JP2008248274A - 圧延銅箔 - Google Patents

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Abstract

【課題】再結晶温度に起因する焼鈍後の変色を防止し、箔にした際の強度及び加工特性に優れ、表面粗さの小さい圧延銅箔を提供する。
【解決手段】質量率で99.9%以上のCuを含み残部不可避不純物からなる圧延銅箔であって、厚みtが10μm以下、表面の最大高さRyに対するRy/tの値が0.2以下であり、平均結晶粒径が5μm以上15μm未満の再結晶組織のみからなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電磁波シールドに用いて好適な圧延銅箔に関する。
電磁波シールド材には、電磁波シールド特性の他、シールド対象の電子機器,電線,FPC(フレキシブルプリント回路基板)等の形状や用途に合せて折り曲げ等の加工性ができること、繰り返し変形を受ける場所に使用する場合は疲労特性に優れること、使用環境下で腐食を起こさないことが要求されている。
そして、電磁波シールド用材料としては、カーボンペースト,銀ペースト,錫めっき銅線,アルミニウム箔,銅箔などが使用されている。特に、電磁波シールド用材料として銅箔を用いる場合、FPCの回路用銅箔より折曲げや疲労に対する要求が厳しくなる。これは、たとえば電線のシールドを行う場合、電線の曲げ変形の中立部から離れた位置にシールド材が位置するため、折曲げがきつくなるからである。又、銅箔を電線に巻回する際には、電線の径方向に曲げ変形がかかるが、電線の使用時には電線の軸方向に曲げ変形がかかるため、銅箔の変形方向が一定でないことも理由である。
銅箔は他のシールド材と比較して電磁波シールド特性に優れるだけでなく、銅箔表面に錫めっきなどの表面処理を施すと耐海水腐食性も向上するため、高シールド性及び耐腐食性を要求される用途に使用されている。銅箔には圧延銅箔と電解銅箔があり、電磁波シールド特性に大きな差はないが、圧延銅箔に焼鈍を行うと組織が再結晶化し、折り曲げ加工性や疲労特性が向上する。但し、圧延銅箔を再結晶化させると剛性が小さくなるため取扱いに難がある。また、大容量の電流が印可される線など電線が太くなる場所のシールドでは圧延銅箔でも柔軟性が不足するので、高密度軟銅線を使用したシールド線が使用される。
一方、大量の電磁波シールド材を使用する自動車等の場合、材料重量を減らす観点から銅箔は薄いほうが好ましい。しかし、銅箔が10μm以下まで薄くなると、引張特性,曲げ加工特性や疲労特性に及ぼす表面粗さの影響が大きくなり、表面が粗いと圧延銅箔を用いても曲げ加工特性や疲労特性が低下することがある。
そこで、シールド材用圧延銅箔の引張強さと伸びを改善する技術として、再結晶粒の粒径を50μm以上とすることが開示されている(特許文献1参照)。又、FPC用圧延銅箔の屈曲性を改善する技術として、再結晶粒の粒径を5〜20μm以上とすることが開示されている(特許文献2参照)。さらに、焼鈍でなく強加工により、粒径1μm以下の微細な動的再結晶を得る技術が開示されている(特許文献3参照)。一方、銅以外の元素を微量添加することにより、電磁波シールド性を劣化させること無く、再結晶粒を小さくして剛性や疲労特性を向上させる技術が開示されている(特許文献4参照)。
特開平9−53162号公報 特許第3009383号公報 特開2002−356728号公報) 特開2005−68484号公報
しかしながら、特許文献1〜3記載の技術の場合、再結晶温度を130℃以上の高温とするのが通例であり、又、特許文献4記載の技術の場合、再結晶温度を300℃以上の高温とするのが通例である。このため、銅の一般的な防錆剤であるベンゾトリアゾールを銅箔の製造工程で用いると、再結晶焼鈍の際に銅箔が変色するという不具合が生じる。一方、クロメート等の高温処理に耐える防錆を行うのはコスト増となり好ましくない。また、上記した変色を防止するために不活性雰囲気で再結晶焼鈍を行ったとしても、ベンゾトリアゾールと銅とにより生成されたキレートが蒸発して焼鈍後の銅箔表面から消失するため、焼鈍後に大気中に放置すると徐々に変色し、再結晶焼鈍後に防錆処理を再度行う必要がある。ところが、再結晶後の銅箔は変形しやすく、再結晶後に防錆処理を行うと変形が生じて歩留り低下、生産性低下等の原因となる。特に10μm以下の厚みの銅箔の場合にこの問題が顕著になる。
又、特許文献2記載の技術の場合、強加工時のオイルピット等により銅箔の表面粗さが増大し、表面粗さに起因して引張特性,曲げ加工特性や疲労特性が低下するおそれがある。
銅の再結晶温度を下げる方法としては最終圧延の加工度を高めることが考えられるが,圧延中の動的回復により、所定の加工度以上になるとその効果が小さくなるため,完全に再結晶を起こすには130℃以上の焼鈍が必要である。
又、再結晶後の結晶粒が小さくなるとホールペッチの法則により強度が上昇し、曲げ加工特性や疲労特性、剛性が向上する。しかし、純銅の場合、再結晶前の圧延で動的回復が起こると共に粒界の成長も速いため、均一な微細再結晶組織を得ることが難しく、再結晶粒径を20μm程度より小さくするのは現実には困難である。
そして、再結晶粒を小さくする方法としては、1)最終圧延加工度を上げる、2)圧延中の温度を下げる、3)歪速度を上げる、4)最終圧延前の焼鈍により結晶粒径を小さくして最終圧延加工度を上げる(上記特許文献2に記載)ことが考えられる。しかし、2),3)の方法の場合、上記したように銅箔表面が粗くなり、引張特性,曲げ加工特性や疲労特性が低下する。又、1)、4)の方法の場合も、上述した圧延中の動的回復により130℃以上の再結晶焼鈍を必要とするため、焼鈍後の防錆効果が消失する問題がある。
また、銅箔の厚みが10μm厚以下になると、箔表面の形状が適切でないと加工性,屈曲性を満足させることができなくなる。
すなわち、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、再結晶温度に起因する焼鈍後の変色を防止し、箔にした際の強度及び加工特性に優れ、表面粗さの小さい圧延銅箔の提供を目的とする。
本発明者らは種々検討した結果、箔表面形状を平滑にするとともに再結晶温度を低くすることで上記課題を解決できることを見出した。
上記の目的を達成するために、本発明の圧延銅箔は、質量率で99.9%以上のCuを含み残部不可避不純物からなる圧延銅箔であって、厚みtが10μm以下、表面の最大高さRyに対するRy/tの値が0.2以下であり、平均結晶粒径が5μm以上15μm未満の再結晶組織のみからなる。
前記再結晶組織は120℃以下の温度で再結晶したものであることが好ましい。
又、本発明の圧延銅箔は、質量率で99.9%以上のCuを含み残部不可避不純物からなる圧延銅箔であって、厚みtが10μm以下、表面の最大高さRyに対するRy/tの値が0.2以下であり、120℃で180分間の焼鈍を行った場合、全体が再結晶化して平均結晶粒径5μm以上15μm未満の再結晶組織のみからなる。
本発明によれば、再結晶温度に起因する焼鈍後の変色を防止し、箔にした際の強度及び加工特性に優れ、表面粗さを小さくした圧延銅箔が得られる。
<第1の発明>
以下、本発明の第1の発明に係る圧延銅箔の実施の形態について説明する。なお、本発明において%とは、特に断らない限り、質量%を示すものとする。
<組成>
合金銅を用いると、焼鈍後に大気中に放置した際に徐々に変色するため、質量率で99.9%以上のCuを含む純銅を用いる。通常、純銅とはタフピッチ銅、無酸素銅などを原料とする圧延銅箔をいう。タフピッチ銅はJIS- C1100に規定され、無酸素銅はJIS- C1020に規定されている。
<銅箔の厚みと表面形状>
銅箔の厚みtを10μm以下とし、表面の最大高さRyに対するRy/tの値を0.2以下とする。
銅箔の厚みtを10μm以下とする理由は、例えば銅箔の使用対象が自動車等の場合、軽量化を要求されるからである。又、同一曲げ半径の加工である場合、箔が薄いほど箔表面の歪量が小さくなり、加工性が向上するためである。さらに、以下に述べるように、箔の厚みが10μm以下になると、表面粗さによる加工性等への影響が顕著になり、表面粗さを低減することによる効果が大きくなるからである。
Ry/tを規定した理由は、上記したように表面粗さが小さいほど加工性等が向上するが、加工性は表面粗さの程度と箔の厚みとの相対的なものであるので、Ry/tで規定する。Ry/tが0.2より大きくなると、引張りや曲げの際の亀裂発生の起点となり破断伸びが著しく低下する。Ry/tは小さいほどよく、曲げ性の良好な箔が得られる。
なお、表面粗さはRy(最大高さ;JIS B0601)で規定する。
<再結晶組織の結晶粒径>
再結晶後の組織全体が平均結晶粒径15μm未満の再結晶のみからなるものとする。箔の剛性をさらに向上させる点で、平均結晶粒径8μm未満とすることが好ましい。
既に述べたように、純銅の場合、再結晶前の圧延で動的回復が起こると共に粒界の成長も速いため、均一な微細再結晶組織を得ることが難しく、再結晶粒径を5μmより小さくするのは現実には困難である。
そして、再結晶粒を小さくする方法として、1)最終圧延加工度を上げる、2)圧延中の温度を下げる、3)歪速度を上げる、4)最終圧延前の焼鈍により結晶粒径を小さくして最終圧延加工度を上げる(上記特許文献2に記載)ことが考えられる。しかし、2)、3)の方法の場合、銅箔表面が粗くなる(Ry/tが0.2を超える)ため、引張特性,曲げ加工特性や疲労特性が低下する。又、1)の方法の場合、再結晶粒の微細化に限界がある。4)の方法の場合も、銅箔表面が粗くなり(Ry/tが0.2を超える)、さらに再結晶温度が130℃以上になるため、後述するように焼鈍後の防錆効果が消失する。
従来の銅箔では、完全に再結晶を起こすには130℃以上の焼鈍が必要であるが、焼鈍温度が130℃以上になると、銅と防錆剤とにより生成されるキレートの蒸発に起因して防錆効果が消失し、焼鈍後に銅箔が変色する。ここで、再結晶温度を下げる方法として一般的に最終圧延の加工度を上げることが良く行われるが,圧延中の動的回復により、所定の加工度以上になるとその効果が小さくなる。このため、未再結晶部を含む混粒組織が形成される。この混粒組織は特性的にも品質保証的にも安定性に欠けるため、組織全体を完全に再結晶させる必要がある。
このようなことから、上記2)、3)、4)の方法を組み合わせ、さらにRy/tを所定の値以下に管理することにより、圧延中の動的回復を抑制し、120℃以下の焼鈍温度で組織全体を完全に再結晶させることができ、かつ箔表面の粗さも小さくできる。
ここで、3)の歪速度を高くするため、圧延速度を速くし過ぎたり、1パスの加工度を高くし過ぎたりすると、圧延時の温度が上昇し、2)を達成できなくなる場合がある。そのため、2)、3)の条件を共に満たすように制御することが好ましい。又、最終圧延においてRy/tを小さくするが、Ry/tは圧延油の粘度、圧延速度、銅箔の強度、圧延ロール噛込角に影響を受ける。そして、2)、3)を満たすような一般的な条件ではRy/tが大きくなる傾向にある。
そこで、例えば、2)、3)の条件を満たすとともに、圧延油の動粘度が20℃において6.0cSt以下であるように圧延条件を制御するとよい。
なお、最終焼鈍後の再結晶組織の結晶粒径を15μm以下とするためには、最終焼鈍前の結晶粒径を20μm以下に調整することが好ましい。
結晶粒径の測定は以下のようにして行う。まず、銅箔表面を電解研磨した後、1500倍程度の倍率電子顕微鏡のBSE像を得る。像の1視野を100×70μm程度とし、これを30視野観察し、切断法によって平均結晶粒径を求める。
なお、組織に未再結晶粒が残ると好ましくないことは既に説明したが、未再結晶粒の有無の判定は、BSE像において同一のコントラストを持つ領域の最短部(最も幅の狭い部分)の長さが2μm以下であり、かつ、その領域が10μm以上連続して存在する場合、その領域を未再結晶部とここではする。
<銅箔の製造>
本発明の圧延銅箔の製造方法としては、強圧延による表面粗さの増大を防止する方法を採用すればよい。例えば、冷間圧延と焼鈍とを複数繰り返し、圧延油を冷却することで、冷間圧延時の材料温度を60℃以下程度に制御し、1パスの冷間圧延の総加工度を90%未満とする方法を用いることができる。又、焼鈍条件(再結晶化のための最終焼鈍を除く)は、材料温度120〜500℃で5分以内、又は材料温度140℃で1時間以内とすることができる。なお、これらの中間焼鈍では、焼鈍後に通常酸洗、研磨などの表面処理を行うため、この時点で箔が変色しても構わず、防錆も行わない。通常、最終圧延終了後に脱脂し、防錆剤を塗布して最終焼鈍を行う。
再結晶化のための最終焼鈍は、120℃以下で行うが、焼鈍時間は最終圧延加工度によって変化する。工業的には110℃以下で全面再結晶させるのは難しいため、通常、110〜120℃である。
なお、最終圧延では、Ryを小さくし、粗さを制御するための圧延条件を設定する。Ryを小さくための圧延条件は、例えば特開2006-281249号公報に記載されている。
但し、特開2006-281249号公報には圧延油粘度として40℃の動粘度が規定されているが、本発明においては、20℃の粘度においても同等の粘度となるようにする。圧延速度、銅箔の強度、圧延ロール噛込角は、銅内部へ歪みを蓄積するための制御因子として自由度を広く持ちたいので、これらを制御する代わりに、低い温度でも圧延油粘度が低いものを用いるのがよく、例えば、20℃での動粘度が6.0cSt以下である圧延油を用いることが好ましい。
本発明の実施形態に係る圧延銅箔を電磁シールド材に用いた場合、ハンドリング性に優れ,フレキ性に優れる。また,パワー系の太い銅線の電磁シールド材としても好適に使用できる。
<第2の発明>
次に、本発明の第2の発明に係る圧延銅箔の実施の形態について説明する。この圧延銅箔は、上述した第1の発明において、再結晶のための最終焼鈍(又は熱処理)を行う前の前駆材料であり、組成、銅箔の厚みと表面形状は第1の発明の場合と同様であるので説明を省略する。
例えば、本発明の第2の発明に係る圧延銅箔を用いて電磁シールドされた製品(電線)を製造する途中で120℃程度の加熱処理を行うことで再結晶処理を兼用できる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.試料の製造
各実施例及び比較例について、電気銅(又は無酸素銅)を真空溶解し、インゴットを鋳造した。インゴットを均質化焼鈍(700〜1000℃)後、熱間圧延を施し、さらに冷間圧延と焼鈍を3回繰り返した後、最終冷間圧延を行って板厚6〜10μmの試験片とした。
各冷間圧延及び焼鈍条件は以下のとおりである。
1回目の冷間圧延:総加工度90%とし、一パスの歪速度を20〜30S−1に制御し,圧延油を冷却しながら圧延を行い、材料温度が60℃以下になるように制御した。材料温度は圧延後すぐに測定した。
1回目の焼鈍:1回目の冷間圧延の試料に対し、材料温度で170〜500℃とし5分以内の焼鈍とし、冷却速度を15℃/min以上にした。
2回目の冷間圧延:総加工度70%とし、一パスの歪速度を20〜30S−1に制御し,圧延油を冷却しながら圧延を行い、材料温度が60℃以下になるように制御した。
2回目の焼鈍:材料温度で170〜500℃とし5分以内の焼鈍とし、冷却速度を20℃/min以上にした。
3回目の冷間圧延:総加工度70%とし、一パスの歪速度を20〜30S−1に制御し,圧延油を冷却しながら圧延を行い、材料温度が50℃以下になるように制御した。
3回目の焼鈍:2回目の焼鈍と同一条件とした。
4回目の冷間圧延:総加工度90〜97%とし、一パスの歪速度を20〜30S−1に制御した。又、材料温度が30度以下となるよう、圧延油温度を20℃以下にし、20℃の動粘度における圧延油粘度が5cStであるものを使用した。
最終圧延(4回目)終了後に脱脂し、防錆剤を塗布して最終焼鈍(120℃)を行った。
2.試料の評価
(1)再結晶後の結晶粒径
各実施例及び比較例につき、銅箔表面を電解研磨した後、1500倍程度の倍率電子顕微鏡のBSE像を得た。像の1視野を100×70μm程度とし、これを30視野観察し、切断法によって平均結晶粒径を求めた。
(2)試料表面のRy
JIS B 0601に従ってRyを測定した。
(3)引張強さ、伸びの測定
JIS C6511に従い、各実施例及び比較例の試料の圧延平行方向について引張試験を行い、引張強さ(TS)、伸びを測定した。短冊状の試験片(12.7×150mm)とし、引張速度50mm/minで測定を行った。
(4)加工性(疲労特性)
JIS C5016に規定するMIT屈曲試験により、各試料の加工性(疲労特性)を評価した。MIT屈曲試験の評価方法は例えば特開2006-307288号公報に記載されている。
(5)焼鈍後の変色
再結晶焼鈍前後に箔表面の色の変化が無いこと、および再結晶焼鈍後に空調を調整していない室内で3ヶ月間以上放置した後に変色が無いことを目視により判断した。
得られた結果を表1、2に示す。
Figure 2008248274
Figure 2008248274
表1から明らかなように、各実施例の場合、強度、導電性、加工性がいずれも優れ、焼鈍後の変色も無く、性能上のバランスのよい銅箔を得ることができた。
一方、Ry/tの値が0.2を超えた比較例1の場合、伸びと加工性が著しく低下した。これは、箔表面が粗いため、引張りや曲げの際の亀裂発生の起点となったためと考えられる。
再結晶組織の平均結晶粒径が15μm以上である比較例2、3の場合、強度が劣化した。
従来の圧延加工とし、圧延油の温度を制御せず行った比較例4の場合、120℃では再結晶せず、伸びと加工性が著しく低下した。
再結晶温度が120℃を超えた比較例5の場合、再結晶焼鈍後に防錆油に起因する変色が生じた。

Claims (3)

  1. 質量率で99.9%以上のCuを含み残部不可避不純物からなる圧延銅箔であって、厚みtが10μm以下、表面の最大高さRyに対するRy/tの値が0.2以下であり、平均結晶粒径が5μm以上15μm未満の再結晶組織のみからなる圧延銅箔。
  2. 前記再結晶組織は120℃以下の温度で再結晶したものである請求項1に記載の圧延銅箔。
  3. 質量率で99.9%以上のCuを含み残部不可避不純物からなる圧延銅箔であって、厚みtが10μm以下、表面の最大高さRyに対するRy/tの値が0.2以下であり、120℃で180分間の焼鈍を行った場合、全体が再結晶化して平均結晶粒径5μm以上15μm未満の再結晶組織のみからなる圧延銅箔。
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