JP5383112B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムを構成する純水器に関する。
燃料電池システムとして、特許文献1に示すように、燃料極に供給された水素および空気極に供給された酸素を用いて発電する燃料電池11と、空気極から送出される排出ガス(空気オフガス)中の水蒸気を少なくとも凝縮して回収水として回収する凝縮器30と、この凝縮器30から供給される回収水を純水にする純水器40と、この純水器40から供給される純水化された回収水と燃料(原燃料)を改質して燃料ガスを導出する改質器20とを備えたものが知られている。
このシステムにおいては、凝縮器30から回収した水には金属イオンや無機イオン、有機物などが含まれているため、純水器40に充填されているイオン交換樹脂で除去する。また回収した水に混入した雑菌を純水器40に充填されているイオン交換樹脂に混床された抗菌能力を有する活性炭によって処理している。
特開平2005−243251公報(図1)
しかしながら文献1においてはシステム停止時等において、純水器40の入口側に抗菌活性炭に浸っていない水が存在する場合があるため、水質や滞在時間、水温などの条件によっては雑菌が繁殖する恐れがある。また抗菌活性炭はイオン交換樹脂よりも比重が大きいため、充填された抗菌活性炭は使用時間の経過とともに下流側に移動し、そして純水器入口部の抗菌活性炭が下流側に移動すると、抗菌性能が低下し、雑菌が繁殖する恐れがある。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、簡易に、安定して、回収水中の微生物の繁殖を抑制することにより、長期運転が実現できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、燃料極に供給された燃料ガスおよび酸化剤極に供給された酸化剤ガスを用いて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、燃料電池システム内から回収される回収水を導入し純水化する純水器と、純水化された純水を貯める貯水器と、を備え、純水器は、回収水を純水化するイオン交換樹脂と、イオン交換樹脂の重力方向における上方に所定厚さに1層のみ積層された抗菌剤と、が充填された収容部と、上部に設けられて大気と常時連通する排出口と、を備え、貯水器は、純水器と通水管を介して連通するとともにエア抜き口およびオーバーフロー口を介して大気と常時連通し、通水管は、純水器の下部に配置されて純水を導入する導入口を含む導入部と、純水器の上部に水平に延在するよう配置されて導入した純水を導出する導出口を含む導出部と、を有し、導出部は導出口から下方に向けて屈曲され延設されて貯水器内に貫通されるとともに、下端面はオーバーフロー口より重力方向上方に配置され、水平に延在する導出口は、イオン交換樹脂と抗菌剤の層との境界面よりも重力方向における上方に、かつ抗菌剤の層の上面よりも重力方向における下方に配置されており、燃料電池システム停止時に、収容部に滞留する回収水の水面が常に抗菌剤の層の重力方向の範囲内に位置するよう構成されることである。

上記の課題を解決するため、請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記抗菌剤の充填時の厚さは30mm以上であることである。
上記の課題を解決するため、請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または請求項2において、前記抗菌剤の上面よりも重力方向における上方に前記回収水を導入する導入口が設けられ、前記抗菌剤の上面と前記導入口との間に、8メッシュ(開口径2mm)以上で、かつ抗菌剤の粒径よりも小さい開口幅を有するフィルタが設けられていることである。
上記の課題を解決するため、請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記燃料極から送出された燃料ガスオフガス中の水蒸気を回収する第1凝縮器、前記酸化剤極から送出された酸化剤ガスオフガス中の水蒸気を回収する第2凝縮器のうち少なくとも一方の凝縮器が設けられ、前記回収水は前記凝縮器で回収された水であることである。
上記の課題を解決するため、請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、さらに前記燃料極から送出された燃料ガスオフガスを燃焼するオフガス燃焼器と、前記オフガス燃焼器から送出された燃焼排ガス中の水蒸気を回収する第3凝縮器が設けられ、前記回収水は前記第3凝縮器で回収された水であることである。
上記の課題を解決するため、請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項において、さらに前記燃料ガスを改質用燃料から生成する改質器が設けられ、前記燃料極に供給される前の前記燃料ガス中の水蒸気を回収する第4凝縮器が設けられ、前記回収水は前記第4凝縮器で回収された水であることである。
上記の課題を解決するため、請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項において、さらに前記燃料ガスを改質用燃料から生成する改質器と、前記改質器を加熱するために燃焼用燃料を燃焼する改質器用燃焼器と、前記改質器用燃焼器から送出された燃焼排ガス中の水蒸気を回収する第5凝縮器が設けられ、前記回収水は前記第5凝縮器で回収された水であることである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、燃料電池システムの停止時において、収容部に導入された回収水の水面はイオン交換樹脂と抗菌剤との境界面と、抗菌剤の上面との間にあり、常に抗菌剤に浸るよう構成されている。これにより、回収水の水面は、空気層と回収水との境界を成し空気中の雑菌が侵入しやすい面であるにもかかわらず、常に抗菌剤中に存在するため抗菌されて、回収水中の雑菌の繁殖が抑制でき、純水器の通路の目詰まりの防止が期待できる。そして回収水の水質の劣化が抑制されるため、純水器の長寿命化が図れるとともに、純水化される回収水の品質が維持できる。
さらに、燃料電池システムの停止時に、回収水の水面位置は、イオン交換樹脂と抗菌剤との境界面よりも重力方向において上方で、かつ抗菌剤の上面よりも重力方向において下方に設けられた導出口と同じ高さになるよう構成されている。これにより回収水の水面高さを調整する装置を別に設けることなく簡易に適切な水面高さを維持でき、システム停止時の回収水の水面を常に抗菌剤に浸すことができるため、低コストかつ安定して回収水中の雑菌の繁殖を抑制することができ、純水器の長寿命化が図れるとともに、純水化された回収水の品質を維持できる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1において、イオン交換樹脂の上方に積層される抗菌剤の厚さを、30mm以上とした。これにより燃料電池システムが長期間使用された後において、イオン交換樹脂よりも比重の大きい抗菌剤が、イオン交換樹脂の中に一部沈みこんでも抗菌剤の厚さは十分確保でき、回収水導入部の抗菌能力低下の抑制が可能となり、純水器の長寿命化が図れるとともに、純水化された回収水の品質を維持できる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項1または請求項2において、抗菌剤の上面よりも重力方向における上方に回収水を導入する導入口が設けられ、抗菌剤の上面と導入口との間に、8メッシュ(開口径2mm)以上で、かつ抗菌剤の粒径よりも小さい開口幅を有するフィルタが設けられている。これにより、純水器において高い純水化性能の効果を得ることができる例えば0.3〜1.3mm(およそ15〜60メッシュ相当)の粒径のイオン交換樹脂の流出を抑えるためにイオン交換樹脂の上方に積層される4〜6メッシュ程度の粒径の抗菌剤の流出を抑えることができるとともに、イオン交換樹脂内で発生する炭酸ガスおよび酸素等のガスをフィルタから良好に排出することができる。よってフィルタ下面の気体の堆積が抑制され、処理水量の低下や純水器内部の偏流を回避することが可能となり、純水器の長寿命化や水質低下の回避が図られる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、燃料ガスオフガス中の水蒸気を回収する第1凝縮器、酸化剤ガスオフガス中の水蒸気を回収する第2凝縮器のうち少なくとも一方の凝縮器が設けられ、回収水は前記凝縮器で回収された水である。酸化剤ガスオフガス中には酸化剤極で生成された多くの水蒸気が含まれている。また燃料ガスオフガス中にも酸化剤極から交換膜を通して移動した多くの水蒸気が含まれている。これにより、第1凝縮器、第2凝縮器のうち少なくとも一方の凝縮器を介して純水器には安定した量の回収水が供給される。よって燃料電池システムの停止時において、純水器の収容部に導入された回収水の水面はイオン交換樹脂と抗菌剤との境界面と、抗菌剤の上面との間に存在し、常に抗菌剤に浸ることができるため、雑菌の繁殖が抑制でき、純水器の長寿命化が図れるとともに、純水化された回収水の品質を維持できる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、燃料ガスオフガスを燃焼するオフガス燃焼器と、オフガス燃焼器から送出された燃焼排ガス中の水蒸気を回収する第3凝縮器が設けられ、回収水は第3凝縮器で回収された水である。オフガス燃焼器によって、燃料ガスオフガスが燃焼され、水蒸気が十分生成される。これにより生成された水蒸気は第3凝縮器を介して回収され純水器には安定した量の回収水が供給される。よって燃料電池システムの停止時において、純水器の収容部に導入された回収水の水面はイオン交換樹脂と抗菌剤との境界面と、抗菌剤の上面との間に存在し、常に抗菌剤に浸ることができるため、雑菌の繁殖が抑制でき、純水器の長寿命化が図れるとともに、純水化された回収水の品質を維持できる。
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、請求項1乃至請求項5のいずれか1項において、燃料ガスを改質用燃料から生成する改質器が設けられ、燃料極に供給される前の燃料ガス中の水蒸気を回収する第4凝縮器が設けられ、回収水は第4凝縮器で回収された水である。燃料ガス中には改質用燃料から燃料ガスへの改質の際に供給される多くの水蒸気が含まれている。これにより、第4凝縮器を介して純水器には安定した量の回収水が供給される。よって燃料電池システムの停止時においては、純水器の収容部に供給された回収水の水面はイオン交換樹脂と抗菌剤との境界面と、抗菌剤の上面との間に存在し、常に抗菌剤に浸ることができるため、雑菌の繁殖が抑制でき、純水器の長寿命化が図れるとともに、純水化された回収水の品質を維持できる。
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、請求項1乃至請求項5のいずれか1項において、改質器と、改質器を加熱するために燃焼用燃料を燃焼する改質器用燃焼器と、改質器用燃焼器から送出された燃焼排ガス中の水蒸気を回収する第5凝縮器が設けられ、回収水は第5凝縮器で回収された水である。改質器用燃焼器では燃焼ガスオフガスが燃焼され水が十分生成されるため、第5凝縮器を介して純水器には安定した量の回収水が供給される。よって燃料電池システムの停止時においては、純水器の収容部に供給された回収水の水面はイオン交換樹脂と抗菌剤との境界面と、抗菌剤の上面との間に存在し、常に抗菌剤に浸ることができるため、雑菌の繁殖が抑制でき、純水器の長寿命化が図れるとともに、純水化された回収水の品質を維持できる。

以下、本発明による燃料電池システムの第1の実施形態について説明する。図1はこの燃料電池システムの概要を示す概要図である。この燃料電池システムは燃料電池10とこの燃料電池10に必要な水素ガスを含む燃料ガスを生成する改質器20を備えている。
燃料電池10は、燃料極11と酸化剤極12と両極11,12間に介装された電解質13を備えており、燃料極11に供給された燃料ガスおよび酸化剤極12に供給された酸化剤ガス(カソードエア)を用いて発電するものである。なお、本実施の形態においては、燃料電池10が固体高分子電解質形燃料電池である場合について説明する。したがって、電解質13はイオン交換膜(例えば、フッ素樹脂系イオン交換膜等)である。
燃料電池10の燃料極11においては、供給された燃料ガス(水素ガス)が下記(化1)のように反応し、生成物である水素イオンが電解質13を通って酸化剤極12に供給されるとともに未反応の水素ガスを含んだ燃料ガスオフガスが排出される。また酸化剤極12においては、供給された空気中の酸素および燃料極11から電解質13を介して供給された水素イオンが下記(化2)のように反応し、水(水蒸気)が生成されその水蒸気を含んだ酸化剤ガスオフガスが排出される。
(化1)
→ 2H+2e
(化2)
2H+1/2O+2e → H
ここで、燃料極11で生成された電子は外部に接続された回路(インバータ回路)を通って酸化剤極12に到達し、酸化剤極12にてその電子を使用して上記(化2)に示す反応が生じこれにより燃料電池10は発電する。
なお、燃料電池10の酸化剤極12には、酸化剤ガスを供給する供給管61および酸化剤ガスオフガスを排出する排出管62が接続されており、これら供給管61および排出管62には、酸化剤ガスを加湿するための加湿器14が設けられている。この加湿器14は水蒸気交換型であり、排出管62において酸化剤極12から排出される気体中の水蒸気を除湿し、その水蒸気を供給管61において酸化剤極12へ供給される酸化剤ガスに供給して加湿するものである。
改質器20は、天然ガス、LPガス、灯油、メタノールなどの燃料を水蒸気改質し、水素リッチな燃料ガスを燃料電池10に供給するものであり、オフガス用燃焼器25を兼用する改質器用燃焼器21、改質部22、一酸化炭素シフト反応部(以下、COシフト部という)23および一酸化炭素選択酸化反応部(以下、CO選択酸化部という)24から構成されている。
改質器用燃焼器21は、起動時に外部から燃焼用燃料および燃焼用空気が供給され、供給されたガスを燃焼して燃焼ガスを改質部22に導出するものである。
改質器用燃焼器21と一体で兼用されるオフガス用燃焼器25は、定常運転時に、燃料電池10の燃料極11から燃焼ガスオフガス(燃料電池に供給され使用されずに排出された燃料ガス)が供給され、供給された燃焼ガスオフガスを燃焼して水蒸気を生成し、水蒸気を含んだ燃焼排ガスを改質部22に導出するものである。
改質器用燃焼器21またはオフガス用燃焼器25によって燃焼された燃焼ガスまたは燃焼排ガスは改質部22を(同改質部22の触媒の活性温度域となるように)加熱し、その後、第5凝縮器34または、第5凝縮器34と一体で兼用されるオフガス用燃焼器25用の第3凝縮器35を通ってその燃焼ガスまたは燃焼排ガスに含まれている水蒸気が凝縮されて外部に排気される。なお、本実施形態においては、改質器用燃焼器21とオフガス用燃焼器25は一体で兼用としたが、別体としてもよい。そのときはオフガス用燃焼器25の下流に第3凝縮器35を別に設けてやり、燃焼排ガスに含まれている水蒸気を凝縮し、外部に排気すればよい。
第5凝縮器34(または第3凝縮器35)は配管63を介して後述する純水器40に連通している。第5凝縮器34(または第3凝縮器35)は純水器40より上方に配設されており、配管63は内部を流れる液体が純水器40まで溜まることなく自重によって落水するような構造となっている。
改質部22は、外部から供給された燃料に蒸発部(図示省略)からの水蒸気を混合した混合ガスを改質部22に充填された触媒により改質して水素ガスと一酸化炭素ガスを生成している(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気を水素ガスと二酸化炭素とに変成している(いわゆる一酸化炭素シフト反応)。これら生成されたガス(いわゆる燃料ガス)はCOシフト部23に導出される。
COシフト部23は、この燃料ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気をその内部に充填された触媒により反応させて水素ガスと二酸化炭素ガスとに変成している。これにより、燃料ガスは一酸化炭素濃度が低減されてCO選択酸化部24に導出される。
CO選択酸化部24は、燃料ガスに残留している一酸化炭素と外部からさらに供給されたCO浄化用の空気とをその内部に充填された触媒により反応させて二酸化炭素を生成している。これにより、燃料ガスは一酸化炭素濃度がさらに低減されて(10ppm以下)燃料電池10の燃料極11に導出される。
改質器20のCO選択酸化部24と燃料電池10の燃料極11とを連通する配管64の途中には、凝縮器30が設けられている。この凝縮器30は燃料ガス用凝縮器である第4凝縮器31、燃焼ガスオフガス用凝縮器である第1凝縮器32および酸化剤ガスオフガス用凝縮器である第2凝縮器33が一体的に接続された一体構造体である。第4凝縮器31は配管64を流れる燃料電池10の燃料極11に供給される燃料ガス中の水蒸気を凝縮する。第1凝縮器32は、燃料電池10の燃料極11とオフガス燃焼器25とを連通する配管65の途中に設けられており、その配管65を流れる燃料電池10の燃料極11から排出される燃料ガスオフガス中の水蒸気を凝縮する。第2凝縮器33は、排出管62に設けられた加湿器14の下流に設けられており、排出管62を流れる燃料電池10の酸化剤極12から排出される酸化剤ガスオフガス中の水蒸気を凝縮する。なお、凝縮器30には、図示しない貯湯槽の低温液体またはラジエータおよび冷却ファンによって冷却された液体が供給されるようになっており、この液体との熱交換によって各ガス中の水蒸気を凝縮している。
これら各凝縮器31,32,33は燃料電池10より下方となり、かつ純水器40より上方となるように配設されている。また、これら各凝縮器31,32,33は配管66を介して純水器40に連通している。配管66は内部を流れる液体が純水器40まで溜まることなく自重によって落水するような構造となっている。なお、凝縮器30は、第1凝縮器32または第2凝縮器33のうち少なくとも一方の凝縮器が含まれるように構成されればよい。このとき第1凝縮器32が設けられないときは、燃料ガスオフガス中の水蒸気は、配管65の下流に設けられるオフガス燃焼器25で該燃料ガスオフガスが燃焼され生成される水蒸気とともに燃焼排ガスとして送出され第3凝縮器35で凝縮され回収される。
純水器40は、凝縮器30および第5凝縮器34(または第3凝縮器35)から供給された水すなわち回収水を純水化する装置である。この純水器40は、図2に示すように、両端面が閉じられた円筒状に形成されたハウジング41と、ハウジング41内に形成される回収水の収容部42と、収容部42内の充填部43と、充填部43の下方に充填されるイオン交換樹脂43aと、イオン交換樹脂43aの重力方向における上方に所定厚さ(望ましくは30mm以上)で充填され積層される抗菌剤43bと、純水化された回収水を、導入口46aから導入し、導出口46cから導出する通水管46とから構成される。
ハウジング41は、上壁部41aと、上部が開口された有底円筒体のシリンダ41bとで構成される。上壁部41aおよびシリンダ41bは回収水を長期間保持しうる金属(例えばステンレス)または樹脂(例えばナイロン)等で形成される。
上壁部41aは、シリンダ41bの内径φdよりもわずかに外径が径小に形成された小円筒部41a1と、小円筒部41a1の上方にシリンダ41bの外径φDと略同一径に外径が形成された大円筒部41a2とが同心円で連結され構成される。小円筒部41a1の円筒外側面の所定の位置には、コの字型断面の所定の深さの溝が全周に亘って刻設され、水漏れ防止のためのゴム(例えばNBR)製Oリング46が挿入されている。上壁部41aには、凝縮器30から供給される回収水を導入する配管66に接続された導入口45a1、第5凝縮器34(または第3凝縮器35)から供給される回収水を導入する配管63に接続された導入口45a2、および図示しない水道水供給源(例えば水道管)から供給される補給水を導入する配管67に接続された導入口45a3が設けられている。なお本実施形態においては水道水供給源から導入される補給水の量は回収水の量に対して少ない量であるため、収容部42に導入される水については水道水が補給されても回収水と呼ぶこととする。また、上壁部41aには純水器40内で発生する酸素や炭酸ガス等を排気するための排出口45a4が大気に連通され設けられている。排出口45a4は異物の混入を防止するため、上壁部41aから上方へ延在されたのち所定Rで屈曲され出口を下方に向けた状態で形成されている。
シリンダ41bは有底円筒体であり、立垂し上部が開口され、開口部に上壁部41aの小円筒部41a1が挿入され大円筒部41a2のつば部下面とシリンダ41bの上面が当接しストッパとなっている。シリンダ41bの内側上方の所定の位置には通水管46の導出口46cが液密に貫通され外部に所定量突出されている。所定量突出された導出口46cは屈曲されて垂下し、導出口46cより下方に位置する、後述する貯水器50と液密に連通され接続されている。通水管46は金属(例えばステンレス製)で形成された中空パイプである。通水管46は導出口46cを含む水平に延在する導出部46dと、導出部46dがシリンダ41bの円筒中心近傍まで延在されたのち直角方向に屈曲し垂下される導入口46aを含む導入部46eよりなる。導入口46aは導入部の所定の点、P点から下方に向かって円錐状に形成される。導入口46aの下端面には純水のみを導入するためのフィルタ46bが設けられ、導入口46aの下端面とシリンダ41bの底壁上面41cとの間に、純水化された水が十分通過可能な距離をもって配置される。
貯水器50は有底筒状体に形成された純水タンク51を備えており、この純水タンク51の上面である天壁51aと純水器40の導出口46cが上述のように液密に連通され接続されている。また純水タンク51の天壁51aには、エア抜き口51a1が設けられ一端が大気に連通されている。貯水器50内上部には一端が大気に連通する排水管の他端が接続されるオーバーフロー口52が設けられており、貯水器50の水面高さhが上昇しオーバーフロー口52の内径下端位置52hを越えるとそのオーバーフロー口52および排水管を通って外部に排水されるようになっている。純水タンク51の天壁51aに接続される純水器40の導出口46cの下端面位置46hはオーバーフロー口52の内径下端位置52hよりも所定の高さだけ高い位置に配置される。つまり下端面位置46hは純水タンク51内の水面高さhよりも常に高い位置となる。すなわち導出口46cの純水タンク51内に突出された出口部は上昇した水によって閉塞されることはなく、よって導出口46cは純水タンク51の天壁51aに設けられた、エア抜き口51a1およびオーバーフロー口52を通して大気と常時連通している。
純水タンク51の天壁51a上にはポンプ53が取り付け固定されており、その吸込口53aには下端が貯水器50の底部まで延在されて配設された取水管68の上端が接続され、ポンプ53の吐出口53bには上端が改質部22に接続された配管69の下端が接続されている。取水管68の下端には、フィルタが備えられた取水部54が固定されている。
次にイオン交換樹脂43aおよび抗菌剤43bについて説明する。イオン交換樹脂43aおよび抗菌剤43bは粒状に形成されている。以降、イオン交換樹脂43aおよび抗菌剤43bの上面および下面とは、それぞれの充填部の上面および下面の位置のことをいう。イオン交換樹脂43aはシリンダ41bに通水管46が固定された状態で、上壁部41aを取外しシリンダ41bの開口された上部から、通水管46の導出口46cの内径下端46fより低い所定の位置を上限として充填される。抗菌剤43bは、イオン交換樹脂43a充填後、イオン交換樹脂43aの重力方向における上方に所定の厚さである30mm以上の厚さをもって充填され積層される。イオン交換樹脂43aの上面はイオン交換樹脂43aと抗菌剤43bとの境界面となる。またそのとき抗菌剤43bの充填後の上面位置は、導出口46cの内径下端位置46fよりも上方にあるよう充填される。
システム停止時においては、純水器40内に滞留する回収水の水面高さは、上述したように純水器40の回収水の水面上方が排出口45a4を介して大気に連通され、通水管46の導出口46cが、接続される貯水器50の純水タンク51の天壁51aに設けられた、エア抜き口51a1およびオーバーフロー口52を介して大気と常時連通されているため、常に導出口46cの内径下端位置46fとほぼ同じ高さになる。よって回収水の水面高さは、イオン交換樹脂43aと抗菌剤43bとの境界面と抗菌剤43bの上面との間にあり、常に抗菌剤43に浸っていることになる。
なお、イオン交換樹脂43a充填の上限を導出口46cの内径下端46fとしたが、望ましくは内径下端46fより重力方向における下方に5mmの位置がよく、より望ましくは重力方向における下方に10mmの位置がよい。また抗菌剤43bの上面の位置は導出口46cの内径上端位置46gより高い方がよく、望ましくは内径上端位置46gより重力方向における上方に10mm以上、より望ましくは20mm以上高い方がよい。
なお、抗菌剤43bの充填厚さ30mmは発明者によって実験により確認された値である。発明者はイオン交換樹脂43aの上面に数種の厚さの抗菌剤43bの層を充填し、長時間燃料電池システムを運転し評価を行なった。運転後のそれぞれのイオン交換樹脂43aと抗菌剤43bの状態を確認したところ、30mmよりも薄い厚さの抗菌剤43bでは、抗菌剤43bが、抗菌剤43bよりも比重および粒径が小さいイオン交換樹脂43aのなかへ大きく沈みこんでいるのが確認された。しかし抗菌剤43bの厚さが30mmの場合、運転後の抗菌剤43bのイオン交換樹脂43aへの沈みこみは10mm程度と小さく、よって抗菌剤43bの層は約20mm確保されており、抗菌力に影響はないと判断され、よって30mm以上と決定されたものである。
イオン交換樹脂43aは、充填部43を流通する原水である回収水(または水道水)から陽イオン(カチオン:Na、Ca2+、Mg2+など)および陰イオン(アニオン:Cl、HCO など)を除去する不溶性の合成樹脂をいい、樹脂は化学的に不活性な部分の樹脂基体とイオン交換基の部分から構成されている。本実施の形態のイオン交換樹脂43aは原水中の陽イオンをHに交換する陽イオン交換樹脂および原水中の陰イオンをOHに交換する陰イオン交換樹脂(いずれも粒状に形成されている)を均一に混合してなる混床タイプのものである。なお、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の混合比は1:1.5〜1:2である。また、良好な性能を発揮するための一般的な両樹脂の粒径は0.5〜0.7mm程度であり、0.3〜1.3mm(およそ15〜60メッシュに相当)のものを使用するのが望ましい。
抗菌剤43bは、抗菌作用を有する粒状に形成されたものであり、本実施の形態においては、粒状の基材である活性炭に抗菌作用を有する金属、樹脂などの物質の粉末(微粒子)を固着させて構成されている。活性炭は水道水中の塩素分を吸着して除去するものである。なお、粉末(微粒子)は活性炭の微小孔をできるだけ閉塞しないように固着するのが望ましい。活性炭の吸着効果を減少させないためである。具体的には、抗菌剤43bは活性炭に銀の粉末を固着して形成されているが、活性炭の粒径は4〜6メッシュ程度であり、6メッシュ上(6メッシュふるい上の粒子)のものが望ましく、銀の含有率は0.1%である。この抗菌剤43bが液体中に置かれると、液体中に銀が溶出しこれにより液体中の所定範囲内において抗菌作用が発生する。その効果が及ぶ範囲は、液体に流れがなければ活性炭43bの中心からほぼ球状となり、銀の含有率、基材の粒径によって設定することは可能である。
収容部42内には抗菌剤43bの上面より重力方向における上方で、各導入口45a1、45a2、45a3との間に、フィルタ44が設けられている。フィルタ44は、外周部がシリンダ41bの内周面全周に刻設されたコの字状断面を持つ溝部に嵌挿され固定されている。フィルタ44は各導入口45a1、45a2、45a3から導入された回収水および水道水をろ過するものである。しかし、これに限らずフィルタ44は抗菌剤43bを外部に漏出させない機能と、イオン交換樹脂43a充填部で発生する酸素や炭酸ガスを堆積させず、通水抵抗としないために透過させ外部に排出する機能とを併せ持つ。よっていずれの機能をも満足させるようにメッシュの大きさが8メッシュ(開口径2mm)以上で、かつ抗菌剤43bの粒径よりも小さい開口幅で形成されている。
ここでメッシュの大きさ8メッシュ以上は、発明者によって実験により導出された数値である。実験は純水器40を模擬した装置を製作し行なわれた。4種類のメッシュ大きさ(8メッシュ、10メッシュ、12メッシュ、40メッシュ(従来と同等))のフィルタが準備され回収水を模擬装置に溜め、回収水の水面上に各フィルタを各フィルタ外周から漏れが無いよう固定し、回収水中からエアを供給して、そのときの各フィルタからのエアの抜け度合いを評価したものである。結果は図4に示すようにメッシュ数が8メッシュより大きい(開口径は小さい)ときにはエアがフィルタを通過することができず、フィルタ下方にエア溜まりができることがわかった。これはフィルタの開口径が小さいためにフィルタの開口部に滞留した水の表面張力の影響が大きくなりすぎたことによるものであると推定する。また8メッシュより開口径が大きいと粒径6メッシュの抗菌剤43bが開口部を通り抜けてしまい外部に流出してしまうため、以上よりメッシュの大きさを8メッシュ以上と決定した。
次にこのように構成された燃料電池システムの作用について説明する。燃料電池システムの稼動中において、凝縮器30および第5凝縮器34(または第3凝縮器35)にて凝縮され回収された回収水は配管66および63を通って自重にて直下流の純水器40に流れる。純水器40の導入口45a1、45a2から収容部42に流入した回収水は、シリンダ41b内を自重によって上から下へ向かって流れ、純水化される。そして純水化された水は回収され続ける回収水の水面高さと導出口46cとの水位差によって、通水管46の導入口46aより、フィルタ46bを通って導入され、通水管46の導入部46eを下から上に向かって流れ、導出口46cから直下流の貯水器50に流入する。
貯水器50に流入する回収水は、純水器40の導入口45a1、45a2から収容部42に導入された回収水の水面高さが導出口46cの内径下端位置46fよりも高い間は水位差によって流入し貯水される。そして燃料電池システム停止時を含む収容部42の水面高さが導出口46cの内径下端位置46fと同じになったとき回収水は貯水器50に流入するのを停止する。これにより、収容部42の回収水の水面高さはどんな場合でも導出口46cの内径下端位置46f以上の高さにあり、システム停止時においては、前述したとおり回収水は導出口46cの内径下端位置46fと同じ位置にある。よってシステム停止後に収容部42に滞留している回収水の水面高さはイオン交換樹脂43aと抗菌剤43bとの境界面と抗菌剤43bの上面との間にあり、常に抗菌剤43に浸っており、抗菌剤43bによって抗菌される。そして貯水器50に貯水された純水化された回収水は、燃料電池の負荷に応じた所定量がポンプ53によって改質部22に給水されるようになっている。
上述した説明から理解できるように、第1の実施形態においては、燃料電池システム停止時には収容部42に導入され滞留する回収水の水面の高さが、導出口46cの内径下端位置46fの高さとほぼ等しくなるよう構成されている。これにより充填された抗菌剤とイオン交換樹脂との境界面位置が導出口46cの内径下端位置46fよりも下方に配置され、また抗菌剤43bの上面位置が内径下端位置46fよりも上方に配置されることとなり、燃料電池システム停止時に、回収水の水面が常に抗菌剤に浸るようになっている。よって、燃料電池システム停止時には回収水の水面高さを調整する装置を別に設けることなく簡易に、かつ安定して回収水の水面高さが維持され水面が抗菌剤に浸っているため、低コストで、かつ安定してシステム停止時の、回収水中の雑菌の繁殖を抑制することができ、純水器の通路の目詰まりが防止され、長寿命化が図れるとともに、純水化された水の品質を維持できる。
また第1の実施形態においては、回収水および水道水が導入される純水器40の収容部42に、イオン交換樹脂43aの重力方向における上方に積層して30mm以上の厚さの抗菌剤43bの層が設けられた。これにより燃料電池システムが長期間使用された後においても、イオン交換樹脂43aよりも比重の大きい抗菌剤43bが、イオン交換樹脂43aの中に一部沈みこんでも抗菌剤の厚さは十分確保でき、回収水の抗菌能力低下の抑制が可能となる。したがって、充填部内の雑菌による純水器の通路の目詰まりが防止でき、長寿命化が図れるとともに、純水化された水の品質を維持できる。
さらに第1の実施形態においては、収容部42に導入された回収水をろ過するフィルタ44のメッシュサイズを8メッシュ(開口径2mm)以上とした。これにより、純水器において高い純水化性能の効果を得ることができる例えば0.3〜1.3mm程度の粒径のイオン交換樹脂の流出を抑えるためにイオン交換樹脂の上方に積層される4〜6メッシュ程度の粒径の抗菌剤の流出を抑えることができるとともに、イオン交換樹脂内で発生する炭酸ガスおよび酸素等のガスをフィルタから良好に排出することができる。よってフィルタ44下面の気体の堆積が抑制され、処理水量の低下や純水器内部の偏流を回避することが可能となり、純水器の長寿命化や水質低下の回避が図られる。
次に第2の実施形態について図3に基づいて説明する。第2の実施形態においては第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明し、同様の構成、同様の作用についてはその説明を省略する。なお同一部品については同一符号を付す。
第2の実施形態は第1の実施形態に対し、純水器70と貯水器80との接続方法および回収水の水面高さを決定する仕組みが異なる。第2の実施形態においては、導出口46cを備える通水管46を廃止し、かわって導出口71cをハウジング71aの下方で底面近傍に設けた。そして純水器70と略同一高さをもつ貯水器80が併設され、併設された状態において連結部81cが設けられる。連結部81cは純水器70の導出口71cと対向する部分に導入口81bを設け、導出口71cとの間を液密に接続し連通される。
ハウジング71a,純水タンク81と連結部81cとの内部は上方に開口するU字状に形成された空間である。ハウジング71a内部に第1の実施形態における収容部42に相当する収容部72を備える。そしてハウジング71a内の下方で連結部81cよりも若干上方にフィルタ74が所定の手段で固定される。フィルタ74の上面からイオン交換樹脂43aが充填され、イオン交換樹脂43aの重力方向における上方に30mm以上の厚さで抗菌剤43bが充填され積層されている。
次に回収水の水面高さを決定する仕組みについて説明する。第2の実施形態においては、貯水器80は有底筒状体に形成された純水タンク81を備えており、純水タンク81の天壁81aには、大気と連通するエア抜き口81a1が設けられている。収容部72に回収水が供給されると、第1の実施形態と同様にハウジング71aを満たし、純水化され、連結部81cを通過し、純水タンク81に流入して貯水される。純水タンク81内上部には一端が大気に連通する排水管の他端が接続されるオーバーフロー口82が設けられており、純水タンク81の水面高さが上昇しオーバーフロー口82の内径下端位置82hを越えると、そのオーバーフロー口82および排水管を通って外部に排水される。
純水タンク81の天壁81a上にはポンプ53が取り付け固定されており、その吸込口53aには下端が純水タンク81の中間部まで延在されて配設された取水管88の上端が接続され、ポンプ53の吐出口53bには上端が改質部22に接続された配管69の下端が接続されている。取水管88の下端には、フィルタを備えた取水部84が固定されている。
純水タンク81の天壁81a上には純水タンク81内の事前に設定された上限水面高さHおよび下限水面高さLを検知できる水位計56が取り付け固定されている。水位計56が下限水面高さLを検知すると、純水器70に対する水の供給例えば水道水の補給を開始する。また水位計56が上限水面高さHを検知すると、純水器80に対する水の供給例えば水道水の補給を停止するようになっている。
このようにして上限水面高さHおよび下限水面高さLが決定される。
上限水面高さHはオーバーフロー口82の内径下端位置82hより若干低い位置に設定され、下限水面高さLは取水部84より若干高い位置に設定されている。このとき純水器70および純水タンク81内の水面高さは、ほぼ同じ高さになる。これは純水器70と純水タンク81とは、それぞれの下方において連結部81cによって連通して連結され、純水器70および純水タンク81のそれぞれの上部には、一端が大気と連通する排出口45a4およびエア抜き口81a1(またはオーバーフロー口82)が設けられているためである。
本実施形態においては純水タンク81内の水面高さは燃料電池システム稼動中および停止時には上限水面高さHと下限面高さLの間で変動されており、よって純水器70の収容部72の水面高さも同様に変動する。このように第2の実施形態においては純水器70の収容部72の水面高さを決定する仕組みが第1の実施形態とは異なる。
イオン交換樹脂43aの充填の上限高さは、燃料電池システムを停止したときに滞留する収容部72の回収水の下限水面高さLに対し、常に重力方向における下方で、望ましくは5mm以上下方の位置がよく、より望ましくは10mm以上下方の位置に設定するのがよい。またイオン交換樹脂43aの重力方向における上方に30mm以上の厚さをもって充填される抗菌剤43bの上面の位置は、燃料電池システムを停止したときに滞留する収容部72の回収水の上限水面高さHに対し、常に重力方向における上方で、望ましくは上方に10mm以上の位置がよく、より望ましくは上方に20mm以上の位置に設定するのがよい。
次にこのように構成された燃料電池システムの作用を説明する。燃料電池システムの稼動中において、凝縮器30および第5凝縮器34(または第3凝縮器35)にて凝縮され回収された回収水は配管66および63を通って自重にて直下流の純水器70に流れる。純水器70の導入口45a1、45a2から収容部72に流入した回収水は、ハウジング71a内を自重によって上から下へ向かって流れ純水化され、連結部81c内を通って純水タンク81内に流入する。純水タンク81に流入した回収水は自重で収容部74と純水タンク81の水面高さが同程度になるまで純水タンク81を下から上へ流れて貯水される。すなわち純水器70内の回収水は自重によって充填部73に充填された抗菌剤43bおよびイオン交換樹脂43aを通って直下流の貯水器80に到達して貯水される。この貯水されている回収水はイオン交換樹脂43aによって純水化されている。そして、純水タンク81に貯水された回収水は、燃料電池10の負荷に応じた所定量がポンプ53によって改質部22に給水されるようになっている。
このような回収水の流れの中で、純水器70および純水タンク81においては、純水器70の収容部72に流入する回収水の量が改質部22に供給される量より大きくなり、その水面高さがオーバーオフロー口82の内径下端位置82hを越えればオーバーフロー口82および排水管を通って外部に排水される。また、純水タンク81内の水面高さは、水位センサ56により監視されており、上限水面高さHと下限水面高さLとの間となるようになっており、燃料電池システム停止時においては、純水タンク81内の水面高さは、上限水面高さHと下限水面高さLとの間のいずれかの位置にあり、純水器70の収容部74の回収水の水面高さもほぼ同レベルとなる。
以上より、燃料電池システム停止時において、純水器70の収容部72に導入され滞留した回収水の水面は、純水器70内のイオン交換樹脂43aと抗菌剤43bとの境界面と抗菌剤43bの上面との間にあり、抗菌剤43bに常に浸るようになっており、よって抗菌され、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第1および第2の実施形態においては、イオン交換樹脂43a内で発生した炭酸ガス等のガスを排出するために、各純水器40、70の上部に排出口45a4を設けて対応していたが、各凝縮器33、34については大気連通孔を備えているため、配管を介して該大気連通孔からガスを排出してもよい。ただし凝縮器33については各凝縮器31、32と配管66を共用しているため、別配管を設けて凝縮器33と連通させ対応する。
また、第1のおよび第2の実施形態においては、回収水を純水化して改質水として利用する場合について適用したが、燃料電池の燃料極および酸化剤極に供給する燃料ガスおよび酸化剤ガスを加湿する加湿器に純水化した回収水を供給する場合に適用するようにしてもよい。
本発明に係る燃料電池システムの実施の形態の概要を示す概要図である。 第1の実施形態に係る純水器および貯水器の断面図である。 第2の実施形態に係る純水器および貯水器の断面図である。 本発明に係るフィルタの通気実験結果である。
符号の説明
10…燃料電池、20…改質器、21…改質器用燃焼器、22…改質部、23…一酸化炭素低減部(COシフト部)、24…一酸化炭素選択酸化反応部(CO選択酸化部)、25…オフガス用燃焼器、30…凝縮器、31…第4凝縮器(燃料ガス用)、32…第1凝縮器(燃料ガスオフガス用)、33…第2凝縮器(酸化剤ガスオフガス用)、34…第5凝縮器、35…第3凝縮器、40…純水器、42…収容部、43a…イオン交換樹脂、43b…抗菌剤、44…フィルタ、46…通水管、50…貯水器、70…純水器、72…収容部、80…貯水器。

Claims (7)

  1. 燃料極に供給された燃料ガスおよび酸化剤極に供給された酸化剤ガスを用いて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池システム内から回収される回収水を導入し純水化する純水器と、
    前記純水化された純水を貯める貯水器と、
    を備え、
    前記純水器は、前記回収水を純水化するイオン交換樹脂と、前記イオン交換樹脂の重力方向における上方に所定厚さに1層のみ積層された抗菌剤と、が充填された収容部と、上部に設けられて大気と常時連通する排出口と、を備え、
    前記貯水器は、前記純水器と通水管を介して連通するとともにエア抜き口およびオーバーフロー口を介して前記大気と常時連通し、
    前記通水管は、前記純水器の下部に配置されて前記純水を導入する導入口を含む導入部と、前記純水器の上部に水平に延在するよう配置されて導入した前記純水を導出する導出口を含む導出部と、を有し、
    前記導出部は前記導出口から下方に向けて屈曲され延設されて前記貯水器内に貫通されるとともに、下端面は前記オーバーフロー口より重力方向上方に配置され、
    前記水平に延在する導出口は、前記イオン交換樹脂と前記抗菌剤の層との境界面よりも重力方向における上方に、かつ前記抗菌剤の層の上面よりも重力方向における下方に配置されており、
    前記燃料電池システム停止時に、前記収容部に滞留する前記回収水の水面が常に前記抗菌剤の層の重力方向の範囲内に位置するよう構成されることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1において、前記抗菌剤の充填時の厚さは30mm以上であることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1または請求項2において、前記抗菌剤の上面よりも重力方向における上方に前記回収水を導入する導入口が設けられ、前記抗菌剤の上面と前記導入口との間に、8メッシュ(開口径2mm)以上で、かつ抗菌剤の粒径よりも小さい開口幅を有するフィルタが設けられていることを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記燃料極から送出された燃料ガスオフガス中の水蒸気を回収する第1凝縮器、前記酸化剤極から送出された酸化剤ガスオフガス中の水蒸気を回収する第2凝縮器のうち少なくとも一方の凝縮器が設けられ、前記回収水は前記凝縮器で回収された水であることを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、さらに前記燃料極から送出された燃料ガスオフガスを燃焼するオフガス燃焼器と、前記オフガス燃焼器から送出された燃焼排ガス中の水蒸気を回収する第3凝縮器が設けられ、前記回収水は前記第3凝縮器で回収された水であることを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項において、さらに前記燃料ガスを改質用燃料から生成する改質器が設けられ、前記燃料極に供給される前の前記燃料ガス中の水蒸気を回収する第4凝縮器が設けられ、前記回収水は前記第4凝縮器で回収された水であることを特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項において、さらに前記燃料ガスを改質用燃料から生成する改質器と、前記改質器を加熱するために燃焼用燃料を燃焼する改質器用燃焼器と、前記改質器用燃焼器から送出された燃焼排ガス中の水蒸気を回収する第5凝縮器が設けられ、前記回収水は前記第5凝縮器で回収された水であることを特徴とする燃料電池システム。
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