JP5125995B2 - マグネシウム合金展伸材 - Google Patents

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Description

本発明は、高強度で靭性に優れるマグネシウム合金展伸材、マグネシウム合金パイプ及びその製造方法に関するものである。
マグネシウムは、比重(密度g/cm3、20℃)が1.74であり、構造用に利用される金属材料の中で最も軽い金属であり、種々の元素を添加して合金化することで強度を高めることができる。そこで、近年、軽量化が要求されている携帯機器類や自動車部品の材料などにマグネシウム合金を利用する例が増加してきている。しかし、マグネシウムやその合金は、塑性加工性に乏しいhcp構造を有するため、現在、実用化されているマグネシウム合金製品は、ダイカストやチクソモールド法といった射出成型を行う鋳造法により製造されたものが主流である。
マグネシウム合金は、アルミニウムや銅などと比較して鋳造性がよく、種々の複雑な形状の鋳造材が得られるものの、鋳造材では、引張強さや延性、靭性に乏しく、軽量効果を十分に得ているといいにくい。従って、高強度及び高延性のバランスがとれたマグネシウム合金材の開発が望まれている。
一方、圧延、押し出し、引き抜きなどの塑性加工を施した展伸材は、鋳造材よりも機械的特性に優れる。従って、マグネシウム合金についても、その塑性加工方法について多く研究されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、Caを添加することで難燃性を付与する効果が認められている(特許文献3参照)。
特開2003-293069号公報 国際公開第03/074748号パンフレット 特開2000-109963号公報
特許文献1、2には、マグネシウム合金からなる母材に50℃以上の引き抜き加工を施すことで、強度、靭性に優れるマグネシウム合金ワイヤやパイプが得られることが開示されている。しかし、マグネシウム合金材の使用領域が益々増える傾向にある現在、強度及び靭性をよりバランスよく具えたマグネシウム合金材の開発が望まれる。
一方、特許文献3には、鋳造時に生成された金属間化合物を押し出しにより粉砕させ、粒子分散量を増加させることで、破断強度を高めることが記載されている。しかし、特許文献3では、引き抜き加工について十分検討されておらず、また、引き抜きを行った場合、通常、被加工材は引張応力を受けるため、粉砕した金属間化合物の周辺にマイクロクラックが発生し、引張強さや伸び、絞りなどの機械的特性を大きく低下させてしまう。また、特許文献3では、破断強度のみを測定しており、延性、靭性に関するデータを開示していない。押出加工では、加工温度が低いほど、又は押出比が大きいほど破断強度が大きくなり、延性が低下するため、加工温度や押出比によっては延性が小さくなってしまい、強度と靭性とをバランスよく具えることが難しい。更に、特許文献3では、金属間化合物の析出強化により強度の向上を図っているが、析出強化による強度の向上では、延性の低下を招くため、延性、靭性を考慮した場合、高強度化の達成手段として必ずしも好ましい方法でない。
そこで、本発明の主目的は、強度と靭性とをバランスよく具えるマグネシウム合金展伸材、及びマグネシウム合金パイプを提供することにある。また、本発明の他の目的は、高強度で高靭性のマグネシウム合金展伸材の製造方法を提供することにある。
本発明は、一定量のCaを添加したマグネシウム合金を引き抜くことで上記目的を達成する。
即ち、本発明マグネシウム合金展伸材は、質量%で、Ca:0.01〜5.0%、Al:0.01〜12%を含有し、残部がMg及び不純物からなり、前記合金組成からなる母材に引き抜き加工を施すことで得られ、降伏強さYPが、Alの含有量をx(質量%)としたとき、YP≧(95×x−5x2)/3+180を満たし、伸びが10%以上であることを特徴とする。
また、本発明マグネシウム合金パイプは、質量%で、Ca:0.01〜5.0%、Al:0.01〜12%を含有し、残部がMg及び不純物からなり、前記合金組成からなる母材に引き抜き加工を施すことで得られ、以下の曲げ加工性を有することを特徴とする。
(曲げ加工性)
R:曲げ半径(mm)、D:パイプの外径(mm)、t:パイプの肉厚(mm)、x:Alの含有量(質量%)とするとき、
R/D≦(0.027×|x−3|+0.17)×(D/t)-1を満たす。
上記マグネシウム合金展伸材やマグネシウム合金パイプは、以下の製造方法により得ることができる。即ち、本発明マグネシウム合金展伸材の製造方法は、質量%で、Ca:0.01〜5.0%、Al:0.01〜12%を含有し、残部がMg及び不純物からなるマグネシウム合金の母材を用意する工程と、前記母材に引き抜き加工を施す工程とを具える。そして、以下の1、2のいずれかの条件を行うことを規定する。
1.引き抜き加工を(4×x+145)℃以上で行う(但し、x(質量%)はAlの含有量とする)。
2.引き抜き加工後、以下の熱処理条件で再結晶を行うための熱処理を施す。
熱処理の温度T(℃)は、以下を満たす。
Alの含有量をx(質量%)とし、x<100/15のとき、15x+150≦T≦15x+250
100/15≦xのとき、250≦T≦350
本発明者らが検討した結果、強度と靭性とをよりバランスよく具えたワイヤやパイプ、板などの展伸材を得るには、Caを一定量含有させることが好ましいとの知見を得た。また、一定量のCaを添加し、引き抜き加工といった塑性加工を施すことで、延性を低下させることなく、高い降伏強さ(YP)や曲げ特性を得られることがわかった。これは、一定量のCaを添加させると、上記特定温度、具体的には再結晶温度を超える温度での引き抜き加工時、或いは引き抜き加工後、上記特定温度の熱処理を施すことで生じる再結晶時において、結晶粒の成長を効果的に抑制できるためであると考えられる。そこで、本発明では、一定量のCaを添加したマグネシウム合金に引き抜き加工を施すことを規定する。以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明では、質量%で、Ca:0.01〜5.0%、Al:0.01〜12%を含有し、残部がMg及び不純物からなるマグネシウム合金を用いる。即ち、本発明では、一定量のCa、一定量のAl、Mg以外の元素を不純物として扱う。不純物は、有意的に添加しない元素のみとしてもよいし、有意的に添加する元素(添加元素)を含んでいてもよい。添加元素としては、例えば、Mn、Si、Zn、Zr、Cu、Agから選択される1種以上が挙げられる。具体的な含有量は、質量%でMn:0.1〜2.0%、Zn:0.1〜7.0%、Si:0.1〜5.0%、Zr:0.1〜3.0%、Cu:0.01〜3.0%、Ag:0.01〜3.0%が挙げられる。この含有量を外れる場合、有意的に添加していないものとする。マグネシウム単体では十分な強度を得ることが難しいが、Alや上記添加元素などを含むことで好ましい強度が得られる。そして、本発明の特徴とするところは、Caを含有する点にある。上記のようにCaを含有することで、引き抜き加工といった塑性加工による再結晶時や、後述する引き抜き加工後の熱処理による再結晶時に結晶粒が成長されることを抑える効果があり、この効果は、0.01質量%といった微量でも得られる。Caの含有量が多いほど上記粒成長の抑制効果が大きくなるが、添加量の増加に従い、粗大なMg-Ca金属間化合物の生成を助長し、この粗大な金属間化合物の存在により延性の低下を引き起こし、引き抜き加工を困難にする。そこで、Caの含有量の上限は、5.0質量%とした。より安定した引き抜き加工を行うには、3.0質量%以下が好ましい。また、ASTM記号におけるAZ系、AS系、AM系、ZK系相当材に上記に規定する量のCaを含有させて利用してもよい。
上記合金組成からなる母材を用意し、この母材に引き抜き加工を施すことで強度と靭性とをバランスよく具えるマグネシウム合金展伸材を得る。このような展伸材としては、ワイヤ(線状体)やパイプ、板が挙げられる。母材は、例えば、鋳造材や鋳造材を押し出した押出材などを利用することができる。展伸材としてワイヤ(線状体)を得る場合、上記母材は、棒状体又は線状体としておく。展伸材としてパイプを得る場合、母材には予め口付け加工を施しておく。口付け加工は、母材の先端部を縮径し、後工程の引き抜き加工の際、この先端部を引き抜き加工用のダイスに挿入できるようにするために行うもので、スウェージングマシンなどの口付け加工機により行うとよい。特に、上記先端部を加熱して口付け加工を行うと、加工性がよくて好ましい。このときの加熱温度は、150〜400℃、特に、250〜350℃が適当である。展伸材として板を得る場合、上記母材は、肉厚の板状体、ブロック体としておく。
引き抜き加工は、例えば、ワイヤを得る場合、孔ダイスやローラダイスなどの伸線用ダイスを用いて行うとよい。公知の伸線用ダイスを利用してもよい。また、孔ダイスやローラダイスの形状は種々の形状のものを利用することができ、横断面形状が円形状だけでなく、楕円や多角形、矩形などの非円形形状とすることができる。ワイヤの最も一般的な横断面形状は円形であるが、靭性にも優れる本発明展伸材では円形に限らず、横断面が楕円や多角形、矩形などの異形ワイヤとすることも容易にできる。
一方、パイプを得る場合、引き抜き加工は、銅合金やアルミニウム合金などのパイプの引き抜き加工で実績のある方法を利用するとよく、孔ダイスや、孔ダイスとプラグやマンドレルとを組み合わせて用いて行うとよい。より具体的には、1.母材の内部に特定の部材を配置させないで孔ダイスを通過させる空引き、2.母材の内部にプラグを配置するプラグ引き、3.孔ダイスを貫通するマンドレルを用いるマンドレル引きなどが挙げられる。
そして、上記強度と靭性とのバランスに優れたマグネシウム合金展伸材を得るには、引き抜き加工温度を(4×x+145)℃以上として引き抜き加工を行うことが挙げられる(x:Alの含有量(質量%)とする)。引き抜き温度を上記温度とすることで、引き抜き時、動的再結晶が生じ、展伸材の組織を再結晶組織とすることができる。そのため、高強度で延性に富むマグネシウム合金展伸材を得ることができる。
或いは、引き抜き加工温度に係わらず、引き抜き加工後にx<100/15のとき、15x+150≦T≦15x+250を満たし、100/15≦xのとき、250≦T≦350を満たす温度で熱処理を行っても、上記引き抜き温度を制御する場合と同様に展伸材の組織を再結晶組織とすることができる(x:Alの含有量(質量%))。このとき、引き抜き加工の加工温度は、上記合金組成にもよるが、室温〜300℃以下が挙げられる。即ち、加熱することなく室温で引き抜き加工を行ってもよいし、加熱手段により母材を加熱して引き抜き加工を行ってもよい。但し、加工温度が250℃を超えると、引き抜き加工時の引き抜き力により断線が生じやすくなるため、250℃以下とすることが好ましい。また、引き抜き加工後の機械的特性や焼付き防止を考慮すると、加熱する場合、180℃未満とすることが好ましい。
上記引き抜き加工温度への加熱は、孔ダイスなどの加工材を加熱して間接的に母材が加熱されるようにしてもよいし、母材を直接加熱してもよい。母材を直接加熱する場合、孔ダイスの入口側に加熱手段を配置することが挙げられる。加熱手段は、例えば、雰囲気加熱炉、高周波加熱炉、潤滑油などの加熱液中への浸漬による加熱などが挙げられる。孔ダイスなどの加工材を加熱する場合、加工材にヒータなどを具えるとよい。間接的加熱、直接的加熱のいずれの場合も、母材の表面温度が300℃以下、特に、250℃以下、より好ましくは180℃未満となるように加熱手段を調整するとよい。
引き抜きにより得られる展伸材の強度を高めるためには、加工度(断面減少率)を高くすることも効果的である。具体的には、加熱して温間で引き抜き、ワイヤ又はパイプを得る場合、一パスの引き抜き加工における加工度(断面減少率)を5%以上、特に10%以上とすることが好ましく、総加工度を10%以上、特に20%以上とすることが好ましい。このような引き抜き加工条件にて引き抜きを少なくとも1パス行うことで、再結晶による結晶粒の微細化効果により、高強度高靭性のマグネシウム合金展伸材を得ることができる。特に、本発明では、一定量のCaを添加しているため、上記特定温度による引き抜き時、又は引き抜き後の熱処理による再結晶時、結晶粒の成長を抑制でき、微細化効果が大きい。また、引き抜き温度を(4×x+145)℃以上とすることで、引き抜かれた素材は、引き抜いたままで再結晶組織を有するようになり塑性加工性が向上されるため、複数パス(特に、4パス以上)の引き抜き加工を実質的に制限なく連続的に施すことができる。従って、より細径のワイヤやパイプを得ることができる。
上記特定温度による引き抜き加工により機械的特性に優れたマグネシウム合金展伸材が得られるが、より十分な延性を確保するためには、上記引き抜き加工後、更に、再結晶化を促すべく、熱処理を施すことが好ましい。特に、この熱処理の温度T(℃)は、Alの含有量をxとすると、x<100/15のとき、15x+150≦T≦15x+250を満たし、100/15≦xのとき、250≦T≦350を満たすことが好ましい。同じ熱処理温度であっても、本発明では、一定量のCaを含むことにより、Caを含まない場合と比較して、微細な結晶粒を有することができる。具体的には、平均結晶粒径3μm以下といった微細組織の展伸材を得ることができる。
なお、引き抜き加工の際、塑性加工性を高めるべく、適宜潤滑剤を利用してもよい。また、上記引き抜き加工における加工温度への昇温速度は、1℃/sec以上とすることが好ましい。引き抜き加工の線速は1m/min以上とすると量産性に優れて好ましい。更に、引き抜き加工後は、冷却を行い、結晶粒の成長を抑制してもよい。冷却速度は0.1℃/sec以上が好ましい。この下限値を下回ると結晶粒の成長を促進してしまう。冷却手段には衝風などが挙げられ、速度の調整は風速、風量などにより行うことができる。
一方、加熱することなく室温で引き抜き、ワイヤ又はパイプを得る場合、一パスの引き抜き加工における加工度(断面減少率)を5%以上、特に、10%以上、総加工度を10%以上とすることが好ましい。一パスの加工度が高過ぎると、靭性が低下して引き抜き中に断線する恐れがあるため、あまり大きくし過ぎないように、25%以下が望ましい。また、複数パスの引き抜き加工を行う場合、各パスの引き抜き後に上記熱処理を施すことが好ましい。引き抜き後に熱処理を施すことで、上記のようにより均一的な再結晶粒組織とすることができるため、加熱することなく室温にて一定量(例えばAZ31相当材にCaを添加した母材を用いた場合、1パスの加工度20%以下)の引き抜き加工を引き続いて行うことも可能である。即ち、複数パスに亘る引き抜き加工を室温にて行うことができる。室温での引き抜き加工を行う場合も、塑性加工性を高めるべく、適宜潤滑剤を利用してもよい。
なお、Alの含有量が多い(具体的には6質量%を超える程度)場合、押し出しの際の加工温度が十分でないと、Al-Mg金属間化合物が析出していることがある。このような場合、引き抜き加工前において、母材に適宜熱処理を施してAlを固溶させておくことが好ましい。この熱処理は、400℃×1時間程度が適当である。押し出しの際に十分な加熱がされている場合は、引き抜き前に熱処理を施さなくてもよい。
上記引き抜き加工を施して、又は引き抜き後に更に熱処理を施して得られた本発明マグネシウム合金展伸材は、Alの含有量(質量%)をxとしたとき、降伏強さYPがYP≧(95×x−5x2)/3+180を満たし、伸びが10%以上であるという、降伏強度と延性とのバランスに優れたものである。なお、降伏強さYPは、JIS規定の測定方法に基づく降伏点とし、降伏点が不明確な場合は、0.2%耐力を降伏点として扱う。また、伸びは、JIS規定の測定方法に基づく引張試験における破断伸びとし、評点間距離は、ワイヤ:100mm、パイプ及び板:50mmとする。
また、上記引き抜き加工を施して、又は引き抜き後に更に熱処理を施して得られた本発明マグネシウム合金パイプは、R:曲げ半径(mm)、D:パイプの外径(mm)、t:パイプの肉厚(mm)、x:Alの含有量(質量%)とするとき、
R/D≦(0.027×|x−3|+0.17)×(D/t)−1を満たす曲げ特性を有する。
一定量のCaを添加していないマグネシウム合金からなる母材を引き抜いて得られたパイプでは、割れが発生して上記曲げ特性を有することが難しい。これに対し、本発明では、一定量のCaを添加しているため、上記のような曲げ特性を有することができる。
更に、引き抜き加工により得られた本発明マグネシウム合金展伸材は、表面が平滑である。具体的には、ワイヤ表面の表面粗さがRz(十点平均粗さ;JIS B 0601)で5μm以下とすることができる。表面粗さは、引き抜き速度や潤滑剤の選定などの伸線条件によって制御することができる。また、引き抜き加工により得られた本発明マグネシウム合金展伸材は、ワイヤの場合、偏径差:0.01mm以下、パイプの場合、偏径差:0.02mm以下とすることができ、偏径差が小さい高精度のものが得られる。なお、偏径差とは、ワイヤ又はパイプの同一断面における外径の最大値と最小値との差である。
以上説明したように本発明マグネシウム合金展伸材の製造方法によれば、Caを一定量含有させることで、高強度及び高靭性をバランスよく具えるマグネシウム合金展伸材、マグネシウム合金パイプを提供することができる。特に、本発明は、曲げ特性に優れたマグネシウム合金パイプを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(試験例1)
下記の組成からなるマグネシウム合金の押出材を準備して、下記の要領で引き抜き加工を行い、マグネシウム合金ワイヤ及びマグネシウム合金パイプを得た。
<ワイヤ>
W1. 質量%でAl:3.1%、Zn:0.76%、Mn:0.55%を含み、残部がMg及び不純物(有意的に添加していないもの、以下同じ)からなるもの(AZ31相当材)
W2. 質量%でAl:3.0%、Zn:0.77%、Mn:0.54%、Ca:0.53%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(AZ31相当材にCaを添加)
W3. 質量%でAl:6.1%、Zn:0.68%、Mn:0.45%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(AZ61相当材)
W4. 質量%でAl:5.9%、Zn:0.67%、Mn:0.46%、Ca:0.04%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(AZ61相当材にCaを添加)
W5. 質量%でAl:8.1%、Zn:0.48%、Mn:0.32%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(AZ80相当材)
W6. 質量%でAl:8.0%、Zn:0.49%、Mn:0.33%、Ca:1.2%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(AZ80相当材にCaを添加)
W7. 質量%でAl:3.0%、Zn:0.78%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(AZ31相当材)
W8. 質量%でAl:3.0%、Zn:0.78%、Ca:0.55%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(AZ31相当材にCaを添加)
上記組成からなるφ8.0mmの押出材(断面円形状の棒状体)を準備し、各押出材にそれぞれ400℃にて1時間熱処理を施して母材とした。これら母材に、加工温度130〜140℃、1パスの加工度15〜17%の条件で多パスの引き抜き加工を施し、φ5.6mmの引抜材を得た(総加工度51%)。本例において引き抜きは、孔ダイスを用いて行った。また、適宜潤滑剤を用いた。このような引抜材を上記組成ごとに複数用意した。そして、各組成の複数の引抜材に対し、それぞれに異なる温度で熱処理を施し、組成ごとに熱処理条件が異なる複数のマグネシウム合金ワイヤ(φ5.6mm)を得た。熱処理条件は、150〜400℃の範囲から加熱温度を選択し、その温度で30分間施すものとした。引き抜き後の引抜材の冷却は、空冷で行った。加工温度は、孔ダイスの前にヒータを設置し、ヒータとダイス間のワイヤ温度を加工温度とした。加工温度への昇温速度は約5℃/sec、引抜速度は5〜10m/min(線径により異なる)である。
得られた各ワイヤにそれぞれ、JISに規定される引張試験を行い、引張強さTS(MPa)、降伏強さYP(MPa)、伸びEL(%)、絞りRA(%)を評価した。その結果を、表1〜表4に示す。
<パイプ>
P1. 質量%でAl:3.2%、Zn:0.77%、Mn:0.56%を含み、残部がMg及び不純物(有意的に添加していないもの、以下同じ)からなるもの(AZ31相当材)
P2. 質量%でAl:3.0%、Zn:0.76%、Mn:0.55%、Ca:0.52%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(AZ31相当材にCaを添加)
P3. 質量%でAl:6.1%、Zn:0.67%、Mn:0.46%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(AZ61相当材)
P4. 質量%でAl:6.0%、Zn:0.68%、Mn:0.46%、Ca:0.04%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(AZ61相当材にCaを添加)
上記組成からなる押出材(外径28mm、肉厚1.5mm)を準備し、各押出材にそれぞれ400℃にて1時間熱処理を施した後、口付け加工を施して母材とした。これら母材に、加工温度100〜180℃、1パスの加工度9〜12%の条件で多パスの引き抜き加工を施し、外径25mm、肉厚1.2mmの引抜材を得た(総加工度48%)。本例において引き抜きは、孔ダイス及びプラグを用いて行った。また、適宜潤滑剤を用いた。このような引抜材を上記組成ごとに複数用意した。そして、各組成の複数の引抜材に対し、それぞれに異なる温度で熱処理を施し、組成ごとに熱処理条件が異なる複数のマグネシウム合金パイプ(外径25mm、肉厚1.2mm)を得た。熱処理条件は、150〜400℃の範囲から加熱温度を選択し、その温度で30分間施すものとした。引き抜き後の引抜材の冷却は、空冷で行い、冷却速度は1〜5℃/secであった。加工温度は、孔ダイスの前にヒータを設置し、ヒータとダイス間のパイプ温度を加工温度とした。加工温度への昇温速度は約5℃/sec、引抜速度は2〜3m/minである。
得られた各パイプにJISに規定される引張試験を行い、引張強さTS(MPa)、降伏強さYP(MPa)、伸びEL(%)を評価した。その結果を、表5、6に示す。
Figure 0005125995
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表1〜6に示すように、同様の条件で引き抜き加工や熱処理を施していても、Caを含まない試料W1、W3、W5、W7、及びP1、P3と比較して、Caを含む試料W2、W4、W6、W8、及びP2、P4には、降伏強さYPが高く、かつ伸びや絞りが大きいこと、即ち、強度と靭性とをバランスよく具えるものがあることがわかる。例えば、Caを含まない試料W1-1では、降伏強さYPが大きな値をとっているが、伸びが8%であり、靭性に劣ることがわかる。また、試料W1-2〜W1-5では、伸びが10%以上であり靭性に優れるが、降伏強さYPの値がCaを含む試料W2と比較して小さい。
特に、伸びが10%以上の高延性を示す試料のうち、Caを含む試料W2-2〜W2-4、W4-2〜W4-4、W6-2〜W6-4、W8-2〜W8-4、及びP2-2〜P2-4、P4-2〜P4-4では、降伏強さYPがYP≧(95×x−5x2)/3+180を満たすことがわかる(x:Alの含有量)。なお、表1〜6に示す式値は、(95×x−5x2)/3+180の値を示す。
また、降伏強さYPが上記式を満たし、伸びが10%以上となるには、引き抜き後に施す熱処理の温度に影響を受けると考えられる。例えば、試料W2-5やP4-5では、伸びが20%程度と非常に延性に優れるが、降伏強さYPが上記式を満たしていない。表1〜6より、Alの含有量が多くなるに従いこの熱処理の温度は、高温に推移し、強度と靭性とのバランスに優れた展伸材を得るには、xをAlの含有量とすると、x<100/15の場合、15x+150≦T≦15x+250を満たし、100/15≦xの場合、250≦T≦350を満たすことが好ましいことがわかる。
なお、得られた各試料は、引き抜きを施すことで表面が平滑であり、優れた表面性状を有していた(Rzで1.0〜5.0μm)。また、Caを含有した各試料は、結晶粒径が微細であり、例えば、試料W1-3の平均結晶粒径が5.1μmであるのに対し、試料W2-3の平均結晶粒径は2.6μmと、3μm以下であった。更に、偏径差も小さく、寸法精度に優れていた(偏径差0.001〜0.002mm)。本試験では、引き抜き前に熱処理を施したが、十分な加熱をして押し出した押出材を利用した場合、この熱処理は省略してもよい。
(試験例2)
上記試験例1で用いたCaを含有する合金組成のワイヤ母材を用意して、引き抜き加工条件(1パスの加工度、加工温度)を変化させて、Caを含むマグネシウム合金ワイヤを作製してみた。すると、1パスの加工度を15%超とする場合、加工温度を100℃以上とすることで、引き抜き加工を行うことができた。このとき、加工温度を180℃超とすると、表面の焼付きが発生しやすくなるため、180℃以下とすることが好ましいことがわかった。また、1パスの加工度を6%〜10%とすると、室温でも引き抜き加工を行うことができた。更に、室温又は温間で引き抜いた後、特定の熱処理(xをAlの含有量とするとき、x<100/15の場合、15x+150≦T≦15x+250を満たし、100/15≦xの場合、250≦T≦350を満たす)を施した場合、引き続いて室温にて引き抜き加工を行うことができた。
(試験例3)
上記試験例1で用いたCaを含有する合金組成のパイプ母材を用意して、引き抜き加工条件(1パスの加工度、加工温度)を変化させて、Caを含むマグネシウム合金パイプを作製してみた。すると、1パスの加工度を8%超とする場合、加工温度を100℃以上とすることで、引き抜き加工を行うことができた。このとき、加工温度を180℃超とすると、表面の焼き付きが発生しやすくなるため、180℃以下とすることが好ましいことがわかった。また、1パスの加工度を8%以下とすると、室温で引き抜き加工を行うことができた。更に、室温又は温間で引き抜いた後、特定の熱処理(xをAlの含有量とするとき、x<100/15の場合、15x+150≦T≦15x+250を満たし、100/15≦xの場合、250≦T≦350を満たす)を施した場合、引き続いて室温にて引き抜き加工を行うことができた。
(試験例4)
下記の組成からなるマグネシウム合金の押出材を準備して、下記の要領で引抜き加工を行い、マグネシウム合金パイプを得た。
<AZ31相当材>
P21. 質量%でAl:3.1%、Zn:0.78%、Mn:0.56%を含み、残部がMg及び不純物(有意的に添加していないもの、以下同じ)からなるもの(外径33mm、肉厚1.3mm)
P22. 質量%でAl:3.0%、Zn:0.77%、Mn:0.55%、Ca:0.05%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(外径33mm、肉厚1.3mm)
P23. 質量%でAl:3.0%、Zn:0.76%、Mn:0.56%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(外径28mm、肉厚1.5mm)
P24. 質量%でAl:3.0%、Zn:0.76%、Mn:0.55%、Ca:0.62%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(外径28mm、肉厚1.5mm)
P25. 質量%でAl:3.1%、Zn:0.75%、Mn:0.56%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(外径:23mm、肉厚:1.7mm)
P26. 質量%でAl:3.0%、Zn:0.76%、Mn:0.55%、Ca:1.8%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(外径23mm、肉厚1.7mm)
<AZ61相当材>
P27. 質量%でAl:6.0%、Zn:0.78%、Mn:0.45%を含み、残部がMg及び不純物(有意的に添加していないもの、以下同じ)からなるもの(外径33mm、肉厚1.3mm)
P28. 質量%でAl:6.1%、Zn:0.75%、Mn:0.41%、Ca:0.05%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(外径33mm、肉厚1.3mm)
P29. 質量%でAl:6.0%、Zn:0.69%、Mn:0.44%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(外径28mm、肉厚1.5mm)
P30. 質量%でAl:5.9%、Zn:0.70%、Mn:0.48%、Ca:0.62%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(外径28mm、肉厚1.5mm)
P31. 質量%でAl:6.2%、Zn:0.79%、Mn:0.42%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(外径23mm、肉厚1.7mm)
P32. 質量%でAl:6.0%、Zn:0.77%、Mn:0.41%、Ca:1.8%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(外径23mm、肉厚1.7mm)
上記組成からなる押出材(外径23〜33mm、肉厚1.3〜1.7mm)を準備し、各押出材にそれぞれ400℃にて1時間熱処理を施した後、口付け加工を施して母材とした。これら母材に加工温度100〜110℃、1パス加工度9〜12%の条件で多パスの引抜き加工を施した。具体的には、以下に示す。
I. 外径33mm、肉厚1.3mmの押出材→外径D:30mm、肉厚t:1.0mmの引抜材(総加工度30%)
II. 外径28mm、肉厚1.5mmの押出材→外径D:25mm、肉厚t:1.2mmの引抜材(総加工度48%)
III. 外径23mm、肉厚1.7mmの押出材→外径D:20mm、肉厚t:1.4mmの引抜材(総加工度28%)
本例において引き抜きは、孔ダイス及びプラグを用いて行った。このとき、適宜潤滑剤を用いた。得られた各引抜材に加熱温度250℃、30分間の熱処理を施し、種々のマグネシウム合金パイプを得た。引き抜き後の引抜材の冷却は、空冷で行った。加工温度は、孔ダイスの前にヒータを設置し、ヒータの加熱温度を加工温度とした。加工温度への昇温速度は約5℃/sec、引抜速度は2〜3m/minである。
得られた各パイプに、種々の曲げ半径にて曲げ加工試験を実施した。曲げ加工試験は、回転引き曲げによって行った。そして、割れ、破断を生じることなく曲げ加工が行えるかどうかを調べてみた。その結果を表7、8に示す。評価は、AZ31相当材、AZ61相当材のそれぞれにおいて、Caを含む試料、Caを含まない試料ごとに行い、全ての試料に割れ、破断などが生じることなく曲げ加工が行えたものを○、一つでも割れ、破断などが生じた試料があった場合は×を示した。
Figure 0005125995
Figure 0005125995
表7、8に示すようにCaを含む試料は、優れた曲げ加工性を示すことがわかる。そして、優れた曲げ加工性を有するには、曲げ加工性の指標であるR/DがR/D≦(0.027×|x−3|+0.17)×(D/t)-1を満たすことが好ましいことがわかる。Caを含まない試料であっても、R/Dが上記式を満たすものは、曲げ加工性に優れていたが、これらの試料は、上記試験例に示すように強度や靭性に劣る。なお、R:曲げ半径(mm)、D:パイプの外径(mm)、t:パイプの肉厚(mm)、x:Alの含有量(質量%)である。また、表7、8に示す式値は、(0.027×|x−3|+0.17)×(D/t)-1の値を示す。
(試験例5)
下記の組成からなるマグネシウム合金の押出材を準備して、下記の要領で引き抜き加工を行い、マグネシウム合金ワイヤを得た。
W21. 質量%でAl:3.0%、Zn:0.75%、Mn:0.56%を含み、残部がMg及び不純物(有意的に添加していないもの、以下同じ)からなるもの(AZ31相当材)
W22. 質量%でAl:3.0%、Zn:0.76%、Mn:0.55%、Ca:0.82%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(AZ31相当材にCaを添加)
W23. 質量%でAl:8.0%、Zn:0.49%、Mn:0.33%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(AZ80相当材)
W24. 質量%でAl:8.0%、Zn:0.50%、Mn:0.38%、Ca:0.32%を含み、残部がMg及び不純物からなるもの(AZ80相当材にCaを添加)
上記組成からなるφ6.0mmの押出材(断面円形状の棒状体)を準備し、各押出材にそれぞれ400℃にて1時間熱処理を施して母材とした。これら母材に、100〜350℃の範囲から加工温度を選択し、この温度で加工度22%の条件で1パスの引き抜き加工を施し、φ5.3mmの引抜材を得た。本例において引き抜きは、孔ダイスを用いて行った。また、適宜潤滑剤を用いた。引き抜き後の引抜材の冷却は、空冷で行った。加工温度は、孔ダイスの前にヒータを設置し、ヒータとダイス間のワイヤ温度を加工温度とした。加工温度への昇温速度は約5℃/sec、引抜速度は8m/minである。
得られた各ワイヤにそれぞれ、JISに規定される引張試験を行い、引張強さTS(MPa)、降伏強さYP(MPa)、伸びEL(%)、絞りRA(%)を評価した。その結果を、表9、10に示す。
Figure 0005125995
Figure 0005125995
表9、10に示すように、同様の条件で引き抜き加工を施していても、Caを含まない試料W21、W23と比較して、Caを含む試料W22、W24には、降伏強さYPが高く、かつ伸びや絞りが大きいこと、即ち、強度と靭性とをバランスよく具えるものがあることがわかる。例えば、Caを含まない試料W21-1、W21-2では、降伏強さYPが大きな値をとっているが、伸びが5、6%であり、靭性に劣ることがわかる。また、試料W21-3〜W21-5では、伸びが10%以上であり靭性に優れるが、降伏強さYPの値がCaを含む試料W22と比較して小さい。
特に、伸びが10%以上の高延性を示す試料のうち、Caを含む試料W22-3〜W22-5、W24-2〜W24-5では、降伏強さYPがYP≧(95×x−5x2)/3+180を満たすことがわかる(x:Alの含有量)。このことから、降伏強さYPが上記式を満たし、伸びが10%以上となる、即ち、強度と靭性とのバランスに優れる展伸材を得るには、引き抜き温度を(4×x+145)℃以上とすることが好ましいことがわかる。なお、表9、10に示す式値は、(95×x−5x2)/3+180の値を示し、温度式値は、4×x+145の値を示す(x:Alの含有量)。
本発明マグネシウム合金展伸材は、高強度、高靭性であると共に、軽量であるため、携帯用機器の部品やケース、航空機部品、自動車用部品などの素材として最適である。特に、ワイヤでは、溶接線やネジ素材、ばね素材に適する。また、パイプでは、椅子、テーブル、車椅子、担架、登山用のステッキなどに用いられるパイプや、自転車などのフレーム用パイプに適する。

Claims (11)

  1. 質量%で、Ca:0.04〜1.8Al:3.0〜8.1Zn:0.48〜0.79%、Mn:0.32〜0.56%を含有し、残部がMg及び不可避的不純物からなり、
    前記合金組成からなる母材に引き抜き加工を施すことで得られ、
    降伏強さYPが、Alの含有量をx(質量%)としたとき、YP≧(95×x−5x2)/3+180を満たし、
    伸びが10%以上であることを特徴とするマグネシウム合金展伸材。
  2. 展伸材は、平均結晶粒径が3μm以下の組織からなることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金展伸材。
  3. 引き抜き後、熱処理が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマグネシウム合金展伸材。
  4. 展伸材がワイヤ又はパイプであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマグネシウム合金展伸材。
  5. 質量%で、Ca:0.04〜1.8Al:3.0〜8.1Zn:0.48〜0.79%、Mn:0.32〜0.56%を含有し、残部がMg及び不可避的不純物からなり、
    前記合金組成からなる母材に引き抜き加工を施すことで得られ、
    以下の曲げ加工性を有することを特徴とするマグネシウム合金パイプ。
    R/D≦(0.027×|x−3|+0.17)×(D/t)-1
    ただし、R:曲げ半径(mm)、D:パイプの外径(mm)、t:パイプの肉厚(mm)、x:Alの含有量(質量%)とする。
  6. パイプは、平均結晶粒径が3μm以下の組織からなることを特徴とする請求項5に記載のマグネシウム合金パイプ。
  7. 引き抜き後、熱処理が施されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のマグネシウム合金パイプ。
  8. 質量%で、Ca:0.04〜1.8Al:3.0〜8.1Zn:0.48〜0.79%、Mn:0.32〜0.56%を含有し、残部がMg及び不可避的不純物からなるマグネシウム合金の母材を用意する工程と、
    前記母材に引き抜き加工を施す工程とを具え、
    前記引き抜き加工は、Alの含有量をx(質量%)とするとき、(4×x+145)℃以上で行うことを特徴とするマグネシウム合金展伸材の製造方法。
  9. 引き抜き加工後、熱処理を施す工程を具えることを特徴とする請求項8に記載のマグネシウム合金展伸材の製造方法。
  10. 質量%で、Ca:0.04〜1.8%、Al:3.0〜8.1Zn:0.48〜0.79%、Mn:0.32〜0.56%を含有し、残部がMg及び不可避的不純物からなるマグネシウム合金の母材を用意する工程と、
    前記母材に引き抜き加工を施す工程と、
    引き抜き加工後、再結晶を行うための熱処理を施す工程とを具え、
    前記熱処理の温度T(℃)は、Alの含有量をx(質量%)とすると、
    x<100/15のとき、15x+150≦T≦15x+250を満たし、
    100/15≦xのとき、250≦T≦350を満たすことを特徴とするマグネシウム合金展伸材の製造方法。
  11. 引き抜き加工は、室温以上180℃未満で行うことを特徴とする請求項10に記載のマグネシウム合金展伸材の製造方法。
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