以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(参考例)
図1は、参考例の走行制御計画生成装置を備えた車両制御装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、車両制御装置1の走行制御計画生成装置は、CPU(中央演算処理ユニット)、メモリ等のハードウェア及びソフトウェアを利用して構成された走行制御計画生成ECU(Electric Control Unit)10を備え、制御対象である自動運転制御の車両に搭載されている。
走行制御計画生成ECU10には、それぞれ制御対象である車両に搭載された、カメラ20,22、車載機器30、設定スイッチ40、自車センサ50、及び車両側通信装置60が接続されている。
カメラ20,22は、ドライバを撮像する車内カメラ20と、当該制御対象である車両の後方を撮像する後方カメラ22とを有している。車載機器30は、車両に搭載され運転中にドライバが操作し得る機器であり、例えば、ナビゲーション装置やオーディオ装置を含んでいる。
設定スイッチ40は、例えばインパネに設けられており、信号での停止時間の要求度をドライバが設定するものである。この設定スイッチ40は、例えば3段階に停止要求度を設定可能に設けられており、要求度を高・低・ゼロに設定できる。
自車センサ50は、例えばヨーレートセンサ、車速センサ、加速度センサ、操舵角センサ、白線検知センサ、GPSなどである。車両側通信装置60は、路側通信装置70などインフラ設備と協調し、情報の送受信を行う。参考例では、車両側通信装置60は、例えば路側通信装置70としての光ビーコンから前方の信号情報を取得する。信号情報は、例えば、信号(停止位置)までの距離情報と、数サイクル先までの信号表示情報(表示の開始・切替り時刻)を含んでいる。
走行制御計画生成ECU10は、停止要求度検出部(停止要求度検出手段)11、信号情報取得部(信号情報取得手段)12、自車状態量推定部13、走行制御計画生成部(走行制御計画生成手段)14、停止判定部(停止判定手段)15、及び、後続車検出部16を有している。
停止要求度判定部11は、ドライバが要求する車両の停止要求度を検出する。より詳細には、停止要求度判定部11は、車両が赤信号で停止した後、青信号に替わって発進したときに、車載機器30の操作状況を検出し、操作スイッチ類の操作が数回継続しており、一連の操作(ナビゲーション装置の目的地確定など)が終了せず操作途中である場合は、停止要求度が高いとしてこれを検出する。車載機器30の操作状況が操作途中で無い場合は、設定スイッチ40の設定状況を検出する。そして、設定スイッチ40により、ドライバによって停止要求度が設定されている場合は、その要求度を検出する。
一方で、設定スイッチ40により停止要求度が設定されていない場合は、ドライバが車載機器30を凝視していたか否かのドライバ状況を検出する。すなわち、車内カメラ20により撮像したドライバの画像を用いてドライバの視線を検知し、ナビ画面やオーディオ画面などの車載機器30を凝視(例えば、2秒以上眺めていた)した状態から青信号になり、凝視を中断したか否かを検出する。そして、凝視を中断したことを検出した場合は、停止要求はあるもののその要求度は低いものとする。一方で、凝視の中断を検出できなかった場合は、停止要求度がゼロであるとする。
信号情報取得部12は、車両側通信装置60を介して、例えば路側通信装置70としての光ビーコンから前方の信号情報を取得する。
自車状態量推定部13は、自車センサ50からの検出値に基づいて、ソフトウェアプログラムに組み込まれた車両モデルを利用して、その時点の車両の状態量推定値(ヨーレート、自車速度、自車位置など)を算出する。
走行制御計画生成部14は、車両を自動走行制御するための走行制御計画を生成する。この走行制御計画には、車両の軌跡パターンと速度パターンとが含まれている。特に、走行制御計画生成部14は、信号のある交差点において、ドライバの停止要求度が高い場合は、低い場合に比べて、信号での停止時間が長くなるような走行制御計画を生成する。
参考例では、走行制御計画生成部14は、信号情報と自車の状態量推定値とを利用して、予め3通りの走行制御計画を生成する。具体的には、一つ目の走行制御計画として、可能な限り早い時点で信号(停止位置)に到達するように、最大限速度で停止制御するような最大減速パターンの計画を生成する。二つ目の走行制御計画として、HV(ハイブリッド)車においては回生減速、AT(オートマチック)車においてはエンジンブレーキ減速で停止制御するような回生パターンの計画を生成する。三つ目の走行制御計画として、HV車においては無加速無回生減速、AT車においてはシフト位置をニュートラルとしたN(ニュートラル)パターンで停止制御するような計画を生成する。そして、ドライバの停止要求度が高い場合は、低い場合に比べて、信号での停止時間が長くなるように、停止要求度に応じた走行制御計画を選択する。このようにして、走行制御計画生成部14は、正式な一の走行制御計画を生成する。
停止判定部15は、上記3通りの走行制御計画と信号情報とを利用して、これら走行制御計画に基づいて車両を走行制御した場合において、その車両が信号において停止する必要があるか否か判定する。
後続車検出部16は、後方カメラ22からの画像情報に基づいて、車両の後方における所定領域内に存在する後続車を検出する。路側通信装置70は、上述したように、例えば信号手前の所定位置に設置された光ビーコンなどの通信装置であり、車両側通信装置60に信号情報を提供する。
上記した走行制御計画生成ECU10には、走行制御ECU80が接続されている。走行制御ECU80は、自車状態量推定部13で推定した自車の状態量推定値を加味しながら、採用された走行制御計画に基づいて、各時刻における位置と速度を忠実に再現できるように、アクチュエータ90に対する指示値を生成する。
アクチュエータ90は、エンジン、ブレーキ、電動パワーステアリングなどの車両を走行制御するためのアクチュエータであり、走行制御ECU80からのスロットル開度指示値、ブレーキ圧指示値、ステアリングトルク指示値などを受けて、これらを駆動制御する。
次に、ドライバの停止要求度に応じた車両の走行制御について、図2及び図3を参照して説明する。
まず、停止要求度検出部11は、車両が赤信号で停止した後、青信号に替わって発進したときに、ドライバが要求する車両の停止要求度を検出する(ステップS201)。停止要求度の検出処理は、図3のフローチャートを参照して、次の通り行われる。すなわち、車載機器30の操作状況を検出し、操作スイッチ類の操作が数回継続しており、一連の操作(ナビゲーション装置の目的地確定など)が終了せず操作途中であるか否か判定する(ステップS2011)。そして、操作途中である場合は、停止要求度が高いとしてこれを検出する(ステップS2012)。車載機器30の操作状況が操作途中で無い場合は、設定スイッチ40の設定状況を検出する(ステップS2013)。そして、設定スイッチ40により、ドライバによって停止要求度が設定されている場合は、その要求度を反映する(ステップS2014)。
一方で、設定スイッチ40により停止要求度が設定されていない場合は、ドライバが車載機器30を凝視していたか否かのドライバ状況を検出する(ステップS2015)。すなわち、車内カメラ20により撮像したドライバの画像を用いてドライバの視線を検知し、ナビ画面やオーディオ画面などの車載機器30を凝視(例えば、2秒以上眺めていた)した状態から青信号になり、凝視を中断したか否かを検出する。そして、凝視を中断したことを検出した場合は、停止要求はあるもののその要求度は低いものとする(ステップS2016)。一方で、凝視の中断を検出できなかった場合は、停止要求度がゼロであるとする(ステップS2017)。
次に、信号情報取得部12は、図2に示すように、車両側通信装置60を介して、例えば路側通信装置70としての光ビーコンから前方の信号情報を取得する(ステップS202)。また、自車状態量推定部13は、自車センサ50からの検出値に基づいて、ソフトウェアプログラムに組み込まれた車両モデルを利用して、その時点の車両の状態量推定値(ヨーレート、自車速度、自車位置など)を算出する(ステップS203)。
次に、走行制御計画生成部14は、信号情報取得部12から信号情報を取得すると共に、自車状態量推定部13から状態量推定値を取得し、信号に至るまでの回生パターンの走行制御計画(軌跡パターン及び速度パターンを含む)を生成する(ステップS204)。この回生パターンとは、HV(ハイブリッド)車においては回生減速、AT(オートマチック)車においてはエンジンブレーキ減速で停止制御するようなパターンの計画である。
次に、停止判定部15は、回生パターンを採用した場合に信号を青で通過できるか否かを判定する(ステップS205)。そして、青で通過できる場合は、以降の処理を中止し、通常の走行制御を行う(ステップS206)。
一方、ステップS205において青で通過できないと判定された場合は、走行制御計画生成部14は、Nパターンの走行制御計画を生成する(ステップS207)。このNパターンとは、HV車においては無加速無回生減速、AT車においてはシフト位置をニュートラルとして停止制御するようなパターンの計画である。
次に、停止判定部15は、Nパターンを採用した場合に信号を青で通過できるか否かを判定する(ステップS208)。そして、青で通過できる場合は、以降の処理を中止し、通常の走行制御を行う(ステップS209)。
一方、ステップS208において青で通過できないと判定された場合は、走行制御計画生成部14は、最大減速パターンの走行制御計画を生成する(ステップS210)。この最大減速パターンとは、可能な限り早い時点で信号(停止位置)に到達するように、最大限速度で停止制御するようなパターンの計画である。
次に、停止判定部15は、最大減速パターンを採用した場合に信号を青で通過できるか否かを判定する(ステップS211)。そして、青で通過できる場合は、以降の処理を中止し、通常の走行制御を行う(ステップS212)。
これら回生パターン、Nパターン、及び最大減速パターンの走行制御計画を、図4に模式的に示す。図4に示すように、最大減速パターンは、可能な限り信号(停止位置)に早く到達するため、ギリギリまで現状の速度を維持し、その後最大減速度で減速して信号(停止線)で速度がゼロとなり停止するような走行パターンである。
一方、Nパターンは、転がり摩擦のみで減速して信号(停止線)で速度がゼロとなり停止するような走行パターンである。このパターンが燃費の上では一番効率が良い。また、回生パターンは、この最大減速パターンとNパターンとの間のパターンである。
次に、走行制御計画生成部14は、停止要求度検出部11で検出した停止要求度が高い場合(ステップS213)は、最大減速パターンを車両を走行制御するための走行制御計画として採用する(ステップS214)。一方、走行制御計画生成部14は、停止要求度検出部11で検出した停止要求度が低い場合(ステップS215)は、回生パターンを車両を走行制御するための走行制御計画として採用する(ステップS216)。
また、走行制御計画生成部14は、停止要求度検出部11で検出した停止要求度がゼロである場合、後方カメラ22により車両の後方における後続車の有無を検出する(ステップS217)。そして、後続車が存在する場合は、回生パターンを車両を走行制御するための走行制御計画として採用する(ステップS216)。一方、走行制御計画生成部14は、停止要求度検出部11で検出した停止要求度がゼロであり、後続車も検出されない場合に、Nパターンを車両を走行制御するための走行制御計画として採用する(ステップS218)。
そして、走行制御ECU80は、採用された走行制御計画に沿って、各時刻における位置と速度を忠実に再現できるように、アクチュエータ90に対する指示値を生成する。アクチュエータ90は、走行制御ECU80からのスロットル開度指示値、ブレーキ圧指示値、ステアリングトルク指示値などを受けて、エンジン、ブレーキ、電動パワーステアリングなどを駆動制御する。
以上詳述したように、参考例の走行制御計画生成装置を備えた車両制御装置1によれば、ドライバの停止要求度が高い場合は低い場合に比べて信号での停止時間が長くなるように車両を走行制御することができるため、停止要求度が高い場合は最大減速度で停止制御する走行制御パターンにより、より早く信号に到達させて停止時間を稼ぐことが可能となる。その結果、車載機器30の操作時間を稼いで操作途中であった操作を完了させるなどすることが可能となる。一方で、停止要求度がゼロの場合は、Nパターンで停止制御することにより、低燃費を実現することができる。
また、停止要求度がゼロの場合であっても後続車がある場合は、Nパターンではなく回生パターンで停止制御することにより、Nパターンによる緩すぎる減速により後続車に迷惑を掛けることを回避することができる。
また、走行制御計画生成部14は、複数の走行制御計画として回生パターン、Nパターン、及び最大減速パターンを仮生成し、信号情報と自車の状態量推定値とを加味してそのいずれを採用しても信号で停止する必要がある場合に、停止要求度に応じてその中から一のパターンを選択することで正式な一の走行制御計画を生成しているため、どのように走行しても停止する必要がある場合において停止時間を調整しているのであって、積極的に赤信号で停止するように走行制御するのではないことから、全体としての旅行時間が延長されることを防ぐことができる。
また、停止要求度検出部11は、車載機器30の操作状況、車載機器30の凝視に関するドライバ状態、及びドライバによる設定スイッチ40による要求度設定に基づいて停止要求度を検出するため、ドライバが停止を要求する度合いを適切に検出することができる。
(実施形態)
次に、本発明に係る走行制御計画生成装置を備えた車両制御システムの実施形態について説明する。
図5は、本実施形態に係る走行制御計画生成装置を備えた車両制御システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、車両制御システム100の走行制御計画生成装置110は、CPU(中央演算処理ユニット)、メモリ等のハードウェア及びソフトウェアを利用して構成され、例えば交差点近傍に設置されている。
走行制御計画生成装置110には、カメラ120,122、センサ124、信号制御装置130、及び路側通信装置140が接続されている。カメラ120は、路上に設置されており、交差点内を撮像する。センサ124は、路上に設置されており、交差点内の車両を検知する。またカメラ122は、交差点手前で交差点に向かう車両を撮像する。また信号制御装置130は、対象となる交差点における信号を制御する。路側通信装置140は、交差点に向かう車両に搭載された車両側通信装置150と通信して、情報の送受信を行う。
走行制御計画生成装置110は、交通量判定部111、信号情報取得部112、車両検出部(車両検出手段)113、進行方向検出部114、及び走行制御計画生成部115を有している。
交通量判定部111は、カメラ120で撮像した交差点の画像を解析し、またセンサ124により交差点内の車両を検知することで、交差点における交通量を判定する。例えば、全時間に対する交差点内に車両が存在する時間の割合から、交通量を判定する。なお、カメラ120及びセンサ124の双方を利用する必要は無く、いずれか一方のみを使用したのでもよい。
信号情報取得部112は、信号制御装置140から交差点における信号の信号情報を取得する。信号情報は、例えば、数サイクル先までの信号表示情報(表示の開始・切替り時刻)を含んでいる。
車両検出部113は、交差点に向かう複数の車両から、信号情報を加味して、その交差点で信号により停止する必要がある車両を検出する。例えば、路側通信装置140を介して車両側通信装置150から車両の軌跡(位置)パターンや速度パターンを含む走行制御計画(その車両において生成したもの)を取得し、その時点での位置情報から信号までの距離を求め、これに速度情報を加味することで交差点への到達時間を推定し、これに信号情報を加味することで、信号での停止の必要性を検出することができる。
進行方向検出部114は、車両検出部113において信号で停止する必要があると検出された車両それぞれについて、交差点での進行方向を検出する。この進行方向は、前述したように、例えば、路側通信装置140を介して車両側通信装置150から車両の軌跡(位置)パターンや速度パターンを含む走行制御計画(その車両において生成したもの)を取得することで検出することができる。
走行制御計画生成部115は、交差点付近で車両を走行制御するための走行制御計画を生成する。この走行制御計画には、車両の軌跡パターンと速度パターンとが含まれている。より詳細には、少なくとも一部の右左折車両を直進車両より前方に停止させるように、これら複数の車両の走行制御計画を生成する。
本実施形態で制御対象である車両は、自動制御車両であって、車両制御装置200を備えている。車両制御装置200は、計画生成部210と走行制御ECU220とを有している。計画生成部210は、車両を自動制御するための走行制御計画を生成する。走行制御ECU220は、自車の状態量推定値(ヨーレート、自車速度、自車位置など)を加味しながら、計画生成部210で生成された走行制御計画、或いは、インフラ側の走行制御計画生成装置110で生成され通信装置140,150を介して取得された走行制御計画に基づいて、各時刻における位置と速度を忠実に再現できるように、アクチュエータ230に対する指示値を生成する。
アクチュエータ230は、エンジン、ブレーキ、電動パワーステアリングなどの車両を走行制御するためのアクチュエータであり、走行制御ECU220からのスロットル開度指示値、ブレーキ圧指示値、ステアリングトルク指示値などを受けて、これらを駆動制御する。
次に、本実施形態による車両の走行制御について、図6及び図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、図6に示すように、カメラ120により、交差点内を撮像する。またセンサ124により、交差点内の車両を検知する。次に、交通量判定部111において、カメラ120で撮像した交差点の画像を解析し、またセンサ124により交差点内の車両を検知することで、交差点における交通量を判定する(ステップS701)。そして、交差点での交通量が少なければ(例えば、最大交通量の50%以下)、以降の処理を中止する。
一方、交差点での交通量が多ければ(例えば、最大交通量の50%超)、信号情報取得部112は、信号制御装置130から交差点における信号の信号情報を取得する(ステップS702)。
次に、車両検出部113において、交差点に向かう複数の車両の走行制御計画を通信装置140,150を介して取得し、交差点に向かう複数の車両から、信号情報を加味して、その交差点で信号により停止する必要がある車両を検出する(ステップS703)。
次に、進行方向検出部114において、信号で停止する必要があるとして検出された車両それぞれについて、それぞれの車両の走行制御計画から、交差点での進行方向を検出する(ステップS704)。
そして、走行制御計画生成部115において、交差点付近で各車両を走行制御するための走行制御計画を生成する(ステップS705)。より詳細には、図7に示すように、まず、進行方向検出部114で検出された直進車両のうち先頭車両の発進時の速度パターンを生成する(ステップS7051)。
次に、その車両が希望走行速度(例えば、通常法定速度)に達するまでに必要な距離Lを算出する(ステップS7052)。そして、交差点の停止線からこの距離Lだけ離れた地点を、その直進車両の目標停止位置として設定する(ステップS7053)。
次に、進行方向検出部114で検出された右左折車両のうち、先頭の車両から車長を加算していく(ステップS7054)。最初は、ゼロに先頭の右左折車両の車長が加算される。この車長は、カメラ122により交差点手前で交差点に向かう車両を撮像しこれを画像解析したり、通信装置140,150を介して車両から車両情報として受信したりすることで取得することができる。
次に、その車長の加算値に後続車両との適正車間距離(例えば、4m)を加算する(ステップS7055)。次に、この車長の加算値と適正車間距離の加算値とを合計した全長が距離L以内に収まるか否か判定する(ステップS7056)。そして、距離L以内に収まっている場合は、ステップS7054に戻って、更に右左折車両の車長と適正車間距離とを加算する。一方、全長が距離Lを超えた場合は、最後に車長を加算した車両を加算対象から除く(ステップS7057)。これにより、先頭の直進車両の前に停止させる右左折車両が決定される。
そして、走行制御計画生成部115は、先頭の直進車両を停止線の手前の距離Lの位置で停止させると共に、その前に決定された右左折車両を停止させるように、その直進車両及び右左折車両の走行制御計画を生成する(ステップS7058)。例えば、図8の例で説明すると、先頭の直進車両Aを停止線の手前で距離Lの位置で停止させると共に、その前に左折車両B,Cを停止させるように、各車両A,B,Cの走行制御計画を生成する。
再び図6を参照して、走行制御計画生成装置110は、このようにして生成された各車両の走行制御計画を、通信装置140,150を介して各車両に送信する(ステップS706)。
これにより、各車両の車両制御装置200の走行制御ECU220は、自車の状態量推定値(ヨーレート、自車速度、自車位置など)を加味しながら、通信装置140,150を介して取得された走行制御計画に基づいて、各時刻における位置と速度を忠実に再現できるように、アクチュエータ230に対する指示値を生成する。そして、アクチュエータ230は、走行制御ECU220からのスロットル開度指示値、ブレーキ圧指示値、ステアリングトルク指示値などを受けて、エンジン、ブレーキ、電動パワーステアリングなどを駆動制御する。このようにして、車両が自動走行制御される。
このように、本実施形態の走行制御計画生成装置110を備えた車両制御システム100によれば、右左折車両の少なくとも一部を直進車両より前方に停止させることで、右左折車両が右左折する間に直進車両は加速することができるため、直進車両は交差点をより早い速度で通過することが可能となり、交差点の利用効率を高めることができる。
特に、先頭の直進車両が希望走行速度に到達するのに必要な距離Lを算出し、この距離Lに最大数の右左折車両が収まるように、それぞれの走行制御計画を生成している。従って、交差点での停止後に発進するとき、右左折車両は低速(例えば、30km/h以下)で走行を継続するものの、この間に直進車両を加速させて交差点に進入するときには希望走行速度に到達させることができるため、通行車両全体として交差点の利用効率を高めることができる。
また、交差点の交通量が多い場合に本制御を行うことで、交差点の利用効率を効果的に高めることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、参考例において、停止要求度検出部11は、車載機器30の操作状況、車載機器30の凝視に関するドライバ状態、及びドライバによる設定スイッチ40を介した要求度設定に基づいて停止要求度を検出したが、そのいずれかのみ、或いはいずれか2つを組み合わせて停止要求度を検出してもよい。
また実施形態において、走行制御計画生成装置110が路上に設置される場合について説明したが、走行制御計画生成装置110を路上を走行する自動制御車両に搭載して、車両制御システム100を構成してもよい。