JP5376335B2 - 車両駆動システムの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関とモータジェネレータとを搭載した車両駆動システムの制御装置に関する発明である。
近年、低燃費、低排気エミッションの社会的要請からハイブリッド車の需要が増大している。現在、市販されているハイブリッド車においては、例えば、特許文献1(特開2004−159404号公報)に記載されているように、エンジン(内燃機関)と、主に発電機として使用される第1のMG(モータジェネレータ)と、主に車輪を駆動する第2のMGとを備え、エンジンと第1のMGと車輪の駆動軸とを動力分割機構(例えば遊星ギヤ機構)を介して連結すると共に、第2のMGと車輪の駆動軸とを減速ギヤ機構を介して連結した方式のものがある。
このようなハイブリッド車では、車両の停車中に、通常は燃費低減のためにエンジンを停止しているが、車両の停車中でも、例えば、電力消費量増大やバッテリ電力低下等により発電要求が発生したときには、エンジンを始動してエンジンの動力で第1のMGを駆動して発電を行い、その後、発電要求がなくなったときに、エンジンを停止するようにしている。
ところで、第2のMGと車輪の駆動軸との間に配置された減速ギヤ機構の歯車間にはバックラッシュ(遊び)が存在するため、車両の停車中に減速ギヤ機構にトルクがほとんど作用していない状態でエンジンが運転されると、エンジンの回転変動による振動によって減速ギヤ機構の歯と歯が衝突し合って耳障りな歯打ち音が発生する可能性がある。
この対策として、車両の停車中に所定の条件が成立したときに第2のMGで減速ギヤ機構にトルクを付加する押し当て制御を実行することで、減速ギヤ機構のバックラッシュを詰めて歯と歯を押し当てた状態に維持して、減速ギヤ機構の歯打ち音を防止するようにしたものがある。このような押し当て制御を実行するシステムにおいては、押し当て制御によるトルクによって車両が移動(走行)してしまうことを防止する必要がある。
そこで、押し当て制御によって車両の動力伝達系(例えば車輪又は車輪の駆動軸等)に作用する押し当てトルクの目標値と、ブレーキ装置によって動力伝達系に付加可能なブレーキトルク(例えばブレーキ操作量に応じたトルク)とを算出し、ブレーキトルクと押し当てトルク(目標値)とが下記の条件(a) を満たす場合に、ブレーキトルクによって車両停車を保持できると判断して、押し当て制御を許可するようにしたものがある。
|ブレーキトルク|>|押し当てトルク| ……(a)
更に、路面が下り勾配の場合には、路面勾配によって動力伝達系に作用する勾配トルク(例えば路面の傾斜角度と車両重量とに応じたトルク)を算出し、ブレーキトルクと押し当てトルクと勾配トルクとが下記の条件(b) を満たす場合に、ブレーキトルクによって車両停車を保持できる(車両のずり下がりを防止できる)と判断して、押し当て制御を許可するようにしたものがある。
|ブレーキトルク|>|押し当てトルク|+|勾配トルク| ……(b)
特開2004−159404号公報
しかし、上記条件(a) を満たす場合に押し当て制御を許可するシステムでは、路面勾配によって動力伝達系に作用する勾配トルクを考慮していないため、例えば、図7に示すように、路面が上り勾配の場合に、車両の後退方向に作用するトルク(=|勾配トルク|−|押し当てトルク|)がブレーキトルクよりも大きくて、車両がずり下がる状態であっても、ブレーキトルクが上記条件(a) を満たしていれば、押し当て制御を許可する可能性がある。このため、車両停車を保持できない状態で押し当て制御を許可してしまうという問題がある。
また、路面が下り勾配で上記条件(b) を満たす場合に押し当て制御を許可するシステムでは、押し当てトルクの方向を考慮していないため、例えば、図8に示すように、押し当てトルクの方向が勾配トルクと反対方向の場合に、上記条件(b) を満たすブレーキトルクよりも小さいブレーキトルクで車両停車を保持できる状態であっても、ブレーキトルクが上記条件(b) を満たさないと、押し当て制御を許可しない。このため、押し当て制御を許可するブレーキトルクが必要以上に大きくなって、押し当て制御を許可するブレーキトルクの範囲が狭くなってしまうという問題がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、車両停車を保持できる状態のときに押し当て制御を許可することができると共に、押し当て制御を許可するブレーキトルクの範囲を広げることができる車両駆動システムの制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、内燃機関とモータジェネレータ(以下「MG」と表記する)とを搭載し、該MGの動力をギヤ機構を介して車輪側に伝達する車両駆動システムに適用され、車両の停車中にMGでギヤ機構にトルクを付加する押し当て制御を実行する押し当て制御手段を備えた車両駆動システムの制御装置において、押し当て制御手段は、押し当て制御によって車両の動力伝達系に作用する押し当てトルクを内燃機関の運転状態に基づいて算出する手段と、路面勾配によって動力伝達系に作用する勾配トルクを算出する手段と、ブレーキ装置によって動力伝達系に付加可能なブレーキトルクを算出する手段とを有し、車両停止中であると判定したときに、前記動力伝達系に路面勾配の上り方向に作用するブレーキトルクと路面勾配の下り方向に作用する勾配トルクと車両の進行方向に作用する押し当てトルクとが少なくとも下記の条件を満たす場合に押し当て制御を許可するようにしたものである。
|ブレーキトルク|≧|勾配トルク+押し当てトルク|
ここで、押し当てトルクは車両の進行方向(前進ならば車両前方、後進ならば車両後方)に作用するため、勾配トルクの作用方向(路面勾配の下り方向)が車両の進行方向であれば、勾配トルクの値が押し当てトルクの値と同符号となり、勾配トルクの作用方向が車両の進行方向と逆方向であれば、勾配トルクの値が押し当てトルクの値と異符号となる。
上記の条件を用いれば、車両停止中に路面勾配と押し当て制御によって車両の動力伝達系に作用するトルク(=|勾配トルク+押し当てトルク|)を、正しく評価してブレーキトルクと比較することができ、ブレーキトルクが上記の条件を満たす場合、つまり、ブレーキトルク路面勾配と押し当て制御によって車両の動力伝達系に作用するトルク(=|勾配トルク+押し当てトルク|)以上である場合には、ブレーキトルクによって車両停車を保持できると判断して、押し当て制御を許可することができる。これにより、車両停車を保持できる状態のときに押し当て制御を許可することができると共に、押し当て制御を許可するブレーキトルクが必要以上に大きくなることを回避でき、押し当て制御を許可するブレーキトルクの範囲を広げることができる。
ところで、押し当て制御が許可されて押し当て制御の実行指令(例えば押し当てトルクの目標値等)が出力されてから、実際に動力伝達系に押し当てトルクが作用するまでには多少の時間遅れが生じることがあり、その間(実際に押し当てトルクが作用するまでの期間)は、押し当てトルクが作用しないため、ブレーキトルクが勾配トルクよりも小さいと、車両がずり下がる可能性がある。
そこで、請求項2のように、押し当て制御手段は、車両停止中であると判定したときに、ブレーキトルクと勾配トルクと押し当てトルクとが下記の2つの条件を両方とも満たす場合に押し当て制御を許可するようにしても良い。
|ブレーキトルク|≧|勾配トルク| ……(1)
|ブレーキトルク|≧|勾配トルク+押し当てトルク| ……(2)
条件(1) は押し当てトルクが作用する前に車両停車を保持できる条件であり、条件(2) は押し当てトルクが作用した後に車両停車を保持できる条件である。従って、ブレーキトルクが2つの条件(1),(2) を両方とも満たす場合に押し当て制御を許可することで、押し当てトルクが作用する前に車両停車を保持でき、且つ、押し当てトルクが作用した後にも車両停車を保持できる状態のときに、押し当て制御を許可することができる。
図1は本発明の一実施例におけるハイブリッド車の駆動システムの概略構成を示す図である。 図2は路面が上り勾配で押し当てトルクの方向が勾配トルクと反対方向の場合に2つの条件(1),(2) を満たすブレーキトルクを説明する図である。 図3は路面が上り勾配で押し当てトルクの方向が勾配トルクと同じ方向の場合に2つの条件(1),(2) を満たすブレーキトルクを説明する図である。 図4は路面が下り勾配で押し当てトルクの方向が勾配トルクと反対方向の場合に2つの条件(1),(2) を満たすブレーキトルクを説明する図である。 図5は路面が下り勾配で押し当てトルクの方向が勾配トルクと同じ方向の場合に2つの条件(1),(2) を満たすブレーキトルクを説明する図である。 図6は押し当て制御ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 図7は従来の問題(その1)を説明する図である。 図8は従来の問題(その2)を説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいてハイブリッド車の駆動システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11と第1のモータジェネレータ(以下「第1のMG」と表記する)12と第2のモータジェネレータ(以下「第2のMG」と表記する)13が搭載され、エンジン11と第2のMG13が車輪14を駆動する動力源となる。エンジン11のクランク軸15の動力は、動力分割機構16で二系統に分割される。
この動力分割機構16は、サンギヤとピニオンギヤとリングギヤ(いずれも図示せず)等からなる遊星ギヤ機構で構成されている。ピニオンギヤには、キャリア(図示せず)を介してエンジン11のクランク軸15が連結され、サンギヤには、主に発電機として使用する第1のMG12の回転軸が連結されている。また、リングギヤには、ペラ軸17(駆動軸)が連結され、このペラ軸17の動力がデファレンシャルギヤ機構32や車軸33等を介して車輪14に伝達される。第2のMG13の回転軸は、減速ギヤ機構18を介してペラ軸17に連結されている。車軸33と車輪14との間には、車輪14に制動力を作用させる油圧式のブレーキ装置34が設けられている。
第1のMG12と第2のMG13は、パワーコントロールユニット20を介してバッテリ21に接続されている。このパワーコントロールユニット20には、第1のMG12を駆動する第1のインバータ22と、第2のMG13を駆動する第2のインバータ23が設けられ、各MG12,13は、それぞれインバータ22,23を介してバッテリ21と電力を授受するようになっている。エンジン11には、クランク軸15が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ24が取り付けられ、このクランク角センサ24の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。また、傾斜角度センサ35によって路面の傾斜角度(路面勾配)が検出される。この傾斜角度センサ35は、例えば、車両の傾斜角度(例えば車両の前後方向と重力方向との関係)に応じて出力が変化する加速度センサ等で構成されている。
ハイブリッドECU25は、ハイブリッド車全体を総合的に制御するコンピュータであり、アクセル開度(アクセルペダルの操作量)を検出するアクセルセンサ26、シフトレバーの操作位置を検出するシフトスイッチ27、ブレーキ操作量(ブレーキペダルの踏込量)を検出するブレーキセンサ28、車速を検出する車速センサ29等の各種のセンサやスイッチの出力信号を読み込んで車両の運転状態を検出する。このハイブリッドECU25は、エンジン11の運転を制御するエンジンECU30と、第1及び第2のインバータ22,23を制御して第1及び第2のMG12,13の運転を制御するMG−ECU31との間で制御信号やデータ信号を送受信し、各ECU30,31によって車両の運転状態に応じてエンジン11と第1のMG12と第2のMG13の運転を制御する。
例えば、発進時や低負荷時(エンジン11の燃費効率が悪い領域)は、エンジン11を停止状態に維持して、バッテリ21の電力で第2のMG13を駆動し、この第2のMG13の動力のみで車輪14を駆動して走行するモータ走行を行う。
エンジン11を始動する場合には、バッテリ21の電力で第1のMG12を駆動し、この第1のMG12の動力を動力分割機構16を介してエンジン11のクランク軸15に伝達することで、クランク軸15を回転駆動してエンジン11を始動する。
通常走行時には、エンジン11のクランク軸15の動力を動力分割機構16によって第1のMG12側とペラ軸17側の二系統に分割し、その一方の系統の出力でペラ軸17を駆動して車輪14を駆動し、他方の系統の出力で第1のMG12を駆動して第1のMG12で発電し、その発電電力で第2のMG13を駆動して第2のMG13の動力でも車輪14を駆動する。更に、急加速時には、第1のMG12の発電電力の他にバッテリ21の電力も第2のMG13に供給して、第2のMG13の駆動分を増加させる。
減速時には、車輪14の動力で第2のMG13を駆動して第2のMG13を発電機として作動させることで、車両の運動エネルギを第2のMG13で電力に変換してバッテリ21に回収(充電)する。
また、車両の停車中に、通常は燃費低減のためにエンジン11を停止しているが、車両の停車中でも、例えば、電力消費量増大やバッテリ電力低下等により発電要求が発生したときには、エンジン11を始動してエンジン11の動力で第1のMG12を駆動して発電を行い、その後、発電要求がなくなったときに、エンジン11を停止する。
ところで、第2のMG13とペラ軸17との間に配置された減速ギヤ機構18の歯車間にはバックラッシュ(遊び)が存在するため、車両の停車中に減速ギヤ機構18にトルクがほとんど作用していない状態でエンジン11が運転されると、エンジン11の回転変動による振動によって減速ギヤ機構18の歯と歯が衝突し合って耳障りな歯打ち音が発生する可能性がある。
この対策として、本実施例では、ハイブリッドECU25(又はMG−ECU31)により後述する図6の押し当て制御ルーチンを実行して、車両の停車中に所定の条件が成立したときに第2のMG13で減速ギヤ機構18にトルクを付加する押し当て制御を実行することで、減速ギヤ機構18のバックラッシュを詰めて歯と歯を押し当てた状態に維持して、減速ギヤ機構18の歯打ち音を防止するようにしている。
その際、ハイブリッドECU25(又はMG−ECU31)は、押し当て制御によって動力伝達系(例えば、車輪14、車軸33、ペラ軸17等)に作用する押し当てトルクの目標値と、路面勾配によって動力伝達系に作用する勾配トルク(例えば路面の傾斜角度と車両重量とに応じたトルク)と、ブレーキ装置34によって動力伝達系に付加可能なブレーキトルク(例えばブレーキ操作量に応じたトルク)とを算出し、車両停止中であると判定したときに、動力伝達系に路面勾配の上り方向に作用するブレーキトルクと路面勾配の下り方向に作用する勾配トルクと車両の進行方向に作用する押し当てトルク(目標値)とが下記の2つの条件(1),(2) を両方とも満たす場合に押し当て制御を許可するようにしている
|ブレーキトルク|≧|勾配トルク| ……(1)
|ブレーキトルク|≧|勾配トルク+押し当てトルク| ……(2)
ここで、押し当てトルクは車両の進行方向(前進ならば車両前方、後進ならば車両後方)に作用するため、勾配トルクの作用方向が車両の進行方向であれば、勾配トルクの値が押し当てトルクの値と同符号となり、勾配トルクの作用方向が車両の進行方向と逆方向であれば、勾配トルクの値が押し当てトルクの値と異符号となる。
条件(1) は押し当てトルクが作用する前に車両停車を保持できる条件であり、条件(2) は押し当てトルクが作用した後に車両停車を保持できる条件である。
条件(1) を用いれば、押し当てトルクが作用する前に車両の動力伝達系に路面勾配の下り方向に作用するトルク(=|勾配トルク|)を、正しく評価してブレーキトルクと比較することができ、ブレーキトルクが条件(1) を満たす場合、つまり、押し当てトルクが作用する前に|ブレーキトルクが車両の動力伝達系に路面勾配の下り方向に作用するトルク(=|勾配トルク|)以上である場合には、押し当てトルクが作用する前にブレーキトルクによって車両停車を保持できる状態であると判断できる。
更に、条件(2) を用いれば、押し当てトルクが作用した後に車両の動力伝達系に路面勾配の下り方向に作用するトルク(=|勾配トルク+押し当てトルク|)を、正しく評価してブレーキトルクと比較することができ、ブレーキトルクが条件(2) を満たす場合、つまり、押し当てトルクが作用した後に|ブレーキトルクが車両の動力伝達系に路面勾配の下り方向に作用するトルク(=|勾配トルク+押し当てトルク|)以上である場合には、押し当てトルクが作用した後にブレーキトルクによって車両停車を保持できる状態であると判断できる。
従って、ブレーキトルクが2つの条件(1),(2) を両方とも満たす場合に押し当て制御を許可することで、押し当てトルクが作用する前に車両停車を保持でき、且つ、押し当てトルクが作用した後にも車両停車を保持できる状態のときに、押し当て制御を許可することができる。
ここで、図2に示すように、路面が上り勾配で、押し当てトルクの方向が勾配トルクと反対方向の場合には、条件(1) を満たすのに必要なブレーキトルクの方が、条件(2) を満たすのに必要なブレーキトルクよりも大きくなる。従って、条件(1) を満たすブレーキトルクが、2つの条件(1),(2) を両方とも満たすブレーキトルク(つまり押し当てトルクが作用する前と押し当てトルクが作用した後の両方で車両停車を保持できるブレーキトルク)となる。
また、図3に示すように、路面が上り勾配で、押し当てトルクの方向が勾配トルクと同じ方向の場合には、条件(2) を満たすのに必要なブレーキトルクの方が、条件(1) を満たすのに必要なブレーキトルクよりも大きくなる。従って、条件(2) を満たすブレーキトルクが、2つの条件(1),(2) を両方とも満たすブレーキトルク(つまり押し当てトルクが作用する前と押し当てトルクが作用した後の両方で車両停車を保持できるブレーキトルク)となる。
一方、図4に示すように、路面が下り勾配で、押し当てトルクの方向が勾配トルクと反対方向の場合には、条件(1) を満たすのに必要なブレーキトルクの方が、条件(2) を満たすのに必要なブレーキトルクよりも大きくなる。従って、条件(1) を満たすブレーキトルクが、2つの条件(1),(2) を両方とも満たすブレーキトルク(つまり押し当てトルクが作用する前と押し当てトルクが作用した後の両方で車両停車を保持できるブレーキトルク)となる。
また、図5に示すように、路面が下り勾配で、押し当てトルクの方向が勾配トルクと同じ方向の場合には、条件(2) を満たすのに必要なブレーキトルクの方が、条件(1) を満たすのに必要なブレーキトルクよりも大きくなる。従って、条件(2) を満たすブレーキトルクが、2つの条件(1),(2) を両方とも満たすブレーキトルク(つまり押し当てトルクが作用する前と押し当てトルクが作用した後の両方で車両停車を保持できるブレーキトルク)となる。
以下、ハイブリッドECU25(又はMG−ECU31)が実行する図6の押し当て制御ルーチンの処理内容を説明する。
図6に示す押し当て制御ルーチンは、ハイブリッドECU25(又はMG−ECU31)の電源オン中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう押し当て制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、車両の停車中であるか否かを、例えば、車速センサ29で検出した車速が所定値以下であるか否かによって判定し、車両の停車中ではない(走行中である)と判定された場合には、ステップ102以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ101で、車両の停車中であると判定された場合には、ステップ102に進み、押し当て制御によって動力伝達系(例えば、車輪14、車軸33、ペラ軸17等)に作用する押し当てトルクの目標値を算出する。この場合、例えば、押し当てトルク(目標値)は、エンジン自立運転時の押し当てトルクと、エンジン負荷運転時(第1のMG12の発電時)の押し当てトルクと、エンジン始動時の押し当てトルクと、エンジン停止時の押し当てトルクとが設定され、その中から現在のエンジン運転状態に応じた押し当てトルクを選択する。更に、シフトレバーの操作位置がDレンジ又はBレンジ(前進走行するレンジ)のときやPレンジ(パーキングレンジ)のときには押し当てトルクの方向を動力伝達系の正回転方向(車両の前進方向)に設定し、シフトレバーの操作位置がRレンジ(後退走行するレンジ)のときには押し当てトルクの方向を動力伝達系の逆回転方向(車両の後退方向)に設定する。
この後、ステップ103に進み、路面勾配によって動力伝達系に作用する勾配トルクを算出する。この場合、例えば、傾斜角度センサ35で検出した路面の傾斜角度と車両重量と係数α等に基づいて勾配トルクをマップ又は数式等により算出する。ここで、係数αは、車輪14の半径、減速ギヤ機構18やデファレンシャルギヤ機構32の減速比等によって決まる係数である。
この後、ステップ104に進み、ブレーキ装置34によって動力伝達系に付加可能なブレーキトルクを算出する。この場合、例えば、ブレーキセンサ28で検出したブレーキ操作量に基づいてブレーキトルク(現在のブレーキ操作量において車両停止方向に作用するトルクの最大値)をマップ又は数式等により算出する。
この後、ステップ105に進み、押し当て制御の許可条件が成立しているか否かを、ブレーキトルクと勾配トルクと押し当てトルク(目標値)とが下記の2つの条件(1),(2) を両方とも満たしているか否かによって判定する。その際、動力伝達系の正回転方向(車両の前進方向)のトルクを正の値とする。尚、動力伝達系の逆回転方向(車両の後退方向)のトルクを正の値としても良い。要するに、押し当てトルクは車両の進行方向に作用するため、勾配トルクの作用方向が車両の進行方向であれば、勾配トルクの値が押し当てトルクの値と同符号となり、勾配トルクの作用方向が車両の進行方向と逆方向であれば、勾配トルクの値が押し当てトルクの値と異符号となるように各トルクの値の符号を決めれば良い。
|ブレーキトルク|≧|勾配トルク| ……(1)
|ブレーキトルク|≧|勾配トルク+押し当てトルク| ……(2)
これらの2つの条件(1),(2) を両方とも満たせば、押し当て制御の許可条件が成立するが、2つの条件(1),(2) のうちのいずれか一方でも満たさない条件があれば、押し当て制御の許可条件が不成立となる。尚、押し当て制御の許可条件は、上記条件(1),(2) のみに限定されず、上記条件(1),(2) 以外に、例えば、車両移動がないこと(MG13の回転速度≦所定値)等の他の条件を適宜追加しても良い。
このステップ105で、押し当て制御の許可条件が不成立と判定された場合には、ステップ106の処理を行うことなく、本ルーチンを終了することで、押し当て制御を禁止する。
一方、上記ステップ105で、押し当て制御の許可条件が成立していると判定された場合には、押し当てトルクが作用する前と押し当てトルクが作用した後の両方で車両停車を保持できる状態であると判断して、押し当て制御を許可して、ステップ106に進み、押し当てトルク(目標値)を発生させるように第2のMG13を制御することで、第2のMG13で減速ギヤ機構18にトルクを付加する押し当て制御を実行する。
以上説明した本実施例では、動力伝達系の所定回転方向のトルクを正の値として、ブレーキトルクと勾配トルクと押し当てトルクとが下記の2つの条件(1),(2) を両方とも満たす場合に押し当て制御を許可する。
|ブレーキトルク|≧|勾配トルク| ……(1)
|ブレーキトルク|≧|勾配トルク+押し当てトルク ……(2)
これにより、押し当てトルクが作用する前と押し当てトルクが作用した後の両方で車両停車を保持できる状態のときに押し当て制御を許可することができると共に、押し当て制御を許可するブレーキトルクが必要以上に大きくなることを回避でき、押し当て制御を許可するブレーキトルクの範囲を広げることができる(押し当て制御によって減速ギヤ機構18の歯打ち音を防止できるブレーキ操作量の範囲を広げることができる)。
尚、上記実施例では、2つの条件(1),(2) を両方とも満たす場合に押し当て制御を許可するようにしたが、これに限定されず、例えば、押し当てトルクが作用する前の車両のずり下がりがほとんど無い場合(例えば、押し当てトルクが作用するまでの時間遅れが小さい場合)や車両のずり下がりが発生してもその影響が小さい場合には、条件(1) を省略して、条件(2) を満たす場合に押し当て制御を許可するようにしても良い。
また、上記実施例では、エンジンと第1のMGと車輪の駆動軸とを動力分割機構を介して連結すると共に第2のMGと車輪の駆動軸とを連結した方式のハイブリッド車に本発明を適用したが、この方式のハイブリッド車に限定されず、MGの動力を減速ギヤ機構等のギヤ機構を介して車輪側に伝達する構成であれば、他の方式のハイブリッド車に本発明を適用しても良い。
11…エンジン(内燃機関)、12…第1のMG、13…第2のMG、14…車輪、16…動力分割機構、17…ペラ軸(駆動軸)、18…減速ギヤ機構、21…バッテリ、25…ハイブリッドECU(押し当て制御手段)、28…ブレーキセンサ、30…エンジンECU、31…MG−ECU、34…ブレーキ装置、35…傾斜角度センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関とモータジェネレータ(以下「MG」と表記する)とを搭載し、該MGの動力をギヤ機構を介して車輪側に伝達する車両駆動システムに適用され、車両の停車中に前記MGで前記ギヤ機構にトルクを付加する押し当て制御を実行する押し当て制御手段を備えた車両駆動システムの制御装置において、
    前記押し当て制御手段は、前記押し当て制御によって車両の動力伝達系に作用する押し当てトルクを内燃機関の運転状態に基づいて算出する手段と、路面勾配によって前記動力伝達系に作用する勾配トルクを算出する手段と、ブレーキ装置によって前記動力伝達系に付加可能なブレーキトルクを算出する手段とを有し、車両停止中であると判定したときに、前記動力伝達系に路面勾配の上り方向に作用する前記ブレーキトルクと路面勾配の下り方向に作用する前記勾配トルクと車両の進行方向に作用する前記押し当てトルクとが少なくとも下記の条件を満たす場合に前記押し当て制御を許可することを特徴とする車両駆動システムの制御装置。
    |ブレーキトルク|≧|勾配トルク+押し当てトルク|
  2. 前記押し当て制御手段は、車両停止中であると判定したときに、前記ブレーキトルクと前記勾配トルクと前記押し当てトルクとが下記の2つの条件を両方とも満たす場合に前記押し当て制御を許可することを特徴とする請求項1に記載の車両駆動システムの制御装置。
    |ブレーキトルク|≧|勾配トルク|
    |ブレーキトルク|≧|勾配トルク+押し当てトルク|
JP2010088968A 2010-04-07 2010-04-07 車両駆動システムの制御装置 Active JP5376335B2 (ja)

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