JP5372398B2 - 多成分ガス検知装置 - Google Patents
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しかしながら、複数のガスセンサを具えた多成分ガス検知装置においては、標準装備された各々のガスセンサからの出力信号を共通の信号処理システムにより処理することにより各々の検知対象ガスの濃度を算出する構成とされており、他のガスセンサを単に追加した場合には、当該ガスセンサに対応する信号処理システムなどを別個に構成することが必要となって管理が複雑になるという、問題がある。
前記ガスセンサユニット追加装着部に選択的に装着される追加のガスセンサユニットは、前記既定のガスセンサユニットにおけるガスセンサと互いに検知対象ガスの種類または検知レベルの異なるガスセンサと、このガスセンサの出力信号を処理してガス濃度データを算出すると共に、当該ガス濃度データを含む、前記既定のガスセンサユニットに係る測定データと統一されたデータ通信の規格による測定データを作成する測定データ作成機構とよりなり、
すべての追加のガスセンサユニットにおいて得られる測定データが共通の信号伝送路を介して主データ処理機構に供給されて処理されると共に、前記表示機構により主データ処理機構よりの表示用データが表示されることを特徴とする。
追加のガスセンサユニットにおけるガスセンサとして、揮発性有機化合物検知用の光イオン化式ガスセンサ、特殊毒性ガス検知用の定電位電解式ガスセンサ、高濃度可燃性ガス検知用の熱伝導式ガスセンサ、二酸化硫黄ガス検知用の定電位電解式ガスセンサ、二酸化炭素ガス検知用の赤外線吸収式ガスセンサ、メタンガス検知用の赤外線吸収式ガスセンサ、イソブタンガス検知用の赤外線吸収式ガスセンサのうちから選択されるものを用いることができる。
この多成分ガス検知装置においては、例えば、標準装備された例えば4つのガスセンサユニット(以下、「既定ガスセンサユニット」という。)が装着されるガスセンサ装着部20と、例えば3つの追加のガスセンサユニットが交換可能に装着される3つのガスセンサユニット追加装着部30A、30B、30Cとを備えている。
ここに、既定ガスセンサS1〜S4に固有の情報としては、例えばセンサ型式,ガス名,校正前濃度,校正後濃度,校正日時,フルスケール,オプションガス名,少数点位置,デジット,警報点,校正濃度,ゼロサプレス値,ゼロ追尾設定,Wレンジデータ,切り替え濃度などを例示することができる。
追加のガスセンサユニットOS1,OS2,OS3は、いずれも、追加ガスセンサ31A,31B,31Cと、追加ガスセンサ31A,31B,31Cからの出力信号を処理して、ガス濃度データおよびガスセンサの故障状態および測定単位などのステータスデータを含む測定データを作成する測定データ作成機構と、追加ガスセンサ31A,31B,31Cについての固有の情報が記録されると共に測定データが記録される(データロガ機能)メモリ33A,33B,33Cとにより構成されている。
各々の機能拡張用サブ基板35A,35B,35Cは、互いに同一のインターフェースを有し、例えば同一サイズで作成されている。
メイン基板10と各々の機能拡張用サブ基板35A,35B,35Cとのデータ通信は、例えばI2 Cバスなどの2線式シリアル通信接続、SPIバスなどの3線式シリアル通信接続による信号伝送路、例えば図2(A)、(B)に示すように、すべての追加のガスセンサユニットOS1,OS2,OS3に共通の信号伝送路を介して行われる。
また、追加ガスセンサ31A,31B,31Cの特性に応じて、ガスセンサに固有の特性を補償するためのデータ、例えば、定電位電解式ガスセンサを備えた追加ガスセンサユニットのメモリにはD/A調整値、赤外線吸収式ガスセンサを備えた追加ガスセンサユニットのメモリには、光波(正弦波)の面積値、POT調整値、熱伝導式センサを備えた追加ガスセンサユニットのメモリには、センサ電圧、D/A調整値などが固有の情報として記録されている。
先ず、追加ガスセンサユニットが増設されていない場合には、被検ガス供給機構によって被検ガスが4つの既定ガスセンサの各々に順次に供給されて目的とする検知対象ガスについてその濃度検知が行われる。
そして、各々の既定ガスセンサS1〜S4において得られる出力信号は、メイン基板10における共通の信号処理システムにより処理され、これにより、目的とする各々の検知対象ガスについてのガス濃度データが算出されると共に、当該ガス濃度データおよびステータスデータを含む、統一されたデータ通信の規格による各々の検知対象ガスについての測定データが作成される。このようにして得られる測定データの各々は、メモリ15に記録されると共にその一部が表示用データとして表示機構40に伝送され、当該表示機構40により表示される。
ここに、表示用データは、現在のガス濃度値(例えば小数点を含む5桁の数字で表現)や濃度単位に加えて、ガス名、フルスケール、1デジット値、警報点、校正濃度、ゼロサプレス値、ゼロ追尾設定値などを含むものである。
一方、追加ガスセンサ31A〜31Cにおいて得られる出力信号(例えば定電位電解式センサは微弱電流信号、赤外線吸収式センサは光波(正弦波) の面積値、光イオン化式センサは微弱電流信号、熱伝導式センサは電流信号である。)は、それぞれ、メイン基板10における信号処理システムと同一または異なる、各々の機能拡張用サブ基板35A〜35Cにおける信号処理システムによって処理され、これにより、検知対象ガスについてのガス濃度データが算出され、さらに、当該ガス濃度データおよびステータスデータを含む、統一されたデータ通信の規格による各々の検知対象ガスについての測定データが作成されると共に、メモリ33A〜33Cに記録される。
追加ガスセンサユニットOS1〜OS3が増設された場合であっても、メイン基板10は、追加ガスセンサユニットOS1〜OS3における追加ガスセンサ31A〜31Cにおいて得られる出力信号に対する信号処理を行わないため、メイン基板10におけるプログラム(記録された情報)のアップデートをする必要がなく、この点においても、目的に応じて選択される追加ガスセンサユニットを容易に装着することできる。
また、機能拡張用サブ基板35A〜35C毎に特殊コマンドを設けておくことにより、それぞれの必要な処理、例えばガスセンサのゼロ校正、スパン校正処理などをメイン基板10からの動作指令信号に基づいて実行することができる。
さらに、赤外線通信を利用して、増設された追加のガスセンサユニットOS1〜OS3の情報をアップデートすること、例えばメイン基板10(ガス検知装置本体側)から警報点など設定情報を追加のガスセンサユニットOS1〜OS3におけるメモリ33A〜33Cに記録させることができ、これにより、当該追加のガスセンサユニットOS1〜OS3を異なるガス検知装置本体に増設する場合であっても、変更した設定情報を異なるガス検知装置本体において有効に使用することができる。
例えば、既定ガスセンサの各々に対応する測定データ作成機構が設けられた構成とされていてもよい。このような場合には、主データ処理機構に対する負担が軽減されると共に既定ガスセンサユニットそれ自体も交換可能に構成することができる。
追加のガスセンサに対応する機能拡張用サブ基板は、ガス検知装置本体側に単独で設けられていても、一のガスセンサユニットとして、追加のガスセンサと共にガス検知装置本体に増設されてもいずれであってもよい。
また、警報報知機構を備えた構成とすることができ、この場合には、いずれかの検知対象ガスの濃度がメイン基板によって基準値を越えたことが検出されたときに、目的とする検知対象ガスの各々についての警報が発せられる。
11 マイコン(CPU)
12 アンプ
13 A/D変換器
15 メモリ
16 外部出力端子
17 計時部(RTC)
20 ガスセンサ装着部
30A、30B、30C ガスセンサユニット追加装着部
31A,31B,31C 追加ガスセンサ
32A,32B,32C マイコン(CPU)
33A,33B,33C メモリ
35A,35B,35C 機能拡張用サブ基板
40 表示機構
S1 既定ガスセンサ(炭化水素ガス検知用の接触燃焼式ガスセンサ)
S2 既定ガスセンサ(酸素ガス検知用のガルバニ式ガスセンサ)
S3 既定ガスセンサ(一酸化炭素ガス検知用の定電位電解式ガスセンサ)
S4 既定ガスセンサ(硫化水素ガス検知用の定電位電解式ガスンサ)
OS1,OS2,OS3 追加のガスセンサユニット
Claims (4)
- 少なくとも1つが追加のガスセンサユニットが着脱自在に装着されるガスセンサユニット追加装着部である、複数のガスセンサユニット装着部と、前記ガスセンサユニット追加装着部以外の他のガスセンサユニット装着部に装着された互いに検知対象ガスの種類または検知レベルの異なるガスセンサを具えた複数の既定のガスセンサユニットと、装着されたガスセンサユニットの各々に被検ガスを供給する被検ガス供給機構と、前記既定のガスセンサユニットにおけるガスセンサの各々よりの出力信号を処理してガス濃度データを算出すると共に、当該ガス濃度データを含む、統一されたデータ通信の規格による測定データを作成する機能を有する主データ処理機構と、表示機構とを具えたガス検知装置本体を有してなり、
前記ガスセンサユニット追加装着部に選択的に装着される追加のガスセンサユニットは、前記既定のガスセンサユニットにおけるガスセンサと互いに検知対象ガスの種類または検知レベルの異なるガスセンサと、このガスセンサの出力信号を処理してガス濃度データを算出すると共に、当該ガス濃度データを含む、前記既定のガスセンサユニットに係る測定データと統一されたデータ通信の規格による測定データを作成する測定データ作成機構とよりなり、
すべての追加のガスセンサユニットにおいて得られる測定データが共通の信号伝送路を介して主データ処理機構に供給されて処理されると共に、前記表示機構により主データ処理機構よりの表示用データが表示されることを特徴とする多成分ガス検知装置。 - 測定データが、ガス濃度データおよびガスセンサのステータスデータを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の多成分ガス検知装置。
- 既定のガスセンサユニットとして、炭化水素ガス検知用の接触燃焼式ガスセンサ、酸素ガス検知用のガルバニ式ガスセンサ、一酸化炭素ガス検知用の定電位電解式ガスセンサおよび硫化水素ガス検知用の定電位電解式ガスンサを備えたガスセンサユニットが標準装備されており、
追加のガスセンサユニットにおけるガスセンサとして、揮発性有機化合物検知用の光イオン化式ガスセンサ、特殊毒性ガス検知用の定電位電解式ガスセンサ、高濃度可燃性ガス検知用の熱伝導式ガスセンサ、二酸化硫黄ガス検知用の定電位電解式ガスセンサ、二酸化炭素ガス検知用の赤外線吸収式ガスセンサ、メタンガス検知用の赤外線吸収式ガスセンサ、イソブタンガス検知用の赤外線吸収式ガスセンサのうちから選択されるものが用いられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多成分ガス検知装置。 - 3つの追加のガスセンサユニットが増設可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の多成分ガス検知装置。
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