JP5373609B2 - 圧電素子駆動装置および塗布装置 - Google Patents

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Description

この発明は、基板上に液体を噴射塗布して機能性薄膜を形成する圧電素子駆動装置および塗布装置に関する。
一般に、液晶表示装置の製造工程では、ガラス基板の表面に配向膜やレジスト等の機能性薄膜が形成される。この機能性薄膜の形成には、その機能性薄膜の材料となる液体を基板上に噴射塗布するインクジェット方式の塗布装置が用いられる。
この塗布装置は、基板を搬送するための搬送テーブルを有し、搬送テーブルの上方に複数のヘッドを備えている。これらヘッドの下面には、内部の液室に連通する複数のノズルが穿設されており、これらノズルごとに設けられた圧電素子(圧電振動子ともいう)が駆動されることにより、各ノズルから基板上に液室内の液体が吐出される(例えば、特開2005−95712号公報に記載されている)。
上記圧電素子は充放電に伴って伸縮動作し、その伸縮動作により液体の吸込みおよび吐出が行われる。この場合、例えば直流電圧90Vを発生する高圧電源が用意され、その高圧電源からの通電により圧電素子が60V〜80V程度に充電される。この充電に伴って液体が吸込まれ、その後、圧電素子が急速放電されることで液体が吐出される。
上記の塗布装置では、圧電素子の充電用として高圧電源を用意しなければならず、コストの上昇を招くという問題がある。また、高い直流電圧を充電用のレベルまで降下させるため、電力損失が大きく、効率が悪いという問題がある。
この発明の目的は、高圧電源を要することなく、圧電素子を液体の吸込みおよび吐出に必要なレベルに確実に充電することができ、これによりコストの上昇や電力損失を解消できる圧電素子駆動装置および塗布装置を提供することである。
この発明の圧電素子駆動手段は、圧電素子の充放電に伴う伸縮動作により液体を吸込んでノズルから吐出させるものであって、
電源からの通電によりエネルギーがチャージされるインダクタ、このインダクタの一端と電源の正側端子との間の通電をオン、オフするための第1の開閉スイッチ、前記インダクタの他端と前記電源の負側端子との間の通電をオン、オフする第2の開閉スイッチを有し、この第2の開閉スイッチのオン、オフにより前記電源からの電圧を昇圧して前記圧電素子に加える昇圧手段と、
前記圧電素子に対する放電路形成用の第3の開閉スイッチを有し、この第3の開閉スイッチのオンにより前記圧電素子の充電電圧を放電させる放電手段と、
前記インダクタにエネルギーをチャージするべく前記第2の開閉スイッチをオンするとともにこの前記第2の開閉スイッチのオンに連動して前記第1の開閉スイッチをオンし、そのチャージしたエネルギーにより前記圧電素子を充電するべく前記第2の開閉スイッチをオフするとともにこの前記第2の開閉スイッチのオフに連動して前記第1の開閉スイッチをオフし、この充電後に前記圧電素子を放電するべく前記第3の開閉スイッチをオンする制御手段と、を備えている。
また、この発明の塗布装置は、圧電素子駆動装置を複数有し、これら圧電素子駆動装置により、基板上に液体を噴射塗布して機能性薄膜を形成する。
図1は、この発明に関わる塗布装置の要部の制御回路および第1の実施形態の構成を示すブロック図である。 図2は、第1の実施形態の作用を説明するための図である。 図3は、第2の実施形態の構成を示すブロック図である。 図4は、第3の実施形態の構成を示すブロック図である。 図5は、図4におけるトランジスタアレイの等価回路を示す図である。 図6は、第3の実施形態の作用を説明するための図である。 図7は、第3の実施形態の効果を問題点の提示により説明するための図である。 図8は、第4の実施形態の構成を示すブロック図である。 図9は、第4の実施形態の作用を説明するための図である。 図10は、第4の実施形態の効果を問題点の提示により説明するための図である。 図11は、第5の実施形態の構成を示すブロック図である。 図12は、第5の実施形態の作用を説明するための図である。 図13は、第5の実施形態の効果を問題点の提示により説明するための図である。 図14は、第6の実施形態の構成を示すブロック図である。 図15は、第6の実施形態の作用を説明するための図である。 図16は、第6の実施形態の効果を問題点の提示により説明するための図である。 図17は、第7の実施形態の構成を示すブロック図である。 図18は、各実施形態におけるMOSFETの等価回路を示す図である。 図19は、第7の実施形態の作用を説明するための図である。 図20は、第8の実施形態の構成を示すブロック図である。 図21は、第8の実施形態の作用を説明するための図である。 図22は、第9の実施形態の構成を示すブロック図である。 図23は、第10の実施形態の前提となる不具合を説明するための図である。 図24は、第10の実施形態の構成を示すブロック図である。 図25は、第10の実施形態の作用を説明するための図である。 図26は、第11の実施形態の構成を示すブロック図である。 図27は、第11の実施形態の作用を説明するための図である。 図28は、第12の実施形態の構成を示すブロック図である。 図29は、第12の実施形態の作用を説明するための図である。 図30は、第13の実施形態の前提となる不具合を説明するためのブロック図である。 図31は、図30の作用を説明するための図である。 図32は、第13の実施形態の構成を示すブロック図である。 図33は、第13の実施形態の作用を説明するための図である。 図34は、第14の実施形態の前提となる不具合を説明するためのブロック図である。 図35は、図34の作用を説明するための図である。 図36は、第14の実施形態の構成を示すブロック図である。 図37は、第14の実施形態の作用を説明するための図である。 図38は、第14の実施形態の作用を説明するための図である。 図39は、第14の実施形態の作用を説明するための図である。 図40は、第14の実施形態の作用を説明するための図である。 図41は、第15の実施形態の前提となる不具合を説明するためのブロック図である。 図42は、図41の作用を説明するための図である。 図43は、第15の実施形態の構成を示すブロック図である。 図44は、第15の実施形態の作用を説明するための図である。 図45は、第16の実施形態の構成を示すブロック図である。 図46は、第17の実施形態の構成を示すブロック図である。 図47は、第17の実施形態の要部の構成を示すブロック図である。 図48は、第17の実施形態の作用を説明するための図である。 図49は、第18の実施形態の要部の構成を示すブロック図である。 図50は、第18の実施形態の作用を説明するための図である。
[1]以下、この発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
複数のノズルにそれぞれ圧電素子を有する塗布装置の要部を図1に示している。
すなわち、直流電圧12Vを発生する単一の直流電源1に複数の圧電素子駆動装置2が接続され、これら圧電素子駆動装置2が制御ユニット20に接続されている。各圧電素子駆動装置2は、昇圧回路3、放電回路4、充電電圧検出回路5、および圧電素子たとえばピエゾ素子6などを備える。
上記昇圧回路3は、電流が流れることによりエネルギーをチャージするインダクタ11、このインダクタ11に対する通電用のスイッチング素子たとえばMOSFET12、および整流ダイオード13からなり、MOSFET12のオン,オフによりインダクタ11にエネルギーをチャージし、チャージしたエネルギーを整流ダイオード13を介して出力する。なお、MOSFET12は寄生ダイオード12aを有する。
上記放電回路4は、放電路形成用のスイッチング素子たとえばMOSFET14を有し、液体の吸込み時はMOSFET14のオフ状態が維持されることにより昇圧回路3からピエゾ素子6への通電路を保つが、液体の吐出時にMOSFET14がオンされることにより同MOSFET14を通してピエゾ素子6の充電電圧を急速放電させる。なお、MOSFET14は寄生ダイオード14aを有する。
充電電圧検出回路5は、ピエゾ素子6に並列接続された可変抵抗15、およびその可変抵抗15に生じる電圧をデジタル信号に変換するD/A(デジタル/アナログ)変換器16を有し、ピエゾ素子6の充電電圧を検出してその検出結果を上記制御ユニット20の主制御部22に供給する。
制御ユニット20は、主制御部22および複数のタイマ回路23を有し、制御用電源21の直流電圧5Vにより動作する。主制御部22は、各圧電素子駆動装置2の駆動タイミングを制御するもので、各タイマ回路23に駆動信号を供給する。各タイマ回路23は、駆動信号を受けてから昇圧動作開始(エネルギーのチャージを含む)までの時間T1を計時するタイマ23a、昇圧動作開始から充電終了までの時間T2を計時するタイマ23b、充電電圧の保持時間T3を計時するタイマ23c、放電路形成時間T4を形成するタイマ23dを有する。タイマ23cによる充電電圧の保持時間T3は、液体の吸込みが終了してから少し待って吐出する方が吐出の効率が良い点を考慮して定められている。このタイマ23bの出力信号が昇圧回路3のMOSFET12のゲートに供給され、タイマ23dの出力信号が放電回路4のMOSFET14のゲートに供給される。
つぎに、作用について、図2を参照しながら説明する。
駆動信号を受けてからタイマ23aによる時間T1の計時が終了すると、昇圧回路3のMOSFET12のオン,オフが繰り返され、そのオン時に実線矢印のようにインダクタ11に電流が流れてインダクタ11にエネルギーがチャージされる。そして、MOSFET12のオフ時に、インダクタ11にチャージされるエネルギーによってインダクタ11と整流ダイオード13のアノードの接続点の電圧が急上昇し(昇圧)、その電圧が整流ダイオード13を介してピエゾ素子6に印加され、ピエゾ素子6が充電されていく。この充電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吸込まれる。
タイマ23bによる時間T2の計時が終了すると、MOSFET12のオン,オフが停止される。そして、タイマ23cによる保持時間T3の計時が終了すると、その時点からタイマ23dの計時による放電路形成時間T4だけ、放電回路4のMOSFET14がオンされる。このオンにより、ピエゾ素子6の充電電圧がMOSFET14を通ってアース側に急速放電される。この急速放電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吐出される。
ここで、塗布装置の液体吐出ヘッドは、その下面に複数のノズルが穿設されており、これらノズル毎に対応して設けられたピエゾ素子6の動作により、ノズルに連通する液室内に容積変化を生じさせることで、各ノズルから個別に液滴を吐出させることができるようになっている。そして、塗布装置は、搬送テーブルによって搬送される基板が、液滴吐出ヘッドの下を通過するタイミングに合せて、各ピエゾ素子6を駆動させ、各ノズルから基板上に液室内の液体を吐出させる。
ピエゾ素子6に対する充電電圧が充電電圧検出回路5で検出されており、その検出電圧が所定の例えば80Vに達するよう、MOSFET12のオン,オフスイッチングの期間(昇圧動作・充電の期間)であるタイマ23bの計時時間T2が調節される。この調節により、液体の一度の吐出量が最適な状態に設定される。
以上のように、直流電源1の電圧を昇圧回路3で昇圧してピエゾ素子6に印加し、そのピエゾ素子6の充電電圧を放電回路4によって放電することにより、従来のように高圧電源を要することなく、ピエゾ素子6を液体の吸込みおよび吐出に必要なレベルに確実に充電することができる。高圧電源が不要なので、コストの上昇を回避できる。しかも、高電圧を降下させる必要がないので、電力損失が低減して効率の向上が図れる。
また、タイマ23bによる計時時間T2、すなわち昇圧動作(エネルギーのチャージを含む)の開始から充電が終了するまでの時間の増減によって、ピエゾ素子6の充電電圧を加減することができるので、主制御部22によってタイマ23bの計時時間T2をピエゾ素子6毎に設定することで、ノズル毎の液体の吐出量を容易かつ迅速に変更することができる。例えば、ガラス基板の表面に配向膜やレジスト、或いはカラーフィルタ等の機能性薄膜を形成する場合等において、基板上における液体の塗布位置に応じて塗布する液滴の量、すなわち液体の吐出量を変えることができるので、基板上の塗布領域における周辺部分で膜厚が厚くなる傾向がある場合には周辺部分で吐出量を減少させるなど、液体の塗布条件の多様化に対応することができ、形成される機能性薄膜の品質を向上させることができる。
さらに、上記のように、充電電圧検出回路5でピエゾ素子6に対する充電電圧が検出され、その検出電圧に応じてMOSFET12のオン,オフスイッチングの期間、すなわちタイマ23bの計時時間T2が調整されるので、所望する充電電圧をピエゾ素子6に確実に印加することができる。これにより、必要量の液体をノズルから確実に吐出させることができる。
[2]第2の実施形態について説明する。
図3に示すように、昇圧回路3および放電回路4に代わる昇圧・放電回路7が設けられる。昇圧・放電回路7は、昇圧回路3のインダクタ11および整流ダイオード13と放電回路4のMOSFET14を組合せたもので、インダクタ11に対する通電用のスイッチング素子であるMOSFET12の機能と放電路形成用のスイッチング素子であるMOSFET14の機能を1つのMOSFET14に共通化している。
MOSFET14がオンされ、そのMOSFET14および整流ダイオード13を通して流れる電流によってインダクタ11にエネルギーがチャージされる。次に、MOSFET14がオフされて、インダクタ11にチャージされるエネルギーが整流ダイオード13を介して出力される。この出力によりピエゾ素子6が充電されていき、その充電に伴うピエゾ素子6の動作により液体が吸込まれる。
インダクタ11からピエゾ素子6へのエネルギーの供給は、インダクタ11の出力電圧がピークに達したとき、ピエゾ素子6から整流ダイオード13のカソードに加わるバイアス(いわゆる逆バイアス)により、停止する。
こうして、ピエゾ素子6の充電が完了した後、MOSFET14が再びオンされる。このオンにより、ピエゾ素子6の充電電圧がアース側に急速放電される。この急速放電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吐出される。この放電後、MOSFET14がオフされる。
図3において、昇圧動作(エネルギーのチャージを含む)および充電に際しての電流の流れを実線矢印で示し、放電時の電流の流れを破線矢印で示している。
このように、昇圧回路3のスイッチング素子と放電回路4のスイッチング素子とを1つのスイッチング素子に共通化することにより、スイッチング素子の数を減らすことができ、その分だけコストの低減が図れる。
第1の実施形態と異なるのは、インダクタ11へのエネルギーのチャージがMOSFET14の最初のオンによって行われ、次のMOSFET14のオフによって昇圧と充電が行われ、その後のMOSFET14のオンによって放電が行われる点である。
他の構成、作用、効果は第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[3]第3の実施形態について説明する。
図4に示すように、昇圧回路3において、直流電源1とインダクタ11との間の通電路に、その通電路を開閉するための開閉スイッチとしてトランジスタアレイ30が設けられる。すなわち、トランジスタアレイ30がオンすると直流電源1とインダクタ11との間の通電路が閉じられ、トランジスタアレイ30がオフすると直流電源1とインダクタ11との間の通電路が開かれる。このトランジスタアレイ30に、MOSFET12に供給されるのと同じ駆動信号が供給される。
トランジスタアレイ30は、昇圧動作(エネルギーのチャージを含む)時にオンしてインダクタ11への通電を行い、非昇圧動作時にオフしてインダクタ11への通電を遮断するもので、図5の等価回路を有する。すなわち、直流電源1とインダクタ11との間の通電路にNPN型トランジスタ35のコレクタ・エミッタ間が挿入接続され、そのトランジスタ35のコレクタ・ベース間にNPN型トランジスタ36のコレクタ・エミッタ間が接続され、トランジスタ36のコレクタ・ベース間にPNP型トランジスタ37のエミッタ・コレクタ間が接続されている。さらに、トランジスタ37のベースとアースとの間にNPN型トランジスタ38のコレクタ・エミッタ間が接続され、そのトランジスタ38のベースにMOSFET12に対する駆動信号が供給されるとともに、アースからトランジスタ35のエミッタにかけて内部ダイオード39が順方向に接続されている。
また、トランジスタアレイ30とインダクタ11との間の通電路にトランジスタアレイ30に向かう電流を阻止するためのダイオード31が挿入接続され、そのダイオード31のカソードから直流電源1の正側端子にかけてダイオード32を介したバイパス回路が接続されている。
さらに、昇圧回路3の出力端にダイオード33を順方向に介してツェナーダイオード34のカソードが接続され、そのツェナーダイオード34のアノードが直流電源1の正側端子に接続されている。ダイオード33は、1つの圧電素子駆動装置2ごとに1つずつ設けられ、他の圧電素子駆動装置2から流出した電流が当該圧電素子駆動装置2に流入するのを阻止する。ツェナーダイオード34は、複数の圧電素子駆動装置2に対して1つだけ設けられ、複数の圧電素子駆動装置2における過電圧を減衰させるための減衰手段として、共通に使用される。
作用を説明する。
MOSFET12がオンされると、それに伴ってトランジスタアレイ30がオンする。このとき、実線矢印のように、直流電源1の正側端子からトランジスタアレイ30およびダイオード31を通ってインダクタ11に電流が流れ、インダクタ11を経た電流がMOSFET12からアースラインを通って直流電源1の負側端子に流れる。こうして、インダクタ11にエネルギーがチャージされる。
次に、MOSFET12がオフされ(昇圧)、インダクタ11にチャージされるエネルギーが整流ダイオード13を介してピエゾ素子6に印加され、ピエゾ素子6が充電されていく。この充電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吸込まれる。このときの電流径路は、インダクタ11から整流ダイオード13、ピエゾ素子6、アースライン、トランジスタアレイ30の内部ダイオード39、ダイオード31を通ってインダクタ11に戻る経路である。
トランジスタアレイ30は、MOSFET12がオフしてから遅れてオフする。このトランジスタアレイ30のオフ時は、上記のように、インダクタ11から整流ダイオード13、ピエゾ素子6、アースライン、トランジスタアレイ30の内部ダイオード39、ダイオード31を通ってインダクタ11に戻る経路で電流が流れている。つまり、トランジスタアレイ30内のトランジスタに電流が流れていないので、トランジスタアレイ30を安全にオフすることができる。
インダクタ11からピエゾ素子6へのエネルギーの供給は、インダクタ11の出力電圧がピークに達したとき、ピエゾ素子6から整流ダイオード13のカソードに加わるバイアス(いわゆる逆バイアス)により、停止する。
こうして、ピエゾ素子6の充電が完了した後、放電回路4のMOSFET14がオンされる。このオンにより、ピエゾ素子6の充電電圧がMOSFET14を通ってアース側に急速放電される。この急速放電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吐出される。この放電後、MOSFET14がオフされる。
この放電に際しては、予め、MOSFET12のオフに伴ってトランジスタアレイ30がオフしているので、直流電源1からインダクタ11への通電路が遮断された状態にあり、インダクタ11に昇圧動作用の電流が流れない。この場合のピエゾ素子6の電圧波形を図6に示しており、インダクタ11に昇圧動作用の電流が流れないため放電後の不要な電圧上昇が解消される。
仮に、トランジスタアレイ30がない場合は、放電後もインダクタ11に昇圧動作用の電流が流れ込んでエネルギーがチャージされ、図7に示すようにピエゾ素子6の電圧が再上昇する。この再上昇した電圧が次のエネルギーのチャージタイミングまで残ると、ピエゾ素子6への充電量に変動が生じ、液体の吐出量を適正に制御することが困難となる可能性がある。このような不具合を防ぐため、トランジスタアレイ30が設けられている。しかも、放電後にピエゾ素子6の電圧が再上昇しないので、ピエゾ素子6の充放電サイクルの短縮が図れる。
なお、MOSFET12がオンしてトランジスタアレイ30がオンしているとき、MOSFET12を経た電流が実線矢印のようにアースからトランジスタアレイ30に向かって流れるが、その電流はトランジスタアレイ30の内部ダイオード39を通ってインダクタ11側にバイパスされる。これにより、トランジスタアレイ30に向かう電流がトランジスタアレイ30本体に流れ込むことがなくなり、逆方向の電流に弱いトランジスタアレイ30の破壊を未然に防ぐことができる。
また、昇圧動作および充電が完了してから放電回路4の放電が開始されるまでの間、図4に破線矢印で示すように、インダクタ11の逆起電力による電流がMOSFET12の寄生ダイオード12aおよびインダクタ11を通ってトランジスタアレイ30に流れ込もうとする。ただし、トランジスタアレイ30に向かう電流は、ダイオード31で阻止されて、ダイオード32のバイパス回路に流れ、直流電源1側に逃がされる。これにより、トランジスタアレイ30の破壊を未然に防ぐことができる。
一方、他の圧電素子駆動装置2の昇圧回路3の出力電圧が、当該圧電素子駆動装置2の昇圧回路3の出力電圧よりも高い場合、その差分の電圧いわゆる過電圧がダイオード33を通ってツェナーダイオード34に加わる。このツェナーダイオード34に加わる過電圧が所定値(ツェナー電圧)以上であれば、ツェナーダイオード34に逆方向の電流が流れる。これにより、過電圧が減衰される。したがって、各圧電素子駆動装置2の昇圧電圧の違いにかかわらず、各圧電素子駆動装置2を独立的に安定して動作させることができる。
また、ピエゾ素子6はセラミックで作られているので割れて破損することがある。また、ピエゾ素子6の接続が何らかの原因により外れる可能性もある。ピエゾ素子6はコンデンサに相当するもので、その静電容量が破損や接続外れによって無くなると、インダクタ11を経た充電電流の行き場がなくなり、整流ダイオード13のカソード電圧(ピエゾ素子6に加わる電圧)が急上昇する。この過電圧は、ダイオード33を介してツェナーダイオード34に加わる。このツェナーダイオード34に加わる過電圧が所定値(ツェナー電圧)以上であれば、ツェナーダイオード34に逆方向の電流が流れる。これにより、過電圧が減衰される。
なお、直流電源1とインダクタ11との間の通電路に設ける開閉スイッチとしては、トランジスタアレイ30に限らず、MOSFETを用いることももちろん可能である。
第1の実施形態と異なるのは、インダクタ11へのエネルギーのチャージがMOSFET12およびトランジスタアレイ30のオンによって行われ、次のMOSFET12のオフによって昇圧と充電が行われ、その後のMOSFET14のオンによって放電が行われる点である。
他の構成、作用、効果は第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[4]第4の実施形態について説明する。
図8に示すように、昇圧回路3にMOSFET12を駆動するためのドライバ17が設けられている。さらに、放電回路4のMOSFET14のソース・ドレイン間が昇圧回路3とピエゾ素子6との間の正側の通電路に挿入接続され、そのMOSFET14を駆動するための駆動回路40が設けられている。駆動回路40は、直流電源1の正側端子にアノードが接続されたダイオード41、このダイオード41のカソードに一端が接続されて他端がMOSFET12のドレインに接続されたコンデンサ42、このコンデンサ42の電圧により動作してMOSFET14を駆動するドライバ43を有する。
放電回路4は、ピエゾ素子6の充電電圧がインダクタ11を通って直流電源1側へ流れるエネルギー回生用の放電路を形成する。
作用を説明する。
MOSFET12のオンにより、実線矢印のように、インダクタ11に電流が流れてインダクタ11にエネルギーがチャージされるとともに、駆動回路40のコンデンサ42が充電される。このコンデンサ42の充電電圧は、駆動回路40の動作電圧として使用される。
そして、MOSFET12のオフにより、インダクタ11にチャージされたエネルギーがMOSFET14の寄生ダイオード14aを通ってピエゾ素子6に印加され、ピエゾ素子6が充電されていく。この充電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吸込まれる。
インダクタ11からピエゾ素子6へのエネルギーの供給は、インダクタ11の出力電圧がピークに達したとき、ピエゾ素子6から寄生ダイオード14aのカソードに加わるバイアス(いわゆる逆バイアス)により、停止する。
こうして、ピエゾ素子6の充電が完了した後、放電回路4のMOSFET14がオンされる。このオンにより、破線矢印で示すように、ピエゾ素子6の充電電圧がMOSFET14およびインダクタ11を通って直流電源1側に急速放電される。この急速放電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吐出される。この放電後、MOSFET14がオフされる。
こうして、放電電流が直流電源1側に流れることにより、放電のエネルギーが直流電源1に回生される。この回生エネルギーは、昇圧動作(エネルギーのチャージを含む)および充電に使用されたエネルギーと同程度であり、よってエネルギー効率が向上し、結果的に圧電素子駆動装置2としての消費電力を低減できる。この消費電力の低減は、圧電素子駆動装置2の構成部品や液体の温度変化を低減することにつながり、圧電素子駆動装置2に対するメンテナンス間隔の延長や液体の寿命向上といった効果を奏する。
また、放電に際し、ピエゾ素子6の充電電圧が直流電源1の電圧まで降下するまでは、インダクタ11を通って直流電源1側に流れた放電電流がその直流電源1からアースラインを通ってピエゾ素子6に戻る経路が形成される。ピエゾ素子6の充電電圧が直流電源1の電圧まで降下したら、今度は、それまでの放電電流によってインダクタ11にチャージされたエネルギーにより、ピエゾ素子6の充電電圧がMOSFET14およびインダクタ11を通って直流電源1側に放電され、その直流電源1を経た電流がアースラインを通ってピエゾ素子6に戻る経路が形成される。こうして、ピエゾ素子6が完全に放電し切ってエネルギーが無くなるまで放電路が形成され、直流電源1への放電エネルギーの回生が継続される。
ピエゾ素子6が完全に放電し切った後、インダクタ11に残っているエネルギーに基づく電流が、インダクタ11から直流電源1およびアースラインを通ってMOSFET12の寄生ダイオード12aを通ってインダクタ11に戻る経路で流れる。この電流経路は、インダクタ11に残っているエネルギーが無くなるまで継続される。したがって、インダクタ11に不要なエネルギーが残らない。この場合のピエゾ素子6の電圧波形およびMOSFET12に流れる電流波形を図9に示しており、放電後の不要な電圧上昇が生じない。
仮に、インダクタ11から直流電源1および寄生ダイオード12aを通ってインダクタ11に戻る電流経路がないとすると、図10に示すようにピエゾ素子6の電圧が再上昇する。この再上昇した電圧が次のエネルギーのチャージタイミングまで残ると、ピエゾ素子6への充電量に変動が生じ、液体の吐出量を適正に制御することが困難となる可能性がある。このような不具合を防ぐため、放電電流によってインダクタ11にチャージされたエネルギーに基づく電流をインダクタ11から直流電源1および寄生ダイオード12aを通してインダクタ11に戻すようにしている。
なお、図8に破線で示すように、直流電源1にコンデンサ18を接続し、放電のエネルギーをコンデンサ18に回生する構成としてもよい。
第1の実施形態と異なるのは、エネルギーのチャージがMOSFET12のオンによって行われ、次のMOSFET12のオフによって昇圧と充電が行われ、その後のMOSFET14のオンによって放電が行われる点である。
他の構成、作用、効果は第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[5]第5の実施形態について説明する。
図11に示すように、昇圧回路3において、直流電源1とインダクタ11との間の通電路に、その通電路を開閉するための第1の開閉スイッチとしてPチャンネルのMOSFET51のソース・ドレイン間が挿入接続される。すなわち、MOSFET51がオンすると直流電源1とインダクタ11との間の通電路が閉じられ、MOSFET51がオフすると直流電源1とインダクタ11との間の通電路が開かれる。
このMOSFET51のソース・ゲート間に、抵抗52が接続される。さらに、MOSFET51のゲートに、図1のMOSFET12に供給される駆動信号と論理が反転した状態の駆動信号が、コンデンサ(いわゆるカップリングコンデンサ)53を介して供給される。なお、MOSFET51は、寄生ダイオード51aを有する。
上記抵抗52と上記コンデンサ53とにより、MOSFET51による通電路の開閉に時間的な制限を与える時定数回路が形成されている。
さらに、MOSFET51のドレインに抵抗54を介してMOSFET12のゲートが接続され、そのゲートにダイオード55のアノードが接続される。そして、ダイオード55のカソードがMOSFET56のドレイン・ソース間を介してアース接続される。このMOSFET56のゲートに、抵抗57を介して、図1のMOSFET14に供給されるのと同じ駆動信号が供給される。さらに、MOSFET51のドレインと抵抗54との接続点にダイオード58のカソードが接続され、そのダイオード58のアノードがアース接続される。なお、MOSFET56は、寄生ダイオード56aを有する。
MOSFET51がオンすると、それに伴い、MOSFET12もオンする。MOSFET51がオフすると、それに伴い、MOSFET12もオフする。MOSFET12は、MOSFET51に連動して、インダクタ11の出力側とアースラインとの間の通電路を開閉する第2の開閉スイッチとして機能する。すなわち、MOSFET12がオンするとインダクタ11の出力側とアースラインとの間の通電路が閉じられ、MOSFET12がオフするとインダクタ11の出力側とアースラインとの間の通電路が開かれる。
放電回路4は、インダクタ11とピエゾ素子6との間の正側の通電路に順方向に挿入接続されたダイオード61、このダイオード61にコレクタ・エミッタ間が並列接続されたPNP型トランジスタ62、このトランジスタ62のベースと上記MOSFET56のドレインとの間に接続された抵抗63を有している。
また、直流電源1にエネルギー回生用のコンデンサ18が接続される。
作用を説明する。
まず、MOSFET51がオンするときのMOSFET51のゲート電圧の閾値は、例えば−2.3Vである。主制御部22からMOSFET51に対して出力される駆動信号は、0V〜3.3Vの範囲でレベルが変化する。すなわち、駆動信号が3.3V(高レベル)のとき、抵抗52を介したバイアス電圧(=12V−3.3V)がMOSFET51のゲートに加わり、MOSFET51がオフ状態を維持する。駆動信号が0V(低レベル)になると、MOSFET51のゲート電圧が閾値の−2.3V以下に低下し、MOSFET51がオンする。
MOSFET51がオンした後、MOSFET51のゲート電圧が抵抗52とコンデンサ53とにより定まる時定数(例えば100μS)で上昇していく。この時定数に基づく一定時間たとえば50μ秒後、MOSFET51のゲート電圧が閾値の−2.3Vを超えて高くなり、MOSFET51がオフする。
MOSFET51がオンしたとき、そのMOSFET51を経た略12Vの電圧が抵抗54を介してMOSFET12のゲートに印加され、MOSFET12がオンする。
MOSFET51およびMOSFET12がオンしたとき、実線矢印のようにインダクタ11に電流が流れ、インダクタ11にエネルギーがチャージされていく。ここで、MOSFET51のオン時間は上記した時定数に基づく50μ秒に制限される。この時間制限により、インダクタ11へのエネルギーのチャージが飽和する前にインダクタ11への通電が停止され、過電流による回路部品の破損が未然に防止される。
MOSFET51がオフすると、MOSFET12のゲート電圧が低下し、MOSFET12がオフする。
MOSFET12がオフすると、インダクタ11にチャージされたエネルギーが放電回路4のダイオード61を介してピエゾ素子6に印加され、ピエゾ素子6が充電されていく。この充電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吸込まれる。このときの電流径路は、インダクタ11からダイオード61、ピエゾ素子6、アースライン、ダイオード58を通ってインダクタ11に戻る経路である。このとき、MOSFET12のゲート電圧はダイオード58のカソード電圧である0.7V程度と小さく、よってMOSFET12のオフ状態が維持される。
インダクタ11からピエゾ素子6へのエネルギーの供給は、インダクタ11の出力電圧がピークに達したとき、ピエゾ素子6からダイオード61のカソードに加わるバイアス(いわゆる逆バイアス)により、停止する。
こうして、ピエゾ素子6の充電が完了した後、昇圧回路3のMOSFET56がオンされる。このオンにより、放電回路4のトランジスタ62がオンし、破線矢印で示すように、ピエゾ素子6の充電電圧がトランジスタ62のエミッタ・コレクタ間、インダクタ11、MOSFET51の寄生ダイオード51a、およびコンデンサ18を通ってアース側に急速放電される。この急速放電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吐出される。この放電後、MOSFET56がオフされてトランジスタ62がオフする。
この放電に際しては、予め、MOSFET51およびMOSFET12がオフしており、そのMOSFET51のオフによって直流電源1からインダクタ11への通電路が遮断された状態にあり、インダクタ11に昇圧動作用(エネルギーのチャージを含む)の電流が流れない。この場合のピエゾ素子6の電圧波形およびMOSFET12に流れる電流波形を図12に示しており、インダクタ11に昇圧動作用の電流が流れないため放電後の不要な電圧上昇が解消される。
仮に、MOSFET51がない場合は、放電後もインダクタ11にチャージ用の電流が流れてエネルギーがチャージされ、図13に示すようにピエゾ素子6の電圧が再上昇する。この再上昇した電圧が次のエネルギーのチャージタイミングまで残ると、ピエゾ素子6への充電量に変動が生じ、液体の吐出量を適正に制御することが困難となる可能性がある。このような不具合を防ぐため、MOSFET51が設けられている。
また、放電電流がコンデンサ18に流れることにより、放電のエネルギーがコンデンサ18に回生される。この回生エネルギーは、昇圧動作および充電に使用されたエネルギーと同程度であり、よってエネルギー効率が向上し、結果的に圧電素子駆動装置2としての消費電力を低減できる。この消費電力の低減は、圧電素子駆動装置2の構成部品や液体の温度変化を低減することにつながり、圧電素子駆動装置2に対するメンテナンス間隔の延長や液体の寿命向上といった効果を奏する。
さらに、放電に際し、ピエゾ素子6の充電電圧が直流電源1の電圧まで降下するまでは、インダクタ11および寄生ダイオード51aを通ってコンデンサ18側に流れた放電電流がそのコンデンサ18からアースラインを通ってピエゾ素子6に戻る経路が形成される。ピエゾ素子6の充電電圧が直流電源1の電圧まで降下したら、今度は、それまでの放電電流によってインダクタ11にチャージされたエネルギーにより、ピエゾ素子6の充電電圧がインダクタ11および寄生ダイオード51aを通ってコンデンサ18側に放電され、そのコンデンサ18を経た放電電流がアースラインを通ってピエゾ素子6に戻る経路が形成される。こうして、ピエゾ素子6が完全に放電し切ってエネルギーが無くなるまで放電路が形成され、コンデンサ18への放電エネルギーの回生が継続される。
ピエゾ素子6が完全に放電し切った後、インダクタ11に残っているエネルギーに基づく電流が、インダクタ11から寄生ダイオード51a、コンデンサ18、アースライン、およびMOSFET12の寄生ダイオード12aを通ってインダクタ11に戻る経路で流れる。この電流経路は、インダクタ11に残っているエネルギーが無くなるまで継続される。したがって、インダクタ11に不要なエネルギーが残らない。
第1の実施形態と異なるのは、エネルギーのチャージがMOSFET51,12のオンによって行われ、次のMOSFET51,12のオフによって昇圧と充電が行われ、その後のMOSFET56およびトランジスタ62のオンによって放電が行われる点である。
他の構成、作用、効果は第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[6]第6の実施形態について説明する。
図14に示すように、各圧電素子駆動装置2がそれぞれ複数たとえば2つの昇圧回路3を備えている。これら昇圧回路3は、基本的な構成は図4に示した昇圧回路3と同じであり、スイッチング素子としてMOSFET12x、12yをそれぞれ有している。なお、トランジスタアレイ30は、PNP型トランジスタ37、NPN型トランジスタ38、および内部ダイオード39からなる点が図4の場合と異なるだけで、昇圧時にオンしてインダクタ11への通電を行い、非昇圧時にオフしてインダクタ11への通電を遮断する機能は図4の場合と同じである。
制御ユニット20は、主制御部22、タイマ回路23、および選択回路70を有する。主制御部22は、各圧電素子駆動装置2の駆動タイミングを制御するもので、各タイマ回路23に駆動信号を供給する。各タイマ回路23は、駆動信号を受けてから一方の昇圧回路3の昇圧動作開始までの時間T1xを計時するタイマ23a、一方の昇圧回路3の昇圧動作開始から充電が終了するまでの時間T2xを計時するタイマ23b、一方の昇圧回路3を対象とした充電電圧の保持時間T3xを計時するタイマ23c、一方の昇圧回路3を対象とした放電路形成時間T4xを形成するタイマ23dを有するとともに、そのタイマ23dの出力信号を受けてから他方の昇圧回路3の昇圧動作開始までの時間T1yを計時するタイマ23e、他方の昇圧回路3の昇圧動作開始から充電が終了するまでの時間T2yを計時するタイマ23f、他方の昇圧回路3を対象とした充電電圧の保持時間T3yを計時するタイマ23g、他方の昇圧回路3を対象とした放電路形成時間T4yを形成するタイマ23hを有し、さらにタイマ23b,23d,23fの出力信号が入力されるノア回路23iを有している。
選択回路70は、フリップフロップ71およびアンド回路72,73を有し、上記ノア回路23iの出力信号に応じて2つの昇圧回路3を個別に動作させる。
作用を説明する。
図15に示すように、一方の昇圧回路3のMOSFET12xがオンされてオフされ、続いて他方の昇圧回路3のMOSFET12yがオンされてオフされ、この交互動作が繰り返される。
MOSFET12xのオンに基づく一方の昇圧回路3のエネルギーチャージ後、MOSFET12xに流れる電流Lxに着目すると、インダクタ11の寄生キャパシタなどの影響で正負に振動を繰り返す。この振動はやがて減衰するが、振動が残っている状態で一方の昇圧回路3のMOSFET12xが再びオンしてエネルギーのチャージが始まると、それがピエゾ素子6に対する充電電圧の変動となって現われ、液体の吐出に悪影響を与えてしまう。
そこで、一方の昇圧回路3の昇圧後、MOSFET12xに流れる電流Lxの振動が残っている間はMOSFET12xを再びオンすることはせず、他方の昇圧回路3のMOSFET12yがオンされる。
また、MOSFET12yのオンに基づく他方の昇圧回路3のエネルギーチャージ後、MOSFET12yに流れる電流Lyに着目すると、インダクタ11の寄生キャパシタなどの影響で正負に振動を繰り返す。この振動はやがて減衰するが、振動が残っている状態で他方の昇圧回路3のMOSFET12yが再びオンしてエネルギーのチャージが始まると、昇圧レベルが変動し、それがピエゾ素子6に対する充電電圧の変動となって現われ、ピエゾ素子6に対する充電電圧の変動を生じて液体の吐出に悪影響を与えてしまう。
そこで、他方の昇圧回路3の昇圧後、MOSFET12yに流れる電流Lyの振動が残っている間はMOSFET12yを再びオンすることはせず、一方の昇圧回路3のMOSFET12xがオンされる。
こうして、2つの昇圧回路3が交互に動作することにより、ピエゾ素子6に対する適正な充放電を短時間のうちに繰り返すことが可能となる。ピエゾ素子6に対するいわゆるダブルパルス駆動などが可能となり、液体の吐出形態の多様化が図れる。
仮に、昇圧回路3が1つでそのMOSFET12に流れる電流に振動が残っている状態で再び昇圧が始まった場合に昇圧レベルがどのようになるかの例を図16に示している。1発目の昇圧レベルに比べ、2発目の昇圧レベルが高くなり、吐出に際しての放電開始レベルにe1とe2の差が存在する。
なお、2つの昇圧回路3を交互に動作させる場合を例に説明したが、2つの昇圧回路3を同時に動作させれば、ピエゾ素子6に印加される電圧を交互動作の場合よりも高めることが可能である。また、昇圧回路3の数については2つに限らず、3つ以上でもよい。
第1の実施形態と異なるのは、エネルギーのチャージがMOSFET12x,12yのそれぞれオンによって行われ、次のMOSFET12x,12yのそれぞれオフによって昇圧と充電が行われ、その後のMOSFET14のオンによって放電が行われる点である。
他の構成、作用、効果は各実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[7]第7の実施形態について説明する。
この第7の実施形態は、第5の実施形態で示した図11を変形したもので、図17に示すように、図1のMOSFET12に供給される駆動信号がそのまま抵抗54を介してMOSFET12のゲートに供給される。これに伴い、MOSFET12のゲートとMOSFET56のドレインとの間に接続されていたダイオード55が除去される。
さらに、放電回路4において、トランジスタ62のベース・エミッタ間に抵抗64が接続される。この抵抗64を採用しているのは次の理由による。
まず、トランジスタ62のベースに抵抗63を介してMOSFET56のドレインが接続されており、そのMOSFET56が図18の等価回路に示すように寄生キャパシタンスCr,Co,Ciを有している。このため、MOSFET51,12がオフしてエネルギーのチャージが終了したとき(昇圧と充電の開始)、トランジスタ62のコレクタ電圧が急上昇により、トランジスタ62のコレクタから同トランジスタ62のコレクタ・ベース間および抵抗63を通してMOSFET56の寄生キャパシタンスCr,Coに電流がバイパスして流れ込み、寄生キャパシタンスCr,Coが充電される。この充電電流の流れ込みに伴ってトランジスタ62のベース電位が下がり、そのトランジスタ62が不要にオンしてしまう。こうなると、インダクタ11からピエゾ素子6へ向かう充電エネルギーが、トランジスタ62のコレクタ・ベース間を通って寄生キャパシタンスCr,Co側にバイパスして流れ、不足する事態となる。
そこで、トランジスタ62のベース・エミッタ間に抵抗64を接続してトランジスタ62のベース電位を高めておき、たとえ寄生キャパシタンスCr,Coへの充電電流のバイパスが生じても、それによるトランジスタ62の不要なオンを防ぐようにしている。これにより、インダクタ11からピエゾ素子6へ向かう充電エネルギーが不足する事態を解消することができる。
ピエゾ素子6の電圧波形およびMOSFET12に流れる電流波形を図19に示している。
他の構成、作用、効果は第5の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[8]第8の実施形態について説明する。
この第8の実施形態は、図17に示した第7の実施形態で起こり得る不具合に対処している。
すなわち、第7の実施形態では、ピエゾ素子6への充電エネルギーの不足を解消するため、トランジスタ62のベース・エミッタ間に抵抗64を接続してトランジスタ62のベース電位を高めるようにしているが、そうすると、ピエゾ素子6を放電させるべくトランジスタ62をオンする際に、MOSFET56のオンによってトランジスタ62のベースに大きな電流を流さなければならない。
こうなると、ピエゾ素子6から本来はトランジスタ62のエミッタ・コレクタ間およびインダクタ11を通って直流電源1側へ流れるべき放電電流のほとんどが、トランジスタ62のエミッタ・ベース間および抵抗64をそれぞれ通り、さらに抵抗63およびMOSFET56のドレイン・ソース間を通ってアースに流れ、放電エネルギーを直流電源1やコンデンサ18に回生できなくなる。放電エネルギーを回生できないと、エネルギー効率の向上が難しくなる。
そこで、この第8の実施形態では、図20に示すように、直流電源1とピエゾ素子6との間に昇圧回路3が接続され、ピエゾ素子6と直流電源1との間に放電回路4が直接的に接続される。
昇圧回路3は、第1の開閉スイッチであるMOSFET51、インダクタ11、第2の開閉スイッチであるMOSFET12、および整流ダイオード13を有している。そして、直流電源1とインダクタ11との間の通電路に、MOSFET51のソース・ドレイン間が挿入接続される。このMOSFET51のソース・ゲート間に、抵抗52が接続される。さらに、MOSFET51のゲートに、MOSFET12に供給されるのと同じ駆動信号が、コンデンサ53を介して供給される。さらに、MOSFET51のドレインにダイオード58のカソードが接続され、そのダイオード58のアノードがアース接続される。
放電回路4は、ピエゾ素子6から直流電源1側への放電路を形成するための第3の開閉スイッチとして、MOSFET77を有している。このMOSFET77のドレインとピエゾ素子6との間の通電路に、ダイオード75およびインダクタ76が設けられる。そして、MOSFET77のソース・ゲート間に、抵抗78が接続される。さらに、MOSFET77のゲートに、図1のMOSFET14に供給されるのと同じ駆動信号が、コンデンサ(いわゆるカップリングコンデンサ)79を介して供給される。なお、MOSFET77は、寄生ダイオード77aを有する。
すなわち、放電回路4は、液体の吸込み時、MOSFET77がオフ状態を維持することにより、昇圧回路3からピエゾ素子6への充電経路を保つ。また、放電回路4は、液体の吐出時、MOSFET77がオンされることにより、ダイオード75、インダクタ76、MOSFET77、およびコンデンサ18を通る経路でピエゾ素子6の充電電圧を急速放電させる。この放電電流は、コンデンサ18および直流電源1に回生される。
インダクタ76のインダクタンスは、昇圧回路3のインダクタ11のインダクタンスに比べて小さい。これは、ピエゾ素子6の充電電圧を急速に放電させるためである。
なお、放電時、ピエゾ素子6の充電電圧が直流電源1の電圧まで降下するまでは、図20に破線矢印で示すように、ダイオード75、インダクタ76、およびMOSFET76を通ってコンデンサ18に流れた放電電流が、そのコンデンサ18からアースラインを通ってピエゾ素子6に戻る経路が形成される。ピエゾ素子6の充電電圧が直流電源1の電圧まで降下したら、今度は、それまでの放電電流によってインダクタ76にチャージされたエネルギーにより、ピエゾ素子6の残りの充電電圧がダイオード75、インダクタ76、およびMOSFET77を通ってコンデンサ18側に放電され、そのコンデンサ18を経た電流がアースラインを通ってピエゾ素子6に戻る経路が形成される。こうして、ピエゾ素子6が完全に放電し切ってエネルギーが無くなるまで放電路が形成され、コンデンサ18への放電エネルギーの回生が継続される。
ピエゾ素子6が完全に放電し切った後、インダクタ76およびインダクタ11に残っているエネルギーに基づく電流が、インダクタ76からMOSFET77、コンデンサ18、アースライン、ダイオード58、インダクタ11、整流ダイオード13、およびダイオード75を通ってインダクタ76に戻る経路で流れる。この電流経路はインダクタ76およびインダクタ11に残っているエネルギーが無くなるまで継続される。したがって、インダクタ76およびインダクタ11に不要なエネルギーが残らない。
以上のように、ピエゾ素子6の放電エネルギーをコンデンサ18に確実にしかも効率的に回生することができ、エネルギー効率の確実な向上が図れる。
ピエゾ素子6の電圧波形、昇圧動作(エネルギーのチャージを含む)および充電時にMOSFET12に流れる電流波形、放電時にMOSFET12に流れる回生電流波形を図21に示している。
他の構成、作用、効果は各実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[9]第9の実施形態について説明する。
この第9の実施形態は、図4に示した第3の実施形態の関連であり、図22に示すように、主制御部22に動作用電圧(直流電圧5V)を供給するための制御用電源21の電圧が、リセット回路25に入力される。
リセット回路25は、制御用電源21の電圧が主制御部22の動作不能レベルまで低下したとき、主制御部22のリセット端子にリセット信号を入力する。主制御部22は、リセット信号が入力されると、動作を停止する。
他の構成、作用、効果は、第3の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[10]第10の実施形態について説明する。
この第10の実施形態は、図4に示した第3の実施形態および図22に示した第9の実施形態で起こり得る不具合に対処している。
図4および図22の各実施形態では、複数の圧電素子駆動装置2が同じ直流電源1に接続されていることに対処し、昇圧回路3の出力端にダイオード33を順方向に介してツェナーダイオード34のカソードが接続され、そのツェナーダイオード34のアノードが直流電源1の正側端子に接続されている。
すなわち、他の圧電素子駆動装置2における昇圧回路3の出力電圧が当該圧電素子駆動装置2における昇圧回路3の出力電圧よりも高い場合、その差分の電圧いわゆる過電圧がダイオード33を介してツェナーダイオード34に加わる。このツェナーダイオード34に加わる過電圧が所定値(ツェナー電圧)以上であれば、ツェナーダイオード34に逆方向の電流が流れる。これにより、過電圧が減衰される。したがって、各圧電素子駆動装置2の昇圧電圧の違いにかかわらず、各圧電素子駆動装置2を独立的に安定して動作させるようにしている。また、ダイオード33により、他の圧電素子駆動装置2から流出した電流が当該圧電素子駆動装置2に流入しない。
さらに、ピエゾ素子6に破損や接続外れが生じてインダクタ11を経た充電電流の行き場がなくなった場合、整流ダイオード13のカソード電圧(ピエゾ素子6に加わる電圧)が急上昇する。この過電圧は、ダイオード33を介してツェナーダイオード34に加わる。このツェナーダイオード34に加わる過電圧が所定値(ツェナー電圧)以上であれば、ツェナーダイオード34に逆方向の電流が流れる。これにより、過電圧が減衰される。
ただし、ピエゾ素子6は1000pFぐらいの静電容量のコンデンサに相当する。このため、ピエゾ素子6に破損や接続外れが生じると、図23に示すように、整流ダイオード13のカソード電圧(ピエゾ素子6に加わる電圧)が通常の80Vから3倍の240V程度まで瞬時に上昇する。この上昇速度の速い過電圧に対しては、ツェナーダイオード34による減衰作用が間に合わない可能性がある。このままいつまでも駆動が続いてしまうと、過電圧で回路部品が破壊される可能性がある。
そこで、この第10の実施形態では、図24に示すように、ピエゾ素子6に対してコンデンサ80が並列に接続される。このコンデンサ80は、例えば100pFの静電容量を有するもので、図25に示すように、ピエゾ素子6の破損や接続外れに際して生じる過電圧(整流ダイオード13のカソード電圧)を自身への充電により抑制する。
また、昇圧回路3の出力端(整流ダイオード13のカソード)にダイオード33を順方向に介してツェナーダイオード34のカソードが接続され、そのツェナーダイオード34のアノードが抵抗81を介してアースラインに接続される。そして、ツェナーダイオード34のアノードと抵抗81との接続点が、ダイオード82を順方向に介して直流電源1の正側端子に接続されるとともに、チャージ停止回路(Charge Stop Circuit)83に接続される。さらに、MOSFET12のソースが、遮断用MOSFET84のドレイン・ソース間を介してアース接続される。なお、遮断用MOSFET84は、寄生ダイオード84aを有する。
ピエゾ素子6の破損や接続外れによって過電圧が生じると、その過電圧がダイオード33を介してツェナーダイオード34に加わる。このツェナーダイオード34に加わる過電圧が所定値(ツェナー電圧)以上であれば、ツェナーダイオード34に逆方向の電流が流れる。ツェナーダイオード34を経た電流は、ダイオード82を通って直流電源1に回生されるとともに、抵抗81を通ってアースラインに流れる。これにより、過電圧が減衰される。
チャージ停止回路83は、ツェナーダイオード34を経た電流によって抵抗81に生じる電圧が設定値以上になったとき、あるいは主制御部22に動作用電圧(直流電圧5V)を供給する制御用電源21の電圧が動作不能レベルまで低下してリセット回路25からリセット信号が発せられたとき、あるいはリセット回路25のウォッチドッグタイマ機能によって主制御部22の暴走による制御不能が検知されたとき、通常はオンしているMOSFET84をオフする。MOSFET84がオフすると、たとえMOSFET12がオンしていても、インダクタ11に電流が流れず、インダクタ11へのエネルギーのチャージが停止される。
作用を説明する。
エネルギーのチャージに際しては、MOSFET12がオンしてトランジスタアレイ30がオンするとともに、すでにMOSFET84がオンしているので、直流電源1からトランジスタアレイ30を通してインダクタ11にエネルギーをチャージするための電流が流れ、インダクタ11を経た電流がMOSFET12およびMOSFET84を通ってアースラインに流れる。アースラインに流れた電流は、直流電源1に流れる。
一方、ピエゾ素子6に破損や接続外れが生じた場合、整流ダイオード13のカソード電圧が急上昇するが、その過電圧はツェナーダイオード34での減衰とコンデンサ80の充電とで抑制される。これにより、圧電素子駆動装置2の回路部品が過電圧から保護される。
ツェナーダイオード34での減衰とコンデンサ80の充電にもかかわらず、過電圧が十分に抑制されずにまだ高い場合は、ツェナーダイオード34を経た電流によって抵抗81に生じる電圧が設定値以上となる。このとき、チャージ停止回路83によってMOSFET84がオフされる。MOSFET84がオフすると、たとえ主制御部22によってMOSFET12がオンされても、インダクタ11には昇圧動作用の電流が流れず、インダクタ11へのエネルギーのチャージが停止される。よって、以後の安全が確保される。
ツェナーダイオード34および抵抗81を経た電流は、アースラインからトランジスタアレイ30の内部ダイオード39を通ってインダクタ11に流れ、そのインダクタ11から整流ダイオード13およびダイオード33を通って再びツェナーダイオード34へと流れる。
制御用電源21の電圧が動作不能なレベルまで低下してリセット回路25からリセット信号が発せられた場合も、チャージ停止回路83によってMOSFET84がオフされる。したがって、このまま主制御部22によってMOSFET12がオンされても、インダクタ11には昇圧動作用の電流が流れず、インダクタ11へのエネルギーのチャージが停止され、安全が確保される。
制御用電源21の電圧が動作可能なレベルまで上昇してリセット回路25からのリセット信号の発生が解除されると、チャージ停止回路83によってMOSFET84がオンされる。
なお、リセット回路25に主制御部22を監視するウォッチドッグタイマ機能があって、そのウォッチドッグタイマ機能により主制御部22の暴走による制御不能が検知された場合には、上記同様に、チャージ停止回路83によってMOSFET84がオフされる。このオフにより、暴走した主制御部22がMOSFET12をオンしても、インダクタ11には昇圧動作用の電流が流れず、インダクタ11へのエネルギーのチャージが停止され、安全が確保される。
昇圧動作および充電時にMOSFET12に流れる電流波形、およびピエゾ素子6の電圧波形を図25に示している。
他の構成、作用、効果は各実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[11]第11の実施形態について説明する。
この第11の実施形態は、図20に示した第8の実施形態の変形例である。
図26に示すように、放電回路4において、ダイオード75がインダクタ76とMOSFET77のドレインとの間の通電路に設けられている。また、主制御部22内の要部の構成として、MOSFET12に対する制御信号を出力するゲート回路91、およびMOSFET12に対する制御信号を論理反転した形で出力する反転ゲート回路92を示している。なお、図26では、ダイオード75とインダクタ76の配置順を図20とは逆にしている。
昇圧回路3におけるインダクタ11の出力側にダイオード33を順方向に介してツェナーダイオード34のカソードが接続され、そのツェナーダイオード34のアノードが直流電源1の正側端子に接続される。
昇圧動作および充電時にMOSFET12に流れる電流波形、およびピエゾ素子6の電圧波形を図27に示している。
他の構成、作用、効果は第8の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[12]第12の実施形態について説明する。
この第12の実施形態は、図26に示した第11の実施形態の変形例である。
図28に示すように、昇圧回路3において、MOSFET51のドレインとダイオード58との接続点に、抵抗54を介してMOSFET12のゲートが接続される。
MOSFET51がオンすると、図29に示すように、MOSFET51のドレインとダイオード58との接続点の電圧Vgが高レベルとなり、MOSFET12もオンする。MOSFET51がオフすると、電圧Vgが零となり、MOSFET12もオフする。
また、昇圧回路3におけるインダクタ11の出力側にダイオード33を順方向に介してツェナーダイオード34のカソードが接続され、そのツェナーダイオード34のアノードが抵抗81を介してアースラインに接続される。そして、ツェナーダイオード34のアノードと抵抗81との接続点が、ダイオード82を順方向に介して直流電源1の正側端子に接続されるとともに、主制御部22内のラッチ回路93に接続される。
ラッチ回路93は、ツェナーダイオード34を経た電流によって抵抗81に生じる電圧が設定値以上になったとき、高レベルの電圧をラッチ出力する。このラッチ出力が主制御部22内のオア回路94の一方の入力端に入力される。オア回路94の他方の入力端には、放電回路4のMOSFET77を制御するための駆動信号も入力される。
さらに、放電回路4におけるダイオード75が、インダクタ76とMOSFET77との間の通電路に移されている。そして、インダクタ76の出力側(ダイオード75のアノード)にダイオード95を順方向に介してツェナーダイオード34のカソードが接続される。
このような構成によれば、主制御部22とMOSFET12のゲートとの間の駆動信号ラインが不要となり、主制御部22と圧電素子駆動装置2との間の駆動信号ラインを3本から2本に減らすことができる。
放電回路4は、液体の吸込み時はMOSFET77がオフ状態を維持することにより昇圧回路3からピエゾ素子6への充電経路を保つが、液体の吐出時はMOSFET77がオンすることによりインダクタ76、ダイオード75、およびMOSFET77を通る経路でピエゾ素子6の充電電圧を直流電源1側に急速放電させ、その放電電流を直流電源1に回生させる。
さらに、放電に際しては、図28に破線矢印で示すように、ピエゾ素子6の充電電圧が直流電源1の電圧まで降下するまでは、インダクタ76、ダイオード75、およびMOSFET77を通って直流電源1側に流れた放電電流が、その直流電源1からアースラインを通ってピエゾ素子6に戻る経路で流れる。ピエゾ素子6の充電電圧が直流電源1の電圧まで降下したら、今度は、それまでの放電電流によってインダクタ76にチャージされたエネルギーにより、ピエゾ素子6の残りの充電電圧がインダクタ76、ダイオード75、およびMOSFET77を通って直流電源1側に放電され、その直流電源1を経た電流がアースラインを通ってピエゾ素子6に戻る経路で流れる。こうして、ピエゾ素子6が完全に放電し切ってエネルギーが無くなるまで放電路が形成され、直流電源1への放電エネルギーの回生が継続される。
ピエゾ素子6が完全に放電し切った後、インダクタ76およびインダクタ11に残っているエネルギーに基づく電流が、インダクタ76からダイオード75、MOSFET77、直流電源1、アースライン、ダイオード58、インダクタ11、および整流ダイオード13を通ってインダクタ76に戻る経路で流れる。この電流経路は、インダクタ76およびインダクタ11に残っているエネルギーが無くなるまで継続される。したがって、インダクタ76およびインダクタ11に不要なエネルギーが残らない。
一方、ピエゾ素子6の破損や接続外れによって過電圧が生じると、その過電圧がダイオード33を介してツェナーダイオード34に加わる。このツェナーダイオード34に加わる過電圧が所定値(ツェナー電圧)以上であれば、ツェナーダイオード34に逆方向の電流が流れる。ツェナーダイオード34を経た電流は、ダイオード82を通って直流電源1に回生されるとともに、抵抗81を通ってアースラインに流れる。これにより、過電圧が減衰される。
このツェナーダイオード34での減衰にもかかわらず、過電圧が十分に抑制されずにまだ高い場合は、ツェナーダイオード34を経た電流によって抵抗81に生じる電圧が設定値以上となる。このとき、主制御部22内のラッチ回路93から高レベルの信号が出力される。この出力信号に基づき、オア回路94の出力が放電時と同じく高レベルとなり、放電回路4のMOSFET77がオンする。MOSFET77がオンすると、抑制できなかった分の過電圧がMOSFET77を通して直流電源1側に回生される。よって、以後の安全が確保される。
ツェナーダイオード34および抵抗81を経た電流は、アースラインからMOSFET12の寄生ダイオード12aおよび整流ダイオード13を通ってインダクタ76に流れ、そのインダクタ76からダイオード95を通って再びツェナーダイオード34へと流れる。
なお、MOSFET77のオンによるピエゾ素子6の放電中、そのMOSFET77が主制御部22の誤動作などでオフしてしまった場合には、放電電圧の行き場がなくなってダイオード75のアノード電圧が急上昇する。この過電圧は、ツェナーダイオード34での減衰によって抑制される。これにより、MOSFET77が過電圧から保護される。
他の構成、作用、効果は第11の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[13]第13の実施形態について説明する。
この第13の実施形態は、図4に示した第3の実施形態で起こり得る不具合に対処している。
すなわち、図30に示すように、また第7の実施形態の説明で用いた図18の等価回路に示したのと同じく、MOSFET12が寄生キャパシタンスCr,Co,Ciを有している(図30には寄生キャパシタンスCr,Coのみ示している)。
第2の開閉スイッチであるMOSFET12がオンされ、それに伴い、第1の開閉スイッチであるトランジスタアレイ30がオンすると、インダクタ11に電流が流れ、インダクタ11にエネルギーがチャージされる。
次に、MOSFET12がオフされると、インダクタ11にチャージされたエネルギーが整流ダイオード13を介してピエゾ素子6に印加され、ピエゾ素子6が充電されていく。この充電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吸込まれる。このときの電流径路は、インダクタ11から整流ダイオード13、ピエゾ素子6、アースライン、トランジスタアレイ30の内部ダイオード39、ダイオード31を通ってインダクタ11に戻る経路である。
トランジスタアレイ30は、MOSFET12がオフしてから遅れてオフする。このトランジスタアレイ30のオフ時は、上記のように、インダクタ11から整流ダイオード13、ピエゾ素子6、アースライン、トランジスタアレイ30の内部ダイオード39、ダイオード31を通ってインダクタ11に戻る経路で電流が流れている。つまり、トランジスタアレイ30内のトランジスタに電流が流れていないので、トランジスタアレイ30を安全にオフすることができる。
インダクタ11からピエゾ素子6へのエネルギーの供給は、インダクタ11の出力電圧がピークに達したとき、ピエゾ素子6から整流ダイオード13のカソードに加わるバイアス(いわゆる逆バイアス)により、停止する。
こうして、ピエゾ素子6の充電が完了した後、放電回路4のMOSFET14がオンされて、ピエゾ素子6の充電電圧がMOSFET14を通ってアース側に急速放電される。この急速放電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吐出される。この放電後、MOSFET14がオフされる。
ここで、問題となるのは、図31に示すように、インダクタ11からピエゾ素子6へのエネルギーの供給が整流ダイオード13への逆バイアスによって停止したとき、インダクタ11と整流ダイオード13のアノードとの接続点の電圧とほぼ同じ高電圧がMOSFET12の寄生キャパシタンスCr,Coに充電された状態にある。そして、インダクタ11に残るエネルギーによってインダクタ11の出力端から入力端の方向に電流が流れると、インダクタ11の出力端の電圧が下がり、それに伴って寄生キャパシタンスCr,Coからインダクタ11に向かって電流が流れる。これがトリガとなって共振が生じ、インダクタ11の出力端から入力端へ向かう電流と入力端から出力端へ向かう電流が交互に繰り返して流れ、インダクタ11の両端電圧VLが大きく振動してしまうことである。この電圧変動が次のMOSFET12およびトランジスタアレイ30のオンによるエネルギーのチャージタイミングまで残ると、ピエゾ素子6への充電量に変動が生じ、液体の吐出量を適正に制御することが困難となる可能性がある。
このような不具合を防ぐため、この第13の実施形態では、図32に示すように、インダクタ11の出力側(整流ダイオード13のアノード)とMOSFET12のドレインとの間の通電路に、MOSFET12のドレインからインダクタ11に向かう電流を阻止するダイオード101が接続される。このダイオード101の採用に伴い、インダクタ11からトランジスタアレイ30に向かう回生電流を阻止するためのダイオード31,32が除去される。
このような構成によれば、インダクタ11からピエゾ素子6へのエネルギーの供給が整流ダイオード13への逆バイアスによって停止したとき、インダクタ11と整流ダイオード13のアノードとの接続点の電圧とほぼ同じ高電圧がMOSFET12の寄生キャパシタンスCr,Coに充電された状態にあるが、ダイオード101の存在により、寄生キャパシタンスCr,Coからインダクタ11に向かう電流が阻止される。インダクタ11の残るエネルギーが減少していっても、この電流阻止が継続される。したがって、図33に示すように、インダクタ11の両端電圧VLの振動は、インダクタ11自身の寄生キャパシタンスだけによるものとなり、短時間のうちに迅速に収束し、次のMOSFET12およびトランジスタアレイ30のオンによるエネルギーのチャージタイミングまで残らない。
こうして、インダクタ11の両端電圧VLの振動が短時間のうちに迅速に収束して次のエネルギーのチャージタイミングまで残らないことにより、ピエゾ素子6への充電量が変動なく安定し、液体の吐出量を適正に制御することが可能となる。ひいては、図33に示すように、MOSFET12およびトランジスタアレイ30のオンから次のオンまでの周期を短縮することができる。ひいては、ピエゾ素子6の充放電サイクルの短縮が図れる。
なお、トランジスタアレイ30およびMOSFET12のオンによってインダクタ11に電流が流れるエネルギーのチャージに際し、電流径路に存するダイオード101によって電圧降下が生じるが、その電圧降下は除去した元のダイオード31による電圧降下分と同じなので、電力損失の問題は生じない。
ダイオード101を設ける位置については、インダクタ11と整流ダイオード13のアノードとの接続点からMOSFET12のドレインにかけての通電路に限らず、トランジスタアレイ30の出力端からインダクタ11およびMOSFET12を通ってアースラインに至る経路であれば、どこでもよい。例えば、インダクタ11との間の通電路、つまり元のダイオード31が設けられていた位置でもよい。
他の構成、作用、効果は第3の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[14]第14の実施形態について説明する。
この第14の実施形態は、図4に示した第3の実施形態で起こり得る不具合に対処している。
すなわち、図34に示すように、インダクタ11の周辺たとえばインダクタ11の入力端とアースラインとの間に寄生キャパシタンスCxが存在する。寄生キャパシタンスCxしか示していないが、インダクタ11の出力端側には、第13の実施形態で説明したように、MOSFET12が寄生キャパシタンスCr,Coが存在する。なお、実際の回路上には、寄生キャパシタンスCxや寄生キャパシタンスCr,Coだけでなく、他の各部品とアースラインとの間にもそれぞれ寄生キャパシタンスが存在する。
問題となるのは、インダクタ11からピエゾ素子6へのエネルギーの供給が整流ダイオード13への逆バイアスによって停止したとき、インダクタ11と整流ダイオード13のアノードとの接続点の電圧とほぼ同じ高電圧がMOSFET12の寄生キャパシタンスCr,Coに充電された状態にある。そして、インダクタ11に残るエネルギーによってインダクタ11の出力端から入力端の方向に電流が流れると、インダクタ11の出力端の電圧が下がり、それに伴って寄生キャパシタンスCr,Coからインダクタ11に向かって電流が流れる。この電流によってインダクタ11の入力端電圧V1が上昇し、寄生キャパシタンスCxが充電される。この充電後、今度は、インダクタ11の入力端から出力端の方向に電流が流れ、インダクタ11の出力端の電圧が上昇する。こうして、インダクタ11のインダクタンスと各寄生キャパシタンスとによる共振が生じ、インダクタ11の出力端と入力端との間で電流が交互に繰り返して流れ、インダクタ11の両端電圧が大きく振動してしまうことである。
インダクタ11の入力端電圧V1、インダクタ11の出力端電圧V2、ピエゾ素子6の電圧V3を電圧モニタ111,112,113を用いてそれぞれモニタしたのが図35であり、入力端電圧V1および出力端電圧V2にそれぞれ大きな振動が生じる。
インダクタ11の両端電圧の変動が次のMOSFET12およびトランジスタアレイ30のオンによるエネルギーのチャージタイミングまで残ると、ピエゾ素子6への充電量に変動が生じ、液体の吐出量を適正に制御することが困難となる可能性がある。
そこで、この第14の実施形態では、図36に示すように、インダクタ11と並列に、可変抵抗120が接続される。可変抵抗120がインダクタ11に並列接続されると、インダクタ11に流れる電流が可変抵抗120に分流して流れる。この可変抵抗120への分流により、インダクタ11に流れる電流のエネルギーが低減される。
可変抵抗120の抵抗値をR1,R2,R3,R4(R1>R2>R3>R4)に変化させながら、インダクタ11の入力端電圧V1およびピエゾ素子6の電圧V3を電圧モニタ111,113を用いてモニタしたのが図37、図38、図39、図40である。
可変抵抗120の抵抗値が最も大きいR1のときの入力端電圧V1は、図37のように、振動の振幅期間が長くなる。
可変抵抗120の抵抗値がR1より小さいR2のときの入力端電圧V1は、図38のように、R1の場合よりも振動の振幅期間が短くなる。
可変抵抗120の抵抗値がR2より小さいR3のときの入力端電圧V1は、図39のように、R2の場合よりも振動の振幅期間がさらに短くなる。
可変抵抗120の抵抗値がR3より小さいR4のときの入力端電圧V1は、図40のように、振動の振幅期間は短くなるが、波形が崩れてしまう。
こうして、可変抵抗120の抵抗値を変化させながら、入力端電圧V1の振動の振幅期間も最も短くて、しかも入力端電圧V1の波形が崩れない条件を見つける。
可変抵抗120の抵抗値として最適なのはR3であり、そのR3が選定されることにより、インダクタ11の入力端電圧V1が短時間のうちに迅速に収束し、次のMOSFET12およびトランジスタアレイ30のオンによるエネルギーのチャージタイミングまで残らない。
インダクタ11の入力端電圧V1の振動が短時間のうちに迅速に収束して次のエネルギーのチャージタイミングまで残らないことにより、ピエゾ素子6への充電量が変動なく安定し、液体の吐出量を適正に制御することが可能となる。ひいては、MOSFET12およびトランジスタアレイ30のオン,オフの周期を短縮することができる。ひいては、ピエゾ素子6の充放電サイクルの短縮が図れる。
なお、可変抵抗120に代えて、最適な抵抗R3を有する固定抵抗をインダクタ11に並列接続してもよい。
他の構成、作用、効果は第3の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[15]第15の実施形態について説明する。
第15の実施形態は、図4に示した第3の実施形態および図22に示した第9の実施形態で起こり得る不具合に対処している。
すなわち、図41に示すように、昇圧回路3の出力端にダイオード33を順方向に介してツェナーダイオード34のカソードが接続され、そのツェナーダイオード34のアノードが直流電源1の正側端子に接続されている。他の圧電素子駆動装置2における昇圧回路3の出力電圧が当該圧電素子駆動装置2における昇圧回路3の出力電圧よりも高い場合、その差分の電圧がダイオード33を通ってツェナーダイオード34に加わり同ツェナーダイオード34で減衰される。これにより、各圧電素子駆動装置2の昇圧電圧の違いにかかわらず、各圧電素子駆動装置2を独立的に安定して動作させるようにしている。また、ダイオード33により、他の圧電素子駆動装置2から流出した電流が当該圧電素子駆動装置2に流入しない。さらに、ピエゾ素子6に破損や接続外れが生じてインダクタ11を経た充電電流の行き場がなくなった場合、整流ダイオード13のカソード電圧(ピエゾ素子6に加わる電圧)が急上昇する。この過電圧は、ダイオード33およびツェナーダイオード34を介して直流電源1に加わり、ツェナーダイオード34で減衰される。
なお、主制御部22からMOSFET12のゲートへの駆動信号ラインに抵抗131が設けられ、主制御部22からMOSFET14のゲートへの駆動信号ラインに抵抗132が設けられている。
ここで、問題となるのは、ツェナーダイオード34が寄生キャパシタンス34aを有し、各ダイオード33も寄生キャパシタンス33aを有する点である。しかも、圧電素子駆動装置2の個数が多いと、各圧電素子駆動装置2からツェナーダイオード34のカソードまでの配線が長くなり、その配線とアースラインとの間にも無視できない寄生キャパシタンスが存在する点である。
すなわち、複数の圧電素子駆動装置2のうち、例えば1つの圧電素子駆動装置2だけ動作する場合(1チャネル駆動)、その1つの圧電素子駆動装置2から見た上記寄生キャパシタンス33a,34aおよびその他の寄生キャパシタンスの合成容量はとても大きい。したがって、昇圧回路3の出力によるピエゾ素子6の充電に際し、その昇圧回路3の出力の一部が上記寄生キャパシタンス33a,34aやその他の寄生キャパシタンスの充電に使われてしまう。
このため、ピエゾ素子6の電圧は、図42に示すように、MOSFET12およびトランジスタアレイ30のオン,オフが6回ほど繰り返された後、やっと目標レベルである例えば80Vに達することになる。つまり、駆動開始時は、ピエゾ素子6の充電量が不十分で、適正な量の液体を吐出できない心配がある。
そこで、第15の実施形態では、図43に示すように、昇圧回路3の出力端からダイオード33およびツェナーダイオード34を介して直流電源1の正側端子につながる配線が、ダイオード33およびツェナーダイオード34と共に、除去される。そして、インダクタ11と整流ダイオード13のアノードとの接続点(MOSFET12のドレイン)からMOSFET14のゲートにかけて、抵抗133が接続される。抵抗133の抵抗値は、MOSFET14のゲートにつながる駆動信号ライン上の抵抗132の抵抗値よりもはるかに大きい。例えば、抵抗132の抵抗値を“1”とすると、抵抗133の抵抗値は“150”である。
作用を説明する。
ダイオード33、ツェナーダイオード34、およびその配線が除去されることにより、昇圧回路3の出力の一部が、寄生キャパシタンス33a,34aおよびその他の寄生キャパシタンスの充電に使われない。
したがって、ピエゾ素子6の電圧は、図44に示すように、駆動開始からすぐに目標レベルに達する。つまり、駆動開始からすぐに、ピエゾ素子6の充電量が十分となって、適正な量の液体を吐出できる。
抵抗133の抵抗値として抵抗132の抵抗値よりはるかに大きな値が選定されているので、ピエゾ素子6の破損や接続外れがない正常時は、主制御部22から出力される駆動信号によってのみMOSFET14のオン,オフが制御される。
ピエゾ素子6に破損や接続外れが生じて、整流ダイオード13のカソード電圧(ピエゾ素子6に加わる電圧)が通常の80Vから3倍の240V程度まで上昇した場合には、その過電圧が主制御部22内のゲート(図示していない)を介して抵抗133,132の直列回路に印加される。このとき、抵抗132に生じる電圧がMOSFET14のゲートの閾値電圧(例えば0.8V〜1.1V)を超えて、MOSFET14がオンする。MOSFET14がオンすると、整流ダイオード13のカソードがMOSFET14を介してアース接続され、アースラインに過電圧が放電される。これにより、圧電素子駆動装置2の回路部品が過電圧から保護される。
他の構成、作用、効果は第3および第9の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[16]第16の実施形態について説明する。
この第16の実施形態は、図11に示した第5の実施形態の変形である。
図45に示すように、放電回路4がMOSFET14のみの構成となり、昇圧回路3のダイオード55およびMOSFET56が除去される。そして、昇圧回路3において、インダクタ11と整流ダイオード13のアノードとの接続点から、MOSFET12のベースにかけて、抵抗140が接続される。抵抗140は抵抗54と直列回路を形成しており、その直列回路がインダクタ11に対して並列接続された形となる。
他の構成は第5の実施形態と同じである。
作用を説明する。
まず、MOSFET51がオンするときのMOSFET51のゲート電圧の閾値は、例えば−2.3Vである。主制御部22からMOSFET51に対して出力される駆動信号は、レベル変化が0V〜3.3Vである。0VがMOSFET51をオンするための低レベルに相当し、3.3VがMOSFET51をオフするための高レベルに相当する。すなわち、駆動信号が高レベルのとき、抵抗52を介したバイアス電圧(=12V−3.3V)がMOSFET51のゲートに加わり、MOSFET51がオフ状態を維持する。駆動信号が低レベルになると、MOSFET51のゲート電圧が閾値の−2.3V以下に低下し、MOSFET51がオンする。この状態で、MOSFET51のゲート電圧が抵抗52とコンデンサ53とにより定まる時定数(例えば100μS)で上昇していく。この時定数に基づく例えば50μ秒後、MOSFET51のゲート電圧が閾値の−2.3Vを超えて高くなり、MOSFET51がオフする。
MOSFET51がオンしたとき、そのMOSFET51を経た略12Vの電圧が抵抗54を介してMOSFET12のゲートに印加され、MOSFET12がオンする。MOSFET51がオフされると、MOSFET12もオフする。
MOSFET51およびMOSFET12がオンしたとき、実線矢印のようにインダクタ11に電流が流れ、インダクタ11にエネルギーがチャージされていく。ここで、MOSFET51のオン時間は上記した時定数に基づく50μ秒に制限される。この時間制限により、インダクタ11へのエネルギーのチャージが飽和する前にインダクタ11への通電が停止され、過電流による回路部品の破損が未然に防止される。
MOSFET12がオフすると、インダクタ11にチャージされたエネルギーが整流ダイオード13を介してピエゾ素子6に印加され、ピエゾ素子6が充電されていく。この充電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吸込まれる。このときの電流径路は、インダクタ11から整流ダイオード13、ピエゾ素子6、アースライン、ダイオード58を通ってインダクタ11に戻る経路である。このとき、MOSFET12のゲート電圧はダイオード58のカソード電圧である0.7V程度と小さく、よってMOSFET12のオフ状態が維持される。
インダクタ11からピエゾ素子6へのエネルギーの供給は、インダクタ11の出力電圧がピークに達したとき、ピエゾ素子6から整流ダイオード13のカソードに加わるバイアス(いわゆる逆バイアス)により、停止する。
こうして、ピエゾ素子6の充電が完了した後、放電回路3のMOSFET14がオンされる。このオンにより、破線矢印で示すように、ピエゾ素子6の充電電圧がMOSFET14を通ってアース側に急速放電される。この急速放電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吐出される。この放電後、MOSFET14がオフされる。
この第16の実施形態の特徴として、第15の実施形態と同じく、昇圧回路3の出力端からダイオード33およびツェナーダイオード34を介して直流電源1の正側端子につながる配線が、ダイオード33およびツェナーダイオード34と共に、除去されている。そして、上記抵抗140の抵抗値として、抵抗54の抵抗値よりもはるかに大きい値が選定されている。
作用を説明する。
ダイオード33、ツェナーダイオード34、およびその配線が除去されることにより、昇圧回路3の出力の一部が、寄生キャパシタンス33a,34aおよびその他の寄生キャパシタンスの充電に使われない。
したがって、ピエゾ素子6の電圧は、駆動開始からすぐに目標レベルに達する。つまり、駆動開始からすぐに、ピエゾ素子6の充電量が十分となって、適正な量の液体を吐出できる。
抵抗140の抵抗値として抵抗54の抵抗値よりはるかに大きな値が選定されているので、ピエゾ素子6の破損や接続外れがない正常時は、MOSFET51の出力電圧によってのみMOSFET12のオン,オフが制御される。
MOSFET12のオフによってピエゾ素子6に対する充電が始まったとき、仮にピエゾ素子6に破損や接続外れが生じていれば、整流ダイオード13のカソード電圧(ピエゾ素子6に加わる電圧)が通常の80Vから許容レベルの120V〜144Vを超えて240V程度に急上昇する。この場合、急上昇した過電圧がダイオード58を逆方向に介して抵抗140,54の直列回路に印加される。このとき、抵抗54に生じる電圧がMOSFET12のゲートの閾値電圧(例えば0.8V〜1.1V)を超えて、MOSFET12がオンする。MOSFET12がオンすると、整流ダイオード13のカソードがMOSFET12を介してアース接続され、アースラインに過電圧が放電される。これにより、圧電素子駆動装置2の回路部品が過電圧から保護される。
他の構成、作用、効果は第3および第9の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[17]第17の実施形態について説明する。
図46に示すように、塗布装置全体の動作用電圧を出力する主電源として、例えば24Vの直流電圧Vinを発生する直流電源150が設けられている。この直流電源150に、マスターコントローラ151および複数の液体吐出ヘッド152が接続される。マスターコントローラ151は、直流電圧Vinにより動作し、各液体吐出ヘッド152を統括的に制御する。各液体吐出ヘッド152は、上記各実施形態の制御ユニット20、この制御ユニットに動作用の直流電圧を供給する直流電源(DC/DCコンバータ)21、複数たとえば256個の圧電素子駆動装置2、これら圧電素子駆動装置2に動作用の12Vの直流電圧Vpを供給する電源ユニット200からなる。
各圧電素子駆動装置2の構成は、上記各実施形態で示したいずれのものでもよいが、説明を分かり易くするために、図1に示した第1の実施形態の構成と同じであるとする。
電源ユニット200は、図47に示すように、MOSFET201、ツェナーダイオード202、インダクタ203、およびコンデンサ204からなるDC/DCコンバータを有し、上記直流電圧Vinを各圧電素子駆動装置2の動作に必要な一定レベルの直流電圧Vpに変換して出力する。とくに、電源ユニット200は、出力の直流電圧VpをPI制御部206にフィードバックし、その直流電圧Vpと基準電圧電源205の基準電圧Vrefとの差をPI制御によって電圧調整信号に変換し、その電圧調整信号の電圧レベルに応じたオン,オフデューティのスイッチング信号をパルス幅変調回路(PWM)207から出力する。このスイッチング信号が上記DC/DCコンバータのMOSFET201のゲートに供給されることにより、常に上記一定レベルに保たれた直流電圧Vpが得られる。
各圧電素子駆動装置2は、直流電圧Vpによって動作し、MOSFET12のオンによってインダクタ11にエネルギーをチャージし、チャージしたエネルギーをMOSFET12のオフ(昇圧)によってピエゾ素子6に供給することによりピエゾ素子6の充電を行い、その後、MOSFET14のオンによってピエゾ素子6を放電させる。MOSFET12,14の動作、ピエゾ素子6の電圧波形、MOSFET12の電流波形を図48に示している。
ここで、MOSFET12のオン時間Tcは例えば10μ秒〜30μ秒の範囲で調節可変である。このオン時間Tcを長くするほど、ピエゾ素子6への印加電圧Voutが高くなって(最高90V)、液体の吐出量が多くなる。オン時間Tcを短くするほど、ピエゾ素子6への印加電圧Voutが低くなって(最低30V)、液体の吐出量が少なくなる。
Vout=Vp×Tc/√(L×C)
Lはインダクタ11のインダクタンス、Cはピエゾ素子6の寄生キャパシタンスである。
他の構成、作用、効果は上記各実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[18]第18の実施形態について説明する。
上記の第7の実施形態において、MOSFET12のオフ(昇圧)からMOSFET14のオン(放電)までの時間は、変えることができない。したがって、ピエゾ素子6の充放電に基づく液体の1回の吐出に要する時間を短くするためには、MOSFET12のオン時間Tcを短くすればよい。しかしながら、MOSFET12のオン時間Tcを短くすると、ピエゾ素子6の充電量が少なくなって、液体の1回の吐出量が少なくなってしまう。
また、液体吐出ヘッド152内の各圧電素子駆動装置2のうち、動作(液体吐出)が必要ないくつかの圧電素子駆動装置2は、それぞれの動作が互いに影響し合わないよう、同じタイミングで動作する。このため、各圧電素子駆動装置2の動作時と非動作時とで直流電圧Vpに変動が生じ、その変動に対して電源ユニット200のフィードバック制御が追従できなくなる可能性がある。こうなると、たとえMOSFET12のオン時間Tcを調節しても、液体の吐出量を適正に制御することが困難となる。
そこで、この第7の実施形態では、電源ユニット200が図49に示すように構成される。
電源ユニット200は、直流電圧Vinを各圧電素子駆動装置2の動作に必要な一定レベルの直流電圧Vpに変換して出力するとともに、その出力する直流電圧Vpの一定レベルを各圧電素子駆動装置2の同時動作の個数nに応じたフィードフォワード制御により調整する。
すなわち、直流電圧Vpの設定用として制御ユニット20から出力されるパルス幅変調(PWM)信号が、ローパスフィルタ210で平滑されて、基準電圧Vrefとなる。この基準電圧VrefがPI制御部206に入力される。また、当該電源ユニット200の出力である直流電圧Vpが、PI制御部206にフィードバックされる。PI制御部206は、基準電圧Vrefと直流電圧Vpとの差をPI制御によって電圧調整信号に変換する。この電圧調整信号は、差動増幅回路213の一方の入力端に入力される。
また、制御ユニット20から各圧電素子駆動装置2のMOSFET12に対して供給される複数の駆動信号が、それぞれ抵抗121を介して演算部212に取り込まれる。演算部212は、各抵抗121を介して取り込まれる駆動信号から、各圧電素子駆動装置のうち同時動作(液体吐出)する圧電素子駆動装置2の個数nを検出する。そして、演算部212は、検出した個数nに基づく下式の演算により、パルス幅変調回路(PWM)207から出力すべきスイッチング信号のオン,オフデューティdを求め、そのオン,オフデューティdに対応する電圧レベルの電圧調整信号を出力する。
d∝(L0/L)×n×Vp/(Vin−Vp)
LoはDC/DCコンバータのインダクタ203のインダクタンス、Lは各圧電素子駆動装置2におけるインダクタ11の代表的なインダクタンス、Vpは設計上の基準値、Vinも設計上の基準値である。
この演算部212から出力される電圧調整信号は、上記差動増幅回路213の他方の入力端に入力される。差動増幅回路213は、両入力端に入力される電圧調整信号の差に対応する電圧レベルの信号を最終的な電圧調整信号として出力する。この電圧調整信号がパルス幅変調回路(PWM)207に供給される。
パルス幅変調回路(PWM)207は、差動増幅回路213から供給される電圧調整信号の電圧レベルに応じてオン,オフデューティが変化するスイッチング信号を出力する。このスイッチング信号がDC/DCコンバータのMOSFET201のゲートに供給されることにより、当該電源ユニット200から直流電圧Vpが出力される。
このような構成によれば、圧電素子駆動装置2の動作の個数nが多いほど、演算部212から高い電圧レベルの電圧調整信号が出力されて、電源ユニット200から出力される直流電圧Vpが上昇方向に調整される。例えば、直流電圧Vpが通常の12Vから18Vの範囲で調整される。つまり、圧電素子駆動装置2の動作の個数nに応じて直流電圧Vpを予め調整するフィードフォワード制御が行われる。
したがって、個数nの圧電素子駆動装置2が同時動作した際に、直流電圧Vpが低下方向に変動しようとしても、その変動が上記フィードフォワード制御によって補われる。
さらに、直流電圧Vpが変動なく安定することにより、各圧電素子駆動装置2におけるMOSFET12のオン時間Tcの調節による吐出量制御の信頼性が向上する。
しかも、基準電圧Vrefを高めて直流電圧Vpを高くすれば、各圧電素子駆動装置2におけるMOSFET12のオン時間Tcを図50に示すように短縮しても、ピエゾ素子6の充電量は減少せず、よって液体の1回の吐出量を最適な状態に維持できる。MOSFET12のオン時間Tcを短縮できれば、液滴の吐出から次の吐出までの時間を短くすることができ、液滴吐出の高速化が図れる。
他の構成、作用、効果は上記第17の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
[19]変形例
なお、この発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の実施形態を形成できる。各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態の構成要素を適宜に組み合わせてもよい。
この発明の圧電素子駆動装置および塗布装置は、基板上に液体たとえばインクを噴射塗布して機能性薄膜を形成するインクジェットヘッド等への利用が可能である。

Claims (18)

  1. 圧電素子の充放電に伴う伸縮動作により液体を吸込んでノズルから吐出させる圧電素子駆動装置において、
    電源からの通電によりエネルギーがチャージされるインダクタ、このインダクタの一端と電源の正側端子との間の通電をオン、オフするための第1の開閉スイッチ、前記インダクタの他端と前記電源の負側端子との間の通電をオン、オフする第2の開閉スイッチを有し、この第2の開閉スイッチのオン、オフにより前記電源からの電圧を昇圧して前記圧電素子に加える昇圧手段と、
    前記圧電素子に対する放電路形成用の第3の開閉スイッチを有し、この第3の開閉スイッチのオンにより前記圧電素子の充電電圧を放電させる放電手段と、
    前記インダクタにエネルギーをチャージするべく前記第2の開閉スイッチをオンするとともにこの前記第2の開閉スイッチのオンに連動して前記第1の開閉スイッチをオンし、そのチャージしたエネルギーにより前記圧電素子を充電するべく前記第2の開閉スイッチをオフするとともにこの前記第2の開閉スイッチのオフに連動して前記第1の開閉スイッチをオフし、この充電後に前記圧電素子を放電するべく前記第3の開閉スイッチをオンする制御手段と、
    を備えることを特徴とする圧電素子駆動装置。
  2. 前記放電手段は、前記圧電素子の充電電圧が前記インダクタを通って前記電源側へ流れるエネルギー回生用の放電路を形成することを特徴とする請求項1に記載の圧電素子駆動装置。
  3. 前記昇圧手段は、複数であり、
    前記制御手段は、前記複数の昇圧手段を交互に動作させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧電素子駆動装置。
  4. 前記圧電素子と並列に接続されたコンデンサ、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子駆動装置。
  5. 前記昇圧手段の出力が過電圧のときにその過電圧を減衰させる減衰手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子駆動装置。
  6. 前記減衰手段は、前記昇圧手段の出力電圧が所定値以上のときに逆方向の電流が流れるツェナーダイオードである、
    ことを特徴とする請求項5に記載の圧電素子駆動装置。
  7. 前記ツェナーダイオードを経た電流が設定値以上のとき、前記昇圧手段の昇圧動作を停止する手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の圧電素子駆動装置。
  8. 前記放電手段は、前記圧電素子から前記電源側への放電路を形成するための第3の開閉スイッチ、この第3の開閉スイッチと前記圧電素子との間の通電路に設けられたインダクタを有し、
    前記昇圧手段のインダクタの出力側が過電圧のときにその過電圧を減衰させるとともに、前記放電手段のインダクタの出力側が過電圧のときにその過電圧を減衰させる減衰手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧電素子駆動装置。
  9. 前記減衰手段は、前記過電圧が所定値以上のときに逆方向の電流が流れるツェナーダイオードである、
    ことを特徴とする請求項8に記載の圧電素子駆動装置。
  10. 前記ツェナーダイオードを経た電流が設定値以上のとき、前記放電手段の前記第3の開閉スイッチを閉じる手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の圧電素子駆動装置。
  11. 前記昇圧手段は、前記インダクタに並列接続された抵抗を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧電素子駆動装置。
  12. 前記昇圧手段のインダクタの出力側が過電圧のとき、前記放電手段の第3の開閉スイッチを閉じる手段
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子駆動装置。
  13. 前記閉じる手段は、前記昇圧手段のインダクタの出力側と前記放電手段の第3の開閉スイッチのゲートとの間に接続された抵抗である、
    ことを特徴とする請求項12に記載の圧電素子駆動装置。
  14. 前記昇圧手段のインダクタの出力側が過電圧のとき、前記第2の開閉スイッチを閉じる手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子駆動装置。
  15. 前記閉じる手段は、前記昇圧手段のインダクタの出力側と前記第2開閉スイッチのゲートとの間に接続された抵抗である、
    ことを特徴とする請求項14に記載の圧電素子駆動装置。
  16. 請求項1に記載の圧電素子駆動装置を複数有する塗布装置であって、
    主電源の電圧を前記各圧電素子駆動装置の動作に必要な一定レベルに変換して出力するとともに、その出力電圧のフィードバック制御により同出力電圧を前記一定レベルに保つ電源ユニット、
    を備えることを特徴とする塗布装置。
  17. 請求項1に記載の圧電素子駆動装置を複数有する塗布装置であって、
    主電源の電圧を前記各圧電素子駆動装置の動作に必要な一定レベルに変換して出力するとともに、その出力電圧の一定レベルを前記各圧電素子駆動装置の同時動作の個数に応じたフィードフォワード制御により調整する電源ユニット、
    を備えることを特徴とする塗布装置。
  18. 前記請求項1に記載の圧電素子駆動装置を複数有し、これら圧電素子駆動装置により、基板上に液体を噴射塗布して機能性薄膜を形成する塗布装置。
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