JP2019145218A - 銅被覆マグネシウム線、その絶縁電線及び複合電線 - Google Patents

銅被覆マグネシウム線、その絶縁電線及び複合電線 Download PDF

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Abstract

【課題】小型部品に使用されるコイル用エナメル被覆線として利用でき、主にヘッドホンやスピーカー等のボイスコイルとして有用で、特に線径が太い場合に起き易い断線等の不具合を低減できる銅被覆マグネシウム線等を提供する。【解決手段】マグネシウムからなる芯材1と、その芯材1の表面に設けられた銅又は銅合金からなる銅被覆層2とを有し、芯材1と銅被覆層2との境界には厚さ1.5μm以下の銅マグネシウム化合物層4を有する銅被覆マグネシウム線10によって上記課題を解決した。銅被覆層2の表面には伸線加工痕があり、直径が0.03mm以上0.6mm以下の範囲内であることが好ましく、銅被覆層2の厚さが全体の断面積比で5%以上30%以下の範囲内であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、銅被覆マグネシウム線、その絶縁電線及び複合電線に関し、さらに詳しくは、小型部品に使用されるコイル用エナメル被覆線として利用でき、主にヘッドホンやスピーカー等のボイスコイルとして有用な銅被覆マグネシウム線等に関する。
ボイスコイル用に使用されるエナメル線には、軽量化と直接はんだ付け接合できることが要求されている。その要求に応えるものとして、アルミニウム線の外周に銅を被覆し、さらにその外周に絶縁層や融着層を被覆したエナメル被覆銅クラッドアルミニウム線が知られている(関連技術文献として例えば特許文献1〜3を参照)。
一方、本出願人は、特許文献4として、純マグネシウム線の外周に銅を被覆した銅被覆マグネシウム線を提案し、さらにその外周にはんだ付け可能なエナメル被覆したエナメル被覆銅マグネシウム線を提案している。この銅被覆マグネシウム線は、合金とは異なり、相互の金属の有する特徴を導き出せる優位性がある。例えば、銅の有するはんだ付け性とマグネシウムの有する軽さとを併せ持ち、さらに、エナメル被覆したエナメル被覆銅マグネシウム線は、スピーカー等のコイル用線材として使用でき、ボイスコイルとしての機能面(音質や音域等の改善)に寄与できる。
特開昭56−26687号公報 特開平11−66966号公報 特開2001−271198号公報 特許第6173532号公報
一方、特許文献4で提案した銅被覆マグネシウム線は、使用されるサイズによっては加工工程で断線が起き易くなるという予測しにくい不具合が発生した。その原因は、機械的・物理的に異なる金属同士の複合材であることによるものと考えられる。
本発明の目的は、本出願人の先行特許では検討していなかった新たな課題を解決し、小型部品に使用されるコイル用エナメル被覆線として利用でき、主にヘッドホンやスピーカー等のボイスコイルとして有用な銅被覆マグネシウム線等を提供することにある。特に線径が太い場合に起き易い断線等の不具合を低減できる銅被覆マグネシウム線、絶縁電線及び複合電線を提供することにある。
(1)本発明に係る銅被覆マグネシウム線は、マグネシウムからなる芯材と、該芯材の表面に設けられた銅又は銅合金からなる銅被覆層とを有し、前記芯材と前記銅被覆層との境界には厚さ1.5μm以下の銅マグネシウム化合物層を有する、ことを特徴とする。
本発明に係る銅被覆マグネシウム線において、前記銅被覆層の表面には伸線加工痕があり、直径が0.03mm以上0.6mm以下の範囲内である。
本発明に係る銅被覆マグネシウム線において、前記銅被覆層の厚さが全体の断面積比で5%以上30%以下の範囲内である。
本発明に係る銅被覆マグネシウム線において、引張強度が200MPa以上340MPa以下の範囲内である。
本発明に係る銅被覆マグネシウム線において、伸びが3%以上15%以下の範囲内である。
(2)本発明に係る絶縁電線は、上記本発明に係る銅被覆マグネシウム線の外周にエナメル被覆されたものであることを特徴とする。
(3)本発明に係る複合電線は、上記本発明に係る銅被覆マグネシウム線のリッツ線又は円形圧縮線、又は、上記本発明に係る絶縁電線のリッツ線又は円形圧縮線、であることを特徴とする。
(4)本発明に係る銅被覆マグネシウム線の製造方法は、マグネシウムからなる芯材と、該芯材の表面に設けられた銅又は銅合金からなる銅被覆層とを有し、前記芯材と前記銅被覆層との境界には厚さ1.5μm以下の銅マグネシウム化合物層を有する銅被覆マグネシウム線を製造する方法であって、マグネシウム素線の外周に銅又は銅合金からなる銅被覆層が設けられた銅被覆マグネシウム素線を準備する工程と、前記銅被覆マグネシウム素線を伸線加工する伸線加工工程と、前記伸線加工工程後に前記化合物層が生成する温度で熱処理する熱処理工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、小型部品に使用されるコイル用エナメル被覆線として利用でき、主にヘッドホンやスピーカー等のボイスコイルとして有用で、特に線径が太い場合に起き易い断線等の不具合を低減できる銅被覆マグネシウム線、絶縁電線及び複合電線を提供することができる。
本発明に係る銅被覆マグネシウム線の一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係る銅被覆マグネシウム線(絶縁電線)の他の一例を示す模式的な断面図である。 銅被覆層の表面の伸線加工痕を示す写真である。 伸線加工前の銅被覆マグネシウム線の模式的な断面図である。 本発明に係る複合電線の一例を示す模式的な断面図である。(A)はリッツ線であり、(B)は円形圧縮線である。
以下、本発明に係る銅被覆マグネシウム線、その製造方法、絶縁電線及び複合電線について図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は図示の実施形態に限定されるものではない。
本発明に係る銅被覆マグネシウム線10は、図1及び図2に示すように、マグネシウムからなる芯材1と、その芯材1の表面に設けられた銅又は銅合金からなる銅被覆層2とを有し、芯材1と銅被覆層2との境界には厚さ1.5μm以下の銅マグネシウム化合物層4を有している。
この銅被覆マグネシウム線10は、引張強さが銅と同程度で比重が銅の約1/5であるマグネシウムを芯材1としたので、軽量で高強度のコイル用線材になっている。また、芯材1の外周表面に銅又は銅合金からなる銅被覆層2が設けられているので、伸線加工が難しいマグネシウムの細線化が可能な構造形態になっており、結果として、より細径まで加工されたコイル用線材となっている。この銅被覆マグネシウム線10は、マグネシウム線を加工する場合のような熱間伸線加工もできるし、熱間伸線加工のような専用設備を用いない低コストの冷間伸線加工もできる。特に、コイルの小型化により線材の細径化が要求されている場合の軽量なボイスコイル用線材として好ましい。
さらに、この銅被覆マグネシウム線10は、使用されるサイズによっては加工工程で断線が起き易くなるという予測しにくい不具合が発生していたが、本発明では、その原因が機械的・物理的に異なる金属同士が複合していることによるものと考え、上記構成要素とした。そうした構成要素からなる本発明に係る銅被覆マグネシウム線10は、本出願人の先行特許では検討されていなかった新たな課題(断線が起き易いという問題)を解決し、小型部品に使用されるコイル用エナメル被覆線として利用でき、主にヘッドホンやスピーカー等のボイスコイルとして有用で、特に線径が太い場合に起き易い断線等の不具合を低減できるという効果を奏する。
以下、銅被覆マグネシウム線の構成要素について詳しく説明する。
(芯材)
芯材1は、マグネシウムで構成されている。ここでの「マグネシウム」は純マグネシウムのことであり、意図的に他の元素を添加したマグネシウム合金ではないという意味で用いている。マグネシウム(純マグネシウム)とは、意図的に他の元素を添加することなく、質量でマグネシウム成分が99.0質量%以上含まれるものである。マグネシウムは、JIS H 2150(2006)の「マグネシウム地金」で規定されており、例えば、マグネシウム地金1種A(Mg:99.95質量%以上、記号:MI1A Mg、対応ISO記号:99.95A)、マグネシウム地金1種B(Mg:99.95質量%以上、記号:MI1B Mg、対応ISO記号:99.95B)、マグネシウム地金2種MI2(Mg:99.90質量%以上)、マグネシウム地金3種A(Mg:99.80質量%以上、記号:MI3A Mg、対応ISO記号:99.80A)、マグネシウム地金3種B(Mg:99.80質量%以上、記号:MI3B Mg、対応ISO記号:99.80B)を挙げることができる。
上記した各マグネシウムに含まれる不可避不純物は、JIS H 2150(2006)に記載のように、マンガン、鉄、珪素、銅、ニッケル、カルシウム等を挙げることができる。一例として、マグネシウム地金1種Aは、不可避不純物として、アルミニウム0.01質量%以下、マンガン0.006質量%以下、亜鉛0.005質量%以下、珪素0.006質量%以下、銅0.005質量%以下、鉄0.003質量%以下、ニッケル0.001質量%以下、鉛0.005質量%以下、錫0.005質量%以下、ナトリウム0.003質量%以下、カルシウム0.003質量%以下、チタン0.01質量%以下、その他0.005質量%以下となっている。
上記したマグネシウムは、銅の導電率を100%としたとき、導電率が約35%〜45%の範囲内であり、アルミニウムの約60%や、銅クラッドアルミニウム(CCA)の約66%に比べて大きな差がない。その結果、ボイスコイル等のコイル用線材として好ましく使用することができる。
一方、ASTM記号でAZ31BやAZ31Mのような3%Al−1%Znを含有するAZ系マグネシウム合金は、導電率が約15%〜20%のように低い。また、ASTM記号でAZ91のような9%Al−1%Znを含有するAZ系マグネシウム合金は、導電率がさらに低い。こうしたマグネシウム合金だけでは導電線として用いることは不向きであり、コイル用線材としてはあまり望ましくない。
マグネシウム自身の引張強さは約180MPa〜250MPa程度であり、アルミニウムの引張強さ(約68MPa〜107MPa程度)に比べてかなり大きく、銅の引張強さ(約215MPa〜264MPa程度)と同程度又はやや小さい。また、マグネシウムの比重(約1.74)は、銅の比重(約8.89)の約1/5で軽量である。こうしたマグネシウムを芯材1として用いることにより、軽量なコイルを製造するための強度のあるコイル用線材を構成する上で好ましい。
(銅被覆層)
銅被覆層2は、芯材1の表面に設けられた銅又は銅合金の層である。銅又は銅合金が芯材1の表面に設けられているので、容易な伸線加工(冷間伸線加工又は熱間伸線加工、好ましく冷間伸線加工)によって得られたものとなっている。銅としては、純銅を挙げることができ、銅合金としては、銅−銀合金、銅−ニッケル合金、銅−亜鉛合金等を挙げることができる。銅−銀合金は、銀を0.5質量%程度含む銅合金であり、銅−ニッケル合金は、ニッケルを1質量%程度含む銅合金であり、銅−亜鉛合金は、亜鉛を5質量%程度含む銅合金である。銀、ニッケル、亜鉛等の含有量は特に限定されないが、前記した含有量程度の銅合金は、銅の導電率を100%としたとき、導電率が約80%〜95%の範囲内であり、好ましく適用することができる。
銅被覆層2の厚さは特に限定されないが、芯材1の表面に銅被覆層2が設けられている銅被覆マグネシウム線10の全体の断面積比で5%以上、30%以下の範囲内となる厚さであることが好ましい。この断面積比の範囲となる厚さであることにより、導電率が約45%〜60%程度となり、アルミニウム線の約60%や、銅クラッドアルミニウム(CCA)線の約66%に近い導電率となり、コイル用線材として好ましく使用することができる。なお、より軽量なコイルを製造するためのコイル用線材としての導電率と重さ(比重)を考慮した場合、好ましい範囲は、断面積比で5%以上、25%以下である。
銅被覆層2が断面積比で5%未満となる厚さである場合は、製造段階での伸線加工時に銅被覆層2が露出したり破れ易くなることがあり、結果として、断線が起き易く歩留まりが低下したり、表面が酸化しやすかったり、はんだ付けが低下したりすることがある。一方、銅被覆層2が断面積比で30%を超える厚さである場合には、比重の大きい銅の割合が多くなって重くなり、また、銅被覆層2を例えばめっきで設けた場合におけるめっき層の偏肉が起こり易くなることがある。
なお、銅被覆層2の具体的な厚さは、銅被覆マグネシウム線10の直径によって異なるが、例えば、直径0.08mmの銅被覆マグネシウム線10の場合には、断面積比で5%の場合は銅被覆層2の厚さは1.0μm程度であり、断面積比が30%の場合は銅被覆層2の厚さは6.5μm程度である。
銅被覆層2は、伸線加工前のマグネシウム素線1’の表面に銅めっき等を施すことによって設けられたものである。この銅被覆層2は、その後に伸線加工して所定の断面積比になる厚さで設けられたものであり、伸線加工した後の銅被覆層2の表面には、図3(A)及び図3(B)の拡大図に示すような、長手方向に延びる伸線加工痕がある。この伸線加工痕により、本発明に係る銅被覆マグネシウム線10が伸線加工によって細径化されたものであることがわかる。
銅被覆層2は、マグネシウム素線1’に銅めっきして設けてもよいし、マグネシウム素線1’に銅パイプを被せて設けてもよいし、マグネシウム素線1’に薄い銅板を巻き付けて溶接して設けてもよい。銅めっきによって銅被覆層2を設ける場合は、銅めっき層とマグネシウムとの密着度が高まって密となり、伸線加工時に両者の剥離や断線が発生しにくいという利点がある。薄い銅板溶接や銅パイプ被覆で銅被覆層2を設ける場合は、めっきの場合に比べて銅被覆層2の厚さを厚くし易いので、銅被覆層2の断面積比を比較的大きめにしたい場合(例えば、15%以上、好ましくは25%以上の場合)や、銅被覆マグネシウム線10の線径を太くしたい場合(例えば、直径が0.08mm以上、好ましくは0.1mm以上の場合)に特に好ましい。なお、薄い銅板溶接や銅パイプ被覆で銅被覆層2を設ける場合には、洗浄や熱処理等によって、銅とマグネシウムとの接触面から付着物等を除くことが好ましい。
銅被覆層2は芯材1の表面に設けられているが、銅被覆層2と芯材1との間には、後述の化合物層4のほか、本発明の効果を阻害しない範囲で他の元素が検出されてもよい。銅めっきで銅被覆層2を設ける場合は、銅被覆層2はジンケート処理を経た後に厚付け銅めっきして設けられ、通常は、ジンケート処理した後にストライク銅めっき層と厚付け銅めっきを行うので、他の元素としては亜鉛元素が検出されることがある。
(絶縁被覆層形成前の銅被覆マグネシウム線)
後述する絶縁被覆層3が形成される前の伸線加工後の銅被覆マグネシウム線10の直径は、0.03mm以上、0.6mm以下の範囲内とすることができる。この範囲内の直径とすることにより、小型部品に使用されるコイル用エナメル被覆線として好ましく利用でき、主にヘッドホンやスピーカー等のボイスコイルとして有用な銅被覆マグネシウム線として好ましく用いることができる。
(絶縁被覆層)
絶縁被覆層3は、必須の構成ではないが、図2に示すように、銅被覆層2の外周に直接又は他の層を介して設けられている。こうした絶縁被覆層3を銅被覆マグネシウム線10が備えたことで、コイル用線材として利用でき、コイル巻線を容易に行うことができる。絶縁被覆層3は、特に限定されず、従来公知のものを適用することができる。例えば、焼付け被膜、押出し被膜、テープ巻き等を挙げることができる。
絶縁被覆層3の材質としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニルサルファイド(PPS)、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、フッ素化樹脂共重合体(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂:PFA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリフェニルサルファイド(PPS)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等であってもよい。
絶縁被覆層3は、単層であってもよいし積層であってもよい。絶縁被覆層3を積層形態とする場合、前記した同一又は異なる樹脂層を設けることができる。例えば、ウレタン樹脂を絶縁層として設けた後、その外周にナイロンを融着層を設けて「絶縁層+融着層」からなる絶縁被覆層3としてもよい。絶縁被覆層3の厚さは、単層や積層にかかわらず特に限定されないが、通常は、3.0μm以上であることが好ましい。
(化合物層)
化合物層4は、本発明の特徴的な構成であり、芯材1であるマグネシウムと銅被覆層2との境界に設けられており、その化合物層4のは厚さは1.5μm以下である。こうした化合物層4は、銅とマグネシウムとの化合物層であり、CuxMgyとして表すことができる。この化合物層4が化合物であることは、合金として単一物性を示すものとは異なり、それぞれの物性(物理的物性:線膨張係数、熱伝導等、機械的物性:引張強さ、伸び等)が併存していることとなる。なお、化合物層4が合金ではなく化合物であることは、X線回析法等で評価することができる。
本発明の課題は、本出願人の先行特許の銅被覆マグネシウム線では、例えば直径が0.08mmを超える程度のサイズで、加工工程(コイル巻、撚り、圧縮等)で断線が起き易くなるという予測しにくい不具合が発生したことを解決することにある。本発明者は、その原因が機械的物性や物理的物性の異なる金属同士の複合材であるため、金属同士が相互に干渉してしまっているためであろうと考えた。例えば、直径0.03〜0.08mmの範囲内のような極細線サイズでは、銅被覆層2の厚さの絶対値が薄いため、最終的な熱処理(絶縁被覆層3を形成するためのエナメル焼き付け時の熱処理や、巻き線加工のために一定の伸びになるようにする熱処理等)を施した場合、芯材1のマグネシウムと銅とが顕著に干渉(例えば、熱膨張の程度の差に基づく干渉)し合うことがなく、加工工程中の断線等があまり起こらない。一方、直径0.08mmよりも太いサイズ範囲では、細いサイズの場合と同じ断面積割合であっても、銅被覆層2の厚さの絶対値が厚いため、最終的な前記同様の熱処理した場合、芯材1のマグネシウムと銅とが顕著に干渉(例えば、熱膨張の程度の差に基づく干渉)し合うことがあり、加工工程中の断線等が起こり易くなると考えた。実際には、後述の実施例と比較例のように、コイル等の成形加工や、リッツ線や圧縮線等の撚り加工の際の曲げや屈曲時に断線が顕著に現れていた。
加工工程中での断線等のトラブルを回避する手段としては、一般的には、所定の温度で加工歪を解消する熱処理を挙げることができる。こうした熱処理を後述の実施例と比較例のように行ったところ、本発明に係る銅被覆マグネシウム線10では、効果が現れる温度範囲が狭く、従来のような単純なものではなかった。本発明者は、こうした温度範囲の狭さが、マグネシウムと銅の有する熱膨張係数や熱伝導率の違いが大きいためであろうと考察した。
具体的には、ΔL=α*L*ΔTの式(ΔL=変化した長さ、α:線膨張係数、L:元の長さ)にしたがって計算した場合、例えば断面積割合が15%の銅を被覆する直径0.40mmの銅被覆マグネシウム線(直径0.37mmのマグネシウム芯材1に15μm厚さの銅被覆層2が設けられている)では、ΔT=350℃の条件での径方向の変化量(ΔL)を計算すると、マグネシウムは3.0μmとなり、銅は0.1μmとなる。すなわち、熱処理による熱膨張の相違により、マグネシウムと銅の径方向の変化量が著しく異なることが、両者の密着を阻害し、銅被覆層2の剥離や滑落に至る断線を引き起こすと考えた。
一方、例えば断面積割合が15%の銅を被覆する直径0.05mmの銅被覆マグネシウム線(直径0.046mmのマグネシウム芯材1に2μm厚さの銅被覆層2が設けられている)では、ΔT=350℃の条件での径方向の変化量(ΔL)を計算すると、マグネシウムは0.4μmであり、銅は0.01μmであり、変化量の絶対値が直径0.40mmの場合とは1桁小さく、熱膨張の相違に大きく影響を受け難いと考えた。なお、線膨張係数は、マグネシウムが25×10−6/Kで、銅が17×10−6/Kであり、熱伝導率は、マグネシウムが156W/m・Kで、銅が393W/m・Kであり、いずれも約2倍程度異なる物性を有している。こうした物性の相違に着目して本発明の課題を解決したものはなく、特に直径が0.08mmを超えるサイズで生じた現象を見つけて解決した。
化合物層4の厚さは、1.5μm以下であることが好ましく、この範囲で好ましい屈曲性と剥離や滑落の防止を実現することができる。化合物層4の厚さが1.5μmを超えると、引張強さが200MPa未満の場合と同様、過剰な熱処理で過焼鈍状態となって屈曲性に劣って線折れ等の断線が起こり易くなるとともに、化合物層4が厚くなりすぎて直流抵抗が上昇するという難点もある。なお、化合物層4は、境界に存在していればよく、その最小厚さは特に限定されないが、例えば0.01μm程度であってもよいし、後述の実施例の最小値である0.03μmであってもよい。
コイル用線材に対する熱処理は、通常、コイル等の成形加工やリッツ線・圧縮線等の金属塑性加工を行う場合に施されるものであり、主として加工硬化による加工歪を除去することを目的として行われることが多い。一方、本発明に係る銅被覆マグネシウム線10のような線径範囲においては、エナメル被覆する際の焼鈍炉の熱で熱処理される場合も多い。本発明に係る銅被覆マグネシウム線10においては、そのいずれであってもよく、絶縁被覆層3を設けない場合は、空気中又は不活性ガス中での熱処理炉で連続的に熱処理してもよいし、エナメル被覆する場合には、焼き付け工程の焼鈍炉で熱処理してもよい。これらの熱処理において、温度と時間とをコントロールすることにより、上記化合物層4を形成することができる。その熱処理条件は、後述の実施例と比較例の熱処理温度のみの範囲に限定されない。例えば、熱処理温度が高い場合であっても、処理時間を短くしたフラッシュ焼鈍を行うことによって任意に調整することができる。
(銅被覆マグネシウム線)
得られた銅被覆マグネシウム線10は、上記化合物層4を芯材1と銅被覆層2との界面に有するので、その化合物層4を介した両者(マグネシウムと銅)の密着が良好で銅被覆層2の剥離や滑落がなく、その結果、線折れ等の断線が極めて起きにくくなる。
なお、銅被覆マグネシウム線10の引張強さは、200MPa以上、340MPa以下の範囲内である。この範囲内の引張強さの銅被覆マグネシウム線10は、伸びが3%以上15%以下の範囲内になっており、柔軟性があり、屈曲性がよい。引張強さが200MPa未満では、熱処理温度が高い過焼鈍状態となっており、屈曲性に劣って線折れ等の断線が起こり易くなっている。また、引張強さが340MPaを超える場合には、熱処理温度が低く、十分な焼鈍ができていない状態となっており、加工歪が残って線折れが起き易くなっているとともに、マグネシウムと銅との界面に化合物層4が形成されておらず、銅が剥離・滑落し易く、はんだ付け接合の信頼性に乏しくなるおそれがある。
(製造方法)
本発明に係る銅被覆マグネシウム線10の製造方法は、マグネシウムからなる芯材1と、その芯材1の表面に設けられた銅又は銅合金からなる銅被覆層2とを有し、芯材1と銅被覆層2との境界には厚さ1.5μm以下の銅マグネシウム化合物層4を有する銅被覆マグネシウム線10を製造する方法である。そして、図4に示すように、マグネシウム素線1’の外周に銅又は銅合金からなる銅被覆層2’が設けられた銅被覆マグネシウム素線10’を準備する工程と、その銅被覆マグネシウム素線10’を伸線加工する伸線加工工程と、その伸線加工工程後に、芯材1であるマグネシウムと銅被覆層2との境界に厚さ1.5μm以下の銅マグネシウム化合物層4が生成する温度で熱処理する熱処理工程とを有する。
製造された銅被覆マグネシウム線10及びそれを構成する芯材1、銅被覆層2、絶縁被覆層3、化合物層4については既に説明したので、重複する部分はその説明を省略する。
(準備工程)
準備工程は、マグネシウム素線1’の外周に銅又は銅合金からなる銅被覆層2’が設けられた銅被覆マグネシウム素線10’を準備する工程である。マグネシウム素線1’は、図4に示すように、芯材1の説明欄で既に説明したマグネシウムからなる素線であって、鋳造されたマグネシウムが予め所定の直径(例えば、0.6〜1.0mm)に加工されたマグネシウム素線1’である。このマグネシウム素線1’の直径は特に限定されず、その後に0.03mm以上、0.6mm以下の最終的な仕上がり線径に伸線加工し易いものを準備することが望ましい。一例としては、後述の実施例に示すような直径0.6mmのものを挙げることができる。
準備されたマグネシウム素線1’には、銅被覆層2’が設けられている。銅被覆層2’は、例えば0.6mmのマグネシウム素線1’に銅めっき、薄い銅板の溶接、銅パイプを被せる等の手段によって設けられる。これら手段については、既に説明したので省略する。
なお、銅めっきの場合についてのみ補足説明するが、銅めっきとしては、例えばジンケート処理後の厚付け銅めっきを挙げることができる。ジンケート処理を経る銅めっきは、亜鉛置換、ストライク銅めっき、厚付け銅めっきの順で行うプロセス、又は、亜鉛置換、亜鉛剥離、亜鉛置換、ストライク銅めっき、厚付け銅めっきの順で行うプロセスで行うことができる。こうして最終的な厚付け銅めっきを行っている。厚付け銅めっきとしては、シアン化銅めっき、硫酸銅めっき、銅系(例えば銅亜鉛合金)合金めっき等の厚付け銅めっき手段を挙げることができる。
各手段によって設けられた銅被覆層2の厚さは、最終的にどの程度の線径まで伸線加工するかの加工度を考慮して、最終的な仕上がり線径での断面積比が5%以上、30%以下の範囲内になる厚さになるように設けられる。こうして伸線加工前の銅被覆マグネシウム素線10’が準備される。
(伸線加工工程)
伸線加工工程は、銅被覆マグネシウム素線10’を冷間又は熱間で伸線加工して、直径が0.03mm以上、0.6mm以下の範囲内とする工程である。伸線加工は熱間でも冷間でもよいが、冷間伸線加工は熱間伸線加工のような専用設備を用いないので低コストの点では有利であり、ダイを用いた冷間伸線加工が好ましく、加工度によって複数のダイを用いて所望の線径まで細径化することができる。本発明で適用する銅被覆マグネシウム素線10’は、その表面に銅被覆層2’が設けられているので、一般的な冷間伸線加工設備を利用した冷間伸線が可能であり、その伸線速度もあまり低下させることなく行うことができる。その結果、銅被覆マグネシウム線10の細径化を生産性よく行うことができる。
なお、銅被覆層が設けられていないマグネシウム素線だけではそれ自体の加工性は悪く、細径化が難しい。従来のマグネシウムの細径化手段としては、太いうちは熱間加工し、細くなると冷間加工の途中で頻繁に熱処理(焼鈍)を行う必要があり、銅線等を伸線加工する通常の設備による伸線加工は困難であった。これに対し、本発明の製造方法では、銅線等を伸線加工する通常の設備による伸線加工が可能であるので、特に冷間伸線加工した場合のコストメリットは大きい。
(熱処理工程)
熱処理工程は、上記伸線加工工程後に、芯材1であるマグネシウムと銅被覆層2との境界に厚さ1.5μm以下の銅マグネシウム化合物層4が生成する温度で熱処理する工程である。熱処理は、上記したように、加工硬化による加工歪を除去することを目的として行われる場合や、エナメル線を被覆する際の焼鈍炉の熱で熱処理される場合がある。ここでの熱処理はそのいずれであってもよく、絶縁被覆層3を設けない場合は、空気中又は不活性ガス中での熱処理炉で連続的に熱処理してもよいし、エナメル被覆する場合には、焼き付け工程の焼鈍炉で熱処理してもよい。これらの熱処理において、温度と時間とをコントロールすることにより、上記化合物層4を形成することができる。熱処理条件は特に限定されないが、熱処理温度が高い場合であっても、処理時間を短くしたフラッシュ焼鈍を行うことによって任意に調整することもできる。
[絶縁電線]
本発明に係る絶縁電線10Aは、図2に示すように、上記本発明に係る銅被覆マグネシウム線の外周にエナメル被覆したものである。なお、銅被覆マグネシウム線10というときは、絶縁被覆層3も含む意味で用いている。こうした絶縁電線10Aは、小型部品に使用されるコイル用エナメル被覆線として利用でき、主にヘッドホンやスピーカー等のボイスコイルとして有用で、特に線径が太い場合に起き易い断線等の不具合を低減することができる。なお、絶縁被覆層3については既に説明したのでここではその説明を省略する。
[複合電線]
本発明に係る複合電線20は、図5に示すように、上記本発明に係る銅被覆マグネシウム線10のリッツ線又は円形圧縮線、又は、上記本発明に係る絶縁電線のリッツ線又は円形圧縮線、である。リッツ線は図5(A)に示すとおりであり、円形圧縮線は図5(B)に示すとおりであり、従来公知の構成とすることができる。なお、図5(A)(B)の複合電線20では、絶縁被覆層3が設けられた態様を示しているが、絶縁被覆層3が設けられていない態様であってもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
[実施例1]
マグネシウム素線1’として、マグネシウム地金1種A(Mg:99.95質量%以上)から直径0.6mmに加工されたマグネシウム線を用いた。この実施例では、マグネシウム素線1’の外周表面にめっき手段を適用して銅被覆層2’を設けた。銅被覆層2’は、ジンケート処理を経た銅めっきで形成した。具体的には、マグネシウム素線1’を脱脂、エッチング、デスマット(表面に付着した微粉末状黒色物質等の除去処理)、亜鉛置換、亜鉛剥離、亜鉛置換、ストライク銅めっき、厚付け銅めっきの順で行った。亜鉛置換(1回目と2回目)では、酸化亜鉛100g/L、水酸化ナトリウム400g/Lのジンケート浴(50℃)を用い、5分間浸漬させて厚さ0.2μmの亜鉛を析出させた。その後、亜鉛剥離剤(硝酸)で亜鉛を剥離し、再度前記と同じ亜鉛置換(2回目)を行い、その後、ストライク銅めっき(組成:シアン化銅30g/L、シアン化ナトリウム60g/L、ロッシェル塩60g/L、炭酸アルカリ30g/L)で厚さ1μmの薄付け銅めっきを行い、最後に厚さ24μmの厚付け銅めっき(組成:硫酸銅200g/L、硫酸60g/L、添加剤5ml/L)を行った。こうして直径0.65mmの銅被覆マグネシウム素線10’を作製した。このときの全断面積に対する銅被覆層2’の断面積比は15%であった。
この銅被覆マグネシウム素線10’を不活性ガス雰囲気中、300℃で熱処理(3分間)した後、直径0.06mmまで冷間伸線加工し、銅被覆マグネシウム線10を得た。得られた銅被覆マグネシウム線10の全断面積に対する銅被覆層2の断面積比は、伸線加工前と同じ15%であった。銅被覆マグネシウム線10の全体の比重は2.81であり、引張強さは310MPaであり、伸びは3%であり、化合物層4の厚さは0.03μmであった。これらを表1に示した。なお、銅の導電率を100%とした場合の導電率は50%であった。
屈曲性の評価は、線が折れるまでの回数を判断の目安として行った。屈曲条件としては、30gfの荷重で、直径1.0mmのマンドレルを用い、90°、0°、−90°の曲げを1サイクルとして1回とし、線が折れるまでの回数をカウントした。また、直径20mm・幅3mm・3ターンの空芯コイルをN=100個製造する際の線折れ等の断線回数を観察した。その結果を表1に示した。屈曲性の評価で得られた回数/断面積で計算したところ、特に直径0.08mmを超える0.1mm以上では、2000回/mmよりも高い値で線折れ等の発生が抑制されることがわかった。
なお、この実施例及び下記の実施例、比較例において、比重は比重測定装置(株式会社島津製作所製、AUW220D)で測定し、引張強さと伸びは卓上型引張り試験機(株式会社島津製作所製、EZ−Test)で測定し、導電率は4端子法回路を使いてデジタルマルチメーター(株式会社アドバンテスト製、R6551)で抵抗値を測定して導電率に換算し、各層の厚さは線の断面を研磨し、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX−5000)で測定し、化合物層4の厚さは電子顕微鏡で測定した。
[実施例2〜14、比較例1〜10]
実施例2〜14及び比較例1〜10についての実験を、実施例1と同様にしてそれぞれ行った。その結果を表1及び表2に示した。
表1及び表2の結果より、芯材1と銅被覆層2との境界に厚さ0.03〜1.5μmの銅マグネシウム化合物層4を有している場合に、空芯コイル製造時の断線回数が0になっていた。また、そうした化合物層4を形成した熱処理条件は、300℃〜500℃の範囲内であった。一方、比較例1〜10に示すように、化合物層4が無い場合や1.6μm以上の場合は空芯コイル製造時に多くの断線が発生していた。また、比較例1〜10において、屈曲性の評価で得られた回数/断面積で計算した結果では、いずれも回数/断面積が2000回/mmを大きく下回り、空芯コイル製造時の断線が激増した。
1 芯材
1’ マグネシウム素線
2 銅被覆層
2’ 銅被覆層
3 絶縁被覆層
4 銅マグネシウム化合物層
10 銅被覆マグネシウム線
10’ 銅被覆マグネシウム素線
10A 絶縁電線
20 複合電線

Claims (8)

  1. マグネシウムからなる芯材と、該芯材の表面に設けられた銅又は銅合金からなる銅被覆層とを有し、前記芯材と前記銅被覆層との境界には厚さ1.5μm以下の銅マグネシウム化合物層を有する、ことを特徴とする銅被覆マグネシウム線。
  2. 前記銅被覆層の表面には伸線加工痕があり、直径が0.03mm以上0.6mm以下の範囲内である、請求項1に記載の銅被覆マグネシウム線。
  3. 前記銅被覆層の厚さが全体の断面積比で5%以上30%以下の範囲内である、請求項1又は2に記載の銅被覆マグネシウム線。
  4. 引張強度が200MPa以上340MPa以下の範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅被覆マグネシウム線。
  5. 伸びが3%以上15%以下の範囲内である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅被覆マグネシウム線。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅被覆マグネシウム線の外周にエナメル被覆したことを特徴とする絶縁電線。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅被覆マグネシウム線のリッツ線又は円形圧縮線、又は、請求項6に記載の絶縁電線のリッツ線又は円形圧縮線、であることを特徴とする複合電線。
  8. マグネシウムからなる芯材と、該芯材の表面に設けられた銅又は銅合金からなる銅被覆層とを有し、前記芯材と銅被覆層との境界には厚さ1.5μm以下の銅マグネシウム化合物層を有する銅被覆マグネシウム線を製造する方法であって、
    マグネシウム素線の外周に銅又は銅合金からなる銅被覆層が設けられた銅被覆マグネシウム素線を準備する工程と、前記銅被覆マグネシウム素線を伸線加工する伸線加工工程と、前記伸線加工工程後に前記化合物層が生成する温度で熱処理する熱処理工程とを有する、ことを特徴とする銅被覆マグネシウム線の製造方法。


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