JP5375971B2 - 電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電極における固体の析出を回避することにより、失活を未然に防止できる電池に関する。
金属空気電池は、金属(例えば、リチウム等)を負極活物質に、酸素を正極活物質に利用した、充放電可能な電池である。正極活物質である酸素は空気から得られるため、電池内に正極活物質を封入する必要がないことから、理論上、金属空気電池は、固体の正極活物質を用いる二次電池よりも大きな容量を実現できる。
金属空気電池においては、放電の際、負極では式(1)の反応が進行する。
2Li → 2Li + 2e (1)
式(1)で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、正極に到達する。そして、式(1)で生じたリチウムイオン(Li)は、負極と正極に挟持された電解質内を、負極側から正極側に電気浸透により移動する。
また、放電の際、正極では式(2)及び式(3)の反応が進行する。
2Li + O + 2e → Li (2)
2Li + 1/2O + 2e → LiO (3)
生じた過酸化リチウム(Li)及び酸化リチウム(LiO)は、固体として空気極に蓄積される。
充電時においては、負極において上記式(1)の逆反応、正極において上記式(2)及び式(3)の逆反応がそれぞれ進行し、負極においては金属リチウムが再生するため、再放電が可能となる。
従来の金属空気電池は、上記式(2)及び式(3)の反応生成物である過酸化リチウム(Li)及び酸化リチウム(LiO)等からなる固体が空気極に蓄積し、そのため空気極が目詰まりして電解液と空気との接触が遮断され、充放電に支障をきたすという問題が生じていた。
このような空気極における固体析出の解消を図るリチウム−空気電池の技術として、非特許文献1には、リチウムイオン伝導性固体電解質と負極との間に有機電解液を、当該電解質と空気極との間に水性電解液を配置することにより、空気極での固体反応生成物である酸化リチウム(LiO)の析出防止を図る技術が開示されている。
周豪慎、外1名、"新しい構造の高性能「リチウム‐空気電池」を開発"、[online]、平成21年2月24日、独立行政法人産業技術総合研究所、[平成21年12月9日検索]、インターネット〈URL:http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2009/pr20090224/pr20090224.html〉
当該文献に開示されたリチウム−空気電池においては、放電の際、負極では式(4)の反応が進行するとされている。
Li → Li + e (4)
上記式(4)によると、金属リチウムLiはリチウムイオンLiとして有機電解液に溶けだし、電子は導線に供給される。溶解したリチウムイオンLiは固体電解質を通り抜けて正極の水性電解液に移動する。
一方、当該リチウム−空気電池においては、放電の際、正極では式(5)の反応が進行するとされている。
+ 2HO + 4e → 4OH (5)
上記式(5)によると、導線から電子が供給されて、空気極の表面で空気中の酸素と水が反応して水酸化物イオンOHが生じる。空気極側の水性電解液において、上記式(4)において発生したリチウムイオンLiと出会って水溶性の水酸化リチウムLiOHとなる。
以上のように、非特許文献1に開示されたリチウム−空気電池は、リチウムイオン伝導性固体電解質と空気極との間に配置された水性電解液に、電極反応によって生じる塩である水酸化リチウムLiOHを溶解させることによって、塩の析出防止を図っている。しかし、非特許文献1においては、水性電解液中の塩の飽和溶解度については一切考察されていないため、水酸化リチウム濃度が当該飽和溶解度を超えた場合においては、水酸化リチウムの析出が始まることが予想される。したがって、非特許文献1に開示されたリチウム空気電池は、解決すべき課題が十分に達成できる発明であるとは考えられない。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、電極における固体の析出を回避することにより、失活を未然に防止できる電池を提供することを目的とする。
本発明の電池は、アニオン伝導体の一面側に第1の水系電解液層及び正極がこの順番で配置され、他面側に第2の水系電解液層及び負極がこの順番で配置され、且つ、前記負極が負極活物質層を備え、且つ、当該負極活物質層が、放電時に金属イオンを放出可能な負極活物質を含み、且つ、前記アニオン伝導体は、アニオン伝導性且つカチオン非伝導性を有することを特徴とする。
このような構成の電池は、前記正極と前記負極との間に介在する前記アニオン伝導体によって、放電時に前記負極活物質層から放出された前記金属イオンが前記正極に到達するのを防ぐことができるため、前記金属イオン由来の金属塩が前記第1の水系電解液層に混在することが無く、当該金属塩が前記正極に析出するのを防ぐことができる。また、このような構成の電池は、前記金属塩の析出のおそれが無いため、前記第1の水系電解液層及び前記第2の水系電解液層の塩濃度を調節することによって、電池全体の体積当たりのエネルギー密度を向上させることができる。
本発明の電池の一形態としては、前記第2の水系電解液層と前記負極との間に、カチオン伝導性且つアニオン非伝導性を有する第1の固体電解質が配置されているという構成をとることができる。
このような構成の電池は、前記第1の固体電解質によって、放電時に前記正極から放出されたアニオンが前記負極に到達するのを防ぐことができるため、前記金属イオンと前記アニオンから生成される金属塩が前記負極に析出するのを防ぐことができる。
本発明の電池の一形態としては、前記第1の固体電解質と前記負極との間に、第3の水系電解液層が配置されているという構成をとることができる。
このような構成の電池は、前記第1の固体電解質によって、放電時に前記正極から放出されたアニオンが前記負極に到達するのを防ぐことができるため、前記金属イオンと前記アニオンから生成される金属塩が前記第3の水系電解液層に混在することが無く、当該金属塩が前記負極に析出するのを防ぐことができる。
本発明の電池の一形態としては、前記第2の水系電解液層と前記負極との間に、カチオン伝導性且つアニオン非伝導性を有する固体電解質、及び、カチオン伝導性且つアニオン伝導性を有する固体電解質からなる群から選ばれる第2の固体電解質、並びに、非水系電解液層がこの順番で配置されているという構成をとることができる。
このような構成の電池は、放電時に前記正極から放出されたアニオンが、前記非水系電解液層に極めて低い濃度でしか存在できないため、前記金属イオンと前記アニオンから生成される金属塩が前記非水系電解液層に混在することが無く、当該金属塩が前記負極に析出するのを防ぐことができる。
本発明の電池の一形態としては、金属空気電池であるという構成をとることができる。
本発明の電池の一形態としては、前記負極活物質としてリチウムを含み、且つ、前記正極が正極活物質層を備え、且つ、当該正極活物質層が、正極活物質として銅を含むという構成をとることができる。
このような構成の電池は、リチウムと銅という、標準電極電位の差が大きい組み合わせを電極として用いているため、高い電圧を達成することができる。
本発明によれば、前記正極と前記負極との間に介在する前記アニオン伝導体によって、放電時に前記負極活物質層から放出された前記金属イオンが前記正極に到達するのを防ぐことができるため、前記金属イオン由来の金属塩が前記第1の水系電解液層に混在することが無く、当該金属塩が前記正極に析出するのを防ぐことができる。また、本発明によれば、前記金属塩の析出のおそれが無いため、前記第1の水系電解液層及び前記第2の水系電解液層の塩濃度を調節することによって、電池全体の体積当たりのエネルギー密度を向上させることができる。
本発明の電池の典型的な構成の断面模式図である。 本発明の電池の第1の典型例の断面模式図である。 本発明の電池の第2の典型例の断面模式図である。 本発明の電池の第3の典型例の断面模式図である。 本発明の電池の第4の典型例の断面模式図である。
本発明の電池は、アニオン伝導体の一面側に第1の水系電解液層及び正極がこの順番で配置され、他面側に第2の水系電解液層及び負極がこの順番で配置され、且つ、前記負極が負極活物質層を備え、且つ、当該負極活物質層が、放電時に金属イオンを放出可能な負極活物質を含むことを特徴とする。
上述した非特許文献1に記載された金属空気電池は、正極に酸素を還元するガス拡散電極、負極に金属リチウム、正極側の電解液にアルカリ水溶液を有し、さらに、負極と電解液との間にはリチウムイオン透過性の隔壁を有している。
このような従来の水性電解液を用いた電池は、上述したように、水性電解液中の金属塩の飽和溶解度について全く考慮がなされていない。水性電解液中の金属塩(代表例としては、リチウム塩)の濃度が、水性電解液の飽和溶解度を超えた状態においては、エネルギーの比較的高い部位、例えば、空気極や電池内壁等の固体表面に塩の結晶生成核が形成される。電池内で結晶成長に必要な雰囲気条件が均一であると仮定すると、空気極表面で特に塩の結晶が析出し易く、このように固体結晶が析出した部位においては、空気及びイオンの伝導路は完全に塞がれてしまう。このように、従来の金属空気電池においては、空気極内の固体結晶生成により、電池が失活してしまうおそれがある。
本発明の電池は、正極側の第1の水系電解液層と、負極側の第2の水系電解液層を、アニオン伝導体で隔離していることが、主な特徴の1つである。このようにアニオン伝導体を配置することによって、放電時に負極活物質層から放出された金属イオンが正極に到達するのを防ぐことができるため、金属イオン由来の金属塩が第1の水系電解液層に混在することが無く、当該金属塩が正極に析出するのを防ぐことができる。また、このような金属塩の析出のおそれが無いため、第1の水系電解液層及び第2の水系電解液層の塩濃度を調節することによって、電池全体の体積当たりのエネルギー密度を向上させることができる。
以下、本発明の典型的な構成について説明する。図1は、本発明の電池の典型的な構成の断面模式図である。図中の二重波線は図の省略を示す。なお、本発明は、必ずしもこの典型的な構成に限定されるものではない。
図1に示すように、アニオン伝導体1の一面側に第1の水系電解液層2及び正極3がこの順番で配置され、アニオン伝導体1の他面側に第2の水系電解液層4及び負極5がこの順番で配置されている。なお、電解液層の保持のため、電池ケース6によって電池を収納する構成であることが好ましい。
アニオン伝導体1は、正極3から放出されたアニオン、例えば水酸化物イオンは透過するが、負極5から放出された金属イオン、すなわちカチオンは透過しない。したがって、正極3から放出されたアニオンは速やかに第2の水系電解液層4へ移動し、金属イオンと出会って金属塩を形成し、当該金属塩は第2の水系電解液層4に溶存又は析出する。
このように、本発明においては、正極近傍で金属塩の形成が起こらないため、正極が金属塩によって覆われることが無い。特に、正極が空気極であるような金属空気電池の場合には、多孔質構造である空気極内部に金属塩の形成が生じないため、空気極が目詰まりすることなく、安定した発電を行うことができる。また、本発明に係る電池は、正極に金属塩が析出しないことから、負極中の負極活物質層に含まれる活物質量を十分に生かすことができ、従来よりも放電容量を向上させることができる。
以下、図1に示した層構成を有する、4つの典型例について説明する。
図2は、本発明の電池の第1の典型例の断面模式図である。本第1の典型例は、アニオン伝導体1の一面側に第1の水系電解液層2及び正極3がこの順番で配置され、アニオン伝導体1の他面側に第2の水系電解液層4及び負極5がこの順番で配置され、第2の水系電解液層4と負極5とが直に接している。なお、電解液層の保持のため、電池ケース6によって電池を収納する構成であることが好ましい。
本第1の典型例においては、負極5から放出された金属イオンはアニオン伝導体1を透過せず、当該金属イオン由来の金属塩はすべて第2の水系電解液層4に溶存又は析出するため、第1の水系電解液層2は当該金属イオンによって汚染されず、且つ、当該金属塩が正極に析出することも無い。
なお、本第1の典型例においては、第2の水系電解液層4と負極5とが直接接しているため、負極5中の負極活物質としては、水と反応性が低い、マグネシウム、カルシウム等の第2族元素;アルミニウム等の第13族元素;亜鉛、鉄、銅、ニッケル等の遷移金属;及び、これらの金属元素を含有する合金や化合物を用いることができる。
図3は、本発明の電池の第2の典型例の断面模式図である。本第2の典型例は、アニオン伝導体1の一面側に第1の水系電解液層2及び正極3がこの順番で配置され、アニオン伝導体1の他面側に第2の水系電解液層4及び負極5がこの順番で配置され、さらに、第2の水系電解液層4と負極5との間に、カチオン伝導性且つアニオン非伝導性を有する第1の固体電解質7が配置されている。なお、電解液層の保持のため、電池ケース6によって電池を収納する構成であることが好ましい。
このような構成の電池は、アニオン伝導体1によって、放電時に負極5から放出された金属イオンが正極3に到達するのを防ぎ、且つ、第1の固体電解質7によって、放電時に正極3から放出されたアニオンが負極5に到達するのを防ぐことができるため、金属イオンとアニオンから生成される金属塩が、第1の水系電解液層2に溶存又は析出することが無く、正極3及び負極5への当該金属塩の析出を防ぐことができる。
なお、本第2の典型例においては、第2の水系電解液層4と負極5とが第1の固体電解質7によって隔てられているため、負極5中の負極活物質としては、上述した水と反応性が低い金属等に加えて、水と反応性が高く自己放電しやすい、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、及び、当該アルカリ金属を含有する合金や化合物も用いることができる。
カチオン伝導性且つアニオン非伝導性を有する第1の固体電解質の例としては、カチオン伝導体を挙げることができる。カチオン伝導体としては、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を例示することができる。
本発明に用いられるリチウムイオン伝導性を有する固体電解質としては、具体的には、固体酸化物電解質、固体硫化物電解質、ポリマー電解質、ゲル電解質等を挙げることができる。
固体酸化物電解質としては、具体的には、LiPON(リン酸リチウムオキシナイトライド)、Li1.3Al0.3Ti0.7(PO、La0.51Li0.34TiO0.74、LiPO、LiSiO、LiSiO等を例示することができる。
固体硫化物電解質としては、具体的には、LiS−P(LiS:P=50:50〜100:0)、LiS−SiS、Li3.250.25Ge0.76、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiBr、LiS−SiS−LiCl、LiS−SiS−B−LiI、LiS−SiS−P−LiI、LiS−B、LiS−P−ZmSn(Z=Ge、Zn、Ga)、LiS−GeS、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiMO(M=P、Si、Ge、B、Al、Ga、In)等を例示することができる。
ポリマー電解質は、リチウム塩およびポリマーを含有するものである。リチウム塩としては、一般的なリチウム二次電池に用いられるリチウム塩であれば特に限定されるものではなく、例えば、LiPF、LiBF、LiN(CFSO、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSOおよびLiClO等を挙げることができる。ポリマーとしては、リチウム塩と錯体を形成するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
ゲル電解質は、リチウム塩とポリマーと非水溶媒とを含有するものである。
リチウム塩としては、上述したリチウム塩を用いることができる。
非水溶媒としては、上記リチウム塩を溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの非水溶媒は、一種のみ用いてもよく、二種以上を混合して用いても良い。また、非水電解液として、常温溶融塩を用いることもできる。
ポリマーとしては、ゲル化が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロプレンオキシド、ポリアクリルニトリル、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリウレタン、ポリアクリレート、セルロース等が挙げられる。
カチオン伝導体としては、上記リチウムイオン伝導性を有する固体電解質の他にも、例えば、ナトリウムイオン伝導体であるβアルミナ、NASICON(NaZrSiPO12)、銀イオン伝導体であるAgI、AgS、AgSe、AgSI、RbAg、AgSO・AgPO等のイオン伝導性ガラス、銅イオン伝導体であるCuI等銅ハロゲン化物、RbCu16Cl13,AgI・xCuI等を用いることができる。
図4は、本発明の電池の第3の典型例の断面模式図である。本第3の典型例は、アニオン伝導体1の一面側に第1の水系電解液層2及び正極3がこの順番で配置され、アニオン伝導体1の他面側に第2の水系電解液層4及び負極5がこの順番で配置され、さらに、第2の水系電解液層4と負極5との間に、カチオン伝導性且つアニオン非伝導性を有する第1の固体電解質7及び第3の水系電解液層8がこの順番で配置されている。なお、電解液層の保持のため、電池ケース6によって電池を収納する構成であることが好ましい。
このような構成の電池は、アニオン伝導体1によって、放電時に負極5から放出された金属イオンが正極3に到達するのを防ぎ、且つ、第1の固体電解質7によって、放電時に正極3から放出されたアニオンが負極5に到達するのを防ぐことができるため、金属イオンとアニオンから生成される金属塩が、第1の水系電解液層2及び第3の水系電解液層8に溶存又は析出することが無く、正極3及び負極5への当該金属塩の析出を防ぐことができる。
なお、本第3の典型例においては、第3の水系電解液層8と負極5とが直接接しているため、負極5中の負極活物質としては、水と反応性が低い、マグネシウム、カルシウム等の第2族元素;アルミニウム等の第13族元素;亜鉛、鉄、銅、ニッケル等の遷移金属;及び、これらの金属を含有する合金や化合物を用いることができる。
図5は、本発明の電池の第4の典型例の断面模式図である。本第4の典型例は、アニオン伝導体1の一面側に第1の水系電解液層2及び正極3がこの順番で配置され、アニオン伝導体1の他面側に第2の水系電解液層4及び負極5がこの順番で配置され、さらに、第2の水系電解液層4と負極5との間に、第2の固体電解質9及び非水系電解液層10をこの順番で有する。なお、第2の固体電解質は、カチオン伝導性且つアニオン非伝導性を有する固体電解質、及び、カチオン伝導性且つアニオン伝導性を有する固体電解質からなる群から選ばれる。また、電解液層の保持のため、電池ケース6によって電池を収納する構成であることが好ましい。
このような構成の電池は、アニオン伝導体1によって、放電時に負極5から放出された金属イオンが正極3に到達するのを防ぐことができるため、金属イオンとアニオンから生成される金属塩が、第1の水系電解液層2に溶存又は析出することが無く、正極3への当該金属塩の析出を防ぐことができる。さらに、このような構成の電池は、放電時に正極3から放出されたアニオンが、非水系電解液層10に極めて低い濃度でしか存在できないため、負極5から放出された金属イオンとアニオンとの金属塩が非水系電解液層10に溶存又は析出することが無く、当該金属塩が負極5に析出するのを防ぐことができる。
なお、本第4の典型例においては、第2の水系電解液層4と負極5とが第2の固体電解質9及び非水系電解液層10によって隔てられているため、負極5中の負極活物質としては、上述した水と反応性が低い金属等に加えて、水と反応性が高く自己放電しやすい金属等も用いることができる。
カチオン伝導性且つアニオン伝導性を有する第1の固体電解質の例としては、多孔質隔壁等を挙げることができる。多孔質隔壁の具体例としては、例えば、ダニエル電池の技術において用いられる素焼きの多孔質隔壁;ポーラスアルミナ、ポーラスチタニア等の陽極酸化型多孔質材料;ゼオライト、多孔質ガラス、バイコールガラス、ポリイミド等の高分子を含有する多孔質膜;ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル等の限外ろ過膜;酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリスルホン等の多孔逆浸透膜等が挙げられる。
非水系電解液層を構成する非水系電解液は、水を含まず、且つ、常温(15℃〜25℃)において液体である電解液であれば特に限定されない。非水電解液の種類は、伝導する金属イオンの種類に応じて、適宜選択することが好ましい。例えば、リチウム空気電池の非水電解液は、通常、リチウム塩および非水溶媒を含有する。上記リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClOおよびLiAsF等の無機リチウム塩;およびLiCFSO、LiN(SOCF(Li−TFSI)、LiN(SO、LiC(SOCF等の有機リチウム塩等を挙げることができる。上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびこれらの混合物等を挙げることができる。また、溶存した酸素を効率良く反応に用いることができるという観点から、上記非水溶媒は、酸素溶解性が高い溶媒であることが好ましい。非水電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.5mol/L〜3mol/Lの範囲内である。
非水電解液層には、非水ゲル電解質を用いることもできる。非水ゲル電解質は、通常、非水電解液にポリマーを添加してゲル化したものである。例えば、リチウム空気電池の非水ゲル電解質は、上述した非水電解液に、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルニトリル(PAN)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリマーを添加し、ゲル化することにより、得ることができる。本発明においては、LiTFSI(LiN(CFSO)−PEO系の非水ゲル電解質が好ましい。
非水電解液のその他の具体例としては、イオン液体を例示することができる。
なお、イオン液体とは、カチオンとアニオンとを組み合わせたイオン分子のみから成る物質であり、且つ、常温(15℃〜25℃)において液体である物質のことを指す。
本発明において用いることができるイオン液体のカチオン種としては、2−エチルイミダゾリウム、3−プロピルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム;ジエチルメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、シクロヘキシルトリメチルアンモニウム、メチルトリ−n−オクチルアンモニウム、トリエチル(2−メトキシエトキシメチル)アンモニウム、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム等のアンモニウム;その他にもアルキルピリジニウム、ジアルキルピロリジニウム、テトラアルキルフォスフォニウム、トリアルキルスルフォニウム等が挙げられる。
本発明において用いることができるイオン液体のアニオン種としては、Cl、Br、Iなどのハロゲン化物アニオン;BF 、B(CN) 、B(C 等のホウ素化物アニオン;(CN)、[N(CF、[N(SOCF等のアミドアニオン又はイミドアニオン;RSO (以下、Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を指す)、RSO 、RSO (以下、Rは含フッ素ハロゲン化炭化水素基を指す)、RSO 等のスルフェートアニオン又はスルフォネートアニオン;R P(O)O、PF 、R PF 等のリン酸アニオン;SbF等のアンチモンアニオン;その他、ラクテート、硝酸イオン、トリフルオロアセテート等が挙げられる。
さらに、イオン液体には支持塩を溶解させてもよい。支持塩としては、リチウムイオンと上記アニオンとから成る塩、例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiTFSI、LiBETIなどが挙げられる。このような支持塩を2種以上組み合わせて用いてもよい。また、イオン液体に対する支持塩の添加量は特に限定されないが、0.1〜1mol/kg程度とすることが好ましい。
本発明の電池は、アニオン伝導体の一面側に第1の水系電解液層及び正極がこの順番で配置され、他面側に第2の水系電解液層及び負極がこの順番で配置されている構成であれば、電池の種類は特に限定されるものではない。
本発明の電池としては、具体的には、リチウム二次電池、金属空気電池、ダニエル電池等の他、負極としてリチウムを、正極として銅を備える銅−リチウム電池を挙げることができる。なお、本発明の電池が銅−リチウム電池である場合には、リチウムと銅という、標準電極電位の差が大きい組み合わせを電極として用いているため、高い電圧を達成することができる。
以下、本発明に係る電池の構成要素である、正極及び負極、アニオン伝導体、水系電解液層、並びに、その他の構成要素について、順に説明する。
1.正極及び負極
1−1.正極
本発明に係る電池の正極は、好ましくは正極活物質を含有する正極活物質層を備えるものであり、通常、これに加えて、正極集電体、及び当該正極集電体に接続された正極リードを備えるものである。なお、本発明に係る電池が金属空気電池である場合には、上記正極の替わりに、空気極層を備える空気極を有する。なお、本発明に用いられる正極又は空気極は、一般的なアルカリ水電解液に使用できる電極であることが好ましい。
(正極活物質層)
以下、正極として、正極活物質層を備える正極を採用した場合について説明する。
本発明に係る電池が、例えば、リチウム二次電池やリチウム空気電池等である場合においては、本発明に用いられる正極活物質としては、具体的には、LiCoO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiNiPO、LiMnPO、LiNiO、LiMn、LiCoMnO、LiNiMn、LiFe(PO及びLi(PO等を挙げることができる。これらの中でも、本発明においては、LiCoOを正極活物質として用いることが好ましい。
本発明に係る電池が、例えば、銅−リチウム電池である場合においては、本発明に用いられる正極活物質としては、銅単体や、CuTi、CuCr等の銅スピネル;CuTa12等の銅ペロブスカイト;Cu・Au、Cu・Sn等の合金等を挙げることができる。
本発明に用いられる正極活物質層の厚さは、電池の用途等により異なるものであるが、10μm〜250μmの範囲内であるのが好ましく、20μm〜200μmの範囲内であるのが特に好ましく、特に30μm〜150μmの範囲内であることが最も好ましい。
正極活物質の平均粒径としては、例えば1μm〜50μmの範囲内、中でも1μm〜20μmの範囲内、特に3μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。正極活物質の平均粒径が小さすぎると、取り扱い性が悪くなる可能性があり、正極活物質の平均粒径が大きすぎると、平坦な正極活物質層を得るのが困難になる場合があるからである。なお、正極活物質の平均粒径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される活物質担体の粒径を測定して、平均することにより求めることができる。
正極活物質層は、必要に応じて導電化材および結着材等を含有していても良い。
本発明において用いられる正極活物質層が有する導電化材としては、正極活物質層の導電性を向上させることができれば特に限定されるものではないが、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック等を挙げることができる。また、正極活物質層における導電化材の含有量は、導電化材の種類によって異なるものであるが、通常1質量%〜10質量%の範囲内である。
本発明において用いられる正極活物質層が有する結着材としては、例えばポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。また、正極活物質層における結着材の含有量は、正極活物質等を固定化できる程度の量であれば良く、より少ないことが好ましい。結着材の含有量は、通常1質量%〜10質量%の範囲内である。
正極活物質層が、正極活物質の他に正極用電解質を含有するという構成をとることもできる。この場合、正極用電解質としては、固体酸化物電解質、固体硫化物電解質等の固体電解質や、ポリマー電解質、ゲル電解質等を用いることができる。
(正極集電体)
本発明において用いられる正極集電体は、上記の正極活物質層の集電を行う機能を有するものである。上記正極集電体の材料としては、例えばアルミニウム、SUS、ニッケル、鉄およびチタン等を挙げることができ、中でもアルミニウムおよびSUSが好ましい。また、正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
本発明に用いられる正極を製造する方法は、上記の正極を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。なお、正極活物質層を形成した後、電極密度を向上させるために、正極活物質層をプレスしても良い。
(空気極)
以下、正極として、空気極層を備える空気極を採用した場合について説明する。
本発明に係る電池の空気極は、好ましくは空気極層を備えるものであり、通常、これに加えて、空気極集電体、及び当該空気極集電体に接続された空気極リードを備えるものである。
(空気極層)
本発明に係る電池中の空気極層は、少なくとも導電性材料を含有するものである。さらに、必要に応じて、触媒および結着材の少なくとも一方を含有していても良い。
上記空気極層に用いられる導電性材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素材料、ペロブスカイト型導電性材料、多孔質導電性ポリマー及び金属多孔体等を挙げることができる。特に、炭素材料は、多孔質構造を有するものであっても良く、多孔質構造を有しないものであっても良いが、本発明においては、多孔質構造を有するものであることが好ましい。比表面積が大きく、多くの反応場を提供することができるからである。多孔質構造を有する炭素材料としては、具体的にはメソポーラスカーボン等を挙げることができる。一方、多孔質構造を有しない炭素材料としては、具体的にはグラファイト、アセチレンブラック、カーボンナノチューブおよびカーボンファイバー等を挙げることができる。空気極層における導電性材料の含有量としては、例えば65質量%〜99質量%の範囲内、中でも75質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましい。導電性材料の含有量が少なすぎると、反応場が減少し、電池容量の低下が生じる可能性があり、導電性材料の含有量が多すぎると、相対的に触媒の含有量が減り、充分な触媒機能を発揮できない可能性があるからである。
上記空気極層に用いられる触媒としては、例えば酸素活性触媒を用いることができる。酸素活性触媒の例としては、例えば、ニッケル、パラジウム及び白金等の白金族;コバルト、マンガン又は鉄等の遷移金属を含むペロブスカイト型酸化物;ルテニウム、イリジウム又はパラジウム等の貴金属酸化物を含む無機化合物;ポルフィリン骨格やフタロシアニン骨格を有する金属配位有機化合物;酸化マンガン等を挙げることができる。空気極層における触媒の含有量としては、例えば1質量%〜30質量%の範囲内、中でも5質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。触媒の含有量が少なすぎると、充分な触媒機能を発揮できない可能性があり、触媒の含有量が多すぎると、相対的に導電性材料の含有量が減り、反応場が減少し、電池容量の低下が生じる可能性があるからである。
電極反応がよりスムーズに行われるという観点から、上述した導電性材料は触媒が担持されていることが好ましい。
上記空気極層は、少なくとも導電性材料を含有してれば良いが、さらに、導電性材料を固定化する結着材を含有することが好ましい。結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、スチレン・ブタジエンゴム(SBRゴム)等のゴム系樹脂等を挙げることができる。空気極層における結着材の含有量としては、特に限定されるものではないが、例えば30質量%以下、中でも1質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
上記空気極層の厚さは、空気電池の用途等により異なるものであるが、例えば2μm〜500μmの範囲内、中でも5μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
(空気極集電体)
本発明に係る電池中の空気極集電体は、空気極層の集電を行うものである。空気極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、カーボン等を挙げることができる。空気極集電体の形状としては、例えば箔状、板状およびメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。中でも、本発明においては、集電効率に優れるという観点から、空気極集電体の形状がメッシュ状であることが好ましい。この場合、通常、空気極層の内部にメッシュ状の空気極集電体が配置される。さらに、本発明に係る電池は、メッシュ状の空気極集電体により集電された電荷を集電する別の空気極集電体(例えば箔状の集電体)を有していても良い。また、本発明においては、後述する電池ケースが空気極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
空気極集電体の厚さは、例えば10μm〜1000μmの範囲内、中でも20μm〜400μmの範囲内であることが好ましい。
1−2.負極
本発明に係る電池の負極は、放電時に金属イオンを放出可能な負極活物質を含有する負極活物質層を備えるものであり、通常、これに加えて、負極集電体、及び当該負極集電体に接続された負極リードを備えるものである。
(負極活物質層)
本発明に用いられる負極活物質層中の負極活物質は、放電時に金属イオンを放出できれば特に限定されないが、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等の第2族元素;アルミニウム等の第13族元素;亜鉛、鉄、銅、ニッケル等の遷移金属;又は、これらの金属を含有する合金や化合物を例示することができる。
リチウム元素を含む負極活物質の例としては、金属単体、合金、金属酸化物、金属窒化物等を挙げることができる。リチウム元素を有する合金としては、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。また、リチウム元素を有する金属酸化物としては、例えばリチウムチタン酸化物等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができる。
また、上記負極活物質層は、負極活物質のみを含有するものであっても良く、負極活物質の他に、導電性材料および結着材の少なくとも一方を含有するものであっても良い。例えば、負極活物質が箔状である場合は、負極活物質のみを含有する負極活物質層とすることができる。一方、負極活物質が粉末状である場合は、負極活物質および結着材を有する負極活物質層とすることができる。なお、導電性材料および結着材については、上述した「空気極」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
負極活物質層が、負極活物質の他に負極用電解質を含有するという構成をとることもできる。この場合、負極用電解質としては、固体酸化物電解質、固体硫化物電解質等の固体電解質や、ポリマー電解質、ゲル電解質等を用いることができる。
(負極集電体)
本発明に係る電池中の負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅、ステンレス、ニッケル、カーボン等を挙げることができる。上記負極集電体の形状としては、例えば箔状、板状およびメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。本発明においては、後述する電池ケースが負極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
2.アニオン伝導体
本発明に用いられるアニオン伝導体は、アニオンを選択的に輸送できるものであれば特に限定されないが、具体的には、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリパラフェニレン等のエンジニアリングプラスチックや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の汎用プラスチック等の炭化水素系高分子にヒドロキシル基を導入した高分子電解質膜や、当該炭化水素系高分子が水酸化物イオン交換された高分子電解質膜を例示できる。このような高分子電解質膜の具体例としては、アニオン型電解質材料(株式会社トクヤマ製)を挙げることができる。
3.水系電解液層
本発明に係る電池中の水性電解液層は、少なくとも正極とアニオン伝導体の間、及び、アニオン伝導体と負極との間に形成され、負極から放出された金属イオン及び正極から放出されたアニオンの伝導を担う層である。
以下、リチウム空気電池を例にとり、当該電池に用いられる水系電解液について説明する。
水性電解液としては、通常、水にリチウム塩を含有させたものを用いる。リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClOおよびLiAsF等の無機リチウム塩;及びLiCFSO、LiN(SOCF(Li−TFSI)、LiN(SO、LiC(SOCF等の有機リチウム塩等を挙げることができる。
水性電解液におけるLiOHの濃度は、0〜5.12Mとする。なお、5.12Mとは、室温での飽和濃度である。ただし、0.1M未満の電解質濃度ではリチウムイオン伝導度の低下が顕著となるため、当該LiOH濃度領域での動作を補償するために、別途0.1〜12M程度のKOH又はNaOHを加えることができる。
なお、本発明においては、水性電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を含有していても良い。
4.その他の構成要素
本発明に係る電池中は、その他の構成要素として、セパレータ及び電池ケースを有するという構成をとることができる。
(セパレータ)
本発明に係る電池が、アニオン伝導体の一面側に第1の水系電解液層及び正極がこの順番で配置され、他面側に第2の水系電解液層及び負極がこの順番で配置されている積層体を、繰り返し何層も重ねる構造を取る場合には、安全性の観点から、異なる積層体に属する正極および負極の間に、セパレータを有することが好ましい。上記セパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜;および樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を挙げることができる。
(電池ケース)
また、本発明に係る電池は、通常、正極、負極、アニオン伝導体及び水系電解液層等を収納する電池ケースを有する。電池ケースの形状としては、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。
本発明に係る電池が金属空気電池である場合には、電池ケースは、大気開放型の電池ケースであっても良く、密閉型の電池ケースであっても良い。大気開放型の電池ケースは、少なくとも空気極層が十分に大気と接触可能な構造を有する電池ケースである。一方、電池ケースが密閉型電池ケースである場合は、密閉型電池ケースに、気体(空気)の導入管および排気管を設けることが好ましい。この場合、導入・排気する気体は、酸素濃度が高いことが好ましく、純酸素であることがより好ましい。また、放電時には酸素濃度を高くし、充電時には酸素濃度を低くすることが好ましい。
本発明に係る電池の製造方法は、アニオン伝導体の一面側に第1の水系電解液層及び正極がこの順番で配置され、他面側に第2の水系電解液層及び負極がこの順番で配置されている積層構造を形成できれば特に限定されない。ただし、本発明に係る電池が金属空気電池である場合には、空気極が電解液に完全に浸漬するのを防ぎ、空気極中の酸素供給路を保つ観点から、電池ケースの底部から、負極、第2の水系電解液層、アニオン伝導体、第1の水系電解液層、空気極の順に積み上げて積層するのが好ましい。このように積層することによって空気極が積層構造の最上部に位置し、そのため、重力によって水系電解液が空気極に浸透することが無く、空気極中の細孔が完全に塞がれてしまうことを防ぐことができる。
1 アニオン伝導体
2 第1の水系電解液層
3 正極
4 第2の水系電解液層
5 負極
6 電池ケース
7 カチオン伝導性且つアニオン非伝導性を有する第1の固体電解質
8 第3の水系電解液層
9 第2の固体電解質
10 非水系電解液層

Claims (6)

  1. アニオン伝導体の一面側に第1の水系電解液層及び正極がこの順番で配置され、他面側に第2の水系電解液層及び負極がこの順番で配置され、且つ、
    前記負極が負極活物質層を備え、且つ、当該負極活物質層が、放電時に金属イオンを放出可能な負極活物質を含み、且つ、
    前記アニオン伝導体は、アニオン伝導性且つカチオン非伝導性を有することを特徴とする、電池。
  2. 前記第2の水系電解液層と前記負極との間に、カチオン伝導性且つアニオン非伝導性を有する第1の固体電解質が配置されている、請求の範囲第1項に記載の電池。
  3. 前記第1の固体電解質と前記負極との間に、第3の水系電解液層が配置されている、請求の範囲第2項に記載の電池。
  4. 前記第2の水系電解液層と前記負極との間に、
    カチオン伝導性且つアニオン非伝導性を有する固体電解質、及び、カチオン伝導性且つアニオン伝導性を有する固体電解質からなる群から選ばれる第2の固体電解質、並びに、非水系電解液層がこの順番で配置されている、請求の範囲第1項に記載の電池。
  5. 金属空気電池である、請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか一項に記載の電池。
  6. 前記負極活物質としてリチウムを含み、且つ、
    前記正極が正極活物質層を備え、且つ、当該正極活物質層が、正極活物質として銅を含む、請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか一項に記載の電池。
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