JP5373432B2 - 光学装置 - Google Patents
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Description
このフレキシブル配線基板は、片面に複数の配線がプリントされた可撓性のプリント基板であり、プリント配線の本数が増えるに連れて、その幅寸法がより大きく形成されるものである。しかしながら、幅広のフレキシブル配線基板を用いると、可撓性が低下して屈曲し難くなるため可動要素の駆動負荷が増加する。また、フレキシブル配線基板の収容スペースが大きくなり、このフレキシブル配線基板を収容するレンズ鏡胴や装置の大型化を招くことになる。
しかしながら、スリットや切り込みを設けることで可撓性は改善されたとしても、フレキシブル配線基板の幅寸法が大きい故に、依然として、狭いスペースに配設するのは困難であり、収容スペースの増大、装置等の大型化の問題は解消されない。
一方、プリント配線基板の幅を小さくして、その両面にプリント配線を設けることも考えられるが、幅寸法は小さくできるものの厚さ寸法が増加して、可撓性が低下し(屈曲し難くなり)、前述同様に、可動要素を駆動する際の駆動負荷の増加を招き、又、配線がし難くなる。
この構成によれば、複数のプリント配線を設けつつも、フレキシブル配線基板を幅狭でかつ可撓性及び柔軟性を改善することができるため、可動要素が移動する際の負荷抵抗を軽減でき、又、装置の小型化を達成することができる。
すなわち、長尺可撓部領域が複数の分岐枝として形成され、かつ、複数の分岐枝がお互いに重なり合うように伸長して形成されているため、複数のプリント配線を設けつつもフレキシブル配線基板の幅寸法を小さく抑えることができ、又、それぞれの分岐枝は接合されるのではなく独立しているため、可撓性及び柔軟性を高めることができ、狭いスペースにおいても容易に配設することができる。
したがって、フレキシブル配線基板の追従性が改善されるため、可動要素が移動する際の負荷を低減することができ、又、このフレキシブル配線基板を収容する装置等の小型化を達成することができる。
また、フレキシブル配線基板を平板状の板材から打抜き等により形成する際に、基部領域と基部領域から分岐すると共にそれぞれ端部領域を画定する複数の分岐枝(少なくとも一つの主分岐枝、少なくとも一つの従分岐枝)を含むように形成し、一つの主分岐枝に他の従分岐枝を折り重ねるように曲げ加工を施すことで、容易にフレキシブル配線基板を得ることができる。
さらに、基部領域、端部領域、及び長尺可撓領域を含むフレキシブル配線基板がその片面にのみプリント配線が設けられた状態で、従分岐枝が少なくとも2回折り曲げられて平板状の基部領域に沿うように平板状に折り重ねられる折り曲げ部を含むため、従分岐枝を主分岐枝に重ね合わせるように折り重ねつつも、両者の可撓性を確保でき、主分岐枝と従分岐枝とを重なり合った状態で一緒に移動させることができ、小型化を達成しつつ、可動要素の負荷抵抗を低減して容易に移動させることができる。
この光学装置は、図1に示すように、固定要素としてのケース1、光軸L1を直角方向に進む光軸L2に光路変更するべくケース1に固定されたプリズム2、ケース1に固定されたレンズG1、レンズG2を保持し光軸L2方向に駆動される可動レンズ群3、レンズ光学系(レンズG3,G4,G5)を保持し光軸L2方向に駆動される可動要素としての像振れ補正ユニットU、像振れ補正ユニットUに端部領域が接続された配線要素としてのフレキシブル配線基板60、ケース1に固定されたレンズG6、ケース1に固定されたフィルタ4、ケース1に固定された撮像素子としてのCCD5、ケース1に設けられて可動レンズ群3を光軸L2方向に駆動する駆動ユニット(不図示)、ケース1に設けられて像振れ補正ユニットUを光軸L2方向に駆動する駆動ユニット(不図示)、ケース1に固定された第1接続要素(固定要素)としての制御ユニット(不図示)等を備えている。
そして、第2接続要素(可動要素)としての第1コイル42及び第2コイル52に対してフレキシブル配線基板60が接続されている。尚、磁気センサ80(81,82)についても、同様のフレキシブル配線基板が接続されているが、同様の構成であるため省略する。
そして、固定枠10には、図3に示すように、開口部11の両側において、第1駆動磁石41及び第1ヨーク43と第2駆動磁石51及び第2ヨーク53が嵌合して固定されている。
そして、カバー枠20には、切り欠き部21の両側において、第1磁気センサ81と第2磁気センサ82が嵌合して固定されている。
そして、可動枠30には、保持部31の両側において、第1コイル42及び第1復帰磁石71と、第2コイル52及び第2復帰磁石72が嵌合して固定されている。
また、可動枠30は、固定枠10とカバー枠20に挟まれて、光軸L2に垂直な平面内で、支持機構(例えば、摺動面、複数のボール等)により所定の範囲内を移動自在に支持されている。
第1復帰磁石71と第2復帰磁石72は、それぞれ対向する第1駆動磁石41と第2駆動磁石51との間に生じる磁気的吸引及び反発作用により、休止状態において、可動枠30を中心位置(レンズG3,G4,G5の光軸L2が開口部11の中心と一致する位置)に復帰させる(センタリングする)ようになっている。
第1磁気センサ81は、対向して配置された第1復帰磁石71の相対的な移動により、可動枠30の位置を検出するようになっている。
第2磁気センサ82は、対向して配置された第2復帰磁石72の相対的な移動により、可動枠30の位置を検出するようになっている。
端部領域62は、可動要素である像振れ補正ユニットUに含まれる第2接続要素としての第1コイル42に接続されるようになっている。
端部領域63は、可動要素である像振れ補正ユニットUに含まれる第2接続要素としての第2コイル52に接続されるようになっている。
分岐枝64は、基部領域61から直接(折り曲げられることなく)伸長する主分岐枝であり、その先端側において端部領域62を画定している。
分岐枝65は、分岐枝(主分岐枝)64に重ねられる従分岐枝であり、基部領域61の近傍において、2回折り曲げられる折り曲げ部66を含み、この折り曲げ部66によって、分岐枝(主分岐枝)64に折り重ねられるようになっている。
すなわち、分岐枝(主分岐枝)64と分岐枝(従分岐枝)65は、お互いに重なり合って伸長するように形成されている。
そして、折り曲げ部66において、谷折りライン66aに沿って谷折りを施し、続いて、山折りライン66bに沿って山折りを施すことで、図5(b)に示すように、分岐枝(主分岐枝)64に対して分岐枝(従分岐枝)65が折り重ねられる。
ここでは、分岐枝(従分岐枝)65が、基部領域61の近傍において、少なくとも2回折り曲げられる折り曲げ部66を含むため、分岐枝(従分岐枝)65の可撓性を確保しつつも、分岐枝(従分岐枝)65を分岐枝(主分岐枝)64に容易に折り重ねることができる。
したがって、このフレキシブル配線基板60が、固定要素である制御ユニットと可動要素である像振れ補正ユニットUの間に接続されると、その可撓性及び柔軟性が十分確保されて追従性が改善されるため、像振れ補正ユニットUが光軸L2方向に移動する際の負荷を低減することができる。また、このフレキシブル配線基板60をケース1内に収容する際に、配設を容易に行うことができ、又、ケース1の小型化を達成することができる。
この実施形態におけるフレキシブル配線基板160は、図6に示すように、第1接続要素に接続される平板状の基部領域161、基部領域161から分岐して伸長する平板状の長尺可撓部領域としての複数(ここでは、4つ)の分岐枝162,163,164,165、分岐枝162,163,164,165の先端領域にそれぞれ画定されて第2接続要素に接続される平板状の端部領域162a,163a,164a,165a、分岐枝164,165にそれぞれ設けられた折り曲げ部166,167等を備えている。
端部領域162a,163a,164a,165aは、それぞれ可動要素である第2接続要素に接続されるようになっている。
分岐枝162,163は、基部領域161から直接(折り曲げられることなく)伸長する主分岐枝である。
分岐枝164は、分岐枝(主分岐枝)162に重ねられる従分岐枝であり、基部領域161の近傍において、2回折り曲げられる折り曲げ部166を含み、この折り曲げ部166によって、分岐枝(主分岐枝)162に折り重ねられている。
すなわち、分岐枝(主分岐枝)162と分岐枝(従分岐枝)164は、お互いに重なり合って伸長するように形成されている。
分岐枝165は、分岐枝(主分岐枝)163に重ねられる従分岐枝であり、基部領域161の近傍において、2回折り曲げられる折り曲げ部167を含み、この折り曲げ部167によって、分岐枝(主分岐枝)163に折り重ねられている。
すなわち、分岐枝(主分岐枝)163と分岐枝(従分岐枝)165は、お互いに重なり合って伸長するように形成されている。
ここで、折り曲げ部166,167は、全体が湾曲又は屈曲するように形成されると共に、基部領域161の付け根部分に設けられた谷折りライン166a,167a、谷折りライン166a,167aから所定の間隔をあけて設けられた山折りライン166b,167bを含むように形成されている。
また、折り曲げ部167において、谷折りライン167aに沿って谷折りを施し、続いて、山折りライン167bに沿って山折りを施すことで、図6(b)に示すように、分岐枝(主分岐枝)163に対して分岐枝(従分岐枝)165が折り重ねられる。
ここでは、従分岐枝164,165が、基部領域161の近傍において、少なくとも2回折り曲げられる折り曲げ部166,167を含むため、分岐枝(従分岐枝)164,165の可撓性を確保しつつ、分岐枝(従分岐枝)164,165を分岐枝(主分岐枝)162,163にそれぞれ容易に折り重ねることができる。
したがって、このフレキシブル配線基板160が、光学装置の固定要素と可動要素の間に接続されると、その可撓性及び柔軟性が十分確保されて追従性が改善されるため、可動要素が移動する際の負荷を低減することができる。また、このフレキシブル配線基板160を装置内に収容する際に、配設を容易に行うことができ、又、装置の小型化を達成することができる。
この実施形態におけるフレキシブル配線基板60´は、図7に示すように、平板状の基部領域61´、平板状の端部領域62´,63´、基部領域61´と端部領域62´,63´を連結すると共に可撓性をもつ平板状の長尺可撓部領域としての複数(ここでは、2つ)の分岐枝64,65、分岐枝65に設けられた折り曲げ部66等を備えている。
尚、分岐枝(従分岐枝)65を分岐枝(主分岐枝)64に折り重ねる手順は前述同様であるため、説明を省略する。
このように、基部領域61´を可動要素に接続し、端部領域62´,63´を固定要素に接続する場合であっても、前述同様に、フレキシブル配線基板60´の可撓性及び柔軟性が十分確保されて追従性が改善されるため、可動要素が移動する際の負荷を低減することができる。また、このフレキシブル配線基板60´を装置内に収容する際に、配設を容易に行うことができ、又、装置の小型化を達成することができる。
上記実施形態においては、フレキシブル配線基板160において、主分岐枝として二つの分岐枝162,163、従分岐枝としてそれぞれ一つの分岐枝164,165を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、分岐枝(主分岐枝)163,164にそれぞれ重ねられる従分岐枝として2つ以上の分岐枝を採用してもよい。また、3つ以上の主分岐枝を採用してもよい。
上記実施形態においては、フレキシブル配線基板の基部領域が固定要素に接続され、端部領域が可動要素に接続される場合、又は、フレキシブル配線基板の基部領域が可動要素に接続され、端部領域が固定要素に接続される場合を示したが、これに限定されるものではなく、基部領域と端部領域が共に固定要素だけ又は可動要素だけに接続されてもよい。
G1,G2,G3,G4,G5,G6 レンズ
1 ケース(固定要素、第1接続要素)
2 プリズム
3 可動レンズ群
4 フィルタ
5,100 CCD
U 像触れ補正ユニット(可動要素)
10 固定枠
11 開口部
12,13 被ガイド部
14 当接部
20 カバー枠
21 切り欠き部
30 可動枠
31 保持部
40 第1駆動機構
41 第1駆動磁石
42 第1コイル(第2接続要素)
43,44 第1ヨーク
50 第2駆動機構
51 第2駆動磁石
52 第2コイル(第2接続要素)
53,54 第2ヨーク
60,60´,160 フレキシブル配線基板
61,61´,161 基部領域
62,62´,63,63´,162a,163a,164a,165a 端部領域
64,162,163 分岐枝(主分岐枝)
65,164,165 分岐枝(従分岐枝)
66,166,167 折り曲げ部
66a,166a,167a 谷折りライン
66b,166b,167b 山折りライン
70 復帰磁石
71 第1復帰磁石
72 第2復帰磁石
80 磁気センサ
81 第1磁気センサ
82 第2磁気センサ
Claims (1)
- 固定要素と、レンズ光学系を含む可動要素と、前記固定要素と前記可動要素の間に接続される配線要素とを備えた、光学装置であって、
前記配線要素は、片面にのみプリント配線が設けられると共に、前記固定要素に接続される平板状の基部領域と、前記可動要素に接続される平板状の端部領域と、前記基部領域と前記端部領域を連結すると共に可撓性をもつ平板状の長尺可撓部領域を含み、
前記長尺可撓部領域は、前記基部領域から分岐して伸長すると共に前記端部領域をそれぞれ画定する複数の分岐枝からなり、
前記複数の分岐枝は、前記基部領域から直接伸長する少なくとも一つの主分岐枝と、前記基部領域の近傍において少なくとも2回折り曲げられて前記平板状の基部領域に沿うように平板状に折り重ねられる折り曲げ部を有し前記主分岐枝に折り重ねられる少なくとも一つの従分岐枝を含むフレキシブル配線基板である、
ことを特徴とする光学装置。
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