JP2008093673A - マグネシウム基合金の伸線方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷間引抜きにより断線することなく円滑に安定して伸線を行うことができ、もって低い製造コストで、強度と靭性に優れ、外観品質の良好なマグネシウム基合金製の伸線を得ることができるマグネシウム基合金の伸線方法を提供する。
【解決手段】マグネシウム基合金の被加工材をダイスに挿通し引抜きにより伸線を行うマグネシウム基合金の伸線方法において、被加工材を予め加熱することなく低断面減少率で潤滑剤を用いて冷間引抜する第1工程と、この冷間引抜きした被加工材を加熱し冷却した後冷間引抜きする第2工程とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】マグネシウム基合金の被加工材をダイスに挿通し引抜きにより伸線を行うマグネシウム基合金の伸線方法において、被加工材を予め加熱することなく低断面減少率で潤滑剤を用いて冷間引抜する第1工程と、この冷間引抜きした被加工材を加熱し冷却した後冷間引抜きする第2工程とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明はマグネシウム基合金の伸線方法に関するものである。特に、冷間引抜きによるマグネシウム基合金の伸線方法に関する。
マグネシウム基合金は、アルミニウムよりも軽く、比強度、比剛性が鋼やアルミニウムよりも優れており、航空機部品、自動車部品、自転車部品、各種電気製品ボディーなどにも利用されている。これ等の部品に用いるネジ材や溶接材等としてマグネシウム基合金製の線材の需要が増えている。
マグネシウム基合金製の線材を製造するには、通常、鋳造材ビレットを押出した押出材からなる被加工材を引抜き加工することにより、線材に強度と靭性とを付与している。しかし、マグネシウム基合金は、最密六方格子構造であるため延性に乏しく塑性加工性が極めて悪い。
強度と靭性に優れたマグネシウム基合金の伸線方法として、下記特許文献1には、引抜き加工時の温度を50〜300℃、好ましくは100〜150℃に特定し、さらに必要に応じて引抜き加工後に100〜300℃で熱処理を行うことにより、強度と靭性に優れたマグネシウム基合金ワイヤを製造する方法が提案されている。
また、下記特許文献2には、マグネシウム基合金の被加工材を複数のダイスに連続的に挿通して複数パスの伸線を行うに際し、各ダイス直前の被加工材を150〜350℃、好ましくは200〜300℃に加熱して引抜き伸線を行うことにより、強度と靭性に優れたマグネシウム基合金線を製造する方法が提案されている。
さらに、下記特許文献3には、ダイスに挿通して引抜き伸線を行うに際し、ダイスを150〜500℃に加熱して引抜き伸線を行うことにより、被加工材を予め加熱せずにマグネシウム基合金線材を製造する方法が提案されている。
ところが、上記従来技術のように、被加工材やダイスを高温に加熱して引抜き伸線を行うには、高周波加熱炉や抵抗加熱式ヒータ等の加熱装置が必要となり、また引抜き伸線に潤滑剤を用いる場合には、高温に耐える高価な潤滑剤に制限される。その結果、エネルギーコストを含む製造コストが高くなる。しかも、潤滑剤が発煙したり焦げたりして伸線表面に異物として付着して、得られる線材の外観品質が低下する。
特開2003−293069号公報
特開2004−181500号公報
特開2004−17114号公報
上述のように、従来のマグネシウム基合金の被加工材の引抜き伸線にあっては、断線せずに円滑に引抜き伸線するには、被加工材やダイスを高温に加熱しておくことが必要とされ、被加工材を50℃よりも低い温度、特に30℃以下の冷間で断線することなく円滑に伸線を行うことはできない、というのが当業者の常識であった。
したがって、本発明の目的は、冷間引抜きにより断線することなく円滑に安定して伸線を行うことができ、もって低い製造コストで強度と靭性に優れ外観品質の良好なマグネシウム基合金製の伸線を得ることができるマグネシウム基合金の伸線方法を提供することにある。
本発明者は、マグネシウム基合金の鋳造材ビレットの押出材からなる被加工材を用い、最初の伸線工程において、特に低断面減少率で且つ一般の油性潤滑剤を用いて冷間引抜すると、意外にも何ら断線することなく円滑に伸線を行うことができるという知見を得た。本発明はこのような知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明の請求項1に記載のマグネシウム基合金の伸線方法は、マグネシウム基合金の被加工材をダイスに挿通し引抜きにより伸線を行うマグネシウム基合金の伸線方法において、被加工材を予め加熱することなく低断面減少率で潤滑剤を用いて冷間引抜する工程含むことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のマグネシウム基合金の伸線方法は、マグネシウム基合金の被加工材をダイスに挿通し引抜きにより伸線を行うマグネシウム基合金の伸線方法において、被加工材を加熱し冷却した後冷間引抜きする工程を含むことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載のマグネシウム基合金の伸線方法は、マグネシウム基合金の被加工材をダイスに挿通し引抜きにより伸線を行うマグネシウム基合金の伸線方法において、被加工材を予め加熱することなく低断面減少率で潤滑剤を用いて冷間引抜する第1工程と、この冷間引抜きした被加工材を加熱し冷却した後冷間引抜きする第2工程と、を含むことを特徴とする
本発明の請求項4に記載のマグネシウム基合金の伸線方法は、請求項3の発明において、第1工程における断面減少率が5〜30%、冷間引抜き温度が10〜30℃であることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載のマグネシウム基合金の伸線方法は、請求項3または4の発明において、第2工程における被加工材の加熱が200〜300℃で10〜60秒間行われることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載のマグネシウム基合金の伸線方法は、請求項3〜5のいずれか1項の発明において、第2工程が複数回行われることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載のマグネシウム基合金の伸線方法は、請求項1〜6のいずれか1項の発明において、マグネシウム基合金が難燃マグネシウム基合金であることを特徴とする。
本発明の請求項8に記載のマグネシウム基合金の伸線方法は、請求項7の発明において、難燃マグネシウム基合金がカルシウムを2〜10重量%含有することを特徴とする。
本発明において、マグネシウム基合金とは、マグネシウムを主成分とし、これに各種添加元素を含有するものである。添加元素として最も基本的なものはアルミニウム、亜鉛およびマンガンである。例えば、ASTMの規格で定めるAZ系(AZ31、AZ61、AZ91など)、AM系(AM60、AM100など)、AS系(AS21、AS41など)が好適に用いられる。
また、添加元素として亜鉛とジルコニウムを含むマグネシウム基合金として、ZK系(ZK40、ZK60など)、EZ系(EZ33など)、その他、添加元素としてアルミニウムとリチウムを含有するLA系(LA141など)等も使用できる。
さらに、本発明においては、上記マグネシウム基合金に、カルシウムを2〜10%添加することにより、燃焼開始温度を200〜300℃上昇させた難燃マグネシウム基合金が好適に用いられる。このような難燃マグネシウム基合金としては、例えば、AZ31、AZ61、AZ91にCaを添加したAMCa302、AMCa602、AMCa902等が知られており、例えば、ケーエステクノス社製の商品名:ノコマロイ AZCa312、AZCa602、AZCa912等が挙げられる。
上記マグネシウム基合金の被加工材としては、鋳造材ビレットを押出した断面円形の押出材が好適に用いられるが、圧延材も使用できる。なお、被加工材は断面異形の押出材であってもよい。特に、鋳造材ビレットの押出し前或いは後に溶体化処理を施した押出材は、品質が安定して(結晶粒径が比較的微細でかつ均一になって品質のばらつきが少なくなる)、冷間引抜きの際に断線する恐れがなく好適に用いられる。このような溶体化処理は、一般に温度380〜420℃、保持時間1〜20時間の条件で行われる。
また、上記マグネシウム基合金には、鉄、ケイ素、銅、ニッケル等の不純物が含有されているが、このような不純物が多量に含有されると冷間引抜きの際に断線することがあり、これ等の不純物の含有量は0.01重量%以下であることが好ましい。
本発明において、冷間引抜きとは、被加工材やダイスを高温に加熱することなく、被加工材をダイス孔に挿通して冷間で引っ張り線径を細くすることをいう。これにより、線材に強度と靭性とが付与される。また、断面減少率とは、ダイスにより引抜き加工される被加工材の前後の断面積の減少率をいう。すなわち、(引抜き前断面積−引抜き後断面積)/引抜き前断面積の百分率で表わされる。被加工材が断面円形の押出材の場合、その直径は一般に5〜25mmのものが用いられ、引抜き伸線後の最終の線材の直径は、一般に0.5〜10mmとされる。
冷間引抜き温度、すなわちダイス孔を通過する被加工材の温度は、第1工程および第2工程ともに10〜30℃に調節するのが好ましい。冷間引抜き温度が10℃を下回ると、強度は向上するが冷間引抜きの際に断線しやすくなり、逆に30℃を上回ると、断線しにくくなるが加熱装置が必要となりそれだけコスト高になり、また強度もあまり改善されない。なお、冷間引抜き温度は、ダイス通過の際の摩擦熱による温度上昇を考慮して、ダイス通過直後の線材の温度を、例えば放射温度計で測定することにより判定される。
冷間引抜きに用いられるダイスとしては、特に限定されず、慣用の超硬の鋼製ダイス、タングステンカーバイトや人口ダイヤモンドからなる焼結合金製ダイスなどが用いられ、そのダイス角度(アプローチ角度)は、一般に6〜20度のものが用いられる。ダイス角度が小さすぎると、ダイス孔と線材との接触面積が増加し引抜力が増大して引抜き途中で断線することがある。逆に、ダイス角度が大き過ぎても断線するか、もしくは、線材の平均粒子径や粒子径のばらつきが大きくなる。
本発明において、冷間引抜きには、第1工程および第2工程ともに潤滑剤が用いられる。潤滑剤としては、特に限定されず、例えばステンレスの冷間引抜きに用いられている潤滑剤が使用できる。この種の潤滑剤としては、金属石鹸、鉱物油、石油系グリース、黒鉛、二硫化モリブデン、四フッ化エチレン等が挙げられる。これ等の潤滑剤は、ダイスの入り口に潤滑剤を供給する潤滑材ボックスを取り付けておき、被加工材またはダイスを潤滑剤に浸漬、塗布、吹付け等の手段により被加工材に付着させる。
第1工程における断面減少率は、5〜30%とするのが好ましく、さらに好ましくは5〜25%である。この断面減少率が5%を下回ると、結晶粒径を小さくしたり結晶粒のばらつきを小さくする効果が小さくなり、強度もあまり向上せず、逆に、30%を上回ると冷間引抜きの際に被加工材が割れたり断線しやすくなる。また、冷間引抜かれた被加工材に残留応力が残るため、次の第2工程での冷間引抜きの際に被加工材にひび割れが発生する。
なお、前記した溶体化処理が施されていない被加工材を用いる場合は、品質のばらつきにより冷間引抜きの際に断線する恐れがあるので、断面減少率は5〜20%とするのが無難である。その程度の断面減少率なら表面層に結晶粒が小さい保護層ができて割れにくくなる。
第2工程では、上記第1工程において、冷間引抜きされた被加工材を加熱し冷却した後冷間引抜きされる。被加工材を加熱は、高周波加熱炉や抵抗加熱式ヒータ等の加熱装置で行われる。また、加熱後の冷却は、自然冷却、空気冷却、水冷却のいずれも採用できる。
この第2工程では、被加工材が所望の最終線径になるまで、被加工材の加熱と冷却と冷間引抜きの操作が行われるが、この操作は繰り返し複数回行って徐々に線径を細くしていくのが望ましい。1回だけの操作で所望の太さの線材を得ようとすると、条件によっては、冷間引抜きの際に断線などの不具合が生じる。ここで、各1回の被加工材の断面減少率は10〜40%とするのが好ましく、さらに好ましくは10〜30%である。それ以上無理すると、被加工材にひび割れや断線が発生する。
第2工程における被加工材の加熱は、200〜300℃の温度で10〜60秒間行われるのが好ましい。このように加熱することにより、第1工程における冷間引抜きで発生した残留応力を減少させ、短時間の為、結晶粒の肥大が無く結晶粒径も比較的微細でかつ均一になされ、次の第2工程での冷間引抜きでひび割れ等が発生しないようにできる。また、上記のような熱処理を施すことにより、得られる線材の靭性を向上させることができる。
第2工程での加熱温度が200℃を下回ると残留応力の消去が難しくなり、逆に加熱温度が300℃を上回ると加熱のためのエネルギーコストが高くなり、しかも次の冷間引抜きまでの冷却に時間がかかるため好ましくない。また、冷却時間が10秒未満では冷却が不足し、次工程の潤滑材の選択が難しくなり、さらに冷間引抜の際に被加工材に結晶粒間の滑りが起こらず残留応力が解放されず、逆に60秒を超えると加熱しすぎて結晶粒が大きくなるため好ましくない。
本発明において、上記第1工程は、材料の供給装置(サプライ)と潤滑材ボックスを備えたダイスと巻取装置(巻取り釜)からなる伸線装置を用い、例えば図1に示すように、供給→伸線→巻取の工程で実施される。また、第2工程は、材料の供給装置(サプライ)と熱処理装置と冷却装置と潤滑材ボックスを備えたダイスと巻取装置(巻取り釜)からなる伸線装置を用い、例えば図1に示すように、供給→熱処理→空冷→伸線→巻取の工程を少なくとも1回の操作(図では2回の操作を示す)を行うことにより実施される。
また、上記第1工程と第2工程は、図1に示すように分割してそれぞれ別工程で実施してもよく、第1工程と第2工程とを連続して一連の工程で実施してもよい。なお、本発明において、各工程でのライン速度は、一般に数m/分〜数十m/分とされ、線径が細くなるほど速い速度で伸線できる。
本発明の伸線方法によれば、第1工程において、被加工材を予め加熱することなく低断面減少率で且つ潤滑剤を用いて冷間引抜きすることにより、被加工材が断線することなく円滑に伸線を行うことができる。したがって、第1工程で被加工材を高温に加熱して熱間引抜きを行う従来の伸線方法に比べて、高周波加熱炉や抵抗加熱式ヒータ等の加熱装置が不要となり、また潤滑剤も普通の潤滑剤が使用できるので、製造コストを低く抑えることができる。
しかも、第1工程と第2工程のいずれの工程においても冷間引抜きで伸線が行われるので、潤滑剤が発煙したり焦げたりして伸線表面に異物として付着することが防止され、得られる線材の外観品質が低下することがない。また、冷間引抜きで得られる線材は、熱間引抜きで得られる線材に比べて強度と靭性が高められ、また線径精度にも優れるという利点がある。
以下、本発明の具体的な実施例を挙げる。なお、本発明はこれ等の実施例に限定されるものではない
難燃マグネシウム基合金の押出材(ケーエステクノス社製の商品名:ノコマロイ AMCa602)のΦ4.00mmコイルを用い、図1に示す工程、すなわち、第1工程(供給→伸線→巻取)、第2工程(供給→熱処理→空冷→伸線→巻取→熱処理→空冷→伸線→巻取の繰り返し)により、以下のダイス系列に従って、第1工程(ダイス系列:Φ4.00mm → Φ3.90mmの1パス)、第2工程(ダイス系列:Φ3.90mm→ Φ3.50mm→Φ3.13mm→ Φ2.80mm→ 2.50mm→ Φ2.20mm→ Φ1.99mm→Φ1.82 mm→ Φ1.66mmの8パス)で冷間引抜き伸線を実施した。その結果、第1工程および第2工程のいずれのパスにおいても線材の断線はなく、円滑に引抜き伸線を行うことができた。
ダイス系列:Φ4.00mm → Φ3.90mm(4.90%) → Φ3.50mm(19.5%)→Φ3.13mm(20.0%) → Φ2.80mm(20.0%) → 2.50mm(20.3%)→ Φ2.20mm(22.5%) → Φ1.99mm(18.2%)→Φ1.82 mm(16.4%)→ Φ1.66mm(16.8%)。
上記ダイス系列において、単位mmはダイスの孔径を示し、引抜き伸線後の線材の直径はいずれも通過したダイスの孔径と同一寸法であった。また、単位%は各パスにおける引抜き伸線後の断面減少率を示す。ダイスは汎用の超硬鋼製ダイス(ダイス角度16度)を用い、潤滑剤は、鉱物油系の潤滑剤を常温で潤滑剤ボックスに導入し、ダイスと被加工材に供給した。
第1工程における引抜きの際の線材温度(ダイスの通過直後)は放射温度計で測定したところ25℃であり、伸線速度(ダイスの通過前)は20m/分であった。第2工程における線材の熱処理は、加熱ゾーンを通すことにより300℃で15秒加熱し、その後、空冷により冷却した。第2工程における引抜きの際の線材温度(ダイスの通過直後)はいずれも25℃であり、最初のパスでの伸線速度(ダイスの通過前)は20m/分であった。なお、引抜きの際の線材温度は図1に示すとおりである。
以下のダイス系列に従って、第1工程(ダイス系列:Φ4.00mm → Φ3.67mmの1パス)、第2工程(ダイス系列:Φ3.67mm→ Φ3.46mm→Φ3.26mm→ Φ2.97mm→ 2.77mm→ Φ2.50mmの5パス)で引抜き伸線を実施した。それ以外は実施例1と同様である。その結果、第1工程および第2工程のいずれのパスにおいても線材の断線はなく、円滑に引抜き伸線を行うことができた。
ダイス系列:Φ4.00mm → Φ3.67mm(15.8%) → Φ3.46mm(11.1%)→Φ3.26mm(11.2%) → Φ2.97mm(17.0%) → 2.77mm(13.0%)→ Φ2.50(18.5%)。
以下のダイス系列に従って、第1工程(ダイス系列:Φ3.20mm → Φ2.80mの1パス)、第2工程(ダイス系列:Φ2.80mm→ Φ2.50mm→Φ2.20mm→ Φ2.00の3パス)で引抜き伸線を実施した。それ以外は実施例1と同様である。その結果、第1工程および第2工程のいずれのパスにおいても線材の断線はなく、円滑に引抜き伸線を行うことができた。
ダイス系列:Φ3.20mm → Φ2.80mm(23.4%) → Φ2.50mm(20.3%)→Φ2.20mm(22.6%) → Φ2.00mm(17.4%)。
以下のダイス系列に従って、第1工程(ダイス系列:Φ4.00mm → Φ3.46mmの1パス)、第2工程(ダイス系列:Φ3.47mm→ Φ2.97mm→Φ2.60mm→ Φ2.30mm→ 2.20mm→ Φ1.82mmの5パス)で引抜き伸線を実施した。それ以外は実施例1と同様である。その結果、第1工程および第2工程のいずれのパスにおいても線材の断線はなく、円滑に引抜き伸線を行うことができた。
ダイス系列:Φ4.00mm → Φ3.46mm(25.2%) → Φ2.97mm(26.3%)→Φ2.60mm(23.4%) → Φ2.30mm(21.7%) → 2.00mm(24.4%)→ Φ1.82(17.2%)。
難燃マグネシウム基合金の押出材(ケーエステクノス社製の商品名:ノコマロイ AZCa912)のΦ14.0mmコイルを用い、以下のダイス系列に従って、第1工程(ダイス系列:Φ14.0mm → Φ13.0mmの1パス)、第2工程(ダイス系列:Φ13.0mm→ Φ12.0mm→Φ11.0mm→ Φ10.0mm→ 9.0mm→ Φ8.0mmの5パス)で引抜き伸線を実施した。それ以外は実施例1と同様である。その結果、第1工程および第2工程のいずれのパスにおいても線材の断線はなく、円滑に引抜き伸線を行うことができた。
ダイス系列:Φ14.0mm → Φ13.0mm(13.8%) → Φ12.0mm(14.8%)→Φ11.0mm(16.0%) → Φ10.0mm(17.4%) → 9.0mm(19.0%)→ Φ8.0(21.0%)。
マグネシウム基合金の押出材(大阪富士工業社製のAZ31B−F(ASTM B107(94)AZ31B合金をビレットから棒材に押出したもの))のΦ6.00mmコイルを用い、以下のダイス系列に従って、第1工程(ダイス系列:Φ6.00mm → Φ5.35mmの1パス)、第2工程(ダイス系列:Φ5.35mm→ Φ4.80mm→Φ4.30mmの2パス)で引抜き伸線を実施した。それ以外は実施例1と同様である。その結果、第1工程および第2工程のいずれのパスにおいても線材の断線はなく、円滑に引抜き伸線を行うことができた。
ダイス系列:Φ6.00mm → Φ5.35mm(20.5%) → Φ4.80mm(19.5%)→Φ4.30mm(19.7%)。
以下のダイス系列に従って、第1工程(ダイス系列:Φ6.00mm → Φ5.20mmの1パス)、第2工程(ダイス系列:Φ5.20mm→ Φ4.50mm→Φ3.90mmの2パス)で引抜き伸線を実施した。それ以外は実施例6と同様である。その結果、第1工程および第2工程のいずれのパスにおいても線材の断線はなく、円滑に引抜き伸線を行うことができた。
ダイス系列:Φ6.00mm → Φ5.20mm(24.9%) → Φ4.50mm(25.1%)→Φ3.90mm(24.9%)。
Claims (8)
- マグネシウム基合金の被加工材をダイスに挿通し引抜きにより伸線を行うマグネシウム基合金の伸線方法において、被加工材を予め加熱することなく低断面減少率で潤滑剤を用いて冷間引抜する工程を含むことを特徴とするマグネシウム基合金の伸線方法。
- マグネシウム基合金の被加工材をダイスに挿通し引抜きにより伸線を行うマグネシウム基合金の伸線方法において、被加工材を加熱し冷却した後冷間引抜きする工程を含むことを特徴とするマグネシウム基合金の伸線方法。
- マグネシウム基合金の被加工材をダイスに挿通し引抜きにより伸線を行うマグネシウム基合金の伸線方法において、被加工材を予め加熱することなく低断面減少率で潤滑剤を用いて冷間引抜する第1工程と、この冷間引抜きした被加工材を加熱し冷却した後冷間引抜きする第2工程と、を含むことを特徴とするマグネシウム基合金の伸線方法。
- 第1工程における低断面減少率が5〜30%、冷間引抜き温度が10〜30℃であることを特徴とする請求項3に記載のマグネシウム基合金の伸線方法。
- 第2工程における被加工材の加熱が200〜300℃で10〜60秒間行われることを特徴とする請求項3または4に記載のマグネシウム基合金の伸線方法。
- 第2工程が複数回行われることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のマグネシウム基合金の伸線方法。
- マグネシウム基合金が難燃マグネシウム基合金であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のマグネシウム基合金の伸線方法。
- 難燃マグネシウム基合金がカルシウムを2〜10重量%含有することを特徴とする請求項7に記載のマグネシウム基合金の伸線方法。
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