JP5376299B2 - 溶融金属の充填具及びこれを備えた溶融金属の充填装置 - Google Patents
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Description
本発明は、間隙を介して配置された一対のガラス基板の外周間隙に溶融金属を充填するための溶融金属の充填具及びこれを備えた溶融金属の充填装置に係わるものである。
図14に、画像表示装置や複層ガラス(いわゆるペアガラス)を構成するガラスパネルを示す。ガラスパネルPは、間隙kが形成されるように間隙保持部材Q(例えばガラス球や樹脂球など)を介して主面S1とS2とが対向配置された一対のガラス基板w1とw2と、このガラス基板w1・w2の間隙kの外周部分(以下外周間隙と言う。)において主面S1及びS2ともに接合され、この間隙kを封止する封止部nとを有している。この封止部nは、従来ガラスフリットにより形成されていたが、近年封止品質の向上という観点から例えばインジュームや半田などの低融点金属で形成することが提案されている。この低融点金属からなる封止部nを有するガラスパネルの製造方法の一例が、下記のように特許文献1に開示されている。
すなわち、特許文献1には、一対のガラス板間にスペーサ−を配設して間隙部を形成し、溶融した単一の金属材料を前記ガラス板の周縁部に充填して前記両ガラス板と前記金属材料とを直接接合し、前記間隙部を気密に封止するガラスパネルの製造方法における両ガラス間の間隙部に溶融した金属材料を供給する方法において、溶融した金属材料を前記間隙部に導くガイドが設置され、間隙部に少なくとも一部分が挿入されているガラスパネルの製造方法に係わる発明が記載されている。
本発明は、上記従来技術を鑑みてなされたものであり、従来技術に対し改善された溶融金属の充填具及びこれを用いた溶融金属の充填装置を提供することを目的としている。
本発明の一つの態様は、互いの主面が間隙を介し配置された一対のガラス基板(以下ガラス基板対と言う場合がある。)の外周縁に沿い移動させてその外周間隙に溶融金属を充填するための充填具であって、一方のガラス基板の主面と所定のギャップを介し対向する第1の平面と他方のガラス基板の主面と所定のギャップを介し対向する第2の平面とを有するとともに前記一対のガラス基板の外周間隙に挿入可能に構成されたコテ部と、前記コテ部の第1の平面から突起し一方のガラス基板の主面に接触可能な第1のガイド部及び/又は前記コテ部の第2の平面から突起し他方のガラス基板の主面に接触可能な第2のガイド部とを有する溶融金属の充填具である。かかる充填具によれば、ガラス基板対の外周間隙に供給された溶融金属は、その外周間隙に挿入されガラス基板対の外周縁に沿い移動される充填具のコテ部により外周間隙に充填される。この溶融金属の充填動作において、ガラス基板対の各々の主面とコテ部の第1の平面及び第2の平面との間で設定される所定のギャップに供給された溶融金属はガラス基板対の外周縁に沿うコテ部の移動によりコテ部で押し付けられガラス基板対の各々の主面へ塗り込まれる。この塗り込むという動作により流動性が付与された溶融金属は、主面の活性化を促して溶融金属と主面の濡れ性を高めるとともに溶融金属と主面との接触界面に存する気泡や異物を除去するので、封止部とガラス基板との接合強度やガラスパネルの耐リーク性能を高め、封止品質を向上することができる。
加えて、充填具に設けられた第1のガイド部はコテ部の第1の平面から突起し一方のガラス基板の主面に接触可能に構成され、第2のガイド部はコテ部の第2の平面から突起し他方のガラス基板の主面に接触可能に構成されている。そのため、上記充填動作において、例えばガラス基板対を位置決めする機構や充填具を移動させる機構の動作精度の問題から一方のガラス基板の主面方向にコテ部が相対的に移動した場合でも、一方のガラス基板の主面に第1のガイド部が接触することにより、コテ部の第1の平面と主面とが直接接触することが回避され、その結果、コテ部の直接接触による当該主面の損傷が防止され、封止品質を向上することができる。なお、充填具には第1のガイド部若しくは第2のガイド部のみを設けてもよく、又は両者とも設けてもよく、その選択は上記例示したように充填具を動作させるための周辺機器の動作精度やガラス基板対の組み合わせによる外周間隙の寸法精度等により決定される。
ガラス基板対の外周間隙に充填具を挿入したとき、第1のガイド部は一方のガラス基板の主面に接触し、かつ第2のガイド部は他方のガラス基板の主面に接触するよう構成されていることが望ましい。かかる好ましい構成によれば、第1のガイド部と第2のガイド部とはガラス基板対の各々の主面に常時接しているので、この第1のガイド部と第2のガイド部により充填具は外周間隙に嵌入された状態となる。しかして、コテ部の第1の平面と一方のガラス基板の主面とのギャップ量は第1のガイド部の突起量に規制され、第2の平面と他方のガラス基板の主面とのギャップ量は第2のガイド部の突起量に規制される。これにより、上記充填動作において、ガラス基板対の各々の主面とコテ部とのギャップ量は常に一定となり、常に同じ状態で溶融金属は主面に塗り込められるので封止部とガラス基板との接合強度の均一化を図られ、封止品質を向上することができる。
さらに、充填具の移動にともなうガラス基板とガイド部の摺動により生じるガラス基板の損傷を防止するとともにガイド部の摺動動作を円滑にするためには、各ガイド部のガラス基板の主面との接触面にはガラス基板との摺動性を高める処理がなされていることが望ましく、更にガイド部には、充填具の外周間隙への挿入方向に沿い凹部が形成され、ガラス基板との接触面積が少なくされていることが望ましい。更に加えて、溶融金属を円滑に外周間隙へ充填させるためには、コテ部はその表面に溶融金属との濡れ性を高める処理がされていることが望ましい。
さらに加えて、例えばガラス基板対の各主面において封止部の内周部に配線パターン等が形成されている場合には、ガイド部の接触による配線パターン等の損傷を防止するため、充填具の外周間隙への挿入方向において後端側にガイド部が配置されていることが好ましく、ガラス基板対の各主面において封止部の外周部に配線パターン等が形成されている場合には同様な観点から、充填具の外周間隙への挿入方向において先端側にガイド部が配置されていることが好ましい。なお、下記実施形態の項で詳細に説明するとおり、所定の場合には、先端側に配置したガイド部で溶融金属の流動を規制することにより封止部の幅を高い精度で規制できるという効果を奏することができる。
さらに加えて、コテ部へ溶融金属を流入させる導入路がガイド部に形成されていることが好ましい。その理由を以下説明する。すなわち、外周間隙へ溶融金属を供給する態様としては、例えばガラス基板対の外周縁に沿い移動する充填具の移動方向において充填具の前方の外周間隙に溶融金属を供給し、その後移動してきたコテ部が供給された溶融半田に浸漬されるよう構成することができる。しかしながら、この構成の場合には、コテ部が浸漬される前に溶融金属が外周間隙に流入するため、溶融金属の供給圧力変動や溶融金属とガラスの濡れ性のムラなどによって一定の幅で充填することが難しく、形成された封止部の幅が不均一になるおそれがある。また、外周間隙が狭くなると溶融半田を充分に供給出来なくなる場合もある。一方で、上記の好ましい構成では、ガイド部に形成された導入路を通じて溶融金属は直接コテ部へ円滑に流入し、更にコテ部との濡れにより溶融金属の濡れ広がりはコテ部の範囲に留まり溶融金属は一定の幅で充填され、もって封止部の幅をより均一にすることが可能となる。さらに、下記実施形態の項で詳細に説明するとおり、所定の場合には、外周間隙に供給された溶融金属の表面に生じた酸化物の巻き込みが抑制され、封止部とガラス基板の接合品質を高めることができるという効果を奏することができる。
さらに加えて、ガイド部は外周間隙の厚み方向に撓むことができるような弾性を有することが望ましい。かかる望ましい構成によれば以下の作用を奏することができる。すなわち、例えば充分に組立精度が確保できずガラス基板対の外周間隙が屈曲している場合や、外周間隙は直線状に形成されているがガラス基板対の移動機構の走行精度が充分に確保できず外周間隙の厚み方向に位置が変動しながら相対的に非水平に充填具が移動する場合など、充填具の走行経路と外周間隙との平行度が低いために上記充填動作においてガラス基板が充填具に接触する状態となることがある。しかしながら、上記構成によれば、ガラス基板はまず第1及び第2のガイド部に接触し、外周間隙の厚み方向に沿い所定の力で第1及び第2のガイド部を押圧する。押圧された第1及び第2のガイド部はその弾性により撓むので、厚み方向における外周間隙の位置の変動に追従しながら充填具は上下動する。その結果、上記状態となっても、コテ部とガラス基板との接触を防止できるとともに、外周間隙に安定して溶融金属を充填することができる。
本発明の別の態様は、互いの主面が間隙を介し配置された一対のガラス基板の外周間隙に溶融金属を充填するための充填装置であって、上記いずれかの充填具と、その充填具を直接的または間接的に支持するとともにガラス基板対で形成された間隙と平行な面内における充填具の移動を拘束するフローティング機構とを有する溶融金属の充填装置である。かかる構成の溶融金属の充填装置によれば、ガラス基板対で形成された間隙と平行な面内における充填具の移動を拘束するフローティング機構で充填具は支持されている、これを言い換えると外周間隙の厚み方向又は充填具の挿入軸回りには充填具は移動することができる。しかして、上記と同様に外周間隙の位置の変動が生じた場合でも、フローティング機構によりその変動に追従し厚み方向に充填具は上下動するので、ガラス基板対の各主面とコテ部に形成されたギャップは維持され、溶融金属は安定して外周間隙に充填される。
なお、上記充填装置において、充填具のコテ部を介し外周間隙へ充填された溶融金属に超音波を印加する超音波発振手段を設け、溶融金属とガラス基板との接触界面に存する気泡や異物を超音波で除去することが、その気泡や異物に起因する欠陥の生成を抑制し接合強度を高める点から望ましい。
さらに、上記充填装置において、溶融金属を吐出する吐出口を備えた溶融金属供給部を有し、その吐出口に充填具は取り付けられていることが、所望の量の溶融金属を確実に外周間隙に供給し、一定のサイズの封止部を形成するという点から望ましい。更に、下記実施形態の項で詳細に説明するとおり、所定の場合には、吐出口から外周間隙に供給される溶融金属自体への酸化物の混入が抑制され、封止部とガラス基板の接合品質を高めることができる。
さらに加えて、上記充填装置において、溶融金属供給部に設けられた吐出口は、前記外周間隙の厚みを越える口径を有するよう形成することが望ましい。この構成によれば、ガラス基板対の外周端面にも溶融金属を付着せしめ、その結果外周端面を覆うように封止部を形成することができ、特に封止部に耐リーク性が要求される場合に適する。一方で、ガラスパネルの実装性や美観の面から外周端面に封止部を形成することが好ましく無い場合には、吐出口は、外周間隙の厚み以下の口径を有するよう形成することが望ましい。
上記のように構成された本発明に係わる溶融金属の充填具及びこれを用いた溶融金属の充填装置によれば上記の作用を奏することができるので、従来技術に対し改善された溶融金属の充填具及びこれを用いた溶融金属の充填装置を提供するという本発明の目的を達成することができる。
本発明について、その実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施態様の説明では、図14を参照して説明したガラスパネルPの封止部nを形成するため、概ね250℃以下で溶融する低融点金属であるガラスとの接合性に優れたSnAgAl系半田を溶融した溶融半田を外周間隙kに充填する場合を例として具体的に説明するが、例えばSn、Bi、Zn、Ti等を含む種々の組成の半田や、In合金を用いた場合でも適用できる。さらに、本発明は実施態様に限定されることなく本発明と同一性の範囲において変形実施することができ、また、各実施態様の構成要素は本発明の目的に沿う限り単独に又は組合せて実施することができる。
(第1実施態様)
まず、本発明の第1実施態様について図1〜図11を参照して説明する。なお、図1の変形例を示す図6・7・10・11において共通する構成要素については同一符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
まず、本発明の第1実施態様について図1〜図11を参照して説明する。なお、図1の変形例を示す図6・7・10・11において共通する構成要素については同一符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
第1態様の充填具を含む本発明に係わる充填装置2は、図3に示すように、自動化に適する構成として、載置手段21、糸半田供給手段23、溶融半田充填手段22、位置決め手段24、制御手段26、気密室25及び雰囲気制御手段27とで構成されている。以下、各構成要素について説明する。
*載置手段
載置手段21において、符号211は、間隙保持部材を介して第1のガラス基板(以下第1基板と言う。)w1と第2のガラス基板(以下第2基板と言う。)w2とが対向位置決めされ所定の間隙kが主面S1及びS2間に形成されるよう配置されたガラス基板w1とw2の未接合体P1を水平な姿勢で載置可能なテーブルである。このテーブル211には、好ましい構成として未接合体P1を加熱可能なパネル状の発熱体が内臓してあり、この発熱体によりガラス基板w1とw2とを溶融半田の溶融温度程度に加熱することにより、溶融半田とガラス基板w1・w2との温度差で生じる応力によるガラス基板w1の破損を防止することができ、更に溶融半田とガラス基板w1・w2との濡れ性が高まるので封止部とガラス基板w1・w2との接合性を向上させることができる。
載置手段21において、符号211は、間隙保持部材を介して第1のガラス基板(以下第1基板と言う。)w1と第2のガラス基板(以下第2基板と言う。)w2とが対向位置決めされ所定の間隙kが主面S1及びS2間に形成されるよう配置されたガラス基板w1とw2の未接合体P1を水平な姿勢で載置可能なテーブルである。このテーブル211には、好ましい構成として未接合体P1を加熱可能なパネル状の発熱体が内臓してあり、この発熱体によりガラス基板w1とw2とを溶融半田の溶融温度程度に加熱することにより、溶融半田とガラス基板w1・w2との温度差で生じる応力によるガラス基板w1の破損を防止することができ、更に溶融半田とガラス基板w1・w2との濡れ性が高まるので封止部とガラス基板w1・w2との接合性を向上させることができる。
符号212は、テーブル211が上部に設けられ紙面に対し垂直及び水平方向に移動可させるテーブル移動部である。なお、以下、図3(a)に示すように、テーブル移動部212の移動方向であって紙面に平行な軸をX軸と、垂直な軸をY軸とし、X・Y軸に対し共に直交する鉛直な軸をZ軸とする。そして、未接合体P1を構成するガラス基板w1・w2の各々の主面S1・S2はX軸及びY軸を含む平面とほぼ平行に、未接合体P1の外周端面はZ軸とほぼ平行にテーブル211に載置されている。
*糸半田供給手段
溶融半田を形成するための原料を供給する構成の一例である糸半田供給手段23において、符号231は、SnAgAl系合金からなるワイヤー状の素材(以下糸半田と言う。)Mを巻回するボビン状の糸半田送出部であり、図示しないモータ等で回転され定量的に糸半田Mを送り出す。符号232は、糸半田Mが挿通可能な案内通路である貫通孔を有する両端開口の略管状の糸半田案内部であり、移動手段24の固定部材244に位置決め固定されている。本態様の充填装置2では、2mm程度の直径に成形した糸半田Mを用いており、初期状態において、糸半田送出部231に巻回された糸半田Mの先端部は糸半田送出部231から引き出され、糸半田案内部232の左方端部の開口から案内通路に挿入され下方端部の開口から突出し、溶融半田供給部11の流入口111へ向かう姿勢となるようセットされている。
溶融半田を形成するための原料を供給する構成の一例である糸半田供給手段23において、符号231は、SnAgAl系合金からなるワイヤー状の素材(以下糸半田と言う。)Mを巻回するボビン状の糸半田送出部であり、図示しないモータ等で回転され定量的に糸半田Mを送り出す。符号232は、糸半田Mが挿通可能な案内通路である貫通孔を有する両端開口の略管状の糸半田案内部であり、移動手段24の固定部材244に位置決め固定されている。本態様の充填装置2では、2mm程度の直径に成形した糸半田Mを用いており、初期状態において、糸半田送出部231に巻回された糸半田Mの先端部は糸半田送出部231から引き出され、糸半田案内部232の左方端部の開口から案内通路に挿入され下方端部の開口から突出し、溶融半田供給部11の流入口111へ向かう姿勢となるようセットされている。
*溶融半田充填手段
溶融半田充填手段22において符号1は溶融半田充填部であり、溶融半田充填部1は、図1に示すように溶融半田供給部11、溶融半田供給部11の先端に装着された充填具30及び溶融半田供給部11を支持するフローティング機構である支持部12とで構成されている。
溶融半田充填手段22において符号1は溶融半田充填部であり、溶融半田充填部1は、図1に示すように溶融半田供給部11、溶融半田供給部11の先端に装着された充填具30及び溶融半田供給部11を支持するフローティング機構である支持部12とで構成されている。
まず、溶融半田供給部11について説明する。溶融半田供給部11において、符号119は左端が縮径した略円筒形状をなす筒体である。筒体119は、筒体119の右上部に設けられた一面(以下溶融面と言う。)115と、左端部に設けられた他面(以下吐出面と言う。)116とを有し、未接合体P1の外周端面に対し微少なギャップを介して平行に吐出面116が位置決め可能なよう構成されている。なお、本態様の溶融半田供給部11には、溶融面115を挟んで両側に円環状の堰117が形成されており、この2つの堰117により囲まれた凹状部の底面が溶融面115となる。さらに、筒体119は熱伝導率の高いステンレス等で形成することが望ましく、加えて円滑に溶融半田M1を流動させるため溶融面115と吐出面116には溶融半田M1との濡れ性に富むCr層等を形成することが望ましい。
符号114は、溶融面115と吐出面116との間の筒体119の外周面に沿いコイル状に巻回され、糸半田Mの溶融温度以上に筒体119を加熱する加熱部材である。加熱部材114には、その発熱温度や発熱パターンを制御する加熱制御部221が接続されている。
符号113は筒体119の内部を貫通する流路であり、溶融面115に開口した第1開口(以下流入口と言う。)111と、吐出面116に開口した第2開口(以下吐出口と言う。)112とを有しており、流入口111は、その直径ΦBが糸半田Mの直径ΦA未満である。なお、流路113の断面形状は円形状に限定されることはなく、例えば矩形状等としてもよい。
上記流路113には、円滑に溶融半田M1を流動させるため溶融半田M1との濡れ性の高いCr層をその表面に形成することが望ましい。このCr層に代えてAl、Mo、W、V、Nb、Ta、Ag又はNiからなる層を設けてもよい。加えて、流路113には、その表面が溶融半田M1から喰われ難いように溶出防止処理としての窒化処理等を施すことが望ましい。
吐出口112は、理解のため溶融半田M1の図示を省略した図5(a)に示すように、その口径である直径D1が外周間隙kの寸法gを越える大きさであり、吐出口112に達した溶融半田M1は、第1基板w1及び第2基板w2の各々の外周端面にも接するため外周間隙kのみならず外周端面にも塗布されることとなる。したがって、図14(b)に示すように、この態様の吐出口112を使用して製造されたガラスパネルPには、外周端面に密着する封止部n1を含む封止部nが外周間隙kに形成される。なお、吐出口112の口径は、Z軸方向の大きさを基準として外周間隙kの大きさと比較する。
一方で、理解のため溶融半田M1の図示を省略した図6(a)に示す溶融半田供給部91ように、吐出口912の口径D1を外周間隙kの寸法g以下とすることもできる。この態様の場合、吐出口912は外周間隙kの内にのみ開口しているので、吐出口912に達した溶融半田M1は外周間隙kにのみ充填される。そのため、図14(c)に示すように、この態様の溶融半田供給部91を使用して製造されたガラスパネルPには、外周間隙kにのみ封止部nが形成される。この吐出口912のような態様の場合、流路113を全長にわたり吐出口912の直径と同じ直径D1とすると流動抵抗が大きくなり溶融半田M1の流動性が低下するおそれがある。そのため、溶融半田M1が実際に吐出される吐出面116で吐出口912が直径D1となるよう、流路113の終端部の形状は吐出面116に向かい縮径した略円錐形状であることが好ましい。
上記のように糸半田Mの先端は、溶融半田供給部11の流入口111へ向かう姿勢で糸半田案内部232にセットされており、もって、糸半田送出部231から定量的に送り出された糸半田Mは、その先端面が流入口111を閉塞する姿勢で溶融面115に当接する。加熱部材114で加熱された溶融面115に触れた糸半田Mは溶融し溶融半田M1が形成される。その溶融半田M1は流入口111から流入し、流路113の中を左端へ向けて流動し、吐出口112から吐出される。なお、筒体119は、糸半田案内部232から繰り出される糸半田Mと溶融面115との上記位置関係が保持可能されるよう固定部材244に位置決め固定されている。
以上のように本態様の充填装置2では、糸半田供給手段23で供給された固状の糸半田Mを溶融半田供給部11それ自身で溶融して溶融半田M1を形成する例であるが、例えば半田を溶融状態で収納可能な容器から溶融半田を自重や加圧力で押出して溶融半田供給部へ供給する構成は充填装置2に組み込むこともでき、その他本発明の目的に沿えば他の供給機構を組み込むこともできる。
次に、充填具30について説明する。充填具30は、図1において矢印Y1で示すように水平面に沿う未接合体P1の外周端面から内部に向かう方向(以下挿入方向と言う)で未接合体P1の外周間隙kに挿入され、上記溶融半田供給部11の吐出口112から吐出される溶融半田M1を外周間隙kに案内し充填するように構成されており、Z軸方向において吐出面116のほぼ中央部に形成された取付け溝に吐出口112を横切るように嵌着されている。
充填具30の詳細を図示した図4・5において、符号33は外周間隙kの寸法gより厚みがT2と薄く、溶融半田供給部11の吐出面116から長さL2だけ突出した薄板状のコテ部であり、上記載置手段21に置かれた未接合体P1の第1基板w1の主面S1と所定の第1のギャップG1を介して対向する上面(第1の平面)331と、第2基板w2の主面S2と所定の第2のギャップG2を介して対向する下面(第2の平面)332とを有している。なお、本態様では第1のギャップG1と第2のギャップG2とは同程度の寸法である。かかる構造のコテ部33によれば、吐出口112を通じて外周間隙kに供給された溶融半田M1は上面331及び下面332に濡れ広がるが、その広がりはコテ部33の先端(図4において先端、図5(a)において右端)に留まるので、充填された溶融半田M1の未接合体P1の外縁からの幅はコテ部33の長さL2に規制される。そして、ギャップG1・G2に溶融半田M1が充填された状態で未接合体P1の外縁に沿い溶融半田充填手段1を水平移動させると、その水平移動によりギャップG1・G2に充填された溶融半田M1には流動が生じ、その溶融半田M1の流動により溶融半田M1はガラス基板w1・w2に塗り込まれ、未接合体P1の外縁に添いほぼ一定の幅で溶融半田M1は充填される。
本態様の充填装置2には、好ましい構成として、図1・3に示すようにコテ部33に超音波を伝達する超音波発振部222が組み込まれており、ギャップG1・G2に充填された溶融半田M1とガラス基板w1・w2との接触界面にコテ部33を介して超音波を印加し、活性化させて接触界面に半田を馴染ませるとともに、接触界面に存在する気泡や異物を除去可能なよう構成されている。なお、充填具30の挿入方向にコテ部33が振動するよう超音波を印加することがさらに好ましい。
なお、コテ部33の少なくとも上面331及び下面332には溶融半田M1との濡れ性を高めるため、Cr、Al、Mo、W、V、Nb、Ag、Ni又はTaからなる層を設けることが好ましく、さらに溶融半田M1で喰われ難いように溶出防止処理としての窒化処理等を施すことが望ましい。さらに、溶融半田M1の追従性を高めるためには、コテ部33の上面331・下面332にコテ部33の移動方向に対し交差する凹凸を形成してもよい。
充填具30において、図4・5の符号31は第1のガイド部であり、符号32は第2のガイド部である。第1のガイド部31は、コテ部33の上面331から突出した1対の突起体31aと31bとで構成されている。各突起体31a・32aは、外周間隙kへ充填具30が挿入された状態で第1基板w1の主面S1に接触する第1の接触面311を有し、そのX軸方向の長さは溶融半田供給部11の吐出面116を基準としてL1であり、そのZ軸方向の高さは第1のギャップG1とほぼ同じ大きさである。
第2のガイド部32も上記第1のガイド部31と同様に、コテ部33の下面332から突出した一対の突起体32aと32bとで構成されている。各突起体32a・32bは、外周間隙kへ充填具30が挿入された状態で第2基板w2の主面S2に接触する第2の接触面321を有し、上記第1のガイド部31と同様に長さがL1であり、その高さは第2のギャップG2とほぼ同じ大きさである。なお、第1の接触面311及び第2の接触面321は、後述するフローティング機構との関係から、充填具30の幅方向(充填具30の挿入方向と水平面内において直交する方向)に凸状の円筒面となるよう形成されている。
上記構成のガイド部31・32について詳しく説明する。すなわち、図5に示すように、第1のガイド部31と第2のガイド部32が形成されている部分の充填具30の厚みは、コテ部33の厚みT2、第1のガイド部31及び第2のガイド部32の高さ(すなわちギャップG1とG2の厚み)を加算した厚みT1であり、ガラス基板w1・w2の主面S1・S2に両ガイド部31・32が各々接しつつ外周間隙kの中を摺動可能なように、その厚みT1は外周間隙kの寸法gと同等か僅かに小さな寸法である。しかして、充填具30が外周間隙kに挿入されるとガイド部31・32は共にガラス基板w1・w2の各々の主面S1・S2に接し、充填具30は外周間隙kに嵌合された状態となり、その結果第1のギャップG1と第2のギャップG2が形成されるようにZ軸方向においてコテ部33は位置決めされる。そして、外周間隙kへ溶融半田M1を充填するため未接合体P1の外周端面に沿い溶融半田供給手段1を水平移動させると、ガイド部31・32が各々主面S1・S2と常に摺動しつつ充填具30は移動するのでギャップG1・G2の大きさは常に一定に維持される。
上記第1のガイド部31と第2のガイド部32の高さ、すなわち第1のギャップG1と第2のギャップG2の寸法は同一であるが、この寸法は溶融半田M1の特性に応じ適宜設定すればよく、両者の寸法が相違するよう構成してもよい。この場合には、供給された溶融半田M1は重力で流下するため、第1のギャップG1が第2のギャップG2より大きくなるようにする方が好ましい。
上記第1の接触面311及び第2の接触面321には、ガラス基板w1・w2との摺動性を高めるための処理であるNi撥水メッキ処理や表面の平滑化処理を施すことが好ましい。また、図1の充填具の変形例を図示した図6(a)に示すように、ガイド部31・32には充填具30の図示挿入方向Y1に沿いその中間部に各々凹部313・323を形成してもよい。かかる凹部313・323をガイド部31・32に設けガラス基板w1・w2との接触面積を小さくして摺動抵抗を低減することで、溶融半田供給手段1を円滑に移動させることができ、加えてガラス基板w1・w2の損傷をより抑制することができる。なお、必要な場合には各ガイド部31・32は主面S1・S2と点接触するよう構成してもよい。
さらに、ガイド部31・32には、未接合体P1の外周間隙kへ挿入し易くするため、図4に示す挿入方向Y1において未接合体P1の外周端面との対面C1及び側面C2の角部にはC面又はR面を形成しておくことが好ましい。このC面やR面は、面C1及びC2の角部に切削加工、砥粒加工、エッチング等を施して形成することができる。
さらに、第2態様の充填装置の説明で詳述するが、未接合体P1の外周間隙kの位置や大きさの変動に対応するため、ガイド部31・32はZ軸方向に一定量だけ撓むことができる弾性を有することが望ましい。
図4・5において符号312はコテ部33の上部に設けられた第1の案内路、符号322は下部に設けられた第2の案内路である。案内路312・322は、溶融半田供給部11の吐出口112から吐出された溶融ハンダM1をコテ部33に円滑に案内するため、充填具30の幅方向においてガイド部31・32の各突起体31a・31b及び32a・32bとの間に矩形溝状に形成されている。すなわち、案内路312・322は、ガイド部31・32の各々の中央を分断するように設けられており、案内路312・322を介してコテ部33と吐出口112とを直結している。
案内路312・322の形態、すなわちその断面形状や幅・深さなどは溶融半田M1の流動性に合わせて適宜決めればよいが、溶融半田M1を円滑にコテ部33へ案内するためには、案内路312・322の底面をコテ部33の上面331・322と同一平面内に形成し、案内路312・322とコテ部33との接続部分における段差が低いことが好ましい。さらに、案内路312・322の内面にも溶融半田M1との濡れ性を高めるため、Cr、Al、Mo、W、V、Nb、Ta、Ag又はNiからなる層を設けることが好ましく、さらに溶融半田M1で喰われ難いように溶出防止処理としての窒化処理等を施すことが望ましい。
さらに、案内路の構成は図4・5の態様に限られることなく、図6(b)に示す充填具60のように、幅方向においてコテ部33の中央部にガイド部61・62を設け、吐出口112から上面331・下面332に通じる上下2条の案内路612a・612b及び622a・622bをガイド部61・62の両側に配置した構成としてもよい。
充填具のコテ部とガイド部は一体構造としてもよいが、上記のようにコテ部とガイド部とは機能が相違しそれぞれに要求される特性が異なることから、例えば図7に示す充填具40のように、溶融半田M1との濡れ性の高い材料でコテ部43を、ガラス基板との摺動性に優れ磨耗し難い材料でガイド部41・42を形成し、別体のコテ部43とガイド部41・42とを接着や螺止など適宜な方法で組み立てて構成することもできる。さらに、溶融半田供給部の吐出面にコテ部若しくはガイド部を、又はそれらをいずれも一体的に形成してもよい。
次に、好ましい構成として本態様の充填装置2に組み込まれた支持部12について図1・2を参照して説明する。本態様の支持部12は、溶融半田供給部11を介して間接的に充填具30を支持するとともに、Z軸方向(外周間隙kの厚み方向)及び溶融半田供給部11の軸心(充填具30の挿入軸)回りにのみに充填具30に作用する力に追従して充填具30を移動させる(すなわち水平面内には移動しない)フローティング機構を構成している。その支持部12において、符号127は溶融半田供給部11の右端面に接続された円柱形状の支持部材であり、その左端に小径部1272が、軸心方向において小径部1272に隣接し大径部1271が形成されている。その小径部1272は軸受部材126に設けられた軸受128に軸支され、溶融半田供給部11の軸心回りに支持部材127は回転自在とされている。また、図1の支持部材127と軸受部材126とを左側面から見た拡大断面図である図2に示すように、大径部1271は下方が切り欠かれた略扇形状をなしており、その大径部1271の切欠きと軸受部材126の内面に設けられた突起部1261の両側面との間にコイル状の圧縮バネ129が左右一対、圧縮状態で挿入されている。この一対の圧縮バネは、無負荷状態のときには充填具30が水平な姿勢となるよう調整されている。
符合125は左側に開口したコの字状の移動部材であり、内側面に上記軸受部材126が取り付けられている。符号122は直線駆動部材(例えばリニアガイド)であり、移動部材125の外側面に移動子が取り付けられ移動部材125をZ軸方向にのみ移動させる、符号121は移動部材125より一回り大きな左側に開口したコの字状のケーシングであり、内側面にリニアガイド122のレールが取り付けられており、さらにケーシング121は移動手段124の固定部材244に位置決め固定されている(図3参照)。符号123は、移動部材125の上腕外面とケーシング121の上腕内面との間及び移動部材125の下腕外面とケーシング121の下腕内面との間に圧縮した状態で組み込まれた一対の弾性部材であるコイル状の圧縮バネであり、符号124は、ケーシング121の上腕及び下腕に設けられた不図示の貫通孔及び圧縮バネ123に一端部が遊動可能に挿通されているとともに移動部材125の上腕及び下腕に他端部が固定され、圧縮バネ123の径方向の移動を規制する規制軸である。
かかる構造の支持部12は次の動作をする。すなわち、図9に示すように、例えばガラス基板w1及びw2の組合精度の不備やテーブル移動部212の走行精度の不備により未接合体P1の外周間隙kのZ軸に沿う位置が変動した場合には、ガラス基板w1・w2に接触するガイド部31・32を介して溶融半田供給部11の軸心回り又はZ軸方向に沿う一定の力が充填具30に作用する。その溶融半田供給部11の軸心回りの力は、溶融半田供給部11を介して支持部材127へ伝達される。支持部材127は軸受部材126により回転方向のみに移動方向が規制されており、その大径部1271は一対の圧縮バネ129で支持されているので、作用した力に応じ溶融半田供給部11の軸心回りにのみ移動する。また、充填具30に作用したZ軸方向の力は溶融半田供給部11などを介して移動部材125に伝達される。移動部材125はZ軸方向にのみ移動可能なよう直線移動部材122で移動方向が規制されており、圧縮バネ123で支持されているので、作用した力に応じZ軸方向にのみ移動する。
*位置決め手段
図3に示すように、位置決め手段24は、門型の支持体241、支持体241の上辺部に固定された昇降部242とから構成され、昇降部242の底部には図示Z軸方向に昇降しかつθ軸方向に旋回する昇降軸243が設けられている。そして、上記したように糸半田案内部232及び溶融半田充填部1は固定部材244を介して昇降軸243の下端部に接続されている。
図3に示すように、位置決め手段24は、門型の支持体241、支持体241の上辺部に固定された昇降部242とから構成され、昇降部242の底部には図示Z軸方向に昇降しかつθ軸方向に旋回する昇降軸243が設けられている。そして、上記したように糸半田案内部232及び溶融半田充填部1は固定部材244を介して昇降軸243の下端部に接続されている。
*制御手段
図3に示すように、制御手段26は、電気通信回線261を介して充填装置2の上記各構成要素と接続された制御部262で構成されており、各構成要素の動作を制御する。具体的には、制御部262はコンピュータで構成されており、その記憶部(メモリー)に格納されたプログラム及び各種のデータを演算部(CPU)が読み出し適宜演算することにより、糸半田送出部231に組み込まれたモータに指令して糸半田Mの供給量を制御し、加熱制御手段221に指令して加熱部材114の発熱温度を制御し、超音波発振部222に指令してコテ部33に印加する超音波の出力や印加パターンを制御し、移動手段24を構成する昇降部242及びテーブル移動部212に指令してその移動経路や移動速度を制御するよう構成されている。
図3に示すように、制御手段26は、電気通信回線261を介して充填装置2の上記各構成要素と接続された制御部262で構成されており、各構成要素の動作を制御する。具体的には、制御部262はコンピュータで構成されており、その記憶部(メモリー)に格納されたプログラム及び各種のデータを演算部(CPU)が読み出し適宜演算することにより、糸半田送出部231に組み込まれたモータに指令して糸半田Mの供給量を制御し、加熱制御手段221に指令して加熱部材114の発熱温度を制御し、超音波発振部222に指令してコテ部33に印加する超音波の出力や印加パターンを制御し、移動手段24を構成する昇降部242及びテーブル移動部212に指令してその移動経路や移動速度を制御するよう構成されている。
*気密室
図3に示すように、気密室25は、充填装置2の上記各構成要素を内包する気密空間252を形成する筐体251とで構成されている。
図3に示すように、気密室25は、充填装置2の上記各構成要素を内包する気密空間252を形成する筐体251とで構成されている。
*雰囲気制御手段
図3に示すように、雰囲気制御手段27は、供給ポンプを備え収納された所定のガスを所定圧力で供給可能なガス供給部272と、気密室25の気密空間252を真空状態とする真空ポンプ273と、ガス供給部272と真空ポンプ273とを気密空間252に接続する配管271とで構成されており、気密空間252を所定の雰囲気に制御する。ここで、ガス供給部272には、ガラスパネルの用途等に応じて適用する複数種のガス、例えば不活性ガスであるアルゴンガス・窒素ガス、還元性ガスである水素ガス・一酸化炭素ガス、酸化性ガスである酸素ガスを分離して収納することが可能であり、更にガス供給部272に備える混合弁によりこれらのガスを所定割合で混合して気密空間252に供給することもできる。
図3に示すように、雰囲気制御手段27は、供給ポンプを備え収納された所定のガスを所定圧力で供給可能なガス供給部272と、気密室25の気密空間252を真空状態とする真空ポンプ273と、ガス供給部272と真空ポンプ273とを気密空間252に接続する配管271とで構成されており、気密空間252を所定の雰囲気に制御する。ここで、ガス供給部272には、ガラスパネルの用途等に応じて適用する複数種のガス、例えば不活性ガスであるアルゴンガス・窒素ガス、還元性ガスである水素ガス・一酸化炭素ガス、酸化性ガスである酸素ガスを分離して収納することが可能であり、更にガス供給部272に備える混合弁によりこれらのガスを所定割合で混合して気密空間252に供給することもできる。
上記構成の充填装置2の動作を以下説明する。
まず、準備工程である。図3に示すように、間隙保持部材により所定の間隙kを介して主面S1・S2が対向した状態の未接合体P1を水平な姿勢でテーブル211の上の所定の位置に載置する。次いで充填装置2を起動させると、充填装置2は気密室25を気密にして、真空ポンプ273で空気を排気して気密空間252の内部を真空状態とする。その後充填装置2は、所定の割合で酸素を含むガスをガス供給部272から気密空間252へ供給し、ガラス基板w1・w2と酸素を介して接合する易酸化元素を含むSnAgAl系半田からなる溶融半田M1がガラス基板w1・w2に接合し易い雰囲気とする。また、充填装置2はテーブル211に内蔵された発熱体を発熱させて、溶融半田M1の溶融温度程度に未接合体P1を加熱し、さらに、溶融半田M1へ印加すべき超音波を充填具33に伝達するため超音波発振部222を発振させる。
まず、準備工程である。図3に示すように、間隙保持部材により所定の間隙kを介して主面S1・S2が対向した状態の未接合体P1を水平な姿勢でテーブル211の上の所定の位置に載置する。次いで充填装置2を起動させると、充填装置2は気密室25を気密にして、真空ポンプ273で空気を排気して気密空間252の内部を真空状態とする。その後充填装置2は、所定の割合で酸素を含むガスをガス供給部272から気密空間252へ供給し、ガラス基板w1・w2と酸素を介して接合する易酸化元素を含むSnAgAl系半田からなる溶融半田M1がガラス基板w1・w2に接合し易い雰囲気とする。また、充填装置2はテーブル211に内蔵された発熱体を発熱させて、溶融半田M1の溶融温度程度に未接合体P1を加熱し、さらに、溶融半田M1へ印加すべき超音波を充填具33に伝達するため超音波発振部222を発振させる。
次に、充填具の位置決め工程である。充填装置2は、昇降部242で昇降軸243を下降させ更には旋回させ、溶融半田充填部1を所定の位置に位置決めする。この溶融半田充填部1が位置決めされた時、図1に示すように、溶融半田充填部1は、Z軸方向においてはその充填具30のコテ部33が未接合体P1の外周間隙kに挿入可能な位置に、θ軸方向においてはその溶融半田供給部11の吐出面116と未接合体P1の外周端面とが平行となる位置に、配置されている。次いで、充填装置2は、図1に示すように、溶融半田供給部11の吐出面116と未接合体P1の外周端面とがごく僅かなギャップを介して対向する状態となるよう、テーブル移動部212を水平移動させて未接合体P1を所定位置に位置決めする。この未接合体P1が水平面内で位置決めされる過程で未接合体P1の外周間隙kに充填具30は挿入されるが、充填具30のガイド部31・32の角部には上記のようにC面やR面が形成されているのでガイド部31・32は円滑に外周間隙kに挿入され、しかも充填具30はフローティング機構である支持部40で支持されているので、例えばZ軸方向における外周間隙kと充填具30との中心が変位している場合でも、その変位に追従して上下動しガイド部31・32は外周間隙kに挿入される。そして、上記未接合体P1の位置決め動作が完了すると、ガイド部31・32はガラス基板w1・w2の各々の主面S1・S2といずれも接触するため充填具30は外周間隙kに嵌合された状態となり、Z軸方向において外周間隙kのほぼ中央にコテ部33は位置決めされ、ガラス基板w1・w2とコテ部33の間にギャップG1・G2が形成される。
次いで、溶融半田の供給工程である。充填装置2は、図3に示すように、糸半田送出部231のモータを駆動し、糸半田案内部232の下端から糸半田Mを繰り出す。繰り出された糸半田Mは、図1に示すように、糸半田Mの溶融温度以上に加熱部材114で加熱された溶融半田供給部11の溶融面115に当接し溶融半田M1が形成される。ここで、溶融面115に開口した流入口111の直径ΦBは糸半田Mの直径ΦAより小さいので、糸半田Mの外周面に酸化物が生成していても、その酸化物は流入口111の外周縁部すなわち溶融面115により剥離され除去される。その結果、酸化物の流路113への混入は阻止され、酸化物がほとんど混入しない清浄な溶融半田M1が流路113へ流入する。以後、充填装置2は、充填作業が完了するまで一定の速度で連続的に糸半田Mを送り出し、流路113へ溶融半田M1を供給する。なお、大気中で保管された糸半田Mの表面に生成している酸化物層の厚さは通常数十μm程度であるので、糸半田Mと流入口111の直径の差(ΦA−ΦB)は1mm前後としておけば十分である。
上記供給工程において溶融面115で除去された酸化物は堰117により流動が制限されながら流入口111の周囲に堆積した後、後続の酸化物により押し流されて溶融半田供給部11の下面に達し、そこで図示しない回収手段により回収される。
次いで、溶融半田の充填工程である。上記供給工程で流路113に流入した溶融半田M1は吐出口112から吐出され、図5に示すように充填具30の上下の案内路312・322を流動して第1のギャップG1と第2のギャップG2に満たされる。ここで、溶融半田供給部11から供給される溶融半田M1は、ガラス基板w1・W2及び吐出面116でほぼ密閉され酸素に触れない状態で案内路312・322を通過し、ギャップG1・G2に供給される。もって、溶融半田M1の表面の酸化が抑制された状態でガラス基板w1・w2に塗り込まれるので、ガラスパネルの封止部とガラス基板との封止品質を高めることができる。
そして、充填装置2は、図3に示すように、上記溶融半田供給手段1と未接合体P1との水平方向の位置関係を維持しつつ未接合体P1の外周縁の周りを矩形枠状に充填具30が一周するよう、テーブル移動部212をX軸又はY軸方向に一定の速度で走行させて未接合体P1を水平移動する。すると、ギャップG1・G2に供給された溶融半田M1はガラス基板w1・w2の各々の主面S1・S2に濡れ、さらに塗り込まれつつ充填具3の長さL2の幅で外周間隙kに充填されていく。なお、未接合体P1の四隅部では、充填装置2は、図3の部分拡大平面図である図8に示すように、テーブル移動部212による未接合体P1のX・Y軸方向の移動制御と昇降軸243による溶融半田充填部1のθ軸方向の移動制御を組み合わせ、円弧状の経路で充填具30を水平移動させ、四隅部の外周間隙kに溶融半田M1を充填する。
ここで上記充填工程において充填具30が水平移動する間、図5に示すように、ガイド部31・32は各々常にガラス基板w1・w2の主面S1・S2と接触した状態であり、Z軸方向におけるコテ部33の移動はガイド部31・32により規制されている。しかして、コテ部33がガラス基板w1・w2に接触することはなく、もってその主面S1・S2に封止部との接合性を阻害するような損傷が生じることがない。さらに、溶融半田M1をガラス基板w1・w2へ良好に塗り込むための一つの要素であるガラス基板w1・w2とコテ部33との間のギャップG1・G2の大きさは、そのギャップG1・G2に応じた高さでコテ部33から突起させたガイド部31・32により充填工程中安定して維持される。その結果、封止部とガラス基板との接合強度の均一化を図ることができる。
加えて、充填具30はフローティング機構である支持部12で支持されているので、図9(a)に示すような未接合体P1の外周間隙kにうねりがある場合や、同図(b)に示すようにテーブル移動部212の走行経路が外周間隙kに対し角度ρだけ傾いている場合などでも、未接合体P1の移動に際して生じる外周間隙kの上下位置変動に追従して充填具30は上下動する。その結果、充填具30とガラス基板w1・w2とのギャップG1・G2は一定に維持される。
さらに、図1に示すように、充填工程中に充填具30を介してギャップG1・G2に満たされた溶融金属M1とガラス基板w1・w2の接触界面に超音波を印加しているので、ガラス基板w1・w2と溶融半田M1との濡れ性が高まり、狭小なギャップG1・G2に溶融半田M1が充分に供給される。さらに、接触界面に存在する気泡や酸化膜等の異物が超音波振動により除去されるので、製品としてのガラスパネルの封止部とガラス基板との接合強度を高めることができる。
上記充填工程が完了し、未接合体P1の四辺全ての外周間隙kに溶融半田M1が充填された後、充填された溶融半田M1を冷却し固化する溶融半田の冷却工程を経て封止部が形成される。この冷却工程は、図3に示すテーブル211に未接合体P1を載置したまま加熱体の発熱を停止することで行ってもよいし、テーブル211から未接合体P1を取り外して別所で行ってもよい。なお、ガラスパネル製造の自動化のためには、例えばテーブル211をテーブル移動部212に着脱自在な構造とし、充填工程を行う毎に未接合体P1が載置されたテーブル211自体を取り替える構成とすることが望ましい。
上記態様の充填装置2では、図4・5に示すように充填具30の挿入方向Y1においてコテ部33の後端側にガイド部31・32を設けた例を説明した。この態様の充填具30は、例えば平面型画像表示装置に組み込まれる配線パターンが封止部よりも内側に形成されるガラスパネルのように、配線パターンの保護のため封止部の外側でガイド部が摺動させる必要があるときに好適な構成である。一方で、ガラス基板w1・w2においてガイド部31・32が摺動部分に存する封止部の接合性は、ガイド部31・32の摺動によりガラス基板w1・w2が損傷するため非摺動部分に比べ劣るため、摺動部分に存する封止部はいわば駄肉となり封止部の幅が比較的広くならざるを得ない。そこで、比較的狭幅の封止部を形成する必要がある場合には、図10に例示する形態の充填具70を用いることが好ましい。図10に示す充填具70では、充填具70の挿入方向Y1においてガイド部71・72がコテ部73の先端に配置されており、溶融半田供給部11の吐出口112から吐出された溶融半田は直接コテ部73へ供給されるため案内路は設けられていない。この充填具70によれば、上記充填具30と同様にコテ部73はガラス基板w1・w2に接触せず、供給された溶融半田M1はコテ部73の上面及び下面を濡れ広がりガラス基板との間のギャップに充填されるが、その溶融半田の濡れ広がりはガイド部71・72で規制されるため、未接合体の外縁から比較的狭幅で溶融半田を充填することができる。また、溶融半田の濡れ広がりをガイド部71・72で規制することで、未接合体の外縁に沿いほぼ一定の幅で外周間隙に溶融半田を充填することができる。
さらに、上記態様の充填装置2では、図4・5に示すように、充填具30が外周間隙kへ挿入されたときには、第1基板w1の主面S1に第1のガイド部31を、第2基板w2の主面S2に第2のガイド部32を双方とも同時に接触させる構成としたが、図11に示す充填具50のように、ガイド部51・52は常に主面S1・S2と接触しておらず、必要な場合にガラス基板w1・w2に接触するよう構成してもよい。すなわち、充填具50は、基本的な構造は充填具30と同様であり、コテ部33と、コテ部33の上面から突起した第1のガイド部51と、コテ部33の下面から突起した第2のガイド部52を有するが、図11(a)に示すように、ガイド51・52の部分における充填具50の部分の厚みT1は外周間隙kの寸法g未満である。したがって、この充填具50が外周間隙kへ挿入されたとき、第1のガイド部51は第1基板w1の主面S1に対し所定のギャップで対向し、同様に第2のガイド部52は第2基板w2の主面S2に対し所定のギャップで対向し、充填具50が挿入された時点ではいずれのガイド部51・52も主面S1・S2に接触しない。かかる充填具50によれば、図11(b)に示すように、溶融金属の充填工程中、Z軸に沿い図示矢印Z1方向に相対的に充填具50の位置が変動した場合であっても、ガイド部51・52の規制によりガラス基板w1・w2にコテ部33が触れることがなく、ガラス基板w1・w2の損傷を防止して封止部の封止品質を高めることができる。
なお、上記支持部に組み込んだフローティング機構は必ずしも必要でなく、また充填具のガイド部に形成した各々の接触面を平坦面にしても構わず、さらにコテ部の一方の面のみに1個だけガイド部を形成しても構わない。かかる構成であっても、未接合体の外周間隙の寸法精度が高い場合やテーブル移動部の走行精度が高い場合など所定の場合には、ガラス基板の主面とコテ部との接触を回避するというガイド部の奏する作用によりガラス基板の損傷を防止せしめ、もってガラスパネルにおいて封止部との封止性を高めるという効果を発揮することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施態様について図12及び図13を参照して説明する。なお、第2態様の充填装置は基本的に図2を参照して説明した充填装置2と同様に構成されており、溶融半田充填手段の部分のみが相違するので、図12・13ともに溶融半田充填手段に関連する部分のみを図示し、他の構成要素の図示は省略している。また、充填装置2と同一の構成要素については同一符号を付しており、その構造及び動作の詳細な説明は省略する。
本発明の第2実施態様について図12及び図13を参照して説明する。なお、第2態様の充填装置は基本的に図2を参照して説明した充填装置2と同様に構成されており、溶融半田充填手段の部分のみが相違するので、図12・13ともに溶融半田充填手段に関連する部分のみを図示し、他の構成要素の図示は省略している。また、充填装置2と同一の構成要素については同一符号を付しており、その構造及び動作の詳細な説明は省略する。
第2態様の充填装置の溶融半田充填部1aは、図12に示すように、前記溶融半田供給部11とほぼ同様な構成の溶融半田供給部11aと、フローティング機構を構成しない単なる支持部に繋がる支持部材46aの先端に支持された充填具80aとを有し、図示矢印X1で示す充填工程における溶融半田供給部1aの移動方向において、溶融半田供給部11aは充填具80aの前方に充填具80aとは分離された状態で配置されている。この溶融半田供給部11aの先端部には、未接合体P1の外周間隙kに挿入可能な外径の供給管118が設けられており、充填工程の進行方向において充填具80aの前方の外周間隙kへ溶融半田M1を供給する。この供給管118は複数本配置してもよいし、楕円形断面や矩形断面の供給管を用いてもよい。供給管118の挿入深さは形成すべき封止部の幅に応じて決めればよいが、特に広幅の封止部を形成する場合には複数本の供給管を各々挿入深さを変えるよう構成すれば有効である。更に、供給管118は、接触した場合にガラス基板w1・w2を損傷させないよう、例えば表面を樹脂で被覆したり軟質な材料で構成することが望ましい。
本態様の充填具80aは、第1態様の充填装置のようなフローティング機構に替えて、外周間隙kの厚み方向であるZ軸方向又は溶融半田供給部11aの軸心回りにそれ自身が撓むことが出来る弾性を有する構成となっている。具体的には、充填具80aは、図12に示すようにガイド部81・82の弾性のある金属や樹脂その他の弾性部材で形成し、ガイド部81・82に撓み性を具備させることで外周間隙kの位置が変動した場合でもガイド部81・82が撓んで追従可能なよう構成されている。なお、ガイド部全体を弾性部材で構成せず、例えばガイド部81・82のガラス基板w1・w2の各主面S1・S2との接触面に弾性層を設けてもよい。かかる構成は、充填装置の構造が簡素化できるという利点があり、未接合体P1の外周間隙kのZ軸方向における位置の変動が比較的少ない場合に特に有利である。
図13(a)に示す充填具80bは上記充填具80aの第1の変形例である。充填具80bは、挿入方向Y1において充填具80bの後方であってガイド部31・32の表面に重ねて形成された弾性層84a・84bを有し、先端が割られた支持部材46bで上下から弾性層84a・84bが挟持されることで支持される構造となっている。そして、溶融半田の充填工程において、充填具80bは、その弾性層84a・84bが形成されていない露出したガイド部31・32の接触面はガラス基板w1・w2と接触するものの弾性層64a・64bは直接接触しない。したがって、弾性層84a・84bにより上記と同様に外周間隙kの位置の変動に対応でき、更にガイド部31・32と弾性層84a・84bの各々の機能を果たすために適する別個の部材で構成することができるという利点もある。
図13(b)に示す充填具80cは上記充填具80aの第2の変形例である。この充填具80cには、未接合体P1の外周間隙kに挿入されるコテ部33及びガイド部31・32と支持部材46aとの間に弾性部85が設けられている。この弾性部85は、Z軸方向に撓み易いよう、支持部材46aの端面からの突出長さL3で薄板状に形成してある。
図13(c)に示す充填具80dは上記充填具80aの第3の変形例である。この充填具80dには、未接合体P1の外周間隙kに挿入されるコテ部33及びガイド部31・32と支持部材46aとの間に上下一対の弾性部86a・86bが設けられている。そして弾性部86aはガイド部31の後方に、弾性部86bはガイド部32の後方に、各々支持部材46aの端面からの突出長さL3で薄板状に形成してある。この充填具80dによれば、Z軸方向における外周間隙kの位置が変動した場合に、コテ部33及びガイド部31・32とを一体の支点として弾性部86a・86bがリンク状に変位するので、外周間隙kの変動に対し水平な姿勢を保持しつつコテ部33及びガイド部31・32は追従することができるという利点がある。
上記第2態様の充填装置では、フローティング機構に替えて上記充填具80a〜80dを組み込んであるが、充填すべき対象物により上記充填具80a〜80dをフローティング機構を有する第1態様の充填装置に組み込んでも当然構わない。
また、上記説明では理解を容易にするため平面視の大きさが同一であるガラス基板w1とw2とからなる未接合体P1を対象としたが、異なる大きさのガラス基板であっても対応することができる。すなわち、異なる大きさの2枚のガラス基板を位置合わせした未接合体の端部は一致せず段差が形成されるが、溶融半田供給部の吐出面の形状をその段差に応じた形状とすればよい。
1:溶融半田充填部
11:溶融半田供給部
12:支持部
2:充填装置
21:載置手段
22:溶融半田充填手段
23:糸半田供給手段
24:移動手段
25:気密室
26:制御手段
27:雰囲気制御手段
30(40、50、60、70、80):充填具
31(41、51、61、71):第1のガイド部
32(42、52、62、72):第2のガイド部
33:コテ部
P:ガラスパネル
P1:未接合体
w1:第1のガラス基板
w2:第2のガラス基板
k:間隙
11:溶融半田供給部
12:支持部
2:充填装置
21:載置手段
22:溶融半田充填手段
23:糸半田供給手段
24:移動手段
25:気密室
26:制御手段
27:雰囲気制御手段
30(40、50、60、70、80):充填具
31(41、51、61、71):第1のガイド部
32(42、52、62、72):第2のガイド部
33:コテ部
P:ガラスパネル
P1:未接合体
w1:第1のガラス基板
w2:第2のガラス基板
k:間隙
Claims (14)
- 互いの主面が間隙を介し配置された一対のガラス基板の外周縁に沿い移動させてその外周間隙に溶融金属を充填するための充填具であって、
一方のガラス基板の主面と所定のギャップを介し対向する第1の平面と他方のガラス基板の主面と所定のギャップを介し対向する第2の平面とを有するとともに前記一対のガラス基板の外周間隙に挿入可能に構成されたコテ部と、前記コテ部の第1の平面から突起し一方のガラス基板の主面に接触可能な第1のガイド部及び/又は前記コテ部の第2の平面から突起し他方のガラス基板の主面に接触可能な第2のガイド部とを有する溶融金属の充填具。 - 前記外周間隙に充填具を挿入したとき、前記第1のガイド部は一方のガラス基板の主面に接触し、かつ前記第2のガイド部は他方のガラス基板の主面に接触するよう構成されている請求項1に記載の溶融金属の充填具。
- 前記ガイド部の前記ガラス基板の主面との接触面にはガラス基板との摺動性を高める処理がなされている請求項1又は2のいずれかに記載の溶融金属の充填具。
- 前記ガイド部には、充填具の外周間隙への挿入方向に沿い凹部が形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の溶融金属の充填具。
- 前記ガイド部は、充填具の外周間隙への挿入方向において後端側に配置されている請求項1乃至4のいずれかに記載の溶融金属の充填具。
- 前記ガイド部は、充填具の外周間隙への挿入方向において先端側に配置されている請求項1乃至4のいずれかに記載の溶融金属の充填具。
- 前記コテ部へ溶融金属を流入させる導入路が前記ガイド部に形成されている請求項1乃至6のいずれかに記載の溶融金属の充填具。
- 前記ガイド部は、前記外周間隙の厚み方向に撓むことができる弾性を有する請求項1乃至7のいずれかに記載の溶融金属の接合具。
- 前記コテ部は、その表面に溶融金属との濡れ性を高める処理がされている請求項1乃至8のいずれかに記載の溶融金属の接合具。
- 互いの主面が間隙を介し配置された一対のガラス基板の外周間隙に溶融金属を充填するための充填装置であって、請求項1乃至9のいずれかに記載の充填具と、前記充填具を直接的または間接的に支持するとともに前記一対のガラス基板で形成された間隙と平行な面内における前記充填具の移動を拘束するフローティング機構とを有する溶融金属の充填装置。
- 前記コテ部を介し前記一対のガラス基板の外周間隙へ充填された溶融金属に超音波を印加する超音波発振手段を有する請求項10に記載の溶融金属の充填装置。
- 溶融金属を吐出する吐出口を備えた溶融金属供給部を有し、前記充填具は前記吐出口に取り付けられている請求項10又は11のいずれかに記載の溶融金属の充填装置。
- 前記吐出口は、前記外周間隙の厚みを越える口径を有する請求項10乃至12のいずれかに記載の溶融金属の充填装置。
- 前記吐出口は、前記外周間隙の厚み以下の口径を有する請求項10乃至12のいずれかに記載の溶融金属の充填装置。
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