JP5372378B2 - 動物用インサイチュ成形インプラント - Google Patents

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Description

薬物送達における徐放性担体として適用可能な生薬製剤の開発のために多くの研究がなされてきた。大抵の場合、これらの徐放性担体は、通常、熱可塑性樹脂で製造されるポリマーであり、これらは加熱により液化または軟化し冷却により再凝固し、一般に体内への挿入に先立ち、例えば外科用クリップ、外科用止め金または外科用インプラントなどのこれらの用途に従って所望の構造に形成される。挿入された後、それらはその形状を維持する。
驚くべきことに、これらの徐放性系のうち、例えばProfact(登録商標)、Zoladex(登録商標)およびAtridox(登録商標)など商業段階に達したものはわずかしかなく、そのことは、周知の徐放性担体が商業化を妨げる望ましくない副作用を示すことを示唆しているように思える。
薬物送達装置として用いられる場合、薬物はポリマー組成物内に組み込まれ、装置の形は体外で形成される。そして、この固体インプラントは、通常、ヒトまたは動物の体内に切開術により挿入される。ある種のポリマーは、液体組成物としてシリンジにより注入され得る。徐放性薬物送達系に適用可能な生分解性液体ポリマー組成物は、例えば米国特許第5702716号および米国特許第4938763号に記載されている。これらのポリマー組成物は液体状態において、あるいは溶液として、通常シリンジを用いて体内に投与される。体内において組成物は凝固または硬化し、固体になる。ポリマー組成物の1つの種類は、水混和性溶媒中に溶解した、非反応性、熱可塑性のポリマーまたはコポリマーからなる。このポリマー溶液は、体内に配置され、そこで溶媒が周囲の体組織中に散逸または拡散すると、ポリマーは凝結または凝固する。
徐放性組成物中に可塑剤が存在するとポリマーによる生物活性物質の放出が促進されることは、周知である。周知の可塑剤が、徐放性送達系からの薬物の送達を増進するために用いられてきており、それは例えば、Chem. Pharm. Bull. 33, 1609 (1985)(K.Juni著)および米国特許第4127127号(Wongら)中に記載されている。水不溶性液体可塑剤は、非イオン性薬物の拡散係数を増加して、ポリマーまたはコポリマーを軟化させるために用いられるのに対し、水溶性可塑剤は、その目的がポリマー組成物の微孔性構造を築く場合に適用され、水性環境に曝される際のポリマー樹脂からの該水溶性可塑剤の遅い浸出によって微孔性構造が形成され、したがって、前記組成物は薬物に対してより浸透性になる。
周知の液体ポリマー組成物は医療用途における薬物徐放のための使用においてその有利性を示してきたが、それらの放出速度は通常わずかにしか制御できず一般に高すぎる。通常、組成物の植え込み後数分または数時間で、血中レベルにおける生物活性剤の望ましくないピークが観察され、次いで時間経過とともに標的とする緩慢な放出が続く。このピークは、過剰投与および中毒作用を招く可能性があり、潜在的に有害である。このことを踏まえて、薬物の有効量を放出するための全体的な時間は短縮される。それ故、規定された、好ましくは長い時間にわたる薬物送達の制御を可能にする液体ポリマー組成物が必要とされる。
驚くべきことに、ポリマー組成物が、熱可塑性ポリマーの微孔性固体マトリックスおよび生物活性物質の他に、熱可塑性ポリマーのための溶媒として働くだけでなく生物活性物質の放出速度を制御する速度改変剤として作用する第三の成分の大過剰を含む場合、ポリマーベースの徐放性系の放出特性および生分解性特性を、著しく改善することができる。しかしながら、以降この第三の成分は溶媒と呼ぶ。
したがって、本発明は、第一に、水性媒体またはヒトもしくは動物の体液に不溶性である、薬学的に許容でき、生分解性である熱可塑性ポリマー、薬学的に許容でき、生分解性であり、水不溶性または好ましくは水難溶性である有機溶媒および生物活性剤を含む、生物活性物質の制御された放出に適した、体液に曝されることにより体内にその場で固体インプラントを形成するための組成物であって、前記有機溶媒の重量が前記熱可塑性ポリマーのそれより多いことを特徴とする組成物に関する。
もう1つの目的は、体内に液状で投与することのできる徐放性薬物送達系のための、上に対応して改良された組成物を提供することである。
1つのさらなる目的は、液状で投与された後、体内で固体マトリックスを形成し、所望の時間にわたって薬物を放出することのできる上に対応した組成物を提供することである。
さらにもう1つの目的は、好ましくは長期間にわたり薬物送達の量および速度の制御が可能な、上に対応した組成物を提供することである。
したがって、本発明の目的は、ポリマー系、ポリマー系およびポリマー系の前駆体を用いる治療的処置のための方法、および液体組成物である。
本発明のポリマー系は本質的に不溶性なので、液体組成物を体液の水性媒体に適用する際に凝固して固体のその場でのマトリックスとなり、その一方で有機溶媒は、周りの体液中に徐々に拡散する。この凝固プロセスが、速度および放出制御展開の要因であり、以下に述べるパラメーターおよび成分の関数として変動する。液体組成物の段階を経ない、成分の単純な組み合わせは、本発明の制御された放出のプロフィールをもたらさない。
拡散と凝固プロセスが本質的に同時に生じることにより、マトリックスの微孔性構造が創り出されるが、この微孔性構造が、薬物放出の速度および範囲の制御の要因であると考えられている。本発明の条件下、マトリックス構造は非常に微細な細孔を有する比較的無孔性の膜により包含された、大きな細孔を含む核心を示す。得られる固体マトリックスは、内部に組成物が配置される体内の空洞の形状をとる。
ポリマー系が凝固して固体のその場でのマトリックスとなる過程の間、生物活性物質の放出速度は、一般に、凝固過程の終了後まで一時的に増大するが、これは投与後、生物活性剤の血中レベルが進行するあいだの初期ピークとして表れる。このことは、生物活性剤の安定した緩徐な放出の本質的な要因である前記無孔性の膜は、凝固過程の初期相において形成するのみであり、したがって放出速度は、体内投与直後、まず液体ポリマー系の徐々に凝固する核心の多孔性構造により制御されるという事実によって説明できる。放出速度におけるこの一時的なピークは、生物活性化合物の瞬間的過剰投与を引き起こす可能性があり、望ましくなく、場合により有害であるおそれがある。この初期ピーク放出速度の高さおよび時間の量は、ポリマー系における生物活性物質の濃度、ポリマー系の粘度ならびに投与時のアジュバントの濃度および種類の関数である。
驚くべきことに、液体組成物に対し、溶媒の10%までを有機水溶性アジュバントにより置換することが、投与直後の生物活性剤の血中レベルの初期ピークを決定的に低下させる影響をもたらすことが見出された。
それゆえ、本発明のもう1つの目的は、ヒトまたは動物の体内に液体ポリマー系を適用後の初期ピーク放出速度を効果的に抑制する組成物を提供することであり、前記組成物は、追加的に、有機の水溶性アジュバントを含む。
マトリックスの薬物放出の長期のその場での速度および範囲(即ち、初期ピーク放出速度後の)は、本発明のパラメーターおよび条件の変更により制御することができる。この制御は以下の項目により達成できる。
a)ポリマーの種類および分子量の変更、
b)ポリマーの濃度、
c)有機溶媒の水への溶解度特性、
d)有機溶媒の濃度、
e)生物活性物質の濃度、
f)生物活性物質の形態、
g)更なるアジュバント類、および
h)マトリックス中に存在するアジュバント類の濃度。
好ましくは、本発明の範囲内で、薬物放出の速度および範囲が、有機溶媒およびその濃度、生物活性物質の濃度、更なるアジュバント類の有無およびこれらの濃度を変更することにより制御される。
より好ましくは、薬物放出の速度および範囲が、有機溶媒の変更およびさらなるアジュバント類の有無により制御される。
もっとも好ましくは、薬物放出の速度および範囲が、以下の実施例において与えられるパラメーターおよび条件を変更することにより制御される。
本発明の方法は、ポリマー系からの生物活性物質のその場での制御された放出の血中レベルを測定することに基づく。液体組成物の植え込みは、一般に、ヒトまたは動物の体内のいずれの場所にも行うことができる。例として、筋肉もしくは脂肪などの軟組織または皮下組織を挙げることができる。液体組成物は、任意の適した方法、例えば注射針を用いた方法により投与され得る。
ポリマー系は、液体組成物および例えば体液などの水性媒体を組み合わせ、該組成物を固体の微孔性ポリマーマトリックス中に凝固させることにより調製される。液体組成物は、生体適合性の熱可塑性ポリマーまたはコポリマーを、生体適合性の有機溶媒および場合により生体適合性のアジュバントとの組み合わせで含む。熱可塑性ポリマーまたはコポリマーは、ヒトまたは動物の体内において生分解性および/または生浸食性である。生分解性は、生体がポリマーマトリックスを、それを除去するための手術の必要なく排出できるように代謝することを可能にする。生体適合性の物質の選択は、体内の挿入過程およびポリマー系の存在が植え込み部位における実質的な組織刺激または組織壊死をひきおこさないことを確実にする。
制御された放出系の固体マトリックスとして組み込むために適した熱可塑性ポリマー類またはコポリマー類は、ポリラクチド類、ポリグリコリド類、ポリカプロラクトン類、ポリアンヒドリド類、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリエステルアミド類、ポリオルトエステル類、ポリジオキサノン類、ポリアセタール類、ポリケタール類、ポリカーボネート類、ポリオルトカーボネート類、ポリフォスファゼン類、ポリヒドロキシ酪酸類、ポリヒドロキシ吉草酸類、ポリアルキレンシュウ酸類、ポリアルキレンコハク酸類、ポリ(リンゴ酸)ポリマー類、ポリ無水マレイン酸類、ポリ(メチルビニル)エーテル類、ポリ(アミノ酸)類、キチン、キトサンおよび上記の物質のコポリマー類、ターポリマー類または組み合わせもしくは混合物を含む。
好ましい物質はポリラクチド類であり、特にポリ乳酸、グリコール酸およびこれらのコポリマーが好ましく、最も特にポリ乳酸が好ましい。これらのポリマーは優れた生体適合性を示し、組織刺激、炎症、壊死または中毒を生じさせたとしても僅かとなる。水の存在において、これらのポリマーはそれぞれ乳酸およびグリコール酸に分解し、これらは容易に体内で代謝される。
液体組成物中の熱可塑性ポリマーの濃度は、組成物の総重量の約10%から約25%の範囲内、好ましくは約15%から約20%の範囲内である。
本発明の実施によれば、熱可塑性ポリマー、有機溶媒、生物活性物質および潜在的にアジュバントを含む液体組成物は、安定な液体物質である。選択された生物活性物質および溶媒に応じて、液体組成物中の生物活性物質の均質な溶液または懸濁液もしくは分散液のいずれかが得られる。いずれの場合も、熱可塑性ポリマーは液体組成物に実質的に可溶である。体内の水性媒体中への液体組成物の配置により、ポリマーは凝固し、固体マトリックス内に生物活性物質および徐々に拡散する有機溶媒(速度改変剤として機能する)の逓減量を担持するポリマー系を形成することになる。
本発明の熱可塑性組成物において場合により用いられるアジュバント類は、好ましくは薬学的に許容され、水混和性および生体適合性である。好ましくは、それらが注入部位における組織刺激または壊死を生じさせたとしても比較的僅かとなる。溶媒は水混和性であるので、ポリマー組成物から水性の体液中へ迅速に放散することが可能になり、同時に無孔性の膜の形成を加速し、したがって投与後の初期ピーク薬物放出を抑制することが可能になる。
適したアジュバント類の例は、N−メチル−2−ピロリドン;2−ピロリドン;炭素数2から6のアルカノール類;2−エトキシエタノール;プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールまたはソルビトールなどのポリヒドロキシアルコール類;酢酸2−エトキシエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、炭酸プロピレンまたは乳酸エチルなどのアルキルエステル類;エチレングリコールジメチルエーテル;プロピレングリコール;アセトンまたはメチルエチルケトンなどのアルキルケトン類;グリセリンホルマールなどのケタール類;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;ジメチルスルホン;テトラヒドロフラン;およびカプロラクタンなどの環状アルキルアミド類を含む。好ましいアジュバント類は炭素数2から6のアルカノール類、ポリヒドロキシアルコール類またはケタール類であり、特に好ましいものは、エタノール、グリセロールまたはグリセロールホルマルである。
本発明に用いられる水溶性または水難溶性の有機溶媒は、ポリマー系の徐放特性を制御することで知られる。適切な溶媒と、上記に概説したような凝集過程により形成されるマトリックスとの組み合わせは、対応する溶媒を含まないマトリックスと比較して、生物活性物質の放出速度について著しい遅延効果を有する。この遅延効果は、速度改変溶媒の構造および量に依存して数桁のオーダーの範囲にあり得る。したがって、適した溶媒と組み合わせた熱可塑性のポリマーまたはコポリマーの適切な選択により、ポリマー系からの生物活性物質の放出の速度および範囲は、非常に速いものから非常に遅いものまで計画的に変化させることができる。
本発明において速度改変剤として作用する溶媒は、熱可塑性ポリマーを溶解する液体であり、好ましくは水不溶性または水難溶性である。それらはまた、好ましくは高い沸点を有する。理想的な速度改変溶媒は、最終的に凝固したポリマーマトリックスに、ほぼヒトもしくは動物の体温またはそれより低い温度のガラス転移温度を付与し、柔らかく、弾力性および柔軟性のあるインプラントが確実になる。
本発明に用いられる溶媒は薬学的に許容されるものである。具体的な例として、酢酸2−エトキシエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、シュウ酸ジメチル、クエン酸ジメチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチルまたはセバシン酸ジ(n−ブチル)などの、モノ、ジ、およびトリカルボン酸類のエステル類;脂肪酸類;トリ酢酸グリセロール(トリアセチン)、エポキシ化大豆油および他のエポキシ化植物油類などのグリセロールのトリエステル類;コレステロールなどのステロール類;炭素数6から12のアルカノール類などのアルコール類;およびこれらの混合物が挙げられる。好ましい溶媒はグリセロールのトリエステル類であり、特にトリ酢酸グリセロール(トリアセチン)である。
熱可塑性組成物中の速度改変溶媒の量は、好ましくはポリマーの量を超え、より好ましくは組成物の総重量の約50%から約80%、最も好ましくは約55%から約66%の範囲である。
本明細書において、用語「薬物」、「生物活性物質」または「生物活性剤」は、ヒトまたは動物の体内で局所的にまたは全身的に作用する、生物学的、生理学的、薬理学的に活性な物質を含む。生物活性物質はポリマー系から隣接する体組織または体液中へ放出されうる種々の形態で適用することができる。本発明の熱可塑性組成物中の速度改変有機溶媒の高い量により、生物活性物質は、それが溶解したまたは微分散した状態で水難溶性の溶媒により周りの組織中に徐々に持ち込まれるので、水溶性である必要はない。
一般に、いかなる生物活性物質でも本発明の液体組成物中に適用可能である。本発明の注入用徐放性組成物において適用可能な、代表的生物活性物質は、ペプチド薬物類、タンパク質薬物類、脱感作剤類、抗原類、ワクチン類、抗感染薬類、抗生物質類、抗菌薬類、抗アレルギー薬類、ステロイド系抗炎症剤類、鬱血除去薬類、縮瞳薬類、抗コリン薬類、交感神経興奮薬類、鎮静薬類、睡眠薬類、精神賦活剤類、精神安定薬類、アンドロゲンステロイド類、エストロゲン類、プロゲステロン作用薬類、体液性薬剤類、プロスタグランジン類、鎮痛薬類、鎮痙薬類、抗マラリア薬類、抗ヒスタミン薬類、心臓作用薬類、非ステロイド系抗炎症剤類、抗パーキンソン病薬類、降圧薬類、β-アドレナリン遮断薬類、栄養剤類、ベンゾフェナントリジン・アルカロイド類、殺ダニ剤類および殺虫剤類などの、ヒトおよび動物用の薬物を含む。当分野の技術者には、水性環境中に放出されうる他の薬物または生物活性物質を、記載された注入用系において利用することができる。また、薬物または生物活性物質の種々の形態を用いることができる。これらの形態は非荷電性分子類、分子錯塩類、エーテル類、エステル類、アミド類などの形態を含むがこれらに限定されず、これらは体内に注入された時に生物学的に活性化される。
生物活性物質は、ポリマー、有機溶媒および/またはアジュバント中で混和性であり得るのでポリマーとの均質な混合物を提供することができ、またはポリマー、有機溶媒および/またはアジュバントに不溶性であり得るので組成物中に懸濁液または分散液を形成することができる。好ましくは、生物活性物質は液体組成物中に溶解している。
ポリマー系は、生物活性物質を所望の生物学的、生理学的および/または治療的効果を提供するために有効な量において含むように処方される。ポリマー組成物中に組み込まれる生物活性物質の「有効な量」は、例えば所望の放出プロフィール、所望の生物学的効果に必要な生物活性物質の濃度、および特定の処置のために生物活性物質が要する放出時間などの種々の要因に依存する。究極的に、この量は、ヒトまたは動物の患者の医師または獣医により個々に決定され、これらの医者は、その経験および知識を成功的な処置のために適切な生物活性物質の量を処方することに適用するであろう。一般に、ポリマー組成物中に組み込まれる生物活性物質の量の臨界上限値は、有毒の副作用を生じうる初期突発放出の最大ピーク値により、および注射針を介する注入のために許容できる、溶液または分散液の粘度の要求により規定される。送達系に組み込まれる薬物の下限値は、薬物の活性および処置に必要な時間にのみ依存する。
液体組成物を軟組織中に注入して徐放性インプラントを提供する場合、得られるポリマー系は残渣が残らないように設計されているので生物活性物質を放出もし、生分解も行う。ある種の薬物に関しては、ポリマー系はその薬物が完全に放出された後に分解することになる。他の場合において、保持された薬物が体液に曝される時点までポリマー系が分解した後、はじめて薬物が放出される。
以下の実施例は、本発明の代表的な特定のおよび好ましい実施形態として説明する。これらの実施例は決して本発明の範囲を限定するものではない。本発明の精神と範囲内にとどまりながら多くの変化および変更が実施可能であることを理解されたい。本実施例中で用いられる生物活性成分は、式:
Figure 0005372378
(式中、Rは水素およびメチルであり、それぞれ1:4の割合である。)
で表される2種の化合物の混合物である。
配合物の調製
無菌状態において、熱可塑性ポリマーおよび有機溶媒のある量をビーカー中に量り入れ、約60℃で300rpmでポリマーが完全に溶解するまで約12時間攪拌する。次に、混合物を室温まで冷却し、生物活性剤を加え、懸濁液を生物活性剤が完全に溶解するまで100rpmで穏やかに攪拌する。追加的に水溶性のアジュバントを用いる場合、生物活性剤をまずアジュバントの中で粉砕し、その後加える。次に、最終的な配合物を容量2mlの注射器中に充填する。6種の試験用配合物の組成が表1に示されている。
Figure 0005372378
ビーグル犬へのインビボ実験
以下のインビボ実験を、種々の年齢、血統、体重および性別の健康なビーグル犬の6対について実施する。各々の配合物は2匹の犬で試験され、それぞれの犬は活性剤の注射1回および活性剤が追加の量の有機溶媒により入れ替えられた対応するプラセボの注射を受ける。活性剤配合物を、肩の後方および左側の肋骨の上に皮下投与する。プラセボ溶液の同量を、同一の動物の右側に皮下注射する。各種類の配合物あたりの全注射量は2mlである。結果として、活性剤の全量は犬1匹につき400mgであり、これは選択した犬の体重により活性剤の約40から約44mg/kgの用量に対応する。
血液試料を、各々の犬の頸静脈より、抗凝血薬としてのEDTAを含む容量約2.7mlの滅菌チューブに採取する。血液は予備検査時、試験配合物の投与後2時間、4時間、6時間、8時間、10時間および24時間で、次いで2日、4日、7日、10日、14日、17日、21日、24日、28日、31日、35日、38日、42日および45日、最終的には462日まで隔週で採取する。血液試料はLC−MS分析まで凍結保存する。
表2には、製剤AからFに関する血中レベルの経時変化を一覧にしてある。この表の3番目の欄は、アジュバントのエタノール、グリセロールホルマルまたはグリセロール(製剤C、D、EおよびF)の添加が、注射後数日で達した最大血中レベルを減少させることを表している。
Figure 0005372378

Claims (9)

  1. 生物活性物質の制御された放出に適した、体液に曝されることにより体内にその場で固体インプラントを形成するための均質液体組成物であって、
    (i)動物用薬物である生物活性剤、
    (ii)全組成物の10重量%から25重量%の、薬学的に許容され、生分解性である熱可塑性ポリマーであって、水性媒体またはヒトもしくは動物の体液に不溶性であるポリラクチド、
    (iii)全組成物の50重量%から80重量%の、薬学的に許容され、生分解性であり、水不溶性または水難溶性である有機溶媒であるグリセロールのトリエステル、および
    (iv)全組成物の8.3重量%から8.7重量%までの、薬学的に許容され、水溶性であり生体適合性である、エタノール、グリセロールおよびグリセロールホルマルからなる群より選択されるアジュバント
    からなる組成物。
  2. 前記熱可塑性ポリマー(ii)の量が組成物の15重量%から20重量%の間であり、および前記溶媒(iii)の量が組成物の55重量%から66重量%の間であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 熱可塑性ポリマー(ii)がポリ乳酸であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 溶媒(iii)がトリ酢酸グリセロールであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 生物活性剤が殺ダニ剤または殺虫剤であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
  6. 生物活性剤が、式:
    Figure 0005372378
    (式中、Rは水素およびメチルであり、それぞれ1:4の割合である。)
    の化合物であることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
  7. 熱可塑性ポリマーがポリ乳酸であり、溶媒がトリ酢酸グリセロールであり、生物活性剤が殺ダニ剤または殺虫剤であり、アジュバントがエタノールであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 生物活性剤が請求項6に記載の式Iの化合物であることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
  9. ヒトまたは動物の体内における薬物徐放のためのインプラントであって、前記インプラントが、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物が体液に曝されることにより前記体内にその場で形成されることを特徴とする、インプラント。
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