JP5372094B2 - 高周波処置具 - Google Patents
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Description
また、コイル体の外周に短絡用線材を巻き付け、この短絡用線材に高周波電流を流して処置部に印加するものも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
ここで、高周波電源からの高周波電流を処置部に効率よく供給するためには、高周波電流に対するインピーダンスをより低下させるのが好ましい。
一方、上記特許文献2に記載の高周波処置具では、短絡用線材により全体のインピーダンスを低下させることはできるものの、コイル体の径方向に短絡用線材を設ける必要があるため、可撓管の径が増大してしまう。そのため、操作性が悪くなるだけでなく、患者への負担が大きくなってしまうという問題がある。
本発明に係る高周波処置具は、体腔内に挿入される可撓管と、この可撓管に進退可能に挿通された操作ワイヤと、この操作ワイヤに電気的に接続され、高周波電流が印加される処置部と、を備える高周波処置具において、前記操作ワイヤが、複数の素材からなり、前記複数の素材のうち、一の素材が、他の素材よりも導電性の高い素材であり、他の素材が、一の素材よりも機械的特性に優れた素材であって、前記操作ワイヤに前記高周波電流が流されることを特徴とする。
これにより、操作ワイヤの機械的特性を維持しつつ、そのインピーダンスを低減させることができる。
これにより、確実に、操作ワイヤの機械的特性を維持しつつ、そのインピーダンスを低減させることができる。
また、本発明に係る高周波処置具は、前記操作ワイヤが、前記一の素線と前記他の素線とが互いに平行に配されて構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る高周波処置具は、前記操作ワイヤが、前記一の素線と前記他の素線とが互いに長さ方向に連結されて構成されていることを特徴とする。
これにより、操作ワイヤの機械的特性を維持しつつ、そのインピーダンスを低減させることができる。
これにより、操作ワイヤの機械的特性を維持しつつ、そのインピーダンスを低減させることができる。
これにより、多条コイルと操作ワイヤとによって全体のインピーダンスを一層低下させることができる。
以下、本発明の第1実施形態における高周波処置具について、図面を参照して説明する。
図1において、符号1は高周波処置具を示すものである。
高周波処置具1は、可撓性を有し筒状に延びるシース部(可撓管)3を備えている。シース部3は、後述する多条コイル6を備えており、この多条コイル6の外周面には、その外周面を覆うようにして外チューブ7が設けられている。シース部3の筒孔12を形成する多条コイル6内には、操作ワイヤ13が挿通されている。操作ワイヤ13は、機械的特性に優れたステンレスや鋼などの金属線からなり、シース部3に対して進退させることができるようになっている。また、シース部3の先端には、一対の鉗子片16を有する処置部2が設けられている。鉗子片16の基端部には、操作ワイヤ13の先端部が接続されている。そして、操作ワイヤ13をシース部3に対して進退させると、図2及び図3に示すように、鉗子片16が互いに開閉するようになっている。
操作部8は、シース部3が連結される操作先端部11と、この操作先端部11からシース部3の軸線方向後方に延びる操作本体部17と、この操作本体部17が挿通されて、操作本体部17に対して進退可能に支持されたスライド部18とを備えている。操作本体部17には、不図示の高周波電源に接続するための接続部21が設けられている。接続部21は、柱状に延びる電極端子22を備えており、高周波電源から延びる不図示のケーブルを接続部21に接続することにより、そのケーブルと電極端子22とが電気的に接続されるようになっている。
また、スライド部18には、ワイヤ取付部27を介して操作ワイヤ13の基端部が取り付けられている。そして、スライド部18を操作本体部17に対して進退させると、操作ワイヤ13がシース部3に対して進退するようになっている。
一方、多条コイル6の基端部は、図1に示すように、電極端子22の基端部に設けられたコイル取付部26に固定されている。そして、このコイル取付部26に多条コイル6が取り付けられることにより、各導電性素線6a,6b,6c,6dと電極端子22とがそれぞれ電気的に接続されている。
まず、内視鏡の挿入部を被検体内に挿入し、前記挿入部を被処置部の近傍まで送り込む。さらに、前記挿入部に形成された鉗子チャンネルを介して、シース部3を被検体内に挿入し、被処置部まで送り込む。それから、高周波電源からのケーブルを接続部21に接続する。そして、スライド部18を退行させて鉗子片16を互いに開いた状態にし、これら鉗子片16の間に被処置部が配されるようにする。次いで、スライド部18を進行させると、鉗子片16が互いに閉じられ、被処置部が把持される。この状態で、後述するように高周波電流を処置部2に印加し、被処置部を焼灼することにより、止血や切開などの各種処置が行われる。
これにより、多条コイル6と操作ワイヤ13とによって全体のインピーダンスを一層低下させることができる。
なお、多条コイル6を一条コイルにした場合、上記のように接続片31を設けて操作ワイヤ13に高周波電流を流しても、一条コイルのインピーダンスが格段に大きいため、一条コイルにほとんど高周波電流は流れず、そのまま操作ワイヤ13を流れてしまう。すなわち、全体のインピーダンスはほとんど変わらない。
本高周波処置具1では、多条コイル6のインピーダンスが低下しているため、接続片31を介して多条コイル6に多くの高周波電流が流れる。すなわち、上述のように多条コイル6と操作ワイヤ13とで、全体のインピーダンスを一層低下させることができる。
これにより、多条コイル6の機械的特性を維持しつつ、多条コイル6のインピーダンスを低減させることができる。
さらに、処置部2が一対の鉗子片16を備えるとしたが、これに代えて、針状メス、スネアまたはパピロトミーナイフなどの他の処置具であってもよい。
また、本実施形態における高周波処置具1は、モノポーラ型の処置具としたが、これに限ることはなく、バイポーラ型としてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7及び図8は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図7及び図8において、図1から図6に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
一の素線36aは、他の素線36bの素材よりも導電性の高い素材からなり、他の素線36bは、一の素線36aの素材よりも機械的特性に優れた素材からなっている。例えば、一の素線36aは、銅及び銅合金、銀及び銀合金、白金及びその合金、または金などの金属線からなっており、他の素線36bは、ステンレス、鋼、硬鋼、などの金属線からなっている。
なお、処置部2は、弾性ワイヤがループ状に形成されたスネアループ37とされている。
以上より、シース部3の径方向に短絡用の線材を設けることなく、高周波電源と処置部2との間の全体のインピーダンスを低減させることができる。そのため、高周波電流を処置部2に効率よく印加することができるだけでなく、シース部3の径を維持することにより患者への負担を抑え、迅速かつ容易に処置を行うことができる。さらに、操作ワイヤ36のインピーダンスを低減させつつ、操作ワイヤ36の機械的特性を維持することができる。
また、処置部2をスネアループ37としたが、これに代えて、例えば、図9に示すように、針状メス38としてもよい。なお、符号42は一条に巻かれたコイル体を示したものである。さらに、止血鉗子やパピロトミーナイフなどの他の処置具であってもよい。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図10及び図11は、本発明の第3の実施形態を示したものである。
本実施形態における操作ワイヤ41は、上記と同様の導電性の高い一の素線41aと、機械的特性に優れた他の素線41bとを備えており、それら一の素線41aと他の素線41bとがシース部3の軸線に沿って設けられている。すなわち、一の素線41aと他の素線41bとは、互いに平行に配されている。
なお、処置部2はナイフ43を備えており、高周波処置具1はパピロトミーナイフとして構成されている。
以上より、上記第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態においては、高周波処置具1をモノポーラ型としているが、これに代えて、図13に示すように、バイポーラ型としてもよい。この場合、一の素線41aを少なくとも2本設けて、ケーブル46のプラスとマイナスをそれぞれに接続すればよい。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図14は、本発明の第4の実施形態を示したものである。
本実施形態における操作ワイヤ47は、上記と同様の導電性の高い一の素線47aと、機械的特性に優れた他の素線47bとを備えており、それら一の素線47aと他の素線47bとがワイヤ連結部48を介して長さ方向に連結されている。一の素線47aは操作部8側に設けられ、他の素線47bは処置部2側に設けられている。
なお、ナイフ43は、他の素線47bが延長されて構成されたものである。
以上より、上記第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、ナイフ43に代えて、針状メスやスネアループを設けるようにしてもよい。この場合も、針状メスやスネアループのみを他の素線47bとすることができる。さらに、止血鉗子などの他の処置具であってもよい。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図15は、本発明の第5の実施形態を示したものである。
本実施形態における操作ワイヤ52は、機械的特性に優れた他の素材からなる芯線53と、導電性の高い一の素材からなる導電膜(導電性部材)51とを備えている。導電膜51は、芯線53の外周面に金属メッキなどにより設けられる。
このような構成のもと、操作ワイヤ52に高周波電流を流すと、その高周波電流は、導電膜51を通って処置部2に印加される。また、芯線53により機械的特性が確保される。
以上より、上記第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図16及び図17は、本発明の第6の実施形態を示したものである。
本実施形態における操作ワイヤ56は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)からなっている。すなわち、操作ワイヤ56は、機械的特性に優れた他の素材からなる樹脂部57と、導電性の高い一の素材からなる炭素繊維線58とを備えている。炭素繊維線58は、樹脂部57の内部に配されて、その全長にわたって線状に延ばされている。
このような構成のもと、操作ワイヤ56に高周波電流を流すと、その高周波電流は、炭素繊維線58を通って処置部2に印加される。また、樹脂部57により機械的特性が確保される。
以上より、上記第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
2 処置部
3 シース部(可撓管)
6 多条コイル
6a,6c 導電性素線(一の導電性素線)
6b,6d 導電性素線(他の導電性素線)
9 導電層(導電部材)
13,36,41,47,52,56 操作ワイヤ
36a,41a,47a,52a,56a 一の素線
36b,41b,47b,52b,56b 他の素線
42 コイル体
51 導電膜(導電性部材)
53 芯線
57 樹脂部
58 炭素繊維線
Claims (8)
- 体腔内に挿入される可撓管と、この可撓管に進退可能に挿通された操作ワイヤと、この操作ワイヤに電気的に接続され、高周波電流が印加される処置部と、を備える高周波処置具において、
前記操作ワイヤが、複数の素材からなり、
前記複数の素材のうち、一の素材が、他の素材よりも導電性の高い素材であり、他の素材が、一の素材よりも機械的特性に優れた素材であって、
前記操作ワイヤに前記高周波電流が流されることを特徴とする高周波処置具。 - 前記操作ワイヤが、前記一の素材からなる一の素線と、前記他の素材からなる他の素線とを備えることを特徴とする請求項1に記載の高周波処置具。
- 前記操作ワイヤが、前記一の素線と前記他の素線とが撚り合わされた撚り線ワイヤであることを特徴とする請求項2に記載の高周波処置具。
- 前記操作ワイヤが、前記一の素線と前記他の素線とが互いに平行に配されて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の高周波処置具。
- 前記操作ワイヤが、前記一の素線と前記他の素線とが互いに長さ方向に連結されて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の高周波処置具。
- 前記操作ワイヤが、前記他の素材からなる芯線と、前記一の素材からなり前記芯線を覆う導電性部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の高周波処置具。
- 前記操作ワイヤが、前記他の素材からなり長尺状に延びる樹脂部と、前記一の素材からなり前記樹脂部の内部に配されて前記樹脂部の全長にわたって延びる炭素繊維線と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の高周波処置具。
- 前記可撓管が、
導電性素線が巻回されて形成され、かつ前記処置部に電気的に接続されたコイル体を備え、
前記コイル体と前記操作ワイヤとの両方に、前記高周波電流が流されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の高周波処置具。
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