JP2015096645A - アルミニウム合金導体、アルミニウム合金撚線、被覆電線およびワイヤーハーネス - Google Patents
アルミニウム合金導体、アルミニウム合金撚線、被覆電線およびワイヤーハーネス Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明のアルミニウム合金導体は、Mg:0.10〜1.50質量%、Si:0.10〜1.50質量%、Fe:0.002〜0.100質量%、元素群X[Be、Hf、Mn、Zr、Cr、Sc、Y、Co、Cu、Sr、Ni]の中から選ばれる1種または2種以上の元素を合計で0.01〜0.10質量%、Ti:0.000〜0.100質量%、B:0.000〜0.050質量%、残部:Alおよび不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金導体であって、前記アルミニウム合金導体の長手方向に垂直な断面において、Al−Fe系およびAl−Fe−Si系化合物の面積率が2.0%以下であり、かつ、元素群Xの元素を含む化合物の面積率が1.0%以下である。
【選択図】なし
Description
(1)Mg:0.10〜1.50質量%、Si:0.10〜1.50質量%、Fe:0.002〜0.100質量、元素群X[Be、Hf、Mn、Zr、Cr、Sc、Co、Cu、Y、Sr、Ni]の中から選ばれる1種または2種以上の元素を合計で0.01〜0.10質量%、Ti:0.000〜0.100質量%、B:0.000〜0.050質量%、残部:Alおよび不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金導体であって、
前記アルミニウム合金導体の長手方向に垂直な断面において、Al−Fe系およびAl−Fe−Si系化合物の面積率が2.0%以下であり、かつ、元素群Xの元素を含む化合物の面積率が1.0%以下であることを特徴とするアルミニウム合金導体。
(2)Feと元素群X[Be、Hf、Mn、Zr、Cr、Sc、Y、Co、Cu、Sr、Ni]の中から選ばれる1種または2種以上の元素とを合計で0.10質量%未満含有することを特徴とする、上記(1)に記載のアルミニウム合金導体。
(3)Ti:0.005〜0.100質量%、B:0.001〜0.050質量%を有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のアルミニウム合金導体。
(4)MgとSiの質量比Mg/Siが0.80未満であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアルミニウム合金導体。
(5)450℃における引張強度が10MPa以上であることを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のアルミニウム合金導体。
(6)450℃における高温衝撃吸収エネルギーが200J/cm2以上であることを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のアルミニウム合金導体。
(7)素線の直径が0.1〜0.5mmであるアルミニウム合金線である上記(1)〜(6)のいずれかに記載のアルミニウム合金導体。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のアルミニウム合金導体からなる線を複数本撚り合わせて構成される、アルミニウム合金撚線。
(9)上記(7)のアルミニウム合金導体または上記(8)のアルミニウム合金撚線の外周に被覆層を有する被覆電線。
(10)上記(9)の被覆電線と、該被覆電線の、前記被覆層を除去した端部に装着された端子とを具えるワイヤーハーネス。
(1)化学組成
<Mg:0.10〜1.50質量%>
Mg(マグネシウム)は、アルミニウム母材中に固溶して強化する作用を有すると共に、その一部はSiと化合して析出物を形成して引張強度、耐屈曲疲労特性および耐熱性を向上させる作用を有する元素である。しかしながら、Mg含有量が0.1質量%未満だと、上記作用効果が不十分であり、また、Mg含有量が1.5質量%を超えると、結晶粒界にMg濃化部分を形成する可能性が高まり、引張強度、伸び、耐屈曲疲労特性が低下するとともに、Mg元素の固溶量が多くなることによって導電率も低下する。したがって、Mg含有量は0.10〜1.50質量%とする。なお、Mg含有量は、高強度を重視する場合には0.50〜1.50質量%にすることが好ましく、また、導電率を重視する場合には0.10〜0.50質量%とすることが好ましく、このような観点から総合的に0.30〜0.70質量%が好ましい。
Si(ケイ素)は、Mgと化合して析出物を形成して引張強度、耐屈曲疲労特性、及び耐熱性を向上させる作用を有する元素である。Si含有量が0.10質量%未満だと、上記作用効果が不十分であり、また、Si含有量が1.50質量%を超えると、結晶粒界にSi濃化部分を形成する可能性が高まり、引張強度、伸び、耐屈曲疲労特性が低下するとともに、Si元素の固溶量が多くなることによって導電率も低下する。したがって、Si含有量は0.10〜1.50質量%とする。なお、Si含有量は、高強度を重視する場合には0.50〜1.50質量%にすることが好ましく、また、導電率を重視する場合には0.10〜0.50質量%とすることが好ましい。このような観点を総合的に勘案すると、Si含有量は0.30〜0.70質量%が好ましい。
Fe(鉄)は、Al中に655℃で0.05質量%程度しか固溶できない。室温では更に固溶量が少ないため、Al中に固溶できない残りのFeは、Al−Fe系、Al−Fe−Si系などの金属間化合物として晶出又は析出する。これらの金属間化合物は、アルミニウム合金導体の母相の結晶粒の微細化に寄与し得るものの、その粒子自体は室温での機械的特性にはあまり影響を与えない。しかしながら、アルミニウム合金導体が高温環境下に置かれた場合、これらの金属間化合物が多すぎるとFeが過剰に固溶して粒界に濃化し、粒界強度を低くする。従って、本発明ではAl−Fe系、Al−Fe−Si系の化合物の晶出や析出を極力避けるために、Feの成分を低く設定する。ただし、溶解原料とするAl地金には一定量のFeが含まれているため、完全にその添加量を0とすることはできない。また、わずかながら固溶するFeが固溶強化によって強度を増す影響もあるため、Feは0.002%以上とする。0.100%以上となると晶出物または析出物が多くなり、高温環境下でFeが過剰に固溶して粒界に濃化し、粒界強度を低くして破断等の不具合が発生する可能性が高くなる。したがって、Fe含有量は0.002〜0.100質量%とし、好ましくは0.010〜0.090質量%、更に好ましくは0.010〜0.050質量%とする。
元素群X[Be(ベリリウム)、Hf(ハフニウム)、Mn(マンガン)、Zr(ジルコニウム)、Cr(クロム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、Co(コバルト)、Cu(銅)、Sr(ストロンチウム)、Ni(ニッケル)]の元素は、上記成分範囲においていずれも低温、あるいは室温(10〜35℃)時にはアルミニウム中に何らかの化合物として析出するが、高温(400〜500℃)時には、アルミニウム母相中に固溶して強化に寄与しやすい元素である。0.10質量%を超えて添加すると、アルミニウム合金導体が高温環境下に置かれた場合、これらの元素が過剰に固溶して粒界に濃化し、粒界強度を低くして破断等の不具合が発生する可能性が高くなる。0.01質量%以下では固溶しても強化への寄与が薄い。したがって、元素群X[Be、Hf、Mn、Zr、Cr、Sc、Y、Co、Cu、Sr、Ni]の元素の添加量は、1種または2種以上の元素を合計で0.01〜0.10質量%とする。
Tiは、溶解鋳造時の鋳塊の組織を微細化する作用を有する元素である。鋳塊の組織が粗大であると、鋳造において鋳塊割れや線材加工工程において断線が発生して工業的に望ましくない。Ti含有量が0.005質量%未満であると、上記作用効果を十分に発揮することができず、また、Ti含有量が0.100質量%を超えると導電率が著しく低下する。したがって、Ti含有量は0.005〜0.100質量%とし、好ましくは0.005〜0.050質量%、より好ましくは0.005〜0.030質量%とする。
Bは、Tiと同様、溶解鋳造時の鋳塊の組織を微細化する作用を有する元素である。鋳塊の組織が粗大であると、鋳造において鋳塊割れや線材加工工程において断線が発生しやすくなるため工業的に望ましくない。B含有量が0.001質量%未満であると、上記作用効果を十分に発揮することができず、また、B含有量が0.050質量%を超えると導電率が低下する。したがって、B含有量は0.001〜0.050質量%とし、好ましくは0.001〜0.020質量%、より好ましくは0.001〜0.010質量%とする。
上述した成分以外の残部はAl(アルミニウム)および不可避不純物である。ここでいう不可避不純物は、製造工程上、不可避的に含まれうる含有レベルの不純物を意味する。不可避不純物は、含有量によっては導電率を低下させる要因にもなりうるため、導電率の低下を加味して不可避不純物の含有量をある程度抑制することが好ましい。
本発明のアルミニウム合金導体は、Al−Fe系およびAl−Fe−Si系化合物の面積率が、アルミニウム合金導体の長手方向に垂直な断面において2.0%以下であることを要する。前述の通り、Al中に固溶できないFeは、Al−Fe系、Al−Fe−Si系などの金属間化合物として晶出又は析出する。これらの金属間化合物は、アルミニウム合金導体の母相の結晶粒の微細化に寄与し得るものの、その粒子自体は室温での機械的特性にはあまり影響を与えない。しかしながら、アルミニウム合金導体が高温環境下に置かれた場合、これらの金属間化合物が多すぎるとFeが過剰に固溶して粒界に濃化し、粒界強度を低くする。また、Al−Fe−Si系の化合物はSiを含むために、析出強化に必要なMg2Siの析出を阻害する。よって、これらの晶出物および析出物は可能な限り低減させたい。したがって、これらの化合物の面積率がアルミニウム合金導体(アルミニウム合金線)の長手方向に垂直な断面において2.0%以下であることを要する。Al−Fe系、Al−Fe−Si系の化合物の量は好ましくは0であるが、現実的にはAl地金中に不可避的に含まれるFeによって化合物が形成されてしまうため、これを低減する。
本発明のアルミニウム合金導体は、元素群X[Be、Hf、Mn、Zr、Cr、Sc、Y、Co、Cu、Sr、Ni]の元素を含む化合物の面積率が、アルミニウム合金導体の長手方向に垂直な断面において1%以下であることを要する。前述の通り、元素群Xの元素は特定の成分範囲においていずれも低温〜室温(10〜35℃)時にはアルミニウム中に何らかの化合物として析出するが、高温(400〜500℃)時には、アルミニウム母相中に固溶して強化に寄与しやすい元素である。よって、アルミニウム合金導体の長手方向に垂直な断面において元素群Xの元素を含む化合物の面積率が1.0%以上となると、アルミニウム合金導体が高温環境下に置かれた場合、これらの元素が過剰に固溶して粒界に濃化し、粒界強度を低くして破断等の不具合が発生する可能性が高くなる。面積率は、好ましくは0であるが、現実的にはAl地金中に不可避的に含まれる元素群Xの元素よって化合物が形成されてしまうため、これを低減する。
本発明のアルミニウム合金導体は、例えば[1]溶解処理、[2]鋳造処理、[3]熱間または冷間加工処理、[4]第1伸線加工処理の各工程を経て製造することができる。なお、選択的に[2]もしくは[3]の直後に均質化処理を行っても良いし、[4]の直後に[5]第1熱処理、[6]第2伸線加工処理、[7]第2熱処理、[8]時効熱処理を行っても良い。また、[6]もしくは[7]の直後に、アルミニウム合金導体の線を撚線とする工程を設けてもよい。また、[8]の後に電線に樹脂被覆を行う工程を設けてもよい。以下、[1]〜[8]の工程について説明する。
溶解は、後述するアルミニウム合金組成のそれぞれの実施態様の濃度となるような分量で溶製する。本合金は、アルミニウム地金に元々含まれているFeの含有量をなるべく少なくするため、アルミニウムの純度が99.9%以上のアルミ地金を用いるのが好ましい。
鋳造軸とベルトを組み合わせたプロペルチ式の連続鋳造圧延機を用いて、溶湯を水冷した鋳型で連続的に鋳造しながら圧延を行い、φ5.0〜13.0mm程度の棒材とする。このときの鋳造時の冷却速度は、Fe系晶出物の粗大化の防止とFeの強制固溶による導電率低下の防止の観点から、好ましくは5〜20℃/sである。鋳造及び熱間圧延は、ビレット鋳造及び押出法などにより行ってもよい。また、鋳造後や圧延後に均質化処理を行っても良い。均質化処理を行うと、添加成分が均質化され、特性ばらつきの抑制に効果がある。均質化処理は、通常480〜620℃、1〜10hで行う。
次いで、必要に応じて表面の皮むきを実施して、好ましくはφ7.5〜12.5mmの適宜の太さの棒材とし、ダイス引きによって伸線加工する。表面の皮むきは実施することで線材表層の清浄化がなされるが、実施しなくてもよい。
次に、冷間伸線した被加工材に第1熱処理を施す。本発明の第1熱処理は、被加工材の柔軟性を取り戻し、伸線加工性を高めるために行うものである。伸線加工性が十分であり、断線が生じなければ第1熱処理は行わなくても良い。
さらに、被加工材をダイス引きによって伸線加工する。
次に、被加工材に第2熱処理を施す。本発明の第2熱処理は、被加工材の柔軟性を取り戻し、室温での伸び性を高めるために行うものである。室温での伸び性が不要な用途であれば必要ない。第2熱処理の温度は、300〜620℃とする。300℃より低いと、被加工材の柔軟性を取り戻すことが出来ず、室温での伸び性が十分に向上できない。620℃より高いと、線材が部分的に溶融してしまい、引張強度、伸びが低下するため好ましくない。
前記第2熱処理において溶体化熱処理を行ったアルミニウム合金導体に、時効熱処理を施してもよい。時効熱処理は、針状のMg2Si析出物を析出させ、引張強度を向上させるために行う。時効熱処理における加熱温度は、140〜250℃、加熱時間は、0.5〜15時間である。前記加熱温度が140℃未満であると、針状のMg2Si析出物を十分に析出させることができず、強度、耐屈曲疲労特性および導電率が不足しがちである。また、前記加熱温度が250℃よりも高いと、Mg2Si析出物のサイズが大きくなるため、導電率は上昇するが、強度および耐屈曲疲労特性が不足しがちである。
本発明のアルミニウム合金導体は、素線の直径が、特に制限はなく用途に応じて適宜定めることができるが、細物線の場合はφ0.1〜0.5mm、中細物線の場合はφ0.8〜1.5mmが好ましい。
(実施例)
Mg、Si、FeおよびAlと、選択的に添加するTi、B、および元素群X[Be、Hf、Mn、Zr、Cr、Sc、Y、Co、Cu、Sr、Ni]の1種以上の元素を、表1に示す含有量(質量%)になるようにプロペルチ式の連続鋳造圧延機を用いて、溶湯を水冷した鋳型で連続的に鋳造しながら圧延を行い、約φ9.5mmの棒材とした。なお、アルミニウム地金にはアルミニウムの純度が99.9%以上のものを用いた。このときの鋳造冷却速度は約15℃/sとした。次いで、第1伸線加工を行った。次いで、第1熱処理を熱処理温度400℃、熱処理時間1時間にて行って線材を軟化させ、第2伸線加工を行い、φ0.3mmの線材を得た。続いて、表2に示す条件で第2熱処理を施した。なお、バッチ式熱処理では、線材に熱電対を巻きつけて線材温度を測定した。連続通電熱処理では、線材の温度が最も高くなる部分での測定が設備上困難であるため、ファイバ型放射温度計(ジャパンセンサ社製)で線材の温度が最も高くなる部分よりも手前の位置にて温度を測定し、ジュール熱と放熱を考慮して最高到達温度を算出した。高周波加熱および連続走間熱処理では、熱処理区間出口付近の線材温度を測定した。第2熱処理後に、表2に示す条件で時効熱処理を施し、アルミニウム合金導体による線材を製造した。
実施例及び比較例のアルミニウム合金導体をFIB法にて薄膜にし、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて500μm2の範囲を観察した。Al−Fe系およびAl−Fe−Si系化合物は、撮影された写真を基にEDXにて組成分析を行い、構成元素を同定し、Feの強度が母相のアルミの強度に対して10%以上である化合物を面積率のカウント対象とした。カウント対象とした化合物の面積を合計し、観察面積500μm2にて割った値をAl−Fe系およびAl−Fe−Si系化合物の面積率Aとし、面積率Aが2.0%以下を合格とした。上記薄膜の試料厚さは、0.15μmを基準厚さとして算出している。試料厚さが基準厚さと異なる場合、試料厚さを基準厚さに換算して、つまり、(基準厚さ/試料厚さ)を撮影された写真を基に算出した面積率にかけることによって、面積率を算出できる。本実施例及び比較例では、FIB法によりすべての試料において試料厚さを約0.15μmに設定し作製した。
実施例及び比較例のアルミニウム合金導体をFIB法にて薄膜にし、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて500μm2の範囲を観察した。元素群Xの元素を含む化合物は、撮影された写真を基にEDXにて組成分析を行い、構成元素を同定し、元素群Xの元素1種以上の強度が母相のアルミの強度に対して10%以上である化合物を面積率のカウント対象とした。カウント対象とした化合物の面積を合計し、観察面積500μm2にて割った値を元素群Xの元素を含む化合物の面積率Bとし、面積率Bが1.0%以下を合格とした。上記薄膜の試料厚さは、0.15μmを基準厚さとして算出している。試料厚さが基準厚さと異なる場合、試料厚さを基準厚さに換算して、つまり、(基準厚さ/試料厚さ)を撮影された写真を基に算出した面積率にかけることによって、面積率を算出できる。本実施例及び比較例では、FIB法によりすべての試料において試料厚さを約0.15μmに設定し作製した。
450℃恒温槽内において、JIS Z2241に準じて各3本ずつの供試材(アルミニウム合金線)について引張試験を行い、その平均値を求めた。高温引張強度は、10MPa以上を合格とした。
450℃恒温槽内において、アルミニウム合金導体線の一方の端に錘を付け、この錘を300mmの高さから自由落下させた。錘を重いものに順次変えていき、断線する直前の錘の重さから衝撃吸収エネルギーを計算した。高温衝撃吸収エネルギーは、200J/cm2以上を合格とした。
長さ300mmの試験片を20℃(±0.5℃)に保持した恒温漕中で、四端子法を用いて比抵抗を各3本ずつの供試材(アルミニウム合金線)について測定し、その平均導電率を算出した。端子間距離は200mmとした。導電率は、45%IACS以上を合格とした。
JIS Z2241に準じて各3本ずつの供試材(アルミニウム合金線)について引張試験を行い、その平均値を求めた。室温引張強度は、100MPa以上を合格とした。室温伸びは特に制限ないが、第2熱処理を施したものでは5%以上を合格とした。
Claims (10)
- Mg:0.10〜1.50質量%、Si:0.10〜1.50質量%、Fe:0.002〜0.100質量%、元素群X[Be、Hf、Mn、Zr、Cr、Sc、Y、Co、Cu、Sr、Ni]の中から選ばれる1種または2種以上の元素を合計で0.01〜0.10質量%、Ti:0.000〜0.100質量%、B:0.000〜0.050質量%、残部:Alおよび不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金導体であって、
前記アルミニウム合金導体の長手方向に垂直な断面において、Al−Fe系およびAl−Fe−Si系化合物の面積率が2.0%以下であり、かつ、元素群Xの元素を含む化合物の面積率が1.0%以下であることを特徴とするアルミニウム合金導体。 - Feと元素群X[Be、Hf、Mn、Zr、Cr、Sc、Y、Co、Cu、Sr、Ni]の中から選ばれる1種または2種以上の元素とを合計で0.10質量%未満含有することを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウム合金導体。
- Ti:0.005〜0.100質量%、B:0.001〜0.050質量%を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のアルミニウム合金導体。
- MgとSiの質量比Mg/Siが0.80未満であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
- 450℃における引張強度が10MPa以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
- 450℃における高温衝撃吸収エネルギーが200J/cm2以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
- 素線の直径が0.1〜0.5mmであるアルミニウム合金線である請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルミニウム合金導体からなる線を複数本撚り合わせて構成される、アルミニウム合金撚線。
- 請求項7に記載のアルミニウム合金導体または請求項8に記載のアルミニウム合金撚線の外周に被覆層を有する被覆電線。
- 請求項9に記載の被覆電線と、該被覆電線の、前記被覆層を除去した端部に装着された端子とを具備するワイヤーハーネス。
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