JP5379877B2 - 木造住宅の耐震補強構造と耐震補強方法 - Google Patents
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Description
しかし補強すべき対象は、上部構造、基礎、地盤であるが、従来の技術ではそのいずれか一部の補強にとどまっている。
例えば図7に示す発明では、柱aの側面に引き寄せ金物bを取り付け、この金物bと土台cとの間をアンカーボルトdによって結合して補強する構造である。
あるいは図8に示すように、斜材eを介して柱aと土台cを結合して補強する構造である。
<1> 従来の木造住宅の耐震補強では、そのほとんどが上部構造の柱と土台の補強、壁の補強など、建築物自体の補強を中心としており、それを搭載している基礎、および地盤との一体化が考慮されていない。
<2> このように従来の木造住宅の補強技術では、上部構造だけを補強するだけなので、せっかく補強した上部構造も、それが基礎から浮き上がる可能性についての検討がなされていない。
<3> また上部構造と基礎が一体化してある技術であっても、その下で上部構造と基礎の全重量を支える地盤の耐震性に問題があっては、完全な耐震補強ということはできない。
<4> 建築物を新設する場合ならばその直下の地盤の改良を行ってから上部構造の施工に着手することができるが、既存の木造住宅ではその直下の地盤の補強は困難であり、周囲の地盤を改良するにも土地の余地がない場合が多いので、大型の機器を使用することができず、改良した地盤と基礎や上部構造との一体化が困難である。
また上記の耐震補強構造において、アンカーの先端は膨張性の材料で固定してあることを特徴としたものである。
また上記の耐震補強構造において、柱から突出するブラケットは、逆T字状の基礎の水平部の直上に位置していることを特徴としたものである。
また本発明の耐震補強方法は、上記のブラケットと、アンカーと中継台と中継ボルトを使用し、逆T型の基礎の水平部に鉛直にアンカー孔を貫通してアンカーを設置し、中継台のアンカー貫通用の貫通孔にアンカーの露出端部を固定し、ブラケットと中継台のナット筒とを中継ボルトで連結して行うことを特徴とするものである。
<1> 上部構造と基礎と、その下で全重量を支えている地盤とを一体化して補強することができるので、地震時における上部構造の引き抜きにも抵抗することができ、浮き上がりを阻止して安定した補強を達成することができる。
<2> 上部構造と基礎だけを一体化しても、その全重量を支えている地盤の耐震性が低ければ耐震効果を期待できない。その点で本発明の構造は、補強した地盤とアンカーを介して上部構造との一体性を図ることができる、信頼性の高い補強構造である。
<3> しかも地盤の改良のために新たに地中に打設するアンカーは、基礎の水平部を貫通して設置するから、上部構造にギリギリに接近して構築することができる。そのために基礎をほぼその直下のアンカーで支持でき、効率のよい補強を期待することができる。
<4> 住宅の基礎コンクリートにギリギリまで接近した状態でアンカーを設置するから、周囲に余分な空間を確保し難い一般の小規模な木造住宅においても容易に採用することができる。
<5> アンカーの打設後に使用する部材は、柱脚ブラケットと中継台だけなので安価に提供することができ、一般の家庭の経済状態でも採用しやすい構造である。
本発明の耐震補強構造を採用する住宅は、逆T字形の基礎コンクリート1の上に土台横木2を水平に設置してあり、その土台横木2の上に鉛直に柱3を設置してある一般の木造住宅である。
基礎コンクリート1は、逆T字状のコンクリートのブロックであって、土台横木2を搭載する鉛直部11と、その下端に直交して交わる水平部12とから構成してある。
柱3の下端付近に、柱3から突出する状態で鋼製の柱脚ブラケット4を取り付ける。
この柱脚ブラケット4はL字状の金物であり鉛直片41と水平片42との間を斜材43で一体化してある。
柱脚ブラケット4の水平片42の一部には、後述する中継ボルト5を貫通できる貫通孔を開口してある。
柱脚ブラケット4の鉛直片41には、複数のビス孔を開口してあり、このビス孔にビスやボルトを貫通して柱脚ブラケット4を柱3に取り付けることができる。
柱脚ブラケット4の取り付け方向は、柱脚ブラケット4の水平片42が、基礎コンクリート1の水平部12の上部の空間に張り出す方向である。
このように柱脚ブラケット4の水平片42が、基礎コンクリート1の水平部12の上部空間に張り出した状態で位置しているから、上部構造を、地中のアンカー7によって支持することが可能となる。
中継台6は、鋼製の矩形のブロックである。
この中継台6にはその一部にはアンカー貫通用の貫通孔61を開設してある。
また、中継台6の他の部分には鉛直にナット筒62を備えている。
ここで鉛直とは、中継台6を基礎コンクリート1の水平部12の上に水平に搭載した場合に鉛直になるという意味である。
ナット筒62の内部にはネジ山が形成してあり、後述する中継ボルト5のネジをねじ込むことができる。
なお中継台6の平面視の形状は、それを基礎コンクリート1の上に設置した場合に、基礎コンクリート1の水平部12内に搭載でき、その範囲内に収まる程度の平面寸法、平面形状である。
地盤中にアンカー7を設置する。
アンカー7はアンカー鋼棒と、このアンカー鋼棒を定着するアンカー定着部71によって構成する。
本発明の補強は一般の木造住宅を対象としているから、住宅の周囲に広い作業面積や、アンカー7の設置面積をとることができないことが前提である。
そこでアンカー7の設置に際しては、住宅の壁面にできるだけ接近させるために、逆T型の基礎の水平部12を鉛直に削孔して貫通したアンカー孔にアンカー鋼棒を挿入する工法を採用する。
このアンカー鋼棒の先端は、鋼棒を通して地中に膨張性樹脂、膨張性モルタルなどを注入しアンカー定着部71を形成する。
アンカー定着部71として膨張性の材料を注入すると、その膨張で周囲の地盤を圧縮して大きな摩擦抵抗、すなわちアンカー鋼棒の引き抜きに対する抵抗を得ることができる。
さらに、定着部を膨張させることで基礎コンクリート1の下部を、断面の太い柱状体によって支持する状態となる。
このように、地中で膨張させたアンカー定着部71は、アンカー鋼棒を定着する機能と、基礎コンクリート1の下の地盤を補強するという機能を備えたものである。
柱脚ブラケット4と中継台6のナット筒62を連結するのが中継ボルト5である。
この中継ボルト5は鋼棒の一端にボルト頭を、他端にはネジ山を刻設した通常の長尺ボルトである。
この中継ボルト5の先端を柱脚ブラケット4の水平片42の孔を貫通して挿入し、その先端を中継台6のナット筒62内にねじ込めば、柱脚ブラケット4と中継台6とを上下で一体化することができる。
次に既設の住宅を補強する方法を説明する。
基礎コンクリート1の下半分は地中に埋設してあるから、その下半分を掘り出して、その水平部12の表面を露出させる。
上記したような公知の工法によってアンカー孔を削孔し、アンカー定着部71にアンカー鋼棒を定着させてアンカー7を構築する。
この場合に、住宅にできるだけ接近してアンカー7を構築することが、定着効果として望ましい。
しかし前記したように住宅の基礎では、基礎コンクリート1の水平部12が、鉛直部の両側、すなわち住宅の内側と外側に向けて張り出している。
そこで本発明では削孔装置8によって、基礎コンクリート1の外側に向けた水平部12を貫通してアンカー7を設置する。
アンカー7の構築には多くの方法が開発されているが、例えば削孔した孔内に、注入管をアンカー鋼棒に添えて挿入し、その後、注入管から膨張性の樹脂液を注入しながら引き揚げ、アンカー鋼棒だけを孔内に残してゆく工法を採用することができる。
このような工法によれば、膨張して孔の壁面を圧縮する地中の定着部71の中心にアンカー鋼棒が位置して高い定着性能を発揮できる。
同時に、アンカー7の定着部71の膨張で周囲の地盤を圧縮することから、住宅基礎の直下の地盤を圧密して補強することができる。
しかし本発明では、樹脂の注入に限定するものではなく、膨張性モルタルなどの注入材を注入する他の工法も採用することができる。
さらに、アンカー7の定着部71の円周方向の地盤を、注入材の噴射などで加圧する工法を採用することもできる。
先端を地中に定着したアンカー7の露出端の反力は中継台6によって受ける。
そのために、アンカー鋼棒を中継台6のアンカー孔に挿入し、中継台6を基礎コンクリート1の水平部12の上に設置する。
そしてアンカー鋼棒の上部の露出端においてナットを締め付ければ、アンカー鋼棒の反力を中継台6を介して基礎コンクリート1に伝達することができる。
その結果、アンカー7の定着部71の膨張で補強された地盤と、その上の基礎コンクリート1とを強固に一体化することができる。
事前に住宅の壁板の一部を取り除いて柱3を露出させる。
この柱3の外側の表面に柱脚ブラケット4の鉛直片41を、ボルトやネジでとりつける。
すると柱脚ブラケット4の水平片42は、柱3から外側に張り出して突出することになる。
外側に突出した柱脚ブラケット4の水平片42の貫通孔に中継ボルト5を貫通させ、その下端のネジ山を中継台6のナットにねじ込む。
中継ボルト5の下端を強固にナットにねじ込み、中継ボルト5の上端を水平片42に固定すると、柱脚ブラケット4を介して柱3と中継台6とを強固に一体とすることができる。
中継台6は基礎コンクリート1の水平部12の表面に強固に取り付けてあるから、結局、柱3と基礎コンクリート1とを強固に一体化することができる。
以上の工程を経て、アンカー7→中継台6→中継ボルト5→柱脚ブラケット4→柱3を一体化することができる。
しかもアンカー7の定着部71は基礎コンクリート1の水平部12のほぼ直下に位置しており、定着部71は周囲の地盤を加圧することで地盤の補強を果たしているから、補強された基礎1と住宅の上部構造とが強固に一体化することになる。
上記の工法は、基礎コンクリート1が逆T字状で、鉛直部11と水平部12を備えている場合の工法であった。
しかし水平部12の存在しない、鉛直部11のみの基礎コンクリート1においても同様の工法を採用することができる。
その場合には中継台6は、地表面に接地する状態で設置ことになるが、その他の、柱脚ブラケット4、中継ボルト5、アンカー7などの配置は前記の実施例と同様である。
2:土台横木
3:柱
4:柱脚ブラケット
5:中継ボルト
6:中継台
7:アンカー
Claims (4)
- 逆T字形の基礎コンクリートの上に土台横木を水平に設置してあり、その土台横木に鉛直に柱を設置してある木造住宅において、
柱の下端付近に、柱から突出する状態で設けたブラケットと、
逆T型の基礎の水平部に鉛直に貫通したアンカーと、
鋼製のブロックであって、その一部にはアンカー貫通用の貫通孔を開設し、他の部分には鉛直にナット筒を備えた中継台と、
ブラケットと中継台のナット筒を連結する中継ボルト、から構成した木造住宅の耐震補強構造。 - 請求項1記載の木造住宅の耐震補強構造において、
アンカーの先端は膨張性の材料で固定してある、
木造住宅の耐震補強構造。 - 請求項1記載の木造住宅の耐震補強構造において、
柱から突出するブラケットは、
逆T字状の基礎の水平部の直上に位置している、
木造住宅の耐震補強構造。 - 請求項1記載のブラケットとアンカーと中継台と中継ボルトを使用し、
逆T型の基礎の水平部に鉛直にアンカー孔を貫通して基礎の水平部の直下にアンカーを定着して設置し、
基礎の水平部の上面に設置した中継台のアンカー貫通用の貫通孔にアンカーの露出端部を固定し、
柱から外側に突出したブラケットの水平片と中継台のナット筒とを中継ボルトで連結して行う、
木造住宅の補強方法。
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