JP5251898B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、車両のステアリング機構にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特にいかなる走行状態においても正確に車両の横流れを検出して補正し、より安全で快適な直進走行が可能な電動パワーステアリング装置に関する。
一般的に、車両のステアリング機構をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を、減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助トルク)を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデュ−ティ比の調整で行っている。
ここで、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4A及び4B、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクTを検出するトルクセンサ10が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ14からイグニションキー11を経て電力が供給され、コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいてアシスト指令の電流指令値Iの演算を行い、演算された電流指令値Iに基づいてモータ20を制御する。
ところで、最近車両の機能として、一定のスロットル開度で高速道路などを長時間走行するような場合に、アクセルを踏まなくとも設定した速度を保持して走行するオートクル−ズコントロール機能を具備するようになっており、このようなオートクル−ズコントロール機能を具備する車両ではオートクルーズスイッチ13が設けられており、オートクルーズスイッチ13のON/OFFであるスイッチ信号ACがコントロールユニット30に入力される。
コントロールユニット30は主としてCPU(MPU(Micro Processor Unit)やMCU(Micro Controller Unit)等も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクT及び車速センサ12で検出された車速Vは、操舵補助指令値Iref1を演算する操舵補助指令値演算部31に入力される。操舵補助指令値演算部31は、入力された操舵トルク値T及び車速Vに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Iref1を決定する。操舵補助指令値Iref1は位相補償部32で位相補償されて加算部33Aに入力され、加算部33」Aで補償信号CMと加算された電流指令値I1が電流制限部34に入力され、最大電流を制限された電流指令値I2が減算部33Bに入力され、フィードバックされているモータ電流Imとの偏差I3(=I2−Im)が演算され、その偏差I3が操舵動作の特性改善のためのPI制御部21に入力される。PI制御部21で特性改善された電流指令値がPWM制御部22に入力され、更に駆動部としてのインバータ23を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20のモータ電流Imはモータ電流検出器24で検出され、モータ電流Imが減算部33Bにフィードバックされる。インバータ23は駆動素子としてFETを用いており、FETのブリッジ回路で構成されている。
また、加算部33Aには演算された補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によってシステム系の補償を行い、車両の収れん性やモータ20の慣性特性等を改善するようになっている。即ち、操舵トルクTは微分補償部35で応答速度を高めるためのフィードフォワード系の特性を改善され、特性を改善された操舵トルクTaと、車両のヨーの収れん性を改善するためにハンドルが振れ回る動作に対してブレーキをかける収れん性制御部36からの収れん性信号Diとが加算部33Cで加算される。加算部33Cの加算結果CM1は更に加算部33Dにおいて、モータ20の慣性により発生する力相当分をアシストするための慣性補償部37からの慣性信号Inと加算され、その加算結果が補償信号CMとして加算部33Aに入力されている。
このような電動パワーステアリング装置において、道路の舗装面には、排水などの目的でセンターラインから路肩まで1〜2%程度の横断勾配が付けられているため、直線道路を高速に走行する場合には長時間ハンドルを切り続けないと、車両が路肩方向に流される傾向(横流れ)がある。また、車両の経年変化(例えばサスペンションブッシュのヘタリや車体の経時変化)や縁石への衝突などによりホイールアライメントが崩れ、ドライバがハンドルに力を入れないと、車両が真っ直ぐに走行できないこと(横流れ)がある。このような走行では、ドライバに大きな負担がかかる恐れがある。
このため、従来多くの改善手法が提案されている。例えば特開2007−22169号公報(特許文献1)に示される方法では、車速、横加速度(横G)、操舵状態及びナビゲーションの情報によって路面の傾斜を推定し、車両の横流れを補正している。また、特開2008−207775号公報(特許文献2)に示される方法では、直進時の操舵トルクを短い期間で平滑化して平滑化トルクTs1を求め、長い期間で平滑化して平滑化トルクTs2を求め、平滑化トルクTs1と平滑化トルクTs2の関係からカント(路面の傾斜)での走行を判定し、車両の横流れを補正している。
特開2007−22169号公報 特開2008−207775号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に示される方法は、路面の傾斜(カント)による横流れを補正することはできるが、車両の経年劣化などによるホイールアライメント変化による横流れの補正を行うことができない問題がある。また、特許文献1に記載の方法にあっては、ナビゲーションや横加速度センサなどの装置やセンサからの信号処理が必要となり、コストアップとなり、車両の装備状況によっては補正できない車両がある。特許文献2に記載の方法では、車両が平坦な路面を走行してからカントを走行することを前提としているので、最初からカントを走行する場合には、横流れの補正ができなくなる恐れがある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、既存のセンサを用いることによりコストアップすることなく、ステアリング機構に付加している作用力を検出することにより、いかなる走行状態においても正確に車両の横流れを検出して電流指令値を補正し、より安全で快適な直進走行が可能な電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、車両の操舵トルク及び車速に基づいてステアリング機構に操舵補助力を付与するモータの電流指令値を演算し、フィードバック制御で前記モータを駆動制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、前記ステアリング機構に付加する作用力を検出する作用力検出手段と、前記ステアリング機構の回転角度を検出する回転角度検出手段と、前記作用力、前記回転角度及び前記車速に基づいて前記車両の走行状態を判定すると共に、前記走行状態の判定結果と前記作用力に基づいてモータ電流補正値を算出し、前記モータ電流補正値によって前記電流指令値を補正するモータ電流補正値算出部とを設け、前記走行状態の判定が、前記車速がしきい値1以上で、且つ前記回転角度の絶対値がしきい値2以下で、且つ前記作用力の絶対値がしきい値3以下で、所定時間を経過したときに前記車両が直進走行状態と判定し、前記直進走行状態に従って前記モータ電流補正値を算出するようになっており、前記モータ電流補正値算出部が、前記車速が大きいときに前記モータ電流補正値を大きく算出するようになっていると共に、前記車両が直進走行状態から離れたときに、前記モータ電流補正値を前記回転角度及び前記作用力によってゼロにリセットするようになっていることにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記ステアリング機構が受けている作用力がセルフアライニングトルクであることにより、或いは前記セルフアライニングトルクは、前記ステアリング機構が備えているSATセンサによって検出されることにより、或いは前記セルフアライニングトルクは、前記操舵トルク、前記電流指令値、前記モータの回転角速度及び角加速度を入力として推定されるSAT推定値であることにより、或いは前記作用力が前記操舵トルクであることにより、或いは前記回転角度検出手段が前記ステアリング機構に備えられている角度センサであることにより、或いは前記回転角度検出手段が角度推定手段であることにより、或いは前記モータ電流補正値のリセットは、前記回転角度が大きいときに早くリセットし、前記作用力が大きいときに早くリセットするようになっていることにより、或いは前記車両がオートクルーズコントロールの機能を具備しており、オートクルーズスイッチがONされたときに前記モータ電流補正値を算出して前記電流指令値を補正するようになっていることにより、より効果的に達成される。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、既存のセンサを用いてステアリング機構に付加している作用力を検出するようになっているのでコストアップすることなく、しかもいかなる走行状態においても正確に車両の横流れを検出してモータ電流補正値を算出して補正しているので、路面の傾斜とホイールアライメントの変化による横流れを共に補正することができる。路面の傾斜とホイールアライメントの変化による横流れを共に補正することから、より安全で快適な直進走行が可能な電動パワーステアリング装置を提供することができる。また、オートクルーズコントロール機能を具備した車両にも対応できる利点がある。
一般的なステアリン機構を示す構成図である。 従来の制御装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第1実施例の構成を示すブロック図である。 路面からステアリングまでの間に発生するトルクの様子を示す模式図である。 第1実施例の直進判定部の構成例を示すブロック図である。 ゲイン部(車速感応)のゲイン特性例を示す特性図である。 リセットゲイン部(回転角度・SAT感応)のゲイン特性例を示す特性図である。 本発明の動作例(第1実施例)を示すフローチャートである。 本発明の第2実施例の構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施例の構成を示すブロック図である。 第3実施例の直進判定部の構成例を示すブロック図である。 本発明の動作例(第3実施例)を示すフローチャートである。
本発明は、車両の操舵トルク及び車速に基づいてステアリング機構に操舵補助力を付与するモータの電流指令値を演算し、フィードバック制御でモータを駆動制御する電動パワーステアリング装置に関するものであり、ステアリング機構に付加する作用力(セルフアライニングトルク(SAT)や操舵トルク、コラム軸の反力など)を検出する作用力検出手段と、ステアリング機構の回転角度(舵角)を検出する回転角度検出手段と、作用力、回転角度及び車速に基づいて車両の走行状態を判定すると共に、走行状態の判定結果と作用力に基づいてモータ電流補正値を算出し、算出されたモータ電流補正値によって電流指令値を補正するモータ電流補正値算出部とを設け、モータ電流補正値で補正された電流指令値でモータを駆動制御している。
このように本発明によれば、作用力検出手段と、回転角度検出手段と、モータ電流補正値算出部とによりモータ電流補正値を算出しているので、路面の傾斜とホイールアライメントの変化による横流れを共に補正することができ、しかも、いかなる場合においても正確に車両の横流れを検出して補正することができ、より安全で快適な直進走行が可能な電動パワーステアリング装置を実現することができる。
以下に、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図3は本発明の構成例(第1実施例)を図2に対応させて示しており、本発明では、車両の横流れを防止する制御を実行するモータ電流補正値算出部100を設けると共に、ステアリング機構に付加する作用力としてのセルフアライニングトルク(SAT)を推定するSAT推定部200と、推定されたSAT推定値SATaをフィードバックして補償するためのSATフィードバック補償部210とを設けている。また、モータ20にはレゾルバやエンコーダ等の回転センサ40が結合されており、回転センサ40で検出された回転角度(舵角)θはモータ電流補正値算出部100に入力されると共に角速度検出部41に入力され、角速度検出部41で検出された角速度ωはSAT推定部200に入力されると共に角加速度検出部42に入力され、角加速度検出部42で検出された角加速度ωはSAT推定部200に入力される。
SAT推定部200は操舵トルクT、電流指令値I2、角速度ω及び角加速度ωに基づいてSATを推定するようになっており、推定されたSAT値SATaはモータ電流補正値算出部100に入力されると共にSATフィードバック補償部210に入力され、SATフィードバック補償部210で信号処理されたSAT値SATbが減算部33Eに入力されてフィードバックされている。
先ずSAT推定部200について説明する。路面からステアリングまでの間に発生するトルクの様子を図4に示して説明する。ドライバがハンドル1を操舵することによって操舵トルクTが発生し、その操舵トルク(トルク信号)Tに従ってモータ20がアシストトルクTmを発生する。その結果、車輪が転舵され、反力としてSATが発生する。また、その際、モータ20の慣性J及び摩擦(静摩擦)Frによってハンドル操舵の抵抗となるトルクが生じる。これらの力の釣り合いを考えると、下記数1のような運動方程式が得られる。
(数1)
J・ω*+Fr・sign(ω)+SAT=Tm+T

ここで、上記数1を初期値ゼロとしてラプラス変換し、SATについて解くと下記数2が得られる。
(数2)
SAT(s)=Tm(s)+T(s)−J・ω*(s)−Fr・sign(ω(s))

上記数2から分るように、モータ20の慣性J及び静摩擦Frを定数として予め求めておくことで、モータ回転角速度(以下、単に「角速度」とする)ω、回転角加速度(以下、単に「角加速度」とする)ω、アシストトルクTm及び操舵トルクTよりSATを推定することができる。かかる理由より、SAT推定部200には操舵トルクT、角速度ω、角加速度ω、電流指令値I2がそれぞれ入力されている。
また、SAT推定部200で推定したSAT推定値SATaをそのままフィードバックした場合、ステアリングが重くなり過ぎるため、操舵感覚を向上することはできない。そのため、SATフィードバック補償部210では、車速感応ゲインと周波数特性を有するフィードバックフィルタを用いてSAT推定値SATaを信号処理し、操舵感覚を向上するのに必要十分な情報のみをフィードバックする。即ち、SATフィードバック補償部210で信号処理されたSATフィードバック信号SATbは減算部33Eに入力されて、微分補償部35で微分補償された操舵トルクTaから減算してその差分を加算部33Cに入力する。
なお、本例ではSATの値を推定手段(SAT推定部200)で求めているが、SATセンサを設けて検出するようにしても良い。また、車速Vは車速センサ12から求めても、CAN(Control Area Network)や推定手段から取得しても良い。
次に、モータ電流補正値算出部100について説明する。
モータ電流補正値算出部100は、車速V、回転角度θ及びSAT推定値SATaに基づいて車両の直進を判定する直進判定部110を有し、直進判定部110からの判定信号Flgはスイッチ120に入力されて接点120a及び120bを切り替えるようになっている。スイッチ120の接点120aには、ゲイン部101でSAT推定値SATaをゲインK倍した信号が入力されており、直進判定部110が車両の直進を判定したときに判定信号Flgは「1」になり、スイッチ120の接点は接点120aに切り替えられるようになっている。
直進判定部110の構成は例えば図5に示すようになっており、車速Vはしきい値Vthと比較する比較部113に入力され、回転角度θは絶対値部111で絶対値化されて後にしきい値θthと比較する比較部114に入力され、SAT推定値SATaは絶対値部112で絶対値化されて後にしきい値SATthと比較する比較部115に入力される。比較部113〜115の比較結果は判定部116で判定され、比較部113〜115の比較結果が全て条件を満たしている場合には判定部116は直進信号YSを出力し、直進信号YSによって計時カウンタ117をカウントアップし、その計数値Cntはしきい値C1と比較する比較部118に入力される。比較部118の比較結果RCは判定信号出力部119に入力される。一方、比較部113〜115の比較結果の少なくとも1つが条件を満たさない場合には判定部116は非直進信号NSを出力し、非直進信号NSは計時カウンタ117をリセットすると共に判定信号出力部119に入力される。判定信号出力部119は非直進信号NS及び比較結果RCに基づいて判定信号Flgを出力する。
また、モータ電流補正値算出部100は、SAT推定値SATa及び回転角度θに感応してリセットゲインRGを出力するリセットゲイン部130、車速Vに感応して車速ゲインVGを出力するゲイン部140を有しており、リセットゲインRGは乗算部102に入力され、乗算結果MRがスイッチ120の接点120bに入力される。直進判定部110が車両の直進を判定しないときには判定信号Flgは「0」であり、スイッチ120の接点が接点120bに切り替えられる。
スイッチ120の出力は加算部103に入力され、その加算結果がリミッタ104に入力されると共に、1サンプリング前の値を記憶して保持するメモリユニット105に入力され、メモリユニット105からの1サンプリング前の値が加算部103に入力されて加算されると共に、反転部106で符号を反転されて乗算部102に入力される。乗算部102でのリセットゲインRGとの乗算結果MRがスイッチ120の接点120bに入力される。リミッタ104で制限された信号が乗算部107に入力され、車速ゲインVGとの乗算結果をモータ電流補正値MCとして出力し、加算部33Fに入力して電流指令値I2を補正する。
図6は車速感応型のゲイン部140のゲイン特性例を示しており、車速Vが小さい領域では車速ゲインVGは0であり、車速Vが車速V1以上になると増加し、車速V2(>V1)以上では車速ゲインVGは「1」で一定になっている。また、図7は回転角度・SAT感応型のリセットゲイン部130のゲイン特性例を示しており、回転角度θ及びSAT推定値SATaのいずれが大きくなっても、リセットゲインRGが大きくなる出力ゲイン特性になっている。
このような構成において、その動作例を図8のフローチャートを参照して説明する。
動作がスタートすると直進判定部110は先ず車速V、回転角度θ及びSAT推定値SATaのデータを読み込むが(ステップS1)、その前にSAT推定部200は操舵トルクT、電流指令値I2、角速度ω及び角加速度ωに基づいてSAT推定値SATaを推定している。SAT推定値SATaは直進判定部110に入力されると共に、リセットゲイン部130、ゲイン部10及びSATフィードバック補償部210に入力される。
直進判定部110に読み込まれた車速Vは比較部113に入力され、比較部113で車速Vがしきい値Vth以上であるか否かを判定し(ステップS2)、車速Vがしきい値Vth以上の場合には、絶対値部111で絶対値化された回転角度θの絶対値|θ|がしきい値θth以下であるか否かを判定し(ステップS3)、回転角度θの絶対値|θ|がしきい値θth以下であれば更に、絶対値部112で絶対値化されたSAT推定値SATaの絶対値|SATa|がしきい値SATth以下であるか否かを判定する(ステップS4)。車速Vが高い状態は直進状態を精度良く検出でき、直進状態では一般的に回転角度とSATが小さいことに基づく判定である。
比較部113〜115の比較結果は判定部116に入力されており、上記全ての条件が満たされたときに判定部116は直進信号YSを出力し、時間経過を計測する計時カウンタ117の計数値Cntを「+1」し(ステップS5)、次に計数値Cntがしきい値C1より大きくなったか否か、つまり所定時間を経過したか否かを比較部118で判定する(ステップS6)。計数値Cntがしきい値C1より大きくなり所定時間を経過した場合には、比較部118は比較結果RCを判定信号出力部119に入力し、判定信号出力部119は判定信号Flgを「1」とし(ステップS7)、スイッチ120の接点を120aに切り替える。これにより、SAT推定値SATaをゲイン部101でK倍した信号がスイッチ120を経て加算部103に入力され、リミッタ104で最大値を制限されて乗算部107で車速ゲインVGと乗算され、モータ電流補正値MCが算出されて加算部33Fで電流指令値I2を補正し、リターンする。
路面の傾斜などにより直進走行感(オンセンター感)の低下が発生し、タイヤが向きを変えようとして反力(SAT)が発生し、ハンドルが取られるが、本発明の上記補正によれば、反力(SAT)によって直進走行感低下状態を検出して電流指令値を補正しているので、ハンドル取られを自動的に補正することができる。
一方、上記ステップS2において、車速Vがしきい値Vthより小さい場合、或いは上記ステップS3において、回転角度θの絶対値|θ|がしきい値θthより大きい場合、或いは上記ステップS4において、SAT推定値SATaの絶対値|SATa|がしきい値SATthより大きい場合には、判定部116は非直進信号NSを出力して計時カウンタ117及び判定信号出力部119に入力する。これにより、計時カウンタ117の計数値Cntが0にリセットされると共に、判定信号出力部119から出力される判定信号Flgが「0」にされ、スイッチ120の接点が接点120bに切り替えられる(ステップS8)。この切り替えにより、メモリユニット105の1サンプリング前のデータが反転部106で符号反転されて乗算部102に入力され、リセットゲイン部130で図7に示す特性で設定されたリセットゲインRGを乗算された乗算結果MRがスイッチ120を経て加算部103に入力され、リミッタ104で最大値を制限されて乗算部107で車速ゲインVGと乗算され、モータ電流補正値MCが算出されて加算部33Fで電流指令値I2を補正し、リターンする。
この場合、直進状態から離れ、電流補正値は徐々にゼロまで低下し、最終的に補正はなくなる。
なお、上記ステップS2〜S4の順番は任意であり、適宜変更可能である。
次に、本発明の第2実施例を図9に示して説明する。
本実施例では、ステアリング機構に付加する作用力として操舵トルクTを用いており、SATの推定若しくは検出は行わない。即ち、モータ電流補正値算出部100Aの直進判定部110には、車速V、回転角度θ及び操舵トルクTが入力され、リセットゲイン部130には回転角度θ及び操舵トルクTが入力されており、その他の構成は第1実施例のモータ電流補正値算出部100と同一である。SATの推定若しくは検出を行う必要がないため、構成がより簡易である。
モータ電流補正値算出部100Aの動作は、SAT推定値SATaの代わりに操舵トルクTを使用していることのみが第1実施例のモータ電流補正値算出部100と相違しており、その他の動作は全く同一であり、直進判定部110の判定信号Flgに従ってモータ電流補正値MCを算出して電流指令値I2を補正する。これにより、上記第1実施例と同様な効果が得られる。
次に、本発明の第3実施例を図10に示して説明する。
本実施例は、ステアリング機構に付加する作用力としてSATの推定値SATaを用いており、第1実施例と相違することは、直進判定部110Aにオートクルーズスイッチ13からのスイッチ信号ACが入力されている点のみであり、その他は全く同一である。モータ電流補正値算出部100Bの直進判定部110Aには、車速V、回転角度θ、操舵トルクTと共にスイッチ信号ACが入力されており、その構成は例えば図11に示すようになっている。即ち、直進判定部110Aの入力部には、スイッチ信号ACによってスイッチ110−1A〜110−1Cが連動してON/OFFされる連動スイッチ110−1が設けられており、スイッチ110−1Aには車速Vが入力し、スイッチ110−1Bには回転角度θが入力し、スイッチ110−1CにはSAT推定値SATaが入力している。
図12は第3実施例の動作例を示しており、オートクルーズスイッチ13からのスイッチ信号ACがONになった場合(ステップS10)、連動スイッチ110−1のスイッチ110−1A〜110−1Cが連動してONになり、車速V、回転角度θ及びSAT推定値SATaが直進判定部110に読み込まれる(ステップS11)。その後の動作は図8の場合と全く同一である。
本実施例の場合、オートクルーズコントロール時(スイッチ信号ACがON)に電流指令値I2を補正するので、車速Vのしきい値Vthをより小さく設定でき、回転角度θのしきい値θthをより大きく設定でき、SAT推定値SATaのしきい値SATthをより大きく設定できる。また、ゲイン部101のゲインKを大きく設定すると早く補正でき、学習の速度を早くできる利点がある。
1 ハンドル
2 コラム軸
3 減速ギア
10 トルクセンサ
11 イグニションキー
12 車速センサ
13 オートクルーズスイッチ
20 モータ
21 PI制御部
22 PWM制御部
23 インバータ
24 モータ電流検出器
30 コントロールユニット
31 操舵補助指令値演算部
32 位相補償部
34 最大値制限部
40 回転センサ
41 角速度検出部
42 角加速度検出部
100、100A、100B モータ電流補正値算出部
101 ゲイン部
104 リミッタ
110、110A 直進判定部
110−1 連動スイッチ
120 スイッチ
130 リセットゲイン部
200 SAT推定部
210 SATフィードバック補償部

Claims (9)

  1. 車両の操舵トルク及び車速に基づいてステアリング機構に操舵補助力を付与するモータの電流指令値を演算し、フィードバック制御で前記モータを駆動制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記ステアリング機構に付加する作用力を検出する作用力検出手段と、
    前記ステアリング機構の回転角度を検出する回転角度検出手段と、
    前記作用力、前記回転角度及び前記車速に基づいて前記車両の走行状態を判定すると共に、前記走行状態の判定結果と前記作用力に基づいてモータ電流補正値を算出し、前記モータ電流補正値によって前記電流指令値を補正するモータ電流補正値算出部と、
    を具備し、
    前記走行状態の判定が、前記車速がしきい値1以上で、且つ前記回転角度の絶対値がしきい値2以下で、且つ前記作用力の絶対値がしきい値3以下で、所定時間を経過したときに前記車両が直進走行状態と判定し、前記直進走行状態に従って前記モータ電流補正値を算出するようになっており、
    前記モータ電流補正値算出部が、前記車速が大きいときに前記モータ電流補正値を大きく算出するようになっていると共に、前記車両が直進走行状態から離れたときに、前記モータ電流補正値を前記回転角度及び前記作用力によってゼロにリセットするようになっていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記ステアリング機構が受けている作用力がセルフアライニングトルクである請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記セルフアライニングトルクは、前記ステアリング機構が備えているSATセンサによって検出される請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記セルフアライニングトルクは、前記操舵トルク、前記電流指令値、前記モータの回転角速度及び角加速度を入力として推定されるSAT推定値である請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記作用力が前記操舵トルクである請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記回転角度検出手段が前記ステアリング機構に備えられている角度センサである請求項1乃至のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記回転角度検出手段が角度推定手段である請求項1乃至のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記モータ電流補正値のリセットは、前記回転角度が大きいときに早くリセットし、前記作用力が大きいときに早くリセットするようになっている請求項1乃至7のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 前記車両がオートクルーズコントロールの機能を具備しており、オートクルーズスイッチがONされたときに前記モータ電流補正値を算出して前記電流指令値を補正するようになっている請求項1乃至のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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