ディジタル画像信号を記録媒体上に可視画像として再生し、出力する画像出力装置の一例を図30に示す。この画像出力装置は、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などの複数の機能を備えたディジタル複合機である。このようなディジタル複合機は、一般にMFP(Multi Function Peripheral)と称されている。この画像出力装置は、広幅用インクジェット方式のMFPであり、原稿送り装置DF、操作パネルOPB、スキャナSCR、及びプリンタPTRから構成されている。広幅MFPでは、定型サイズとしては、A0用紙までのコピー、スキャナアプリ、プリンタアプリが実行可能である。また、特殊サイズとして長尺に対応しており、A0幅の841[mm]で長さは15[m]までのコピー、スキャナアプリ、プリンタアプリが実行可能である。
図31は従来から実施されているプリンタの一例の外観を示す斜視図である。このプリンタは、広幅用インクジェット方式のプリンタであり、操作パネルOPBとプリント部PTRを備えている。この広幅プリンタでは、定型サイズとしては、A0用紙までのプリンタアプリが実行可能であり、また特殊サイズとして長尺に対応しており、A0幅の841[mm]で長さは15[m]までのプリンタアプリが実行可能である。
図32は、図30のMFPあるいは図31のプリンタの作像ユニットであるインクジェットのプリントヘッド部の概略構成を示す要部斜視図である。同図において、ロール紙33として供給される記録紙にインクジェットヘッド31から吐出されるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクにより画像を形成する。インクジェットヘッド31は、ヘッド搬送ベルト32により左右に搬送され(主走査方向に移動)、記録紙に画像が形成されたのち記録紙送りローラ34と押さえローラ35により紙送りされる(副走査方向に搬送)。このような主走査方向の移動と副走査方向の搬送を繰り返すことにより画像が形成される。
図33(a)は、前述のCMYKインクジェットヘッド31のノズル配置を示したものである。ここでは、CMYKの各ノズル311,312,313,314は2列に配置され、ノズル間距離は、0.042[mm]となっている。これは、画像の解像度600[dpi]時、すなわち1インチあたり600ドットを形成するときのドット間距離になる。ここでは、CMYKの各色は、BLINEのライン数で示されるノズルを配置している。従って、前述の図32において、インクジェットヘッド31が左から右、あるいは右から左に搬送される毎にBLINEで示されるライン数分の画像を転写できることになる。画像が、フルカラーの場合、CMYKの各ノズル311,312,313,314からインクが吐出される。また、転写画像がモノクロの場合は、K色のノズル314からK色のインクのみが吐出されることになる。
図33(b)は、ブラックのヘッド314を紙送り方向にK1、K2と2つ配置したもので、フルカラーのときに比べ、モノクロ時の1回のプリントヘッド搬送時の転写画像のライン数を2倍に上げ、プリント速度の向上を図ったものである。転写画像として、モノクロで形成される場合もかなり多いため、ヘッドを1つ追加することで、モノクロ時のプリント速度を上げることはMFP、あるいはプリンタとして性能面で優位になる。
図34は、従来の画像出力装置におけるIMAC(画像メモリアクセス制御部)12からCDIC(圧縮/伸張及びデータインターフェース制御部)4、IPP(画像処理プロセッサ)3にプリント用の画像データC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)を転送する場合の例を示す。なお、IMAC12、CDIC4及びIPP3自体は後述の図1及び図3に示した実施例に対応するので、ここでは詳細は省略する。また、ここではプリント用画像データとしてCMYKの4色の場合を示したが、実際にはさらに高画質化のために色版を増やしても良いし、RGBの画像を転送し、画像処理プロセッサIPP3にてRGBからCMYK等への色変換を実施しても良い。また、IMAC12からCDIC4への転送は、パラレルバスを介してC、M、Y、Kの各色版の画像が時分割に転送されるが、図34では簡易的に記載している。すなわち、IMAC12からはC,M,Y,Kの各色について8ビットのデータがCDIC4に転送され、CDIC4からIPP3には、バンドのFGATE(フレームゲート信号)及びLSYNC(ライン同期信号)とともに前記C,M,Y,Kの各色について8ビットのデータが転送される。
図35(a)は、印字画像の例を示したもので、図35(b)は図35(a)の印字画像を図32に前述したインクジェットヘッドが1回のスキャンにより印字する領域、ここではバンドと呼ぶことにするが、このバンドの割り付けの様子を示したものである。ここでは、説明のために、図35(a)の画像を図35(b)のように、バンド1〜バンド10の10のバンドに分割する場合を示している。従って、図32のインクヘッドが図33(a)のノズル配置をしているとすると、10回のスキャンでプリントできることになる。
図36は、図34で、IMAC12からCDIC4への転送データI2C_C、I2C_M、I2C_Y、I2C_Kと、CDIC4からIPP3への転送データC2I_C、C2I_M、C2I_Y、C2I_Kと、フレームゲート信号C21_FGATEBと、ライン同期信号C21_LSYCBとの出力タイミングの関係を示すタイミングチャートである。これらの画像データは、図35(b)に示したバンド毎のデータとして転送され、印字されることになる。
図37は1ラインの画素数を制御する回路を示すブロック図である。まず、プリント開始時に、主走査画素数レジスタ(ONP)361にそのロード信号(LD_ONP)をアサートすることでプロセスコントローラのCPUから1ラインの画素数をセットする。そして1ラインのデータの転送開始時に、主走査画素数カウンタ(PCNT)360をそのリセット信号(RES_PCNT)をアサートすることによってクリアする。そして1画素ずつ転送される毎にINC_PCNTをアサートし、カウンタ(PCNT)をインクリメントする。主走査画素数レジスタ(ONP)361と主走査画素数カウンタ(PCNT)360の値は、コンパレータ(CMP)362で比較され、主走査画素数カウンタ(PCNT)360の値が主走査画素数レジスタ(ONP)の値と一致し、LINE_END信号がアサートすることにより1ラインのデータ転送完了を検知する。
図38は1枚の記録紙のライン数を制御する回路を示すブロック図である。まず、プリント開始時に、副走査ライン数レジスタ(ONL)371にそのロード信号(LD_ONL)をアサートすることでCPUから記録紙のライン数をセットする。そして転写画像データの転送開始時に、副走査ラインカウンタ(LCNT)370をそのリセット信号(RES_LCNT)をアサートすることでクリアする。1ラインずつ転送される毎にINC_LCNTをアサートし、カウンタ(LCNT)370をインクリメントする。副走査ライン数レジスタ(ONL)371と副走査ライン数カウンタ(LCNT)370の値は、コンパレータCMP372で比較され、副走査ラインカウンタ(LCNT)の値が副走査ライン数レジスタ(ONL)の値と一致し、PRINT_END信号がアサートすることにより記録紙1枚のデータ転送完了を検知する。
図39はプリント時の制御手順を示すフローチャートである。前述の図36のタイミングチャートに示したデータ転送を図37及び図38の回路で制御する制御手順を示す。図39において、プリントが開始されると、LD_ONL信号アクティブにして、出力ライン数を副走査ライン数レジスタ(ONL)371にセットする(ステップ501)。次いで、副走査ラインカウンタ(LCNT)370をリセット信号(RES_LCNT)のアサートによりクリアする(ステップ502)。その後、C2I_FGATEをアサートし(ステップ503)、IMAC12からラインデータを受信し、C2I_LSYNCBとラインデータをIPP3に出力し、INC_LCNTをアサートすることによってラインカウンタ(LCNT)370をインクリメントする(ステップ504)。副走査ライン数レジスタ(ONL)371と副走査ライン数カウンタ(LCNT)370の値をコンパレータ(CMP)372で比較し、副走査ラインカウンタLCNTの値が副走査ライン数レジスタ(ONL)の値と一致し、PRINT_END信号がアサートし(ステップ505−Yes)、記録紙1枚のデータ転送完了を検知すると、C2I_FGATEをネゲートする(ステップ506)。
例えば図35のプリント画像をこのようにして印字する場合、コントローラ側のIMAC12からは全領域の印字画像をエンジン側に転送し、全領域の印字画像をインクヘッドからの吐出信号として処理することになる。そこで、図35(b)のバンド毎にインクジェットヘッド31にて印字を行う場合、実際にはバンド1やバンド8、バンド9は、白画像であるため、インクジェットヘッド31からはCMYKのどの色版からもインクは吐出されないことになる。従ってインクが吐出されないバンドの画像データもインクジェットヘッド31へ出力されるため、印字画像があるバンドと印字画像がないバンドは全く同じ動作となる。以上より、印字画像が少ない画像をプリントする場合も印字画像が多い場合とプリント速度は同じとなってしまう。
一方、この種の技術としては、例えば特許文献1及び2記載の発明が公知である。このうち、特許文献1記載の発明は、印刷完了までの時間を短縮できるイメージデータ印刷の用紙送り制御方式を提供することを目的とし、印刷用紙上にイメージデータを印刷するプリンタにおいて、印刷用紙上でのイメージデータの位置を制御命令(空白部分長、イメージ領域長、用紙サイズ等を含む)により受け、この制御命令からスキップ距離及び排出距離を演算して求め、印刷開始の際、スキップ距離だけ印刷用紙を高速で送り出し、調整距離で用紙送り速度を印刷用速度に調整して制御命令によるイメージデータの頭出し位置の空白部分長まで印刷用紙を送り出したのち、イメージ領域長を有するイメージデータの印刷を終了するようにしている。印刷用紙の残り部分の排出距離に対しては、再度、印刷用紙が高速で送り出されている。
また、特許文献2記載の発明は、空白ドットラインが続くようなデータの場合であっても、不必要なシャトルの駆動を行わず、紙送りのみを行うことで、スループットの向上を図ることを目的とし、印刷ドットデータを1ドットライン分転送する毎にCPUがデータ内容のチェックを行い、それが空白ドットラインのデータであった場合は、CPUは紙送り量カウンタの値を1つ加え、一方、空白以外のドットラインのデータであった場合は、CPUが印刷制御回路を介して、紙送り量カウンタ値のドットライン数を一度にまとめて紙送りし、その後、CPUが印刷制御回路を介して、1ストローク分の印刷を従来通りに行うようにするものである。
特開平8−142422号公報
特開2000−127510号公報
以下、本実施形態における実施例について従来例と対比しながら説明する。
図1は実施例1に係る画像出力装置としてのMFPのシステム構成を示すブロック図である。図1において、本実施例に係るMFPは、コントローラ部CTRとエンジン部EGNとから基本的に構成されている。エンジン部EGNは、読み取りユニット1、センサボードユニット(SBU−以下、SBUと称す。)2、画像処理プロセッサ(IPP−以下、IPPと称す。)3、画像データ制御部(圧縮/伸張及びデータインターフェース制御部:CDIC−以下、CDICと称す。)4、メモリ(MEM−以下、MEMと称する)7、ビデオデータ制御部(VDC−以下、VDCと称す。)8、作像ユニット9、プロセスコントローラ22、RAM23及びROM24を備えている。プロセスコントローラ22、RAM23及びROM24はシリアルバス21を介して前述の各部と接続されている。
コントローラ部CTRは、画像メモリアクセス制御部(IMAC−以下、IMACと称す。)12、システムコントローラ(CPU)13、ハードディスク(以下、HDDと称す。)14、メモリモジュール(以下、MEMと称す。)15、操作パネル17、及びROM18を備え、さらにネットワークI/Fを介してネットワーク16を接続されている。
コントローラ部CTRとエンジン部EGNは、パラレスバス11を介してIMAC12とCDIC4が接続されることにより、両者間でデータ及びコマンドの送受が可能となっている。なお、プロセスコントローラ22はCDIC4とシリアルバス21を介してシステムコントローラ13と協働してMFPの制御を実行する。
図2は、図1のシステム構成における画像データの流れを示す図である。各機能モジュールの動作について画像データの流れとともに説明する。
原稿を光学的に読み取る読み取りユニット1は、原稿に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子としてのCCDに集光する。CCDは、SBU2に搭載され、CCDにおいて電気信号に変換された画像信号はディジタル信号に変換された後、SBU2から出力される。SBU2から出力される画像信号はIPP3に転送され、光学系及びディジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化)を補正し、CDIC4に入力される。機能デバイス及びデータバス間における画像データの伝送はCDIC4が全て制御する。CDIC4は画像データに関し、SBU2、パラレルバス11、IPP3間のデータ転送、全体制御を司るシステムコントローラ13と画像データに対するプロセスを制御するコントローラ、言い換えれば画像出力を制御するプロセスコントローラ22間の通信を行う。システムコントローラ13とプロセスコントローラ22はそれぞれCPUを備え、それぞれの制御を実行する。
IPP3からCDIC4へ転送されたデータは、CDIC4からパラレルバス11を経由してIMAC12に送られる。IMAC12ではシステムコントローラ13の制御に基づき画像データとMEM15のアクセス制御、ネットワーク16に接続された外部PC(パソコン)のプリント用データの展開、及びメモリ有効活用のための画像データの圧縮/伸張が行われる。IMAC12へ送られたデータは、データ圧縮後MEM15へ蓄積され、蓄積データを必要に応じて読み出す。この画像データを流れ(パス)を矢印Aで示す。
読み出しデータは伸張し、本来の画像データに戻し、IMAC12からパラレルバス11経由でCDIC4へ戻される。CDIC4からIPP3への転送後は、IPP3による画質処理及びレンダリング処理、VDC8でのプリントヘッド制御を行い、作像ユニット9において記録紙上に再生画像を形成する。その間、IPP3ではMEM7を使用して前記画質処理及びレンダリング処理を実行する。この画像データの流れ(パス)を矢印Bで示す。
パスA及びBで示す画像データの流れでは、パラレルバス11及びCDIC4でのバス制御により、MFPの機能を実現する。すなわち、複数ジョブ、例えばコピー機能、スキャナ機能、プリンタ出力機能が並行に動作する状況において、読み取りユニット1、作像ユニット9及びパラレルバス11の使用権のジョブへの割り振りをシステムコントローラ13及びプロセスコントローラ22で制御する。プロセスコントローラ22は画像データの流れを制御し、システムコントローラ12はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。
MFPの機能選択は操作パネル17から選択入力し、コピー機能、スキャナ機能等の処理内容を設定する。システムコントローラ13とプロセスコントローラ22はパラレルバス11、CDIC4及びシリアルバス21を介して相互に通信を行う。CDIC4内においてパラレルバス11とシリアルバス12とのデータインターフェースのためのデータフォーマット変換を行う。また、スキャナアプリでは、読み取りユニット1及びSBU2で読取られた原稿画像データをIPP3で画質処理し、CDIC4からパラレルバス11、IMAC12を介してMEM15あるいはHDD14に格納し、そこから必要に応じてネットワーク16を介してパソコン(PC)に原稿画像データを送る。
図3は、実施例1の変形例に係る画像出力装置としてのプリンタのシステム構成を示すブロック図である。図3のプリンタ構成では、図1のMFP構成から画像の読み取りに関する機能モジュールを省略したものである。すなわち、読み取りユニット1及びSBU2を省略し、ネットワーク16を介して入力されるPCからの印刷データをプリントアウトする。なお、図3では、IPPとCDICについては、MFPの場合と構成が異なるので、MFPとは異なる符号5,6を付しているが、その他の構成は図1に示したMFPの場合と同様であるので、重複する各部の説明は省略する。
図4は図3のシステム構成における画像データの流れを示す図である。各機能モジュールの動作について画像データの流れとともに説明する。
図4において、ネットワークを介してPC(パソコン)から指示されたプリント処理は、システムコントローラ13でプリンタ記述言語からビットマップデータへ変換され、変換されたビットマップデータはMEM15に格納される。この画像データ流れ(パス)を矢印Cで示す。その後、IMAC12からパラレルバス11経由でCDIC6へ転送され。CDIC6からIPP5への転送後はIPP5によるレンダリング処理、VDC8でのプリントヘッド制御を行い、作像ユニット9において記録紙上にプリント画像を形成する。この画像データの流れ(パス)を矢印Dで示す。
なお、図1及び図2に図示したMFP、図3及び図4に図示したプリンタの各構成自体は従来から実施されているものである。
図5はMFP用のIPPの構成の概略を示すブロック図である。IPP3は、スキャナ画像処理部301、コマンド制御部302、画質処理部303、及びレンダリング処理部304を備えている。スキャナ画像処理部301へは、入力I/F311からデータが入力され、出力インターフェース312から出力される。また、画質処理部303へは入力I/F313からデータが入力され、レンダリング処理部304に出力される。レンダリング処理部304は出力I/F314とMEMI/F315に接続され、出力I/F314から外部にレンダリング処理されたデータを出力し、MEMI/F315を介してMEM15にデータを格納し、また、格納されたデータを読み出す。
読み取り画像はSBU2を介してIPP3の入力I/F311からスキャナ画像処理部301へ伝達される。読み取り画像信号の劣化補正が目的で、シェーディング補正、スキャナγ補正、MTF補正等を行う。読み取り画像データの補正処理終了後、出力I/F312を介してCDIC4へ画像データを転送する。
記録紙への出力は、CDIC4からの画像データを入力I/F313より受け、画質処理部302において面積階調処理を行う。画質処理後のデータは、その後、レンダリング処理部304でプリントヘッドの並びに応じたレンダリング処理を外付けのMEM15を介しながら実施し、出力I/F314を介してVDC8へ出力される。面積階調処理は濃度変換、ディザ処理、誤差拡散処理等があり、階調情報の面積近似を主な処理とする。一旦スキャナ画像処理された画像データをMEM15に蓄積しておけば、画質処理を変えることによって種々の再生画像を確認することができる。例えば再生画像の濃度を振ってみたり、ディザマトリクスの線数を変更してみたりすることにより、再生画像の雰囲気を変更できる。このとき、処理を変更する度に画像を読み取りユニットから読み込み直す必要はなく、MEM15から格納画像を読み出せば同一データに対し、何度でも異なる処理を実施できる。また、単体スキャナの場合、スキャナ画像処理と階調処理を合わせて実施し、CDIC4へ出力する。処理の切り替え、処理手順の変更等はコマンド制御部302で管理する。
図6は、従来のMFP用のCDICの構成を示すブロック図である。MFP用のCDIC4は画像データ入力部401、データ圧縮部402、データ変換部403、データ伸張部404、画像データ出力制御部405、及びコマンド制御部406を備え、データ変換部403はシリアルデータインターフェース411及びパラレルデータインターフェース412を介して外部と接続されている。
画像データ入力制御部401では、IPP3でスキャナ画像補正されたデータが入力される。入力データはパラレルバスでの転送効率を高めるためにデータ圧縮部402においてデータ圧縮され、パラレルデータI/F412を介してパラレルバス11へ送出される。パラレルデータバス11からパラレルデータI/F412を介して入力される画像データは、バス転送のために圧縮されており、データ伸張部404で伸張される。伸張された画像データは画像データ出力制御部405からIPP3へ転送される。さらにCDIC4はパラレルデータとシリアルデータの変換機能を併せ持つ。システムコントローラ12はパラレルバスにデータ11を転送し、プロセスコントローラ22はシリアルバス21にデータを転送する。2つのコントローラの通信のためにデータ変換を行う。
図7は本実施例に係るMFP用のCDICの構成を示すブロック図である。本実施例に係るMFP用のCDIC4は、図6に示した従来のCDIC4に対してデータ伸張部404と画像データ出力部405との間にスキップ制御部400を設けたもので、その他の各部は従来と同一である。スキップ制御部400で実行されるスキップ制御については後述する。
図8はプリンタ用のIPPの概略構成を示すブロック図である。IPP5は、レンダリング処理部501とコマンド制御部502を備え、また、レンダリング処理部501と接続される入力I/F511、出力I/F512及びMEMI/F513を備えている。このように構成されたIPP5では、CDIC6から入力I/F511を介して入力される画像データは、プリントヘッドの並びに応じたレンダリング処理をMEMI/F513を介して外付けのMEM15を使用して実施し、出力I/F512を介してVDC8へ出力される。
図9は、従来のプリンタ用CDICの構成を示すブロック図である。プリンタ用のCDIC6は、データ変換部601、データ伸張部602、画像データ出力制御部603、及びコマンド制御部604を備え、データ変換部601はシリアルデータインターフェース611及びパラレルデータインターフェース612を介して外部と接続されている。
データ変換部601にパラレルデータバス11からパラレルデータI/F612を介して入力されるプリント用画像データは、バス転送のために圧縮されており、データ伸張部602で伸張される。伸張された画像データは画像データ出力制御部603からIPP5へ転送される。
図10は本実施例に係るプリンタ用CDICの構成を示すブロック図である。本実施例に係るプリンタ用のCDIC6は、図9に示した従来のCDIC6に対してデータ伸張部602と画像データ出力制御部603との間にスキップ制御部400を設けたもので、その他の各部は従来と同一である。スキップ制御部400で実行されるスキップ制御については後述する。
図11はVDCの構成を示すブロック図である。VDC8は、エッジ平滑処理部801、インク出力制御部802、及びデータ変換部803を備え、データ変換部803はシリアルデータインターフェース811及びパラレルデータインターフェース812を介して外部と接続されている。VDC8では、入力される画像データに対し作像ユニットの特性に応じて、追加の処理が行われる。すなわち、入力された画像データはエッジ平滑処理部801でドットの再配置処理が行われ、さらに、インク出力制御部802においてドット形成のための画像信号のインク出力制御が行われ、画像データは作像ユニット9を対象として出力される。また、データ変換部803は、画像データの変換とは別に、パラレルデータとシリアルデータのフォーマット変換機能を併せ持ち、VDC8単体でもシステムコントローラ13とプロセスコントローラ22の通信に対応することができる。なお、パラレルデータはパラレルデータI/F812を介して、また、シリアルデータはシリアルデータI/F811を介してデータ変換部803に入出力される。
図12はIMACの構成を示すブロック図である。同図において、IMAC12は、メモリアクセス制御部1201、データ伸張部1202、データ変換部1203、データ圧縮部1204、ビデオ制御部1205、及びラインバッファ1206を備え、データ変換部1203はパラレルデータI/F1212を介して、また、ビデオ制御部1205はシステムコントローラI/F1211を介して外部と相互に通信が可能であり、また、ラインバッファ1206を介して外部からデータを受信する。
パラレルデータI/F1212は、パラレルバス11との画像データのインターフェースを管理する。構成的にはMEM15への画像データの格納/読み出しと、主に外部のPCから入力されるコードデータの画像データへの展開を制御する。入力されたコードデータはラインバッファ1206において、ローカル領域でのデータの格納を行う。ラインバッファ1206に格納されたコードデータは、システムコントローラI/F1211を介して入力されたシステムコントローラ13からの展開処理命令に基づき、ビデオ制御部1205において画像データに展開される。展開された画像データもしくは パラレルデータI/F1212を介してパラレルバス11から入力された画像データは、MEM15に格納される。この場合、データ変換部1203に於いて格納対象となる画像データを選択し、データ圧縮部204においてメモリ使用効率を上げるためにデータの2次圧縮を行い、メモリアクセス制御部1201でMEM15のアドレスを管理しながらMEM15に画像データを格納する。MEM15に格納された画像データの読み出しは、メモリアクセス制御部1201にて読み出し先アドレスを制御し、読み出された画像データをデータ伸張部1202にて伸張する。伸張された画像データをパラレルバス11へ転送する場合、パラレルデータI/F1212を介してデータ転送が行われる。
本実施例の特徴は従来例に対して図7及び図10に示したようなスキップ制御部400,600を設けた点にある。以下、このスキップ制御について詳細に説明する。
図13(a)は、前述の図34(a)の印字画像に対して、紙送り方向である副走査ライン方向で、印字画像あり領域と印字画像なし領域を区別したものである。図13(b)は、図13(a)に図34(b)に示した10のバンドに分割したバンド割り付けを行ったものである。ここで、バンド1、バンド8、バンド9は印字画像がない領域であり、この印字画像がない領域ということを高速に検知できれば、インクヘッドに印字画像がないバンドのデータは出力せずに、紙送りだけを行うことでプリント速度を向上させることができると考えられる。そこで、図7あるいは図10に示したスキップ制御部400,600は、それぞれコントローラ側のIMAC12から画像データを高速に受信し、バンド毎に印字画像があるかないかを検知し、印字画像がない場合は、プロセスコントローラ22にその旨を通知する。プロセスコントローラ22は、印字画像がないバンドについては印字のためのインクジェットヘッド31の走査は行わず、紙送りだけを実施するようにする。なお、バンドもしくはバンド幅は図33で示したようにインクジェットヘッド31の走査幅に対応するように設定される。従って、図33(a)の状態で走査する場合と図33(b)の状態で走査する場合とでは、バンドを構成するライン数(BLINE)が変更される。ライン数の変更については、後述する。
図14は、従来の図35の画像転送に対して、スキップ制御部400,600で前述のようなスキップ制御を行った場合の画像転送のタイミングを示したタイミングチャートである。図14において、まず、コントローラ側IMAC12からCDIC4,6が画像データを受信し、CDIC4,6内のスキップ制御部400,600で印字のための画像があるかないかを検知する。結果として、記録紙先端の印字画像なし領域R1では、印字画像がないので、CDIC4,6から後段のIPP3への画像転送は行わない。次に、印字画像あり領域R2の画像データを受信し始めると、印字画像ありと検知し、このデータはCDIC4,6から後段のIPP8に送信し、最終的にはプリンタヘッド31からインクが吐出され、画像が形成されることになる。次の印字画像なし領域R3は、前記先端印字画像なし領域と同じ動作を行い、最後の後端印字画像あり領域R4は、前記印字画像あり領域R2と同じ動作となる(図33参照)。
スキップ制御を行う場合の印字画像あり領域と印字画像なし領域のプリント速度は以下のようになる。
印字画像なし領域は、コントローラ側IMAC12から画像データを受信し、印字画像なしと検知し、紙送りのみを実施する時間になる。まず、紙送りの時間は、紙送り用のモーター速度になるので、例えば500[mm/s]となる。これは、1秒間に500[mm]の紙を送ることができることを示す。一方、コントローラ側IMAC12からCDIC4,6へと画像データを転送し、画像ありかなしかの検知を行う時間は、コントローラ側メモリMEM15からデータをリードする時間か、IMAC12からパラレルバスを介して画像データを受信する時間か、画像有り無しを検知する時間のうち、最も遅い時間で影響される。
MEM15からIMAC12へのデータ受信速度は、32ビット幅で533[Mbps]のI/Fで実現すると、受信速度は、
32×533×α/8[MB/s]
となる。ここで、αはメモリとのアクセス効率で、例えば0.6(60%)とすると、メモリリード速度は、1279[MB/S]となる。
一方、IMAC12からパラレルバス11を介してCDIC4,6に転送する速度は、パラレルバス11の転送速度となる。今、PCI64ビットで33[MHz]転送、転送効率0.7(70%)とすると、
64×33M×0.7/8
となり、184[MB/S]となる。
さらに、画像有り無しを検知する時間として、検知はハードで実現するとして、PCI受信の1ワード分の64ビットを1クロック(100[MHz])で、検知するとした場合、8Byteを10[ns]で実現できることになるので、これをデータ処理速度で表すと800[MB/S]となる。
以上より、データ受信速度としては、IMAC12からCDIC4,6へのデータ転送速度が最も遅いため、184[MB/S]となる。
この184[MB/S]をプリント速度[mm/s]で表すと以下のようになる。
プリント速度 = 受信速度×25.4/(1ラインあたりのデータ量×解像度)
ここで、A0サイズ(841[mm]×1189[mm])で主走査長841[mm]、解像度は600[dpi]、1画素2ビットとすると
プリント速度=184[MB/S]×25.4/(4966[Byte]×600)
=1644[mm/s]
一方、前述したように紙送りのみの速度は、500[mm/s]なので、画像印字なし時のプリント速度は、速度の低い方の影響を受け、500[mm/s]となる。
次に、印字を行う際の速度を見積もる。これは、インクジェットヘッド31の走行時間と紙送り時間の総和で算出できる。今、図32で示す紙送り、すなわち副走査方向のライン数BLINEを960ライン、インクジェットヘッド31の主走査方向の走行速度800[mm/s]とすると、インクジェットヘッド31の走行時間は、以下のようになる。
インクヘッドの走行時間=841x1000/800
=1051[ms]
紙送り距離=960×25.4/600
=40.6[mm]
紙送り時間=40.6×1000/500
=81.3[ms]
インクヘッドの走行時間+紙送り時間=1051+81
=1132[ms]
これらより、40.6[mm]を1132[ms]でプリントできるので、画像あり時のプリント速度は以下のようになる。
プリント速度=40.6×1000/1132
=35.8[mm/s]
実際には、制御のためのオーバーヘッド分を差し引いて、約30[mm/s]となる。以上より、プリント速度として、印字画像なし時は500[mm/s]、印字画像あり時は、30[mm/s]と算出できる。
図15は、前記条件の元で記録紙がA0サイズ(841[mm]×1189[mm])のときのスキップ制御における印字画像割合とプリント時間を算出した例を示す図で、比較のため、スキップ制御なしの時間も図示している。ここでは、紙送り方向、すなわち副走査ライン方向の印字画像の割合とプリントにかかる時間を示している。印字画像割合100%では、39.2秒となっており、スキップは発生しないのでスキップ制御なし時と同じになる。スキップあり制御では、印字割合が減るに従ってスキップ領域が増えるため、プリント時間が減少していることが分かる。
図16は、スキップなし時、あるいは印字画像割合100%のときのプリント速度を1.0としたときのスキップあり時のプリント速度向上の例を示したものである。図16から、印字画像割合60%のときスキップなし時より1.6倍、印字画像割合40%のときスキップなし時より2.3倍、印字画像割合20%のときスキップなし時より4.0倍にプリント速度が向上することが分かる。
プリント画像では、図13(a)に示したように、紙の先端や後端で印字画像なしの場合も少なくなく、印字画像ありなしを検知し、印字画像がない場合はスキップ制御を行うことによって、プリント速度向上を図ることができる。これは、ユーザにとってもプリントを早く実行でき、プリンタの前で待たされる時間が長いなどの問題を解消することができる。
図17は、図13(b)に示すプリント画像を同図に示すバンドに分割してスキップ制御を行うときの制御状態を示す図である。図17(a)は、バンド5の処理を終えた状態を示している。1列目はバンド番号(Band No.)を示し、10バンドあるので1〜10となっている。2列目は処理状態(State)を示し、「1」がそのバンドの処理完了を示し、「0」がそのバンドがまだ未処理の状態であることを示す。3列目は、そのバンドの画像データを検知した結果、そのバンドに印字画像があったか否かを示し(Skip Enable)、「0」は印字画像がありスキップ不可、「1」は印字画像なしでスキップ可能を示す。従って、Skip Enable信号が当該バンドの画像データを出力するか否かを設定するバンド識別情報に対応する。
この1列目から3列目は、印字画像を受信し、処理した結果を示す。次に、4列目と5列目は、画像出力状態を示す。4列目は、画像出力あるいはスキップ処理を終えたか否かを示し(Out put End)、「1」で処理終了、「0」で未処理を示す。5列目は、スキップ処理を実施したか否かを示し(Skip Exec)、「1」でスキップ処理実行、「0」でスキップ処理は行わず印字画像を出力したことを示す。
このようにしてスキップ制御を行い図13(b)の印字画像を出力し終えると最終的に、プリント制御の状態は図17(b)に示すものとなる。このように、印字画像の検知、出力状態を蓄積することにより、その情報を制御に用いることが可能になり、また、プリント時にどのような処理を行ったかを確認することができる。これらはまた、障害発生時に参照することで障害発生の状況を知る上で重要な情報となる。
スキップ制御を実行するには、コントローラ側IMAC12から転送される印字画像データに対してバンド番号を割り振る必要がある。図18はバンド番号を検知する回路構成を示すブロック図、図19はこの回路による制御手順を示すフローチャートである。図18において、バンドライン数レジスタ(BLINE)51は、1バンドを構成するライン数を設定する。このライン数は、前述の図33のヘッド部の紙送り方向のノズル個数になり、インクヘッドが1回の走査でプリントできるライン数となる。バンドラインカウンタ(BLCNT)50は、バンド内のライン数をカウントするラインカウンタである。NUM_BAND53は、バンド番号をしめすバンドカウンタである。
入出力の信号も含み、この回路の制御手順について図19を参照して説明する。
まず、プリント開始時に、バンドライン数レジスタ(BLINE)51にそのロード信号(LD_BLINE)をアサートすることによってプロセスコントローラ22から1バンドのライン数をセットする(ステップS101)。次に、バンドデータ受信開始時に、バンドラインカウンタ(BLCNT)50を、そのリセット信号(RES_BLCNT)をアサートすることによってクリアする(ステップS102)。そして、1ラインずつ画像データが転送される毎にINC_BLCNTをアサートし、バンドラインカウンタ(BLCNT)50をインクリメントする(ステップS103)。バンドライン数レジスタ(BLINE)51とバンドラインカウンタ(BLCNT)50の値は、コンパレータ(CMP)52で比較され、バンドラインカウンタ(BLCNT)50の値がバンドライン数レジスタ(BLINE)51の値と一致したときに、BAND_END信号がアサートする(ステップS104)ことによってバンドカウンタ(NUM_BAND)53がカウントアップされ(ステップS105)、バンドラインカウンタ(BLCNT)50のリセット信号(RES_BLCNT)がアサートされ、クリアされる(ステップS102)。以後、この動作を繰り返す(ステップS102,S103,S104,S105,S106)ことにより、バンドカウンタ(NUM_BAND)53の値がバンド番号を示すことになる。
次に、スキップ制御として、コントローラ側IMAC12から転送される印字画像データに対してバンド毎にスキップ可能かを検知する必要がある。図20はバンド毎にスキップ制御を行う回路の回路構成を示すブロック図、図21はこの回路による制御手順を示すフローチャートである。
図20において、閾値レジスタ(THRESH)60は印字画像あり、あるいはなしを判定するための閾値を格納するレジスタで、スキップラインカウンタ(SLCNT)65は、バンドの先頭からの印字画像なしライン数をカウントするカウンタ、バンドライン数レジスタ(BLINE)51は、バンドを構成するライン数を格納するレジスタである。
この回路の制御手順について入出力信号とともに図21を参照して説明する。
図21において、プリント動作が開始されると、閾値レジスタ(THRESH)60のロード信号(LD_THRESH)をアサートすることによってプロセスコントローラ(CPU)22から閾値をセットする。また、バンドライン数レジスタ(BLINE)51のロード信号(LD_BLINE)をアサートすることにより、バンドのライン数をバンドライン数レジスタ(BLINE)51にセットする。そして、スキップラインカウンタ(SLCNT)65のリセット信号であるRES_SLCNTをアサートすることによってスキップラインカウンタ(SLCNT)65をリセットする(ステップS201)。
次いで、ラインデータを1画素ずつDINとして、コンパレータ(CMP)61に入力する。閾値レジスタ(THRESH)60によって設定される閾値よりもデータが小さければ、すなわち印字画像なしとなれば、コンパレータ出力(A≦B)は「0」、OR62の出力も「0」となり、この値がレジスタ63に格納される(ステップS202)。この値は、再びOR62の入力となる。もし、データが閾値より大きければ、すなわち印字画像ありとなればコンパレータ出力(A≦B)は「1」、OR62の出力も「1」となり、この値がレジスタ63に格納される。この値も、再びOR62の入力となる。
印字データを多階調で表現する場合、その画像データの値によっては、印字なしと判断しても転写画像に影響を与えない場合がある。この場合に、閾値を用いて印字画像なしと判断させることによってスキップの可能性を増し、プリント速度を向上させることができる。例えば、1画素を8ビットで表す場合、その画素の値は0〜255の値をとり得る。この場合、閾値として「6」を設定すると、画素値「5」以下の場合は印字画像なしとすることができる。画素値を0〜255で表す場合、「5」以下を印字なしとしても画像形成に影響はなく、かつ、スキップの可能性が増すのでプリント速度を向上させることができる。
またここで、閾値レジスタ(THRESH)60に「0」を設定すると、データDINは0以上であることからコンパレータ(CMP)61の出力は「1」となり、常に印字画像ありとなる。従って、このようにすることにより、スキップ動作を行わないようにすることも可能となる。これにより、バンドを構成するラインが全て、印字画像なしと判断された場合でも、後段の印字データを転送するための押し出し用の画像データ出力を強制的に行い、あるいは障害発生時にスキップ制御をONあるいはOFFにすることにより障害の原因の追求が容易に行える。また、スキップ制御の効果を測定する場合に、スキップ制御ONとスキップ制御OFFを選択できるようになり、両者のプリント速度を計測することによってスキップ制御の効果を顧客にデモできるようになる。
ステップS202の動作を、ラインを構成する各画素全部に対して実行する(ステップS203)。例えば、記録紙サイズがA0であれば、主走査長は841[mm]となり、これを600[dpi]の解像度で出力するとなると1ラインは19866画素からなり、この19866画素全てに対して印字画像あり、あるいはなしを検知することになる。
このようにして1ラインのデータについての処理が完了すると、1ラインの各画素について、次々に印字画像の有無を検知し(ステップS204)、印字画像がなければレジスタ63の出力(EXIST_IMG)は「0」、1画素でも印字画像があれば「1」となり、印字画像があればステップS209の処理を実行する。
印字画像がなければ、ステップS205で1ラインの全ての画素についてステップS202からS204の処理を実行する。1ラインの各画素全てについて印字画像有無の検知が終了すると、インバータ64からのINC_SLCNT信号をアサートし、スキップラインカウンタ(SLCNT)65をインクリメントする(ステップS206)。そして、バンドの全てのラインに対して、ステップS202からステップS206の処理を実行したかどうかをチェックし(ステップS207)、途中で印字画像があれば、ステップS204からステップS209に移行する。バンドの全てのラインに対して、印字画像有無の検知が終了し、かつ印字画像がないバンドであれば、処理中のバンドはスキップ可能(SKIP_BAND=1)と判断する(ステップS208)。一方、ステップS204でライン中に印字画像があれば、処理中のバンドはスキップ不可(SKIP_BAND=0)と判断する(ステップS209)。なお、バンド先頭にスキップラインカウンタ(SLCNT)65で示されるライン数分は印字画像なしとなる。
次いで、プロセスコントローラ22のCPUに割り込み信号を出力し、処理中のバンドのスキップ可否を通知し(ステップS210)、プロセスコントローラ22は、インク出力制御部802において、バンドスキップ可のときのみバンド領域分の紙送りを実施させる(ステップS211)。
前記ステップS202からステップS211の制御を全てのバンドについて実行し、全てのバンドについての処理が終わった時点で、記録紙へのプリント完了となる(ステップS212)。
図20及び図21の例では、1バンドずつ画像有無の検知と紙送りを行っていたが、印字画像がないバンドが連続するときは印字画像ありまで検知してから、まとめて紙送りを実施する。図22は複数のバンドをまとめてスキップする回路の回路構成を示すブロック図、図23はこの回路による制御手順を示すフローチャートである。
図22の回路では、図20の回路に対してコンパレータ(CMP)66の後段にスキップバンドカウンタ(NSKIP_BAND)67を追加している。その他の各部は図20の構成と同等である。以下、図22の回路による制御手順について入出力信号とともに図23を参照して説明する。
図23において、プリント動作が開始されると、閾値レジスタ(THRESH)60のロード信号(LD_THRESH)をアサートすることによってプロセスコントローラ(CPU)22から閾値をセットする。また、バンドライン数レジスタ(BLINE)のロード信号(LD_BLINE)をアサートすることにより、バンドのライン数をバンドライン数レジスタ(BLINE)51にセットする。そして、スキップラインカウンタ(SLCNT)65のリセット信号であるRES_SLCNTをアサートすることによってスキップラインカウンタ(SLCNT)65をリセットし、スキップバンド数カウンタ(NSKIP_BAND)67のリセット信号(RES_NSKIP_BAND)をアサートすることによりスキップバンド数カウンタ(NSKIP_BAND)67をクリアする(ステップS301)。
ステップS302からステップS308までは、図21におけるステップS202からステップS207と同一の処理を実行し、ステップS208でスキップバンド数カウンタ(NSKIP_BAND)67のインクリメント信号であるINC_NSKIP_BANDのアサートによりスキップバンド数カウンタ(NSKIP_BAND)67をインクリメントする。その後、次のバンドがスキップ可能であるかを検知するため、ステップS202に戻り、以降の処理を繰り返す。そして、ステップS204でライン中に印字画像があったとき、ステップS309に移行し、プロセスコントローラ(CPU)22に割り込みを送信し、スキップ可能バンド数(NSKIP_BAND)を通知する。次いでインク出力制御部802において、スキップバンド数分の紙送り制御を実施する(ステップS310)。
前記ステップS302からステップS310の制御を全てのバンドについて実行し、全てのバンドについての処理が終わった時点で、記録紙へのプリント完了となる(ステップS311)。
このように制御することにより、印字画像がないバンドが連続するときは印字画像ありまで検知してから、まとめて紙送りを実施するため、バンド毎の制御が不要になり、これによりいっそうのプリント速度向上が実現できる。
図24はCDIC4,6のスキップ制御部400,600から画像データ出力制御部405,603を介して、後段のIPP3,5に画像を出力するための回路の回路構成を示すブロック図、図25はその回路の制御手順を示すフローチャートである。
図24において、NBAND_OUT70は、出力バンド番号指定レジスタであり、プロセスコントローラ(CPU)22からこのレジスタに設定されたバンドの画像データを出力する。もし、プロセスコントローラ(CPU)22から設定されたバンド番号がスキップ可能レジスタであった場合には、バンド領域の画像データとして印字画像なしを示すデータ「0」を出力する。ラインカウンタ(BLOCNT)71は、バンドの出力ラインをカウントするカウンタである。ライン出力カウンタ(LOCNT)74は、記録紙全面のライン出力数をカウントするカウンタである。
前記回路による制御では、図25に示すように、プリント動作が開始されると、ライン出力カウンタ(LOCNT)74のリセット信号(RES_LOCNT)をアサートすることによりライン出力カウンタ(LOCNT)74をクリアする(ステップS401)。次いで、プロセスコントローラ(CPU)22よりデータ出力するバンド番号を出力バンド番号指令レジスタ(NBAND_OUT)70に設定する。さらに、ラインカウンタ(BLOCNT)71のリセット信号であるRES_BLOCNTをアサートし、クリアする。その後、バンドデータ出力起動であるバンドスタート(BS)をアサートする(ステップ402)。
その後、プロセスコントローラ(CPU)22によって設定されたバンド番号(NBAND_OUT)と、前述の図17に示したテーブルより、設定されたバンド番号のデータがスキップ可能、すなわち印字画像なしなのか、スキップ不可、すなわち印字画像ありなのかを判定する。図17のテーブルで、スキップ可/不可は、設定されたバンド番号に対するSkip Enable値で判別できる(ステップS403)そして、図20あるいは図22のスキップラインカウンタ(SLCNT)65の値が「0」、すなわちバンドの先頭ラインが印字画像ありラインなのか、否かを検知する(ステップS404)。先頭ラインが印字画像ありの場合は、ステップS407に移行し、バンドの先頭に印字画像なしのラインがある場合は、ステップS405に移行する。
ステップS405では、印字画像なしデータ(白画像ラインデータ)として、「0」データを1ライン分出力する。その後、ラインカウンタ(BLOCNT,LOCNT)71,74をインクリメントする。そして、スキップラインカウンタ(SLCNT)65の値だけ、印字画像なしのラインデータを出力したかどうか(ZERO_LINE_END?)を判定し、出力した時点でステップS407に移行する。
ステップS407では、印字画像ありのラインデータを出力する。その後、ラインカウンタ(BLOCNT,LOCNT)71,74をインクリメントし、ステップS408で指定されたバンドの全データを出力したかどうかBAND_OUT_END?(BLINE==BLOCNT?)を判定する。全データがまだ出力されていない場合には、引き続きコントローラ側IMAC12から印字画像データを受信し、バンドの全データの出力が完了した時点で、記録紙の全ラインデータを出力したかどうかPRINT_END?(ONL == LOCNT?)を判定する(ステップS411)。この判定で、まだ、全ラインデータを出力していなければ、ステップS402に戻り、以降の処理を繰り返す。出力していれば、処理を終える。すなわち、記録紙へのプリントを完了する。
なお、ステップS403において、設定されたバンドに印字画像がない場合には、白ラインデータ(「0」データ)を1ライン分出力する。その後、ラインカウンタ(BLOCNT,LOCNT)71,74をインクリメントする(ステップS409)。そして、指定されたバンドの全データを出力したかどうかBAND_OUT_END?(BLINE==BLOCNT?)を判定し(ステップS410)、全データがまだ出力されていない場合には、ステップS409に戻ってステップS409の処理を実行し、バンドの全データの出力が完了した時点で、記録紙の全ラインデータを出力したかどうかPRINT_END?(ONL == LOCNT?)を判定する(ステップS411)。この判定に基づいて、前述のようにステップS402に戻り、あるいは処理を終える。すなわち、記録紙へのプリントを完了する。
なお、MFP及びプリンタ、あるいはインクジェットヘッド31の構成、IMAC12からCDIC4,6への画像データの転送、CDIC4,6からIPP3,5に転送される画像データの転送方式は、背景技術で説明した通りである。
本実施例は、実施例1に対し、スキップ制御機能に加え孤立点除去機能を追加したものである。図26及び図27は本実施例のCDICを示すブロック図で、図26は図7のMFP用CDIC4のスキップ制御部400の前段に孤立点除去部407を追加した構成を、図27は図10のプリンタ用CDIC6のスキップ制御部600の前段に孤立点除去部605を追加した構成をそれぞれ示す。その他の各部は、前述の実施例1と同等に構成され、同等に機能する。
以下、この孤立点除去機能について説明する。
原稿の読取り画像やプリント画像に、微小で画像として意味をなさない孤立点が存在する場合がある。実施例1においてスキップ制御を行う場合、このような孤立点があるとその孤立点を含むバンドはスキップができなくなる。この孤立点が画像としての意味を持たない場合、この孤立点を除去することにより、スキップ可能なバンドになり、プリント速度を向上することができる。
例えば、図28Aに示すように、4つの孤立点D1,D2,D3,D4が存在する場合を考える。これを前述と同様に10のバンドに区分すると図28Bに示すようになる。区分したバンド内に印字画像がある場合はスキップ処理ができないことから、図28Bの例でスキップ処理が可能なのは、バンド8のみとなる。これでは、スキップ処理の効率が悪くなる。
そこで、図28Aの画像に対して孤立点除去処理を実施する。図18Cは孤立点除去処理を実施した後の印字画像である。この画像を同じく10のバンドに区分すると、図28Dに示すようになり、スキップ処理が可能なのは、バンド1、バンド8、バンド9の3バンドとなる。孤立点除去を実施しない図28Bの場合に比べ、スキップ可能なバンドが2バンド増えていることが分かる。
孤立点除去自体は公知の処理であるが、ここで、この処理について簡単に触れておく。今、画像を図28Eに示すように、5×5のマトリクスで考え、注目画素を中心の位置にあるP(3,3)の画素とする。この注目画素P(3,3)の周辺の画素の値を参照し、以下の式が成り立つ場合、注目画素(3,3)は孤立点と判定し、除去すなわち印字画像なしの白画像とする。
P(3,3)≫(ΣP(x,y)−P(3,3)) {x=1〜5,y=1〜5}
これは、注目画素P(3,3)が、その周辺の画素の値の総和(ΣP(x,y)−P(3,3))よりもかなり大きい場合を示し、孤立点の要件を満たすことになる。
図29は孤立的除去処理とスキップ処理を行って画像出力をする場合の制御手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図21のステップS202に孤立点除去処理を加えたものである。すなわち、プリント動作が開始されると、閾値レジスタTHRESH60のロード信号LD_THRESHをアサートすることによってプロセスコントローラ(CPU)22から閾値をセットする。また、バンドライン数レジスタ(BLINE)51のロード信号LD_BLINEをアサートすることにより、バンドのライン数をバンドライン数レジスタ(BLINE)51にセットする。そして、スキップラインカウンタSLCNT65のリセット信号であるRES_SLCNTをアサートすることによってスキップラインカウンタSLCNT65をリセットする(ステップS201)。
次いで、ラインデータを1画素ずつDINとして、コンパレータCMP61に入力する。閾値レジスタTHRESH60によって設定される閾値よりもデータが小さければ、すなわち印字画像なしとなれば、コンパレータ出力(A≦B)は「0」、OR62の出力も「0」となり、この値がレジスタ63に格納される(ステップS202)。この値は、再びOR62の入力となる。もし、データが閾値より大きければ、すなわち、印字画像ありとなればコンパレータ出力(A≦B)は「1」、OR62の出力も「1」となり、この値がレジスタ63に格納される。この値も、再びOR62の入力となる。その際、孤立点除去が実施される。孤立点除去は、5ライン分のラインメモリを用い、図28Eの5×5のマトリクスについて注目画素Pについて前記式を適用して判断される。
このようにして孤立的除去を行った後、ステップS203以降のスキップ処理を実行し、前記ステップS202aからステップS211の制御を全てのバンドについて実行し、全てのバンドについての処理が終わった時点で、記録紙へのプリント完了となる(ステップS212)。なお、ステップS203〜211の処理は図21の各ステップと同一なので、説明は省略する。
また、孤立点除去処理は、ステップS202aの前段に処理ステップを設けて実行するように構成することもできる。この場合には、その前段からステップS211までの処理を繰り返すことになる。
このように孤立点除去を行うことにより、スキップ可能なバンドが増え、プリント速度を向上させることができる。
その他、特に説明しない各部は前述の実施例1と同等に構成され、同等に機能する。
以上のように、本実施例形態によれば、次に述べるような効果を奏する。
1)バンド単位に画像印字が必要となるデータの有無を検知する際に、その判定のための閾値を設け、この閾値に応じて画像印字の必要なデータの有無の判定を行うので、印字データを多階調で表現する場合に、その画像データの値によっては、印字なしと判断しても転写画像に影響を与えない場合に、この閾値設定で印字画像なしと判断させることができる。これによりバンド毎の印字データの有無に基づいて行われるスキップを行うバンドを拡大することが可能となり、プリント速度の向上を図ることができる。
2)バンド単位に画像印字が必要となるデータの有無を検知する際に、画像印字の必要となるデータの有無を検知する処理を行う前に、孤立点除去を行う(ステップS202a)ので、印字データが孤立点であると判断された場合、その印字データは印字なしと判断しても転写画像に影響を与えない場合に、この孤立点を除去し、印字画像なしと判断させることができる。これにより、スキップを行うバンドを拡大することが可能となり、プリント速度の向上を図ることができる。
3)バンドを構成する紙送り方向のライン数をバンドライン数レジスタ(BLINE)51により変更することが可能なので、例えばカラー転写時とモノクロ転写時で使用するインクヘッドの数を変更する場合でも対応でき、カラー転写時、あるいはモノクロ転写時の各プリントモードでのプリント速度の向上を図ることができる。
4)画像印字の必要のない1以上のバンドを検知した際に、その旨をスキップ制御部400,600によって画像出力を制御するプロセスコントローラ22のCPUへの割り込みで通知するようにしているので、画像印字の必要のないバンドを検知したことを迅速にプロセスコントローラ22に通知することができ、また制御と制御の時間間隔を最小にすることが可能となり、プリント速度の向上を図ることができる。
5)画像出力装置を制御するプロセスコントローラ22は、システムコントローラ13側のIMAC12からバンド単位で印字画像を受信する画像データ受信部であるCDIC4,6に対して、出力するためのバンド識別情報(Skip Enable)を設定し、CDIC4,6は指定されたバンド識別情報が印字画像あり(Skip Enable=「0」)の場合は、そのバンドの印字画像を出力し、印字画像のないバンドの識別信号(Skip Enable=「1」)を設定された場合には、印字画像なしのデータを出力できるようにしているので、CDIC4,6の以降に画像データが存在する場合に、印字画像なしのバンドデータを出力することにより、印字画像ありのバンドデータを後段に押し出すことが可能になる。また、インクヘッドの調整用に印字データなしのデータが必要な場合に、これらの画像データを容易に得ることができる。
6)CDIC4,6は、バンド識別情報で指定された出力バンドのデータが画像印字の必要なラインデータから開始する場合は、そのラインデータを含むバンド領域の画像データを出力し、バンド識別情報で指定されたバンドの出力データがバンド領域の途中まで画像印字の必要のないラインを含む場合は、画像印字の必要のないライン数だけ印字の必要のないデータを生成して出力し、バンド識別情報(Skip Enable)で指定された出力バンドデータが全て画像印字の必要のないデータで構成される場合は、そのバンド領域分の画像印字の必要のないデータを生成し、出力するようにしているので、印字画像の前に印字画像なしのラインがある場合に、印字画像なしデータを出力し、それに続けて印字画像ありのデータを出力することができる。これにより、正常に記録紙への印字を実行することが可能となり、バンドのスキップ制御を実現できる。また、バンドを構成するラインが全て、印字画像なしと判断された場合でも、後段の印字データを転送するために印字の必要のない画像データを生成することができる。
7)IMAC12からディジタル画像データを受信する際に、バンド毎に印字画像データの有無を検知し、画像印字の必要のないバンドを検知した際には、その旨をビデオデータ制御部8に転送し、ビデオデータ制御部8のインク出力制御部802は、そのバンド領域分の画像印字は行わず、紙送りのみを実施するか、あるいは、印字画像の有無は検知せず、全ての画像データを出力するかを選択できるようにしているので、障害発生時にスキップ制御部400,600におけるスキップ制御のON時とOFF時を切り替えることによって障害の原因を追求しやすくすることができる。また、スキップ制御のON時とOFF時を切り替えることによってプリント速度の評価を実現することが可能となり、スキップ制御の有効性を確認し、提示することができる。
8)エンジン(ENG)側では、コントローラ(CNT)側からディジタル画像データとして記録紙全領域のビットマップデータを得るだけで、複数のバンドに分かれた領域についてスキップ可能な領域を判定し、当該領域については紙送り制御だけ行うので、高速プリントが可能となる。
9)コントローラ(CNT)側では、ディジタル画像データとして記録紙全領域のビットマップデータをエンジン(ENG)側の画像データ制御部(CDIC)に送信するだけで良いので、エンジン側の機種や、画像形成の方式を問わず同一のコントローラ構成とすることができ、他機種対応も容易となる。
10)コントローラ(CNT)側の構成は、エンジン側の機種や、画像形成の方式を問わず同一のコントローラ構成で良いので、例えば電子写真方式の画像出力装置とインクジェット方式などのシリアルヘッド方式の画像出力装置においても、同一構成のコントローラ(CNT)で対応することが可能となる。
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となることは言うまでもない。