JP4843466B2 - 成形用金型 - Google Patents

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Description

この発明は、パンチをダイに進入させてダイ内のワークを塑性変形するようにした成形用金型およびその関連技術に関する。
図19に示すように、フランジ(101)の一面に渦巻き形状のスクロール羽根(102)が一体形成されたスクロール部品(100)を鍛造加工により製造する装置が下記特許文献1,2に開示されている。
この鍛造加工装置は図20に示すように、ダイ凹部(111)を有するダイ(110)と、ダイ凹部(111)内に進入するパンチ(120)とを備え、ダイ(110)の凹部下側には、上端がダイ凹部(111)に開口するスクロール羽根形成用の摺動金型設置孔(112)が形成されるとともに、その設置孔(112)内に摺動金型(113)が摺動自在に収容されている。また摺動金型(113)は、背圧板(114)によって上向きの背圧が付与されている。そしてワーク(W)がセットされたダイ凹部(111)内にパンチ(120)が打ち込まれると、ワーク(W)の圧縮応力によって、摺動金型(113)が背圧に抗して下方に後退して、ワーク(W)の構成材料が摺動金型設置孔(112)に進入して羽根部が成形させる。こうしてワーク(W)がダイ凹部(111)および摺動金型設置孔(112)に対応する形状に成形されて、スクロール部品(100)が形成される。
このような鍛造加工においては、摺動金型設置孔(112)の内周壁面が成形加工面として構成されるため、その成形加工面としての設置孔内周壁面にも十分な離型剤等の潤滑剤を供給する必要がある。従って摺動金型(113)と設置孔(112)との隙間(クリアランス)を大きく設定するのが通例である。
国際公開第WO01/077398号(請求項4、図5,6) 特開平6−172947号(特許請求の範囲、図1−6)
上記従来の鍛造加工装置においては、摺動金型(113)の形状が平面視において渦巻き形状に形成されているため、ワーク(W)を介して摺動金型(113)に加わるパンチ(120)の荷重が、摺動金型(103)の平面方向全域に均等に分散されずに偏って作用することがある。このようにパンチ荷重が偏って作用した場合、既述したように金型(113)と設置孔(112)との間のクリアランスが大きく設定されているため、図21に示すように摺動金型(113)に、偏りや変形、傾倒等が生じて、その異常状態のまま摺動金型(113)が後退(降下)する。この降下中には、摺動金型(113)の外周面が摺動金型設置孔(112)の内周面に圧接状態で摺接するため、設置孔内周面の離型剤が掻き落とされてしまう。その結果、成形加工後に、製品を排出する際の型離れが悪くなり例えば、離型剤が掻き落とされた部分において、製品表面がむしり取られて、いわゆる焼き付きカジリが生じたり、成形加工後の製品が付着して排出時にバリや変形が生じて、滑らかな成形面を得ることができず、製品品質の低下を来してしまう。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、摺動金型とその設置孔との間に供給される離型剤等の潤滑剤が掻き落とされず安定状態に保持される成形用金型およびその関連技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
[1] ワークがセットされるダイ凹部を有するダイと、ダイ凹部に進入してワークを塑性変形させるパンチとを備える成形用金型であって、
一端がダイ凹部に開口する摺動金型設置孔が設けられるとともに、その摺動金型設置孔に摺動金型が摺動自在に設けられ、
摺動金型がダイ凹部に対し後退または進出されることにより、摺動金型設置孔の内周壁面および摺動金型の外周壁面のうち、いずれか一方の壁面がダイ凹部に対し露出されて成形用壁面として構成されるとともに、残り一方の壁面がダイ凹部に対し露出されない非露出壁面として構成されて、
非露出壁面に、成形用壁面側の潤滑剤が掻き落とされるのを防止するための潤滑剤逃がし空間部を設けたことを特徴とする成形用金型。
[2] 非露出壁面に複数の凹状部が形成されて、その凹状部によって潤滑剤逃がし空間部が形成される前項1に記載の成形用金型。
[3] 摺動金型設置孔は、ダイ凹部の下側にパンチ進入方向に沿って延びるように形成されるとともに、パンチ進入時には、摺動金型が背圧を受けつつパンチ進入方向に沿って後退するよう構成される前項1または2に記載の成形用金型。
[4] 成形用壁面と非露出壁面との間のクリアランスが0.1〜0.3mmに設定されるとともに、
非露出壁面における潤滑剤逃がし空間部の深さが0.2〜0.5mmに設定される前項1〜3のいずれか1項に記載の成形用金型。
[5] 非露出壁面を摺動方向に直交する平面で切断した際の断面視状態で、仮想のクリアランスライン上に非露出壁面が配置され、
断面視状態で、摺動方向のいずれの位置においても、仮想のクリアランスラインに対し、潤滑剤逃がし空間部が形成される範囲の比率が5〜95%に設定される前項1〜4のいずれか1項に記載の成形用金型。
[6] 非露出壁面を摺動方向に直交する平面で切断した際の断面視状態で、摺動方向のいずれの位置においても、潤滑剤逃がし空間部のない部分が存在しない前項1〜5のいずれか1項に記載の成形用金型。
[7] 潤滑剤逃がし空間部は、摺動方向に沿って直線状に連続して形成される前項1〜6のいずれか1項に記載の成形用金型。
[8] 非露出壁面を摺動方向の一端側から見た平面視状態で、仮想のクリアランスライン上に非露出壁面が配置され、
平面視状態で、潤滑剤逃がし空間部のうち、摺動方向の一端から他端にかけて見通せる部分を投光部としたとき、
平面視状態で、仮想のクリアランスラインに対し、投光部が形成される範囲の比率が5〜95%に設定される前項1〜7のいずれか1項に記載の成形用金型。
[9] 潤滑剤逃がし空間部の深さを「S1」、幅を「D」としたとき、S1/Dが1/1〜1/100に設定される前項1〜9のいずれか1項に記載の成形用金型。
[10] 前項1〜9のいずれか1項に記載の成形用金型を用いてワークを成形加工し、成形品を得ることを特徴とする成形品の製造方法。
[11] アルミニウム合金製のワークを用いる前項10に記載の成形品の製造方法。
[12] ワークの組成成分にSiが8〜12.5質量%含有される前項11に記載の成形品の製造方法。
[13] 離型剤として油性の潤滑剤を使用する前項10〜12のいずれか1項に記載の成形品の製造方法。
[14] 前項1〜9のいずれか1項に記載の成形用金型を用いてワークを成形加工し、成形品として、フランジの一面にスクロール羽根が一体成形されたスクロール部品を得ることを特徴とするスクロール部品の製造方法。
[15] 前項1〜9のいずれか1項に記載の成形用金型を備え、ワークを成形加工することを特徴する成形加工装置。
[16] 前項1〜9のいずれか1項に記載の成形用金型を備え、ワークを鍛造加工することを特徴する鍛造加工装置。
発明[1]の成形用金型によれば、摺動金型が摺動金型設置孔の内周壁面に摺接したとしても、成形用壁面側の潤滑剤が、潤滑剤逃がし空間部を通過することによって、非露出壁面によって掻き落とされることがなく、成形用壁面に十分な潤滑剤を保持させることができる。
発明[2]の成形用金型によれば、成形用壁面側の潤滑剤を、潤滑剤逃がし空間部に確実に通過させることができ、成形用壁面側の潤滑剤が掻き落とされるのを確実に防止することができる。
発明[3]の成形用金型によれば、スクロール部品等の成形品を加工することができる。
発明[4]〜[9]の成形用金型によれば、成形用壁面側の潤滑剤を、潤滑剤逃がし空間部により確実に通過させることができ、成形用壁面側の潤滑剤が掻き落とされるのをより確実に防止することができる。
発明[10]〜[12]によれば、上記と同様の作用効果を有する成形品を製造方法を提供することができる。
発明[13]によれば、摺動金型と摺動金型設置との隙間に潤滑剤を確実に供給することができる。
発明[14]によれば、上記と同様の作用効果を有するスクロール部品を製造方法を提供することができる。
発明[15]によれば、上記と同様の作用効果を有する成形加工装置を提供することができる。
発明[16]によれば、上記と同様の作用効果を有する鍛造加工装置を提供することができる。
図1はこの発明の第1実施形態である鍛造加工装置を示す概略正面図、図2〜4はその鍛造加工装置の成形用金型部分を示す断面図である。これらの図に示すようにこの鍛造加工装置は、上記図19に示すスクロール部品(100)を成形するための下金型(1)および上金型(5)を備えている。
上金型(5)は、上下方向に沿って配置されるパンチ(6)を備え、このパンチ(6)がパンチホルダー(52)を介して鍛造加工装置の上金型ベース(51)に固定されている。上金型ベース(51)は昇降駆動自在に構成されており、この昇降駆動に伴ってパンチ(6)が昇降するよう構成されている。
下金型(1)は、パンチ(6)に対応して、下金型ベース(11)に固定されるダイ(2)を備えている。ダイ(2)は、その上面側には、上方に開放され、かつパンチ(6)が進入可能なダイ凹部(21)が形成されている。このダイ凹部(21)は、平面視がスクロール部品(100)のフランジ(101)に対応して円形に形成されている。
またダイ(2)におけるダイ凹部(21)の下側には、軸心方向(上下方向)に沿って延び、かつ上端がダイ凹部(21)内に開口する摺動金型設置孔(3)が設けられている。この摺動金型設置孔(3)は、スクロール部品(100)のスクロール羽根(102)を成形するための部分を構成しており、図5に示すように平面視において、スクロール羽根(102)に対応して渦巻き状に形成されている。
さらに摺動金型設置孔(3)には図2〜5に示すように、その内周形状に対応して、平面視渦巻き形状の摺動金型(4)が適合状態に収容されて、摺動金型設置孔(3)に沿って上下方向に摺動移動自在に構成されている。
ダイ(2)の下方には、背圧板(5)が配置されており、摺動金型(4)が支持ピン(51)を介して背圧板(5)に支持されている。この背圧板(5)は、図示しない油圧/空圧または機械スプリング(バネ)等によって、パンチ進入方向とは反対方向(上向き)に背圧を付与できるように構成されており、後述するように、パンチ打ち込み時には、背圧板(5)および支持ピン(51)を介して摺動金型(4)に、背圧が付与されるようになっている。
さらに背圧板(5)の下方には、上方に突出可能なノックアウトピン(52)が設けられており、成形加工後に、ノックアウトピン(52)が突出することによって、受圧板(5)、支持ピン(51)および摺動金型(4)を介して、成形加工品が突き上げられて、ダイ(2)から排出されるよう構成されている。
本第1実施形態の鍛造加工装置により鍛造加工を行う場合には図2に示すように、必要に応じて加熱処理されたワーク(W)をダイ凹部(21)内にセットして、摺動金型(4)に背圧板(5)および支持部材(51)を介して上向きの背圧を付与する。
摺動金型(4)は背圧力によって、任意の位置で停止している。任意の位置とは、出来るだけ上方で待機しておくのが好ましく例えば、後述のスクロール羽根(102)の成形完了時の位置に対して10%以下の位置に待機しておくのが良い。
続いてこの状態で図3,6に示すように、パンチ(6)をダイ凹部(51)内に打ち込む。これによりまずワーク(W)が塑性変形しながら圧縮され、その圧縮応力によって、ワーク材料が摺動金型(4)を背圧に抗して下方に押し下げ、摺動金型設置孔(3)内に進入して、スクロール羽根(102)の部分が成形される。
こうしてダイ凹部(51)内で成形されるフランジ(101)に、摺動金型設置孔(3)内で成形されるスクロール羽根(102)が一体成形されて、スクロール部品(100)が成形される。
成形加工後の部品(100)は図4に示すように、ノックアウトピン(52)が突出することによって、ダイ(2)から外部に排出される。
ところで本実施形態の鍛造加工装置においては、熱間鍛造が採用されており、成形用金型に離型剤等の潤滑剤(潤滑油)が供給される。供給方法としては、潤滑剤を金型に直接スプレーにより吹き付ける方法等を採用することができる。なお本実施形態においては、下金型(1)および上金型(5)間に、必要に応じて自動的に潤滑剤噴射ノズルが進入して潤滑剤を吹き付けるようにした潤滑剤供給装置等を好適に採用することができる。
また潤滑剤としては例えば、水溶性や油性等の潤滑剤やこれらを混合したもの等を好適に用いることができる。
さらに潤滑剤としては油性のものまたは油性を含むものを好適に使用することができる。すなわち成形開始直前の状態においては例えば、摺動金型設置孔(3)内等、摺動部分の一部または全部が覆われており、このような隠蔽部には、水溶性の潤滑剤や粉末状の潤滑剤を浸透させることは困難である。これに対し、油性の潤滑剤であれば、摺動金型設置孔(3)と摺動金型(4)との隙間等の隠蔽部分にスムーズに浸透させることができ、潤滑剤を所望領域全域に確実に供給でき、潤滑による効果を十分に発揮することができる。
既述したように本実施形態においては図3,6に示すように、成形加工時に、摺動金型(4)が下方に後退することによって、摺動金型設置孔(3)における内周壁面(31)の一部(上部)が、ダイ凹部(21)に対し露出して、成形品表面(ワーク表面)の一部を成形する成形加工面として構成される。つまり本実施形態においては、摺動金型設置孔(3)の内周壁面(31)によって、いずれか一方の壁面としての成形用壁面が構成される。また摺動金型(4)の外周壁面(41)は、ダイ凹部(21)に対し露出せず、成形品表面(ワーク表面)を成形する成形加工面となることはない。つまり摺動金型(4)の外周壁面(41)によって、残り一方の壁面としての非露出壁面が構成される。
本実施形態においては図8〜10に示すように、摺動金型(4)の外周壁面(41)に、軸心方向(縦方向)に沿って直線状に連続して延びる複数の溝状の凹状部(43)が形成され、この複数の凹状部(43)によって潤滑剤逃がし空間部(10)が構成されている。ここで本実施形態では、外周壁面(41)において凹状部(43)の形成によって残存される領域、つまり凸状部(42)の上端部(上端面)によって、摺動金型(4)の外周壁面(41)が構成されている。なお潤滑剤逃がし空間部(10)の詳細な構成については後述する。
潤滑剤逃がし空間部(10)の形成方法としては、摺動金型(4)の外周壁面(41)に対し、放電加工、ワイヤーカット、旋盤加工、切削加工等を施して形成する方法等を採用することができる。
このように本第1実施形態の成形用金型においては、摺動金型(4)の外周壁面(41)に、潤滑剤逃がし空間部(10)を形成しているため、鍛造加工時に、摺動金型(4)に偏りや変形が生じた状態で摺動金型(4)が後退して、摺動金型(4)の外周壁面(41)が摺動金型設置孔(3)の内周壁面(31)に摺接したとしても、設置孔内周壁面(31)側の離型剤等の潤滑剤(潤滑油)は、潤滑剤逃がし空間部(10)を通過することによって、摺動金型(4)に掻き落とされることがなく、内周壁面(31)、つまり成形用壁面に十分な潤滑剤が残存される。従って、成形加工後に成形品(100)をダイ(2)から排出する際に、潤滑剤不足による不具合例えば、焼き付きカジリが生じたり、バリや変形が生じて、成形面が粗雑になる等の不具合が生じるのを防止でき、滑らかな成形面を有する高品質の鍛造加工製品を得ることができる。
さらに金型内に潤滑剤(離型剤)が掻き落とされることがなく十分に残っているので、成形加工品の排出をスムーズに行うことができ、生産性の向上も図ることができる。
また摺動金型設置孔内周壁面(31)および摺動金型外周壁面(41)に潤滑剤が十分保持されているため、摺動金型(41)が設置孔(31)内をスムーズに摺動でき、高い動作信頼性を確保することができる。
しかも本実施形態においては、潤滑剤が潤滑剤逃がし空間部(10)に保持されるため、この点においても、十分な潤滑剤を確保することができ、潤滑剤不足の発生をより確実に防止することができる。
さらに本実施形態においては、離型剤等の潤滑剤が削ぎ落とされるのを防止できるため、供給する潤滑剤(離型剤)の量を低減することができ、潤滑剤の有効利用やコストの削減等を図ることができる。
また本実施形態においては、潤滑剤逃がし空間部(10)を形成する凹状部(43)を、摺動金型(4)の外周壁面(41)、つまり非露出壁面(非成形用壁面)に形成しているため、成形品(ワークW)に凹凸部(42)(43)が接触することがなく、凹凸部(42)(43)による悪影響を確実に回避することができ、高い製品品質を維持することができる。
また本実施形態の鍛造加工装置においては、潤滑切れの発生を確実に抑えることができ、十分に潤滑剤が保持されるため、複雑な形状の鍛造加工を行う場合であっも、形状不良や焼き付きカジリ等の不具合が生じることもない。
また本発明においては、摺動金型(4)に背圧を付与して、スクロール羽根(102)を成長させるものであるため、羽根形成用の摺動金型設置孔(4)に対しメタルフロー量を均一にすることでき、成形加工品の羽根高さを均一に調整することができる。なお背圧力が高過ぎると、羽根成長過程で羽根が座屈して健全な製品が得られないおそれがある。これらの条件から、スクロール部品(100)のような羽根(102)とフランジ(101)の水平断面積比が、1/3〜1/5程度の形状で、羽根(102)の高さが、羽根(102)の厚みの4〜10倍の鍛造加工品を成形する場合、羽根先端への面圧として、一定背圧で、40〜120N/mm2 の範囲が適当であり、望ましくは、60〜100N/mm2 である。
次に本実施形態における潤滑剤逃がし空間部(10)の詳細な構成に説明する。
本実施形態においては図8の水平断面図に示すように、摺動金型設置孔(3)の内周壁面(成形用壁面31)と、摺動金型(4)の外周壁面(非露出壁面41)との間のクリアランス(S3)を0.1〜0.3mmに設定している。換言すれば、摺動金型設置孔(3)の内周壁面(31)の位置から外方に、0.1〜0.3mmの位置に仮想のクリアランスライン(Li)を設けて、その仮想クリアランスライン(Li)上に沿って、摺動金型(4)の外周壁面(41)を配置するようにしている。この構成により、摺動金型(4)を摺動金型設置孔(3)に沿って安定した状態で摺動させることができ、優れた動作安定性を確保することができる。
その上さらに本実施形態においては、仮想クリアランスライン(Li)上の摺動金型外周壁面(41)を基準にして、潤滑剤逃がし空間部(10)の深さ(S1)を0.2〜0.5mmに設定している。換言すれば、摺動金型外周壁面(41)と設置孔内周壁面(31)との間の寸法(S3)を0.1mm以上に設定するとともに、摺動金型外周壁面(41)と潤滑剤逃がし空間部(10)の底面との間の寸法(S2)を0.8mm以下に設定している。これにより摺動金型(4)と設置孔(3)との間の最小寸法が0.1mm、最大寸法を0.8mmに設定される。このため、潤滑剤逃がし空間部(10)に、潤滑剤を効率良く通過させることができ、潤滑剤の摺れ落ちを確実に抑制できて、潤滑剤不足が生じるのを確実に防止することができる。
また本実施形態においては図8,9に示すように、摺動金型外周壁面(非露出壁面41)を水平面(摺動方向に直交する平面)で切断した際の断面視状態で、摺動方向のいずれの位置においても、仮想クリアランスライン(Li)に対し、潤滑剤逃がし空間部(10)が形成される範囲の比率を5〜95%に設定している。具体的には図9に示すように、仮想クリアランスライン(Li)の長さを「L1」、各潤滑剤逃がし空間部(10)の範囲(幅)をそれぞれ「D1」「D2」「D3」…「Dn」としたとき、(D1+D2+D3…+Dn)/L1=0.05〜0.95に設定するのが良い。この構成においては、潤滑剤逃がし空間部(10)に、潤滑剤をスムーズ通過させることができ、潤滑剤が掻き落とされるのをより確実に抑制することができる。
特に本実施形態においては、摺動金型(4)の非露出壁面(41)における摺動方向(上下方向)のいずれの位置においても、潤滑剤逃がし空間部(10)のない部分が存在しない構成を採用するのが好ましい。換言すれば、非露出壁面(41)における摺動方向のいずれの位置においても、潤滑剤逃がし空間部(10)が存在する構成を採用するのが良い。この構成においては、潤滑剤逃がし空間部(10)に、潤滑剤を確実に通過させることができ、潤滑剤の摺れ落ちをより一層抑制することができる。
さらに本実施形態においては図10に示すように、潤滑剤逃がし空間部(10)が摺動方向(上下方向)に沿って直線状に形成するのが良い。
例えば摺動金型外周壁面(41)を上方(摺動方向の一方側)から見た平面視状態において、潤滑剤逃がし空間部(10)のうち少なくとも一部を、上端から下端にかけて見通せるような部分(投光部)に形成するのが良い。特に本実施形態においては、仮想クリアランスライン(Li)に対し、投光部が形成される範囲の比率を5〜95%に設定するのが良い。すなわちこの構成を採用する場合には、潤滑剤逃がし空間部(10)に潤滑剤をスムーズに通過させることができ、潤滑剤の摺れ落ち防止効果を一層向上させることができる。
また本実施形態においては図9に示すように、潤滑剤逃がし空間部(10)の深さを「S1」、幅を「D」としたとき、S1/Dが1/1〜1/100に設定するのが良い。すなわちこの構成を採用する場合には、潤滑剤逃がし空間部(10)に潤滑剤をより効率良く通過させることができ、潤滑剤の摺れ落ち防止効果をより向上させることができる。
なお上記実施形態においては、図9に示すように、縦方向に連続して延びる複数の凹状部(43)を形成して、潤滑剤逃がし空間部(10)を構成しているが、本発明において、潤滑剤逃がし空間部(10)の形状はそれだけに限られるものではない。例えば図11に示すように、摺動金型(4)の外周壁面(41)等の非成形壁面に、断続的に多数の凸状部(42)を残存形成して、その凸状部(42)以外の領域(凹状部43)を、潤滑剤逃がし空間部(10)として構成しても良い。
さらに言うまでもなく、本発明においては、凹状部(43)の幅は限定されるものではなく、図12や図13に示すように、凹状部(43)の幅を小さくして、その幅狭の凹状部(43)を潤滑剤逃がし空間部(10)として構成するようにしても良い。
また本発明においては図14に示すように、狭い幅の潤滑剤逃がし空間部(10)を短い間隔(ピッチ)で形成するようにしても良いし、ランダムなピッチで形成するようにしても良い。
さらに本発明において、連続状の潤滑剤逃がし空間部(10)を形成する場合、潤滑剤逃がし空間部(10)を、必ずしも軸心方向(摺動方向)と平行に形成する必要はなく、摺動方向に対し角度を持たせるように形成していも良い。
なお本実施形態において製造されるスクロール部品(100)は、主としてエアコンディショナーにおけるスクロールコンプレッサ(圧縮機)に採用される。スクロールコンプレッサは、共にスクロール部品(100)によって構成される固定スクロールおよび可動スクロールが対向状態に嵌合されるものであり、可動スクロールが固定スクロールに対し偏心回転されるように構成されている。これらのスクロールは、軽量化のためアルミニウム合金で製造されることが多く、その製法としては、鋳造加工、鍛造加工等が用いられるが、強度と信頼性の面や、形状の複雑さ等を考慮した場合、本実施形態のように鍛造加工により製造するのが有利である。
本実施形態において、鍛造用素材(ワークW)の材質は、従来より周知の各種の金属を使用できるが例えば、アルミニウム、鉄、銅、真鍮、マグネシウムや、それらの合金等を好適に用いることができる。特に軽量化を目的とする場合には、アルミニウムや、その合金を用いるのが良く例えば、合金記号が2000、3000、4000、5000、6000、7000系の合金等を好適に用いることができる。
特に、アルミニウム合金製鍛造スクロール部品としては、Si:8〜12.5質量%、Cu:1〜5質量%、Mg:0.2〜1.3質量%含むアルミニウム合金を用いるのが好ましい。アルミニウム合金は、更に、Ni:2.0質量%以下、及び/又は、Sr、Ca、Na、Sbから選ばれる1種以上を、計0.5質量%以下含むアルミニウム合金であることが好ましい。さらにアルミニウム合金のSi粒子径が15μm未満で平均Si粒子径が3μm以下であることが好ましい。なおSi粒子径とは、初晶Si及び共晶Siの粒径を含むものである。すなわちこの構成を採用する場合、冷却速度の大きい鋳造材としているため、内部の組織、特に初晶Siの抑制、共晶Siの微細化等が達成されるためである。さらに鋳造材に若干塑性加工を加えることにより、伸びや疲労特性が良くなる効果もある。
また、上記合金組成のものにおいて、共晶Si粒径は15μm以上のものは実質的に見られず、通常最大で10μm程度である。また平均粒径では、3μm以下とすることができる。ここでいう実質的に見られずとは、顕微鏡の一視野内に発見されない確率が99%以上あるということである。このような状態を15μm以上の粒径Si粒子を実質的に含まないことを意味する。
なお粒径は顕微鏡写真から粒子の大きさを直接計測することもできるが、ルーゼックス等の名称で呼ばれる顕微鏡画像解析装置により、画像処理を行い求めることが正確であり好ましい。本発明では、1個ごとの粒子の面積を同一面積の円相当に換算した時の直径を粒径と定義する。
また素材合金におけるSi含量が約11質量%までは、Siの添加量に比例して、微細な数μmの共晶Si粒子がAl生地中に分散晶出し、これがこの合金の耐摩耗性を高める。このため、Si含量は高めが良く、8.0%質量未満ではスクロール部品等の摺動部品としての耐摩耗効果が十分発揮できないことがある。
さらにSi含量が12.5質量%を超えると、Siは初晶として晶出し、この初晶は粗大化しやすく、数10μmに達する。このため、切断時の鋸刃の磨耗や、後加工での切削時にバイトの刃先がこの初晶に当たり刃先を欠き、仕上げに問題を生じたり、鍛造品の外面に近い部分で応力集中の起こり易い部分に偏在すると、破壊基点となり機械的強度を欠くおそれがある。従って、Siは、12.5質量%を上限とするのが良い。
Cuは、数%質量の添加で後の熱処理によりAl基地の強度を向上させるとともに、耐摩耗性にも寄与する。Cuが1.0質量%未満では、強度向上に寄与せず、5.0質量%を超えても強度向上の効果は飽和してしまうおそれがある。従って、Cuは1.0〜5.0質量%とするのが良い。
Mgは、Siと結びつき、熱処理後にMg2 Siの微細な析出物となり、製品の硬化に寄与する。また、MgSiCu系の化合物として同様に熱処理後に析出物となり製品の硬化に寄与し、いずれも強度を高める。Mgが0.2%質量未満では、この効果が薄く、1.3%質量を超えて添加しても効果は向上しないことがある。また、鋳造加工において酸化物の発生、混入等で欠陥となるおそれがある。従ってMgは、0.2〜1.3質量%とするのが良い。
なお、本発明においては、アルミニウム合金は、耐熱強度を上げるため、必要に応じて、Niを2.0質量%以下添加することもできる。添加量としては、0.1質量%以下ではあまり効果がなく、2.0質量%を超えると粗大晶出物ができ、逆に強度を低める結果となるおそれがある。従ってNiの添加量は、0.1〜2.0質量%の範囲が好ましい。
上記のアルミニウム合金は、いわゆる共晶Siを耐摩耗性の1因子として利用するものであるが、この共晶をより均一に微細に分散させるため、また、粗大な初晶の発生を抑えるために、Sr,Ca,Na、Sb等の中から選ばれる1種以上の元素を計0.5質量%以下添加することもできる。好ましくは、Sbが、0.05〜0.5質量%、Srが0.005〜0.05質量%であり、特にSrは、微量添加で効果が得られ、またSrは溶解時の酸化等による減量が少なく望ましい。
ワーク素材を製造するに際しては例えば、アルミニウム合金を直径130mm以下、好ましくは、直径85mm以下の丸棒を製造する工程と、該アルミニウム合金丸棒を切断し鍛造用素材とする工程とを含ませることで実施することができる。さらには該鍛造用素材を20〜70%の加工率で据込み加工した予備成形品を鍛造用素材とすることができる。ここでいう加工率は、以下の式に基いて求められる。
加工率(%)=100×(加工後の断面積−加工前の断面積)/加工後の断面積
=100×(加工前の高さ−加工後の高さ)/加工前の高さ
また通常据込み加工は、加工率が低い場合は室温でも可能であるが、材料を加熱した状態で熱間で行った場合の方が加工率を大きく取れるので望ましい。
本発明に用いる素材用の丸棒の製法は、連続鋳造、押出、圧延等いずれであっても良い。アルミニウムやアルミニウム合金の場合、連続鋳造された丸棒材が安価で入手が容易であるため好ましい。アルミニウム合金においては、気体加圧式ホットトップ鋳造法で連続鋳造された丸棒材(例えば、昭和電工株式会社製の「SHOTIC材(登録商標)」)が、優れた内部健全性を持ち、結晶粒が微細であり、かつ、塑性加工による結晶粒の異方性がないため、摩擦抵抗部の抵抗効果を安定的に得ることができるので好ましい。
丸棒材は、所定の長さに切断したものを用い、必要に応じて焼きなまし処理を行った後、使用する。
またアルミニウム合金が連続鋳造された丸棒材においては予め、480〜520℃の温度で0.5〜4時間の均質化熱処理及び/又はその表面にピーリング加工処理を行うようにしても良い。
本実施形態の熱間鍛造においては、被加工材(ワークW)にも潤滑剤を塗布して、金型への材料の焼き付きカジリを防止するのが良い。
さらに好ましくは、素材(被加工材)を潤滑剤の液中に浸漬して潤滑皮膜を被加工材に予め塗布するのが良い。特に鍛造加工品がスクロール部品(100)のような形状の場合、羽根(102)が高いため、深く羽根形状に彫りこんだ金型に材料(メタル)を流動させる必要がある。このためスプレー方式では彫りこまれた金型の羽根形状の内壁また潤滑剤が完全に行き渡らないことがある。すると、成型と離型が不完全となり、鍛造加工が困難になるおそれがあるが、上記したように被加工材に予備浸漬による素材潤滑手法を併用することで、潤滑・離型効果を高め、生産性が高く、加工精度も優れた鍛造加工を実現することができる。
被加工材の表面に潤滑皮膜を形成する方法としては、溶剤に黒鉛潤滑を混合した液を調合し、それを被加工材に塗布する方法を採用することができる。また生産性の高い工程を考えた場合には、速乾性の溶剤に希釈した潤滑剤を塗布もしくは吹き付ける方法を採用することができる。しかし最も経済的な方法としては、溶媒を水として、黒鉛粉末を混合・分散させた潤滑液を調合し、被加工材を加熱し浸漬した後、乾燥する方法を採用するのが良い。この場合の被加工材の加熱温度は、溶剤である水が十分短時間で蒸発・乾燥する温度が必要で、水の沸点以上でないと、潤滑液が浸漬後も表面に乾かず残るため速乾性は得られない。従って、100℃以上は必須であり、130℃以上に調整するのが、生産性の点で望ましい。また、上限温度は、被加工材が溶解等の材質劣化を起こさない温度以下に設定すればよく、500℃以下、望ましくは450℃以下に設定する。被加工材の加熱には通常、加熱炉が用いられるが、熱間の据込み加工後の被加工材の余熱をそのまま利用し、据込み加工直後に潤滑液中に浸漬することも可能である。この方法では、据込み成形後に潤滑剤の皮膜を形成し、そのまま取り出して乾燥させることができる。
さらに、この被加工材の余熱を利用する方法を採用すれば、切断、加熱、据込み、潤滑、鍛造を連続して実施することも可能であり、効率的に生産することができる。
また、据込み加工と鍛造加工を1台のプレス機で同時に行うことも可能であり、その場合には、切断、加熱、潤滑、据込み、鍛造の工程で連続生産が可能となる。
本実施形態においては、上記したように鍛造用材料を素材(ワークW)として、熱間鍛造を行う。鍛造用素材(ワークW)の径は、スクロール部品(100)のフランジ外径に合わせて決定される。
熱間鍛造において、素材の温度は、300〜450℃、好ましくは350〜450℃で行う。温度が低すぎると所望の形状が得られないか、限界割れが発生する。温度が高すぎると膨れ、挫屈等が生じる可能性がある。
鍛造加工によって得られたスクロール部品(100)は、強度及び耐摩耗性を付与するため、溶体化処理及び時効処理することが好ましい。溶体化処理及び時効処理とは、所定の温度に加熱処理した後、焼入れをし再度、所定の温度にて、所定時間保持する処理のことである。たとえば溶体化処理の温度は、490〜500℃が好ましく、水中焼入れ後、160〜210℃(好ましくは、170〜190℃)で1〜8時間(好ましくは、3〜6時間)の適当な条件を選ぶことにより時効硬化させることができ、HRB(ロックウェルBスケール)70〜85程度の十分な硬度の鍛造加工品が得られる。
更に、熱処理後の鍛造加工品は、必要に応じて、羽根の高さ、形状等を精密切削加工することによりスクロール製品としてコンプレッサ等へ組み込むことができる。
なお上記実施形態においては、スクロール部品(100)を製造する場合を例に挙げて説明したが、本発明においては、他の鍛造加工製品を製造する場合にも適用することができる。
さらに上記実施形態では、熱間鍛造を採用しているが、それだけに限られず、本発明においては、冷間鍛造や、温間鍛造を採用することができる。
図15はこの発明の第2実施形態である成形用金型を示す図である。同図に示すように、この成形用金型は、複動成形式鍛造加工用のものであって、ダイ(2)におけるダイ凹部(21)の下側には、軸心方向(上下方向)に沿って延び、かつ上端がダイ凹部(21)に開口された下側摺動金型設置孔(3a)が設けられるとともに、設置孔(3a)内には、その孔(3a)の軸心に沿って摺動駆動する下側摺動金型(4a)が配置されている。さらにダイ(2)におけるダイ凹部(21)の両側には、軸心方向に対し直交する方向(水平方向)に沿って延び、かつ端部がダイ凹部(21)に開口された両側摺動金型設置孔(3b)(3b)が設けられるとともに、各設置孔(3b)(3b)には、その孔(3b)(3b)の軸心に沿って摺動駆動する複動パンチ等の両側摺動金型(4b)(4b)が設けられている。
その他の構成は、上記第1実施形態と実質的に同様であるため、同一または相当部分に、同一または相当符号を付して、重複説明は省略する。
この第2実施形態の成形用金型においては図16に示すように、ダイ凹部(21)内にワーク(W)を配置した状態で主動パンチ(6)がダイ凹部(21)内に打ち込まれると、下側摺動金型(4a)が下方に後退して、下側摺動金型設置孔(3b)の上部が成形部として構成される。さらに両側摺動金型(4b)(4b)がダイ凹部(21)内に進入してワーク(W)が凹没成形される。
そしてこの成形用金型においては、下側摺動金型設置孔(3a)の内周壁面(31a)が、ダイ凹部(21)に対し露出される成形用壁面として構成されるとともに、下側摺動金型(4a)の外周壁面(41a)が、非露出壁面として構成される。従ってこの非露出壁面としての下側摺動金型外周壁面(41a)に、上記実施形態と同様に、凹状部(43)等によって構成される潤滑剤逃がし空間部(10)が形成されている。
さらに両側摺動金型(4b)(4b)の外周壁面(41b)(41b)が、ダイ凹部(21)内に出現(露出)される成形用壁面として構成されるとともに、この両側摺動金型設置孔(3b)(3b)の内周壁面(31b)(31b)が、非露出壁面として構成される。従ってこの非露出壁面としての両側摺動金型設置孔内周壁面(31b)(31b)に、上記実施形態と同様に、凹状部(43)等によって構成される潤滑剤逃がし空間部(10)が形成されている。
この第2実施形態の成形用金型においても、上記第1実施形態と同様に同様の作用効果を得ることができる。
図17はこの発明の第3実施形態である成形用金型を示す図である。同図に示すように、この第3実施形態の成形用金型は、複動成形式鍛造加工用のものであって、ダイ(2)におけるダイ凹部(21)の下側には、軸心方向(上下方向)に沿って延び、かつ上端がダイ凹部(21)に開口された下側摺動金型設置孔(3c)が設けられるとともに、設置孔(3c)内には、その孔(3c)の軸心に沿って摺動駆動する複動パンチ等の下側摺動金型(4c)が配置されている。さらに主動パンチ(6)には、その軸心方向に沿って延び、かつ下端が開口された上側摺動金型設置孔(3d)が設けられるとともに、設置孔(3d)内には、その孔(3d)の軸心に沿って摺動駆動する複動パンチ等の上側摺動金型(4d)が配置されている。
その他の構成は、上記第1,2実施形態等と実質的に同様であるため、同一または相当部分に、同一または相当符号を付して、重複説明は省略する。
この第3実施形態の成形用金型においては図18に示すように、ダイ凹部(21)内にワーク(W)を配置した状態で主動パンチ(6)がダイ凹部(21)内に打ち込まれると、下側摺動金型(4c)が上方へ進出して、ワーク(W)が凹没成形されるとともに、上側摺動金型(4d)が下方へ進出して、ワーク(W)が凹没成形される。
そしてこの成形用金型においては、下側摺動金型(4c)の外周壁面(41c)が、ダイ凹部(21)に対し出現(露出)される成形用壁面として構成されるとともに、下側摺動金型設置孔(3c)の内周壁面(31c)が、非露出壁面として構成される。従って下側摺動金型設置孔内周壁面(31c)に、上記と同様に、潤滑剤逃がし空間部(10)が形成される。
さらに上側摺動金型(4d)の外周壁面(41d)が、ダイ凹部(21)に対し出現(露出)される成形用壁面として構成されるとともに、上側摺動金型設置孔(3d)の内周壁面(31d)が非露出壁面として構成される。従って上側摺動金型設置孔内周壁面(31d)に、上記と同様に、潤滑剤逃がし空間部(10)が形成される。
この第3実施形態の成形用金型においても、上記と同様に同様の作用効果を得ることができる。
Figure 0004843466
<実施例1>
上記実施形態の鍛造加工装置(図1,2参照)の成形用金型に準拠して成形用金型を作製し、図19に示すスクロール部品(100)を製造した。
このとき、スクロール部品(100)のフランジ(101)の外径(直径)が100mm、羽根(102)の高さが40mmとなるように、各金型の寸法を設計した。
さらに表1に示すように、ダイ(2)に設けられた摺動金型設置孔(3)と摺動金型(4)との間におけるクリアランスS3(図8参照)を0.3mmに設定した。さらに摺動金型(4)の外周壁面(41)に図14に示すような潤滑剤逃がし空間部(10)を形成した。このとき、潤滑剤逃がし空間部(10)において、深さS1(図8参照)を0.5mm、幅D(図8参照)を1.0mm、幅(D)に対する深さ(S1)を1/2に設定した。さらに隣合う潤滑剤逃がし空間部(10)の間隔を0.5mmに設定して、繰り返しピッチ(幅+間隔)を1.5mmに設定した。
以上の構成を成形用金型を用いて、上記実施形態と同様に、鍛造加工を行った。なおパンチ(6)を打ち込む直前に、ダイ凹部(21)内全域に満遍なく、油性の潤滑剤を塗布量2mg/mm2 でスプレーにより吹き付けて供給した。
そして鍛造加工を行った後、加工済のスクロール部品(100)を目視により観察して、スクロール羽根(102)の部分において、潤滑剤不足(油切れ)に起因するカジリの発生が生じているか否か等、表面仕上がり具合(成形性)を観察した。その結果を表1に併せて示す。
<実施例2>
表1に示すように摺動金型(4)の外周壁面(41)に図7に示すような潤滑剤逃がし空間部(10)を形成した。このとき、潤滑剤逃がし空間部(10)において、深さ(S1)を0.3mm、幅(D)を4mm、幅(D)に対する深さ(S1)を0.3/4に設定した。さらに隣合う潤滑剤逃がし空間部(10)の間隔を1mmに設定して、繰り返しピッチ(幅+間隔)を5mmに設定した。
また摺動金型設置孔(3)と摺動金型(4)との間におけるクリアランスS3(図8参照)は0.2mmに設定した。
これ以外は、上記と同様に成形用金型を準備して、同様に鍛造加工を行って、同様の観察を行った。その観察結果を表1に併せて示す。
<実施例3>
表1に示すように摺動金型(4)の外周壁面(41)に図12に示すような潤滑剤逃がし空間部(10)を形成した。このとき、潤滑剤逃がし空間部(10)において、深さ(S1)を0.3mmに、幅(D)1mm、幅(D)をに対する深さ(S1)を0.3/1に設定した。さらに隣合う潤滑剤逃がし空間部(10)の間隔を4mmに設定して、繰り返しピッチ(幅+間隔)を5mmに設定した。
また摺動金型設置孔(3)と摺動金型(4)との間におけるクリアランスS3(図8参照)は0.2mmに設定した。
これ以外は、上記と同様に成形用金型を準備して、同様に鍛造加工を行って、同様の観察を行った。その観察結果を表1に併せて示す。
<比較例>
表1に示すように外周壁面に潤滑剤逃がし空間部を有しない摺動金型を用い、摺動金型設置孔(3)と摺動金型(4)との間におけるクリアランスS3(図8参照)を0.3mmに設定した。それ以外は上記と同様にして、成形用金型を準備し、同様に鍛造加工を行って同様の観察を行った。その観察結果を表1に併せて示す。
<評価>
表1から明らかなように、本発明に関連した実施例1〜3の鍛造加工品は、スクロール羽根における表面仕上がり具合が良好であり、潤滑剤不足(油切れ)に起因する焼き付きカジリ、バリの発生等の不具合が生じていなかった。
これに対し、比較例の鍛造加工品は、スクロール羽根における表面仕上がり具合が不良であり、潤滑剤不足(油切れ)に起因する焼き付きカジリ、バリ等が発生していた。
この発明の成形用金型は、鍛造加工用に好適に用いることができる。
この発明の第1実施形態の鍛造加工装置を示す正面図である。 この発明の第1実施形態の成形用金型を成形開始直後の状態で示す断面図である。 第1実施形態の成形用金型を成形途中の状態で示す断面図である。 第1実施形態の成形用金型を成形品排出直前の状態で示す断面図である。 第1実施形態の成形用金型における摺動金型周辺部を示す水平断面図である。 図3の一点鎖線で囲まれる部分を拡大して示す断面図である。 図5の一点鎖線で囲まれる部分を拡大して示す水平断面図である。 第1実施形態の成形用金型における摺動金型と設置孔との摺接部を拡大して示す水平断面図である。 第1実施形態の摺動金型と設置孔との摺接部を拡大して示す斜視図である。 第1実施形態の摺動金型における摺動金型の潤滑剤逃がし空間部周辺を拡大して示す斜視図である。 この発明の第1変形例としての成形用金型における摺動金型の潤滑剤逃がし空間部周辺を拡大して示す斜視図である。 図6に相当する図であって、この発明の第2変形例としての成形用金型における摺動金型と設置孔との摺接部を拡大して示す水平断面図である。 この発明の第3変形例としての成形用金型における摺動金型と設置孔との摺接部を拡大して示す水平断面図である。 この発明の第4変形例としての成形用金型における摺動金型と設置孔との摺接部を拡大して示す水平断面図である。 この発明の第2実施形態である成形用金型を成形開始直前の状態で示す断面図である。 第2実施形態の成形用金型を成形途中の状態で示す断面図である。 この発明の第3実施形態である成形用金型を成形開始直前の状態で示す断面図である。 第3実施形態の成形用金型を成形途中の状態で示す断面図である。 鍛造加工によって成形されたスクロール部品を示す斜視図である。 従来の鍛造用金型を成形直前の状態で示す概略断面図である。 従来の鍛造用金型の問題点を説明するための概略断面図である。
符号の説明
2…ダイ
21…ダイ凹部
3,3a,3b,3c,3d…摺動金型設置孔
31,31a,31b,31c,31d…内周壁面
4,4a,4b,4c,4d…摺動金型
41,41a,41b,41c,41d…外周壁面
43…凹状部
6…パンチ
10…潤滑剤逃がし空間部
100…スクロール部品
101…フランジ
102…スクロール羽根
S1…潤滑剤逃がし空間部の深さ
S3…クリアランス
Li…仮想クリアランスライン
W…ワーク

Claims (16)

  1. ワークがセットされるダイ凹部を有するダイと、ダイ凹部に進入してワークを塑性変形させるパンチとを備える成形用金型であって、
    一端がダイ凹部に開口する摺動金型設置孔が設けられるとともに、その摺動金型設置孔に摺動金型が摺動自在に設けられ、
    成形加工時に、摺動金型がダイ凹部に対し後退または進出されることにより、摺動金型設置孔の内周壁面および摺動金型の外周壁面のうち、いずれか一方の壁面がダイ凹部に対し露出されて成形用壁面として構成されるとともに、残り一方の壁面がダイ凹部に対し露出されない非露出壁面として構成されて、
    非露出壁面に、成形用壁面側の潤滑剤が掻き落とされるのを防止するための潤滑剤逃がし空間部を設けるとともに、
    非露出壁面を摺動方向の一端側から見た状態で、前記潤滑剤逃がし空間部のうち少なくとも一部を、摺動方向の一端から他端にかけて見通せる部分に形成したことを特徴とする成形用金型。
  2. 非露出壁面に複数の凹状部が形成されて、その凹状部によって潤滑剤逃がし空間部が形成される請求項1に記載の成形用金型。
  3. 摺動金型設置孔は、ダイ凹部の下側にパンチ進入方向に沿って延びるように形成されるとともに、パンチ進入時には、摺動金型が背圧を受けつつパンチ進入方向に沿って後退するよう構成される請求項1または2に記載の成形用金型。
  4. 成形用壁面と非露出壁面との間のクリアランスが0.1〜0.3mmに設定されるとともに、
    非露出壁面における潤滑剤逃がし空間部の深さが0.2〜0.5mmに設定される請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形用金型。
  5. 非露出壁面を摺動方向に直交する平面で切断した際の断面視状態で、仮想のクリアランスライン上に非露出壁面が配置され、
    断面視状態で、摺動方向のいずれの位置においても、仮想のクリアランスラインに対し、潤滑剤逃がし空間部が形成される範囲の比率が5〜95%に設定される請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形用金型。
  6. 非露出壁面を摺動方向に直交する平面で切断した際の断面視状態で、摺動方向のいずれの位置においても、潤滑剤逃がし空間部のない部分が存在しない請求項1〜5のいずれか1項に記載の成形用金型。
  7. 潤滑剤逃がし空間部は、摺動方向に沿って直線状に連続して形成される請求項1〜6のいずれか1項に記載の成形用金型。
  8. 非露出壁面を摺動方向の一端側から見た平面視状態で、仮想のクリアランスライン上に非露出壁面が配置され、
    平面視状態で、潤滑剤逃がし空間部のうち、摺動方向の一端から他端にかけて見通せる部分を投光部としたとき、
    平面視状態で、仮想のクリアランスラインに対し、投光部が形成される範囲の比率が5〜95%に設定される請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形用金型。
  9. 潤滑剤逃がし空間部の深さを「S1」、幅を「D」としたとき、S1/Dが1/1〜1/100に設定される請求項1〜8のいずれか1項に記載の成形用金型。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の成形用金型を用いてワークを成形加工し、成形品を得ることを特徴とする成形品の製造方法。
  11. アルミニウム合金製のワークを用いる請求項10に記載の成形品の製造方法。
  12. ワークの組成成分にSiが8〜12.5質量%含有される請求項11に記載の成形品の製造方法。
  13. 離型剤として油性の潤滑剤を使用する請求項10〜12のいずれか1項に記載の成形品の製造方法。
  14. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の成形用金型を用いてワークを成形加工し、成形品として、フランジの一面にスクロール羽根が一体成形されたスクロール部品を得ることを特徴とするスクロール部品の製造方法。
  15. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の成形用金型を備え、ワークを成形加工することを特徴する成形加工装置。
  16. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の成形用金型を備え、ワークを鍛造加工することを特徴する鍛造加工装置。
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