以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図4は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の第1実施例を適用した複合装置1の要部ブロック構成図である。
図1において、複合装置1は、エンジンコントローラ部2及びヘッド部3等を備えているとともに、図示しないが、システムコントローラ部、大容量の不揮発性メモリであるハードディスク、スキャナ部、操作表示部や通信部等を備えており、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複合機能を実行する。
エンジンコントローラ部2は、データ受信部11、ヘッド駆動制御部12、無効記録領域検知部13、CPU(Central Processing Unit )14及び図示しないROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えており、無効記録領域検知部13は、無効記録領域検知処理部21と無効記録領域情報記憶部22を備えている。
操作表示部は、各種操作キー及び表示部(液晶ディスプレイ等)を備えており、操作キーからは複合装置1に各種処理を行わせるための各種操作が行われる。操作表示部は、表示部に、操作キーからの入力内容や複合装置1からユーザに通知する各種情報、例えば、異常発生情報、サービスコール要求情報等を表示する。
スキャナ部は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )を利用したカラーイメージスキャナ等が用いられている。スキャナ部は、光源から読み取り光をカラー原稿に照射して、カラー原稿からの反射光をミラー及びレンズを介してCCD等の受光素子に集光させ、該受光素子で光電変換することで、カラー原稿を主走査及び副走査してカラー原稿のカラー画像を読み取って、RGBのカラー画像信号をデジタル変換して、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のCMYK画像データとしてエンジンコントローラ部2のデータ受信部11に出力する。また、複合装置1は、スキャナ部で読み取ったRGBのカラー画像データに対して、スキャナ部の光源のバラツキやCCDの画素毎の感度ムラ等が原因で一様な濃度の原稿を読み取ったにもかかわらず、読み取りデータがばらつく現象を補正するシェーディング補正、地肌除去、固定長符号化等の画像処理を施した後、CMYK画像データに変換して、エンジンコントローラ部2のデータ受信部11に出力する。エンジンコントローラ部2は、CPU14の制御下で、データ受信部11の受け取ったCMYK画像データを一旦ハードディスクに蓄積し、その後に所定タイミングにハードディスクからCMYK画像データを読み出して、無効記録領域検知部13及びヘッド駆動制御部12に出力する。
複合装置1は、その通信部に、LAN(Local Area Network)、インターネット等の通信線が接続されており、通信線を介してコンピュータ、スキャナ装置、他の複合装置等の外部装置から印刷データ等のデータが送信されてくると、該データを通信部で受信する。複合装置1は、通信部で受信したデータからCMYKの画像データを生成して、一旦ハードディスクに保管し、ハードディスクから所定タイミングに画像データを読み出して、エンジンコントローラ部2のデータ受信部11に送る。
複合装置1のシステムコントローラ部は、画像メモリ、CPU、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えており、システムコントローラ部としては、本実施例の複合装置1では、レーザプリンタ装置等のページ画像形成装置のシステムコントローラ部が流用され、また、該ページ画像形成装置のシステムコントローラ部のソフトウェアが可能な限り使用されている。なお、複合装置1は、システムコントローラ部以外の各部においても、ページ画像形成装置のハードウェアやソフトウェアが流用可能なものについては、流用されていてもよい。システムコントローラ部は、CPUの制御下で、スキャナ部で読み取ったデジタルのRGB画像データや通信部の受信したデータに対して必要な画像処理を施して、CMYKの画像データに変換してハードディスクに保管し、所定タイミングにハードディスクから画像データを読み出してエンジンコントローラ部2のデータ受信部11に出力する。
データ受信部11は、システムコントローラ部から送られてくるCMYKの画像データを受け取って、必要なデータ処理を施した後、ヘッド駆動制御部12及び無効記録領域検知部13に出力する。
ヘッド駆動制御部(ヘッド駆動制御手段)12は、CPU14の制御下で、CMYK画像データ及び制御信号をバンド単位でヘッド部3に出力して、ヘッド部3の制御を行い、用紙(画像形成媒体)への画像の形成を行わせる。特に、ヘッド駆動制御部12は、CPU14の制御下で、データ受信部11からの画像データに基づいて1バンド分の画像データに基づいて該1バンド分の各ラインの画像データにおける各画素データに対応する画素画像を同時に画像形成するとともに、後述する無効記録領域の画像形成をスキップさせてキャリッジの移動を高速で行うヘッド駆動制御処理を行う。
ヘッド部3は、ヘッド駆動制御部12からのCMYKの画像データと制御信号に基づいて、インクジェット方式で、定型サイズの用紙(画像形成媒体)や広幅の用紙(例えば、A0サイズの用紙)への画像の記録を行い、特殊サイズとして、長尺の用紙、例えば、A0幅(841mm)で長さが15mの広幅のロール紙やロール布等への画像形成(画像の記録)を行う。すなわち、ヘッド部3は、ヘッド駆動制御部12の制御下でC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色のインクを吐出するインクジェットヘッド(記録ヘッド)、該インクジェットヘッドを搭載して主走査方向に往復移動するキャリッジ、該キャリッジを主走査方向に往復移動させるキャリッジ駆動部(キャリッジ移動手段)、インクジェットからのインクが噴射されて画像の形成される用紙を副走査方向に搬送する用紙搬送機構部等を備えており、ヘッド駆動制御部12から送られてくる画像データに基づいて、インクジェットヘッドから所定ライン数を1バンドとして、該1バンド分のラインに対して同時にインクを噴射しつつ該インクジェットヘッドを主走査方向に移動させて1バンド(数ライン)分を同時に画像記録(画像形成)する。
無効記録領域検知部(無効記録領域検出手段)13は、その無効記録領域検知処理部(カウンタ、無効領域判定手段)21にデータ受信部11からのCMYKの画像データが入力され、無効記録領域検知処理部21は、図示しないが、CMYK各色用のカウンタ及びカウンタのカウント結果に基づいて主走査先端無効記録領域、主走査後端無効記録領域及び主走査中間無効記録領域を判定して無効記録領域情報(領域情報)を取得する無効領域判定部等を備えている。無効記録領域検知処理部21は、CPU14の制御下で、ライン毎に、該ラインでのライン先頭画素から最初の有効画素までの連続する無効画素の存在する主走査先端無効記録領域、最後の有効画素からライン終端画素までの連続する無効画素の存在する主走査後端無効記録領域及び該ライン先頭画素から該ライン終端画素までの間で所定画素連続して存在する無効画素の領域である主走査中間無効記録領域を検出して、各無効記録領域に関する無効記録領域情報を無効記録領域情報記憶部22に保存する処理をライン毎に1バンド分繰り返し行って、該バンドにおける主走査先端無効記録領域、主走査後端無効記録領域及び主走査中間無効記録領域に関する無効記録領域情報を無効記録領域情報記憶部22に保存する。
ここで、無効画素とは、白画素または所定濃度よりも白画素側の画素濃度の画素であって、インクジェットヘッドによる画素画像(ドット画像)の形成が無効となる画素をいう。
無効記録領域情報記憶部22は、例えば、RAM等で構成され、無効記録領域検知部13の検出した無効記録領域情報を保管する。
そして、無効記録領域検知処理部21は、上記主走査先端無効記録領域、主走査後端無効記録領域及び主走査中間無効記録領域に関する無効記録領域情報として、例えば、主走査先端無効記録領域の画素数(ライン先頭画素から最初の有効画素までの無効画素数)、主走査後端無効記録領域の画素数(最後の有効画素からライン終端画素までの無効画素数)及び主走査中間無効記録領域開始画素位置と主走査中間無効記録領域終了画素位置を検出する。この場合、無効記録領域検知処理部21は、ライン毎に、ライン先頭画素から最初の有効画素を検出した画素位置の1つ前の画素位置までの画素数を主走査先端無効記録領域画素数として検出して無効記録領域情報記憶部22に保存し、次のラインについて同様に検出した主走査先端無効記録領域画素数が前回検出した主走査先端無効記録領域画素数よりも少ないときには、少ない画素数を主走査先端無効記録領域画素数とする。また、無効記録領域検知処理部21は、ライン毎に、主走査先端無効記録領域よりも後方に存在する連続する無効画素のうち、その画素数の最も多い無効記録領域を主走査中間無効記録領域として該主走査中間無効記録領域の先頭画素(主走査中間無効記録領域先頭画素)と終了画素(主走査中間無効記録領域終了画素)及びその画素数(主走査中間無効記録領域画素数)を取得し、最初の有効画素として検出した連続する画素の最後の画素から次に有効画素を検出するまでの画素数を主走査先端無効記録領域画素数として検出して無効記録領域情報記憶部22に保存する。そして、無効記録領域検知処理部21は、主走査中間無効記録領域に対して、次のラインについて同様に検出処理を行って、検出した主走査中間無効記録領域画素数が以前に検出した主走査中間無効記録領域画素数よりも少ないときには、少ない画素数を主走査中間無効記録領域画素数とする。さらに、無効記録領域検知処理部21は、主走査中間無効記録領域の検出動作において、主走査無効記録領域終了画素位置が主走査方向のライン終端画素であると、中間無効領域記録領域開始画素位置からライン終端画素位置までを主走査方向後端無効記録領域としてその画素数を取得する。
無効記録領域検知処理部21は、ライン終端画素が無効画素であると、該ライン終端画素より主走査方向手前に位置する有効画素の次の無効画素から該無効画素であるライン終端画素までを主走査方向後端無効記録領域として、該主走査方向後端無効記録領域の画素数を取得して無効記録領域情報記憶部22に保存し、次のラインについて同様に検出した主走査方向後端無効記録領域の画素数がバンド内で先に検出した主走査後端無効記録領域画素数よりも少ないときには、少ない画素数を主走査後端無効記録領域画素数として無効記録領域情報記憶部22に保存する。
CPU4は、図示しないROM内に格納されているプログラムに基づいてRAMをワークメモリとして利用しつつエンジンコントローラ部2の各部を制御して、複合装置1のエンジンコントローラ部2としての処理を実行するとともに、後述する画像形成制御処理を実行する。すなわち、複合装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラムを読み込んでROM等に導入することで、後述するヘッド部3のキャリッジの主走査方向の移動を効率的かつ適切に制御して画像形成する画像形成装置、特に、ページ画像形成装置のシステムコントローラ部を流用して、広幅で長尺の画像データを副走査方向でのスキップ処理を行いつつライン画像形成を行う場合の主走査方向における無効領域の検出とキャリッジの移動(主走査方向のスキップ処理)を制御して効率的かつ適切に画像形成する画像形成装置として構築されている。この画像形成制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、主走査方向における無効画素を検出して該無効画素でのキャリッジの移動を高速に行うスキップ処理(以下、必要に応じて、主走査方向スキップ処理という。)を実施することで、処理速度を高速化する。
なお、本実施例の複合装置1は、そのシステムコントローラ部として、ページ画像形成装置のシステムコントローラ部が流用されており、広幅で長尺の画像データを副走査方向のスキップ処理を行いつつライン画像形成を行う場合に、上記主走査方向スキップ処理を行って、処理速度をさらに高速化する場合にも適宜適用することができる。
すなわち、複合装置1は、コピー機能の場合には、スキャナ部で原稿のカラー画像を読み取ったデジタルのRGB画像データを、スキャナ側画像処理部で必要な画像処理を行った後、該読み取ったRGBのカラー画像信号をデジタル変換して、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のCMYKデータとしてエンジンコントローラ部2のデータ受信部11に出力し、エンジンコントローラ部2は、CPU14の制御下で、送られてきた画像データを、画像処理部によって必要な画像処理を施した後、特に、CMYKの画像データを生成してハードディスクに保管する。
エンジンコントローラ部2は、CPU14の制御下で、送られてきた画像データを、画像処理部によって必要な画像処理を施し、特に、CMYKの画像データを生成してハードディスクに保管する。
また、複合装置1は、プリンタ機能の場合には、通信回線を介してホスト装置HSからデータが送信されてくると、該データを通信部で受信してエンジンコントローラ部2のデータ受信部11に転送し、エンジンコントローラ部2は、CPU14の制御下で、送られてきた画像データを、画像処理部によって必要な画像処理を施した後、特に、CMYKの画像データを生成してハードディスクに保管する。
データ受信部11は、ハードディスクに保管した画像データを図示しないトグルバッファを介してヘッド駆動制御部12に順次転送して、ヘッド駆動制御部12がライン毎の無効画素(白画素)の有無を判別し、無効画素のライン(無効ライン)が予め設定された副走査スキップバンド数分連続すると、ヘッド部3を制御して、該無効バンド分の紙搬送を行うという副走査方向スキップ処理を行う。
なお、この副走査方向スキップ処理においては、ヘッド駆動制御部12においてデータ受信部11から送られてくる画像データから無効画素のラインを検出して、画像データが連続して無効ラインであると、該無効ラインの画像データを破棄して次のライン画像データの無効検出を行うため、無効ラインが連続すると、その分無効検出の処理が高速で行われ、データ受信部11からヘッド駆動制御部12に送られる画像データの転送速度が速くなる。その結果、ヘッド駆動制御部12は、処理対象となる次ラインの画像データを、データ受信部11に要求し、データ受信部11は、ハードディスク内の画像データをトグルバッファに一旦読み出して、該トグルバッファの画像データをヘッド駆動制御部12に転送する。ところが、無効ラインが連続していてヘッド駆動制御部12で破棄する無効ラインの数が多くなると、ヘッド駆動制御部12からデータ受信部11へ頻繁に画像データのリード要求を行うこととなり、データ受信部11がハードディスクから読み出してトグルバッファを介してヘッド駆動制御部12へ転送する画像データの転送が、ヘッド駆動制御部12からのデータ要求に間に合わなくなって、次の画像データがハードディスクからトグルバッファに書き込まれていない状態で読み出しが発生する事態を招く。このような事態が発生すると、画像データの異常となって、画像品質が劣化することとなる。このような事態が発生するおそれがある場合には、複合装置1は、ヘッド駆動制御部12からのデータ要求を少なくとも次のトグルバッファへの画像データの書き込みが完了するまで待たせることで、トグルバッファに次の画像データが書き込まれた状態で、データ要求に応じてトグルバッファからヘッド駆動制御部12に画像データを転送できるようにしてもよい。
そして、複合装置1は、以下に説明する主走査方向無効画素の検出を無効記録領域検知部13で適切に行って、CPU14によってヘッド駆動制御部12による主走査方向のキャリッジの移動を制御することで、該主走査方向無効画素の検出に基づいた主走査方向スキップ処理を行う。
いま、説明を簡単にするために、1バンドが5ラインであり、画像データが、図2に示すような有効画素と無効画素からなる場合を取り上げる。なお、図2においては、1ラインの画素数(主走査1ライン画素数)が「1」から「25」の数値で示す25画素からなり、ハッチングの施されている画素が所定濃度の有効画素で、ハッチングの施されていない画素が白画素等の無効画素である。
複合装置1は、データ受信部11から無効記録領域検知部13の無効記録領域検知処理部21にCMYKの画像データをシリアルで転送し、無効記録領域検知処理部21は、データ受信部11からシリアルに送られてくる1ライン目の画像データを、順次画素毎に、有効画素であるか無効画素であるかをチェックして、主走査先端無効記録領域、主走査中間無効記録領域及び主走査後端無効記録領域を検出する。そして、無効記録領域検知処理部21は、ラインメモリ及びページメモリ等の大容量のメモリを用いることなく、以下に説明する主走査先端無効記録領域、主走査中間無効記録領域及び主走査後端無効領域の検出を行う。
まず、1バンド内の先頭ラインでの無効領域の検出について説明する。無効記録領域検知処理部21は、データ受信部11からシリアルに送られてくる1バンド内の1ライン目の画像データを、順次画素毎に、有効画素であるか無効画素であるかをチェックして、最初の有効画素を検出すると、先頭画素から該最初の有効画素の手前に位置する無効画素までの画素数(最初の有効画素までの画素数−1)を主走査先端無効記録領域画素数として取得して、無効記録領域情報記憶部22に保存する。例えば、無効記録領域検知処理部21は、図2の場合、最初の有効画素が「5」の画素位置にあるため、画素位置「5」の有効画素を検出して、「5」−「1」=「4」を、主走査先端無効記録領域画素数として取得し、無効記録領域情報記憶部22に保存する。なお、このライン画像データの有効画素の検出において、1ライン中に有効画素がない場合には、主走査先端無効記録領域画素数は、主走査1ライン画素数となる。
そして、無効記録領域検知処理部21は、データ受信部11からの1ラインの画像データに対して、上記主走査先端無効記録領域の検査を行って、主走査先端無効記録領域画素数を取得すると、次に、同じラインの画像データにおいて、主走査先端無効記録領域の後に、無効画素を検出するか検査し、検出した無効画素の画素位置(図2の1ライン目では、「7」)を取得して主走査中間無効記録領域開始画素位置として無効記録領域情報記憶部22に保存する。無効記録領域検知処理部21は、主走査中間無効記録領域開始画素位置から連続する無効画素数をカウントし、主走査中間無効記録領域開始画素位置の以降に有効画素があるか否かを検出して、有効画素を検出すると、検出した該有効画素の1つ前の主走査画素位置を主走査中間無効記録領域終了画素位置として取得して無効記録領域情報記憶部22に保存する。例えば、図2の場合、1ライン目では、主走査中間無効記録領域開始画素位置「7」よりも主走査方向後方の画素位置「9」に有効画素があるため、無効記録領域検知処理部21は、「9」−「1」=「8」を主走査中間無効記録領域終了画素位置として取得して無効記録領域情報記憶部22に保存する。
無効記録領域検知処理部21は、同じ1ライン目において、再度、無効画素を検出すると、参照主走査中間無効記録領域開始画素位置として無効記録領域情報記憶部22に保存し、その後、有効画素を検出すると、該有効画素位置の1つ前の画素位置を参照主走査中間無効記録領域終了画素位置として無効記録領域情報記憶部22に保存して、参照主走査中間無効記録領域終了画素位置−参照主走査中間無効記録領域開始画素位置を算出して該参照主走査中間無効記録領域の画素数を取得する。例えば、図2の1ライン目の場合、無効記録領域検知処理部21は、先に検出した主走査中間無効記録領域の次の画素位置「10」で無効画素を検出することとなり、画素位置「21」で有効画素を検出することとなるので、参照主走査中間無効記録領域開始画素位置として、「10」を、参照主走査中間無効記録領域終了画素位置として、参照主走査中間無効記録領域終了画素位置(「20」)の次の画素位置から参照主走査中間無効記録領域開始画素位置を減算(「21」−「1」)することで、参照主走査中間無効記録領域画素数として、「11」(「21」−「10」=「11」)を取得する。
無効記録領域検知処理部21は、参照主走査中間無効記録領域画素数を算出すると、先に取得して無効記録領域情報記憶部22に保存されている主走査中間無効記録領域終了画素位置と主走査中間無効記録領域開始画素位置から主走査中間無効記録領域画素数を算出して、主走査中間無効記録領域画素数を取得し、該主走査中間無効記録領域画素数と参照主走査中間無効記録領域画素数を比較する。例えば、図2の1ライン目の場合、主走査中間無効記録領域終了画素位置「8」の次の画素位置「9」から主走査中間無効記録領域開始画素位置「7」を減算(「9」−「7」=「2」)する。無効記録領域検知処理部21は、参照主走査中間無効記録領域画素数の方が主走査中間無効記録領域画素数よりも多いときに、該参照主走査中間無効記録領域を主走査中間無効記録領域として取得して、無効記録領域情報記憶部22の主走査中間無効記録領域の領域情報を参照主走査中間無効記録領域の領域情報で更新する。図2の1ライン目の場合、上述のように、最初に取得した主走査中間無効記録領域の画素数が「2」、次に取得した参照主走査中間無効記録領域の画素数が「11」であるので、無効記録領域検知処理部21は、無効記録領域情報記憶部22の主走査中間無効記録領域の領域情報を参照主走査中間無効記録領域の領域情報で更新して、主走査中間無効記録領域開始画素位置「10」、主走査中間無効記録領域終了画素位置「20」を保管する。
そして、無効記録領域検知処理部21は、上記主走査中間無効記録領域の検査を順次行って、上記主走査中間無効記録領域情報の主走査方向での更新処理を行い、主走査方向最後の無効画素を検出して、該主走査方向最後の無効画素が主走査方向ライン終端画素であると、該主走査方向無効記録領域が主走査方向後端無効記録領域であると判断して、主走査方向後端無効記録領域終了画素位置と該主走査方向後端無効記録領域開始画素位置から主走査方向後端無効記録領域画素数を算出(主走査方向終了画素の次の画素位置−主走査方向後端無効記録領域開始画素位置=主走査方向後端無効領域画素数)して、無効記録領域情報記憶部22に保存する。例えば、無効記録領域検知処理部21は、図2の1ライン目において、画素位置「22」で無効画素を検出し、画素位置「25」で主走査方向最後の無効画素を検出して、該主走査方向最後の無効画素が主走査方向ライン終端画素位置であるので、「25」−「21」=「4」を主走査方向後端無効領域画素数として無効記録領域情報記憶部22に保存する。この場合、無効記録領域検知処理部21は、取得した無効記録領域情報が、主走査方向後端無効記録領域に関する領域情報であるので、無効記録領域情報記憶部22に保存している主走査中間無効記録領域情報(主走査中間無効記録領域開始画素位置、主走査中間無効記録領域終了画素位置等)の更新を行わない。
次に、無効記録領域検知処理部21は、2ライン目について、上記同様の無効記録領域検出処理を行い、上記主走査先端無効記録領域を検出すると、2ライン目の検出処理で検出した主走査先端無効記録領域画素数が1ライン目で検出した主走査先端無効記録領域画素数と同じか多いときには、1ライン目の主走査先端無効記録領域画素数をそのまま無効記録領域情報記憶部22に保存して、2ライン目で検出した主走査先端無効記録領域画素数が1ライン目に検出した主走査先端無効記録領域画素数よりも少ないときには、該少ない2ライン目の主走査先端無効記録領域画素数を取得して無効記録領域情報記憶部22に保存する。例えば、2ライン目においては、最初の有効画素位置が画素位置「6」であるため、無効記録領域検知処理部21は、1ライン目の主走査先端無効記録領域画素数が「4」であり、2ライン目の主走査先端無効記録領域画素数「5」よりも少ないため、無効記録領域情報記憶部22の主走査先端無効記録領域画素数の更新を行わない。
次に、無効記録領域検知処理部21は、2ライン目に対して上記主走査中間無効記録領域の検出処理を行い、1ライン目で無効記録領域情報記憶部22に保存した主走査中間無効記録領域に対応する無効記録領域の画素数を検出する。無効記録領域検知処理部21は、2ライン目に対して検出した主走査中間無効記録領域の開始画素位置が1ライン目の主走査中間無効記録領域の開始画素位置と同じ画素位置か主走査方向前方側の画素位置であると、すなわち、2ライン目の主走査中間無効記録領域画素数が1ライン目に検出した主走査中間無効記録領域画素数と同じか多いと、主走査中間無効記録領域開始画素位置の更新を行わず、また、2ライン目に対して検出した主走査中間無効記録領域終了画素位置が、1ライン目の主走査中間無効記録領域終了画素位置と同じか主走査方向後方側の画素位置であると、主走査中間無効記録領域終了画素位置の更新を行わない。無効記録領域検知処理部21は、2ライン目で検出した主走査中間無効記録領域の開始画素位置が1ライン目の主走査中間無効記録領域の開始画素位置よりも主走査方向後方側の画素位置であると、無効記録領域情報記憶部22の主走査中間無効記録領域開始画素位置を2ライン目の主走査中間無効記録領域画素位置で更新し、また、2ライン目で検出した主走査中間無効記録領域終了画素位置が、1ライン目の主走査中間無効記録領域終了画素位置よりも主走査方向前方側の画素位置であると、すなわち、2ライン目の主走査中間無効記録領域画素数が1ライン目の主走査中間無効記録領域画素数よりも少ないと、無効記録領域情報記憶部22の主走査中間無効記録領域終了画素位置を2ライン目の主走査中間無効記録領域画素位置で更新する。例えば、図2において、1ライン目の最も無効が粗相の多い主走査中間無効記録領域の開始画素位置が画素位置「10」で終了画素位置が画素位置「20」の主走査中間無効記録領域に対応する2ライン目での主走査中間無効記録領域は、画素位置「9」が開始画素位置、画素位置「21」が終了画素位置となっているため、無効記録領域検知処理部21は、無効記録領域情報記憶部22の主走査中間無効記録領域情報の更新を行わない。
そして、無効記録領域検知処理部21は、2ライン目の主走査後端無効記録領域の検出において、2ライン目の主走査後端無効記録領域画素数が1ライン目の主走査後端無効記録領域画素数と同じか多いときには、無効記録領域情報記憶部22の主走査後端無効記録領域画素数の更新を行わず、2ライン目の主走査後端無効記録領域画素数が1ライン目の主走査後端無効記録領域画素数より少ないときには、無効記録領域情報記憶部22の主走査後端無効記録領域画素数を2ライン目の主走査後端無効記録領域画素数で更新する。例えば、図2の場合、1ライン目の主走査後端無効記録領域に対応する無効記録領域の開始画素位置が「23」で、1ライン目の主走査後端無効記録領域開始画素位置である「22」よりも主走査方向後方側であり、主走査後端無効記録領域画素数が減っているため、2ライン目の主走査後端無効記録領域画素数を算出(「25」−「22」=「3」)して、無効記録領域情報記憶部22の主走査後端無効記録領域画素数を2ライン目の主走査後端無効記録領域画素数で更新する。
そして、無効記録領域検知処理部21は、上記2ライン目の処理として説明した処理を3ライン目以降についても1つのバンド内の各ラインについて実行し、主走査先端無効記録領域、主走査中間無効記録領域及び主走査後端無効記録領域の各無効記録領域情報の検出・更新を行う。
すなわち、無効記録領域検知処理部21は、主走査先端無効記録領域の検出において、先に検出したラインでの主走査先端無効記録領域画素数よりも少ない画素数の主走査先端無効記録領域を検出すると、検出した画素数の少ない主走査先端無効記録領域画素数を取得して無効記録領域情報記憶部22に保存する。例えば、図2においては、3ライン目において、最初の有効画素が画素位置「4」にあるため、以前に検出したラインである1ライン目及び2ライン目の主走査先端無効記録領域画素数よりも少ないと判断して、無効記録領域検知処理部21は、「4」−「1」=「3」を主走査先端無効記録領域画素数として取得し、無効記録領域情報記憶部22に保存する。
また、無効記録領域検知処理部21は、各ラインでの主走査中間無効記録領域の検出において、今回のラインで検出した主走査中間無効記録領域の開始画素位置が先のラインで検出した主走査中間無効記録領域の開始画素位置と同じ画素位置か主走査方向前方側の画素位置であると、主走査中間無効記録領域開始画素位置の更新を行わず、また、今回のラインで検出した主走査中間無効記録領域終了画素位置が、先のラインで検出した主走査中間無効記録領域終了画素位置と同じか主走査方向後方側の画素位置であると、主走査中間無効記録領域終了画素位置の更新を行わない。無効記録領域検知処理部21は、今回のラインで検出した主走査中間無効記録領域の開始画素位置が先のラインで検出した主走査中間無効記録領域の開始画素位置よりも主走査方向後方側の画素位置であると、無効記録領域情報記憶部22の主走査中間無効記録領域開始画素位置を今回のラインで検出した主走査中間無効記録領域画素位置で更新し、また、今回のラインで検出した主走査中間無効記録領域終了画素位置が、先のラインで検出した主走査中間無効記録領域終了画素位置よりも主走査方向前方側の画素位置でると、無効記録領域情報記憶部22の主走査中間無効記録領域終了画素位置を今回のラインで検出した主走査中間無効記録領域終了画素位置で更新する。
さらに、無効記録領域検知処理部21は、各ラインでの主走査後端無効記録領域の検出において、今回のラインで検出した主走査後端無効記録領域の開始画素位置が先のラインで検出した主走査後端無効記録領域の開始画素位置と同じ画素位置か主走査方向前方側の画素位置であると、主走査後端無効記録領域開始画素位置の更新を行わず、今回のラインで検出した主走査後端無効記録領域開始画素位置が、先のラインで検出した主走査後端無効記録領域開始画素位置よりも主走査方向後方側の画素位置であると、無効記録領域情報記憶部22の主走査後端無効記録領域開始画素位置を今回のラインで検出した主走査後端無効記録領域開始画素位置で更新する。
そして、無効記録領域検知処理部21は、上記処理を1バンド分(本実施例の場合、5ライン)実行すると、1バンドにおける主走査先端無効記録領域、主走査中間無効記録領域及び主走査後端無効記録領域に対してそれぞれ最も無効画素数の少ない無効記録領域の領域情報を取得して、無効記録領域情報記憶部22に保存する。
すなわち、図2の場合、無効記録領域検知処理部21は、主走査先端無効記録領域に関しては、3ライン目において画素位置「4」で有効画素を検出するので、主走査先端無効記録領域画素数として、「3」を取得して無効記録領域情報記憶部22に保存し、主走査後端無効記録領域に関しては、2ライン目において、画素位置「22」で最後の有効画素を検出するので、主走査後端無効記録領域画素数として、「3」を取得して無効記録領域情報記憶部22に保存する。無効記録領域検知処理部21は、主走査中間無効記録領域に関しては、主走査中間無効記録領域終了画素位置を、1ライン目において、「21」を取得して、4ライン目において、「19」に更新し、5ライン目において、「18」に更新する。したがって、無効記録領域検知処理部21は、図2のバンドの無効記録領域情報として、最終的に、主走査先端無効記録領域画素数「3」、主走査後端無効記録領域画素数「3」、主走査中間無効記録領域開始画素位置「10」、主走査中間無効記録領域終了画素位置「18」を検出して無効記録領域情報記憶部22に保存する。
そして、無効記録領域検知処理部21は、1バンド分の無効記憶領域の検査を完了して無効記録領域情報を無効記録領域情報記憶部22に保存すると、CPU14に1バンド分の無効記憶領域検出処理が完了した旨を通知する。
無効記録領域検知処理部21は、データ受信部11からの画像データが、上述のように、CMYKのカラー画像データであると、同じラインのCMYKの各色画像データに対して画素毎にOR処理を施し、OR処理後の画像データに対して、上記ライン毎の無効記録領域検出処理を行い、該ライン毎の無効記録領域検出処理を1バンド分行って、1バンド分の無効記憶領域の検査を完了して無効記録領域情報を無効記録領域情報記憶部22に保存すると、CPU14に1バンド分の無効記憶領域検出処理が完了した旨を通知する。
無効記録領域検知処理部21は、CPU14に無効記憶領域検出処理完了通知を行って、CPU14による無効記録領域情報記憶部22の無効記録領域情報の読み取りが行われると、無効記録領域情報記憶部22の無効記録領域情報をクリアして、次のバンドに対して上記同様に、無効記憶領域の検査を行って無効記憶領域情報の無効記録領域情報記憶部22への保存処理を行う。
CPU14は、無効記憶領域検出処理完了通知を受け取ると、無効記録領域検知部13の無効記録領域情報記憶部22から無効記録領域情報を読み取り、ヘッド駆動制御部12に渡して、ヘッド駆動制御部12を介してキャリッジの主走査方向の移動制御を行う。
そして、ヘッド駆動制御部12は、CPU14から渡された無効記録領域情報に基づいて、インクジェットヘッドを搭載するキャリッジの駆動制御を、図3に示すように実行する。なお、複合装置1は、奇数バンドにおいては、主走査先端から後端方向へキャリッジを移動させて走査して画像形成し、偶数バンドにおいては、主走査後端から先端方向へキャリッジを移動させて走査して画像形成を行う。複合装置1は、このようなキャリッジの移動を行って画像を形成する際に、上記無効記録領域の検出を行って、該検出結果の無効記録領域情報に基づいて主走査方向の無効記録領域に対してキャリッジの主走査方向スキップ処理を行い、画像形成する。図3において、主走査画像サイズをS、主走査先端無効記録領域画素数をA、主走査後端無効記録領域画素数をB、主走査中間無効記録領域開始画素位置をC、主走査中間無効記録領域終了画素位置をD、実際のインクジェットヘッドの主走査位置をXj、判定用インクジェットヘッドの主走査位置をXhとする。ヘッド駆動制御部12は、偶数バンド時は、主走査先端無効記録領域画素数Aには、無効記録領域検知処理部21で検出した主走査後端無効記録領域画素数、主走査後端無効記録領域画素数Bには、無効記録領域検知処理部21で検出した主走査先端無効記録領域画素数、主走査中間無効記録領域開始画素位置Cには、主走査画素数Sから無効記録領域検知処理部21で検出した主走査中間無効記録領域終了画素位置を引いた値、無効記録領域終了画素位置Dには、主走査画素数Sから無効記録領域検知処理部21で検出した主走査中間無効記録領域開始画素位置を引いた値、判定用インクジェットヘッドの主走査位置Xhには、主走査画素数Sから実際のインクジェットヘッドの主走査位置Xjを引いた値で、インクジェットヘッドの駆動制御の判定を実施する。
すなわち、図3において、CPU14が無効記録領域情報記憶部22から無効記録領域情報、主走査先端無効記録領域画素数A、主走査後端無効記録領域画素数B、主走査中間無効記録領域開始画素位置C、主走査中間無効記録領域終了画素位置Dを読み出して、ヘッド駆動制御部12に渡すと、ヘッド駆動制御部12は、主走査先端無効記録領域があるか否か、すなわち、主走査先端無効画素(主走査先端空白)があるか否かを判定する(ステップS101)。
ステップS101で、主走査先端空白があるときには、すなわち、主走査先端無効記録領域画素数Aが「0」でないときには、ヘッド駆動制御部12は、ヘッド(インクジェットヘッド)の主走査位置Xhを主走査先端無効記録領域画素数Aの画素位置として、キャリッジを移動させることでインクジェットヘッドを移動し(ステップS102)、主走査中間空白があるか否か、すなわち、主走査中間無効画素(主走査中間空白)があるかチェックする(ステップS104)。また、ステップS101で、主走査先端空白がないときには、すなわち、主走査先端無効記録領域画素Aが「0」のときには、ヘッド駆動制御部12は、インクジェットヘッドの主走査位置Xhを「0」としてキャリッジを移動して(ステップS103)、主走査中間空白があるか否か、すなわち、主走査中間無効画素(主走査中間空白)があるかチェックする(ステップS104)。
なお、偶数バンドの場合には、実際のインクジェットヘッドの主走査位置Xjは、主走査画素数Sから判定用インクジェットヘッドの主走査位置Xhを引いた位置となるため、判定用インクジェットヘッドの主走査位置Xhを主走査先端無効記録領域画素数Aまで移動すると、実際のインクジェットヘッドの主走査位置Xjは、主走査画素数S−主走査先端無効記録領域画素数Aとなる。また、主走査先端無効記録領域画素数Aには、実際の画像では主走査後端無効記録領域画素数Bの値が入っているので、実際のインクジェットヘッドの主走査位置Xjは、主走査画素数S−実際の画像における主走査後端無効記録領域画素数Bの位置に移動することになる。
次に、ヘッド駆動制御部12は、ステップS104で、主走査中間無効記録領域終了画素位置D−主走査中間無効記録領域開始画素位置Cの値が「0」でなく、主走査中間無効記録領域(主走査中間空白)があるときには、判定用インクジェットヘッドの主走査位置Xjを、主走査中間無効記録領域開始画素位置Cまで画像形成(印写)行いながらインクジェットヘッドを移動し(ステップS105)、インクジェットヘッドの主走査位置Xh=C(主走査中間無効記録領域開始画素位置)以降では、インクジェットヘッドの主走査位置Xh=主走査中間無効記録領域終了画素位置Dとなるまで、すなわち、主走査中間無効記録領域の間は、画像形成を行うことなくインクジェットヘッドを高速で移動する(ステップS106)。
次に、ヘッド駆動制御部12は、インクジェットヘッドの主走査位置Xh=主走査中間無効記録領域終了画素位置D以降では、主走査画総サイズS−主走査後端無効記録領域画素数Bの画素位置まで、画像形成を行いながらインクジェットヘッドを移動する(ステップS107)。
また、ステップS104で、主走査中間無効記録領域がない場合は、ヘッド駆動制御部12は、ステップS107に移行して、インクジェットヘッドの主走査位置Xh=0、または、主走査先端無効記録領域画素数Aの画素位置から主走査画総サイズS−主走査後端無効記録領域画素数Bの画素位置まで画像形成しながらインクジェットヘッドを移動する(ステップS107)。
次に、ヘッド駆動制御部12は、最終バンドであるか判断し(ステップS108)、最終バンドでないときには、CPU14が主走査先端無効記録領域画素数A、主走査後端無効記録領域画素数B、主走査中間無効記録領域開始画素位置C、主走査中間無効記録領域終了画素位置D、インクジェットヘッドの主走査位置Xhを更新し(ステップS109)、ステップS101に戻って、上記同様の処理を繰り返し行う(ステップS101〜S109)。このとき、ヘッド駆動制御部12は、次バンドが奇数バンドであれば、無効記録領域検知処理部21が検出した無効記録領域情報を、偶数バンドであれば、主走査先端無効記録領域画素数Aには主走査後端無効記録領域画素数、主走査後端無効記録領域画素数Bには主走査先端無効記録領域画素数、主走査中間無効記録領域開始画素位置Cには主走査画素数Sから主走査中間無効記録領域終了画素位置を引いた値、無効記録領域終了画素位置Dには主走査画素数Sから主走査中間無効記録領域開始画素位置Cを引いた値、インクジェットヘッドの主走査位置Xhには主走査画素数Sから実際のインクジェットヘッドの主走査位置Xjを引いた値を更新後の値とする。
ヘッド駆動制御部12は、上記ステップS101からステップS109の処理を最終バンドの処理が完了するまで繰り返し行い、ステップS108で、最終バンドであると、処理を終了する。
なお、図3においては、主走査無効記録領域が存在すると、該主走査無効記録領域が1画素であっても、ヘッド制御を行っているが、図4に示すように、主走査無効記録領域の領域幅(画素数)が所定の設定画素数(判定閾値)を越えている場合にのみ主走査方向スキップ処理を伴うヘッド制御を行うようにしてもよい。なお、図4においては、図3と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付しており、その説明を簡略化する。
すなわち、図4において、ヘッド駆動制御部12は、予め設定された所定判定閾値Eよりも大きい画素数の主走査先端無効記録領域(主走査先端空白領域)があるか否かを判定する(ステップS201)。
ステップS201で、所定判定閾値Eよりも大きい画素数の主走査先端無効記録領域があるときには、すなわち、主走査先端無効記録領域画素数Aが所定閾値Eよりも大きい(A>E)ときには、ヘッド駆動制御部12は、ヘッド(インクジェットヘッド)の主走査位置Xhの位置を主走査先端無効記録領域画素数Aの画素位置までキャリッジを駆動させて移動し(ステップS102)、所定判定閾値Fよりも多い画素数の主走査中間空白があるか否か、すなわち、所定判定閾値Fよりも多い無効画素数の主走査中間無効記録領域があるか(主走査中間無効記録領域終了画素位置D−主走査中間無効記録領域開始画素位置C>F)チェックする(ステップS202)。
ステップS201で、所定判定閾値Eよりも大きい画素数の主走査先端無効記録領域がないときには、すなわち、主走査先端無効記録領域画素数Aが所定閾値E以下である(A≦E)ときには、ヘッド駆動制御部12は、インクジェットヘッドの主走査位置Xhを「0」まで移動して(ステップS103)、所定判定閾値Fよりも多い画素数の主走査中間空白があるか否か、すなわち、所定判定閾値Fよりも多い主走査中間無効画素があるか(主走査中間無効記録領域終了画素位置D−主走査中間無効記録領域開始画素位置C>F)チェックする(ステップS202)。
以降、ヘッド駆動制御部12は、上記図3の場合と同様に処理する(ステップS105からS109)。
このように、本実施例の複合装置1は、画像データに基づいて画素画像を形成するインクジェットヘッドを搭載するキャリッジを主走査方向に移動させつつ副走査方向に搬送される用紙に画像形成する場合に、無効記録領域検知部13の無効記録領域検知処理部21が、所定ライン数の画像データを1バンドとして該バンド分のライン数にわたる画素データにおいて各画像データがドット画像の形成に有効な有効画素と無効な無効画素のいずれであるかに応じて、主走査方向先端の主走査先端無効記録領域、主走査方向後端の主走査後端無効記録領域及び主走査先端無効記録領域と主走査後端無効記録領域の間に存在する少なくとも連続する無効画像が最も少ない主走査中間無効記録領域を検出して各領域の情報を示す領域情報を取得し、ヘッド駆動制御部12が、該領域情報に基づいて、キャリッジの主走査方向の移動を制御している。
したがって、ページメモリやラインメモリ等を用いることなく、1バンド内における主走査方向の先端、中間及び後端の無効記録領域を安価にかつより適切に検出することができ、該無効記録領域でキャリッジを高速移動して、画像形成速度を安価に高速化することができる。
また、本実施例の複合装置1は、無効記録領域検出においては、無効記録領域検知処理部21が、バンド内の各ラインの画像データに対してライン毎に該ラインの画像データにおける有効画素と無効画素をカウントし、該カウント結果に基づいて主走査先端無効記録領域、主走査後端無効記録領域及び主走査中間無効記録領域を判定して領域情報を取得している。
したがって、より一層安価で簡単な構成で主走査先端無効記録領域、主走査後端無効記録領域及び主走査中間無効記録領域を判定して領域情報を取得することができ、画像形成速度をより一層安価に高速化することができる。
さらに、本実施例の複合装置1は、ラインの画像データが複数の色の画像データからなるカラー画像データであると、無効記録領域検知処理部21が、同じラインのカラー画像データにおける全ての色の画像データを主走査方向の各画素において副走査方向で対応する画素データのOR処理を行い、該OR処理結果の画像データに基づいて主走査先端無効記録領域、主走査後端無効記録領域及び主走査中間無効記録領域を判定して領域情報を取得している。
したがって、カラー画像データに対しても、画像データの主走査方向の無効記録領域を安価にかつより適切に検出することができ、該無効記録領域でキャリッジを高速移動して、画像形成速度を安価に高速化することができる。
図5から図7は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の第2実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の第2実施例を適用した複合装置30の要部ブロック構成図である。
なお、本実施例は、上記第1実施例の複合装置1と同様の複合装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、図1と同様の構成部分には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5において、複合装置30は、エンジンコントローラ部31及びヘッド部3を備えているとともに、第1実施例の複合装置1と同様に、システムコントローラ部、大容量の不揮発性メモリであるハードディスク、スキャナ部、操作表示部や通信部等を備えており、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複合機能を実行する。
エンジンコントローラ部31は、第1実施例のエンジンコントローラ部2と同様のデータ受信部11、ヘッド駆動制御部12及びCPU14を備えているとともに、無効記録領域検知部41を備えており、無効記録領域検知部41は、第1実施例と同様の無効記録領域検知処理部21と無効記録領域情報記憶部22を備えているとともに、データOR処理部42を備えている。
データOR処理部42は、ラインメモリを備えており、データOR処理部42には、データ受信部11からCMYKの画像データがライン毎に入力される。データOR処理部42は、データ受信部11から入力されるCMYKの画像データをそれぞれライン毎に、OR処理を施して、1バンド分の画像データをライン毎にOR処理すると、OR処理結果の主走査1ライン分の画像データを無効記録領域検知処理部21に出力する。
データOR処理部42は、データ受信部11から入力される1ライン目の画像データを内部のラインメモリ(データ記憶手段)に保存し、データ受信部11から2ライン目の画像データが入力されると、該2ライン目の画像データとラインメモリの1ライン目の画像データの同じ主走査画素位置の画素同士のOR処理を行って、OR処理結果の画像データをラインメモリに保存する。データOR処理部42は、データ受信部11から3ライン目の画像データが入力されると、該3ライン目の画像データとラインメモリに保存されているOR処理結果の画像データの同じ主走査画素位置における画素同士のOR処理を行って、OR処理結果の画像データをラインメモリに保存するという処理を順次行い、OR処理結果の画像データを順次ラインメモリに保存する。例えば、データOR処理部42は、図6に示すような画像データの場合、1ライン目から5ライン目までの1バンド分の画像データに対して順次OR処理を施して、図7に示すように、主走査先端無効記録領域画素数として「2」、主走査後端無効記録領域画素数として「0」、主走査中間無効記録領域開始画素位置として「14」、主走査中間無効記録領域終了画素位置として「20」であるOR処理結果の画像データをラインメモリに保存する。
無効記録領域検知処理部21は、1バンド分の画像データのOR処理が完了してOR処理結果の画像データがデータOR処理部42のラインメモリに保存されると、データOR処理部42のラインメモリからOR処理結果の画像データを読み出し、第1実施例の場合と同様に、1バンド分のOR処理結果の画像データから主走査先端無効記録領域、主走査後端無効記録領域及び主走査中間無効記録領域を検出する無効記録領域検出処理を行って、1バンドにおける主走査先端無効記録領域、主走査中間無効記録領域及び主走査後端無効記録領域の各無効記録領域に対して最も無効画素数の少ない無効記録領域の領域情報を取得して、無効記録領域情報記憶部22に保存する。
すなわち、図6に示した画像データの場合、上述のようなOR処理を行わずに、第1実施例のように無効記録領域検知処理部21によってライン毎に1バンド分のライン画像データについて無効記録領域の検出を行うと、主走査中間無効記録領域については、1ライン目で、主走査中間無効記録領域開始画素位置として画素位置「4」を、主走査中間無効記録領域終了画素位置として画素位置「12」を取得し、2ライン目で、主走査中間無効記録領域開始画素位置を画素位置「5」に、主走査中間無効記録領域終了画素位置を画素位置「7」に更新する等の更新処理を順次行っていくと、図6から分かるように、主走査中間無効記録領域画素数が「0」となってしまう。
ところが、上述のように、データOR処理部42を設けて、例えば、図6に示したような1バンドの各ラインの画像データを順次OR処理して、図7に示したようなOR処理結果の画像データをラインメモリに保存し、該OR処理結果の画像データに対して無効記録領域検知処理部21によって無効記録領域の検出を行うと、1バンド内で最も大きな主走査中間無効記録領域を検出することができる。
そして、無効記録領域検知処理部21は、無効記憶領域の検査を完了して無効記録領域情報を無効記録領域情報記憶部22に保存すると、CPU14に1バンド分の無効記憶領域検出処理が完了した旨を通知する。
CPU14は、無効記憶領域検出処理完了通知を受け取ると、無効記録領域検知部13の無効記録領域情報記憶部22から無効記録領域情報を読み取り、ヘッド駆動制御部12に渡す。
ヘッド駆動制御部12は、上記第1実施例の場合と同様に、キャリッジの主走査方向の移動を制御するヘッド駆動制御処理を行う。
そして、データOR処理部42に複数のラインメモリを設けると、複数の主走査中間無効記録領域の無効記録領域情報を該複数のラインメモリに保管することができ、複数の主走査中間無効記録領域を検出して、該複数の主走査中間無効記録領域でのキャリッジの移動を制御するヘッド駆動制御処理を行うことができる。
また、無効記録領域検知部41は、データ受信部11からの画像データが、上述のように、CMYKのカラー画像データであると、データOR処理部42が、同じラインのCMYKの各色画像データに対して画素毎にOR処理を施し、カラーOR処理後の画像データに対して、上記ライン画像データに対するOR処理を行うか、無効記録領域検知処理部21が、上記ライン画像データに対するOR処理を行った後、該OR処理後の画像データに対してCMYKの各色画像データに対して画素毎にOR処理を施す。そして、無効記録領域検知処理部21が、これらのOR処理後の画像データに対して、上記ライン毎の無効記録領域検出処理を行い、該ライン毎の無効記録領域検出処理を1バンド分行って、1バンド分の無効記憶領域の検査を完了して無効記録領域情報を無効記録領域情報記憶部22に保存すると、上述のように、CPU14に1バンド分の無効記憶領域検出処理が完了した旨を通知する。
このように、本実施例の複合装置30は、データOR処理部42が、主走査方向1ライン分の画像データをラインメモリに保管して、該ラインメモリに保管されている画像データの次ラインの画像データと該ラインメモリの画像データとの間で主走査方向の各画素において副走査方向で対応する画素データのOR処理を行って該OR処理結果の1ライン分の画像データを該ラインメモリに保管し、無効記録領域検知部13が、バンドの最終ラインの画像データとラインメモリの画像データとの間でデータOR処理部42によってOR処理されてラインメモリに保管された画像データに基づいて主走査先端無効記録領域、主走査後端無効記録領域及び主走査中間無効記録領域を判定して領域情報を取得している。
したがって、1バンド内のライン間における主走査中間無効記録領域の領域幅(無効画素数)が種々変化しても、ページメモリを用いることなく、ラインメモリを用いることによって、1バンドを通して適切に主走査中間無効記録領域を検出することができ、画像形成速度をより一層安価に高速化することができる。
また、本実施例の複合装置1は、ラインの画像データが複数の色の画像データからなるカラー画像データであると、無効記録領域検知処理部21が、同じラインのカラー画像データにおける全ての色の画像データを主走査方向の各画素において副走査方向で対応する画素データのOR処理を行い、該OR処理結果の画像データに基づいて主走査先端無効記録領域、主走査後端無効記録領域及び主走査中間無効記録領域を判定して領域情報を取得している。
したがって、カラー画像データに対しても、画像データの主走査方向の無効記録領域を安価にかつより一層適切に検出することができ、該無効記録領域でキャリッジを高速移動して、画像形成速度を安価に高速化することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、上記実施例においては、インクジェット方式の複合装置に適用した場合について説明したが、インクジェット方式の画像形成装置に限るものではなく、記録ヘッドを主走査方向に移動させて画像の形成を行う画像形成装置一般に適用することができる。
また、上記説明においては、副走査方向のスキップ処理を行うことを前提として説明したが、当然のことながら、本発明は、副走査方向のスキップ処理を行わない場合にも、同様に適用することができる。