JP2011210399A - 燃料電池システム - Google Patents

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理生 山木
Yoshihiko Koyama
義彦 小山
Yukitsugu Masumoto
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Abstract

【課題】 水回収手段における雑菌の発生を抑制し、水回収手段からの水が流れる配管での詰まりを防止することができる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】 燃料ガスを改質する改質ユニット2と、改質燃料ガス及び酸化剤の酸化及び還元によって発電を行う燃料電池4と、改質ユニット2(及び/又は燃料電池4)にて発生する水蒸気を凝縮する凝縮器80(84,88,92)と、この凝縮器での凝縮水を回収する水回収手段60とを備え、水回収手段60の水が改質ユニット2の水蒸気改質に用いられる燃料電池システム。水回収手段60は、第1及び第2タンク部を有する水回収タンク62と、水を清浄化する清浄化手段74と、抗菌部材とを備え、凝縮器80からの凝縮水は水回収タンク62の第1タンク部に回収され、清浄化手段74を流れた回収水は第2タンク部に送給され、抗菌部材は第1タンク部の回収水に浸漬される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、改質ユニット及び/又は燃料電池にて発生する水蒸気を凝縮して回収し、回収した水を改質ユニットでの水蒸気改質に利用する燃料電池システムに関する。
燃料電池システムの一例として、燃料ガスを水蒸気改質するための改質ユニットと、この改質ユニットにて改質された改質燃料ガス及び酸化剤(例えば、空気中の酸素)の酸化及び還元によって発電を行う燃料電池と、改質ユニット及び燃料電池にて発生した水蒸気を凝縮するための凝縮器と、凝縮器にて凝縮された水を回収する水回収手段と、を備え、水回収手段にて回収された水を改質ユニットにおける水蒸気改質に用いる燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この燃料電池システムにおいては、改質ユニットにて発生した水蒸気は改質ユニット用凝縮器にて凝縮され、燃料電池にて発生した水蒸気は燃料電池用凝縮器にて凝縮され、これら凝縮された水(凝縮水)が水回収手段に回収される。水回収手段は純水器から構成され、この純水器は略U字状又は円筒状などの純水ハウジングを備え、その片側に流入部が設けられ、その他側に流出部が設けられ、純水ハウジング内にイオン交換樹脂が配設されている。改質ユニット用凝縮器及び燃料電池用凝縮器からの水(凝縮水)は流入部から純水ハウジング内に流入し、流入した水はイオン交換樹脂によってイオン交換され、イオン交換された水(純水)が流出部から改質ユニットに送給され、このように送給された水が改質ユニットにおいて水蒸気改質に用いられる。
特開2005−243251号公報
このような水回収手段では、純水ハウジング内における水の流れが遅くて滞留し、このことに起因して、雑菌が発生し易くなる。そして、純水ハウジング内に雑菌が発生すると、水質が悪くなるとともに、配管の詰まりなどの原因となり、発電を継続することができなくなるおそれがある。
このようなことから、従来においても、純水ハウジング内のイオン交換樹脂に抗菌剤を混入させて雑菌の発生を抑制している。しかし、このような構成では、イオン交換樹脂を通して流れる水に対しては抗菌剤による抗菌作用が働くが、イオン交換樹脂の上流側においては抗菌作用がほとんど働かない。特に、凝縮器から回収された水(凝縮水)は、純水ハウジング内の上流溜め部(イオン交換樹脂の配設部位の上流側)に溜まり、この上流溜め部に溜まった水の一部がイオン交換樹脂を通して下流側に流れるようになり、それ故に、この上流溜め部での雑菌が発生し易いにもかかわらず、抗菌剤の抗菌作用があまり働かないという問題がある。
本発明の目的は、水回収手段における雑菌の発生を抑制し、雑菌に起因する配管での詰まりを防止することができる燃料電池システムを提供することである。
本発明の請求項1に記載の燃料電池システムは、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、前記燃料ガス供給手段からの燃料ガスを水蒸気改質するための改質ユニットと、前記改質ユニットにて改質された改質燃料ガス及び酸化剤の酸化及び還元によって発電を行う燃料電池と、前記改質ユニット及び/又は前記燃料電池にて発生する水蒸気を凝縮するための凝縮器と、前記凝縮器にて凝縮された水を回収するための水回収手段と、を備え、前記水回収手段に回収された水が前記改質ユニットにおける水蒸気改質に利用される燃料電池システムであって、
前記水回収手段は、水を回収して貯える水回収タンクと、前記水回収タンクに回収された水を清浄化するための清浄化手段と、菌の発生を抑制するための抗菌部材とを備え、前記水回収タンクは、相互に仕切られた第1及び第2タンク部を備え、前記凝縮器からの水は前記第1タンク部に回収され、前記第1タンク部内の水が前記清浄化手段に送給されて清浄化され、前記清浄化手段にて清浄化された水が前記第2タンク部に送給され、前記第2タンク部からの水が前記改質ユニットに送給され、前記抗菌部材は前記第1タンク部の水に浸漬されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の燃料電池システムでは、前記燃料電池を冷却するための冷却水循環手段が設けられ、前記冷却水循環手段は、前記燃料電池を通して冷却水を循環する冷却水循環流路を備え、前記冷却水循環流路の一端側が前記水回収タンクの前記第2タンク部に連通され、その他端側が前記水回収タンクの前記第1タンク部に連通され、前記第2タンク部の水が前記冷却水循環流路及び前記燃料電池を通して前記第1タンク部に戻されることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の燃料電池システムでは、前記抗菌部材は、ステンレス鋼製の網状部材から構成され、前記網状部材に抗菌性のニッケル系メッキ処理が施されていることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の燃料電池システムによれば、水を回収するための水回収手段は、相互に仕切られた第1及び第2タンク部を有する水回収タンクを備え、凝縮器からの水(凝縮水)は第1タンク部に回収され、第1タンク部内の水が清浄化手段を通して清浄化された後第2タンク部に戻され、第2タンク部内の水が水蒸気改質用の水として改質ユニットに送給され、抗菌部材は第1タンク部内の水(回収水)に浸漬されているので、抗菌部材による抗菌作用は第1タンク部内の水に働き、水が滞留し易い第1タンク部における雑菌の発生を抑制することができる。特に、凝縮器から回収された水が流入する第1タンク部における雑菌の発生を抑制するので、その下流側においては雑菌の少ない状態が保たれ、これにより、第1タンク部に抗菌部材を浸漬するという比較的簡単な構成でもって、水回収手段全体における雑菌の繁殖を効果的に抑えることができる。
また、本発明の請求項2に記載の燃料電池システムによれば、燃料電池を冷却するための冷却水循環手段が設けられ、この冷却水循環手段の冷却水循環流路の一端側が水回収タンクの第2タンク部に連通され、その他端側が水回収タンクの第1タンク部に連通されているので、冷却水循環流路を流れる冷却水も水回収手段の第1タンク部において抗菌部材の抗菌作用を受け、この冷却水における雑菌の発生を抑制することができ、これによって、冷却水循環流路における雑菌による詰まりを防止することができる。
また、本発明の請求項3に記載の燃料電池システムによれば、抗菌部材は、ステンレス鋼製の網状部材から構成され、網状部材に抗菌性のニッケル系メッキ処理が施されているので、雑菌に対する所望の抗菌作用を得ることができるとともに、網状部材の網目を小さくすることによって、この抗菌部材にフィルタ機能を持たせることができる。加えて、網状部材とすることによって、その取扱い、設置などが容易となり、また使用枚数や形状を適宜設定することにより、抗菌作用の働きの度合いを調整することができる。
本発明に従う燃料電池システムの一実施形態を示す簡略図。 図1の燃料電池システムにおける水回収手段を示す簡略図。 図1の燃料電池システムにおける抗菌部材を示す斜視図。 水回収手段の他の実施形態を示す簡略図。
以下、添付図面を参照して、燃料電池システムの一実施形態について説明する。図1は、燃料電池システムの一実施形態を示す簡略図であり、図2は、この燃料電池システムにおける水回収手段を示す簡略図であり、図3は、図2の水回収手段における抗菌部材を示す斜視図である。
図1において、図示の燃料電池システムは、燃料ガスを改質する改質ユニット2と、発電を行う燃料電池4と、燃料電池4の排熱を温水として回収する貯湯ユニット6とを備えている。尚、この実施形態では、貯湯ユニット6を備えたものに適用して説明しているが、貯湯ユニット6を省略した燃料電池システムにも同様に適用することができる。
図示の改質ユニット2は、燃料ガス中に含まれる硫黄成分を除去する脱硫器8と、燃料ガスを後述するように水蒸気改質する改質器10と、改質燃料ガス中の一酸化炭素を触媒により水素と二酸化炭素とに変成する一酸化炭素変成器12と、改質燃料ガス中の一酸化炭素と浄化用空気とを触媒により反応させて二酸化炭素を生成する一酸化炭素除去器14とを備えている。脱硫器8は、燃料供給流路16を介して燃料供給源(図示せず)(例えば、ガスタンク、埋設管など)に接続され、この燃料供給流路16には燃料昇圧ポンプ18が配設されている。従って、燃焼昇圧ポンプ18の作用によって、燃料供給源からの燃料ガス(例えば、LPガス、都市ガスなど)が燃料供給流路16を通して改質ユニット2(脱硫器8)に供給される。
この改質ユニット2においては、脱硫器8、改質器10、一酸化炭素変成器12及び一酸化炭素除去器14がこの順に配設され、これらが改質流路20を介して接続され、燃料供給流路16を通して供給された燃料ガスが改質ユニット2の改質流路20を通して流れ、燃料ガスは、この改質流路20を流れる間に、脱硫器8において燃料ガス中に含まれた硫黄成分が除去され、改質器10において水蒸気改質され、一酸化炭素変成器12において改質された燃料ガスが変成され、更に一酸化炭素除去器14において変成された燃料ガス中の一酸化炭素が除去され、このように改質された改質燃料ガスが燃料電池4に送給される。
図示の燃料電池4は、例えば固体分子形燃料電池から構成され、改質燃料ガスが送給される燃料極22と、酸化剤としての空気が送給される空気極24と、燃料極22及び空気極24の間に介在された電解質膜(図示せず)とを備えている。この燃料電池4の燃料極22側は、改質燃料ガス送給流路26を介して改質ユニット2(具体的には、一酸化炭素除去器14)に接続され、その空気極24側は、空気供給流路28に接続され、この空気供給流路28には空気供給ブロア30が配設されている。
このように構成されているので、改質ユニット2からの改質燃料ガスが改質燃料ガス送給流路26を通して燃料電池4に送給され、また空気供給ブロア30の作用によって、大気中の空気が空気供給流路28を通して燃料電池4の空気極24側に供給され、燃料電池4の電解質膜を通しての電子の移動によって、燃料極22側における酸化及び空気極24側の還元によって発電が行われる。
この実施形態では、燃料電池4は、更に、燃料電池4を冷却するための冷却器32を備えており、この冷却器32の排熱が、後述するように、貯湯ユニット6に温水として貯湯される。
燃料電池4の燃料極22側からの反応燃料ガス(燃料極22で使用されなかった水素ガスを含む)は、反応ガス送給流路34を通して改質ユニット2に送給され、その空気極24側からの排気ガスは、第1排気流路33を通して大気に排出される。改質ユニット2には、改質器10に関連してバーナ36が配設されており、このバーナ36に燃焼用空気を供給するための燃料空気流路38が接続され、燃焼空気流路38にはバーナ用空気ブロア40が配設されている。また、燃料供給流路16には燃焼ガス送給流路42が接続され、この燃焼ガス送給流路42は反応ガス送給流路34に接続されている。
このように構成されているので、燃料電池4からの反応燃料ガスは反応ガス送給流路34を通してバーナ36に送給され、この送給の際に燃料供給流路16からの燃料ガスの一部が燃焼ガス送給流路42を通して反応燃料ガスに混合され、混合された反応燃料ガスがバーナ36に送給される。また、バーナ用空気ブロア40の作用によって、大気中の空気が燃焼空気流路38を通してバーナ36に供給され、燃焼空気を用いて混合反応ガスがバーナ36で燃焼され、バーナ36の燃焼熱を利用して改質器10が加熱され、改質器10にて燃料ガスの水蒸気改質が行われる。尚、バーナ36からの排気ガスは、第2排気流路44を通して大気に排出される。
次に、貯湯ユニット6について説明すると、図示の貯湯ユニット6は、排熱を温水として貯えるための貯湯タンク46を備え、この貯湯タンク46内の水を循環するためのタンク水循環流路48が設けられ、このタンク水循環流路48に循環ポンプ50が配設されている。
また、燃料電池4の冷却器32には冷却水循環手段52が設けられ、この冷却水循環手段52は、冷却器32を通して冷却水を循環する冷却水循環流路54を備え、この冷却水循環流路54に冷却水ポンプ56が配設されている。また、この冷却水循環流路54に関連して熱交換器58が配設され、この熱交換器58は、冷却水循環流路54を流れる冷却水とタンク水循環流路48を流れる水との間で熱交換を行う。
このように構成されているので、冷却水ポンプ56の作用によって、冷却水が冷却水循環流路54を通して循環され、また循環ポンプ50の作用によって、貯湯タンク46内の水がタンク水循環流路48を通して循環される。そして、熱交換器58において熱交換が行われ、熱交換器58にて加温された温水が貯湯タンク46に貯湯され、このようにして燃料電池4の排熱が温水として回収される。
この燃料電池システムでは、改質ユニット2及び燃料電池4にて発生した水蒸気を回収するための水回収手段60が設けられている。図1とともに図2を参照して、この形態の水回収手段60は、水を回収して貯える水回収タンク62を備え、このタンク62は、仕切り部材64によって相互に仕切られた第1タンク部66及び第2タンク部68を備えている。この水回収タンク62に関連して、第1タンク部66内の水(回収水)を第2タンク部68に送給するための回収水送給流路70が設けられ、この回収水送給流路70に回収水用送給ポンプ72及び清浄化手段74が設けられている。送給ポンプ72は、第1タンク部66内の水を回収水送給流路70及び清浄化手段74を通して第2タンク部68に送給し、清浄化手段74は、回収水送給流路70を流れる水(回収水)を清浄化し、清浄化された水が第2タンク部68に貯められる。
この形態では、清浄化手段74が、イオン交換装置76から構成され、このイオン交換装置76内にはイオン交換樹脂(図時せず)が充填されており、イオン交換樹脂によるイオン交換によって回収水が純水となり、この純水が第2タンク部68に貯められる。
この実施形態では、改質ユニット2及び燃料電池4にて発生した水蒸気が水回収手段60に回収されるように、更に、次のように構成されている。改質ユニット2に関連して、第2排気流路44に第1凝縮器80が配設されている。第1凝縮器80は、バーナ36からの排気ガスに含まれる水蒸気を凝縮し、この凝縮水が第1凝縮水回収流路82を通して水回収手段60(具体的には、水回収タンク62の第1タンク部66)に回収される。また、改質流路20(具体的には、一酸化炭素変成器12と一酸化炭素除去器14との間の部位)には第2凝縮器84が配設されている。第2凝縮器84は、一酸化炭素変成器12から一酸化炭素除去器14に送給される改質燃料ガスに含まれている水蒸気を凝縮し、この凝縮水は第2凝縮水回収流路86を通して水回収手段60(第1タンク部66)に回収される。
また、燃料電池4に関連して、反応ガス送給流路34には第3凝縮器88が配設され、第3凝縮器88は、燃料電池4の燃料極22側からバーナ36に送給される反応燃料ガスに含まれた水蒸気を凝縮し、この凝縮水は第3凝縮水回収流路90を通して水回収手段60(第1タンク部66)に回収される。また、第1排気流路33に第4凝縮器92が配設され、第4凝縮器92は、燃料電池4の空気極24側から排出される排気ガスに含まれた水蒸気を凝縮し、この凝縮水は第4凝縮水回収流路94を通して水回収手段60(第1タンク部66)に回収される。
この実施形態では、改質ユニット2に関連して第1及び第2凝縮器80,84が配設
され、また燃料電池4に関連して第3及び第4凝縮器88,92が配設されているが、これら全ての凝縮器を配設する必要はなく、これら4つのうちの任意の一つ以上を配設して改質ユニット2及び/又は燃料電池4にて発生する水蒸気を凝縮水として回収するようにしてもよい。
この実施形態では、冷却水循環流路54を流れる冷却水が水回収手段60を通して流れるように構成され、このことに関連して、冷却水循環流路54の上流側部(即ち、燃料電池4の冷却器32から水回収手段60に向けて冷却水が流れる部分)が水回収手段60の第1タンク部66に接続され、冷却水循環流路54の下流側部(即ち、水回収手段60から燃料電池4の冷却器32に向けて冷却水が流れる部分)が水回収手段60の第2タンク部68に接続されている。また、水を補給するための水補給流路95が設けられ、水補給流路95が水回収タンク62の第1タンク部66に接続され、例えば水道水が水補給流路95を通して第1タンク部66に補給される。
更に、水回収手段60に回収された水(回収水)を改質器10に送給するための改質水用水送給流路96が設けられ、この改質用水送給流路96の一端側が水回収タンク62の第2タンク部68に接続され、その他端側が改質流路20(具体的には、脱硫器8と改質器10との間の部位)に接続され、この改質用水送給流路96に改質用水送給ポンプ98が配設されている。このように構成されているので、送給ポンプ98の作用によって第2タンク部68内の水(回収水)が改質水用水送給流路96及び改質流路20の一部を通して改質器10に送給され、この改質器10において燃料ガスの水蒸気改質に利用される。尚、この改質用水送給流路96の他端側を改質器10に直接的に接続するようにしてもよい。
この燃料電池システムにおいては、水回収手段60にて回収した水(回収水)に雑菌が繁殖しないように、水回収タンク62に抗菌部材100が配設される。この抗菌部材100は、図2に示すように、水回収タンク62の第1タンク部66に配設することが重要で、第1タンク部62内に回収された水(回収水)に浸漬するように設けられる。
第1タンク部62に回収された水は、第1〜第4凝縮器80,84,88,92からの凝縮水であり、また燃料電池4の冷却器32を通して循環される冷却水であり、これらの水が滞留状態にあると雑菌が発生し易くなるが、このように抗菌部材100を浸漬することによって、雑菌の繁殖が抑制され、第1タンク部66内での雑菌の発生を抑えることができる。
一方、第1タンク部66内の回収水は、イオン交換装置76にてイオン交換されて純水となり、かかる純水が回収水送給流路70を通して第2タンク部68に送給されるので、第2タンク部68内の水はきれいな状態に保たれ、この第2タンク部68内での雑菌の発生はほとんどなく、この第2タンク部68内に抗菌部材100を配設する必要はない。
抗菌部材100としては、図3に示すように、例えばステンレス鋼製の網状部材102から構成することができ、この網状部材102の表面に抗菌性のニッケル系メッキ処理を施すことによって、所望の抗菌作用を持たせることができる。尚、このニッケル系メッキ処理としては、株式会社神戸製鋼所が開発したメッキ処理(商標名:ケニファイン)を好都合に用いることができる。
抗菌処理を施した網状部材102は、例えば、図2に示すように、水回収タンク62の第1タンク部66の底面に山状となるように配設することができ、このように配設することによって、網状部材102による抗菌効果を高めることができる。尚、抗菌部材100としては網状部材102から構成する必要はなく、プレート状、棒状、粒状などの適宜の形態のものを用いることができる。
このような抗菌部材100を備えた水回収手段60においては、第1〜第4凝縮器80,84,88,92からの凝縮水は、第1〜第4凝縮水回収流路82,86,90,94を通して水回収タンク62の第1タンク部66に回収され、また燃料電池4の冷却器32からの冷却水は、冷却水循環流路54を通してこの第1タンク部66に戻され、これら凝縮水及び冷却水は、この第1タンク部66内に貯められる。
この第1タンク部66内には抗菌部材100が浸漬されており、それ故に、回収された凝縮水及び冷却水(回収水)には、抗菌部材100による抗菌作用が働き、この抗菌作用によって、第1タンク部66内の回収水における雑菌の発生が抑制され、回収水をきれいな状態に保つことができる。
この第1タンク部66内の水(回収水)は回収水送給流路70及びイオン交換装置76を通して送給され、イオン交換装置76においてイオン交換されたきれいな水(純水)が第2タンク部68に送給されて貯まり、第2タンク部68での雑菌の発生も抑制される。このとき、第1タンク部66からイオン交換装置76にきれいな水(回収水)が送給されるので、回収水送給流路70での詰まりなどの発生を防止することができる。
そして、この第2タンク部68内に貯まった水(回収水)は、改質水用水送給流路96を通して改質器10に送給されて水蒸気改質に利用され、このきれいな水が送給されることから、改質用水送給流路96での詰まりなどの発生を防止することができる。また、第2タンク部68内の水は、冷却水循環流路54を通して燃料電池4の冷却器32に送給され、このきれいな水が冷却水として用いることから、冷却水循環流路54及び冷却器32での詰まりなどの発生を防止することができる。
燃料電池システムにおける水回収手段は、図4に示すように構成することもできる。この他の実施形態では、抗菌部材の配置構造及び回収水送給流路に修正が加えられている。尚、図4において、図1〜図3の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図4において、この形態の水回収手段60Aでは、抗菌部材100を構成する網状部材102が、水回収タンク62の第1タンク部66内に上下方向に間隔をおいて配設され、これら網状部材102が第1タンク部66内の水(回収水)に浸漬されるように構成されている。このように複数枚の網状部材102を配設しても、上述した実施形態と同様に、抗菌部材100の抗菌作用を高めることができる。
また、この実施形態では、回収水送給流路70に関連して熱交換器110が配設されている。この熱交換器110には燃料電池4から第1排気流路33を通して排出される排気ガスとの間で熱交換がおこなわれるように構成されている。このように構成されているので、熱交換器110にて回収水送給流路70を流れる回収水(イオン交換装置76にてイオン交換された後の回収水)と第1排気流路33を流れる排気ガスとの間で熱交換され、この熱交換によって回収水が加熱され、加熱された後の回収水が水回収タンク62の第2タンク部68に送給される。従って、熱交換器110における熱交換によって、回収水中の雑菌が死滅され、これによって、第2タンク部68に送給される回収水中の雑菌を極めて少ない状態にすることができ、第2タンク部68での雑菌の発生を著しく抑えることができる。
この水回収手段60Aのその他の構成は、上述した実施形態と実質上同一であり、このような水回収手段60Aを採用しても上述したと同様の作用効果を達成することができる。
尚、この実施形態では、熱交換器110における熱交換を、第1排気流路33を流れる排気ガスと回収水送給流路70を流れる回収水との間で行っているが、このような構成に代えて、バーナ36から第2排気流路44を流れる排気ガスと回収水送給流路70を流れる回収水との間で行うようにしてもよく、或いは反応ガス送給流路34を流れる反応燃料ガス(又は冷却水循環流路54を流れる冷却水)と回収水送給流路70を流れる回収水との間で熱交換を行うようにしてもよい。
以上、本発明に従う燃料電池システムの一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
例えば、上述した実施形態では、燃料電池として固体分子形燃料電池に適用して説明したが、このようなタイプの燃料電池に限定されず、リン酸形燃料電池などの各種燃料電池に適用することが可能である。
また、例えば、上述した実施形態では、改質ユニット2及び燃料電池4の双方にて発生した水蒸気を水回収手段60にて回収しているが、このような構成に限定されず、改質ユニット2及び燃料電池4のいずれか一方のみに発生した水蒸気を回収するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、燃料電池4の冷却器32を冷却するための冷却水も水回収手段60に回収してこの水回収手段60を通して循環しているが、この冷却水については、水回収手段60を通して循環するようにしなくてもよい。
2 改質ユニット
4 燃料電池
6 貯湯ユニット
8 脱硫器
10 改質器
12 一酸化炭素変成器
14 一酸化炭素除去器
22 燃料極
24 空気極
26 冷却器
46 貯湯ユニット
60,60A 水回収手段
62 水回収タンク
66 第1タンク部
68 第2タンク部
74 清浄化手段
96 改質用水送給流路
100 抗菌部材








Claims (3)

  1. 燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、前記燃料ガス供給手段からの燃料ガスを水蒸気改質するための改質ユニットと、前記改質ユニットにて改質された改質燃料ガス及び酸化剤の酸化及び還元によって発電を行う燃料電池と、前記改質ユニット及び/又は前記燃料電池にて発生する水蒸気を凝縮するための凝縮器と、前記凝縮器にて凝縮された水を回収するための水回収手段と、を備え、前記水回収手段に回収された水が前記改質ユニットにおける水蒸気改質に利用される燃料電池システムであって、
    前記水回収手段は、水を回収して貯える水回収タンクと、前記水回収タンクに回収された水を清浄化するための清浄化手段と、菌の発生を抑制するための抗菌部材とを備え、前記水回収タンクは、相互に仕切られた第1及び第2タンク部を備え、前記凝縮器からの水は前記第1タンク部に回収され、前記第1タンク部内の水が前記清浄化手段に送給されて清浄化され、前記清浄化手段にて清浄化された水が前記第2タンク部に送給され、前記第2タンク部からの水が前記改質ユニットに送給され、前記抗菌部材は前記第1タンク部の水に浸漬されていることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池を冷却するための冷却水循環手段が設けられ、前記冷却水循環手段は、前記燃料電池を通して冷却水を循環する冷却水循環流路を備え、前記冷却水循環流路の一端側が前記水回収タンクの前記第2タンク部に連通され、その他端側が前記水回収タンクの前記第1タンク部に連通され、前記第2タンク部の水が前記冷却水循環流路及び前記燃料電池を通して前記第1タンク部に戻されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記抗菌部材は、ステンレス鋼製の網状部材から構成され、前記網状部材に抗菌性のニッケル系メッキ処理が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。

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