ48の内歯48A、プラネタリギヤ50の外歯50Aとしてインボリュート曲線の歯型が用いられて両ギヤの歯数差を1とした例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図6(A)に示される如く、インボリュート曲線を用いて形成された歯型の内歯48B、外歯50Bを有するリングギヤ48、プラネタリギヤ50にて両ギヤの歯数差を3とした差動減速機構38を構成しても良く、図6(B)に示される如く、サイクロイド曲線を用いて形成された歯型の内歯48C、外歯50Cを有するリングギヤ48、プラネタリギヤ50にて両ギヤの歯数差を1とした差動減速機構38を構成しても良い。なお、これらの歯形(歯たけ、すなわち偏心量ax)の違いに応じて、係合突起58の外径と係合孔62の内径との差(比)が設定される。
また、上記した各実施形態では、回転位置検出機構64がフランジ部60の全周に亘るリングマグネット66A〜66Cを有するセンサマグネット66を備えた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図7(A)及び図7(B)に示される如く、フランジ部60の周方向の一部に設けられたセンサマグネット120を用いて回転位置検出機構64を構成するようにしても良い。図7には、センサマグネット120が内側リングマグネット120A、中間リングマグネット120B、外側リングマグネット120C及び3つのホール素子68A〜68Cを有する例を示す。なお、センサマグネット120は、フランジ部60と同軸的な円弧状のマグネットを1つだけで構成されても良く、ホール素子68A等は、検出すべき位置の数等に応じて設ければ良い。
また例えば、図8(A)及び図8(B)に示される如く、非接触型の回転位置検出機構64に代えて、接触型の回転位置検出機構130を備えた構成としても良い。回転位置検出機構130は、所定の導電パターン形状を有する薄膜状の可動導電プレート132が形成された基板133と、フランジ部60の回転に伴う可動導電プレート132の移動軌跡上において径方向に並列して配置された複数(この変形例では3つ)のコンタクトプレート134とを主要部として構成されている。可動導電プレート132は、隣接する2つのコンタクトプレート134が接触する円環状の環状部132Aと、環状部132Aにおける内周側のコンタクトプレート134が接触する領域の周方向の一部が切り欠かれた切欠部132Bと、環状部132Aにおける周方向の一部から外周側のコンタクトプレート134が接触する領域に張り出した張出部132Cとを有する。詳細な説明は省略するが、回転位置検出機構130は、これら3つのコンタクトプレート134と可動導電プレート132との接触(導通)状態に基づいてモータ出力軸36の回転位置を検出するようになっている。
さらに、上記した各実施形態では、図2に模式的に示される如く、プラネタリギヤ50にアーマチャシャフト14の軸線AL回りの公転が入力される例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図9に模式的に示される如く、リングギヤ48にアーマチャシャフト14の軸線AL回りの公転が入力される構成としても良い。
またさらに、上記した実施形態では、プラネタリギヤ50に設けられた係合突起58とフランジ部60に設けられた係合孔62とで自転取り出し機構56が構成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、プラネタリギヤ50に係合孔62を設けると共にフランジ部60に係合突起58を設けた構成としても良い。また、プラネタリギヤ50又はフランジ部60を貫通する係合孔62に代えて、係合突起58が入り込む凹部を設けた構成として良く、プラネタリギヤ50、フランジ部60の双方から突出した凸部(係合部と被係合部)によって自転取り出し機構56を構成しても良い。さらに、アーマチャシャフト14の軸線方向から見た係合突起58、係合孔62の形状が円形に限定されないことは言うまでもない。
また、上記した実施形態では、自転取り出し機構56を構成するフランジ部60とモータ出力軸36とが一体に回転する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、フランジ部60とモータ出力軸36との間に減速ギヤ等を設けた構成としても良い。すなわち、フランジ部60とモータ出力軸36とは同期して回転する構成であれば足りる。
10・・・ワイパモータ、10A・・・モータ本体部(モータ本体)、11・・・ワイパ装置14・・・アーマチャシャフト(回転軸)、36・・・モータ出力軸(出力軸)、48・・・リングギヤ、48A・・・内歯、50・・・プラネタリギヤ(遊星ギヤ)、50A・・・外歯、55・・・カウンタウェイト(バランスウェイト)、56・・・自転取り出し機構(回転変換機構)、58・・・係合突起(係合部)、60・・・フランジ部(回転部材)、62・・・係合孔(被係合部)、64・・・回転位置検出機構、66・・・センサマグネット(被検出部)、68・・・磁気センサ(検出部)、78・80・・・ピボットホルダ(ピボットホルダ部)、82・・・第1ワイパアーム(ワイパアーム)、84・・・第1ピボット軸、86・・・第2ワイパアアーム(ワイパアーム)、88・・・第2ピボット軸、90・・・リンク機構、110・140・150・・・ワイパモータ、111・・・ワイパ装置、112・・・ギヤハウジング(ワイパモータのハウジングの少なくとも一部)、120・・・センサマグネット(被検出部)、130・・・回転位置検出機構、132・・・可動導電プレート(被検出部)、134・・・コンタクトプレート(検出部)、144・・・自転取り出し機構(回転変換機構)

Claims (12)

  1. 内歯を有するリングギヤと、
    周方向の一部において前記リングギヤの内歯に噛み合わされた外歯を有し、かつピッチ円の直径が前記リングギヤのピッチ円の半径よりも大である遊星ギヤと、
    前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの何れか一方と同軸的に配置されると共に該リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に偏心して連結された回転軸を有するモータ本体と、
    前記モータ本体の回転軸と平行な軸線回りに自転可能に支持された出力軸と、
    前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に、少なくとも一部が周方向に不等間隔となるように複数設けられた係合部と、前記出力軸又は該出力軸と同期して回転する回転部材に、少なくとも一部が周方向に不等間隔となるように複数設けられ、それぞれ前記係合部が周方向に係合する状態と該係合しない状態とをとり得る被係合部と、を有して構成され、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方の自転を、前記出力軸の自転に変換する回転変換機構と、
    を備えたワイパモータ。
  2. 前記係合部及び被係合部の数が奇数とされている請求項1記載のワイパモータ。
  3. 内歯を有するリングギヤと、
    周方向の一部において前記リングギヤの内歯に噛み合わされた外歯を有し、かつピッチ円の直径が前記リングギヤのピッチ円の半径よりも大である遊星ギヤと、
    前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの何れか一方と同軸的に配置されると共に該リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に偏心して連結された回転軸を有するモータ本体と、
    前記モータ本体の回転軸と平行な軸線回りに自転可能に支持された出力軸と、
    前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に周方向に等間隔で奇数である複数設けられた係合部と、前記出力軸又は該出力軸と同期して回転する回転部材に周方向に等間隔で奇数である複数設けられ、それぞれ前記係合部が周方向に係合する状態と該係合しない状態とをとり得る被係合部と、を有して構成され、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方の自転を、前記出力軸の自転に変換する回転変換機構と、
    を備えたワイパモータ。
  4. 前記係合部及び被係合部の数は、前記モータ本体を構成するスロットの数に対し、1以外の公約数を有しない数とされている請求項1〜請求項3の何れか1項記載のワイパモータ。
  5. 内歯を有するリングギヤと、
    周方向の一部において前記リングギヤの内歯に噛み合わされた外歯を有し、かつピッチ円の直径が前記リングギヤのピッチ円の半径よりも大である遊星ギヤと、
    前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの何れか一方と同軸的に配置されると共に該リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に偏心して連結された回転軸を有するモータ本体と、
    前記モータ本体の回転軸と平行な軸線回りに自転可能に支持された出力軸と、
    前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に周方向に等間隔でかつ前記モータ本体を構成するスロットの数に対し1以外の公約数を有しない数である複数設けられた係合部と、前記出力軸又は該出力軸と同期して回転する回転部材に周方向に等間隔でかつ前記モータ本体を構成するスロットの数に対し1以外の公約数を有しない数である複数設けられ、それぞれ前記係合部が周方向に係合する状態と該係合しない状態とをとり得る被係合部と、を有して構成され、前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方の自転を、前記出力軸の自転に変換する回転変換機構と、
    を備えたワイパモータ。
  6. 前記回転軸における前記モータ本体と前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方との間に配置され、該回転軸における前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方の公転に伴うアンバランスを打ち消すためのバランスウェイトをさらに備え、
    前記バランスウェイトにおける前記回転軸の軸線に対する最大偏心位置は、前記モータ本体のスロットを構成する複数の歯部の周方向中心線に対し周方向にオフセットされている請求項1〜請求項5の何れか1項記載のワイパモータ。
  7. 内歯を有するリングギヤと、
    周方向の一部において前記リングギヤの内歯に噛み合わされた外歯を有し、かつピッチ円の直径が前記リングギヤのピッチ円の半径よりも大である遊星ギヤと、
    前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの何れか一方と同軸的に配置されると共に該リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方に偏心して連結された回転軸を有するモータ本体と、
    前記モータ本体の回転軸と平行な軸線回りに自転可能に支持された出力軸と、
    前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方の自転を、前記出力軸の自転に変換する回転変換機構と、
    前記回転軸における前記モータ本体と前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方との間に、該回転軸の軸線に対する最大偏心位置が前記モータ本体のスロットを構成する複数の歯部の周方向中心線に対し周方向にオフセットされて配置され、該回転軸における前記リングギヤ及び前記遊星ギヤの他方の公転に伴うアンバランスを打ち消すためのバランスウェイトと、
    を備えたワイパモータ。
  8. 前記出力軸又は該出力軸と同期して回転する回転部材に設けられた検出部又は被検出部を有し、前記出力軸の回転位置を検出するための回転位置検出機構をさらに備えた請求項1〜請求項7の何れか1項記載のワイパモータ。
  9. 前記遊星ギヤの歯先円の直径は、前記リングギヤの歯先円の直径よりも大とされている請求項1〜請求項8の何れか1項記載のワイパモータ。
  10. 前記モータ本体の回転軸と前記出力軸とが同軸的に配置されている請求項1〜請求項9の何れか1項記載のワイパモータ。
  11. ワイパアームに駆動力を伝達するためのピボット軸と、
    前記出力軸が前記ピボット軸と平行に配置された請求項1〜請求項10の何れか1項記載のワイパモータと、
    前記ワイパモータ及び前記ピボット軸に対し、それぞれの軸線方向における同じ側に配置され、前記出力軸の回転を前記ピボット軸の揺動に変換するリンク機構と、
    を備えたワイパ装置。
  12. 前記ピボット軸を回転可能に支持するピボットホルダ部と、前記ワイパモータのハウジングの少なくとも一部とが一体に形成されている請求項11記載のワイパ装置。
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