JP2009051403A - 車両用制御装置及び制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両を停止状態から走行状態へと移行させるに際し、走行方向とは逆方向へと車両が変位するおそれがあること。
【解決手段】図18(d)に一点鎖線にて示すようにユーザのブレーキ操作によって制動トルクを低減させる場合には、制動トルクと駆動トルクとの合計が、路面の勾配に起因した重力のうちの走行方向とは逆方向の成分と釣り合うトルク(勾配トルクTrg)に満たないために、車両が走行方向とは逆方向へと変位するおそれがある。そこで、車両の加速度がゼロ以上となるまで、駆動トルクと制動トルクとの和が勾配トルクTrgとなるように、制動力を操作する。
【選択図】 図18
【解決手段】図18(d)に一点鎖線にて示すようにユーザのブレーキ操作によって制動トルクを低減させる場合には、制動トルクと駆動トルクとの合計が、路面の勾配に起因した重力のうちの走行方向とは逆方向の成分と釣り合うトルク(勾配トルクTrg)に満たないために、車両が走行方向とは逆方向へと変位するおそれがある。そこで、車両の加速度がゼロ以上となるまで、駆動トルクと制動トルクとの和が勾配トルクTrgとなるように、制動力を操作する。
【選択図】 図18
Description
本発明は、車両の停止状態から走行状態への円滑な移行を支援する機能を備える車両用制御装置及びこれを搭載する制御システムに関する。
この種の制御装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、ユーザによるブレーキ操作がなされて車両が停止するに際し、車輪に制動力を付与するホイールシリンダの上流の電磁弁を閉弁することでホイールシリンダ内のブレーキ圧を保持するものも提案されている。これにより、車両が登坂路にて発進する場合であっても、ブレーキの開放に伴い、車両が後退することを回避することができる。そして、上記制御装置では、ユーザがブレーキを開放した後、アクセルペダルが踏み込まれていること等を条件に、上記電磁弁を開弁させることで、ブレーキ圧を低下させている。
なお、この種の制御装置としては、他にも例えば下記特許文献2に記載されたものもある。
特開昭60−12360号公報
特開2001−47988号公報
ところで、登坂路において、ブレーキ圧の低下制御時に車両を後退させないためには、車両の後退方向に加わる重力を打ち消すことができるだけの駆動力が必要である。しかし、ユーザがアクセルペダルを操作することで生成される駆動力は、この重力を打ち消すのに十分なものとは必ずしもならない。そして、ブレーキ圧の低下制御に際して、駆動力が不足する場合には、車両が後退するおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両を停止状態から走行状態へと移行させるに際し、走行方向とは逆方向への車両の変位を好適に回避することのできる車両用制御装置及び制御システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、車両付近の路面の勾配に関する情報を取得する手段と、前記車両を停止状態から走行状態へと移行させる要求が生じる場合、前記情報に基づき、車載動力発生装置の生成するトルクの増加に応じて車載制動装置の制動力を低減させるように前記制動装置を操作する操作手段とを備えることを特徴とする。
勾配を有する路面において車両が停止状態から走行状態へと移行する場合には、走行方向と逆方向に重力が加わることがある。そしてこの場合に、走行状態へと移行させるべく制動装置の制動力を低減させる場合には、動力発生装置の生成するトルクを増大させたとしても、このトルクが不十分であることに起因して車両が上記逆方向へと変位するおそれがある。この点、上記発明では、車両付近の路面の勾配に関する情報に基づき、逆方向へと変位させないために要求される力を把握することができる。そして、この情報に基づき、動力発生装置の生成するトルクの増加に応じて制動力を低減させるように制動装置を自動で操作するために、車両を上記逆方向へと変位させないために要求される力を好適に生成可能となる。
なお、「走行状態」とは、走行状態へと移行させる要求が生じる際の車両の変位の要求される方向(ユーザによって要求される走行方向)に車両が変位している状態である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記動力発生装置の操作量の変化に対する実際に生成されるトルクの変化の応答遅れ量を加味しつつ前記動力発生装置によって実際に生成されるトルクを推定する推定手段を更に備えること特徴とする。
動力発生装置の生成するトルクを増大させるような指令が出される場合、実際のトルクは指令の変化に対して応答遅れを有する傾向にある。このため、動力発生装置の生成するトルクをその指令値とする場合には、動力発生装置によって実際に生成されるトルクが未だ十分でないにもかかわらず制動力を低減することで車両が走行方向とは逆方向に変位する可能性がある。上記発明では、この点に鑑み、推定手段を備えることで、動力発生装置によって実際に生成されるトルクを高精度に把握することができ、ひいては動力発生装置の実際に生成するトルクの増大に伴って制動装置の制動力を適切に低減させることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記操作手段は、前記情報に基づき、前記車両の進行方向に対して逆方向に重力が加わると判断される場合、前記車両が走行状態となるまでの期間、前記動力発生装置が前記車両の走行方向に加える力と前記制動装置の制動力との合力が重力の前記逆方向成分以上となるように前記制動装置を操作することを特徴とする。
車両が走行状態となるまでは、動力発生装置の駆動力と制動装置の制動力とがともに走行方向の力となる。このため、これらの合力を重力の逆方向成分以上とすることで、車両が上記逆方向へと変位することを回避することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記操作手段は、前記車両が走行状態へと移行する時点において前記制動装置の制動力がゼロとなるように前記制動力を低減させることを特徴とする。
車両が走行状態へと移行する時点以降においては、制動装置の制動力は、走行方向の逆方向となる。この点、上記発明では、走行状態へと移行する時点において制動装置の制動力がゼロとなるようにすることで、動力発生装置のトルクを車両の走行に十分に活用することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記操作手段は、前記情報に基づき、重力の前記逆方向成分を打ち消すために要求されるトルクと、前記動力発生装置が前記車両の駆動輪に加えるトルクとの差分に基づき、前記制動装置を操作する手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、動力発生装置が前記車両の駆動輪に加えるトルクと上記要求されるトルクとの差分に基づき、車両を走行状態とは逆方向へと変位させないために要求される制動力を把握することができ、ひいては制動装置を適切に操作することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記車両を停止状態から走行状態へと移行させる要求が生じる場合、前記情報に基づき、前記車両を停止状態から走行状態へと自動的に移行させるべく前記動力発生装置を操作する自動走行手段を更に備えることを特徴とする。
上記発明では、車両付近の路面に関する情報を用いることで、車両を停止状態から走行状態へと移行させるために要求される車載動力発生装置のトルクを適切に把握することができる。そして、こうして把握されるトルクに基づき動力発生装置を操作することで、車両を走行方向とは逆方向に変位させることなく、走行状態へと自動的に移行させるように動力発生装置を操作することができる。特に、走行状態へと自動的に移行させることで、ユーザによるアクセル操作によっては困難な動力発生装置のトルクの微調整が可能となるため、走行状態へと適切に移行させることができる。そして、自動的な移行にかかる制御の初期において動力発生装置のトルクが不足する場合であっても、制動装置の制動力を適切に利用することで、車両が走行方向とは逆方向に変位することを好適に回避することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記車両を停止状態から走行状態へと移行させる要求が、ユーザによるブレーキの開放操作によって検出されることを特徴とする。
ユーザがブレーキを開放操作する場合には、ユーザが、車両を停止状態から走行状態へと移行させようとしていると考えられる。この点、上記発明では、停止状態から走行状態へと移行させる要求を適切に把握することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用制御装置と、前記制動装置とを備えることを特徴とする車両用制御システムである。
以下、本発明にかかる車両用制御装置の一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかる車両用制御システムの全体構成を示す。
ここで、ガソリン式内燃機関としてのエンジン10のクランク軸12には、自動変速装置14が接続されている。エンジン10のクランク軸12の回転力は、自動変速装置14によって変速された後、駆動輪16へと伝達される。
駆動輪16や従動輪18には、油圧駆動式のブレーキアクチュエータ20によって制動力が付与可能とされている。ブレーキアクチュエータ20は、各車輪(各駆動輪16及び各従動輪18)毎に、ホイールシリンダ24に供給される作動油の圧力を調節することで制動力を調節する。また、ブレーキアクチュエータ20は、ブレーキペダル21の操作によって作動油の圧力が調節されるマスタシリンダ22内の圧力に応じて、各車輪のホイールシリンダ24にて生成すべき制動力を調節する機能を有する。すなわち、本実施形態においては、ブレーキペダル21の操作によってホイールシリンダ24内の作動油の圧力が機械的に制御されつつも、ブレーキアクチュエータ20によってホイールシリンダ24内の作動油の圧力が電子制御可能とされている。なお、マスタシリンダ22には、その内部の圧力を検出する油圧センサ23が設けられている。
上記駆動輪16や従動輪18には、更に、その回転速度を検出する車輪速センサ26が設けられている。
制御装置30は、車両を制御対象として、上記エンジン10や自動変速装置14、ブレーキアクチュエータ20等を操作する。詳しくは、制御装置30では、上記エンジン10の運転状態や自動変速装置14の操作状態を検出する各種センサの検出値を始め、油圧センサ23や、車輪速センサ26、ユーザインターフェース32、加速度センサ34、ブレーキセンサ36の出力信号を取り込み、これに応じて車両の走行制御を行う。ここで、ユーザインターフェース32は、ユーザが車両の自動走行の要求を出す自動走行指示スイッチや、ユーザがエンジン10に対するトルクの増大要求を指示するアクセル操作部材、車両の走行方向を指示する走行指示部材(例えばシフトレバー)等を備えて構成されている。また、加速度センサ34は、自身に加わる力を感知することで加速度を検出するセンサである。加速度センサ34としては、例えば振り子式や歪ゲージ式のものなどがある。更に、ブレーキセンサ36は、ブレーキペダル21の操作量を検出するセンサである。
制御装置30では、例えばユーザインターフェース32を介してユーザから自動走行の要求が入力される場合などにおいて、車両の実際の加速度(実加速度)を、目標値(目標加速度)に制御する。以下、これについて詳述する。
図2は、制御装置30の行う処理のうち、特に、自動走行制御に関する処理を示す。
図2においては、自動走行のためのアプリケーションとして、クルーズコントロール部M2、車間制御部M4、及び坂道発進制御部M6を例示している。ここで、クルーズコントロール部M2は、車両の走行速度を一定値に制御するクルーズ制御を行う。車間制御部M4は、前方の車両との車間距離を所定に保つ制御を行う。坂道発進制御部M6は、登坂路において、車両を停止状態から走行状態へと自動的に移行させる制御を行う。ここで、走行状態とは、ユーザインターフェース32を通じてユーザの要求する走行方向に車両が変位する状態のことをいう。これらクルーズコントロール部M2、車間制御部M4、及び坂道発進制御部M6は、いずれも、加速度の要求値(要求加速度)と、後述する要求ジャーク制限値とを出力する。
調停器M8では、これらクルーズコントロール部M2、車間制御部M4、及び坂道発進制御部M6の出力に基づき、最終的な要求ジャーク制限値Jreqと、要求加速度(アプリ加速度ara)とを出力する。
前後方向制御部(VLC)M10は、アプリ加速度araに基づき、エンジン10及び自動変速装置14を備えて構成されるパワートレインに対する要求トルクである要求パワトレトルクTwptと、ブレーキアクチュエータ20に対する要求トルクである要求ブレーキトルクTwbkとを出力する。ここで、前後方向制御部M10の制御周期Tdは、少なくとも、クルーズコントロール部M2の制御周期Taや車間制御部M4の制御周期Tbと相違する。詳しくは、本実施形態では、前後方向制御部M10の制御周期Tdは、クルーズコントロール部M2の制御周期Taや車間制御部M4の制御周期Tbよりも短く設定されている。これは、これらアプリケーションが、レーダによって先行車を検出する検出手段等の各種検出値に基づき要求加速度を算出するものであり、これら検出手段による検出周期が、実車速や実加速度の検出周期よりも長くなる傾向にあることによる。
パワトレ制御部M12は、要求パワトレトルクTwptに応じて、エンジン10に対するトルクの要求値(要求エンジントルクTe)と、自動変速装置14に対するギア比の要求値(要求ギア比Gr)とを出力する。ブレーキ制御部M14では、要求ブレーキトルクTwbkに基づき、ブレーキアクチュエータ20に対する作動油の圧力の要求値(要求ブレーキ圧Pmc)を出力する。ここで、要求ブレーキ圧Pmcは、各駆動輪16及び各従動輪18において作動油圧を通じて制動力を調節するブレーキアクチュエータ20の操作量である。
図3に、上記前後方向制御部M10の処理の詳細を示す。
前後方向制御部M10は、上記調停器M8から出力されるアプリ加速度araを、要求加速度arとして、ジャーク制限部B12に出力する。ジャーク制限部B12では、前後方向制御部M10における一制御周期内での加速度の要求値の変化量を、要求ジャーク制限値Jreq以下に制限する処理を行う。
図4に、ジャーク制限部B12の行う処理の手順を示す。この一連の処理では、まずステップS10において、要求加速度ar、要求ジャーク制限値Jreq、及びジャーク制限部B12からの現在の出力であるジャーク加速度ajを取得する。続くステップS12では、ジャーク加速度ajを前回値aj0とする。続くステップS14、S16では、要求加速度arの変化を、前回値aj0との差がジャーク制限値Jreq以下となるように制限する。すなわち、ステップS14においては、ジャーク制限値Jreqに制御周期Tdを乗算した値に前回値aj0を加算した値と、要求加速度arとのうち小さい方の値aj1を求める。続くステップS16では、ジャーク制限値Jreqに制御周期Tdを乗算した値を前回値aj0から引いた値と、上記小さい方の値aj1とのうちの大きい方の値aj2を算出する。そしてステップS18においては、大きい方の値aj2を、ジャーク加速度ajとする。
これにより、アプリケーションの一制御周期内において、前後方向制御部M10の制御周期Td毎に、ジャーク加速度ajが、ジャーク制限値Jreqを最大変化量としつつ要求加速度arに段階的に移行する。
前後方向制御部M10では、2自由度制御によって、車両の加速度をジャーク加速度ajに制御する。すなわち、実加速度をジャーク加速度ajにフィードバック制御するとともに、実加速度をジャーク加速度ajにフィードフォワード制御する。ここでは、まずフィードバック制御について説明する。
<フィードバック制御>
先の図3に示す規範モデル設定部B14では、ジャーク加速度ajを規範モデルにて変換することで、規範加速度amを出力する。規範モデルは、ジャーク加速度ajが変化する車両の過渡走行時において目標とする加速度の挙動を定めるものである。規範モデル設定部B14の行う処理は、図5(a)にステップS20として示す処理である。すなわち、規範モデルは、1次遅れモデルであり、ジャーク加速度ajは、1次遅れモデルによって変換される。ここで、1次遅れモデルは、図5(b)に一点鎖線にて示すように目標加速度をステップ状に変化させる際、実際の加速度の応答遅れ(実線)がもっとも大きくなるときの応答特性に基づき設定する。すなわち、応答特性は、エンジン10の回転速度等の車両の運転状態に応じて変化するものであるため、これらのうち応答遅れがもっとも大きくなるときの特性を用いる。
先の図3に示す規範モデル設定部B14では、ジャーク加速度ajを規範モデルにて変換することで、規範加速度amを出力する。規範モデルは、ジャーク加速度ajが変化する車両の過渡走行時において目標とする加速度の挙動を定めるものである。規範モデル設定部B14の行う処理は、図5(a)にステップS20として示す処理である。すなわち、規範モデルは、1次遅れモデルであり、ジャーク加速度ajは、1次遅れモデルによって変換される。ここで、1次遅れモデルは、図5(b)に一点鎖線にて示すように目標加速度をステップ状に変化させる際、実際の加速度の応答遅れ(実線)がもっとも大きくなるときの応答特性に基づき設定する。すなわち、応答特性は、エンジン10の回転速度等の車両の運転状態に応じて変化するものであるため、これらのうち応答遅れがもっとも大きくなるときの特性を用いる。
先の図3に示す微分演算部B16では、実車速Vを時間微分する演算を行う。ここで、実車速Vは、各駆動輪16及び各従動輪18毎に設けられる車輪速センサ26の検出値に基づくものである。具体的には、例えば4つの車輪速センサ26の検出値の平均値や、検出値の最大値を実車速Vとすればよい。
偏差算出部B22では、微分演算部B16の出力する実加速度aに対する規範モデル設定部B14の出力する規範加速度amの差(偏差err)を算出する。
フィードバック制御器B24は、実加速度aを規範加速度amにフィードバック制御する部分である。具体的には、本実施形態では、比例積分微分制御を行う。図6に、フィードバック制御器B24の行う処理の手順を示す。
この一連の処理では、まずステップS30において、偏差errに基づき、積分値Ierrと、微分値Derrとを算出する。すなわち、今回の偏差errに制御周期Tdを乗算した値を前回の積分値Ierr0に加算することで今回の積分値Ierrを算出する。また、今回の偏差errから前回の偏差err0を減算した値を、制御周期Tdで除算することで、微分値Derrを算出する。続くステップS32においては、フィードバック操作量Tfbを算出する。すなわち、偏差errに比例ゲインKpを乗算した値と、積分値Ierrに積分ゲインKiを乗算した値と、微分値Derrに微分ゲインKdを乗算した値との和として、フィードバック操作量Tfbを算出する。これら比例ゲインKp、積分ゲインKi、及び微分ゲインKdは、偏差err、積分値Ierr、及び微分値Derrを要求トルクに変換するものである。すなわち、フィードバック操作量Tfbは、実加速度aを規範加速度amとするために要求されるトルクとなっている。なお、ステップS32の処理が完了する場合には、ステップS34において、偏差errを前回の偏差err0として記憶するとともに、積分値Ierrを前回の積分値Ierr0として記憶する。
<フィードフォワード制御>
次に、上記2自由度制御のうちのフィードフォワード制御について説明する。
次に、上記2自由度制御のうちのフィードフォワード制御について説明する。
先の図3に示すフィードフォワード制御器B26は、ジャーク加速度ajとなるように、フィードフォワード制御を行う部分である。図7に、フィードフォワード制御器B26の処理手順を示す。
この一連の処理では、まずステップS40において、ジャーク加速度ajとするために車両の走行方向に加えるべき力Fxを算出する。ここでは、空気抵抗、路面抵抗、重力、及び規範力の和として力Fxを算出する。ここで、規範力は、ジャーク加速度ajに車両重量Mを乗算することで得られる。これは、車両の走行に際してなんら抵抗力が加わっていない状態において、ジャーク加速度ajにて車両を走行させるために必要な力である。また、空気抵抗は、車両が走行する際に空気によって走行方向と逆方向に加えられる力である。本実施形態では、空気抵抗を、実車速Vの2乗に空気密度ρ、係数Cd、車両の前面投影面積S及び「1/2」を乗算した値として算出する。路面抵抗は、路面と駆動輪16及び従動輪18との間の摩擦によって生じる抵抗力である。これは、摩擦係数μ、車両重量M及び重力加速度gの乗算値として算出する。上記「重力」とは、路面が傾いている場合に車両の走行方向又はその逆方向に加わる重力を示す。これは、路面勾配θを用いて「Mgsinθ」と表現することのできる量である。なお、路面勾配θは、実車速Vや、上記加速度センサ34の検出値に基づき算出されるものである。
続くステップS42においては、力Fxに、駆動輪16の半径rを乗算することで、フィードフォワード操作量Tffを算出する。このフィードフォワード操作量Tffは、車両をジャーク加速度ajにて走行させるために要求されるトルクとなっている。
先の図3に示す車軸トルク算出部B28では、フィードバック操作量Tfbとフィードフォワード操作量Tffとを加算することで、要求車軸トルクTwを算出する。
分配部B30では、要求車軸トルクTwを、要求パワトレトルクTwptと要求ブレーキトルクTwbkとに分割(分配)する。これにより、車両の実際の加速度を要求加速度arに制御するうえで適切な駆動トルク及び制動力を車輪(駆動輪16及び従動輪18)に付与することができる。詳しくは、車両の実際の加速度を、ジャーク加速度ajに制御することができ、また、ジャーク加速度ajが変化する際には、実際の加速度を規範加速度amに好適に制御することができる。すなわち、ジャーク加速度ajが変化するときにおいては、車両の加速度をジャーク加速度ajにフィードフォワード制御する場合、車両の応答遅れのために、実際の加速度はジャーク加速度ajの変化に対して応答遅れを生じる。しかし、この応答遅れによって想定される実際の加速度は、規範加速度amにて近似することができる。そして、フィードバック制御によって、実際の加速度は規範加速度amに高精度に制御されることとなる。
<坂道発進制御>
以下、坂道発進制御部M6の行う処理について詳述する。
<坂道発進制御>
以下、坂道発進制御部M6の行う処理について詳述する。
坂道発進制御部M6による制御がなされる際には、ユーザインターフェース32を通じて自動走行の指示がなされていない。このため、坂道発進制御部M6の制御時は、ユーザによるアクセル操作やブレーキ操作との兼ね合いでなされる。このため、先の図2に示したパワトレ制御部M12には、ユーザのアクセル操作量も入力され、また、ブレーキ制御部M14には、ユーザのブレーキ操作量に応じた油圧センサ23の検出値も入力される。そして、パワトレ制御部M12では、アクセル操作量に基づくユーザ要求加速トルクと要求パワトレトルクTwptとのうちの大きい方に基づき、要求エンジントルクTeや要求ギア比Grを出力する。また、ブレーキ制御部M14では、油圧センサ23の検出値に基づくユーザ要求制動トルクが要求ブレーキトルクTwbkより大きい(負且つ絶対値が小さい)場合に、要求ブレーキ圧Pmcを出力する。
図8に、要求ブレーキ圧Pmcの設定にかかる処理の手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS50において、前後方向制御部M10からの要求ブレーキトルクTwbkを取得する。続くステップS52では、油圧センサ23の検出値に基づくユーザ要求制動トルクの絶対値が要求ブレーキトルクTwbkの絶対値以上であるか否かを判断する。そして、ステップS52において肯定判断される場合には、ステップS54において、マスタシリンダ22内の作動油の圧力に基づきホイールシリンダ24内の圧力が機械的に調節される。換言すれば、電子制御によるホイールシリンダ24内の圧力の調節(制動力の操作)を行わない。これに対し、ステップS52において否定判断される場合には、ステップS56において、要求ブレーキトルクTwbkに基づき要求ブレーキ圧Pmcを設定する。なお、ステップS54、S56の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
次に、坂道発進制御部M6の出力する加速度(坂道発進用加速度asl)の設定について説明する。図9に、登坂路において車両に加わる力を示す。図示されるように、車両には、重力Mgと、駆動輪16に加わる垂直効力Fryと、従動輪18に加わる垂直効力Ffyと、駆動輪16に加わる動力Fxとが加わる。なお、図中、勾配θと、路面から重心までの距離hgとを用いている。また、駆動輪16及び従動輪18の回転軸間の距離をLwbとし、重心から路面に垂直に降ろした線は、距離Lwbを2分すると仮定する。
ここで、路面に垂直な方向の釣り合いの式は、下記の式(c1)となる。
Mg・cosθ=Fry+Ffy …(c1)
また、重心から路面へと垂直に降ろした線分の中点に加わるモーメントの釣り合いの式は、下記の式(c2)となる。
hg・Mg・sinθ/2+hg・Fx+Lwb・Ffy/2=Lwb・Fry/2 …(c2)
上記の式(c1)を用いて、式(c2)から垂直効力Ffyを消去すると、下記の式(c3)が成立する。
Fry=Mg(cosθ+hg・sinθ/Lwb)/2+hg・Fx/2Lwb …(c3)
ここで、路面及び駆動輪16間の摩擦係数μを用いて表現される駆動輪16に作用する摩擦力μFryは、駆動輪16がスリップしない駆動力Fxの上限値となる。このため、駆動輪16をスリップさせないためには、「Fx≦μFry」としなければならない。この関係を用いて坂道発進用加速度aslの上限値を算出すると下記の式(c4)となる。
asl=(Fx-Mg・sinθ)/M
≦Lwb・μ・g・cosθ/(2Lwb-μ・hg)+(2μ・hg-2Lwb)sinθ/(2Lwb-μ・hg)
…(c4)
図10の実線にて、上記の式(c4)に基づき算出される、路面勾配θ(図中、8,12,18%)と摩擦係数μとに応じたスリップしない加速度の上限値(登坂限界)を示す。図示されるように、摩擦係数μが小さいほど登坂限界が小さくなる。また、路面の勾配が急になるほど登坂限界が小さくなる。なお、図10において、1点鎖線にて、前輪が駆動輪となるFF車の場合について、上記要領で算出される登坂限界の算出結果を示し、2点鎖線にて、4輪駆動車の場合について、上記要領で算出される登坂限界の算出結果を示す。いずれにおいても、摩擦係数μが小さいほど登坂限界が小さくなり、路面の勾配が急になるほど登坂限界が小さくなる。
Mg・cosθ=Fry+Ffy …(c1)
また、重心から路面へと垂直に降ろした線分の中点に加わるモーメントの釣り合いの式は、下記の式(c2)となる。
hg・Mg・sinθ/2+hg・Fx+Lwb・Ffy/2=Lwb・Fry/2 …(c2)
上記の式(c1)を用いて、式(c2)から垂直効力Ffyを消去すると、下記の式(c3)が成立する。
Fry=Mg(cosθ+hg・sinθ/Lwb)/2+hg・Fx/2Lwb …(c3)
ここで、路面及び駆動輪16間の摩擦係数μを用いて表現される駆動輪16に作用する摩擦力μFryは、駆動輪16がスリップしない駆動力Fxの上限値となる。このため、駆動輪16をスリップさせないためには、「Fx≦μFry」としなければならない。この関係を用いて坂道発進用加速度aslの上限値を算出すると下記の式(c4)となる。
asl=(Fx-Mg・sinθ)/M
≦Lwb・μ・g・cosθ/(2Lwb-μ・hg)+(2μ・hg-2Lwb)sinθ/(2Lwb-μ・hg)
…(c4)
図10の実線にて、上記の式(c4)に基づき算出される、路面勾配θ(図中、8,12,18%)と摩擦係数μとに応じたスリップしない加速度の上限値(登坂限界)を示す。図示されるように、摩擦係数μが小さいほど登坂限界が小さくなる。また、路面の勾配が急になるほど登坂限界が小さくなる。なお、図10において、1点鎖線にて、前輪が駆動輪となるFF車の場合について、上記要領で算出される登坂限界の算出結果を示し、2点鎖線にて、4輪駆動車の場合について、上記要領で算出される登坂限界の算出結果を示す。いずれにおいても、摩擦係数μが小さいほど登坂限界が小さくなり、路面の勾配が急になるほど登坂限界が小さくなる。
したがって、坂道発進制御部M6では、坂道発進用加速度aslを、摩擦係数μが小さいほど、また、路面の勾配が急になるほど、小さく設定する。以下、坂道発進制御部M6の行う処理について詳述する。
図11に、坂道発進制御の実行及び終了に関する処理の手順を示す。
この一連の処理では、まずステップS60において、坂道発進制御を実行する旨のフラグである坂道発進実行フラグEXEがオフであるか否かを判断する。そして、オフであると判断される場合には、ステップS62において、坂道発進制御を実行するか否かを判断する実行判定を行う。この処理は、具体的には、図12に示すものとなる。
すなわち、車両が停止しているとの条件(ステップS62a:YES)と、登坂路にあるとの条件(ステップS62b:YES)と、発進要求ありとの条件(ステップS62c:YES)とが全て成立する場合に、実行条件が成立したと判断する(ステップS62d)。これに対し、上記条件のいずれか1つでも成立しない場合には、実行条件が成立しないと判断する(ステップS62e)。ここで、上記登坂路にあるか否かは、路面の勾配θと、ユーザインターフェース32によって指示される走行方向とに基づき判断される。すなわち、車両の前輪が後輪よりも高くなっている場合において、ユーザインターフェース32のシフトレバー等によって前進が指示されている場合には、登坂路と判断し、後退が指示されている場合には、登坂路でないと判断する。また、上記発進要求の有無は、本実施形態では、ブレーキペダル21が開放操作されたか否かに応じて判断される。なお、上記ステップS62d,S62eの処理が完了する場合には、先の図11のステップS62の処理が完了する。
先の図11のステップS64においては、実行条件が成立したか否かを判断する。そして、実行条件が成立したと判断される場合には、ステップS66において、坂道発進実行フラグEXEをオンとする。
一方、上記ステップS60において否定判断される場合には、ステップ68において、坂道発進制御を終了するか否かを判断する終了判定を行う。この処理は、具体的には、図13に示すものとなる。
この一連の処理では、まずステップS68aにおいて実車速Vが所定速度以上であるか否かを判断する。この処理は、坂道発進制御によって車両が走行状態へと移行したか否かを判断するものである。ここで、所定速度は、この速度に到達したなら坂道発進制御中に制御誤差等によって再度車速がゼロとなることがなくなると考えられる速度に、換言すれば車両が確実に走行方向へと変位していると判断できる程度の速度に、設定されている。そして、実車速Vが所定速度以上であると判断される場合には、ステップS68bにおいて、坂道発進制御によって車両が走行状態へと移行した旨を示す発進履歴フラグをオンとする。
上記ステップS68aにおいて否定判断される場合やステップS68bの処理が完了する場合には、ステップS68cにおいて、発進履歴フラグがオンとなって且つ車両が停止しているか否かを判断する。この処理は、坂道発進制御を停止する条件の成立の有無を判断するものである。すなわち、発進履歴フラグがオンであって且つ車両が停止している場合には、坂道発進制御によって一旦車両が走行状態となった後ユーザがブレーキを操作することで車両が停止したと考えられる。この場合には、ユーザが車両停止を望んでいると考えられることから、坂道発進制御の終了条件が成立したと判断する(ステップS68d)。
一方、ステップS68cにおいて否定判断される場合には、ステップS68eにおいて、ユーザによるアクセル操作量に基づくユーザ要求加速トルクが要求パワトレトルクTwpt以上となったか否かを判断する。この処理も、坂道発進制御を停止する条件の成立の有無を判断するものである。すなわち、ユーザ要求加速トルクが要求パワトレトルクTwpt以上となる場合には、ユーザが自身で車両の走行を希望していると考えられるため、坂道発進制御の終了条件が成立したと判断する(ステップS68d)。これに対し、ユーザ要求加速トルクが要求パワトレトルクTwpt未満となる場合には、坂道発進制御の終了条件が不成立と判断する(ステップS68f)。なお、ステップS68d、S68fの処理が完了する場合には、先の図11のステップS68の処理が完了する。
先の図11のステップS70においては、坂道発進制御の終了条件が成立したか否かを判断する。そして、終了したと判断される場合には、ステップS72において、坂道発進実行フラグEXEをオフとして且つ、発進履歴フラグをクリアする。なお、ステップS64、S70において否定判断される場合や、ステップS66、S72の処理が終了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図14に、坂道発進制御の詳細な処理の手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS80において、坂道発進実行フラグEXEがオンであるか否かを判断する。そして、ステップS80において肯定判断される場合には、ステップS82において、路面勾配θを取得する。続くステップS84では、路面と車輪との間の摩擦係数μを取得する。本実施形態では、図15に示すように、車両が停止するまでの間におけるアンチロックブレーキシステム(ABS)の作動状況や、トラクションコントロールシステム(TRC)の作動状況に基づき、摩擦係数μを取得する。ここで、図15(a)は、実加速度aの推移を示し、図15(b)は、ABSやTRCの作動状況の推移を示し、図15(c)は、摩擦係数μの推移を示す。ここで、ABSやTRCが作動する際の加速度はスリップが生じる臨界加速度であるため、このときの加速度に基づき摩擦係数μを算出することができる。ただし、摩擦係数μは路面の位置によって変化することや、実加速度aにノイズが重畳すること等に鑑み、摩擦係数μの算出に際しては、その算出値の変化を緩和する緩和処理を施す。この処理は例えば、実加速度aから直接算出される摩擦係数の算出値についての今回の値と、摩擦係数の前回の値との加重平均処理を施すことで行うことができる。
続くステップS86においては、上記の式(c4)に基づき、坂道発進用加速度aslの上限ガード値agを算出する。続くステップS88においては、実車速Vを取得する。続くステップS90においては、実車速Vに基づき、坂道発進用加速度aslを算出する。ここでは、図示されるように、車速が大きくなるにつれて坂道発進用加速度aslを小さくする。そして、車速が所定の速度以上の領域において、坂道発進用加速度aslをゼロとする不感帯を設け、更にそれよりも大きい速度においては坂道発進用加速度aslを負とする。これは、車速が過度に大きくなる場合、ユーザがブレーキを踏み込み、発進が妨げられることを回避するための設定である。
続くステップS92においては、坂道発進用加速度aslが上限ガード値ag以下であるか否かを判断する。そして、ステップS92において否定判断される場合には、ステップS94において、坂道発進用加速度aslを上限ガード値agとする。
なお、上記ステップS80において否定判断される場合や、ステップS92において肯定判断される場合、ステップS94の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
上記のように坂道発進用加速度aslを設定することで、車輪をスリップさせることなく車両を走行状態へと自動的に移行させることができる。ただし、坂道発進用加速度aslに基づき上記要求車軸トルクTwを設定したとしても、パワートレインにて実際に生成されるトルクに応答遅れが生じることで、坂道発進制御の制御性が損なわれるおそれがある。そこで、先の図3に示した分配部B30では、図16の処理を行うことで、こうした問題を回避する。
この一連の処理では、まずステップS100において、要求車軸トルクTwを取得する。続くステップS102においては、要求車軸トルクTwが、最小トルクTptmin以上か否かを判断する。この処理は、要求車軸トルクTwをパワートレインのみによって生成可能か否かを判断するものである。ここで、最小トルクTptminは、エンジン10及び自動変速装置14によって実現可能な最小のトルクとなっている。そして、要求車軸トルクTwが最小トルクTptmin以上である場合には、要求車軸トルクTwをパワートレインのみによって実現できると判断し、ステップS104に移行する。ステップS104では、要求パワトレトルクTwptを要求車軸トルクTwとする。一方、ステップS102において否定判断される場合には、パワートレインのみによっては要求車軸トルクTwを実現することができないと判断し、ステップS106に移行する。ステップS106においては、要求パワトレトルクTwptを、最小トルクTptminとする。
上記ステップS104、S106の処理が完了する場合には、ステップS108において、要求加速度arがゼロよりも大きくなってから実加速度aがゼロよりも大きくなるまでの期間であるか否かを判断する。この処理は、坂道発進制御の開始時から、車両が停止状態から走行状態へと移行するまでの期間を判断するためのものである。そして、ステップS108において否定判断される場合には、ステップS110に移行する。ステップS110においては、実車速Vがゼロであって且つ要求加速度arがゼロであるか否かを判断する。この処理は、車両が停止状態にあることが指示されて且つ実際に停止しているか否かを判断するためのものである。そして、ステップS110において否定判断される場合には、ステップS112において、要求ブレーキトルクTwbkを、要求車軸トルクTwから最小トルクTptminを減算した値とゼロとのうちの小さい方とする。
一方、ステップS110において肯定判断される場合には、ステップS114において、要求ブレーキトルクTwbkを、最小トルクTptminと勾配トルクTrgとの差の絶対値を負の値としたものと、停車用基本トルクTstpとの和とする。ここで、勾配トルクTrg(>0)は、路面勾配θに基づき算出されるものであり、重力のうちの車両の走行方向とは逆方向の成分と釣り合うために要求されるトルクである。また、停車用基本トルクTstp(<0)は、車両を停車状態に保持するためのマージントルクである。この処理によれば、パワートレインによって生成される最小トルクTptminや、勾配トルクTrgの大小にかかわらず、常に停車に必要なトルクを生成することができる。
一方、上記ステップS108において肯定判断される場合には、ステップS116に移行する。ここでは、要求ブレーキトルクTwbkを、パワートレインが生成していると推定される推定パワトレトルクTwpteから勾配トルクTrgを引いたものと、ゼロとのうちの小さい方とする。この処理は、坂道発進制御に際して車両が走行方向とは逆方向に変位することを回避するためになされるものである。
ここで、坂道発進制御部M6から坂道発進用加速度aslが出力されると、前後方向制御部M10ではこれに基づき要求車軸トルクTwを算出する。この要求車軸トルクTwは、フィードフォワード操作量Tffに基づき算出されるため、路面の勾配θに起因する重力の作用を打ち消して且つ坂道発進用加速度aslとなるために必要なトルクとなっている。ただし、要求車軸トルクTwに応じた要求パワトレトルクTwptが設定されても、パワートレインが実際に生成するトルクが要求パワトレトルクTwptの増大に追従するまでには応答遅れが生じる。このため、ブレーキが開放操作され坂道発進制御が開始された直後においては、パワートレインの生成するトルクは、坂道発進用加速度aslとするのに十分でないのみならず車両を走行方向とは逆方向に変位させないうえでも十分でないおそれがある。そして、この場合、要求ブレーキトルクTwbkを直ちにゼロとしたのでは、車両が走行方向とは逆方向に変位するおそれがある。
そこで本実施形態では、要求パワトレトルクTwptの変化に対してパワートレインが実際に生成するトルクの応答遅れを反映して推定パワトレトルクTwpteを算出し、これが勾配トルクTrgに対して不足している場合には、ブレーキアクチュエータ20による制動力によって不足分を補償する。これにより、坂道発進制御に際して、車両が停止状態から走行状態へと移行するに先立ち、一旦走行方向とは逆方向に変位することを回避することができる。
なお、上記ステップS112〜S116の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
ちなみに、推定パワトレトルクTwpteの算出にかかる処理は、図17に示すものとなる。
エンジン図示トルク推定部B40では、エンジン10の運転状態を定めるパラメータを入力として、推定エンジン図示トルクを算出する。この入力パラメータとしては、例えば、回転速度や、吸入空気量、吸気側カム角度とクランク角度との回転位相差(吸気VCT)、排気側カム角度とクランク角度との回転位相差(排気VCT)等がある。
点火時期補正部B42では、点火時期に基づき、推定エンジン図示トルクを補正するための補正係数を算出する。補正部B44では、エンジン図示トルク推定部B40によって算出された推定エンジン図示トルクを、点火時期補正部B42によって算出された補正係数で補正する。エンジン軸トルク推定部B46では、補正部B44の出力にロストルクを加えることで、推定エンジン軸トルクを算出する。
速度比算出部B48では、トルクコンバータのタービン回転速度に対するエンジン10の回転速度の比を算出する。トルク比算出部B50では、上記回転速度の比に基づき、エンジン10の軸トルクに対するトルクコンバータの出力するトルクの比(トルク比)を算出する。コンバータ軸トルク算出部B52では、推定エンジン軸トルクとトルク比とに基づき、トルクコンバータの出力するトルクを算出する。推定パワトレトルク算出部B54では、トルクコンバータの出力するトルクをトランスミッションのギア比で補正することで、推定パワトレトルクTwpteを算出する。
図18に、上記坂道発進制御の態様を示す。詳しくは、図18(a)は、車速の推移を示し、図18(b)は、実加速度の推移を示し、図18(c)は、パワートレインが駆動輪16に付与する駆動トルクの推移を示し、図18(d)は、ブレーキアクチュエータ20が車輪に付与する制動トルク(−Twbk)の推移を示す。なお、図18(d)に1点鎖線にて示すのは、ユーザのブレーキペダル21の操作に応じた制動トルクを示す。
図示されるように、時刻t1においてユーザがブレーキを開放操作することで、坂道発進制御が開始される。この際、駆動トルクの増大に応じて制動トルクが低減される。このため、制動トルクと駆動トルクとの和が勾配トルクTrgと釣り合うために、車両が走行方向とは逆方向に変位することを回避することができる。そして、車両が走行方向へと変位を開始する(走行状態へと移行する)時刻t2において、駆動トルクが勾配トルクTrg以上となって且つ、制動トルクがゼロとなる。このため、車両の実加速度がゼロよりも大きくなる際には、制動トルクによって車両の走行が妨げられることもなく、駆動トルクを十分に活用することができる。また、実加速度が上限ガード値ag以下に制限されるため、車輪がスリップすることを好適に回避することもできる。このため、登坂路に積雪がある場合等であっても、車輪をスリップさせることなく車両を適切に走行状態へと移行させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)坂道発進制御に際し、路面に関する情報に基づき、パワートレインの生成するトルクの増加に応じてブレーキアクチュエータ20の制動力を低減させた。これにより、車両を走行方向とは逆方向へと変位させないために要求される力を好適に生成可能となる。
(2)パワートレインの操作量の変化に対する実際に生成されるトルクの変化の応答遅れ量を加味しつつパワートレインによって実際に生成されるトルクを推定した。これにより、パワートレインによって実際に生成されるトルクを高精度に把握することができ、ひいてはパワートレインの実際に生成するトルクの増大に伴ってブレーキアクチュエータ20の制動力を適切に低減させることができる。
(3)坂道発進制御に際し、車両が走行状態となるまでの期間、パワートレインが車両の走行方向に加える力とブレーキアクチュエータ20の制動力との合力が重力の逆方向成分以上となるようにブレーキアクチュエータ20を操作した。これにより、車両が上記逆方向へと変位することを回避することができる。
(4)車両が走行状態へと移行する時点においてブレーキアクチュエータ20の制動力がゼロとなるように制動力を低減させた。これにより、パワートレインのトルクを車両の走行に十分に活用することができる。
(5)重力のうちの走行方向とは逆方向成分を打ち消すために要求されるトルクと、パワートレインが車両の駆動輪16に加えるトルクとの差分に基づき、ブレーキアクチュエータ20を操作した。これにより、ブレーキアクチュエータ20を適切に操作することができる。
(6)車両を停止状態から走行状態へと移行させる要求を、ユーザによるブレーキの開放操作として認識した。これにより、停止状態から走行状態へと移行させる要求を適切に把握することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・推定パワトレトルクTwpteの算出手法としては、先の図17に例示したものに限らない。例えば、要求パワトレトルクTwptの変化に対する実際にパワートレインが駆動輪16に付与するトルクの変化の応答遅れを表現するモデルを用いて算出してもよい。ここで、モデルとしては、例えば1次遅れモデルを採用してもよい。
・また、パワートレインが駆動輪16に付与するトルクを感知するセンサを備えて、上記トルクを検出してもよい。
・上記実施形態では、実加速度aがゼロより大きくなるまで、勾配トルクTrgに対する推定パワトレトルクTwpteの差分によって要求ブレーキトルクTwbkを設定したがこれに限らない。例えば、推定パワトレトルクTwpteや勾配トルクTrgの推定誤差を見越して、所定のマージン量だけ更に絶対値の大きい値を要求ブレーキトルクTwbkとしてもよい。また、実加速度aがゼロよりも大きい所定値以上となるまで、先の図16のステップS116の処理を継続することで、要求ブレーキトルクTwbkをゼロとしないようにしてもよい。
・上記各実施形態では、坂道発進用加速度aslを、路面の勾配θ及び摩擦係数μに基づき設定したが、これに限らず、例えばこれら2つのパラメータのうちのいずれか一方に基づいて設定してもよい。
・坂道発進用加速度aslの設定手法としては、実車速V毎に予め定められた値と上限ガード値agとの大小比較に基づき設定するものに限らない。例えば、実車速V毎に定められた坂道発進用加速度aslの最大値が上限ガード値agとなるように規格化してもよい。
・坂道発進用加速度aslとしては、実車速Vが大きくなるほど線形に減少するものに限らない。ただし、実車速Vが大きいほど坂道発進用加速度aslが小さくなるようにするなら、車速Vが過度に大きくなることを回避しつつ走行状態へと適切に移行させることができる。
・また、坂道発進用加速度aslを持たなくても、例えば、実加速度aが上限ガード値agに近づけば近づくほど要求パワトレトルクTwptが小さくなるような設定を行うことによっても、上記各実施形態に準じた効果を得ることができる。
・摩擦係数μに関する情報の取得手法としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、車室内(ex.インスツルメントパネル上)に、路面の滑りやすさを複数段階で選択する選択スイッチを設け、ユーザが車両の発進に際し、自身で路面の滑りやすさを判断して選択スイッチを操作するようにしてもよい。これによっても、選択スイッチの操作状態に応じて予め摩擦係数μの値を設定しておくことで、上述した処理にて坂道発進用加速度aslを設定することができる。この場合であっても、冬季と夏季とで選択スイッチの操作状態を切り替えることで雪国のユーザ等にとって車両の利便性を向上させることができる。なお、この場合、上述した処理に代えて、選択スイッチの操作状態と坂道発進用加速度aslの上限ガード値agとの関係を予め設定しておいてもよい。これによれば、上限ガード値agの算出処理を省くことができる。
・上記実施形態では、車速が一旦所定速度以上となった後ゼロとなる場合及び、ユーザ要求トルクが要求パワトレトルクTwpt以上となる場合に、坂道発進制御を終了したが、これに限らない。例えば、上記条件に加えて、坂道発進制御の開始から所定時間経過した場合との条件を加えてもよい。
・上記実施形態では、坂道でのユーザのブレーキの開放操作を、坂道発進制御の開始要求としたが、これに限らない。例えば、車室内(ex.インスツルメントパネル上)に、自動発進を指示する指示スイッチを備え、同スイッチの操作によって自動発進が指示される場合にあって、ブレーキの開放側への所定以上の操作がなされることを、坂道発進制御の開始要求としてもよい。
・上記実施形態では、目標加速度のステップ状の変化に対して実際の加速度の応答遅れがもっとも大きくなるときの応答特性に基づき規範モデルを設定したがこれに限らない。例えば都度の車両運転状態における応答特性に応じて規範モデルを可変設定してもよい。また、規範モデルとしては、1次遅れモデルに限らず、例えば2次遅れモデルであってもよい。
・フィードバック制御器B24としては、PID制御を行うものに限らない。例えば、P制御、I制御及びD制御のいずれか1つ又は2つを行うものであってもよい。また、古典制御に限らず、現代制御を用いてもよい。
・フィードフォワード制御器B26としては、上記処理を行うものに限らない。例えば規範力Majのみからフィードフォワード操作量Tffを算出してもよい。また、これに加えて、空気抵抗、路面抵抗、重力のいずれか1つ又は2つを用いてフィードフォワード操作量Tffを算出してもよい。
・上記実施形態では、2自由度制御を行ったがこれに限らない。例えばPID制御等のフィードバック制御のみを行うものであってもよい。
・上記実施形態では、モデル追従型の制御を行ったが、これに代えて、規範モデル設定部B14を備えないものであってもよい。
・上記実施形態では、加速度制御に際して車両(より詳しくはその駆動輪16)に正のトルクを付与する手段として、動力発生装置としてのエンジン10及び自動変速装置14を備えるパワートレインを例示したがこれに限らない。例えば、動力発生装置として電動機を用いてもよい。
・上記実施形態では、加速度制御に際して車両(より詳しくはその駆動輪16)に負のトルクを付与する手段として、油圧駆動式のブレーキアクチュエータを用いたが、これに限らず、例えば車輪(駆動輪16、従動輪18)の回転力を電気エネルギに変換する発電機を用いてもよい。
・上記各実施形態では、車両を停止状態から走行状態へと自動的に移行させるに際し、目標加速度を設定したが、これに限らない。例えば目標トルクのみを設定し、加速度を設定しない構成であってもよい。この場合であっても、パワートレインが駆動輪16に付与するトルクの増大に応じて制動力を低減させることで、車両が走行方向とは逆方向に変位することを好適に回避することができる。
10…エンジン、14…自動変速装置、16…駆動輪、18…従動輪、20…ブレーキアクチュエータ、30…制御装置。
Claims (8)
- 車両付近の路面の勾配に関する情報を取得する手段と、
前記車両を停止状態から走行状態へと移行させる要求が生じる場合、前記情報に基づき、車載動力発生装置の生成するトルクの増加に応じて車載制動装置の制動力を低減させるように前記制動装置を操作する操作手段とを備えることを特徴とする車両用制御装置。 - 前記動力発生装置の操作量の変化に対する実際に生成されるトルクの変化の応答遅れ量を加味しつつ前記動力発生装置によって実際に生成されるトルクを推定する推定手段を更に備えること特徴とする請求項1記載の車両用制御装置。
- 前記操作手段は、前記情報に基づき、前記車両の進行方向に対して逆方向に重力が加わると判断される場合、前記車両が走行状態となるまでの期間、前記動力発生装置が前記車両の走行方向に加える力と前記制動装置の制動力との合力が重力の前記逆方向成分以上となるように前記制動装置を操作することを特徴とする請求項1又は2記載の車両用制御装置。
- 前記操作手段は、前記車両が走行状態へと移行する時点において前記制動装置の制動力がゼロとなるように前記制動力を低減させることを特徴とする請求項3記載の車両用制御装置。
- 前記操作手段は、前記情報に基づき、重力の前記逆方向成分を打ち消すために要求されるトルクと、前記動力発生装置が前記車両の駆動輪に加えるトルクとの差分に基づき、前記制動装置を操作する手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
- 前記車両を停止状態から走行状態へと移行させる要求が生じる場合、前記情報に基づき、前記車両を停止状態から走行状態へと自動的に移行させるべく前記動力発生装置を操作する自動走行手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
- 前記車両を停止状態から走行状態へと移行させる要求が、ユーザによるブレーキの開放操作によって検出されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用制御装置と、
前記制動装置とを備えることを特徴とする車両用制御システム。
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