JP5371346B2 - 車体フレームの製造方法及び真空ダイカスト装置 - Google Patents

車体フレームの製造方法及び真空ダイカスト装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動二輪車等の車体フレームの製造方法、車体フレーム及び真空ダイカスト装置に関するものである。
自動二輪車の車体フレームは、エンジン等を支持するメインフレームと、そのメインフレームに固定されて座席シート等を支持するリアフレームとを有している(例えば、特許文献1参照)。リアフレームは、生産性向上のため鋳造により一体成形されているが、鋳造時のエア巻き込みによる強度低下を防止するために真空ダイカスト法が利用されている。リアフレームの前端部には、ボルト取付孔が上下に間隔をあけて複数設けられており、それらボルト取付孔においてリアフレームがその前方にあるフレームに対してボルト締めされている。
特開2007−62396号公報
ところで、ボルト取付孔の存在する部位は厚肉とする必要があるが、一体成形時にアンダーカットを発生させないために、リアフレームの前端部全体が厚肉となっている。リアフレームが厚肉になると、その分自動二輪車の重量が大きくなり、燃費にも良くない。仮に、アンダーカットを発生させることなくリアフレームを除肉された形状にして軽量化を図ろうとしても、離型時に可動型を抜くことができるように製品形状を設定する必要があることから、設計自由度が低下することとなる。また、スライド型を用いてアンダーカットを設けることも考えられるが、真空ダイカスト法を用いる場合に、摺動する立体形状のスライド型の外周面を動的にシールするとすれば、密閉性が低下してしまう。
そこで本発明は、真空ダイカスト法を利用しながらも好適に重量を低減できるようにすることを目的としている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係る車体フレームの製造方法は、車体フレームを真空ダイカスト法により製造する方法であって、固定型及び可動型の対向面により構成され平面状且つ周状の外周部を互いに当接させるとともに、前記外周部に囲まれた内部に形成されるスライド型収容空間にスライド型を配置し、一方向に延在する一対の側壁部を連結部で連結し且つ前記一対の側壁部の前記延在方向の端部に前記可動型の移動方向に並ぶ複数の取付部を形成した前記車体フレームの成形キャビティを前記固定型、前記可動型及び前記スライド型により形成する工程と、前記固定型及び前記可動型の前記外周部上で周状に連続する第1シール部材で前記成形キャビティと前記スライド型収容空間とを含む内部領域を囲むように周状にシールした状態で、前記成形キャビティを減圧する工程と、前記減圧された前記成形キャビティに金属材料の溶湯を導入する工程と、前記溶湯が固化した後に、前記可動型を前記固定型から離間させるとともに前記スライド型を前記可動型の移動方向と交差する方向に退避させる工程と、を備え、前記スライド型は、前記複数の取付部の間に配置され、前記複数の取付部の間の部位の肉厚が前記取付部よりも薄くなるよう当該部位の内側面を成形し、前記可動型に前記外周部を成す壁部が設けられ、前記壁部に前記スライド型収容空間を外部に連通させるロッド挿通孔が形成され、シリンダが前記壁部の外面に取り付けられ、前記シリンダのロッドが前記ロッド挿通孔を貫通して前記スライド型に接続され、前記スライド型が前記シリンダにより進退駆動され、前記壁部の前記外面と前記シリンダとの間に前記ロッド挿通孔の外部側の開口を囲むようにして第2シール部材が設けられることを特徴とする。
前記方法によれば、固定型及び可動型の対向面の外周部において成形キャビティとスライド型収容空間とを含む内部領域を囲むように周状にシールしているので、摺動部分に動的なシールを施すことなく成形キャビティが静的にシールされ、成形キャビティを簡単かつ確実に密閉することができる。また、固定型及び可動型の対向面において略平面的にシールされているので、スライド型の外周面を立体的にシールする場合に比べて、シール性が良好となる。よって、スライド型を用いた真空ダイカスト法により車体フレームの一対の側壁部の内側面においてアンダーカットを発生させることができる。その結果、車体フレームの形状の設計自由度が向上するとともに、複数の取付部の間の部位を薄肉化することができ、車体フレームの重量低減を図ることが可能となる。
また、スライド型は、数の取付部の間の部位の内側面を形成し、当該部位の肉厚が前記取付部よりも薄くなるように側面は付部の内側端面よりも外側に設けられるので、一対の側壁部はその内側面においてアンダーカットされているので、側壁部の外側面に固定型と可動型との合わせ面に形成される段差であるパーティングラインが現われず、意匠上良好に保つことができる。一対の側壁部の内側面の形状により薄肉化が図られているので、側壁部の外側面にパーティングラインが現われず、意匠上良好に保つことができる。また、一対の側壁部を内側面側から薄肉化することにより、一対の側壁部の間に形成される内部空間が広くなり、その内部空間に部品(例えば、バッテリやハーネス等)を配置し易くすることができる。前記車体フレームが、自動二輪車のリアフレームであると、特に有益である
前記スライド型収容空間は、前記スライド型が前記成形キャビティを形成している状態で前記ロッドを収容する部分を含み、前記成形キャビティを減圧する工程において、前記スライド型収容空間のうち前記ロッドを収容する部分も減圧されてもよい
前記スライド型の表面と前記固定型又は前記可動型の表面との間に、前記成形キャビティに繋がる前記溶湯の通路が形成されていてもよい。
前記方法によれば、溶湯がスライド型の表面を直接的に流れるためにスライド型が高温となるが、シール部材はスライド型の外周面に直接的に接触しないので、シール部材の劣化を防止することが可能となる。なお、前記通路は、成形キャビティへ溶湯を供給する湯道であってもよいし、成形キャビティに充填された溶湯がオーバーフローする排出通路であってもよい。
本発明に係る真空ダイカスト装置は、固定型と、前記固定型に当接/離間するように移動可能に対向配置された可動型と、前記可動型の移動方向に対して交差する方向に移動可能なスライド型と、前記スライド型に接続されるロッドを含み前記スライド型を進退駆動するシリンダと、前記固定型、前記可動型及び前記スライド型により形成される成形キャビティを減圧するための真空ポンプと、を備え、前記固定型及び前記可動型が互いの対向面により構成され平面状且つ周状の外周部を当接させた状態で、前記外周部に囲まれた内部に前記スライド型を進退可能に収容するスライド型収容空間が形成され、前記固定型及び前記可動型の少なくとも一方の前記対向面の前記外周部に、前記成形キャビティと前記スライド型収容空間とを含む内部領域を囲むように、前記外周部上で周状に連続する第1シール部材が設けられ、前記可動型に前記外周部を成す壁部が設けられ、前記壁部に前記スライド型収容空間を外部に連通させるロッド挿通孔が形成され、前記シリンダが前記壁部の外面に取り付けられ、前記ロッドが前記ロッド挿通孔を貫通して前記スライド型に接続され、前記壁部の外面と前記シリンダとの間に前記ロッド挿通孔の外部側の開口を囲むようにして第2シール部材が設けられることを特徴とする。
前記構成によれば、固定型及び可動型の対向面の外周部において成形キャビティとスライド型収容空間とを含む内部領域を囲むように周状にシールしているので、摺動部分に動的なシールを施すことなく成形キャビティが静的にシールされ、成形キャビティを簡単かつ確実に密閉することができる。また、固定型及び可動型の対向面において略平面的にシールされているので、スライド型の外周面を立体的にシールする場合に比べて、シール性が良好となる。よって、スライド型を用いた真空ダイカスト法により車体フレームの一対の側壁部の内側面においてアンダーカットを発生させることができる。その結果、車体フレームの形状の設計自由度が向上するとともに、複数の取付部の間の部位を薄肉化することができ、車体フレームの重量低減を図ることが可能となる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、スライド型を用いた真空ダイカスト法によりアンダーカットを発生させながらも成形キャビティを簡単かつ確実にシールすることができ、車体フレームの重量低減を図ることが可能となる。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、自動二輪車に搭乗した運転者から見た方向を基準とする。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る自動二輪車1の左側面図である。図1に示すように、自動二輪車1は、略上下方向に設けられたフロントフォーク2を備え、このフロントフォーク2の下部には前輪3が回転自在に軸支されている。フロントフォーク2の上部には図示しないステアリングシャフトを介してステアリングハンドル4が取り付けられている。ステアリングシャフトはヘッドパイプ5によって回動自在に軸支されており、運転者がステアリングハンドル4を左右に揺動させることで前輪3が操舵される。ステアリングハンドル4の後方には燃料タンク6が設けられており、この燃料タンク6の後方に運転者騎乗用の座席シート7が設けられている。
ヘッドパイプ5からはメインフレーム8が後方へ延びており、このメインフレーム8の後部にピボットフレーム9が設けられている。ピボットフレーム9には略前後方向に延びるスイングアーム10の前部が枢支されており、このスイングアーム10の後部に駆動輪である後輪11が回転自在に軸支されている。前輪3と後輪11の間では、エンジン13がメインフレーム8及びピボットフレーム9に支持されている。ピボットフレーム9には、座席シート7等を支持するためのリアフレーム組立体12が固定されている。
図2は図1に示す自動二輪車1のリアフレーム14の斜視図である。図3は図2に示すリアフレーム14の正面図である。図2に示すように、リアフレーム組立体12は、前側のリアフレーム14と後側のリアフレーム15とを図示しないボルトで連結して構成されている。本実施形態では、前側のリアフレーム14について詳細に説明する。
図2及び3に示すように、リアフレーム14は、アルミニウム合金等の軽金属からなり、真空ダイカスト法による鋳造で一体成形されている。リアフレーム14は、前後に延在して左右方向に間隔をあけて配置される左右一対の側壁部21,22と、左右の側壁部21,22を部分的に左右方向に連結するように左右に延在し、前後方向に並ぶ2つの連結部23,24とを有している。一対の側壁部21,22は、厚み方向が左右方向に向いた板状であり、鉛直方向に立設した状態で左右に対向配置されている。連結部23,24は、厚み方向が上下方向に向いた板状であり、側壁部21,22の長辺のうち上端に接続されている。
前側の連結部23には、燃料タンク6の後部を支持するための支持部25が設けられている。側壁部21,22及び連結部23,24で囲まれた内部空間には、バッテリ(図示せず)やワイヤハーネス(図示せず)が配置される。また、一対の側壁部21,22は略平行に設けられており、詳細には、側壁部21,22の内側面及び外側面には、後述する金型の抜き勾配のために、上下方向に最低限の傾斜(例えば、5°以下であり、本実施形態では3°)が設けられている。一対の側壁部21,22が略平行に形成されることによって、リアフレーム14の梁剛性は高く、左右方向の幅もコンパクトに形成されている。
側壁部21,22の前端部21a,22aには、取付部として上下に間隔をあけて配置された上側ボス26,27及び下側ボス28,29が設けられている。上側ボス26,27及び下側ボス28,29は、側壁部21,22の上下方向の両端部に配置されている。上側ボス26,27及び下側ボス28,29には、ボルト(図示せず)を挿通するための左右に軸線方向を有する取付孔26b,27b,28b,29bが形成されている。右の側壁部21の上側ボス26及び下側ボス28は、内側方向である左方向(即ち、左の側壁部22に対向する方向)に向けて突出しており、外側方向には突出していない。左の側壁部22の上側ボス27及び下側ボス29も、内側方向である右方向に向けて突出しており、外側方向には突出していない。即ち、側壁部21,22の外側表面は、略面一な平面に形成されている。また、ボス26〜29の前端面は円弧状に形成されている。
上側ボス26,27と下側ボス28,29との間の部位30,31の内側面30a,31aは、上側ボス26,27及び下側ボス28,29の内側端面26a,27a,28a,29aよりも左右方向において外側に設けられている。これにより、リアフレーム14の前端部21a,22aは、正面から見て内側面が窪んだ形状となり、上側ボス26,27と下側ボス28,29との間の部位30,31の肉厚が薄肉となっている(図3参照)。なお、前側の連結部23は、側壁部21,22のボス26〜29が形成される位置よりも後方に配置されている。
図4は図2に示すリアフレーム14を製造するための真空ダイカスト装置40の断面図である。図5は図4の固定型41を除いてV矢視方向から見た図面である。図6は図5のVI-VI線断面図である。図4乃至6に示すように、真空ダイカスト装置40は、固定型41と、その固定型41に当接/離間するように移動可能に対向配置された可動型42と、可動型42の移動方向に対して略直交する方向に移動可能なスライド型43を備えている。固定型41は、固定ホルダ44と、その固定ホルダ44に収容されてボルト固定された固定ダイス45とを有している。可動型42は、可動ホルダ46と、その可動ホルダ46に収容されてボルト固定された可動ダイス47とを有しており、図示しない駆動装置により移動可能となっている。
固定ダイス45、可動ダイス47及びスライド型43により成形キャビティ48が形成されている。成形キャビティ48は、図2及び3で説明したリアフレーム14の形状に対応する輪郭を有している。固定型41はリアフレーム14の外周面を形成し、可動型42はリアフレーム14の内周面を形成している。特に、スライド型43の先端部43aは、リアフレーム14の一対の側壁部21,22の前端部21a,22aの内側面を形成し、上側ボス26,27と下側ボス28,29との間に配置される。即ち、可動型42の移動方向に垂直な投影面における上側ボス26,27と下側ボス28,29とが重なる領域の少なくとも一部であって、上側ボス26,27と下側ボス28,29との間に領域に、スライド型43により空間が形成される。この空間はスライド型43の移動方向に向けて開放されている。なお、前述した連結部23の支持部25は、スライド型43よりも後方で固定型41及び可動型42により上下から挟むように形成され、スライド型43は支持部25の形成に寄与していない。
固定型41及び可動型42は、互いの対向面を当接させた状態において、当該対向面の外周部が全周にわたって当接するように構成されている。即ち、固定型41及び可動型42の外周部を構成する固定ホルダ44及び可動ホルダ46の対向面44a,46aが、全周にわたって当接する。そして、固定ホルダ44及び可動ホルダ46に囲まれた内部にスライド型収容空間49が形成されている。スライド型43は、そのスライド型収容空間49に進退可能に収容されている。スライド型43の退避方向である後方には、可動ホルダ46の壁部46aが設けられている。
壁部46aには、スライド型収容空間49を外部に連通させるロッド挿通孔46dが形成されている。壁部46aの外面には、ロッド挿通孔46dを囲むように円環溝46cが形成されており、その円環溝46cにはOリング60が嵌め込まれている。壁部46aの外面には、このOリング60に密着するようにスライド型43の進退用のシリンダ50が設けられている。シリンダ50のロッド51はOリング60でシールされた状態でロッド貫通孔46dを貫通し、スライド型43に接続されている。
可動ホルダ46の対向面46aには、成形キャビティ48とスライド型収容空間49とを含む内部領域を囲むように周状の溝部46bが形成されており、その溝部46bには気密性を有する弾性材料からなるシール部材52が嵌め込まれている。固定ホルダ44には、給湯口44cが形成されており、スライド型43の表面と固定型41の表面との間に湯道53が形成されている。この湯道53は、リアフレーム14の側壁部21,22の前端部21a,22aに対応する位置において、成形キャビティ48と連通している。固定型41及び可動型42には、成形キャビティ48に連通する排気通路54が形成され、この排気通路54は真空ポンプ55に接続されている。真空ポンプ55は、別の排気通路56を介してスライド型収容空間49にも接続されている。これにより、スライド型収容空間49に通気しうる成形キャビティ48を速やかに減圧することができるようになっている。
また、図4に示す方向から見た、スライド型43と可動型42(又は固定型41)との間のパーティングラインPL1は、ボス26〜29(図4では特にボス28が示されている)の円弧状の前端面の頂点に設定されている。これにより、スライド型43の形状を複雑にすることなく、ボス26〜29の前端面を円弧状にすることができ、ボス26〜29に無駄な肉が形成されるのを防止することができる。また、図5に示す方向から見た、スライド型43と可動型42(又は固定型41)との間のパーティングラインPL2は、前端部21a,22aの外側面に沿うように設定されている。また、図6に示す方向から見た、スライド型43と可動型42との間のパーティングラインPL3及びスライド型43と固定型41との間のパーティングラインPL4は、ボス26〜29の内側端面の上下方向における中心位置に設定されている。
真空ダイカスト装置40を用いたリアフレーム14の製造手順としては、まず、固定型41及び可動型42を互いに当接させるとともにスライド型収容空間49にスライド型43を配置し、リアフレーム14の成形キャビティ48を形成する。この状態では、固定ホルダ44の溝部44bに嵌め込まれた周状のシール部材52が、可動ホルダ46の対向面46aに密着している。
次いで、シール部材52で密閉された成形キャビティ48を真空ポンプ55によって大気圧よりも減圧する。次いで、図示しないプランジャーにより給湯口44cからアルミニウム合金の溶湯を注入することで、その溶湯が湯道53を通り、減圧された成形キャビティ48に充填される。次いで、成形キャビティ48内の溶湯が固化した後、可動型42を固定型41から離間させるとともにスライド型43をシリンダ50により退避させる。そして、図示しない押出ピンが鋳造品であるリアフレーム14を可動ダイス47から押し出した後、そのリアフレーム14を装置外に取り出し、固定型41、可動型42及びスライド型43のキャビティ形成面に離型剤を噴霧して真空ダイカスト法の1サイクルが完了する。
以上によれば、固定型41及び可動型42の対向面の外周部において成形キャビティ48とスライド型収容空間49とを含む内部領域を囲むように周状にシール部材52が設けられているので、摺動部分に動的なシールを施すことなく成形キャビティ48が静的にシールされ、成形キャビティ48を簡単かつ確実にシールすることができる。また、固定型41及び可動型42の対向面において略平面的にシールされているので、スライド型43の外周面を立体的にシールする場合に比べて、シール性が良好となる。よって、スライド型43を用いた真空ダイカスト法により、側壁部21,22の内側面にアンダーカットを発生させることができる。その結果、リアフレーム14の形状の設計自由度が向上するとともに、リアフレーム14の側壁部21,22における上側ボス26,27と下側ボス28,29との間の部位30,31を薄肉化することができ、リアフレーム14の重量低減を図ることが可能となる。
また、リアフレーム14の側壁部21,22は内側面においてアンダーカットされているので、側壁部21,22の外側面にパーティングラインが現われず、意匠上良好に保つこともできる。さらに、一対の側壁部21,22を内側面側から薄肉化することにより、一対の側壁部21,22の間に形成される内部空間が広くなり、その内部空間に部品(例えば、バッテリやハーネス等)を配置し易くすることができる。また、真空ダイカスト装置40において、溶湯がスライド型43の表面を直接的に流れるためにスライド型43は高温となるが、シール部材52はスライド型43の外周面には接触しないのでので、シール部材52の劣化を防止することが可能となる。
なお、真空ダイカスト装置40において可動型42が固定型41に対向する方向は、鉛直方向に設定されてもよいし、水平方向に設定されてもよい。また、本実施形態では、シール部材52を嵌め込む溝部46bを可動ホルダ46に設けたが、固定ホルダ44に設けてもよい。また、本実施形態では、リアフレーム14を製造する例について説明したが、他のフレームに適用してもよい。例えば、後側のリアフレーム15に適用してもよいし、分割型でない前後一体型のリアフレームに適用してもよい。また、本実施形態の装置を用いれば、アンダーカット成形が可能となることで設計自由度が向上するので、軽量化の目的以外に、例えば、リブ形成などの強度向上のためにスライド型を用いてもよく、取付部などの部品点数の低減のためにスライド型を用いてもよい。また、本実施形態では、取付部として取付孔26b〜29bが形成されたボス26〜29が用いられているが、孔がない取付部であってもよい。さらに、本実施形態では、リアフレーム14の前端部にスライド型43が配置されたが、後端部のボスを形成すべく後側に配置してもよい。また、スライド型は、可動型の抜き方向に直交する方向以外の方向(例えば、交差方向)に移動する構成としてもよい。さらに、本実施形態では、1つの側壁部21について一対のボス26,28を設けたが、3つ以上設けてもよく、片側の側壁部のみに設けてもよい。
(第2実施形態)
図7は本発明の第2実施形態に係る自動二輪車のリアフレーム114の斜視図である。図8は第2実施形態の図5相当の図面である。図4に示すように、本実施形態のリアフレーム114では、側壁部121,122の前端部121a,122aにおいて上側ボス26,27と下側ボス28,29との間の領域に切欠部130,131が設けられている。図5に示すように、切欠部130,131は、スライド型143の先端部143aにより形成される。具体的には、スライド型43の先端部43aが、上側ボス26,27と下側ボス28,29との間に配置されており、スライド型43と可動型42又は固定型41との間のパーティングラインPL5,PL6が側壁部121,122の外側面に沿うように設定されている。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
以上のように、本発明に係る車体フレームの製造方法、車体フレーム及び真空ダイカスト装置は、車体フレームの重量低減を図ることができる優れた効果を有し、この効果の意義を発揮できる自動二輪車のリアフレーム等に広く適用すると有益である。
本発明の第1実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 図1に示す自動二輪車のリアフレームの斜視図である。 図2に示すリアフレームの正面図である。 図2に示すリアフレームを製造するための真空ダイカスト装置の断面図である。 図4の固定型を除いてV矢視方向から見た図面である。 図5のVI-VI線断面図である。 本発明の第2実施形態に係る自動二輪車のリアフレームの斜視図である。 第2実施形態の図5相当の図面である。
符号の説明
14 リアフレーム
21,22 側壁部
23,24 連結部
26,27 上側ボス(取付部)
26a〜29a 内側端面
26b〜29b 取付孔
28,29 下側ボス(取付部)
30a,31a 内側面
40 真空ダイカスト装置
41 固定型
42 可動型
43 スライド型
48 成形キャビティ
49 スライド型収容空間
52 シール部材
53 湯道

Claims (6)

  1. 車体フレームを真空ダイカスト法により製造する方法であって、
    固定型及び可動型の対向面により構成され平面状且つ周状の外周部を互いに当接させるとともに、前記外周部に囲まれた内部に形成されるスライド型収容空間にスライド型を配置し、一方向に延在する一対の側壁部を連結部で連結し且つ前記一対の側壁部の前記延在方向の端部に前記可動型の移動方向に並ぶ複数の取付部を形成した前記車体フレームの成形キャビティを前記固定型、前記可動型及び前記スライド型により形成する工程と、
    前記固定型及び前記可動型の前記外周部上で周状に連続する第1シール部材で前記成形キャビティと前記スライド型収容空間とを含む内部領域を囲むように周状にシールした状態で、前記成形キャビティを減圧する工程と、
    前記減圧された前記成形キャビティに金属材料の溶湯を導入する工程と、
    前記溶湯が固化した後に、前記可動型を前記固定型から離間させるとともに前記スライド型を前記可動型の移動方向と交差する方向に退避させる工程と、を備え、
    前記スライド型は、前記複数の取付部の間に配置され、前記複数の取付部の間の部位の肉厚が前記取付部よりも薄くなるよう当該部位の内側面を成形し、
    前記可動型に前記外周部を成す壁部が設けられ、前記壁部に前記スライド型収容空間を外部に連通させるロッド挿通孔が形成され、
    シリンダが前記壁部の外面に取り付けられ、前記シリンダのロッドが前記ロッド挿通孔を貫通して前記スライド型に接続され、前記スライド型が前記シリンダにより進退駆動され、
    前記壁部の前記外面と前記シリンダとの間に前記ロッド挿通孔の外部側の開口を囲むようにして第2シール部材が設けられることを特徴とする車体フレームの製造方法。
  2. 前記車体フレームが、自動二輪車のリアフレームである請求項1に記載の車体フレームの製造方法。
  3. 前記スライド型収容空間は、前記スライド型が前記成形キャビティを形成している状態で前記ロッドを収容する部分を含み、前記成形キャビティを減圧する工程において、前記スライド型収容空間のうち前記ロッドを収容する部分も減圧される請求項1又は2に記載の車体フレームの製造方法。
  4. 前記スライド型の表面と前記固定型又は前記可動型の表面との間に、前記成形キャビティに繋がる前記溶湯の通路が形成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車体フレームの製造方法。
  5. 固定型と、
    前記固定型に当接/離間するように移動可能に対向配置された可動型と、
    前記可動型の移動方向に対して交差する方向に移動可能なスライド型と、
    前記スライド型に接続されるロッドを含み前記スライド型を進退駆動するシリンダと、
    前記固定型、前記可動型及び前記スライド型により形成される成形キャビティを減圧するための真空ポンプと、を備え、
    前記固定型及び前記可動型が互いの対向面により構成され平面状且つ周状の外周部を当接させた状態で、前記外周部に囲まれた内部に前記スライド型を進退可能に収容するスライド型収容空間が形成され、
    前記固定型及び前記可動型の少なくとも一方の前記対向面の前記外周部に、前記成形キャビティと前記スライド型収容空間とを含む内部領域を囲むように、前記外周部上で周状に連続する第1シール部材が設けられ、
    前記可動型に前記外周部を成す壁部が設けられ、前記壁部に前記スライド型収容空間を外部に連通させるロッド挿通孔が形成され、
    前記シリンダが前記壁部の外面に取り付けられ、前記ロッドが前記ロッド挿通孔を貫通して前記スライド型に接続され、
    前記壁部の外面と前記シリンダとの間に前記ロッド挿通孔の外部側の開口を囲むようにして第2シール部材が設けられることを特徴とする真空ダイカスト装置。
  6. 前記スライド型収容空間は、前記スライド型が前記成形キャビティを形成している状態で前記ロッドを収容する部分を含み、前記真空ポンプを、前記スライド型収容空間のうち前記ロッドが配置される部分に接続する排気通路が設けられている請求項5に記載の真空ダイカスト装置。
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