JP5376178B2 - マグネシウム溶接線の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明において「マグネシウム」とは、Mg及び不純物からなるいわゆる純マグネシウム、又は添加元素とMg及び不純物からなるマグネシウム基合金とする。添加元素としては、例えば、Al,Zn,Mn,Si,Cu,Ag,Y,Zrなどの元素群のうち、少なくとも1種の元素が挙げられる。上記元素群から選択される複数の元素を含有していてもよい。このような添加元素を含有させることで、本発明マグネシウム溶接線は、強度、伸び、高温強度、耐食性などにも優れる。添加元素の含有量は、合計で20質量%以下が望ましい。添加元素が20質量%超となると、鋳造時に割れなどが生じる原因となる。添加元素を含有したより具体的な組成としては、例えば、以下の組成が挙げられる。
I. Al:0.1〜12質量%を含み、残部がMg及び不純物
II. Al:0.1〜12質量%と、質量%でMn:0.1〜2.0%、Zn:0.1〜5.0%、Si:0.1〜5.0%からなる3元素群から選択された1種以上の元素とを含み、残部がMg及び不純物
III. 質量%でZn:0.1〜10%、Zr:0.1〜2.0%を含み、残部がMg及び不純物
なお、不純物は、有意的に添加しない元素のみとしてもよいし、有意的に添加する元素(添加元素)を含んでいてもよい。
(試験例1)
AZ31相当合金(質量%で、Al:3.0%、Zn:1.0%、Mn:0.15%を含み、残部がMg及び不純物、組成は化学分析により調べた)からなる直径φ4.0mmの押出材を準備し、この押出材に以下の条件で伸線加工を施し、直径φ2.0mmの溶接線を作製した。伸線加工(引抜き)は、伸線ダイスを多段に用いて複数パスに亘って行った。また、伸線加工は、乾式潤滑剤又は油性潤滑剤を用いて行った。乾式潤滑剤には、金属石鹸を用いると共に、素材表面に造膜処理を施した。油性潤滑剤には、鉱物油を用いた。更に、2〜3パスごとに適宜中間熱処理(350℃×15分)を1〜3回程度施した。
試料(b):直径φ2.2mmまで油性潤滑剤を用いて伸線加工を行い(加工温度:100〜150℃,加工度:10〜20%/1パス,加工温度への昇温速度:約1℃/sec,線速:10〜20m/min)、得られた伸線材にシェービング加工を施して、直径φ2.0mmにする。シェービング加工後、有機溶剤による脱脂処理を行う。
試料(c):直径φ2.3mmまで乾式潤滑剤を用いて伸線加工を行い、得られた伸線材に直径φ2.1mmとなるようにシェービング加工を施し、得られた表面加工材に直径φ2.0mmとなるように油性潤滑剤を用いて伸線加工を1パス行う(加工温度:室温,加工度:9%)。直径φ2.3mmまでの伸線加工条件は、試料(a)と同様。油性潤滑剤を用いた伸線加工後、有機溶剤による脱脂処理を行う。
試料(d):直径φ2.0mmまで乾式潤滑剤を用いて伸線加工を行い、伸線加工後、線材表面をアルカリ洗浄すると共に、有機溶剤による脱脂処理を行う。伸線加工条件は、試料(a)と同様。
試料(e):直径φ2.0mmまで油性潤滑剤を用いて伸線加工を行い、伸線加工後、線材表面をアルカリ洗浄すると共に、有機溶剤による脱脂処理を行う。伸線加工条件は、試料(b)と同様。
試料(f):直径φ2.0mmまで乾式潤滑剤を用いて伸線加工を行う。伸線加工後、洗浄を行わず、有機溶剤による脱脂処理のみ行う。伸線加工条件は、試料(a)と同様。
試料(g):直径φ2.0mmまで油性潤滑剤を用いて伸線加工を行う。伸線加工後、洗浄を行わず、有機溶剤による脱脂処理のみ行う。伸線加工条件は、試料(b)と同様。
試料(h):押出材にシェービング処理を施して直径φ3.8mmにし、得られた表面加工材を直径φ2.0mmまで油性潤滑剤を用いて伸線加工を行う。伸線加工条件は、試料(b)と同様。伸線加工後、有機溶剤による脱脂処理を行う。
試料(i):直径φ3.0mmまで乾式潤滑剤を用いて伸線加工を行い、得られた伸線材に直径φ2.8mmとなるようにシェービング加工を施し、得られた表面加工材に直径φ2.0mmとなるまで油性潤滑剤を用いて伸線加工を行う。乾式潤滑剤を用いた伸線加工条件は、試料(a)と同様、油性潤滑剤を用いた伸線加工条件は、試料(b)と同様。油性潤滑剤を用いた伸線加工後、有機溶剤による脱脂処理を行う。
試料(j):押出材にシェービング処理を施して直径φ3.8mmにし、得られた表面加工材を直径φ2.2mmまで乾式潤滑剤を用いて伸線加工を行い、得られた伸線材にシェービング加工を施して、直径φ2.0mmにする。伸線加工条件は、試料(a)と同様。シェービング加工後、有機溶剤による脱脂処理を行う。
試験例1で用いたAZ31相当合金の押出材と同じ押出材(直径φ4.0mm)を準備し、試料(a),(b),(c)と同様の条件で直径φ1.2mmの溶接線を作製し(シェービング加工による除去量:伸線材の横断面において表面から深さ0.1mmまでの領域)、MIG自動溶接機にて溶接を実施した。その結果、いずれの溶接線も供給などに全くが問題なく、安定した溶接が可能であった。従って、シェービング加工を施した溶接線は、自動溶接機の使用も可能であることが確認された。
上記試験例1で用いたマグネシウム基合金と異なる組成からなる押出材(直径φ4.0mm)を用意し、試料(a),(c)と同様の条件で溶接線を作製した。以下に組成を示す。
(組成)
純マグネシウム相当材:99.9質量%以上のMgと不純物からなる
AM60合金相当材:質量%でAl:6.1%、Mn:0.44%を含み、残部がMgと不純物からなるマグネシウム基合金
AZ61合金相当材:質量%でAl:6.4%、Zn:1.0%、Mn:0.28%を含み、残部がMgおよび不純物からなるマグネシウム基合金
ZK60合金相当材:質量%でZn:5.5%、Zr:0.45%を含み、残部がMgおよび不純物からなるマグネシウム基合金
Claims (6)
- 純マグネシウム又はマグネシウム基合金からなる母材を用意する工程と、
前記母材に伸線加工を施して伸線材とする工程と、
前記伸線材の表面をその表面から深さ100μm以上200μm以下まで除去するシェービング加工を施して溶接線とする工程とを具え、
前記溶接線の表面から深さ50μmの位置におけるビッカース硬度が、同溶接線の中心部におけるビッカース硬度よりも10以上高いマグネシウム溶接線の製造方法。 - 更に、前記溶接線に1パスの伸線加工を施す工程を具え、
前記1パスの伸線加工後の溶接線の表面から深さ50μmの位置におけるビッカース硬度が、同溶接線の中心部におけるビッカース硬度よりも10以上高い請求項1に記載のマグネシウム溶接線の製造方法。 - 更に、前記溶接線に複数パスの伸線加工を施す工程を具え、
前記複数パスの伸線加工後の溶接線の表面から深さ50μmの位置におけるビッカース硬度が、同溶接線の中心部におけるビッカース硬度よりも10以上高い請求項1に記載のマグネシウム溶接線の製造方法。 - 純マグネシウム又はマグネシウム基合金からなる母材を用意する工程と、
前記母材の表面にシェービング加工を施して表面加工材とする工程と、
前記表面加工材に伸線加工を施して伸線材とする工程と、
更に、前記伸線材の表面をその表面から深さ100μm以上200μm以下まで除去するシェービング加工を施して溶接線とする工程とを具え、
前記溶接線の表面から深さ50μmの位置におけるビッカース硬度が、同溶接線の中心部におけるビッカース硬度よりも10以上高いマグネシウム溶接線の製造方法。 - 前記シェービング加工後の伸線加工は、油性潤滑剤を用いて行う請求項2または請求項3に記載のマグネシウム溶接線の製造方法。
- 前記溶接線とするシェービング加工前の伸線加工は、複数パスの伸線加工を施し、
前記複数パスのうち最終の1パスの伸線加工は、油性潤滑剤を用いて行う請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のマグネシウム溶接線の製造方法。
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