JP3652189B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動モータを駆動源として、車両に搭載されたステアリング機構の操舵補助を行う電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両のステアリング機構に電動モータが発生するトルクを伝達することにより、操舵の補助を行う電動パワーステアリング装置が用いられている。このような電動パワーステアリング装置においては、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクを検出するためのトルクセンサが備えられており、このトルクセンサからの出力信号に基づくトルク検出値などに応じて定められた目標電流に基づいて、電動モータが制御されるようになっている。したがって、トルクセンサに故障などの異常が生じると、目標電流がステアリングホイールに加えられた操舵トルクに応じた値に設定されず、ステアリングホイールの操作と無関係な操舵補助が行われるおそれがある。
【0003】
そこで、上述のような電動パワーステアリング装置においては、トルクセンサの異常(フェイル)を検出することができる構成がとられている。すなわち、従来の電動パワーステアリング装置においては、メインおよびサブの2個のトルクセンサが設けられており、マイクロコンピュータによってメインのトルクセンサの出力信号とサブのトルクセンサの出力信号とを比較し、その比較結果に基づいてメインまたはサブのトルクセンサに異常が生じているか否かを判断している。そして、メインおよびサブのトルクセンサのいずれにも異常が生じていない場合には、上記マイクロコンピュータが、メインのトルクセンサの出力信号に基づいて目標電流を定め、電動モータに流れる電流を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の電動パワーステアリング装置では、メインのトルクセンサの出力信号をマイクロコンピュータに入力するための回路と、サブのトルクセンサの出力信号をマイクロコンピュータに入力するための回路とが別々に必要である。したがって、トルクセンサの異常を検出するためにコストが高くついていた。
【0005】
また、従来の電動パワーステアリング装置では、トルクセンサの異常が検出されると、ステアリングホイールの操作と無関係な操舵補助が行われることを防止するために、電動モータへの電流の供給が直ちに停止されるようになっている。このため、ステアリングホイールが急激に重くなり、操舵フィーリングが著しく低下するというおそれがあった。
そこで、この発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、安価な構成でトルクセンサの異常を良好に検出できる電動パワーステアリング装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、トルクセンサの異常発生時に操作手段の操作に応じた操舵補助を行うことができる電動パワーステアリング装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、トルクセンサの異常発生時における操舵フィーリングを向上できる電動パワーステアリング装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、電動モータを駆動源とし、車両に搭載されたステアリング機構に操作手段の操作に応じた操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、電動モータに流れるモータ電流を検出し、その検出したモータ電流に対応した信号を出力する電流検出手段と、操作手段に加えられた操舵トルクを検出し、その検出した操舵トルクに対応した信号を出力するトルクセンサと、上記電流検出手段からの出力信号に基づくモータ電流検出値が予め定める電流値以上であり、かつ、上記トルクセンサからの出力信号に基づくトルク検出値が予め定めるトルク値以上である場合に、上記トルクセンサに異常が生じていると判断する異常判断手段とを含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0008】
トルクセンサが正常である場合、電動モータを流れるモータ電流が増加してステアリング機構の操舵補助が行われると、操作手段に加わる操舵トルクが小さくなるから、この操舵トルクを検出するトルクセンサからの出力信号に基づくトルク検出値は小さくなる。したがって、電流検出手段からの出力信号に基づくモータ電流検出値が増大したにもかかわらず、トルクセンサからの出力信号に基づくトルク検出値が大きいままである場合には、トルクセンサに異常が生じているおそれがあると判断できる。
【0009】
そこで、この発明では、モータ電流検出値およびトルク検出値に基づいて、トルクセンサに異常が生じているか否かが判断される。したがって、モータ制御に必要なトルクセンサとは別にトルクセンサを要することなく、モータ制御に必要なトルクセンサの異常を検出することができるから、トルクセンサの異常検出のために2個のトルクセンサを備えた従来の電動パワーステアリング装置と比較してコストを下げることができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記トルクセンサからの出力信号に基づくトルク検出値に応じて電動モータの目標電流値を定め、この目標電流値に基づいて電動モータを制御するモータ制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置である。
この発明によれば、具体的に、トルク検出値に応じて電動モータの目標電流値が定められ、この定められた目標電流値に基づいて電動モータが制御される。
【0011】
請求項3記載の発明は、上記操作手段の操作量を検出し、その検出した操作量に対応した信号を出力する操作量検出手段と、上記異常判断手段によって上記トルクセンサに異常が生じていると判断された場合に、上記モータ制御手段によるトルク検出値に基づく電動モータの制御に代えて、上記操作量検出手段からの出力信号に基づく操作量検出値に応じて電動モータの目標電流値を定め、この目標電流値に基づいて電動モータを制御する異常時制御手段とをさらに含むことを特徴とする請求項2記載の電動パワーステアリング装置である。
【0012】
この発明によれば、トルクセンサに異常が生じていると判断された場合には、操作量検出手段からの出力信号に基づく操作量検出値に基づいて目標電流値が設定され、この目標電流値に基づいてモータ制御が行われる。これにより、トルクセンサの異常発生時であっても、ステアリングホイールの操作に応じた操舵補助を行うことができる。
請求項4記載の発明は、上記電動パワーステアリング装置は、上記モータ制御手段による制御から上記異常時制御手段による制御への移行時において、電動モータへの供給電流を上記異常時制御手段によって定められた目標電流値まで漸次変化させる移行時制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項3記載の電動パワーステアリング装置である。
【0013】
この発明によれば、トルクセンサの異常発生直後は、モータへの供給電流が異常時制御手段によって定められた目標電流値まで漸次変化させられるので、トルクセンサの異常発生時における操舵補助力の急激な変化を防止でき、操舵フィーリングの向上を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成をステアリング機構の断面構造とともに示すブロック図である。ステアリング機構1は、車幅方向に沿って配置されたラック11と、このラック11にギアボックス17内において噛合するピニオン部を先端に有するピニオン軸12と、ラック11の両端に回動自在に結合されたタイロッド13と、このタイロッド13の先端に回動自在に結合されたナックルアーム14とを備えている。ナックルアーム14は、キングピン15まわりに回動自在に設けられており、このナックルアーム14に操舵輪16が取り付けられている。
【0015】
ピニオン軸12の基端部は、ユニバーサルジョイントを介してステアリング軸に結合されており、このステアリング軸の一端には、操作手段としてのステアリングホイールが固定されている。この構成により、ステアリングホイールを回転させることによって、ラック11がその長手方向に変位し、ナックルアーム14がキングピン15まわりに回動して、操舵輪16の方向が変化する。
電動パワーステアリング装置2は、ラック11の途中部に関連して設けられた三相ブラシレスモータMを有している。モータMは、車両に固定されたケース21を備えており、このケース21内には、ラック11を取り囲むようにロータ22が配置され、さらに、ロータ22を取り囲むようにステータ23が配置されている。
【0016】
ロータ22の一端部には、ボールナット31が連結されている。このボールナット31は、ラック11の途中部に形成されたねじ軸部32に複数個のボールを介して螺合していて、これによりボールねじ機構30が形成されている。また、ボールナット31とモータMのケース21との間には、軸受け33,34が介装されており、ケース21とロータ22の他端部付近との間には、軸受け35が介装されている。この構成により、モータMへの通電が行われて、ロータ22にトルクが与えられると、その与えられたトルクは、ロータ22に連結されたボールナット31に伝達される。ボールナット31に伝達されたトルクは、ボールねじ機構30によってラック11の車幅方向への駆動力に変換される。こうして、モータMから発生する力がステアリング機構1に与えられる。
【0017】
操舵補助力の大きさは、モータMの駆動電流を制御することによって調整される。モータMの駆動電流は、コントローラ40によりモータドライバ50を介して制御されるようになっている。コントローラ40には、ステアリングホイールの操舵角を検出するための舵角センサ61、車速を検出するための車速センサ62、操舵トルクを検出するためのトルクセンサ63と、モータMの回転角を検出するためのモータ回転角センサ64、およびモータMに流れるモータ電流の大きさを検出するためのモータ電流検出回路70の出力信号が入力されている。コントローラ40は、上記各出力信号に基づいて目標電流値を求め、この目標電流値に基づいてモータドライバ50を制御し、これにより、モータMの各相に流れる電流を制御する。
【0018】
舵角センサ61は、たとえば、ステアリングホイールに関連して設けられており、ステアリングホイールが一定角度だけ回転される度にパルス信号を出力するものである。したがって、舵角センサ61から出力されるパルス信号数を計数することによって、ステアリングホイールの操舵角を求めることができる。
車速センサ62は、たとえば、車輪に関連して設けられ、車輪の回転速度に対応した周期でパルス信号を出力する車輪速センサによって実現される。この場合、パルス信号の周期または周波数を計測することによって、車両の速さである車速を求めることができる。
【0019】
トルクセンサ63は、ピニオン軸12をステアリングホイール側の入力軸とラック11側の出力軸とに分割しておき、入力軸と出力軸との間をトーションバーで結合するとともに、このトーションバーのねじれ量を検出する構成によって実現される。つまり、ステアリングホイールに加えられたトルクとトーションバーのねじれ量が一対一に対応するので、このねじれ量をポテンショメータなどの適当な検出機構で検出することによって操舵トルクを検出できる。
【0020】
モータ回転角センサ64は、ロータリエンコーダなどで構成され、ロータ22に関連して設けられている。ロータリエンコーダから出力されるパルス信号に基づいて、ロータ22の回転位置、つまりモータMの回転角を検出することができる。
図2は、コントローラ40、モータドライバ50およびモータ電流検出回路70の構成を示すブロック図である。コントローラ40は、たとえばCPU、RAMおよびROMを含むマイクロコンピュータで構成されており、この図2には、その機能がブロックで示されている。
【0021】
コントローラ40は、トルクセンサ63およびモータ電流検出回路70の出力に基づいてトルクセンサ63が正常であるか否かを判断するトルクセンサ診断部41と、舵角センサ61、車速センサ62およびトルクセンサ63の出力に基づいて目標電流値を演算する目標電流演算部42と、この目標電流演算部42およびモータ回転角センサ64の出力信号に基づいて三相分相処理を行う三相分相処理部43とを備えている。
【0022】
トルクセンサ診断部41の判断結果は、目標電流演算部42に与えられている。目標電流演算部42は、トルクセンサ診断部41によってトルクセンサ63が正常であると判断された場合には、車速センサ62およびトルクセンサ63の出力信号に基づいて目標電流値を演算する。一方、トルクセンサ63に異常が生じていると判断された場合には、舵角センサ61および車速センサ62の出力信号に基づいて目標電流値を演算する。
【0023】
目標電流演算部42で求められた目標電流値は、三相分相処理部43に与えられている。三相分相処理部43は、目標電流演算部42から与えられる目標電流値に対して三相分相処理を施し、モータMの回転角に応じたモータ各相(U相、V相、W相)の目標電流値を求める。
三相分相処理部43で求められたU相目標電流値、V相目標電流値およびW相目標電流値は、それぞれ減算部44U,44V,44Wに与えられている。これらの減算部44U,44V,44Wにはまた、モータ電流検出回路70が検出したモータMのU相、V相、W相に流れるモータ電流値が与えられている。減算部44U,44V,44Wは、モータ各相について各相目標電流値とモータ電流値との差を演算して、その演算結果を、それぞれU相PI(Proportional-Integral)制御部45U、V相PI制御部45VおよびW相PI制御部45Wに与える。
【0024】
PI制御部45U,45V,45Wは、それぞれ減算部44U,44V,44Wからの出力に基づいてPI演算を行う。このPI演算の結果は、U相PWM(Pulse Width Modulation)制御部46U、V相PWM制御部46VおよびW相PWM制御部46Wに与えられる。PWM制御部46U,46V,46Wは、それぞれPI演算結果に対応したPWM制御信号を作成し、その作成したPWM制御信号をモータドライバ50に向けて出力する。
【0025】
モータドライバ50は、FET(Field-Effect Transistor) 51U,52Uの直列回路と、FET51V,52Vの直列回路と、FET51W,52Wの直列回路とを並列に接続して構成されており、各直列回路には、車両に搭載されたバッテリからの電圧(たとえば12ボルト)が印加されている。そして、FET51U,52U間の接続点53UがモータMのU相巻線に接続され、FET51V,52V間の接続点53VがモータMのV相巻線に接続され、FET51W,52W間の接続点53WがモータMのW相巻線に接続されている。PWM制御部46U,46V,46WからのPWM制御信号は、それぞれFET51U,52U、FET51V,52VおよびFET51W,52Wに入力されている。
【0026】
モータ電流検出回路70は、たとえばホール素子を用いた変流器71U,71V,71Wを備えている。変流器71U,71V,71Wは、それぞれ接続点53U,53V,53WからモータMの各相巻線に向けて流れるモータ電流を検出できるように配設されている。変流器71U,71V,71Wの出力は、それぞれ増幅器(Amp)72U,72V,72Wで増幅された後に、トルクセンサ診断部41および減算部44U,44V,44Wに与えられている。
【0027】
図3は、コントローラ40の動作を説明するためのフローチャートである。コントローラ40は、イグニッションスイッチがオンにされると、まず、初期設定などを含む初期化処理を行い、バッテリからの電力供給をオン/オフするリレーを導通状態にする。
続いて、コントローラ40は、舵角センサ61、車速センサ62、トルクセンサ63、モータ回転角センサ64およびモータ電流検出回路70の各検出信号を取り込み、各検出信号に基づいて、操舵角検出値、車速検出値、トルク検出値、モータ回転角検出値およびモータ電流検出値を取得する(ステップS1,S2,S3,S4,S5)。そして、トルクセンサ診断処理を行い、操舵トルク検出値およびモータ電流検出値に基づいてトルクセンサ63が正常であるか否かを判断する(ステップS6)。
【0028】
次に、トルクセンサ診断処理の結果に応じて、操舵角検出値および車速検出値、または、トルク検出値または車速検出値に基づいて目標電流値を演算する(ステップS7)。目標電流値が定まると、コントローラ40は、その目標電流値に対して三相分相処理を行い、モータMの回転角に応じたモータ各相の目標電流値を演算する(ステップS8)。そして、各相目標電流値とモータ電流検出回路70の出力信号から取得した各相モータ電流値との偏差に基づいてPI演算を行い(ステップS9)、さらにPI演算の結果に対応したPWM制御信号を作成し、その作成したPWM制御信号をモータドライバ50に向けて出力する(ステップS10)。
【0029】
その後、コントローラ40は、車両のイグニッションスイッチがオフされたか否かを判断し(ステップS11)、イグニッションスイッチがオンのままであればステップS1に戻って、上述したステップS1以降の処理を行い、イグニッションスイッチがオフにされると処理を終了する。
図4は、コントローラ40(トルクセンサ診断部41)によって実行されるトルクセンサ診断処理の流れを示すフローチャートである。トルクセンサ診断処理では、まず、モータ電流検出回路70からの出力信号に基づく各相モータ電流検出値が既定値Ix以上であるか否かが判断される(ステップS61)。そして、たとえば、モータMのU相、V相およびW相についてのモータ電流検出値の少なくとも1つが規定値Ix以上であれば、トルクセンサ63からの出力信号に基づくトルク検出値が規定値Tx以上であるか否かが判断される(ステップS62)。
【0030】
トルクセンサ63が正常である場合、モータMを流れるモータ電流が増加してモータMから発生する操舵補助力が増大し、この増大した操舵補助力によりステアリング機構1(図1参照)の操舵補助が行われると、ピニオン軸12のステアリングホイール側の入力軸とラック11側の出力軸との間に介在したトーションバーのねじれ量が小さくなるから、このトーションバーのねじれ量を検出するトルクセンサ63からの出力信号に基づくトルク検出値は小さくなる。したがって、モータ電流検出回路70からの出力信号に基づくモータ電流検出値が増大したにもかかわらず、トルクセンサ63からの出力信号に基づくトルク検出値が大きいままである場合には、トルクセンサ63に異常が生じているおそれがあると判断できる。
【0031】
そこで、モータ電流検出値が既定値Ix以上であり、かつ、トルク検出値が規定値Tx以上である場合には(ステップS62でYES)、トルクセンサ63に異常が生じているおそれがあると判断されて、たとえばコントローラ40を構成するマイクロコンピュータのRAM内に設けたカウンタのカウント値Cがインクリメント(+1)される(ステップS63)。このカウンタのカウント値Cは、このトルクセンサ診断処理の開始時に「0」にリセットされており、このときカウント値Cは「1」となる。
【0032】
続いて、上記カウンタのカウント値Cが予め定める値N(N:自然数)に達したか否かが判断される(ステップS64)。そして、カウント値Cが予め定める値Nに達していない場合には、ステップS61へと戻り、モータ電流の大きさが既定値Ix以上であるか否かの判断が再び行われる。
モータ電流検出回路70からの出力信号に基づくモータ電流検出値が既定値Ix以上であり、かつ、トルクセンサ63からの出力信号に基づくトルク検出値が規定値Tx以上であるとの判断がN回連続して行われ、上記カウンタのカウント値Cが予め定める値Nに達すると、コントローラ40によってトルクセンサ63に異常が生じていると判断される(ステップS65)。そして、このトルクセンサ診断処理が終了する。
【0033】
一方、モータ電流検出回路70からの出力信号に基づくモータ電流検出値が既定値Ix未満である場合(ステップS61でNO)、または、モータ電流検出値は規定値Ix以上であるが、トルクセンサ63からの出力信号に基づくトルク検出値が規定値Tx未満である場合(ステップS62でNO)には、コントローラ40によってトルクセンサ63は正常(フェイル解除)であると判断される(ステップS66)。そして、上記カウンタのカウント値Cが「0」にリセットされて、このトルクセンサ診断処理が終了する。
【0034】
上述のように、この実施形態に係る電動パワーステアリング装置では、モータ電流検出値およびトルク検出値に基づいて、トルクセンサ63に異常が生じているか否かが判断されるようになっている。したがって、トルクセンサ63の異常検出のために、トルクセンサ63とは別のトルクセンサや、このトルクセンサの出力信号をコントローラ40に与えるための回路を必要としないから、2個のトルクセンサを備えた従来の電動パワーステアリング装置と比較してコストを下げることができる。
【0035】
図5は、コントローラ40(目標電流演算部42)が目標電流値を設定するために参照するマップを示す図であり、(a)はトルク検出値に基づいて目標電流値を設定する際に参照するトルク−モータ電流マップを示し、(b)は操舵角検出値に基づいて目標電流値を設定する際に参照する操舵角−モータ電流マップを示している。
コントローラ40は、トルクセンサ診断処理でトルクセンサ63が正常であると判断された場合には、図5(a)に示すトルク−モータ電流マップを参照して、車速センサ62およびトルクセンサ63の出力信号に基づいて目標電流値を決定する。すなわち、車速域V1,V2,V3(V1>V2>V3)ごとに異なるトルク−モータ電流マップが用意されており、車速センサ62の出力信号に基づいて、いずれか1つのマップが選択される。そして、いずれのトルク−モータ電流マップが参照された場合であっても、トルクセンサ63からの出力信号に基づくトルク検出値が予め定める下限値T1以下であれば目標電流値は零に設定され、トルク検出値が予め定める上限値T2以上であれば目標電流値は一定値に設定され、トルク検出値が下限値T1より大きく上限値T2よりも小さい範囲内にあれば、トルク検出値が大きいほど目標電流値が大きく設定される。
【0036】
コントローラ40は、こうしてトルク−モータ電流マップに従って設定した目標電流値に基づき、モータドライバ50を制御して、モータMの各相に流れる電流を制御する。これにより、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクの大きさに応じた良好な操舵補助を実現できる。
一方、トルクセンサ診断処理でトルクセンサ63に異常が生じていると判断された場合には、コントローラ40は、図5(b)に示す操舵角−モータ電流マップを参照し、舵角センサ61および車速センサ62の出力に基づいて目標電流値を決定する。すなわち、車速域V1,V2,V3(V1>V2>V3)ごとに異なる操舵角−モータ電流マップが用意されており、車速センサ62の出力信号に基づいて、いずれか1つのマップが選択される。いずれの操舵角−モータ電流マップが参照された場合であっても、舵角センサ61からの出力信号に基づく操舵角検出値が大きいほど目標電流値が大きく設定される。
【0037】
そして、コントローラ40は、モータMへの供給電流が、所定の移行時間内でトルクセンサ63に異常が生じていると判断した時点におけるモータ電流検出値から操舵角−モータ電流マップに従って設定した目標電流値まで漸次変化するように、モータドライバ50を制御する。これにより、トルクセンサ63の異常が生じていると判断した時点におけるモータ電流と操舵角−モータ電流マップに従って設定した目標電流値とが大きく異なる場合に、ステアリング機構1に与えられる操舵補助力が急激に変化することを防止でき、操舵フィーリングを向上することができる。
【0038】
なお、モータMへの供給電流を操舵角−モータ電流マップに従って設定した目標電流値まで漸次変化させる際の変化の割合は、上記移行時間の長さを調整することにより変更可能であり、上記移行時間は、トルクセンサ63の異常判断時におけるモータ電流検出値と操舵角−モータ電流マップに従って設定した目標電流値との偏差に基づいて調整されてもよい。
以上のようにこの実施形態によれば、モータ電流検出回路70からの出力信号に基づくモータ電流検出値とトルクセンサ63からの出力信号に基づくトルク検出値とに基づいて、トルクセンサ63に異常が生じているか否かを判断することができる。これにより、2個のトルクセンサを備えた従来の電動パワーステアリング装置と比較してコストを下げることができる。
【0039】
また、トルクセンサ63の異常が検出された場合には、舵角センサ61からの出力信号に基づく操舵角検出値に基づいて目標電流値が設定され、この目標電流値に基づいてモータ制御が行われる。これにより、トルクセンサ63の異常発生時であっても、ステアリングホイールの操作に応じた操舵補助を行うことができる。
さらに、トルクセンサ63の異常発生直後は、モータMへの供給電流が、トルクセンサ63の異常が生じていると判断した時点におけるモータ電流検出値から操舵角−モータ電流マップに従って設定した目標電流値まで漸次変化するように制御される。これにより、操舵補助力の急激な変化を防止でき、操舵フィーリングの向上を図ることができる。
【0040】
この発明の一実施形態の説明は以上の通りであるが、この発明は、他の形態でも実施することができる。たとえば、上述の実施形態では、トルクセンサの異常時においては、ステアリングホイールの操舵角および車速に基づいて目標電流値が設定されるとしたが、たとえば、車両のヨーレイトや横方向加速度を検出するためのセンサが追加して設けられて、ヨーレイトや横方向加速度が目標電流値を設定するためのパラメータとして加えられてもよい。
【0041】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成をステアリング機構の断面構造とともに示すブロック図である。
【図2】コントローラ、モータドライバおよびモータ電流検出回路の構成を示すブロック図である。
【図3】コントローラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】トルクセンサ診断処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】コントローラ(目標電流演算部)が目標電流値を設定する際に参照するマップを示す図である。
【符号の説明】
1 ステアリング機構
2 電動パワーステアリング装置
40 コントローラ
41 トルクセンサ診断部(異常判断手段)
42 目標電流演算部(モータ制御手段、異常時制御手段、移行時制御手段)
43 三相分相処理部(モータ制御手段、異常時制御手段、移行時制御手段)
44U,44V,44W 減算部(モータ制御手段、異常時制御手段、移行時制御手段)
45U,45V,45W PI制御部(モータ制御手段、異常時制御手段、移行時制御手段)
46U,46V,46W PWM制御部(モータ制御手段、異常時制御手段、移行時制御手段)
50 モータドライバ
61 舵角センサ(操作量検出手段)
63 トルクセンサ
70 モータ電流検出回路(電流検出手段)
M モータ

Claims (4)

  1. 電動モータを駆動源とし、車両に搭載されたステアリング機構に操作手段の操作に応じた操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
    電動モータに流れるモータ電流を検出し、その検出したモータ電流に対応した信号を出力する電流検出手段と、
    操作手段に加えられた操舵トルクを検出し、その検出した操舵トルクに対応した信号を出力するトルクセンサと、
    上記電流検出手段からの出力信号に基づくモータ電流検出値が予め定める電流値以上であり、かつ、上記トルクセンサからの出力信号に基づくトルク検出値が予め定めるトルク値以上である場合に、上記トルクセンサに異常が生じていると判断する異常判断手段と
    を含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 上記トルクセンサからの出力信号に基づくトルク検出値に応じて電動モータの目標電流値を定め、この目標電流値に基づいて電動モータを制御するモータ制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 上記操作手段の操作量を検出し、その検出した操作量に対応した信号を出力する操作量検出手段と、
    上記異常判断手段によって上記トルクセンサに異常が生じていると判断された場合に、上記モータ制御手段によるトルク検出値に基づく電動モータの制御に代えて、上記操作量検出手段からの出力信号に基づく操作量検出値に応じて電動モータの目標電流値を定め、この目標電流値に基づいて電動モータを制御する異常時制御手段と
    をさらに含むことを特徴とする請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 上記電動パワーステアリング装置は、上記モータ制御手段による制御から上記異常時制御手段による制御への移行時において、電動モータへの供給電流を上記異常時制御手段によって定められた目標電流値まで漸次変化させる移行時制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項3記載の電動パワーステアリング装置。
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