JP5382229B1 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5382229B1
JP5382229B1 JP2012530016A JP2012530016A JP5382229B1 JP 5382229 B1 JP5382229 B1 JP 5382229B1 JP 2012530016 A JP2012530016 A JP 2012530016A JP 2012530016 A JP2012530016 A JP 2012530016A JP 5382229 B1 JP5382229 B1 JP 5382229B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lateral acceleration
delayed
steering
lalim
delayed lateral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012530016A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2013084348A1 (ja
Inventor
健一郎 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP5382229B1 publication Critical patent/JP5382229B1/ja
Publication of JPWO2013084348A1 publication Critical patent/JPWO2013084348A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • B62D5/0457Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such
    • B62D5/0481Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such monitoring the steering system, e.g. failures
    • B62D5/0484Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such monitoring the steering system, e.g. failures for reaction to failures, e.g. limp home
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • B62D5/0457Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such
    • B62D5/046Controlling the motor
    • B62D5/0463Controlling the motor calculating assisting torque from the motor based on driver input
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits
    • B62D6/001Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits the torque NOT being among the input parameters

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

操舵トルクセンサが故障した場合に、時間遅れ設定部90が、横加速度LAに時間遅れを持たせた値である遅れ横加速度LAlimを計算する。横加速度上限制限部82は、横加速度LAを遅れ横加速度LAlimで上限制限した制限横加速度LA2を計算する。アシストトルク計算部83は、制限横加速度LA2に基づいて、制限横加速度LA2が大きくなるにしたがって大きくなる目標アシストトルクTa2を計算する。これにより、横加速度LAの検出に対して操舵アシストを適切に遅らせることができ、操舵ハンドル11の切り過ぎによる車両のスリップを抑制する。

Description

本発明は、運転者の操舵操作に基づいてモータを駆動して操舵アシストトルクを発生する電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、電動パワーステアリング装置は、ドライバーが操舵ハンドルに付与した操舵トルクをトルクセンサにより検出し、検出した操舵トルクに基づいて目標アシストトルクを計算する。そして、目標アシストトルクが得られるようにモータに流す電流を制御することにより、ドライバーの操舵操作をアシストする。こうしたモータの通電制御をアシスト制御と呼ぶ。
トルクセンサが故障した場合には、目標アシストトルクの計算ができなくなり、アシスト制御を行うことができない。これに対してトルクセンサの故障時においても操舵アシストを行う電動パワーステアリング装置が特許文献1において提案されている。この特許文献1に提案された電動パワーステアリング装置は、トルクセンサの故障が検出された場合、横加速度を計測し、この横加速度に基づいてモータの通電を制御する。この電動パワーステアリング装置においては、横加速度とモータ駆動電流との関係を設定したマップを備え、このマップを参照して横加速度に応じて設定される駆動電流をモータに通電する。この場合、駆動電流は、横加速度に比例して増加するように設定されている。
特開2006−248250号公報
しかしながら、上記のように、単に横加速度に比例した駆動電流を設定した場合には、横加速度が検出された時からすぐに操舵アシストが開始されるため、特に、路面の摩擦係数が低い道路を走行中に速いハンドル操作をした場合には、操舵ハンドルを切り過ぎて車両が横滑り(スリップ)するおそれがある。これは、操舵ハンドルを切り過ぎると横加速度が更に増加し、結果として、アシストトルクが増加して過剰となり、操舵ハンドルの切り過ぎを助長してしまうからである。
本発明の目的は、上記問題に対処するためになされたもので、横加速度に基づいてアシスト制御を行う場合において、アシストトルクをより適正にすることにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、ステアリング機構に設けられて操舵アシストトルクを発生するモータ(20)と、車両の横加速度(LA)を取得する横加速度取得手段(27)と、前記横加速度取得手段により取得した横加速度に時間遅れを持たせた値である遅れ横加速度(LAlim)を設定する遅れ横加速度設定手段(90)と、前記遅れ横加速度設定手段により設定された遅れ横加速度を上限値として使って、前記横加速度取得手段により取得された横加速度を上限制限した値である制限横加速度(LA2)を設定する制限横加速度設定手段(82)と、前記制限横加速度設定手段により設定された制限横加速度に基づいて目標操舵アシスト制御量(Ta2)を設定するアシスト制御量設定手段(83)と、前記目標操舵アシスト制御量に従って前記モータを駆動制御するモータ制御手段(60)とを備えたことにある。
本発明においては、横加速度取得手段が車両の横加速度(横加速度を表す情報)を取得すると、遅れ横加速度設定手段が横加速度に時間遅れを持たせた値である遅れ横加速度を設定する。この遅れ横加速度の値は、横加速度の推移(時間経過に伴う変化)に対して、この横加速度に追従するように遅れて生成されるもので、例えば、マイクロコンピュータの演算処理により設定される。
制限横加速度設定手段は、遅れ横加速度を上限値として使って、横加速度を上限制限した値である制限横加速度を設定する。つまり、横加速度を遅れ横加速度で上限制限した値である制限横加速度を設定する。例えば、制限横加速度設定手段は、横加速度と遅れ横加速度とを比較して、小さい方の値を制限横加速度として選択する。
遅れ横加速度は、横加速度に時間遅れを持たせた値であるため、横加速度の発生開始時においては、横加速度に比べて小さな値となっている。このため、横加速度を遅れ横加速度で上限制限した値である制限横加速度は、遅れ横加速度と同じ値となる。遅れ横加速度は、横加速度が増加しているあいだ横加速度に追従するように遅れて増加し、横加速度が増加から減少に転じると、その時点よりも遅れて減少に転じる。これにより、横加速度と遅れ横加速度との大小関係が途中で逆転し、制限横加速度は、遅れ横加速度から横加速度に切り替わる。
アシスト制御量設定手段は、制限横加速度に基づいて目標操舵アシスト制御量を設定する。この場合、例えば、制限横加速度が大きくなるにしたがって大きくなる目標操舵アシスト制御量を設定するとよい。モータ制御手段は、目標操舵アシスト制御量に従ってモータを駆動制御する。従って、横加速度の発生開始時においては、制限横加速度が小さな値となるため目標操舵アシスト制御量を小さくすることができる。
これにより、本発明によれば、横加速度の発生開始時においては、ハンドル操作が重くなり、速いハンドル操作を抑制することができる。このため、操舵ハンドルの切り過ぎによる車両のスリップ(横滑り)を抑制することができる。
本発明の他の特徴は、前記遅れ横加速度の上限(LAlim_max)と下限(LAlim_min)の少なくとも一方を設定する遅れ横加速度制限手段(94,95)を備えたことにある。
本発明においては、遅れ横加速度制限手段が遅れ横加速度の上限と下限の少なくとも一方を設定する。つまり、遅れ横加速度制限手段は、遅れ横加速度設定手段により設定された遅れ横加速度が上限値を超えないように、あるいは、下限値を下回らないように制限する。遅れ横加速度を上限制限した場合には、制限横加速度も遅れ横加速度の上限値を超えないようになるため、目標操舵アシスト制御量を上限制限することができる。従って、操舵アシストが過剰になることを防止することができる。
一方、遅れ横加速度を下限制限した場合には、遅れ横加速度が下限値よりも小さな値をとらないため、下限値を下回る小さな横加速度が発生している状況であれば、制限横加速度に横加速度を設定することができる。つまり、遅れ横加速度に下限を設けない場合には、横加速度の発生直後においては、必ず制限横加速度がゼロになるが、遅れ横加速度に下限を設けることで、横加速度の発生直後から制限横加速度をゼロより大きな値に設定することができる。これにより、横加速度に対して遅れることなく操舵アシストを開始することができる。この場合、大きな横加速度が発生している状況であれば、遅れ横加速度で制限横加速度を制限することにより操舵アシストを制限して車両のスリップを抑制することができる。従って、横加速度が車両スリップの発生しない程度に小さい場合には、操舵アシストを遅れないようにすることができる。この結果、車両のスリップの抑制と、操舵操作性能の向上との両立を図ることができる。
本発明の他の特徴は、前記遅れ横加速度制限手段(94,95)は、車速(vx)が大きい場合は小さい場合に比べて、前記遅れ横加速度の上限と下限の少なくとも一方を小さく設定することにある。
通常の車両の運転状態であれば、車速が大きい場合には、大きな横加速度を発生することは殆どない。そこで、本発明においては、車速が大きい場合は小さい場合に比べて、遅れ横加速度の上限と下限の少なくとも一方を小さく設定する。これにより、実使用上において車両のスリップを効果的に抑制することができる。
本発明の他の特徴は、前記横加速度に対する遅れ横加速度の時間遅れが、前記遅れ横加速度が増加する場合に比べて減少する場合のほうが大きくなるように、前記遅れ横加速度の時間遅れを設定する時間遅れ設定手段(923)を備えたことにある。
本発明においては、時間遅れ設定手段が、横加速度に対する遅れ横加速度の時間遅れが、遅れ横加速度が増加する場合に比べて減少する場合のほうが大きくなるように遅れ横加速度の時間遅れを設定する。従って、操舵ハンドルを左右交互に繰り返し操舵操作した場合には、2度目以降の操舵操作時に、遅れ横加速度が横加速度よりも大きな値となっている期間を確保することができ、操舵アシストの開始を遅れないようにすることができる。これにより、例えば、コーナーが連続した道路を軽いハンドル操作にて走行することができる。
本発明の他の特徴は、車両の横滑りの指標を表すスリップ指標を取得するスリップ指標取得手段(98)と、前記スリップ指標が閾値を超えたときに前記遅れ横加速度を減少させる遅れ横加速度低減手段(97,98)を備えたことにある。
本発明においては、スリップ指標取得手段が、車両の横滑りの指標を表すスリップ指標を取得し、遅れ横加速度低減手段が、スリップ指標が閾値を超えたときに遅れ横加速度を減少させる。万が一、車両がスリップした場合には、遅れ横加速度が減らされるため、これに伴って制限横加速度が減少して操舵アシストが減少する。従って、本発明によれば、万が一、車両がスリップした場合には、ハンドル操作を重くすることができ、これにより、車両のスリップの拡大、つまり、車両が更にスリップしてしまうことを防止することができる。
本発明の他の特徴は、前記遅れ横加速度の下限の設定する遅れ横加速度下限制限手段(954)と、前記スリップ指標が閾値を超えている場合には、前記遅れ横加速度の下限をゼロに変更する遅れ横加速度下限変更手段(S13)とを備えたことにある。
本発明においては、遅れ横加速度下限変更手段が、スリップ指標が閾値を超えている場合には、遅れ横加速度の下限をゼロに変更する。従って、遅れ横加速度低減手段は、遅れ横加速度をゼロにまで減少させることができる。このため、制限横加速度をゼロにして操舵アシストを停止させることができる。従って、本発明によれば、万が一、車両がスリップしても、確実に操舵アシストを停止させることができ、車両のスリップの拡大を防止することができる。
本発明の他の特徴は、操舵ハンドルからステアリングシャフトに入力された操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ(21)と、前記操舵トルクセンサの異常を検出する異常検出手段(72)とを備え、前記アシスト制御量設定手段(70)は、前記操舵トルクセンサの異常が検出されていない場合は、前記操舵トルクセンサにより検出された操舵トルクに基づいて目標操舵アシスト制御量を設定し(71)、前記操舵トルクセンサの異常が検出されている場合は、前記制限横加速度に基づいて目標操舵アシスト制御量を設定する(80)ことにある。
本発明によれば、操舵トルクセンサに異常が検出されていない場合には、操舵トルクセンサにより検出された操舵トルクに基づいて目標操舵アシスト制御量を設定し、操舵トルクセンサの異常が検出されている場合は、制限横加速度に基づいて目標操舵アシスト制御量を設定する。従って、操舵トルクセンサが故障しても、操舵ハンドルを切り過ぎないような適正な操舵アシストが得られる。
尚、上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成図である。 アシストECUの機能ブロック図である。 正常時アシストマップを表すグラフである。 異常時アシストトルク計算部の機能ブロック図である。 時間遅れ設定部の機能ブロック図である。 横加速度と遅れ横加速度と制限横加速度の推移を表すグラフである。 異常時アシストマップを表すグラフである。 第2実施形態にかかる時間遅れ設定部の機能ブロック図である。 第2実施形態にかかる遅れ横加速度上限マップと、遅れ横加速度下限マップとを表すグラフである。 第2実施形態にかかる積分計算部の機能ブロック図である。 第2実施形態にかかる横加速度と遅れ横加速度と制限横加速度の推移を表すグラフである。 第3実施形態にかかる遅れ調整ゲインの特性を表すグラフである。 第3実施形態にかかる横加速度と遅れ横加速度と制限横加速度の推移を表すグラフである。 第4実施形態にかかる時間遅れ設定部の機能ブロック図である。 第4実施形態にかかる低下量マップを表すグラフである。 第4実施形態にかかる遅れ横加速度下限設定ルーチンを表すフローチャートである。 第4実施形態にかかる横加速度と遅れ横加速度と制限横加速度の推移を表すグラフである。 第4実施形態の変形例にかかるゲイン乗算ルーチンを表すフローチャートである。 変形例1にかかる異常時アシストマップを表すグラフである。 変形例1にかかる他の異常時アシストマップを表すグラフである。 変形例2にかかるアシストトルク計算部の機能ブロック図である。 変形例2にかかる補償トルクマップを表すグラフである。 変形例2にかかる他の補償トルクマップを表すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置について図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る車両の電動パワーステアリング装置1の概略構成を表している。
この電動パワーステアリング装置1は、操舵ハンドル11の操舵操作により転舵輪を転舵するステアリング機構10と、ステアリング機構10に組み付けられ操舵アシストトルクを発生するモータ20と、操舵ハンドル11の操作状態に応じてモータ20の作動を制御する電子制御ユニット100とを主要部として備えている。以下、電子制御ユニット100をアシストECU100と呼ぶ。
ステアリング機構10は、操舵ハンドル11の回転操作により左右前輪FW1,FW2を転舵するための機構で、操舵ハンドル11を上端に一体回転するように接続したステアリングシャフト12を備える。このステアリングシャフト12の下端には、ピニオンギヤ13が一体回転するように接続されている。ピニオンギヤ13は、ラックバー14に形成されたギヤ部14aと噛み合って、ラックバー14とともにラックアンドピニオン機構を構成する。
ラックバー14は、ギヤ部14aがラックハウジング16内に収納され、その左右両端がラックハウジング16から露出してタイロッド17と連結される。このラックバー14のタイロッド17との連結部には、ストロークエンドを構成するストッパ18が形成され、このストッパ18とラックハウジング16の端部との当接によりラックバー14の左右動ストロークが機械的に規制されている。左右のタイロッド17の他端は、左右前輪FW1,FW22に設けられたナックル19に接続される。こうした構成により、左右前輪FW1,FW2は、ステアリングシャフト12の軸線回りの回転に伴うラックバー14の軸線方向の変位に応じて左右に操舵される。
ステアリングシャフト12には減速ギヤ25を介してモータ20が組み付けられている。モータ20は、その回転により減速ギヤ25を介してステアリングシャフト12をその軸中心に回転駆動して、操舵ハンドル11の回動操作に対してアシスト力を付与する。
ステアリングシャフト12には、操舵ハンドル11と減速ギヤ25との中間位置に操舵トルクセンサ21が組みつけられている。操舵トルクセンサ21は、例えば、ステアリングシャフト12の中間部に介装されたトーションバー(図示略)の捩れ角度をレゾルバ等により検出し、この捩れ角に基づいてステアリングシャフト12に働いた操舵トルクTrを検出する。操舵トルクTrは、正負の値により操舵ハンドル11の操作方向が識別される。例えば、操舵ハンドル11の右方向への操舵時における操舵トルクTrを正の値で、操舵ハンドル11の左方向への操舵時における操舵トルクTrを負の値で示す。尚、本実施形態においては、トーションバーの捩れ角度をレゾルバにより検出するが、MRセンサ等の他の回転角センサにより検出することもできる。
次に、アシストECU100について図2を用いて説明する。アシストECU100は、モータ20の目標制御量を演算し、演算された目標制御量に応じたスイッチ駆動信号を出力する電子制御回路50と、電子制御回路50から出力されたスイッチ駆動信号にしたがってモータ20に通電するモータ駆動回路40とを含んで構成される。
モータ20としては、種々のものを採用することができる。例えば、DCブラシレスモータを使用する場合には、モータ駆動回路40としては3相インバータを使用すればよく、ブラシ付モータを使用する場合には、モータ駆動回路40としてはHブリッジ回路を使用するとよい。本実施形態においては、DCブラシレスモータを使用するものとして説明する。
電子制御回路50は、CPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータと、各種の入出力インタフェースと、モータ駆動回路40にスイッチ駆動信号を供給するスイッチ駆動回路等を備えている。
電子制御回路50は、その機能に着目すると、目標アシストトルクTa*を計算する目標アシストトルク計算部70と、目標アシストトルクTa*に応じた電流がモータ20に流れるようにモータ通電量を計算してモータ通電量に応じたスイッチ駆動信号をモータ駆動回路40に出力するモータ制御部60とを備えている。各機能部における処理は、マイコンに記憶された制御プログラムを所定の周期で繰り返し実行することにより行われる。
目標アシストトルク計算部70は、正常時アシストトルク計算部71と、異常時アシストトルク計算部80と、異常検出部72と、制御切替部73とを備えている。正常時アシストトルク計算部71は、異常検出部72から出力される異常判定フラグFfailを入力し、異常判定フラグFfailが「0」である場合に、目標アシストトルクTa1を計算し、異常判定フラグFfailが「1」である場合には、その計算処理を停止する演算ブロックである。異常時アシストトルク計算部80は、異常検出部72から出力される異常判定フラグFfailを入力し、異常判定フラグFfailが「1」である場合に、目標アシストトルクTa2を計算し、異常判定フラグFfailが「0」である場合には、その計算処理を停止する演算ブロックである。
異常検出部72は、操舵トルクセンサ21の異常の有無を判定し、異常無しと判定している場合には、異常判定フラグFfailを「0」に設定し、異常有りと判定している場合には、異常判定フラグFfailを「1」に設定し、異常判定フラグFfailを正常時アシストトルク計算部71と異常時アシストトルク計算部80と制御切替部73とに出力する。
制御切替部73は、正常時アシストトルク計算部71により計算された目標アシストトルクTa1と異常時アシストトルク計算部80により計算された目標アシストトルクTa2とを入力して、異常判定フラグFfailが「0」の場合には、目標アシストトルクTa1を選択し、異常判定フラグFfailが「1」の場合には、目標アシストトルクTa2を選択する。そして、選択した目標アシストトルクTa1(またはTa2)を目標アシストトルクTa*に設定して、目標アシストトルクTa*をモータ制御部60に出力する。
目標アシストトルク計算部70の各機能部の詳細については後述する。
モータ制御部60は、電流フィードバック制御部61とPWM信号発生部62とを備えている。電流フィードバック制御部61は、制御切替部73から出力された目標アシストトルクTa*を入力し、目標アシストトルクTa*をモータ20のトルク定数で除算することにより、目標アシストトルクTa*を発生させるために必要な目標電流I*を計算する。そして、モータ駆動回路40に設けられた電流センサ41により検出されるモータ電流Im(実電流Imと呼ぶ)を読み込み、目標電流I*と実電流Imとの偏差を計算し、この偏差を使った比例積分制御により実電流Imが目標電流I*に追従するように目標電圧V*を計算する。そして、目標電圧V*に対応したPWM制御信号(スイッチ駆動信号)をモータ駆動回路(インバータ)40のスイッチング素子に出力する。これにより、モータ20が駆動され、目標アシストトルクTa*に追従したアシストトルクがステアリング機構10に付与される。
尚、本実施形態においては、DCブラシレスモータを使用しているため、電流フィードバック制御部61は、モータ20に設けたモータ回転角センサ22により検出されるモータ回転角θmを入力し、このモータ回転角θmを電気角に変換して、電気角に基づいて目標電流の位相を制御する。
次に、目標アシストトルク計算部70の各機能部について詳細説明する。正常時アシストトルク計算部71は、車速センサ26により検出される車速vxと、操舵トルクセンサ21により検出される操舵トルクTrとを入力して、図3に示す正常時アシストマップを参照して目標アシストトルクTa1を計算する。正常時アシストマップは、正常時アシストトルク計算部71に記憶されており、代表的な複数の車速vxごとに、操舵トルクTrと目標アシストトルクTa1との関係を設定した関係付けデータであり、操舵トルクTrの大きさ(絶対値)が大きくなるほど大きくなり、かつ、車速vxが大きくなるほど小さくなる目標アシストトルクTa1を設定する特性を有する。
尚、目標アシストトルクTa1の計算にあたっては、各種の補償トルクを目標アシストトルクTa1に付加するようにしてもよい。例えば、ステアリング機構10における摩擦力分を補償する摩擦補償トルクを付加しても良い。また、摩擦分に加えて粘性分を補償する摩擦粘性補償トルクを付加するようにしてもよい。尚、補償トルクの特性については、後述する変形例2にて用いた補償トルクTa22と同様の特性(図22,23)でよい。
正常時アシストトルク計算部71は、異常検出部72から出力される異常判定フラグFfailが「0」である場合に、こうした計算処理を実行し、計算結果である目標アシストトルクTa1を制御切替部73に出力する。
異常検出部72は、操舵トルクセンサ21の異常の有無を判定する。操舵トルクセンサ21は、ステアリングシャフト12の途中に設けられたトーションバーの捩れ角度を検出することにより操舵トルクを計算できるようにしたもので、トーションバーの一端の回転角度と他端の回転角度との角度差から捩れ角度を検出する。操舵トルクセンサ21は、回転角度を検出するためにレゾルバやMRセンサ等の回転角センサを備え、操舵トルクTrに対応する捩れ角度の計算値に加えて、回転角センサの検出信号もアシストECU100に出力する。尚、回転角センサの検出信号のみをアシストECU100に出力し、アシストECU100で操舵トルクを計算するようにしてもよい。
操舵トルクセンサ21に設けられた回転角センサは、回転角に応じた電圧信号を出力する。従って、出力信号の電圧値が適正範囲から外れている場合には、回転角センサに断線や短絡が発生したと考えられる。また、例えば、レゾルバのように出力電圧が正弦波状に周期的に変化する回転角センサを使用している場合には、出力電圧が一定値に固定されている場合等においても、断線や短絡が発生したと考えられる。
異常検出部72は、回転角センサの出力電圧に基づいて、上記のように操舵トルクセンサ21の異常を検出する(異常の有無を判定する)。そして、操舵トルクセンサ21の異常判定結果にしたがって、異常判定フラグFfailを「1」(異常あり)または「0」(異常なし)に設定する。
次に、異常時アシストトルク計算部80について説明する。上述した正常時アシストトルク計算部71は、操舵トルクTrに基づいて目標アシストトルクTa1を計算するが、操舵トルクセンサ21が故障した場合には、目標アシストトルクTa1を計算することができない。そこで、異常時アシストトルク計算部80は、操舵トルクセンサ21の異常が検出された場合に、正常時アシストトルク計算部71に代わって、目標アシストトルクTa2を計算する。
異常時アシストトルク計算部80は、車両の横加速度、つまり、車両の車幅方向の加速度を検出する横加速度センサ27の検出信号を入力し、横加速度センサ27により検出された横加速度LAに基づいて、目標アシストトルクTa2を計算する。横加速度LAは、その絶対値により横加速度の大きさを表し、その符号(+,−)により方向を表す。例えば、右方向の横加速度を正の値で、左方向の横加速度を負の値で表す。
異常時アシストトルク計算部80は、図4に示すように、方向分離部81と、時間遅れ設定部90と、横加速度上限制限部82と、アシストトルク計算部83とを備えている。方向分離部81は、横加速度センサ27から出力された横加速度LAを、その絶対値|LA|と、その方向Sとを表す情報に分離し、絶対値|LA|を時間遅れ設定部90と横加速度上限制限部82とに出力し、方向Sをアシストトルク計算部83に出力する。以下、時間遅れ設定部90と横加速度上限制限部82とに関しては、横加速度LAの方向を区別する必要はないため、説明を簡単にするために、横加速度|LA|を横加速度LAと呼ぶ。
時間遅れ設定部90は、図5に示すように、偏差計算部91と、遅れ調整ゲイン乗算部92と、積分計算部93とを備えている。時間遅れ設定部90は、横加速度LA(=|LA|)を入力して、図6に示すように、その横加速度LAに対して時間遅れを持たせた値LAlimを計算により設定するブロックである。以下、値LAlimを遅れ横加速度LAlimと呼ぶ。
図5に示すように、偏差計算部91は、横加速度LAと、時間遅れ設定部90の出力である遅れ横加速度LAlimとを入力し、横加速度LAから遅れ横加速度LAlimを減算し、その計算結果である偏差Δ(=LA−LAlim)を遅れ調整ゲイン乗算部92に出力する。遅れ調整ゲイン乗算部92は、遅れ調整ゲインKを記憶しており、偏差Δに遅れ調整ゲインK(>0)を乗算して、その計算結果(K・Δ)を積分計算部93に出力する。以下、遅れ調整ゲイン乗算部92の計算結果(K・Δ)をゲイン乗算値(K・Δ)と呼ぶ。
積分計算部93は、遅れ調整ゲイン乗算部92から出力されたゲイン乗算値(K・Δ)を積算し、その計算結果(Σ(K・Δ))を遅れ横加速度LAlimとして出力する。偏差計算部91、遅れ調整ゲイン乗算部92、積分計算部93は、それぞれ所定の短い周期で演算処理を実行する。従って、所定の周期で偏差Δ(=LA−LAlim)が計算され、その偏差Δに遅れ調整ゲインKを乗算したゲイン乗算値(K・Δ)が積分計算部93により積算されていく。積分計算部93における初期値はゼロに設定されている。従って、時間遅れ設定部90における計算開始直後においては、大きな偏差Δが発生するが、その偏差Δがゼロに近づくように計算処理が繰り返される。これにより、図6に示すような波形の横加速度LAが入力された場合には、横加速度LAに対して時間遅れを有する遅れ横加速度LAlimが計算されることになる。
この場合、遅れ調整ゲイン乗算部92に設定されているゲインKが大きいほど、横加速度LAに対する遅れ横加速度LAlimの時間遅れ量が少なくなる。従って、ゲインKを調整しておくことで、時間遅れ量を任意に設定することができる。この時間遅れ設定部90は、1次遅れフィルタで構成されているため、入力波形(横加速度LA)と出力波形(遅れ横加速度LAlim)とは同一の波形にならないが、単純に一定時間だけ出力値を遅らせる遅延回路で構成されるものであってもよい。
時間遅れ設定部90は、その計算結果である遅れ横加速度LAlimを横加速度上限制限部82に出力する。横加速度上限制限部82は、方向分離部81から出力された横加速度LAと時間遅れ設定部90から出力された遅れ横加速度LAlimとを入力し、遅れ横加速度LAlimを上限値として使って、横加速度LAを上限制限した制限横加速度LA2を計算する。つまり、横加速度上限制限部82は、横加速度LAと遅れ横加速度LAlimとを比較し、両者のうち小さい方の値を制限横加速度LA2に設定する。従って、制限横加速度LA2は、図6にハッチングを施した波形で示すように推移する。
この場合、制限横加速度LA2は、遅れ横加速度LAlimが横加速度LAに対して必ず遅れて発生するため、横加速度の発生開始時においてはゼロとなる。遅れ横加速度LAlimは、横加速度LAに対して遅れて増加し始め、その後、横加速度LAが増加から減少に転じても、その時点においては増加状態を継続する。そして、遅れ横加速度LAlimが横加速度LAを超えると、偏差計算部91の出力が負の値となり、遅れ横加速度LAlimは、減少に転じる。
従って、制限横加速度LA2は、図6に示すように、横加速度の発生時においては、遅れ横加速度LAlimと同じ値をとり、横加速度LAに対して遅れて推移する。その後、横加速度LAが減少に転じて遅れ横加速度LAlimを下回ると、横加速度LAと同じ値をとるように推移する。
横加速度上限制限部82は、計算結果である制限横加速度LA2をアシストトルク計算部83に出力する。アシストトルク計算部83は、制限横加速度LA2と、方向分離部81から出力された方向Sとを入力し、制限横加速度LA2(=|LA2|)に方向Sを乗算することで、方向情報の含まれた制限横加速度LA2を求める。そして、図7に示す異常時アシストトルクマップを参照して目標アシストトルクTa2を計算する。
異常時アシストマップは、アシストトルク計算部83に記憶されており、制限横加速度LA2と目標アシストトルクTa2との関係を設定した関係付けデータであり、制限横加速度LA2の大きさ(絶対値)が大きくなるほど大きくなる目標アシストトルクTa2を設定する特性を有する。異常時アシストトルクマップとしては、例えば、図7(a)に示すように、制限横加速度LA2に比例する目標アシストトルクTa2を設定したもの、図7(b)に示すように、制限横加速度LA2の増加に伴って目標アシストトルクTa2の増加度合が少なくなるように設定したもの、図7(c)に示すように、制限横加速度LA2の不感帯を設けたものなどを採用することができる。
このようにして、目標アシストトルクTa2は、制限横加速度LA2に応答して設定される。従って、目標アシストトルクTa2は、横加速度LAの発生に対して遅れて発生し、横加速度LAの低下とともに低下する。
アシストトルク計算部83は、その計算結果である目標アシストトルクTa2を制御切替部73に出力する。
この電動パワーステアリング装置1によれば、操舵トルクセンサ21が故障した場合であっても、正常時アシストトルク計算部71に代わって異常時アシストトルク計算部80が目標アシストトルクTa*を計算するため、操舵アシストを継続することができる。この場合、異常時アシストトルク計算部80においては、横加速度LAに時間遅れを持たせた遅れ横加速度LAlimを上限値として、横加速度LAを上限制限した制限横加速度LA2を計算し、この制限横加速度LA2に基づいて目標アシストトルクTa*(=Ta2)を設定する。従って、操舵操作開始時においては、操舵アシストが発生しないためハンドル操作が重くなり、速いハンドル操作を抑制することができる。このため、操舵ハンドル11の切り過ぎを防止することができる。
また、ドライバーがゆっくりハンドル操作を開始した場合には、操舵ハンドル11を切り過ぎることはなく、また、操舵速度に対して操舵アシストの遅れは少ないため、ドライバーに操舵アシストの遅れを感じにくくすることができる。
また、例えば、操舵ハンドル11を切りすぎた場合には、横加速度が必要以上に増加してしまい、これに伴って操舵アシストが増加する。従って、この場合には、操舵ハンドル11の切り過ぎをさらに助長してしまうことになり、車両がスリップする可能性がある。これに対して、本実施形態においては、操舵操作の開始時点においては、操舵アシストが発生しないため、速いハンドル操作を防止し、操舵ハンドルの切り過ぎを防止する。これにより、車両のスリップを防止することができる。
特に、摩擦係数の低い路面の走行中においては、タイヤグリップ力の低下により、操舵ハンドル11を切り過ぎやすいが、本実施形態においては、操舵操作から遅れて操舵アシストを開始するため、上記の課題を解決することができる。また、路面の摩擦係数が変動し、これに伴って車両の挙動が一瞬乱れて、横加速度が一時的に増加することがある。そうした場合、横加速度に基づいてすぐに操舵アシストを発生させてしまうと、操舵ハンドルを切り過ぎてしまうことがある。これに対して、本実施形態においては、上述したように操舵アシストの発生を遅らせるために、車両の一時的な挙動の乱れに対して操舵ハンドルの切り過ぎを防止することができる。
また、操舵ハンドル11を戻し操作するときには、横加速度LAが遅れ横加速度LAlimよりも小さい状態になっているため、制限横加速度LA2が横加速度LAと同じ値に設定される。従って、戻し操作をスムーズに行うことができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。この第2実施形態にかかる電動パワーステアリング装置1は、第1実施形態にかかる時間遅れ設定部90の機能を変更したもので、他の構成は第1実施形態と同一である。従って、ここでは、時間遅れ設定部についてのみ説明する。図8は、第2実施形態にかかる時間遅れ設定部902の機能ブロック図である。第1実施形態と同じ機能部については、図面に第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
第2実施形態にかかる時間遅れ設定部902は、遅れ横加速度LAlimの上限と下限とを設定する機能を設けたものである。時間遅れ設定部902は、偏差計算部91と、遅れ調整ゲイン乗算部92と、遅れ横加速度上限設定部94と、遅れ横加速度下限設定部95と、上下限付き積分計算部96とを備えている。各機能部は、それぞれ所定の短い周期で演算処理を実行する。偏差計算部91と遅れ調整ゲイン乗算部92に関しては、第1実施形態と同一である。
遅れ横加速度上限設定部94は、車速vxを入力し、この車速vxに基づいて遅れ横加速度LAlimの上限値である遅れ横加速度上限LAlim_maxを計算する。遅れ横加速度上限設定部94は、図9(a)に示すような遅れ横加速度上限マップを記憶しており、この遅れ横加速度上限マップを参照して、車速vxに基づいて遅れ横加速度上限LAlim_maxを計算する。遅れ横加速度上限マップは、車速vxが基準車速vx0以下である場合には、遅れ横加速度上限LAlim_maxを一定値LAaに設定し、車速vxが基準車速vx0を超える場合には、車速vxが大きくなるに従って、遅れ横加速度上限LAlim_maxを減少させる特性を有する。遅れ横加速度上限設定部94は、計算した遅れ横加速度上限LAlim_maxを上下限付き積分計算部96に出力する。
遅れ横加速度下限設定部95は、車速vxを入力し、この車速vxに基づいて遅れ横加速度LAlimの下限値である遅れ横加速度下限LAlim_minを計算する。遅れ横加速度下限設定部95は、図9(b)に示すような遅れ横加速度下限マップを記憶しており、この遅れ横加速度下限マップを参照して、車速vxに基づいて遅れ横加速度下限LAlim_minを計算する。遅れ横加速度下限マップは、車速vxが基準車速vx0以下である場合には、遅れ横加速度下限LAlim_minを一定値LAb(<LAa)に設定し、車速vxが基準車速vx0を超える場合には、車速vxが大きくなるに従って、遅れ横加速度下限LAlim_minを減少させる特性を有する。遅れ横加速度下限設定部95は、計算した遅れ横加速度下限LAlim_minを上下限付き積分計算部96に出力する。
上下限付き積分計算部96は、遅れ調整ゲイン乗算部92から出力されたゲイン乗算値(K・Δ)と、遅れ横加速度上限LAlim_maxと遅れ横加速度下限LAlim_minとを入力して、遅れ横加速度LAlimを計算し、計算結果である遅れ横加速度LAlimを横加速度上限制限部82に出力する演算ブロックである。この上下限付き積分計算部96は、図10に示すように、加算部961と、1サンプル遅延部962と、大側選択部963と、小側選択部964とを備えている。各機能部は、それぞれ所定の短い周期で演算処理を実行する。
1サンプル遅延部962は、上下限付き積分計算部96の計算結果である遅れ横加速度LAlimを入力して記憶し、次の演算周期に、この遅れ横加速度LAlim(n-1)を加算部961に出力する。尚、符号末尾の(n-1)は、1演算周期前の計算値であることを表す。加算部961は、1サンプル遅延部962から出力された遅れ横加速度LAlim(n-1)に遅れ調整ゲイン乗算部92から出力されたゲイン乗算値(K・Δ)を加算し、この計算結果である(LAlim(n-1)+K・Δ)を大側選択部963に出力する。
従って、加算部961は、遅れ横加速度LAlimが横加速度LAに追従するように計算されたゲイン乗算値(K・Δ)を積算することにより、新たな遅れ横加速度LAlim’を演算する積分器として機能する。この遅れ横加速度LAlim’は、後述する上限・下限制限が施されていないものであるため、以下、遅れ横加速度LAlim’を制限前遅れ横加速度LAlim’と呼ぶ。
大側選択部963は、遅れ横加速度下限設定部95から出力された遅れ横加速度下限LAlim_minと、加算部961から出力された制限前遅れ横加速度LAlim’とを入力し、両者のうちの大きい方の値を選択する。例えば、制限前遅れ横加速度LAlim’が遅れ横加速度下限LAlim_minよりも大きければ、制限前遅れ横加速度LAlim’を選択し、制限前遅れ横加速度LAlim’が遅れ横加速度下限LAlim_min以下であれば、遅れ横加速度下限LAlim_minを選択する。大側選択部963は、選択した値を表す下限制限済遅れ横加速度LAlim’’を小側選択部964に出力する。
小側選択部964は、遅れ横加速度上限設定部94から出力された遅れ横加速度上限LAlim_maxと、大側選択部963から出力された下限制限済遅れ横加速度LAlim’’を入力し、両者のうちの小さい方の値を選択する。例えば、下限制限済遅れ横加速度LAlim’’が遅れ横加速度上限LAlim_maxよりも小さければ、下限制限済遅れ横加速度LAlim’’を選択し、下限制限済遅れ横加速度LAlim’’が遅れ横加速度上限LAlim_max以上であれば、遅れ横加速度上限LAlim_maxを選択する。小側選択部964は、選択した値を最終的な遅れ横加速度LAlimに設定する。
従って、上下限付き積分計算部96から出力される遅れ横加速度LAlimは、図11に示すように、第1実施形態の遅れ横加速度LAlimに対して、更に、上限・下限制限が施されたものとなる。この遅れ横加速度LAlimは、横加速度上限制限部82に出力される。横加速度上限制限部82においては、第1実施形態で説明したように、横加速度LAを遅れ横加速度LAlimで上限制限した制限横加速度LA2を計算する。従って、制限横加速度LA2は、図11にハッチングを施した波形で示すように推移する。
ここで、遅れ横加速度LAlimに上限・下限制限を施した理由について説明する。第1実施形態のように横加速度LAを遅れ横加速度LAlimで上限制限した場合には、横加速度の発生直後においては、遅れ横加速度LAlimがゼロになるため、制限横加速度LA2もゼロになる。従って、横加速度の発生直後においては操舵アシストが働かなくなってハンドル操作が重くなり車両のスリップを防止することができる。しかし、車両が摩擦係数の低い路面を走行している場合であっても、横加速度が低い状態(例えば、0.1〜0.2G程度)であれば車両はスリップしない。従って、横加速度が低い状態であれば、操舵アシストを遅れさせなくても問題ない。
一方、大きな横加速度LAが検出された場合には、操舵アシストは遅れるものの、最終的には大きな制限横加速度LA2が計算されることもあり、操舵アシストが過剰となることが考えられる。
そこで、第2実施形態においては、横加速度が低い状況においては、遅れ横加速度LAlimがゼロにならないようにする。そうするために、第2実施形態においては、遅れ横加速度LAlimの下限値である遅れ横加速度下限LAlim_min(>0)を設定する。遅れ横加速度下限LAlim_minを設定すれば、図11に示すように、横加速度の発生直後においては、必ず横加速度LAが遅れ横加速度LAlimを下回る。これにより、横加速度の発生直後から操舵アシストを開始することができスムーズな操舵操作が可能となる。また、横加速度LAが遅れ横加速度LAlimを上回った場合には、その時点から、操舵アシストが抑制され、操舵ハンドル11の切り過ぎを抑制することができる。
また、遅れ横加速度下限LAlim_minは、摩擦係数の低い路面(例えば、雪上路面)におけるグリップ力限界に対応させて設定される。従って、摩擦係数の低い路面であっても車両のスリップを防止することができる
また、横加速度LAlimの上限値である遅れ横加速度上限LAlim_maxが設定されるため、操舵アシストが過剰になることを防止することができる。
通常の車両の運転状態であれば、車速が大きい場合には、大きな横加速度を発生することは殆どない。そこで、第2実施形態においては、車速vxが大きい場合には、車速vxが大きくなるほど小さくなる遅れ横加速度上限LAlim_maxと遅れ横加速度下限LAlim_minとを設定する。これにより、実使用上において車両のスリップを効果的に抑制することができる。
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態においては、車速vxに応じて遅れ横加速度上限LAlim_maxと遅れ横加速度下限LAlim_minとを設定する構成であるが、遅れ横加速度上限LAlim_maxと遅れ横加速度下限LAlim_minとの少なくとも一方を、車速vxに関係なく固定値にしてもよい。この場合においても、車両のスリップを抑制しつつ、操舵開始時において適度な操舵アシストが得られる。
また、遅れ横加速度上限設定部94と遅れ横加速度下限設定部95との何れか一方のみを設けた構成、つまり、遅れ横加速度上限LAlim_max、あるいは、遅れ横加速度下限LAlim_minのみを設定する構成であってもよい。また、この場合においても、遅れ横加速度上限LAlim_max、あるいは、遅れ横加速度下限LAlim_minを車速vxに関係なく固定値にしてもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。この第3実施形態にかかる電動パワーステアリング装置1は、第1実施形態あるいは第2実施形態における遅れ調整ゲイン乗算部92の機能を変更したもので、他の構成については第1実施形態あるいは第2実施形態と同一である。従って、ここでは、遅れ調整ゲイン乗算部についてのみ説明する。この第3実施形態における遅れ調整ゲイン乗算部を遅れ調整ゲイン乗算部923と呼ぶ。遅れ調整ゲイン乗算部923は、遅れ横加速度LAlimを増加させる場合と減少させる場合とで、遅れ横加速度LAlimの遅れ時間を独立して設定するように構成したものである。
図12(a),(b)は、遅れ調整ゲイン乗算部923におけるゲイン特性の2つの例を表す。同図において、横軸は、遅れ調整ゲイン乗算部923に入力される偏差Δ(=LA−LAlim)であり、縦軸は、遅れ調整ゲイン乗算部923の出力であるゲイン乗算値(K・Δ)を表す。図12(a)のゲイン特性においては、遅れ横加速度LAlimを減少させる傾きK(=K2)が、遅れ横加速度LAlimを増加させる傾きK(=K1)に比べて小さく設定されている。また、図12(b)のゲイン特性においては、遅れ横加速度LAlimを減少させる最大値max(K・Δ)が、遅れ横加速度LAlimを増加させる場合に比べて小さな値に制限されている。
このため、どちらのゲイン特性においても、遅れ横加速度LAlimは、増加する場合に比べて減少する場合のほうが時間をかけて変化する、つまり、ゆっくり変化する。従って、例えば、コーナーが連続する道路を走行しているときのように、操舵ハンドル11を左右交互に繰り返し操舵操作する場合には、2度目以降の操舵操作時における操舵アシストが遅れなく立ち上がるため、軽いハンドル操作にて連続したコーナーを走行することができる。
図13は、短期間のうちに操舵操作を2回行った場合における、横加速度LAと遅れ横加速度LAlimと制限横加速度LA2との関係を表す。1回目の操舵操作時においては、遅れ横加速度LAlimにより上限制限された制限横加速度LA2が設定されるため、操舵アシストの立ち上がりが制限される。1回目の操舵操作が終了すると横加速度LAが低下し、その後、遅れ横加速度LAlimも低下する。この場合、遅れ横加速度LAlimは、上記ゲイン特性にしたがってゆっくり減少するため、2回目の操舵操作が行われた時には、まだ、減少途中であって横加速度LAよりも上回っている。これにより、2回目の操舵操作時においては、制限横加速度LA2として横加速度LAが設定され、操舵アシストの開始が遅れない。
路面の摩擦係数は、短時間の間に大きく変化しないと考えられる。そこで、第3実施形態においては、遅れ調整ゲイン乗算部923のゲイン特性を調整することにより、遅れ横加速度LAlimを増加させる速度よりも減少させる速度を遅くして、連続した操舵操作における2回目以降の操舵操作に対して操舵アシストの立ち上がりを遅れないようにしている。従って、第3実施形態によれば、操舵ハンドル11の切り過ぎの抑制と、操舵アシスト性能の向上との両立を図ることができる。
<第3実施形態の変形例>
遅れ調整ゲイン乗算部923におけるゲイン特性は、図12(b)の破線にて示すように、偏差Δ(=LA−LAlim)が基準値より大きい場合には、遅れ調整ゲイン乗算部923の出力であるゲイン乗算値(K・Δ)がそれ以上増加しないように上限制限を設けたものであってもよい。これによれば、遅れ横加速度LAlimが急激に増加することを防止するこができ、遅れ時間を適正に確保することができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。この第4実施形態にかかる電動パワーステアリング装置1は、第1実施形態ないし第3実施形態の何れかにおける時間遅れ設定部の機能を変更したもので、他の構成は上述の実施形態と同一である。従って、ここでは、時間遅れ設定部についてのみ説明する。図14は、第4実施形態にかかる時間遅れ設定部904の機能ブロック図である。上述した実施形態と同じ機能部については、図面に当該実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
第4実施形態にかかる時間遅れ設定部904は、車両のスリップ指標を表す情報を取得し、スリップ指標が大きいほど遅れ横加速度LAlimが小さくなるようにする機能を設けたものである。時間遅れ設定部904は、偏差計算部91と、遅れ調整ゲイン乗算部923(または遅れ調整ゲイン乗算部92)と、低下量減算部97と、遅れ横加速度上限設定部94と、遅れ横加速度下限設定部954と、スリップ応答低下量設定部98と、上下限付き積分計算部96とを備えている。各機能部は、それぞれ所定の短い周期で演算処理を実行する。
スリップ応答低下量設定部98は、車両のスリップの程度を表すスリップ指標SLを取得する。スリップ指標SLは、例えば、車両の挙動を制御する車両挙動制御装置(図示略)により計算された値を入力してもよいし、アシストECU100において計算してもよい。スリップ指標SLは、例えば、以下のように計算することができる。
スリップ指標は、例えば、計算により求めた推定操舵角θ’と操舵角センサ(図示略)により検出された実操舵角θとの偏差(|θ−θ’|を計算し、偏差が大きいほど大きくなるように設定することができる。推定操舵角θ’は、例えば、次式により計算することができる。
θ’=KG・tan-1(2b(V−V)/a(V+V))
ここで、Vは左後輪RW1の回転速度、Vは右後輪RW2の回転速度、KGはモータ20から前輪FW1,FW2までのギヤ比、aは左右後輪RW1,RW2のトレッド、bは車両のホイールベースを表す。
また、スリップ指標は、例えば、計算により求めた規範ヨーレートγ’とヨーレートセンサ(図示略)により検出された実ヨーレートγとの偏差(|γ−γ’|)を計算し、偏差が大きいほど大きくなるように設定してもよい。規範ヨーレートγ’は、例えば、次式により計算することができる。
γ’=vx・θ/(N・b)−Kh・LA・vx
ここで、Khは車両のスタビリティファクタ、Nはステアリングギヤ比を表す。
スリップ応答低下量設定部98は、スリップ指標SLを入力し、このスリップ指標SLに基づいて、遅れ調整ゲイン乗算部923の出力するゲイン乗算値(K・Δ)を低下させる低下量Rを計算する。スリップ応答低下量設定部は、図15に示すような低下量マップを記憶しており、この低下量マップに基づいて低下量Rを計算する。低下量マップは、スリップ指標SLが第1基準値SL1以下である場合には、低下量Rをゼロに設定し、スリップ指標SLが第1基準値SL1を上回り第2基準値SL2以下となる場合には、スリップ指標SLの増加にしたがって増加する低下量Rを設定し、スリップ指標SLが第2基準値SL2を上回る場合には、一定の低下量Rを設定する特性を有する。
スリップ応答低下量設定部98は、スリップ指標SLに基づいて低下量Rを計算すると、低下量Rを低下量減算部97に出力する。低下量減算部97は、この低下量Rと、遅れ調整ゲイン乗算部923から出力されたゲイン乗算値(K・Δ)とを入力し、ゲイン乗算値(K・Δ)から低下量Rを減算し、その計算結果((K・Δ)−R)を上下限付き積分計算部96に出力する。以下、計算結果((K・Δ)−R)をスリップ応答ゲイン乗算値((K・Δ)−R)と呼ぶ。
スリップ指標SLは、遅れ横加速度下限設定部954にも出力される。遅れ横加速度下限設定部954は、車速vxとスリップ指標SLとを入力し、図16に示す遅れ横加速度下限設定ルーチンを所定の短い周期で実行する。遅れ横加速度下限設定部954は、ステップS11において、スリップ指標SLが予め設定した判定閾値SLrefより大きいか否かを判断する。スリップ指標SLが判定閾値SLref以下である場合には、ステップS12において、車速vxに基づいて遅れ横加速度LAlimの下限値である遅れ横加速度下限LAlim_minを計算する。このステップS12の計算処理は、第2実施形態における遅れ横加速度下限LAlim_minの計算処理と同様である。尚、判定閾値SLrefは、スリップ応答低下量設定部98において使用される第1基準値SL1,第2基準値SL2とは関係なく任意に設定してもよいし、第1基準値SL1と同じ値に設定してもよいし、第2基準値SL2と同じ値に設定してもよい。
一方、スリップ指標SLが判定閾値SLrefを超えている場合には(S11:Yes)、遅れ横加速度下限設定部954は、ステップS13において、遅れ横加速度下限LAlim_minをゼロ(LAlim_min=0)に設定する。
遅れ横加速度下限設定部954は、ステップS12あるいはステップS13にて計算した遅れ横加速度下限LAlim_minを上下限付き積分計算部96に出力する。遅れ横加速度下限設定部954は、遅れ横加速度下限設定ルーチンを所定の短い周期で実行するため、スリップ指標SLの大きさに応じた遅れ横加速度下限LAlim_minを出力する。
上下限付き積分計算部96は、低下量減算部97から出力されたスリップ応答ゲイン乗算値((K・Δ)−R)と、遅れ横加速度上限設定部94から出力された遅れ横加速度上限LAlim_maxと、遅れ横加速度下限設定部954から出力された遅れ横加速度下限LAlim_minとを入力し、遅れ横加速度LAlimを計算する。遅れ横加速度LAlimの計算は、第2実施形態における計算と同様である。この場合、第2実施形態におけるゲイン乗算値(K・Δ)に代わってスリップ応答ゲイン乗算値((K・Δ)−R)が使用され、第2実施形態における遅れ横加速度下限LAlim_minに代わって遅れ横加速度下限設定部954で計算された遅れ横加速度下限LAlim_minが使用される。
従って、上下限付き積分計算部96においては、車両がスリップしていない場合には、第2実施形態と同様の遅れ横加速度LAlimが計算される。また、万が一、車両がスリップした場合には、スリップ指標SLに応じて設定される低下量Rだけ低減されたスリップ応答ゲイン乗算値((K・Δ)−R)が積算されて遅れ横加速度LAlimが計算される。この場合においても、遅れ横加速度LAlimが、遅れ横加速度上限LAlim_maxと遅れ横加速度下限LAlim_minと間に収まるように、遅れ横加速度LAlimの上下限制限が行われる。
この第4実施形態においては、車両のスリップ指標SLが第1基準値SL1を超えた場合には、ゲイン乗算値(K・Δ)をスリップ指標SLに応じた低下量Rだけ減らすため、上下限付き積分計算部96の出力である遅れ横加速度LAlimは、スリップ指標SLに応じた速度で減少する。例えば、図17に示すように、時刻t1において、車両のスリップ指標が第1基準値を超えると、その時点から遅れ横加速度LAlimが大きく減少し始める。この場合、遅れ横加速度下限LAlim_minがゼロに設定されるため、遅れ横加速度LAlimは、速やかにゼロにまで減少する(時刻t2)。従って、遅れ横加速度LAlimに上限制限される制限横加速度LA2がゼロになり、その結果、操舵アシストが停止される。これにより、ハンドル操作を重くすることができ、車両のスリップの拡大、つまり、車両が更にスリップしてしまうことを防止することができる。
車両のスリップがおさまって、スリップ指標SLが判定閾値SLref以下にまで低下すると(時刻t3)、遅れ横加速度下限マップに基づいて遅れ横加速度下限LAlim_min(>0)が計算され、この遅れ横加速度下限LAlim_min以下となる範囲で制限横加速度LA2が設定される。従って、速やかに操舵アシストを復帰させることができる。これにより、操舵アシストの停止期間を、車両のスリップ拡大防止に必要な最小限に抑えることができる。この結果、車両のスリップの拡大防止と、操舵アシスト性能の向上とを一層良好に両立させることができる。
また、スリップ指標SLと低下量Rとを関係付ける低下量マップには、第1基準値SL1による不感帯が設定されているため、敏感なスリップ判定を防止でき、路面凹凸などによって不必要に操舵アシストが低下されてしまうといった不具合を防止することができる。また、遅れ横加速度下限LAlim_minにおいても、判定閾値SLref(>0)による不感帯が設定されているため、遅れ横加速度下限LAlim_minが不必要にゼロに設定されてしまうことを防止できる。
<第4実施形態の変形例>
第4実施形態においては、車両がスリップした場合には、遅れ調整ゲイン乗算部923から出力されたゲイン乗算値(K・Δ)から低下量Rを減算することにより、遅れ横加速度LAlimを速やかに減少させるが、一方で、偏差計算部91の出力する偏差Δ(=LA−LAlim)が大きくなり、結果として、ゲイン乗算値(K・Δ)が低下量Rをキャンセルしてしまうおそれがある。そうしたケースにおいては、遅れ横加速度LAlimを速やかに減少させることができない。第4実施形態の変形例は、そうしたケースに特に有効なものである。
第4実施形態の変形例においては、遅れ調整ゲイン乗算部の処理のみが上述した第4実施形態に対して相違する。以下、この変形例の遅れ調整ゲイン乗算部を遅れ調整ゲイン乗算部924と呼び、遅れ調整ゲイン乗算部924の処理について説明する。遅れ調整ゲイン乗算部924は、偏差計算部91から出力される偏差Δに加えて、図14の破線矢印に示すように、スリップ指標SLを入力し、図18に示すゲイン乗算ルーチンを所定の短い周期で実行する。
遅れ調整ゲイン乗算部924は、ステップS21において、スリップ指標SLが予め設定した判定閾値SLrefより大きいか否かを判断する。この判定閾値SLrefは、遅れ横加速度下限設定部954がステップS11において使用する判定閾値SLrefと同一であってもよいし、異なる値であってもよい。遅れ調整ゲイン乗算部924は、スリップ指標SLが判定閾値SLref以下である場合には、ステップS22において、偏差Δに調整ゲインK(≠0)を乗算することによりゲイン乗算値を計算して、計算結果(K・Δ)を低下量減算部97に出力する。
一方、スリップ指標SLが判定閾値SLrefを超えている場合には、遅れ調整ゲイン乗算部924は、ステップS23において、ゲイン乗算値をゼロに設定し、計算結果(K・Δ=0)を低下量減算部97に出力する。
この変形例によれば、車両のスリップが検出された場合には、遅れ横加速度LAlimを第4実施形態に比べて一層速やかに減少させることができる。従って、車両のスリップの拡大防止能力を高めることができる。
次に、第1実施形態〜第4実施形態に共通するアシストトルク計算部83にかかる変形例を2つ説明する。
<第1〜第4実施形態の共通の変形例1>
変形例1にかかるアシストトルク計算部をアシストトルク計算部831と呼ぶ。アシストトルク計算部831は、制限横加速度|LA2|と方向Sとに加えて、図4に示すように、車速vxを入力し、図19に示す異常時アシストマップを参照して目標アシストトルクTa2を計算する。異常時アシストマップは、アシストトルク計算部831に記憶されており、代表的な複数の車速vxごとに、制限横加速度LA2と目標アシストトルクTa2との関係を設定した関係付けデータであり、制限横加速度LA2の大きさ(絶対値)が大きくなるほど大きくなり、かつ、車速vxが大きくなるほど小さくなる目標アシストトルクTa2を設定する特性を有する。
従って、車速vxが小さいほど制限横加速度LA2に対する目標アシストトルクTa2の感度が高く、車速vxが大きいほど制限横加速度LA2に対する目標アシストトルクTa2の感度が低くなる。これにより、低速時における操舵力低減と高速時における操舵操作の安定性との両立を図ることができる。
また、この変形例1における異常時アシストマップは、図7(a)に対応したものであるが、図7(b)あるいは図7(c)に対応させたものであっても良い。つまり、制限横加速度LA2の増加に伴って目標アシストトルクTa2の増加度合が少なくなるように設定してもよいし、制限横加速度LA2の不感帯を設けてもよい。
また、異常時アシストマップは、図20に示すように、制限横加速度LA2に対する目標アシストトルクTa2の比(Ta2/LA2)を車速vxに応じて設定するものであってもよい。この場合、図に破線にて示すように、車速vxがゼロ付近においては、比(Ta2/LA2)をゼロにしてもよい。
<第1〜第4実施形態の共通の変形例2>
図21は、変形例2におけるアシストトルク計算部832の構成を表す。アシストトルク計算部832は、基本トルク計算部8321と、補償トルク計算部8322と、加算部8323とを備えている。基本トルク計算部8321は、制限横加速度|LA2|と方向Sと車速vxを入力し、上記の変形例1のアシストトルク計算部831と同様の処理を行う。基本トルク計算部8321は、その計算結果Ta21(変形例1の目標アシストトルクTa2に相当する)を加算部8323に出力する。
補償トルク計算部8322は、操舵速度ωを入力し、図22に示す摩擦補償マップを参照して、ステアリング機構10における摩擦力分を補償するための補償トルクTa22を計算する。摩擦補償マップは、補償トルク計算部8322に記憶されており、操舵方向に働く一定の補償トルクTa22を設定する。尚、操舵速度ωは、モータ回転角センサ22により検出されるモータ回転角θmを時間で微分することにより求められる。操舵角センサを備えている車両であれば、操舵角センサにより検出される操舵角を時間で微分して操舵速度ωを求めてもよい。
補償トルク計算部8322は、計算した補償トルクTa22を加算部8323に出力する。加算部8323は、基本トルクTa21と補償トルクTa22とを入力し、それらを足しあわせて目標アシストトルクTa2(=Ta21+Ta22)を計算する。
また、補償トルク計算部8322は、車速vxに応じて補償トルクTa22を可変するようにしてもよい。例えば、図22に破線にて示すように、車速vxが大きいほど小さくなる補償トルクTa22を設定するようにするとよい。
また、補償トルク計算部8322は、ステアリング機構10における摩擦力分に加えて粘性分を補償するための補償トルクTa22を計算するようにしてもよい。この場合、図23に示すような、摩擦粘性補償マップを参照して、操舵速度ωに基づいて補償トルクTa22を計算するとよい。この摩擦粘性補償マップは、一定の摩擦補償トルクと、操舵速度ωの増加にしたがって増加する粘性補償トルクとの合計を補償トルクTa22として設定する。また、この例においても、補償トルクTa22を、車速vxが大きいほど小さくなるように設定してもよい。
この変形例2によれば、操舵トルクセンサ21の異常時であっても、ステアリング機構10における摩擦力や粘性を補償した操舵アシストを行うことができる。また、低速時における操舵力低減と高速時における操舵操作の安定性との両立を図ることができる
以上、複数の実施形態および変形例にかかる電動パワーステアリング装置1について説明したが、本発明は上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、横加速度センサ27を備え、この横加速度センサ27により検出される横加速度LAをアシストECU100に入力しているが、横加速度センサ27の検出値に代えて、操舵角と車速とから計算した横加速度をアシストECU100に入力するようにしてもよい。横加速度LAは、例えば、次式のように計算することができる。
LA=(V−V)(V+V)/2a
また、本実施形態においては、モータ20の発生するトルクをステアリングシャフト12に付与するコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置について説明したが、モータの発生するトルクをラックバー14に付与するラックアシスト式の電動パワーステアリング装置であってもよい。

Claims (7)

  1. ステアリング機構に設けられて操舵アシストトルクを発生するモータと、
    車両の横加速度を取得する横加速度取得手段と、
    前記横加速度取得手段により取得した横加速度に時間遅れを持たせた値である遅れ横加速度を設定する遅れ横加速度設定手段と、
    前記遅れ横加速度設定手段により設定された遅れ横加速度を上限値として使って、前記横加速度取得手段により取得された横加速度を上限制限した値である制限横加速度を設定する制限横加速度設定手段と、
    前記制限横加速度設定手段により設定された制限横加速度に基づいて目標操舵アシスト制御量を設定するアシスト制御量設定手段と、
    前記目標操舵アシスト制御量に従って前記モータを駆動制御するモータ制御手段と
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置
  2. 前記遅れ横加速度の上限と下限の少なくとも一方を設定する遅れ横加速度制限手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記遅れ横加速度制限手段は、車速が大きい場合は小さい場合に比べて、前記遅れ横加速度の上限と下限の少なくとも一方を小さく設定することを特徴とする請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記横加速度に対する遅れ横加速度の時間遅れが、前記遅れ横加速度が増加する場合に比べて減少する場合のほうが大きくなるように、前記遅れ横加速度の時間遅れを設定する時間遅れ設定手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一項記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 車両の横滑りの指標を表すスリップ指標を取得するスリップ指標取得手段と、
    前記スリップ指標が閾値を超えたときに前記遅れ横加速度を減少させる遅れ横加速度低減手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか一項記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記遅れ横加速度の下限の設定する遅れ横加速度下限制限手段と、
    前記スリップ指標が閾値を超えている場合には、前記遅れ横加速度の下限をゼロに変更する遅れ横加速度下限変更手段と
    を備えたことを特徴とする請求項5記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 操舵ハンドルからステアリングシャフトに入力された操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、
    前記操舵トルクセンサの異常を検出する異常検出手段と
    を備え、
    前記アシスト制御量設定手段は、前記操舵トルクセンサの異常が検出されていない場合は、前記操舵トルクセンサにより検出された操舵トルクに基づいて目標操舵アシスト制御量を設定し、前記操舵トルクセンサの異常が検出されている場合は、前記制限横加速度に基づいて目標操舵アシスト制御量を設定することを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れか一項記載の電動パワーステアリング装置。
JP2012530016A 2011-12-09 2011-12-09 電動パワーステアリング装置 Expired - Fee Related JP5382229B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2011/078529 WO2013084348A1 (ja) 2011-12-09 2011-12-09 電動パワーステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5382229B1 true JP5382229B1 (ja) 2014-01-08
JPWO2013084348A1 JPWO2013084348A1 (ja) 2015-04-27

Family

ID=48573746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012530016A Expired - Fee Related JP5382229B1 (ja) 2011-12-09 2011-12-09 電動パワーステアリング装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20140005894A1 (ja)
EP (1) EP2792576A1 (ja)
JP (1) JP5382229B1 (ja)
CN (1) CN103974873A (ja)
WO (1) WO2013084348A1 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9676409B2 (en) 2013-03-11 2017-06-13 Steering Solutions Ip Holding Corporation Road wheel disturbance rejection based on hand wheel acceleration
PL2799310T3 (pl) * 2013-04-30 2018-06-29 Steering Solutions Ip Holding Corporation Dostarczanie momentu obrotowego wspomagania bez czujnika momentu obrotowego kierownicy
US9540044B2 (en) 2013-11-15 2017-01-10 Steering Solutions Ip Holding Corporation Hand wheel angle from vehicle dynamic sensors or wheel speeds
JP5943018B2 (ja) * 2014-02-25 2016-06-29 トヨタ自動車株式会社 操舵制御装置
US9540040B2 (en) 2014-06-26 2017-01-10 Steering Solutions Ip Holding Corporation Phase plane based transitional damping for electric power steering
DE112015003513T5 (de) * 2014-07-31 2017-07-06 Trw Automotive U.S. Llc Unterstützungskompensation für aktiv gesteuerte Servolenkungssysteme
US10144445B2 (en) 2014-09-15 2018-12-04 Steering Solutions Ip Holding Corporation Modified static tire model for providing assist without a torque sensor for zero to low vehicle speeds
US9409595B2 (en) * 2014-09-15 2016-08-09 Steering Solutions Ip Holding Corporation Providing assist torque without hand wheel torque sensor for zero to low vehicle speeds
CN107074273B (zh) * 2014-09-24 2020-07-31 日立汽车系统株式会社 车辆搭载设备的控制装置以及动力转向装置
JP6380014B2 (ja) * 2014-11-04 2018-08-29 株式会社ジェイテクト 電動パワーステアリング装置
US10336363B2 (en) 2015-09-03 2019-07-02 Steering Solutions Ip Holding Corporation Disabling controlled velocity return based on torque gradient and desired velocity error
US10464594B2 (en) 2015-09-03 2019-11-05 Steering Solutions Ip Holding Corporation Model based driver torque estimation
US20170072996A1 (en) * 2015-09-14 2017-03-16 Mando Corporation Apparatus and method for controlling electric power steering system
US9926006B2 (en) 2015-10-27 2018-03-27 Mando Corporation Electronic control unit for compensating for torque steer
US9650068B1 (en) * 2015-10-27 2017-05-16 Mando Corporation Electronic control unit and method for compensating for torque steer
JP6740647B2 (ja) * 2016-03-10 2020-08-19 株式会社ジェイテクト 操舵制御装置
US10155534B2 (en) 2016-06-14 2018-12-18 Steering Solutions Ip Holding Corporation Driver intent estimation without using torque sensor signal
US10933907B2 (en) * 2016-09-20 2021-03-02 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Sensor device
JP6748619B2 (ja) * 2017-09-20 2020-09-02 日立オートモティブシステムズ株式会社 車両制御装置、車両制御方法および車両制御システム
JP7131345B2 (ja) * 2017-12-14 2022-09-06 トヨタ自動車株式会社 転舵システム
CN108528525B (zh) * 2018-04-09 2019-04-09 江苏农牧科技职业学院 一种农用装载车转向控制系统
US20200017139A1 (en) * 2018-07-12 2020-01-16 Steering Solutions Ip Holding Corporation Rack force estimation for steering systems
CN109572816B (zh) * 2018-12-29 2020-08-14 百度在线网络技术(北京)有限公司 一种转向指令处理方法和车辆

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0558315A (ja) * 1991-09-04 1993-03-09 Nissan Motor Co Ltd 車両の後輪舵角制御装置
JP2001110975A (ja) * 1999-10-13 2001-04-20 Seiko Epson Corp 半導体装置とその複合体、半導体装置の製造方法、回路基板、電子機器
JP2004114755A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Koyo Seiko Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2006117223A (ja) * 2004-09-27 2006-05-11 Nissan Motor Co Ltd 車両用操舵制御装置
JP2009006985A (ja) * 2007-05-25 2009-01-15 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2009137442A (ja) * 2007-12-06 2009-06-25 Tokai Rika Co Ltd 車両のパワーステアリング装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002166842A (ja) * 2000-11-29 2002-06-11 Koyo Seiko Co Ltd 電動パワーステアリング制御装置
JP2003341501A (ja) * 2002-05-23 2003-12-03 Masato Abe 運転支援制御システム
JP4449790B2 (ja) * 2005-03-08 2010-04-14 株式会社ジェイテクト 電動パワーステアリング装置
DE102005048014A1 (de) * 2005-10-07 2007-04-12 Robert Bosch Gmbh Fahrerassistenzsystem
JP5067015B2 (ja) * 2007-05-23 2012-11-07 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置
JP2010207208A (ja) * 2009-02-10 2010-09-24 Eisai Food Chemical Kk アカメガシワ抽出物を含有する抗菌剤
JP2010285139A (ja) * 2009-05-15 2010-12-24 Toyota Motor Corp 車両制御装置
JP2011110975A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0558315A (ja) * 1991-09-04 1993-03-09 Nissan Motor Co Ltd 車両の後輪舵角制御装置
JP2001110975A (ja) * 1999-10-13 2001-04-20 Seiko Epson Corp 半導体装置とその複合体、半導体装置の製造方法、回路基板、電子機器
JP2004114755A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Koyo Seiko Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2006117223A (ja) * 2004-09-27 2006-05-11 Nissan Motor Co Ltd 車両用操舵制御装置
JP2009006985A (ja) * 2007-05-25 2009-01-15 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2009137442A (ja) * 2007-12-06 2009-06-25 Tokai Rika Co Ltd 車両のパワーステアリング装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20140005894A1 (en) 2014-01-02
CN103974873A (zh) 2014-08-06
WO2013084348A1 (ja) 2013-06-13
JPWO2013084348A1 (ja) 2015-04-27
EP2792576A1 (en) 2014-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5382229B1 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4852964B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
EP2937266B1 (en) Electric power steering device
EP2842838B1 (en) Electric power steering system
JP5327331B2 (ja) 車両の電動パワーステアリング装置
US9637166B2 (en) Electric power steering apparatus
JP5691789B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5217794B2 (ja) 電気式動力舵取装置
US9540035B2 (en) Control apparatus
JP5068327B2 (ja) 操舵制御装置
US8272474B2 (en) Electric power steering system
US9586619B1 (en) Motor controller
JP2018024281A (ja) アクチュエータ制御装置
JP5251898B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6220687B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP7404027B2 (ja) 操舵制御装置
JP2013159201A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6220688B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
EP2821321A2 (en) Electric power steering system
JP5751178B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2013147175A (ja) 車両の電動パワーステアリング装置
JP5234025B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
WO2019016967A1 (ja) 操舵制御装置、電動パワーステアリング装置
US20180127025A1 (en) Voltage Compensating Anti-Catch Algorithm For Active Front Steering System
JP5098323B2 (ja) 電気式動力舵取装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130916

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5382229

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees