JP2016076491A - 通信用クラッドワイヤおよびコード - Google Patents

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【課題】通信性能の向上および軽量化を図った通信用クラッドワイヤを提供する。【解決手段】通信用クラッドワイヤ10は、マグネシウムまたはマグネシウム基合金からなる芯材20と、前記芯材20を被覆するマグネシウムおよびマグネシウム基合金のいずれとも異なる金属からなる被覆材30と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、ネットワークや音響などの機器やシステムにおける通信用クラッドワイヤおよびコードに関する。
通信用のワイヤとして、たとえば、軽量化、導電性の向上目的とした特許文献1のアルミニウム線を銅めっきまたは銅クラッドで被覆した複合線が提案されている。また、特許文献2には通信用ワイヤが振動すると、電気信号が減衰したり、ノイズの原因になったりすることから、振動を防止する繊維または繊維構造物被覆を電線に被覆することが提案されている。
特開2009−280917号公報 特開平11−39952号公報
特許文献1の銅被覆アルミニウム複合線では、振動による通信性能について言及されていない。また、特許文献2のコードでは、繊維または繊維構造物で電線に被覆することによる振動の減衰効果が具体的に示されていない。また、繊維または繊維構造物で電線に被覆することにより、コードが太くなり重くなってしまう。一方、コードを細くすると、コードの導電率が下がり、通信性能が低下してしまう。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、通信性能の向上および軽量化を図った通信用クラッドワイヤおよびコードを提供することを目的としている。
本発明のある態様に係る通信用クラッドワイヤは、マグネシウムまたはマグネシウム基合金からなる芯材と、前記芯材を被覆するマグネシウムおよびマグネシウム基合金のいずれとも異なる金属からなる被覆材と、を備えている。
この通信用クラッドワイヤでは、前記マグネシウム基合金がマグネシウムを80質量%以上含んでもよい。また、通信用クラッドワイヤでは、前記異なる金属が銅または銅基合金であってもよい。さらに、通信用クラッドワイヤでは、前記被覆材の断面積に対する前記芯材の断面積の比率が0.06以上1.2以下であってもよい。通信用クラッドワイヤでは、前記被覆材の外径が0.05mm以上10.0mm以下であってもよい。
また、通信用クラッドワイヤでは、前記芯材の外周面に、金、白金、銀、亜鉛および錫のいずれかの金属またはこの金属の合金による表面処理が施されていてもよい。さらに、通信用クラッドワイヤは、前記芯材の外周面を前記被覆材で覆った線材を、圧縮による縮径加工を施して形成されていてもよい。通信用クラッドワイヤでは、前記被覆材の外周面が、プラスチック、油脂、カーボンおよびゴムのいずれかにより被覆されていてもよい。
コードは、前記通信用クラッドワイヤを複数、撚り合せて形成されている。このコードでは、前記被覆材の外周面が、プラスチック、油脂、カーボンおよびゴムのいずれかにより被覆されていてもよい。
本発明は、以上に説明した構成を有し、通信性能の向上および軽量化を図った通信用クラッドワイヤおよびコードを提供することができるという効果を奏する。
本発明の上記目的、他の目的、特徴および利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明の実施の形態1に係る通信用クラッドワイヤを概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る通信用クラッドワイヤを概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る通信用クラッドワイヤを概略的に示す断面図である。 通信用クラッドワイヤの評価結果を示す表である。 通信用クラッドワイヤの振動減衰率の測定方法を説明するための図である。 通信用クラッドワイヤの評価結果を示す表である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、説明の便宜上、通信用クラッドワイヤの中心軸側を内側と称し、通信用クラッドワイヤの外周面側を外側と称している。
(実施の形態1)
図1は、通信用クラッドワイヤ10を概略的に示す斜視図である。図1に示すように、通信用クラッドワイヤ10は、通信および音響などの機器やシステムにおける配線に用いられ、断面が円形またはほぼ円形の長尺の電線である。通信用クラッドワイヤ10は、たとえば、その外径が0.05mm以上10.0mm以下である。通信用クラッドワイヤ10は、芯材20および被覆材30を備えている。
芯材20は、長尺の線状物であり、単線または撚り線により構成されている。この撚り線は、複数の線を撚り合せて形成された1本の線状物である。芯材20は、通信用クラッドワイヤ10の中央に配置されており、通信用クラッドワイヤ10の中心軸に平行またはほぼ平行に長手方向に延びている。芯材20の断面は、円形またはほぼ円形の形状である。
芯材20は、マグネシウムまたはマグネシウム基合金により形成されている。マグネシウムは、マグネシウム金属元素を99.9%以上含み、意図的に加えたものでない不純物を非常に僅かに含むことがある。マグネシウム基合金は、マグネシウム金属元素に一種類以上の他の元素を加えた合金であって、マグネシウム金属元素を80質量%以上含む。他の元素としては、たとえば、アルミニウム、亜鉛、マンガン、カルシウム、ケイ素、リチウムなどが挙げられる。
被覆材30は、長尺の線状物であって、その断面がリング状である。被覆材30の内周面が芯材20の外周面に接し、被覆材30は芯材20の外周面を覆っている。被覆材30の外径は、たとえば、0.05mm以上10.0mm以下に設定されている。被覆材30の断面積に対する芯材20の断面積の比率(=芯材20の断面積/被覆材30の断面積)は、通信用クラッドワイヤ10に求められる性能により適宜、設定される。たとえば、断面積の比率は、0.06以上1.2以下が好ましく、さらに好ましくは、0.1以上1.2以下である。この断面積の比率が0.1未満では、通信用クラッドワイヤ10の制振機能が低い。ただし、通信用クラッドワイヤ10の要求性能によっては、断面積の比率が0.1未満であっても0.06以上であれば、断面積の比率が0.06未満に比べて、電気抵抗に対して対数減衰率が大きく上昇している。よって、断面積の比率が0.06以上の通信用クラッドワイヤ10は、その要求性能を満たす制振機能を十分に発揮することができる。一方、断面積の比率が1.2より大きい場合には、通信用クラッドワイヤ10の制振機能の向上に比べて導電性の低下が大きくなり好ましくない。
被覆材30は、マグネシウムおよびマグネシウム基合金のいずれとも異なる金属(異種金属)により形成されている。この異種金属としては、マグネシウムより電気抵抗率が低い金属、たとえば、アルミニウム、銅、金、および銀のいずれかの金属またはこの合金が好ましい。さらに、優れた加工性や導電率および低コストの観点から、銅またはこの合金が好ましい。
通信用クラッドワイヤ10を製造する方法は、芯材20と被覆材30とが圧着されていれば、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。たとえば、マグネシウムまたはマグネシウム基合金の押し出し材を圧縮機または引抜ダイスなどにより所定の外径になるまで伸線加工を施し、芯材20を作成する。
そして、芯材20を被覆材30で被覆する。この被覆方法としては、たとえば、管状の被覆材30に芯材20を挿入することにより、芯材20を被覆材30により覆う。または、帯状の被覆材30の両端を円弧状に曲げながら、被覆材30上に芯材20を配置する。そして、被覆材30を円筒状に成形して、円筒状の被覆材30の両側端を突き合わせて溶接し、芯材20を被覆材30により覆う。
このように芯材20を被覆材30により被覆した線材に、ダイス、圧延ローラまたはスウェジング加工機によって圧縮して縮径加工を施す。これにより、芯材20および被覆材30が密着しながら細く長くなる。
上記構成によれば、通信用クラッドワイヤ10の芯材20がマグネシウムまたはマグネシウム基合金により形成されている。この振動減衰率が高いマグネシウムからなる芯材20により、被覆材30の振動が抑制される。これにより、通信用クラッドワイヤ10の振動によるノイズや電気信号の伝搬妨害を低減することができ、通信性能の向上が図られる。
さらに、圧縮による縮径加工を施して通信用クラッドワイヤ10を形成している。これにより、芯材20と被覆材30とが互いに密着することにより、被覆材30の振動を芯材20がより効率的に低減して、振動による不具合を低減し、さらなる通信性能の向上が図られる。
また、芯材20に用いられるマグネシウム基合金がマグネシウム金属元素を80質量%以上含んでいる。このため、芯材20がマグネシウムではなくマグネシウム基合金により形成されていても、通信用クラッドワイヤ10はマグネシウムの特性を十分に発揮することができる。
さらに、被覆材30に異種金属を用いることにより、マグネシウムとは異なる異種金属の特性を通信用クラッドワイヤ10に持たせることができる。たとえば、マグネシウムより導電性が良い金属を被覆材30に用いることにより、通信用クラッドワイヤ10の電気抵抗を低く抑えることができる。この中でも銅または銅基合金により被覆材30を構成すれば、導電性や加工性などがさらに優れる。
また、被覆材30に、芯材20のマグネシウムより導電性が良い金属を用いている。これにより、表皮効果により電流が、通信用クラッドワイヤ10の中心にある芯材20よりも、その周囲にある被覆材30に流れる。これにより、被覆材30をマグネシウムで形成し、芯材20にマグネシウムより導電性の良い金属で形成したクラッドワイヤに比べて、通信用クラッドワイヤ10における電気信号の伝搬における損失が抑えられる。
さらに、マグネシウムは、軽量かつ導電性がある。このため、マグネシウムおよび銅により構成される通信用クラッドワイヤ10は、繊維等で電線を被覆したコードに比べて、導電率を高く維持しつつ、細くて軽量化することができる。
また、たとえば、被覆材30の断面積に対する芯材20の断面積の比率が0.1以上であれば、銅のワイヤに比べて通信用クラッドワイヤ10の電気抵抗が1割程度しか大きくならない一方、対数減衰率が2倍以上になる。また、断面積の比率が1.2以下であれば、マグネシウムのワイヤに比べて通信用クラッドワイヤ10の対数減衰率を9割程度保持しつつ、電気抵抗が半分近くに抑えることができる。これにより、断面積の比率を0.1以上1.2以下にすることにより、通信用クラッドワイヤ10は、導電性能を保持しつつ、芯材20の制振機能を発揮させることができる。
さらに、被覆材30の断面積に対する芯材20の断面積の比率が0.06以上であれば、銅のワイヤに比べて通信用クラッドワイヤ10の電気抵抗が0.1割程度しか大きくならないのに対し、対数減衰率が約1.5倍になる。このように、通信用クラッドワイヤ10は、導電性能を保持しつつ、芯材20の制振機能を発揮させることができる。
さらに、芯材20および被覆材30の外径を、たとえば、0.05mm以上10.0mm以下とした。この径により製造された通信用クラッドワイヤ10は、電気部材として用いることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る通信用クラッドワイヤ10は表面処理がなされており、この点が実施の形態1に係る通信用クラッドワイヤ10とは異なるが、それ以外は同様である。図2は、実施の形態2に係る通信用クラッドワイヤ10を示す断面図である。なお、図2では、わかりやすいように、表面処理層40の厚みを大きく示しているが、表面処理層40はこれよりも薄い。
図2に示すように、芯材20の外周面に表面処理が施されている。この表面処理としては、たとえば、めっき(湿式めっき)および蒸着(乾式めっき)が挙げられる。表面処理を芯材20の外周面に施して、芯材20の周囲を被覆材30で被覆して縮径加工を行う。これにより、芯材20の外周面が薄膜(表面処理層)40により覆われ、表面処理層40が芯材20と被覆材30との間に設けられる。
表面処理層40は、耐食性の高い金属、たとえば、芯材20のマグネシウムよりイオン化傾向の小さな金属により形成されている。このイオン化傾向の小さい金属として、たとえば、銅、金、白金、銀、亜鉛および錫のいずれかの金属またはこの金属の合金が挙げられる。表面処理層40の金属は、通信用クラッドワイヤ10の要求特性や被覆材30の金属の種類などにより適宜、選択される。
上記構成によれば、芯材20と被覆材30との間に表面処理層40が介在している。これにより、表面処理層40は、芯材20のマグネシウムが被覆材30の異種金属と接触することにより形成される反応生成物の発生を軽減または防止することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る通信用クラッドワイヤ10は被覆されており、この点が実施の形態1に係る通信用クラッドワイヤ10とは異なるが、それ以外は同様である。図3は、実施の形態3に係る通信用クラッドワイヤ10を示す断面図である。
図3に示すように、被覆材30の外周面が、たとえば、プラスチック、油脂、カーボンおよびゴムのいずれかの材料により被覆されている。これにより、被覆材30の外周面は被覆層50で覆われるため、被覆層50によって被覆材30は保護される。
また、被覆層50の材料は、被覆目的に応じて適宜選択される。たとえば、電気絶縁物を被覆層50に用いれば、被覆層50によって通信用クラッドワイヤ10の漏電が防がれる。また、熱絶縁物を被覆層50に用いれば、被覆層50によって通信用クラッドワイヤ10の耐火性などが向上する。
なお、実施の形態3に係る通信用クラッドワイヤ10においても、実施の形態2のように、芯材20の外周面に表面処理が施されてもよい。これにより、芯材20と被覆材30とによる反応生成物の発生を軽減または防止することができる。
(実施の形態4)
上記全ての実施の形態では、通信用クラッドワイヤ10は1本の線材により構成されている。これに対して、複数の通信用クラッドワイヤ10を撚り合わせた撚り線によりコードを形成してもよい。このように、通信用クラッドワイヤ10を撚り線にすることにより、同じ径の単線に比べてコードの柔軟性が増すことができる。
(その他の実施の形態)
上記全ての実施の形態に係る通信用クラッドワイヤ10に加熱処理を施してもよい。この加熱処理では、たとえば、通信用クラッドワイヤ10を200℃以上で所定時間、加熱することにより行われる。圧縮による縮径加工で通信用クラッドワイヤ10が硬化して脆くなった場合であっても、加熱処理により通信用クラッドワイヤ10の延性を回復させることができる。
(実施例)
次に、実施例1〜3および比較例1〜2を用いて通信用クラッドワイヤ10の性質を評価した結果を説明する。図4は、通信用クラッドワイヤ10の評価結果を示す表である。この評価では、比重、電気抵抗および対数減衰率を測定した。電気抵抗および対数減衰率の比率1は、比較例1の銅ワイヤの電気抵抗および対数減衰率に対する各ワイヤの電気抵抗および対数減衰率を示している。電気抵抗および対数減衰率の比率2は、比較例2のマグネシウムワイヤの電気抵抗および対数減衰率に対する各ワイヤの電気抵抗および対数減衰率を示している。この電気抵抗は、長さ500mmの直流抵抗値を測定した。振動減衰率は、図5に示すように、互いの間隔L、開いた2つの支持台上にワイヤを載せ、ワイヤの一方端に重さTの重錘を吊り下げて、ワイヤを張り、2つの支持台間でワイヤを振動させてその音圧(dB)の変化を測定した。この時、各ワイヤの初期固有振動数を160Hzに調整した。
実施例1〜3の通信用クラッドワイヤ10は、径5.0mmの銅管にマグネシウムワイヤを挿入し、径1.2mmまでダイスにより伸線し、200℃に1分間の加熱処理を行って作成した。実施例1は、被覆材30の断面積に対する芯材20の断面積の比率が0.1の通信用クラッドワイヤ10である。実施例2は、被覆材30の断面積に対する芯材20の断面積の比率が0.4の通信用クラッドワイヤ10である。実施例3は、被覆材30の断面積に対する芯材20の断面積の比率が1.2の通信用クラッドワイヤ10である。比較例1は径1.2mmの銅のワイヤであり、比較例2は径1.2mmのマグネシウムのワイヤである。
図4の評価結果に示すように、断面積の比率0.1の実施例1では、比較例1の銅ワイヤに比べて電気抵抗が1.1と1割大きくなっているが、対数減衰率が2.9倍になっている。一方、断面積の比率1.2の実施例3では、比較例2のマグネシウムワイヤに比べて対数減衰率が0.9と9割程度保持しつつ、電気抵抗が0.6と6割程度に低く抑えることができる。
次に、実施例1〜5および比較例1〜2を用いて通信用クラッドワイヤ10の性質を評価した結果を、図4および図6を参照して説明する。図6は、通信用クラッドワイヤ10の比重、電気抵抗および対数減衰率を示すグラフである。この比重、電気抵抗および対数減衰率の測定方法は、図4の評価における場合と同様である。図6の縦軸は、比較例1の比重、対数減衰率および電気抵抗率に対する比率である。図6の横軸は、ワイヤの断面積に対する芯材20の断面積の割合(=芯材20の断面積/ワイヤ(通信用クラッドワイヤ10)の断面積)(%)である。
この評価では、実施例1〜5および比較例1〜2を用いた。このうち、実施例1〜3および比較例1〜2のワイヤは、図4の評価で用いたワイヤと同じものである。実施例4および5の通信用クラッドワイヤ10は、径5.0mmの銅管にマグネシウムワイヤを挿入し、径1.2mmまでダイスにより伸線し、200℃に1分間の加熱処理を行って作成した。実施例4は、その被覆材30の断面積に対する芯材20の断面積の比率(芯材20の断面積比率)が0.06であり、通信用クラッドワイヤ10の断面積に対する芯材20の断面積の割合(芯材20の断面積割合)が5.3%である。実施例5は、芯材20の断面積比率が0.25であり、芯材20の断面積割合が20%である。
図4および図6の評価結果に示すように、芯材20の断面積割合が5.3%から10.6%へ(芯材20の断面積比率が0.06から0.10へ)の範囲における通信用クラッドワイヤ10の対数減衰率の傾き(変化割合)は他の範囲より大きい。この被覆材30の断面積に対する芯材20の断面積の比率が0.06以上であれば、銅のワイヤに比べて通信用クラッドワイヤ10の電気抵抗が0.1割程度しか大きくなっていないのに対し、対数減衰率が約1.5倍になっている。このように、芯材20の断面積割合が5.3%(芯材20の断面積比率が0.06)以上の範囲では、通信用クラッドワイヤ10は、導電性能を保持しつつ、制振機能を発揮させることができる。
なお、上記全実施の形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせてもよい。また、上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の通信用クラッドワイヤおよびコードは、通信性能の向上および軽量化を図った通信用クラッドワイヤおよびコード等として有用である。
10 :通信用クラッドワイヤ
11 :撚り線
20 :芯材
30 :被覆材
40 :表面処理層
50 :被覆層

Claims (10)

  1. マグネシウムまたはマグネシウム基合金からなる芯材と、
    前記芯材を被覆するマグネシウムおよびマグネシウム基合金のいずれとも異なる金属からなる被覆材と、を備えている、通信用クラッドワイヤ。
  2. 前記マグネシウム基合金がマグネシウムを80質量%以上含む、請求項1に記載の通信用クラッドワイヤ。
  3. 前記異なる金属が銅または銅基合金である、請求項1または2に記載の通信用クラッドワイヤ。
  4. 前記被覆材の断面積に対する前記芯材の断面積の比率が0.06以上1.2以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信用クラッドワイヤ。
  5. 前記被覆材の外径が0.05mm以上10.0mm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の通信用クラッドワイヤ。
  6. 前記芯材の外周面に、金、白金、銀、亜鉛および錫のいずれかの金属またはこの金属の合金による表面処理が施されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の通信用クラッドワイヤ。
  7. 前記芯材の外周面を前記被覆材で覆った線材を、圧縮による縮径加工を施して形成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の通信用クラッドワイヤ。
  8. 前記被覆材の外周面が、プラスチック、油脂、カーボンおよびゴムのいずれかにより被覆されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の通信用クラッドワイヤ。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記通信用クラッドワイヤを複数、撚り合せて形成されている、コード。
  10. 前記被覆材の外周面が、プラスチック、油脂、カーボンおよびゴムのいずれかにより被覆されている、請求項9に記載のコード。
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