JP5327607B2 - 溶融金属の充填具及びそれを備えた接合装置 - Google Patents

溶融金属の充填具及びそれを備えた接合装置 Download PDF

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Description

本発明は、間隙を介して配置された一対の板材の外縁間隙に低融点の溶融金属を導入して封止する充填具及びこの充填具を備えた接合装置に係わる。
画像表示装置や複層ガラス(いわゆるペアガラス)には、図10に示すように、対向した板ガラスw1、w2で形成される間隙部kの外周(以下、外縁間隙と称する)が低融点金属からなる溶着層nで封止されたパネル構造をとるものがあるが、画像表示装置の薄型化等から間隙部kは小さくなる傾向にある。前記パネルの製造方法として、一対の板ガラスWを間隙部kを介して対面配置し、外縁間隙に溶融した低融点金属を充填して固化させることで両板ガラスw1、w2を直接接合し、間隙部kを気密に封止する方法があり、例えば特許文献1、2に開示されている。
特許文献1には、貯留された溶融金属材料(溶融ハンダ)が排出可能な排出口と、排出口の中央部に設置され溶融ハンダを排出口から間隙部に導入可能とする導入板とを備えた金属充填具を使用した溶融ハンダの充填方法において、両板ガラスの間隙寸法が小さい場合であっても、溶融ハンダの漏れを抑制して確実に間隙部に充填できるとした充填方法が記載されている。すなわち、排出口と板ガラス端面との距離(以下、離間隙間と呼ぶ)を両板ガラスの間隙寸法の10倍以下になるように設定することで、両板ガラスの間隙寸法が小さい場合には溶融ハンダは間隙部に入り難くなるものの、溶融ハンダを予定外の範囲に広がるのを抑制しながら間隙部にロスなく充填することができるとしている。
また、特許文献2には、端縁が揃っている一対の板ガラスを対象にして特許文献1と同様の導入板を用いた溶融ハンダの充填方法が記載されているのに加え、一対のガラス板の大きさが異なり一方のガラス板の端縁が他方のガラス板の端縁を越えて突出する場合に対して、溶融ハンダを一方のガラス板の突出部分から間隙部に向かって毛細管現象により浸透させる充填方法が記載されている。すなわち、突出部分を介して溶融ハンダを間隙部に導入するもので、溶融ハンダ或いはガラス板の少なくとも一方に振動を印加することで、溶融ハンダのガラス板との濡れを向上させて毛細管現象を生じさせるものである。
特開2002−167245号公報(段落番号0006) WO00/58234号公報(16ページ、第6行〜25行)
両板ガラスの端縁が一致している場合で、導入板を用いて一対の板ガラスWの外縁間隙に溶融ハンダを充填するに当たっては、特許文献1にも記されているように、板ガラス端面と溶融ハンダ排出口の間には所定の離間隙間をおく必要がある。このため、溶融ハンダは排出口と板ガラス端面の間の空間(以下、離間スペースと呼ぶ)に満たされた状態で充填されるため、通常、図10(a)に示すように、溶着層nは板ガラス端面にハンダ帯が形成された形態となる。しかし、このハンダ帯が大きく盛り上がったり、板ガラス端面部まで垂れ下がりが形成されたりすると、外観的に好ましくないだけでなく、実装時に他の部品と干渉して正常な実装ができなくなるおそれがある。また、板ガラスが載置される基台上にも落下するようになると、この溶融ハンダが板ガラス載置面との間に侵入していき、溶融金属で汚染させたくないガラス面を汚したり、新たな板ガラスを載置した時の高さ精度が悪化して導入板の挿入ができなくなるという問題も生じる。このため、充填処理が終了したあと、板ガラスの基台との当接面及び端面や、基台の板ガラスを載置する面を拭き取るという作業が必要となり、製造工数が増えるという問題も生じる。
前記問題に対しては、離間隙間を小さくしたり、過剰に溶融ハンダを供給しないようにするとよいが、前述したように離間隙間には所定の寸法が必要であり、過剰に溶融ハンダを供給しないようにすることが望ましい。これに対し、特許文献1、2に記載されている充填方式は、溶融ハンダが自重で排出口から押し出される状態の図が記載されていることからわかるように自重押出し方式である。この方式では自重で加圧された状態の溶融ハンダが自重に見合った量だけ排出口から押し出されるため、溶融ハンダは両板ガラスの間隙に流入し易い反面、余分の溶融ハンダが離間スペースから漏れ出すことになる。特許文献1には、具体的に0.1mm厚さの導入板を両板ガラスの0.2mmの間隙に挿入して溶融ハンダを導入した時、排出口と板ガラス端面との離間隙間を2mmとしても、前記間隙のシール性は良好であったとの記載があり、溶融ハンダは前記導入板の表面と板ガラスの表面との微小隙間0.05mmに充分に充填されたことが読み取れる一方、排出口と板ガラス端面とには2mmの離間隙間があることから、ここから多量の溶融ハンダが漏れ出ていると推察され、前記問題については考慮されていない。
一方、両板ガラスの端縁がずれて下側の板ガラスが突出している場合において、特許文献2に記載されているように、下側の板ガラスの突出部に溶融ハンダを供給し毛細管現象を利用して溶融ハンダを間隙部に導入する方法を用いると、ハンダが下側の板ガラスの端面部まで垂れ下がるおそれは少ないが、図10(b)(特許文献2の図5に相当)に示すように、溶着層n1は下側の板ガラスw2の突出面上にまで大きくはみ出した形態となり、下側の板ガラス突出面に他の部品を装着するような場合には邪魔になり、やはり拭き取り作業が必要となる。また、特許文献2の実施例1に記載されているように溶着層幅(封止幅)は2.5〜4mmとばらつき、安定した封止強度が得られないという問題がある。
従って、本発明は溶融金属を一対の板材の外縁間隙部に充填するに際し、板材端面に溶融金属が大きく盛り上がったり、垂れ下がらないようにした充填具及び接合装置、特に端縁がずれた板材に対して、突出面にほとんどはみださず、溶着層の幅も安定するように充填できる充填具及び接合装置を提供することを目的としている。
本発明の溶融金属の充填具は、溶融金属の流路を有する供給筒と前記流路が開口した排出口側の供給筒に取り付けられた誘導板とを備え、間隙部を介して上下に配置された一対の板材の外縁間隙に前記誘導板の先端部を挿入して供給筒から排出された溶融金属を前記外縁間隙に導入する充填具であって、前記誘導板は排出口の下部或いは排出口より下に取り付けられ、排出口から排出される溶融金属が誘導板の上面から流出されることを特徴としている。
このように、排出口から排出される溶融金属を誘導板の上面からだけ流して下面に沿っては流さないようにしているので、下側が突出した一対の板材においては、突出部に溶融金属が漏れたり、付着することはほとんどない。また、両端が一致した一対の板材においては、重力方向が開放された状態に曝される溶融金属はなく、板材端面に溶融金属の盛り上がりや、垂れ下がりなどを防止或いは減少させることができる。
前記本発明において、前記誘導板の先端部には、溶融金属を上面から下面側に導く貫通部が形成されていることが好ましい。貫通部としては、丸穴、長穴や切り欠きなどとするとよい。
また、前記本発明において、前記誘導板の上面には、排出口近傍の流路の軸心方向に沿った溝状の導入路が形成されていることが好ましい。
また、前記本発明において、前記誘導板は先端部に連なる傾斜部を有し、先端部と傾斜部とは鈍角又は直角をなした屈曲形状をなしたものを用いることができる。また、前記本発明において、前記誘導板は先端部に連なる傾斜部と傾斜部に連なる基端部を有し、先端部と基端部とは平行又は鈍角をなしており、2箇所が屈曲した段差形状とすることが好ましい。また、前記本発明において、前記誘導板は真直形状とすることもできる。なお、前記誘導板は、先端部が排出口近傍の流路に対し平行となるように供給筒に取り付けられることが好ましい。
また、前記本発明において、前記供給筒は流路を含む下部を排出口側から所定長さ軸方向に切り欠かれ、誘導板が上面を切り欠き面に当接して取り付けられ、切り欠かれた流路と誘導板下面側との間に隙間が生じる場合は、隙間を封止する部材が取り付けられるようにすることができる。
また、前記本発明において、前記供給筒は排出口側の下部から所定長さ軸方向の範囲は、流路が露出していない平面部であり、誘導板が上面を前記平面部に当接して取り付けられるようにすることができる。
また、前記本発明において、前記誘導板は、少なくとも溶融金属接触面に溶融金属との濡れ性を向上させる表面処理が施されることが好ましい。
また、前記本発明において、前記誘導板は、外縁間隙寸法より小さな板厚の板状体と、板状体の表面及び裏面から突出し挿入深さ方向の一部分で外縁間隙の両ガラス面と摺動可能とされた突起体とを備えることが好ましい。
また、前記本発明において、前記一対の板材は、下側の板材の端縁が上側の板材の端縁を越えて突出して上下に配置されているものであることが好ましい。
本発明の接合装置は、前記に記載したいずれかの充填具を有し、一対の板材の外縁間隙に溶融金属を導入して板材を接合する接合装置であって、制御された所定流量の溶融金属を前記供給筒に供給する制御流量供給手段を備えたことを特徴としている。
これにより、基本的に外縁間隙を充填するに必要とされる量或いは少し多い程度の所定量を充填具に供給できるので、外縁間隙に充填されずに漏れ出る溶融金属量を少なくすることができ、前記充填具自身の漏れ減少作用と相俟って、下側が突出した一対の板材においては、突出部に溶融金属が漏れたり、付着することはほとんどない。また、両端が一致した一対の板材においては、板材端面に溶融金属の盛り上がりや、垂れ下がりなどを防止或いは減少させることができる。
また、前記本発明においては、前記充填具は超音波発振手段と連接されて振動可能とされるようにすることが好ましい。
また、前記本発明においては、前記充填具がフローティング機構で支持されているようにすることが好ましい。
本発明によれば、溶融金属を一対の板材の間隙部に充填するに際し、所定量の溶融金属を間隙部に充填できると共に、下側の板材の突出面或いは端面には溶融金属をほとんど触れさせないので、下側の板材の突出面や端面に溶融金属が盛り上がったり、垂れ下がったりすることを防止することができる。
実施形態1の接合装置の概略構成図である。 実施形態1の充填具の構造を示す断面図である。 実施形態1の誘導板の構造例を示す斜視図である。 実施形態1の誘導板の構造例を示す斜視図である。 実施形態1の誘導板による溶融ハンダ充填状態を示す図である。 実施形態1の充填具の他の一形態を示す図である。 実施形態2の充填具を示す図である。 実施形態3の充填具を示す図である。 誘導板のガイド部の他の形態を示す図である。 一対のガラス板を接合する溶着層の形態を示す図である。
以下、本願発明の充填具及びこれを備えた接合装置を、図10(c)に示すように、平面寸法が異なるガラス基板w1、w2を所定寸法のスペーサpを介して上下に対向させ、下側のガラス基板w2の端縁が上側のガラス基板w1の端縁を越えて突出して位置合わせされた一対のガラス基板Wを対象にして、その外縁間隙に溶融した低融点金属(以下、溶融ハンダと総称する)を充填して溶着層nを形成する場合を例に説明する。
(実施の形態1)
まず、接合装置について説明する。
図1は本実施の形態1における接合装置の主要部を示す部分断面図、図2は本実施の形態1における充填具1の断面図である。本接合装置は、充填具1と、充填具1を取り付けるホルダー2と、ホルダー2を主として上下にフローティングさせるフローティング機構3と、フローティング機構3を支持するケーシング6とを備えている。フローティング機構3は、適度な柔軟性を有したゴムやバネを上下に配設した構造で実現することができ、ガラス基板w1、w2或いは充填具1に無理な力を作用させずに充填具1の姿勢を保つことができる。また、好ましくは、ホルダー2に超音波振動体4を取り付け、これを軸部材5を介して充填具1と接合して充填具1の長手方向に超音波振動を印加するようにするとよい。
充填具1は、詳細は後述するが、側面上の一面15と端面側の他面16とに開口した円形断面の溶融ハンダM1が流通する流路13を内部に有する供給筒10と、前記供給筒の他面16側に取り付けられた誘導板20とを備え、前記誘導板20の先端部を一対のガラス基板Wの外縁間隙に挿入し、他面16側の開口(以降、排出口と称す)12から排出される溶融ハンダM1を誘導板20を介して外縁間隙に導入するものである。充填具1は、図1に示すように、一対のガラス基板Wの外縁間隙に溶融ハンダを充填する時には、下側のガラス基板w2と干渉しないように外縁間隙に対し所定高さだけ上方に位置決めされる。従って、本実施の形態1における誘導板20は、前記充填具1の排出口12と外縁間隙の高さ方向のズレ量に応じた段差を有した形状とされている。
接合装置は、充填具1を、供給筒10の他面16が上側のガラス基板w1の端面と所定の離間隙間s隔てられた状態で、誘導板20の先端部を一対のガラス基板Wの外縁間隙に挿入するとともに、外縁間隙部に沿って所定速度で一周できるように移動させればよいが、接合装置でこの移動動作を全て行なわせる必要はなく、一対のガラス基板Wが載置されるテーブル側の動作と分担して相対的に移動させてもよい。このため、接合装置は移動形態に合わせて種々の構造をとることができるが、移動形態に基づく構造がどのようなものであれ、移動機構は基本的には公知の技術、例えば直線移動であればモータとボールネジ、リニアガイドなどを用いたもの、旋回移動であればモータ或いはシリンダとベアリングなどを用いたものを用いて実現できるので、移動に関する構造については説明を省略する。前記ケーシング6は、上下位置調節治具例えばネジ移動式Z軸テーブル(図示せず)を介して移動機構(図示せず)に取り付けるとよい。これにより、下側ガラス基板w2の厚さ及びスペーサpの高さに合わせて、充填具1の誘導板20を予め一対のガラス基板Wの外縁間隙に対して高さ調節しておくことができる。なお、本説明における接合装置は、充填具1を水平方向に旋回移動させる構成とし、一対のガラス基板W側が水平方向に並進移動するとする。
次に、本充填具1について説明するが、まず誘導板20について、図3〜5を参照しながら説明する。図3及び図4は誘導板20の構造例を説明する斜視図、図5は誘導板20が一対のガラス基板Wの外縁間隙に挿入されて溶融ハンダM1が導入される時の状態を示す断面図である。
本誘導板20は、特許文献1に記載された導入板が溶融ハンダ排出口の上下方向の中心部に設置され、排出口からの溶融ハンダを導入板の上下からほぼ同量排出するようになされているのとは異なり、図3(a)、図5に示すように、その上面だけが流路13に臨むように排出口12の下部に取り付けられ、排出口12から排出される溶融ハンダM1を全て上面側で受けて流出させるようにしている。すなわち、誘導板20の下面側からは溶融ハンダM1は流れ出ないようにされている。
本誘導板20は、図3・4に示すように、1段の階段状の板状体22と、板状体22の表面に形成された突起体21とを備えている。前記板状体22は、供給筒10に取り付けられる基端部22bと、外縁間隙に挿入される先端部22aと、この間を連結する傾斜部22cとを有し、基端部22bは先端部22aと略平行になるように、かつ傾斜部22cは先端部22aに対して所定角度θをなすように形成される。前記角度θは、傾斜部22cの水平方向の突出し寸法L、高さ方向の段差寸法Fで決まる角度であり、前記L、F寸法は前記離間隙間s及び供給筒10や流路13の外径寸法等をもとに決定されればよい。従って、前記角度θは通常鈍角とされるが、前記突出し寸法Lをゼロとしてもよい場合もあり、この時の角度θは直角とされる。前記形状の板状体22は、1枚の板材を2箇所屈曲して形成するとよいが、ブロック体を切削加工して形成してもよい。
誘導板20は、図5に示すように、先端部(板状体22の先端部22a)が一対のガラス基板Wの外縁間隙に挿入されて、供給筒10の排出口12から排出される溶融ハンダM1を、外縁間隙に導入するものであるが、誘導板20を外縁間隙部に沿って移動させる時、溶融ハンダM1をガラス面に摺動させる、いわゆる塗り込むことにより上下のガラス面に強固に接合させながら外縁間隔に充填する機能を有している。従って、板状体22の少なくとも先端部22aは、一対のガラス基板Wの外縁間隙寸法より小さな厚さとされるが、先端部22aのうち、先端からL2の範囲の厚さT2の部分はコテ部22Aと称され、外縁間隙のガラスw1、w2の面と所定隙間(ギャップGと称する)を隔てて相対する。
前記突起体21は、本誘導板20が一対のガラス基板Wの外縁間隙に挿入されて移動する時、移動装置の走行精度等からくる上下変動等があってもギャップGを一定に維持できるようなガイド作用を呈させるために先端部22aに形成されるが、後述するように他の作用のために先端部22a以外にも形成されることもあり、以降、先端部22aに形成された突起体はガイド部21Aと称することとする。ガイド部21Aは、先端部22aの上下面から突出し、外縁間隙寸法とほぼ同一厚さT1とされ、外周間隙に挿入されて上下のガラス面と摺動可能とされる。ガイド部21Aは先端部22aに接着や積層プロセスなどで形成するとよい。これにより、板状体22に用いられる例えば金属、ガラス、セラミックスなどと必ずしも同一材質としなくてもよく、摺動性、対磨耗性など要求される機能に合わせて適宜な材質を用いることができる。なお、板状体22をブロック体から加工して形成する場合は、突起体21も一体的に形成してもよい。
従って、誘導板20を外縁間隙に挿入するに際し、ガイド部21Aを外縁間隙のガラス端部に嵌合することによって、外縁間隙におけるコテ部22Aの上下方向位置が規定される。すなわち、図5に示すように、上下のギャップG(Gu,Gd)を一定に維持することができる。ガイド部21Aには、ガラス板との滑り性をよくするための表面処理、例えばNi撥水メッキを施すことが好ましい。コテ部22Aは、ガイド部21Aとの段差は微小とし、かつ外縁間隙の上下方向で中心になるようにすることが望ましい。また、ガイド部21Aには、外縁間隙に嵌入し易くするために、嵌入方向にあるエッジに面取りcを施すことが好ましい。ここで言う面取りは、角部を直線状或いは曲線状に丸めた部位のことで、切削加工、砥粒加工、エッチング等で形成することができる。
前述したように、排出口12からの溶融ハンダM1は誘導板20の上面に排出されるため、誘導板20の上面には、溶融ハンダM1を先端部22aに円滑に導くための導入路23が形成されることが望ましい。導入路23は、溶融ハンダの排出方向、即ち排出口12近傍の流路13の軸心方向に沿った溝状体とし、基端部22b、傾斜部22c、先端部22aの上面に連続的に形成するのがよい。例えば、図3(a)に示すように板状体22の表面に刃物や砥粒で多数の線状溝23aを形成した形態、図3(b)に示すように板状体22に所定幅、深さの溝23bを1〜数列(図3(b)は1列)加工した形態、また図4(a)に示すように、左右のガイド部21Aを形成した突起体21を、同一高さ又は高さを違えて傾斜部22c、基端部22bまで延長し、両側の突起体21を左右側壁とし板状体22の表面を底面とする溝23cとした形態などをとることができ、溶融ハンダM1の流通性、外縁間隙の隙間などに合わせて、適宜単独あるいは複合構造で形成するとよい。
溶融ハンダM1は、図5に示すように、誘導板20の上面を流れて上ギャップGuに導入されるが、下ギャップGdにも導き入れるために、先端部22aには、図3(a)、(b)、図4(a)に例示するように、1ないし数個の貫通穴25a、或いは切り欠き25bのような上下貫通部25を形成するとよい。また、図4(b)に示すように、先端部22aの矢印で示す移動方向の先行側の長さを短くし、上ギャップGuに導入された溶融ハンダM1が先行側で直ぐに下ギャップGdに導かれるようにしてもよい。なお、この先行側の切り欠かれた部分も貫通部25と見なすことができる。
前記のように上下貫通部25を設けたことにより、外縁間隙部に挿入した先端部22aが外縁間隙部に沿って移動するに伴い、上ギャップGuに導入された溶融ハンダM1は下ギャップGdに良好に導かれ、移動方向後方の外縁間隙には上下ギャップGu、Gdから溶融ハンダが回り込んで充填され、コテ部22Aにより上下ガラス基板w1、w2に塗り込まれて強固に接合された溶着層nが形成される。溶着層nの幅はコテ部22Aの長さL2でほぼ規定され、安定した溶着幅を得ることができる。コテ部22Aの厚さT2は、溶融ハンダM1をガラス基板w1、w2に均一な面圧で接触させながら塗り込めるギャップG(Gu、Gd)寸法に基づいて設定される。溶融ハンダM1がコテ部22Aに追従して一緒に移動し、ガラス面に良好に塗り込められるためには、ギャップGは狭い方がよい。また、溶融ハンダM1の追従性を高めるため、コテ部22Aの表面に移動方向に交差する微細な溝を形成することもよい。
次に、供給筒10について、図2を参照しながら説明する。
供給筒10は、一面15の開口(第1開口)11から溶融ハンダM1が供給され、他面16の開口(排出口)12から排出されるが、第1開口に供給される溶融ハンダは、一対のガラス基板Wの外縁間隙へ充填されるべき所定流量を基に制御された流量が供給される。すなわち、本接合装置は、特許文献1に記載された自重押出し式供給手段ではなく制御流量供給手段を備えている。以下、制御流量供給手段として糸ハンダ供給装置(図示せず)を用い、糸ハンダMを第1開口11に所定速度で送りながら供給筒10で溶融していく形態を例に説明するが、その他にも、例えば、第1開口11に連なる密閉容器に溶融ハンダを収納し、第1開口11に所定流量を吐出するように容器内の圧力を制御したり、ピストンを装着し所定速度で移動して吐出するようにした構成をとることもできる。
上記したように、本供給筒10は供給された糸ハンダMを溶融して内部の流路13に流入させる構造とされ、図2に示すように、第1開口11が形成された一面15が糸ハンダを溶融する溶融面15とされ、排出口12が形成された他面16が溶融ハンダの排出面16とされ、この間に糸ハンダ溶融用のヒータ14が装着されている。すなわち、糸ハンダMを溶融面15に押し付けて溶融し、溶融したハンダM1を流路13を通して排出口12から排出する形態である。糸ハンダ供給装置(図示せず)は、ボビンに巻かれた糸ハンダMを、その下端面が第1開口11を閉塞する姿勢で溶融面15に当接するよう案内しつつ制御された速度で送り出されるようにされている。これにより制御された流量の溶融ハンダM1が生成され、流路13を通って排出口12から連続的に排出される。
第1開口11が開口する溶融面15は、供給筒10の側面を例えばザグリ加工して形成した凹状部の底面であり、さらに溶融面15を取り囲むように供給筒10の周廻りに周壁17を形成するとよい。また、第1開口11はその直径ΦBが溶融面15と当接する糸ハンダMの端面の直径ΦA未満とされ、流路13は少なくとも溶融面15近傍では直径ΦBの管状に形成される。また、流路13は排出面16から少なくとも所定範囲は排出面16と略直交するように形成されており、供給筒10を、排出面16が一対のガラス基板Wの外周端面に離間隙間s隔てて対向するように位置決めすると、前記排出面16近傍の流路は外縁間隙に対して平行になる。
溶融面15を前記構造で形成したことにより、糸ハンダMの外周面に酸化物Eが生成していても、酸化物Eの流路13への流入は第1開口11の外周縁部、すなわち溶融面15により阻止され、酸化物Eがほとんど混入しない清浄な溶融ハンダM1のみが流路13へ流入する。流路13への流入が阻止された酸化物Eは、凹状の溶融面15に貯留されるが、吸引したり或いは周壁17の一部を切り欠いてここから流出させたりする適宜手段を用いて回収すればよい。なお、大気中で保管された糸ハンダMの表面に生成している酸化物Eの層の厚さは通常数十μm程度であるので、糸ハンダMと第1開口11の直径の差、すなわちΦA−ΦBは1mm前後としておけば十分であり、直径が(ΦB+1)mm以上の糸ハンダを使用することができる。
以上、本実施の形態1における充填具1について、誘導板20を排出口12の下部で、供給筒10に挿入して取り付けた形態で説明したが、誘導板20と供給筒10の取り付け構造は、図6に示すように他の形態をとることができる。図6(a)は、供給筒10の流路13を含む下部を排出面16から所定長さ軸方向に切り欠き、誘導板20の基端部22bの上面を前記切り欠き部を塞ぐように当接し、ネジ、接着、ロウ接等で取り付けたものである。なお、流路13の切り欠かれた部分と基端部22bとの間に隙間が生じる場合には、この隙間を封止するような適宜の封止板18を設ける必要がある。また、誘導板20は上面が流路13に露出していなくても、排出口12からの溶融ハンダM1が上面に流出されればよく、誘導板20を供給筒の排出口12より下に取り付けるようにしてもよい。すなわち、図6(b)に示すように、供給筒10の下部を流路13が露出しない寸法で軸方向に所定長さ面加工し、加工面に誘導板20を取り付けるようにしてもよいし、供給筒10の下部を面加工せず、図3(a)に示したと同様に排出面16に挿入穴を加工し、挿入して取り付けてもよい。
また、本実施の形態1における充填具1について、誘導板20を先端部22aと基端部22bとが平行な階段形状の板状体22を用い、外縁間隙への溶融ハンダM1の導入時には、供給筒10は水平姿勢に配設されるとした形態で説明したが、先端部22aと基端部22bとが、180度に近い鈍角で交差するように形成されていてもよい。この場合、供給筒10への基端部22bの取り付け姿勢にもよるが、外縁間隙への溶融ハンダM1の導入時には、供給筒10は水平姿勢より傾斜した姿勢で配設されることになる。
次に、本充填具1による溶融ハンダの充填処理について説明する。
溶融ハンダ充填処理に際し、充填具1は、供給筒10内の溶融ハンダM1の供給が定常状態にある時に一対のガラス基板Wの外縁間隙部に沿って移動するようにされる。前記定常状態とは、溶融ハンダM1が排出口12から誘導板20の上面に排出され外縁間隙に導入可能となった時であるが、通常図5に示すように、排出口12にほぼ満たされた状態の時とされ、供給開始から定常状態に達するまでの時間はできるだけ短い方がよい。このため、溶融ハンダM1は供給開始時には流路13に溶融ハンダM1が迅速に満たされるような流量になるように、次いで充填具1の移動速度等を基にした外縁間隙を充填するための所定流量になるように流量制御されるとよく、糸ハンダMの繰り出し速度を制御することで実現できる。このためには、供給筒10の大きさ、熱伝導率や流路13の直径、長さなどによる遅れを考慮したプログラム制御とするとよいが、繰り出し開始から終了まで定速度で送り出すようにした簡便な制御とすることもできる。この場合の速度は、充填具1の移動速度等を基に算出される必要流量より数〜十数パーセント程度多めの所定流量となるような速度とするとよい。
前記定常状態において、図5に示すように、排出口12から排出された溶融ハンダM1は、誘導板20の上面だけから外縁間隙に導入され、外縁間隙に導入された後に上ギャップGuを経て下ギャップGdに充填される。この時、溶融ハンダM1は、誘導板20の傾斜部22cの上面と上側ガラス基板w1との間の上側離間スペースを満たしながら上ギャップGuに導入されることになるが、溶融ハンダM1は傾斜部22cを重力で流下し、かつ誘導板20には溝状の導入路23が流出方向に形成されているので、極めてスムースに導入される。一方、上側離間スペースの溶融ハンダは重力で押さえ込まれるので、横から漏れることはほとんどない。従って、図10(c)に示すように、下側ガラス基板w2の突出部に溶融ハンダM1がほとんど付着していない形態の溶着層を得ることができる。
前述したように、本願発明の充填具1を用いると、供給された清浄な溶融ハンダM1は、流路13、ガラス基板との離間隙間s及びギャップGでわずかに外部雰囲気と触れるだけで一対のガラス基板Wの外縁間隙に充填される。従って、供給された清浄な溶融ハンダM1は、大気雰囲気であっても酸化が抑制された状態でガラス面と接触するので、本願発明の接合装置は、少量の適切な量の酸素を介するとガラス面と優れた接合性を有するSnAgAl系合金ハンダを使用するのに好適である。なお、充填性をより良好とするためには、誘導板20の表面、少なくとも溶融ハンダが接触する面には溶融ハンダM1との濡れ性を高める処理、例えばAg、Cr、Al、Mo、W、V、Nb、Taなどを被覆するとよいが、溶融ハンダM1から喰われ難いように溶出防止処理としての窒化処理を施した上に前記被覆処理をすることが好ましい。なお、これらの処理は流路13の表面に対しても行うことが好ましい。
次に、前記本形態の接合装置による外縁間隙への溶融ハンダの導入・充填とガラス基板接合のための一連の動作を説明する。
発熱体が内蔵されたテーブルに、所定寸法のスペーサpを介して上下にセットされ、下側のガラス基板w2が突出した一対のガラス基板Wが位置決めされ、この一対のガラス基板Wは溶融ハンダの溶融温度程度に加熱される。テーブルはXY水平2軸移動機構に載置されてXY方向に走行可能であり、一対のガラス基板Wは、その外縁間隙のうち一辺端部の所定位置に誘導板20が挿入され、かつガラス基板端面と排出面16とが所定の離間隙間s隔たるように移動される。この時、コテ部22Aが外縁間隙の上下中心近傍にくるように高さ調節されているが、厳密に外縁間隙の中央に配設させるのは難しく、調節が良好に行われていないと、コテ部22Aは外縁間隙に挿入されるにしても、ガイド部21Aは上下いずれかのガラス基板の端面に当たってしまう可能性がある。しかし、充填具1は上下方向にフローティングされており、またガイド部21Aには面取りcが施されているので、ガイド部21Aは容易に外縁間隙に嵌入される。これにより、コテ部22Aは外縁間隙の上下方向ほぼ中央に位置決めされ、コテ部22Aとガラス基板w1、w2とのギャップGは上下ともほぼ同じとなる。
溶融ハンダM1は制御された所定流量が流路13に供給されるので、短時間で定常状態に達し、一対のガラス基板Wを直ぐに一方向(X方向)に所定速度で移動させることができる。この間、溶融ハンダM1は上下のギャップG(Gu,Gd)に導入され、上下のガラス面に接合しつつ外縁間隙に充填されていくが、誘導板20の下部側からは溶融ハンダは全く供給されないので、下側のガラス基板w2の突出部に漏れたり付着するものはほとんど生じない。また、ガイド部21Aは、外縁間隙に嵌入されかつフローティング状態にあるので、下ガラスw2の厚さバラツキやX方向移動テーブルの上下方向うねりなど一対のガラス基板Wの移動に際して生じる外縁間隙の上下位置変動に対しても追従し、ギャップGは上下ともほぼ同じ寸法が維持される。これにより、溶融ハンダM1はコテ部22Aの上下面に沿ってほぼ同量導入されるので、コテ部22Aの移動に伴って移動する溶融ハンダM1の流動状態は上下のギャップGでほぼ同一となり、溶融ハンダは上ガラスw1面に対しても下ガラスw2面に対しても同じように塗布される。
また、充填中に誘導板20の長手方向に超音波振動を印加すると、溶融ハンダM1と誘導板20、および溶融ハンダM1とガラス基板w1、w2の濡れ性が良くなって狭いギャップGであっても導入性が高まる。また、この振動は溶融ハンダM1を介してガラス基板w1、w2の表面にも作用し、溶融ハンダM1やガラスw1、w2の表面に存在する気泡や酸化膜等の異物を除去するので、ガラス基板w1、w2に対する溶融ハンダM1の接合性を高めることができ、一対のガラス基板Wの接合強度向上のために有効である。
前述したようにして一辺の外縁間隙への溶融ハンダM1の導入・充填が完了すると、充填具1を装着したケーシング6は90度水平方向に旋回し、次いで、一対のガラス基板Wは直交する他辺方向に移動させられ、前記と同様に、溶融ハンダM1はこの辺の下側ガラス突出部にほとんど漏れたり付着することなく、外縁間隙に導入・充填される。この動作を順次各辺に対して行うことで、一対のガラス基板Wの4辺の外縁間隙全てに溶融ハンダM1が導入・充填され、一対のガラス基板Wの下側突出部に溶融ハンダがはみ出すことなく接合、封止される。このガラス基板への導入・充填作業が完了すると、該ガラス基板Wを載置したテーブルはXY2軸移動機構から外部へ移し替えられる。なお、外部に搬出されたテーブルから該ガラス基板Wは取除かれるが、テーブル上には溶融ハンダは付着していないので、テーブルからハンダを除去するための作業は必要ない。
引き続いて、別の一対のガラス基板を載置して加熱準備していた別のテーブルが新たにXY2軸移動機構上に載せられ、新たなガラス基板に対して前述したと同様にして外縁間隙への溶融ハンダの導入・充填作業が行われる。ここで、新たなガラス基板と前回のガラス基板とでは、ガラス基板w2の厚さ精度の違いや載置誤差の違いにより外縁間隙の高さ位置がズレている可能性がある。この場合でも、本願発明の接合装置によれば、前述したように誘導板20のコテ部22Aを外縁間隙の上下方向中心位置に挿入でき、上下ギャップGを維持した状態で溶融ハンダM1を導入・充填できるので、同様に良好な接合強度と気密性を有する一対のガラス基板Wを得ることができる。
なお、誘導板20が外縁間隙に沿って相対的に移動する時、ガイド部21Aとガラス面間には毛細管現象で溶融ハンダM1が浸透し、これに引かれてガイド部21Aが通過したあとの占有エリアには溶融ハンダM1がコテ部22Aから回り込んで充填される。しかし、ガイド部21Aの長さが長いとこの全長すべての部分に溶融ハンダが充填されないおそれがあるため、ガイド部21Aの長さは短い方がよく、必要とされる溶着層n幅の10〜20%程度とするのがよい。なお、ガイド部21Aの上下面は、図3・4に示すような平坦な平面に限らず溝入り平面であってもよく、また曲面であってもよく、その最高突出部がガラス面と摺動する接触面とされる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、充填具1を、先端部22aと基端部22bとこれを連結する傾斜部22cを有した2箇所で屈曲された段差形状の板状体22を用いた例で説明したが、本実施の形態2における充填具100は、図7に例示するように、所定の角度θ開いたくの字形状に形成された板状体122を用いたものである。すなわち、本誘導板120における板状体122は、1箇所で屈曲された形状で、先端部122aと傾斜部122cとを有し、傾斜部122cが基端部122bを兼ねており、傾斜部122cが供給筒110の排出口112の下部に流路13に平行に挿入して取り付けられている。本形態2は、板状体122の形状を簡単にすることができるとともに、さらに、外縁間隙に溶融ハンダM1を導入する時には、供給筒110は排出口近傍の流路が外縁間隙に対して所定の角度θだけ傾くように配設されるので、排出口近傍の流路中にある溶融ハンダM1は排出方向に重力作用を受け、充填具100に超音波を作用させなくても流通性を高くすることができ、外縁間隙に良好に導入させることができる。
(実施の形態3)
前記実施の形態1、2の充填具1、100は、1箇所或いは2箇所で屈曲された板状体を用いたものであったが、本実施の形態3における充填具200は、真直状の板状体222を用いたもので、先端部222aと基端部222bが一直線状に直接連結されており傾斜部を有しない。図8に本充填具200を例示するが、基本的には前記図6に示す供給筒への取り付け形態において適用される。図8(a)に示す充填具200Aは、前記図6(a)における階段形状の誘導板20を真直の誘導板220に代えた形態であり、供給筒210Aの流路13を含む下部を排出面16から下側のガラス基板w2の突出し長さ以上切り欠くことで、真直の誘導板220を用いても供給筒210Aと下側ガラス板w2との干渉をほとんど回避することができ、溶融ハンダ導入時に、実施の形態1と違って、充填具200Aを上方に逃がした位置に配設しなくてもよい。
また、図8(b)示す充填具200Bは、前記図6(b)における階段形状の誘導板20を真直の誘導板220に代えた形態であり、供給筒210Bとして、流路13を含まない下部を排出面16から下側のガラス基板w2の突出し長さ以上面加工したものを用いてもよいし、図8(b)に示すように、底面が平面状の例えば四角形断面のものを用いてもよい。この場合、排出面16に開口した排出口12の全面から溶融ハンダM1を誘導板220上に排出してもよいが、溶融ハンダM1は、前述した形態よりも排出口12における大気接触面積が広くなり酸化し易くなってしまう。このため、排出口12をできるだけ遮蔽する蓋19を排出面16に取り付けている。蓋19は排出口12の下部が所定面積開口されるような大きさとするとよい。また、図8(b)に示すように、排出口12は全面閉塞するが排出面16の下部は閉塞しないような大きさとし、流路13の排出面16側端部に、流路幅より狭い貫通溝を下方に形成し、これを下部排出口12dとし、ここから溶融ハンダM1を誘導板220の上面に流出するようにしてもよい。なお、この排出面を被う蓋19は、これまで説明してきた供給筒に対しても適用することでき、かつ適用することが望ましい。また、蓋19は別体品とし、ネジ、接着などで固定するとよいが、供給筒と一体構造として形成してもよい。
以上、実施の形態1、2、3において、誘導板20、120、220はギャップを一定に維持するためのガイド部21Aを有した構造とし、ガイド部21Aは、図3〜8に示すように外縁間隙の外周部で嵌合されるとした形態で説明したが、図9(a)に示すように、先端部22aの先端に形成し、ほぼ溶着層の幅だけ外縁間隙に入り込んだ所で嵌合される形態とすることもできる。この場合、バラツキの少ない一定幅の溶着層を得ることができる。また、図9(b)に示すようにガイド部21Aを有しない構造とすることもできる。これは、例えば一辺が数〜十数cm程度の小サイズのガラス基板に対するように、ガラス基板の厚さバラツキやガラス基板移動機構の案内振れなどが極めて小さく、ギャップが無視できるほどしか変動しない場合などに適用するとよい。なお、この場合には、接合装置としては必ずしもフローティング機構で充填具を支持しなくてもよい。
また、本実施形態ではガラス基板w1、w2の端面に微小突起がある場合や、ガラス基板w1、w2の端面の平滑性が悪い場合でも対応できるように供給筒10の他面16とガラス基板w1、w2に離間隙間sを設けたが、ガラス基板w1、w2の端面と他面16とが、あるいはガラス基板w1、w2の端面と誘導板20とが滑らかに摺動する場合には両者を接触させながら溶融ハンダM1を充填してもよい。
また、前記ではガラス基板w1とw2平面寸法は異なる寸法とし、下側のガラス基板w2が突出した一対のガラス基板Wに対して説明したが、本発明は同一平面寸法のガラス基板w1とw2を用いた端面が一致した一対のガラス基板Wに対しても適用することができることは言うまでもなく、端面に大きく盛り上がったり、垂れ下がりのない溶着層を得ることができる。
以上、間隙部がスペーサを介して形成された例えば画像表示用パネルのための一対のガラス基板を例に説明したが、本願発明は他の建築用、自動車用、車両用、船舶用などの窓ガラス等に用いられるガラスパネルや、保温装置や防音装置などガラスパネル以外の金属板材またはセラミックス板材を用いることができるパネルにおいても、また低融点金属として、前記のSnAgAl系合金ハンダだけでなく、例えばSn、Zn、Ti等を含む種々の組成のハンダや、In合金を用いた場合でも適用でき、同様な作用・効果を奏することができる。
1、100、200:充填具、 2:ホルダー、 3:フローティング機構、
4:超音波発振器、 10、110、210:供給筒、 11:第1開口、
12:第2開口(排出口)、 13:流路、 15:溶融面、 16:排出面、
20、120、220:誘導板、 21:突起体、 21a:ガイド部、
22、122、222:板状体、 22a:先端部、 22b:基端部、
22c:傾斜部、 22A:コテ部、23:導入路、
W:一対のガラ基板、 w1:上ガラス基板、 w2:下ガラス基板、 k:間隙部、 M:糸ハンダ、 M1:溶融ハンダ、 n:溶着層、 G:ギャップ

Claims (14)

  1. 溶融金属の流路を有する供給筒と前記流路が開口した排出口側の供給筒に取り付けられた誘導板とを備え、間隙部を介して上下に配置された一対の板材の外縁間隙に前記誘導板の先端部を挿入して供給筒から排出された溶融金属を前記外縁間隙に導入する充填具であって、
    前記誘導板は排出口の下部或いは排出口より下に取り付けられ、排出口から排出される溶融金属が誘導板の上面から流出されることを特徴とした溶融金属の充填具。
  2. 前記誘導板の先端部には、溶融金属を上面から下面側に導く貫通部が形成されている請求項1に記載の溶融金属の充填具。
  3. 前記誘導板の上面には、排出口近傍の流路の軸心方向に沿った溝状の導入路が形成されている請求項1又は2に記載の溶融金属の充填具。
  4. 前記誘導板は先端部に連なる傾斜部を有し、先端部と傾斜部とは鈍角又は直角をなした屈曲形状である請求項1乃至3のいずれかに記載の溶融金属の充填具。
  5. 前記誘導板は先端部に連なる傾斜部と傾斜部に連なる基端部を有し、先端部と基端部とは平行又は鈍角をなしており、2箇所が屈曲した段差形状である請求項4に記載の溶融金属の充填具。
  6. 前記誘導板は真直形状である請求項1乃至3のいずれかに記載の溶融金属の充填具。
  7. 前記供給筒は流路を含む下部を排出口側から所定長さ軸方向に切り欠かれ、誘導板が上面を切り欠き面に当接して取り付けられ、切り欠かれた流路が誘導板の下面側に露出する場合は、隙間を封止する部材が取り付けられる請求項1乃至6のいずれかに記載の溶融金属の充填具。
  8. 前記供給筒は下部の排出口側から所定長さ軸方向の範囲は、流路が露出していない平面部であり、誘導板が上面を前記平面部に当接して取り付けられている請求項1乃至6のいずれかに記載の溶融金属の充填具。
  9. 前記誘導板は、少なくとも溶融金属接触面に溶融金属との濡れ性を向上させる表面処理が施されている請求項1乃至8のいずれかに記載の溶融金属の充填具。
  10. 前記誘導板は、外縁間隙寸法より小さな板厚の板状体と、板状体の表面及び裏面から突出し挿入深さ方向の一部分で外縁間隙の両ガラス面と摺動可能とされた突起体とを備えた請求項1乃至9のいずれかに記載の溶融金属の充填具。
  11. 前記一対の板材は、下側の板材の端縁が上側の板材の端縁を越えて突出して上下に配置されているものである請求項1又は10に記載の溶融金属の充填具。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の前記充填具を有し、一対の板材の外縁間隙に溶融金属を導入して板材同士を接合する接合装置であって、制御された所定流量の溶融金属を前記供給筒に供給する制御流量供給手段を備えたことを特徴とした接合装置。
  13. 前記充填具は超音波発振手段と連接されて振動可能とされている請求項12に記載の接合装置。
  14. 請求項1乃至11のいずれかに記載の前記充填具を有し、前記充填具がフローティング機構で支持されている請求項12又13に記載の接合装置。
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