JP5249367B2 - マグネシウム基合金ねじ - Google Patents

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Description

本発明は、マグネシウム基合金からなるねじに関するものである。
マグネシウム基合金は、アルミニウムよりも軽く、比強度、比剛性が鋼やアルミニウムよりも優れており、航空機部品、自動車部品などの他、各種電気製品のボディなどにも広く利用されている。
ところが、Mg及びその合金は、最密六方格子(hcp)構造であるため、延性に乏しく、室温での塑性加工性が極めて悪い。例えば、一般的な金属材料を用いた場合、ねじ加工は、室温で行われるが、マグネシウム基合金を用いた場合、室温でねじ加工のような鍛造加工を行うことができない。
上記マグネシウム基合金の加工性は、温度によって大きく変化し、素材温度を高くすることで、ねじ加工のような大きな塑性加工が可能となる。そこで、従来、マグネシウム基合金を用いてねじを製造する場合、ねじ加工の際に塑性加工が可能な程度に素材を加熱することが行われている。例えば、特許文献1〜3には、マグネシウム基合金素材を超塑性現象が発現する温度、或いは塑性加工性が大きくなる温度に加熱してねじ加工する技術が記載されている。
特開2000-283134号公報 特開2000-343178号公報 特開2001-269746号公報
しかし、上記超塑性現象が生じる温度や塑性加工性が大きくなる温度は、250℃以上という高温である。そのため、従来の方法では、ねじ加工を行う際に用いられる保持ダイスやパンチなどの金型(加工材)が高温に曝されることで、寿命が著しく低下し、生産性よくねじを製造することができないという問題がある。
従来、マグネシウム基合金からなるねじを得るべく、ねじ加工のような強加工を行う場合、上記特許文献1〜3に記載されるように、概ね被加工材であるマグネシウム基合金の押出材を250℃以上に加熱することが必要とされる。そのため、250℃以上といった高温用の加熱設備が必要となるだけでなく、ねじ加工に用いられる加工材も高温に曝されることで寿命が短くなって、コスト高をも招く。従って、250℃以上の加熱は、工業的生産において決して好ましくない。
また、近年、ねじ強度の更なる向上が求められているが、押出材を250℃以上に加熱してねじ加工を施して得られるねじでは、強度の向上に限界がある。従って、マグネシウム基合金からなるねじについて、強度向上のための適切な方法が求められている。
そこで、本発明の主目的は、引張強度に優れるマグネシウム基合金からなるねじを提供することにある。
本発明者らは、一般に250℃未満の温度においてねじ加工といった強加工が困難とされるマグネシウム基合金について種々検討した結果、予め特定の引抜加工により得られたワイヤを用いることで、250℃未満の温度であってもねじ加工が可能であることを見いだし、本発明を完成するに至った。また、得られたマグネシウム基合金ねじが優れた引張特性を具えるとの知見に基づき、本発明を規定する。
即ち、本発明マグネシウム基合金ねじは、引抜加工により得られたマグネシウム基合金からなるワイヤにねじのヘッド部を成形するヘッド加工を温間にて行って、ねじブランクを製造するヘッド鍛造工程と、前記ねじブランクにねじ山を成形する転造加工を温間にて行って、ねじを製造する転造工程とを具える製造方法により得ることができる。そして、前記ヘッド鍛造工程においてヘッド加工は、前記ワイヤを固定する保持ダイス、及びねじのヘッド部を成形するパンチを用いて行い、前記保持ダイス及びパンチを加熱すると共に、少なくとも保持ダイスを140℃以上250℃以下に加熱することで前記ワイヤを140℃以上250℃未満に加熱する。
従来、マグネシウム基合金を用いてねじを得る場合、被加工材には、押出材が用いられており、250℃以上に加熱しなければねじ加工を行うことができなかった。これに対し、本発明では、250℃未満の加熱でねじ加工を行うべく、後述する特定の引抜加工により得られたワイヤを用いることを規定する。
引抜加工により得られた引抜材は、合金の平均結晶粒径が20μm以上でばらつきが大きい押出材に対し、合金の平均結晶粒径が10μm以下、かつ最大結晶粒径が15μm以下の均一的で微細な組織を有する。また、押出材と比較して引抜材は、寸法精度が良好で偏径差が小さいため、ねじ加工を行う保持ダイスなどの加工材を介してワイヤの加熱を行う場合、安定した確実な加熱が可能である。更に、押出材と比較して引抜材は、長尺な線材とすることができるため、連続的に線材を供給することができるため、例えば、線材の切断からねじのヘッド部の成形を連続して行うことができる。本発明は、上記のような特性を有する引抜材を用いることで、加熱温度の低下、即ち、250℃未満でのねじ加工を実現する。
本発明では、上記のようにマグネシウム基合金からなる引抜材を用いることで、ねじ加工を行う際の加熱温度を250℃未満とすることができる。従って、本発明は、ねじ加工の際、押出材にそのままねじ加工を行う従来のように250℃以上の高温に加熱する必要が無いので、保持ダイスなどの加工材の寿命を長くすることができ、また、従来のような高温用の加熱手段を不要とすることができる。従って、上記製造方法を利用すると、マグネシウム基合金ねじを生産性よく得ることができる。
また、上記製造方法により得られたマグネシウム基合金ねじは、優れた強度を具えており、特に、ねじ加工後に特定の熱処理を行うことで、より優れた強度を具えるねじとすることができる。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明において、マグネシウム基合金からなるワイヤは、断面が円形状の線材を切断して得るとよい。上記線材を得るための引抜加工は、例えば、加工温度への昇温速度:1℃/sec〜100℃/sec、加工温度:50℃以上200℃以下(より好ましくは150℃以下)、加工度:引抜加工1回(1パス)に対して10%以上、線速:1m/sec以上で押出材を引き抜いた後、得られた線材に100℃以上400℃以下、より好ましくは150℃以上400℃以下の温度に加熱することが挙げられる。この加熱焼鈍は、引き抜きで導入された歪みの回復、及び再結晶の促進による結晶粒の更なる微細化に有効である。この加熱温度の保持時間は5〜20分程度が好ましい。このような特定の引抜加工を行うことで、上記のように合金組織を微細化、具体的には、平均結晶粒径10μm以下、最大結晶粒径15μm以下とすることができる。そして、上記合金塑性の微細化により、ワイヤの加熱温度を250℃未満としても塑性加工性を向上させることができ、所望のねじを得ることが可能である。
上記引抜加工により得られたマグネシウム基合金からなるワイヤを用いて、まずねじブランク(ヘッド部が成形されており、軸部にねじ山が設けられていない状態の中間製品)を鍛造にて製造する。このとき、鍛造、具体的にはヘッド加工は、温間にて行う。具体的な温度としては、マグネシウム基合金からなるワイヤを140℃以上250℃未満に加熱する。マグネシウム基合金からなるワイヤの加熱温度が140℃未満では、鍛造途中に割れなどが生じてヘッド加工を行えない恐れがある。特に、M6のような太径のねじを作製する場合、加熱温度は180℃以上とすることが好ましい。加熱温度が高いほど塑性加工性が向上する反面、ダイスなどの加工材の寿命が低下していくため、生産性を考慮して、上限は250℃とする。なお、加工するヘッド部の形状(−ねじ、+ねじ、六角ねじ、リベットなど)、加工速度、ねじサイズなどにより、より低い温度、具体的には180℃以下での加工も可能である。
上記ヘッド鍛造工程においてヘッド加工は、マグネシウム基合金からなるワイヤを固定する保持ダイス、及びねじのヘッド部を成形するパンチを用いて行うとよく、通常のヘッド加工に用いられている加工材を用いてもよい。そして、上記製造方法では、ヘッド鍛造工程におけるワイヤの加熱を、上記保持ダイス及びパンチの双方を加熱することで行う。このとき、少なくとも保持ダイスを140℃以上250℃以下に加熱する。保持ダイス及びパンチの双方を上記温度に加熱すると、ワイヤ全体を均一的に加熱することができて好ましい。加熱温度が140℃未満であると、ワイヤを140℃以上に加熱できず、鍛造途中に割れなどが生じてヘッド加工が行えず、250℃超であると、保持ダイスやパンチの寿命を短くさせる。
上記保持ダイスやパンチは、それぞれダイスホルダー、パンチホルダーに固定させておき、これらホルダーに加熱手段を具えておき、この加熱手段により上記保持ダイスやパンチの加熱を行ってもよい。加熱手段としては、電熱式のカートリッジヒータなどが挙げられる。加熱手段の取付けは、ホルダーに穴を設け、この穴に挿入することで行う構成とすると、メンテナンスの面から好ましい。また、ホルダーには、温度を調整できるように温度センサを具えておいてもよく、取付けは、上記加熱手段と同様に穴を設けて、この穴に挿入することで行ってもよい。
ホルダーに加熱手段を具える場合、加熱状態の維持による熱効率の向上、及びホルダーが取付けられる鍛造装置本体への熱影響を考慮して、ホルダーの外周の少なくとも一部、特に、ホルダーにおいて鍛造装置本体との接触部分に、断熱材を配置することが好ましい。ホルダーの外周を囲むように断熱材を配置してもよい。
なお、複数のパンチを具えて、多段階に亘ってねじのヘッド部を成形する場合、いずれの段階においても、マグネシウム基合金からなるワイヤを上記温度に加熱してヘッド加工を行うことが好ましい。このとき、複数のパンチを同一のパンチホルダーにて固定しておくと、パンチの加熱手段を共通させることができる。
より効率的にヘッド加工を行うために、上記引抜加工により得られたマグネシウム基合金からなる線材を切断手段に供給する供給工程と、供給された線材を切断手段により定尺長に切断して被加工材であるワイヤを得る切断工程と、切断されたワイヤを鍛造手段に運搬する運搬工程と、運搬されたワイヤに上記手順によりねじのヘッド部を成形するヘッド鍛造工程とを連続的に行うことが好ましい。このような加工は、連続的な加工が可能な鍛造装置により行うことができ、公知の鍛造装置を用いてもよい。
上記切断手段には、ワイヤを保持する切断ダイスを具えておき、上記加熱手段を具えるダイスホルダーにこの切断ダイスを固定させて、上記切断工程は、この切断ダイスによりワイヤを保持し、ダイスホルダーの加熱手段により切断ダイスを加熱することでワイヤを加熱して行うことが好ましい。切断工程においてワイヤが加熱されることで、ワイヤは、ヘッド加工を行う保持ダイスやパンチなどの加工材に運搬される際、ある程度の温度まで加熱されており、ヘッド鍛造工程における加熱を容易に、かつ短時間で行って加工速度を高めることができる。即ち、生産性を更に向上させることができる。特に、保持ダイスと切断ダイスとを同一のダイスホルダーにて保持する構成とすることで、保持ダイスの加熱手段と切断ダイスの加熱手段とを共通させることができるため、保持ダイスの加熱と同時に切断ダイスの加熱をも行うことができ、より効率的である。また、部品を共通させることから、鍛造装置の部品点数を減らすこともできる。
上記のように切断工程において、切断ダイスの加熱によりワイヤを加熱することで、ヘッド鍛造工程における加熱の容易性や加工速度の向上といった効果に加えて、切断性も改善させることができる。切断時にワイヤの温度が不十分であると、切断面が粗くなる、切断加工時に切りカスが発生する、といった不具合が生じる恐れがある。切断面は、ヘッド加工後の形状に影響を及ぼすため、滑らかであることが望まれる。また、切りカスがあると、切りカスを含めた状態でヘッド加工が施された場合、上記と同様にヘッド加工後の形状に影響が出るため、切りカスが出ないことが望まれる。上記に加えて、ワイヤの温度が不十分な状態で切断を行うと、切断されたワイヤの精度が悪く、鍛造手段(保持ダイス)への挿入性を悪化させる恐れがある。従って、切断性をより向上させるためには、ワイヤを十分に加熱することが望まれる。そこで、より高速に、より安定して、ワイヤを十分に加熱できるように、ワイヤを直接加熱するワイヤ加熱手段を具え、切断ダイスの加熱とワイヤ加熱手段の加熱の双方によりワイヤを加熱することが好ましい。切断ダイスによる間接的な加熱と、ワイヤ加熱手段による直接的な加熱とにより、ワイヤの切断性が向上し、ヘッド部の形状の安定化や、保持ダイスへの挿入性の向上を図ることができる。また、温度上昇に時間のかかる太径のねじを作製する場合、より速く加熱することができるため、極めて効果的である。ワイヤ加熱手段としては、熱風の吹き付けを行うドライヤーなどが挙げられる。
本発明では、上記のように塑性加工性に優れる引抜材を用いることで、ヘッド加工の加工速度を大きくすることも可能であり、ねじの生産性を確保することができる。具体的には、ヘッド加工の加工速度を100mm/sec以上とすることができる。一般に、マグネシウム基合金の加工度は、加工速度に大きな影響を受け、加工速度が大きくなるに従って加工可能な加工度が小さくなる。これに対し、本発明は、上記のように優れた塑性加工性を有する引抜材を用いることで、250℃未満という加熱温度で、かつ100mm/sec以上という工業的生産レベルの加工速度にてねじ加工が可能である。
上記鍛造工程により得られたねじブランクにねじ山を成形する転造加工を施し、ねじを製造する。このとき、転造は、温間にて行う。具体的には、上記ヘッド鍛造工程を経て得られたマグネシウム基合金からなるねじブランクを100℃以上250℃未満に加熱して行うことが好ましい。100℃未満では、転造途中に割れなどが生じてねじ山の成形が行えない恐れがあり、250℃超では加工材の寿命を低下させる。
上記転造加工は、転造ダイスを用いて行うとよく、通常の転造加工に用いられている加工材を用いてもよい。そして、転造工程におけるねじブランクの加熱は、上記転造ダイスを100℃以上250℃未満に加熱することで行うことが挙げられる。100℃未満であると、ねじブランクを100℃以上に加熱できず、250℃超であると、転造ダイスの寿命を短くさせる。特に、M6のような太径ねじの場合には、150℃以上の加熱が好ましい。
上記転造ダイスの加熱は、転造ダイスに直接加熱手段を具えて、この加熱手段により行うことが挙げられる。加熱手段としては、電熱式のカートリッジヒータなどが挙げられる。加熱手段の取付けは、転造ダイスに穴を設け、この穴に挿入することで行う構成とすると、メンテナンス性がよく好ましい。また、温度調整が容易にできるように温度センサを転造ダイスに取付けてもよい。この取付けも、上記加熱手段と同様に穴を設けて、この穴に挿入することで行ってもよい。
転造ダイスに加熱手段を具える場合、加熱状態の維持による熱効率の向上、及び転造ダイスが取付けられる転造装置本体への熱影響を考慮して、転造ダイスの外周を囲むように、特に、転造ダイスにおいて転造装置本体との接触部分に、断熱材を配置することが好ましい。
上記のようにヘッド鍛造工程及び転造工程において、マグネシウム基合金素材を特定の範囲に加熱することで、生産性よくねじ加工を行うことができるが、更に生産効率を向上するためにヘッド鍛造工程から転造工程に移行する際にも、素材を加熱することが好ましい。具体的には、ヘッド鍛造工程により得られたねじブランクを転造ダイスに移行させる移行手段を100℃以上250℃未満に加熱することでねじブランクを加熱することが挙げられる。移行手段としては、シュートレールなどが挙げられる。通常のねじ加工に用いられている構成のものを用いてもよい。そして、この移行手段に電熱式のカートリッジヒータなどの加熱手段を取付けて加熱するとよい。このようにヘッド鍛造工程から転造工程に移行する期間においてもマグネシウム基合金素材を加熱する、即ち、ねじブランクを予備加熱することで、転造加工を行う際の加熱時間を短縮することができるため、転造加工を高速化することができ、生産効率を向上することができる。
上記工程により得られたマグネシウム基合金ねじは、引張強さが220MPa以上という優れた強度を有する。更に引張強さを向上させるには、ねじのヘッド部を成形するヘッド加工と、ねじ山を成形する転造加工とを施した後、得られたねじに100℃以上350℃未満の熱処理を施すことが好ましい。この熱処理により、ねじの合金組織をより微細な結晶粒を有する組織とすることができ、230MPa以上というより高い引張強度を有するねじを得ることができる。
上記製造方法は、合金組成によらず、室温程度(例えば、20℃)での加工性に乏しいhcp構造を有するマグネシウム基合金において有効である。例えば、鋳造用マグネシウム基合金や展伸用マグネシウム基合金を利用することができる。具体的には、Alを0.1質量%以上12質量%以下含有するものや、Zn:0.1質量%以上10質量%以下及びZr:0.1質量%以上2.0質量%を含有するもの、その他、耐熱性に優れる希土類元素を5.0質量%以下含有するものが挙げられる。Alを含有する場合、更に、Mn:0.1質量%以上2.0質量%以下、Zn:0.1質量%以上5.0質量%以下、Si:0.1質量%以上5.0質量%以下より選択された1種以上を含有するものが挙げられる。上記合金組成として代表的なASTM記号におけるAZ系、AS系、AM系、ZK系、EZ系などが利用できる。Alの含有量として、質量%で0.1〜2.0%未満のものと、2.0超〜12.0%のものとを区別してもよい。上記化学成分の他にはMg及び不純物が含まれる合金として利用されることが一般的である。不純物には、Fe、Si、Cu、Ni、Caなどが挙げられる。
AZ系においてAlの含有量が2.0〜12.0質量%となるものとして、例えば、AZ31、AZ61、AZ91などが挙げられる。AZ31は、例えば、質量%でAl:2.5〜3.5%、Zn:0.5〜1.5%、Mn:0.15〜0.5%、Cu:0.05%以下、Si:0.1%以下、Ca:0.04%以下を含有するマグネシウム基合金である。AZ61は、例えば、質量%でAl:5.5〜7.2%、Zn:0.4〜1.5%、Mn:0.15〜0.35%、Ni:0.05%以下、Si:0.1%以下を含有するマグネシウム基合金である。AZ91は例えば、質量%でAl:8.1〜9.7%、Zn:0.35〜1.0%、Mn:0.13%以上、Cu:0.1%以下、Ni:0.03%以下、Si:0.5%以下を含有するマグネシウム基合金である。AZ系においてAlの含有量が0.1〜2.0質量%未満となるものとして、例えば、AZ10、AZ21などが挙げられる。AZ10は、例えば、質量%でAl:1.0〜1.5%、Zn:0.2〜0.6%、Mn:0.2%以上、Cu:0.1%以下、Si:0.1%以下、Ca:0.4%以下を含有するマグネシウム基合金である。AZ21は、例えば、質量%でAl:1.4〜2.6%、Zn:0.5〜1.5%、Mn:0.15〜0.35%、Ni:0.03%以下、Si:0.1%以下を含有するマグネシウム基合金である。
AS系においてAlの含有量が2.0〜12.0質量%となるものとして、例えば、AS41などが挙げられる。AS41は、例えば、質量%でAl:3.7〜4.8%、Zn:0.1%以下、Cu:0.15%以下、Mn:0.35〜0.60%、Ni:0.001%以下、Si:0.6〜1.4%を含有するマグネシウム基合金である。AS系においてAlの含有量が0.1〜2.0質量%未満となるものとしてAS21などが挙げられる。AS21は、例えば、質量%でAl:1.4〜2.6%、Zn:0.1%以下、Cu:0.15%以下、Mn:0.35〜0.60%、Ni:0.001%、Si:0.6〜1.4%を含有するマグネシウム基合金である。
AM系では、例えば、AM60、AM100などが挙げられる。AM60は、例えば、質量%でAl:5.5〜6.5%、Zn:0.22%以下、Cu:0.35%以下、Mn:0.13%以上、Ni:0.03%以下、Si:0.5%以下を含有するマグネシウム基合金である。AM100は、例えば、質量%でAl:9.3〜10.7%、Zn:0.3%以下、Cu:0.1%以下、Mn:0.1〜0.35%、Ni:0.01%以下、Si:0.3%以下を含有するマグネシウム基合金である。
ZK系では、例えば、ZK40、ZK60などが挙げられる。ZK40は、例えば、質量%でZn:3.5〜4.5%、Zr:0.45%以上を含有するマグネシウム基合金である。ZK60は、例えば、質量%でZn:4.8〜6.2%、Zr:0.45%以上を含有するマグネシウム基合金である。
EZ系の希土類元素(RE)として、通常はPrとNdの混合物が利用されることが多い。EZ系では、例えば、EZ33などが挙げられる。EZ33は、例えば、質量%でZn:2.0〜3.1%、Cu:0.1%以下、Ni:0.01%以下、RE:2.5〜4.0%、Zr:0.5〜1%を含有するマグネシウム基合金である。
マグネシウム単体では十分な強度を得ることが難しいが、上記の化学成分を含むことで好ましい強度が得られる。
試験例1で用いた鍛造装置において、保持ダイス及び切断ダイス部分を模式的に示す概略構成図である。 試験例1で用いた鍛造装置において、パンチ部分を模式的に示す概略構成図である。 試験例2に用いた転造装置において、転造ダイス部分を模式的に示す概略構成図である。 試験例2に用いた転造装置において、シュートレール及び転造ダイス部分を模式的に示す概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(試験例1-1)
質量%で、Al:3.0%、Zn:1.0%、Mn:0.15%を含み、残部がMg及び不純物からなるマグネシウム基合金(ASTM記号AZ31相当材)の押出材(φ8.0mm、φ5.25mm)を準備した。φ8.0mmの押出材には、約160℃の温度、及び1パス当りの断面減少率:20%以下の加工度でφ5.25mmまで引き抜いた(160℃への昇温速度:約10℃/sec、線速:16m/sec)後、350℃×15minの熱処理を施し、引き抜き時の歪み除去、再結晶による組織の均一微細化を行った。得られたφ5.25mmの引抜材の組織を調べたところ、平均結晶粒径:7.5μm、最大結晶粒径:10.2μmであった。また、同様の条件でφ1.66mmの引抜材も作製した(平均結晶粒径:6.8μm、最大結晶粒径:9.8μm)。
上記により得られたφ5.25mm及びφ1.66mmの引抜材、及び引抜加工を行っていないφ5.25mmの押出材(平均結晶粒径:28μm、最大結晶粒径:75μm)を長尺な線材のまま鍛造装置に供給して、ねじのヘッド部の加工を行った。
本例においてヘッド加工は、ヘッド加工する際にワイヤを固定する保持ダイス、及びねじのヘッド部を成形する複数のパンチを具える鍛造装置を用いて行った。この鍛造装置は、更に、供給された長尺な線材を定尺長に切断可能な切断手段と、切断されたワイヤを保持ダイスに運搬する運搬手段とを具え、線材の切断からヘッド部の成形を連続的に実施可能なものである。
また、本例では、保持ダイス、及びパンチを加熱可能な加熱手段をそれぞれ具えて、この加熱手段により、保持ダイス及びパンチを介して、切断されたワイヤを加熱可能とした。図1は、本例に用いた鍛造装置において、保持ダイス及び切断ダイス部分を模式的に示す概略構成図である。保持ダイス10は、ダイスホルダー11に固定され、このダイスホルダー11には、ヒータ穴11aが設けられ、このヒータ穴11aに電熱式のカートリッジヒータ12を挿入していると共に、ダイスホルダー11の温度を調整できるように別途設けた穴に温度センサ13も同様に挿入している。このダイスホルダー11は、図示しない鍛造装置本体に固定される。そのため、ダイスホルダー11において鍛造装置本体との接触面(図1では左右、紙面奥の3面)には、断熱材14を配置し、ダイスホルダー11の加熱温度の保持による熱効率の向上と、装置本体の保護とを図る。また、本例では、保持ダイス10の他、切断工程においてワイヤを保持する切断ダイス15をダイスホルダー11に具える。従って、ヒータ12は、保持ダイス10及び切断ダイス15の双方を加熱可能であり、切断工程において切断ダイス15を加熱することで、線材を定尺長のワイヤに切断する際、切断ダイス15の加熱によりワイヤを加熱することができる。と同時に、保持ダイス10の加熱をも行うことができる。
図2は、本例に用いた鍛造装置において、パンチ部分を模式的に示す概略構成図である。本例では、二つのパンチ20A、20Bを具え、パンチ20Aによりねじブランクの予備成形を行い、パンチ20Bにより、ヘッド部を完成させたねじブランクを得る構成であり、パンチ20Bとしてプラスヘッドのものを用いた。これらパンチ20A、20Bは、パンチホルダー21にて保持され、このパンチホルダー21には、ヒータ穴21aが設けられ、このヒータ穴21aに電熱式のカートリッジヒータ22を挿入していると共に、パンチホルダー21の温度を調整できるように別途設けた穴に温度センサ23も同様に挿入している。このパンチホルダー21も、図示しない鍛造装置本体に固定されるため、熱効率の向上と、装置本体への熱流出の防止とを図るべく、パンチホルダー21において鍛造装置本体との接触面(図2では紙面奥の1面)に断熱材24を配置している。
上記構成の鍛造装置を用いて以下の手順により、線材の切断からヘッド部の成形を連続的に行った。まず、ヒータ12にて加熱された切断ダイス15の切断刃穴15aに線材を挿入した後カッタ(図示せず)にて切断し、切断されたワイヤを運搬手段(図示せず)により、ヒータ12で加熱された保持ダイス10のセンター穴10aの位置まで運搬し、パンチ20Aによりセンター穴10aに挿入すると同時にヘッド加工を行う。この操作により、ねじブランクの予備成形を行い、続いて、パンチ20Bにてヘッド加工を行い、ヘッド部が完成したねじブランクを得る。
上記鍛造装置を用いて上記の手順により、ヒータ12、22の出力を変化させることで各ヒータ12、22の加熱温度を変化させてワイヤの温度を変化させ、種々の温度条件でヘッド加工を行い、ヘッド加工が可能であるかを調べた。本例では、M6用のねじブランク及びM2用のねじブランクを作製した。その結果を表1に示す。表1において、○は2段階のヘッド加工が可能であったもの、×は割れなどが生じてヘッド加工ができなかったもの、▲は2段階のヘッド加工が可能であったが加熱温度が高く、保持ダイスやパンチなどの加工材の寿命の点で問題があるものを示す。なお、引抜材及び押出材の鍛造速度は、いずれも約120mm/secとした。また、ヘッド加工する際のワイヤの温度は、接触温度計により測温を行った。
Figure 0005249367
表1に示すように引抜材を用いた場合、M2用のねじブランクでは、ワイヤの温度が140℃以上のとき、ヘッド加工が可能であることがわかる。太径のM6用のねじブランクでもワイヤの温度が180℃以上のとき、ヘッド加工が可能であることがわかる。また、表1から、引抜材を用いた場合、ワイヤの温度が250℃未満であっても、十分にヘッド鍛造加工を行うことができることがわかる。特に、本例では、鍛造速度を120mm/secという工業的生産レベルでの加工を行ったが、問題なくヘッド加工を行うことができた。また、本例では、プラスヘッドという加工度が大きい加工を行ったが、この場合でも、ワイヤの温度が250℃未満であっても、十分にヘッド加工を行うことができた。なお、ワイヤの温度を250℃超に加熱した場合もヘッド加工を行うことができたが、保持ダイスやパンチなど加工材の寿命を考慮すると、250℃未満の加熱による加工が望まれる。
これに対し、表1に示すように引抜加工を行っていない押出材を用いた場合、ワイヤの温度が250℃以上となるように加熱を行わなければ、ヘッド加工を行うことができなかった。また、ヘッド加工の加工速度も引抜材を用いた場合よりも遅く、生産性が悪いと推測される。
なお、本例では、図1に示すダイスホルダー11に具えるヒータ12にて切断ダイス15を加熱し、この加熱により線材を間接的に加熱して切断する構成としたが、線材を直接的に加熱する構成を更に具えていてもよい。例えば、ドライヤーを具えて、熱風を線材に直接吹き付ける構成としてもよい。このとき、切断ダイス15による加熱と、熱風による加熱とにより線材をより速く、安定して十分に加熱することができ、切断性をより向上させることができる。特に、M4を超えるといった太径のねじを作製する場合に効果的である。
(試験例1-2)
組成の異なるマグネシウム基合金において同様の試験を行った。即ち、押出材に上記引抜加工を施した後、熱処理を行った引抜材を用いて、上記と同様の鍛造装置を用いて、種々の温度でヘッド加工を行った(M2用のねじブランク及びM6用のねじブランクを作製)。以下に、試験に用いたマグネシウム基合金の組成を示す。
質量%でAl:1.2%、Zn:0.4%、Mn:0.3%を含み、残部がMgおよび不純物からなるマグネシウム基合金(ASTM記号AZ10相当材)
質量%でAl:6.4%、Zn:1.0%、Mn:0.28%を含み、残部がMgおよび不純物からなるマグネシウム基合金(ASTM記号AZ61相当材)
質量%でAl:9.0%、Zn:0.7%、Mn:0.1%を含み、残部がMgおよび不純物からなるマグネシウム基合金(ASTM記号AZ91相当材)
質量%でAl:1.9%、Mn:0.45%、Si:1.0%を含み、残部がMgと不純物からなるマグネシウム基合金(ASTM記号AS21相当材)
質量%でAl:4.2%、Mn:0.50%、Si:1.1%を含み、残部がMgと不純物からなるマグネシウム基合金(ASTM記号AS41相当材)
質量%でAl:6.1%、Mn:0.44%を含み、残部がMgと不純物からなるマグネシウム基合金(ASTM記号AM60相当材)
質量%でZn:5.5%、Zr:0.45%を含み、残部がMgおよび不純物からなるマグネシウム基合金(ASTM記号ZK60相当材)。
すると、いずれの試料も、M2用のねじブランクでは、ワイヤの温度を140℃以上250℃未満に加熱することでヘッド加工を行うことができた。特に、M6といった太径であっても、ワイヤを180℃以上に加熱することで、ヘッド加工を行うことができた。
(試験例2-1)
試験例1-1にて作製したヘッド部を具えるM2用のねじブランク及びM6用のねじブランクにそれぞれ転造加工を行った。
本例において転造加工は、転造ダイスを具える転造装置を用いて行った。また、本例では、転造ダイスを加熱可能な加熱手段を具えて、この加熱手段により、転造ダイスを介してねじブランクを加熱可能とした。図3は、本例に用いた転造装置において、転造ダイス部分を模式的に示す概略構成図である。本例に用いた転造ダイスは、スライド可能な稼動ダイス30Aと、固定ダイス30Bとをそれぞれ対向させて配置させており、いずれのダイス30A、30Bも、ヒータ穴31が設けられ、このヒータ穴31に電熱式のカートリッジヒータ32を挿入している。また、固定ダイス30Bには、温度が調整できるように、別途設けた穴に温度センサ33を同様に挿入している。これら稼動ダイス30A及び固定ダイス30Bは、図示しない転造装置本体に固定される。そのため、熱効率の向上と、装置本体の保護とを図るべく、稼動ダイス30A及び固定ダイス30Bにおいて転造装置本体との接触面(図3において、稼動ダイス30Aは左、紙面手前と奥の3面、固定ダイス30Bは右、紙面手前と奥の3面)に断熱材34をそれぞれ配置している。なお、図示していないが、各ダイス30A、30Bの対向面には、ねじブランクの軸部にねじ山を成形するための溝が形成されており、この対向面間にねじブランクの軸部を配置し、稼動ダイス30Aをスライドさせることで転造を行う。
更に、本例では、ねじブランクを予備加熱するために、ねじブランクを転造ダイスに移行させるシュートレールにも、加熱手段を具える転造装置を利用した。図4は、本例で用いた転造装置において、シュートレール及び転造ダイス部分を模式的に示す概略構成図である。シュートレール40は、ヘッド鍛造工程において得られたねじブランク100を整列させて、順次転造ダイス側に移行するための部材であり、ねじブランク100の軸部101を挟持する。このシュートレール40は、支持部材41にて固定されている。また、稼動ダイス30Aと固定ダイス30B間には、ねじブランク100を移送させるロッド42を具える。本例では、このシュートレール4Oの外側に電熱式のカートリッジヒータ43を配置すると共に、温度調整が可能なように温度センサ44を配置した。
上記転造装置を用いて、ヒータ32の出力を変化させて転造ダイスの加熱温度を変化させてねじブランクの温度を変化させ、種々の温度条件で、試験例1で得られたM2用のねじブランク及びM6用のねじブランクに転造加工を行い、転造加工が可能であるかを調べた。その結果を表2に示す。表2において、○は転造加工が可能であったもの、△は転造加工が可能であったが微細な割れが生じたもの、×は割れなどが生じて転造加工ができなかったもの、▲は転造加工が可能であったが加熱温度が高く、転造ダイスなどの加工材の寿命の点で問題があるものを示す。
Figure 0005249367
表2に示すように引抜材からなるねじブランクを用いた場合、転造ダイスを100℃以上に加熱することで、ねじブランクが加熱され、転造加工が可能であることがわかる。また、表2から転造ダイスの温度が250℃未満の加熱であっても、十分に転造加工を行うことができることがわかる。特に、M6という太径のねじの場合でも、転造ダイスの温度が150℃以上となる加熱で十分に転造加工を行うことができた。なお、転造ダイスの温度を250℃超に加熱した場合も転造加工を行うことができたが、転造ダイスなど加工材の寿命を考慮すると、250℃未満の加熱による加工が望まれる。
これに対し、表2に示すように引抜加工を行っていない押出材からなるねじブランクを用いた場合、転造ダイスを250℃以上に加熱しなければ、転造加工することができなかった。
また、得られたM6のねじの強度を調べてみたところ、捻り破断トルクは、3.5〜4.5N・mであり、強度に優れることがわかった。
(試験例2-2)
組成の異なるマグネシウム基合金において同様の試験を行った。即ち、試験例1-2で作製したねじブランク(M2用及びM6用)に対し、種々の温度に加熱した転造ダイスを用いて転造加工を行った。マグネシウム基合金は、上記に示す成分と同様のAZ10相当材、AZ61相当材、AZ91相当材、AS21相当材、AS41相当材、AM60相当材、ZK60相当材を用いた。
試験の結果、いずれの試料も、上記試験例2-1と同様に、転造ダイスの加熱を100℃以上250℃未満とすることで、十分に転造加工を行うことができた。また、M6といった太径であっても、上記試験例2-1と同様に、150℃以上の加熱で十分に転造加工を行うことができた。
(試験例3)
試験例1、2と同様の手順により引抜材にヘッド部のヘッド加工、及びねじ山の転造加工を施して得られたねじに種々の温度条件で熱処理を行い、得られたねじの引張特性、及び靭性を評価した。本試験では、引張特性として引張強さを測定した。また、靭性として、JIS B1051に記載される頭部打撃試験を行い、亀裂の有無を調べた。
本例で用いた引抜材は、試験例1-1と同様の組成のものを同様の条件で作製したものを用いた(φ5.25mm、平均結晶粒径:7.5μm、最大結晶粒径:10.2μm)。
この引抜材に試験例1-1と同様の条件でヘッド加工を施した。そして、ヘッド加工が施されたねじブランクに試験例2-1と同様の条件(加熱温度150℃)で転造加工を行った。
表3に試験結果を示す。表3において、「鍛造温度」とは、接触温度計によりワイヤを直接測定した温度である。「転造温度」とは、転造ダイスに具える温度センサにより転造ダイスを測定した温度である。また、熱処理は、いずれの温度においても15分間とした。
Figure 0005249367
表3に示すように引抜材を用いてねじ加工を行った場合、250℃未満の加熱でも十分にねじ加工が行えるだけでなく、引張強さ220MPa以上という高強度で、かつ靭性に優れるねじを得ることができることがわかる。特に、ねじ加工後、熱処理を施すことで、更に引張強さの向上が図れることがわかる。また、熱処理の温度は、表3から100〜350℃が好ましいことがわかる。
本発明マグネシウム基合金ねじは、引張特性に優れ、高強度が求められる分野に利用できる。特に、本発明マグネシウム基合金ねじは、ねじ加工を行う際の加工温度をより低くして生産性に優れるため、生産性よく得ることができる。
10 保持ダイス 10a センター穴 11 ダイスホルダー 11a ヒータ穴
12 ヒータ 13 温度センサ 14 断熱材 15 切断ダイス
15a 切断刃穴
20A、20B パンチ 21 パンチホルダー 21a ヒータ穴 22 ヒータ
23 温度センサ 24 断熱材
30A 稼動ダイス 30B 固定ダイス 31 ヒータ穴 32 ヒータ
33 温度センサ 34 断熱材
40 シュートレール 41 支持部材 42 ロッド 43 ヒータ
44 温度センサ
100 ねじブランク 101 軸部

Claims (5)

  1. マグネシウム基合金からなるマグネシウム基合金ねじであって、
    マグネシウム基合金は、Alを5.5〜12質量%含み、
    引抜加工により得られたマグネシウム基合金からなる引抜材のワイヤを成形してなり、
    前記ワイヤの平均結晶粒径が10μm以下、かつ最大結晶粒径が15μm以下であり、
    前記ワイヤにねじのヘッド部を成形する鍛造加工と、この鍛造加工により得られたねじブランクにねじ山を成形する転造加工とを温間にて行って得られ、
    前記転造加工は、前記ねじブランクを100℃以上250℃未満に加熱して行い、
    前記ねじの引張強さが220MPa以上であることを特徴とするマグネシウム基合金ねじ。
  2. 前記鍛造加工は、前記ワイヤを140℃以上250℃未満に加熱して行うことを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム基合金ねじ。
  3. 前記マグネシウム基合金は、更に、質量%でMn:0.1〜2.0%、Zn:0.1〜5.0%、Si:0.1〜5.0%より選択された1種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のマグネシウム基合金ねじ。
  4. 前記マグネシウム基合金は、Alを5.5〜7.2質量%含有するAZ61(ASTM記号)であることを特徴とする請求項3に記載のマグネシウム基合金ねじ。
  5. 前記マグネシウム基合金は、Alを8.1〜9.7質量%含有するAZ91(ASTM記号)であることを特徴とする請求項3に記載のマグネシウム基合金ねじ。
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