JP5367356B2 - 止水性ポリウレタンフォーム - Google Patents

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Description

本発明は、低応力で圧縮することができ、圧縮時の変形が無く、長期間使用しても優れた止水性能を保持し、かつ軽量性に優れる止水性ポリウレタンフォームに関する。
従来、ポリウレタンフォームからなる止水性ポリウレタンフォームとして、(1)ポリウレタンフォームのポリオール成分として、ポリジエン系ポリオール、ダイマー酸ポリオール及び炭素数3以上のアルキレンオキサイドを90%モル以上付加重合したポリオールの少なくとも1種と、水酸基含有オルガノシリコーンとの組み合わせを用いるもの(特許文献1参照)、(2)整泡剤として1級又は2級アミノ基を有するポリジアルキルシロキサンをベースとしたオルガノシリコーン化合物を用いるもの(特許文献2参照)、(3)ポリヒドロキシル化合物にポリオレフィンポリオールを使用すると共に、整泡剤としてカルボキシ変性オルガノシリコーンを用いるもの(特許文献3参照)、(4)炭素数4〜50からなる特定のポリオールと炭素数12以上のモノカルボン酸又は該モノカルボン酸及び炭素数8以上のジカルボン酸とからなる添加型のエステル縮合物を、少なくとも2個の活性水素基を有する化合物100重量部に対して7〜100重量部含むもの(特許文献4参照)がある。
しかし(1)〜(4)のものは以下の問題がある。すなわち(1)のものは低密度になるとフォーム内にボイド状のピンホールが発生したりクラックが発生したりするために低密度化が難しい問題がある。(2)のものは止水効果が十分ではない問題がある。(3)のものは、まだ止水性が十分とはいえない問題がある。(4)のものはブリード物が多い問題がある。
特公平2−55470号公報 特公平1−38152号公報 特開平7−109369号公報 特開平8−333432号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、非常に低い通気性でありながら、連続気泡のセル構造を持つことにより、低応力で容易に圧縮することができ、高倍率にも圧縮することができ、圧縮時にポリウレタンフォームの変形も少なく、軽量性に優れ、ポリウレタンフォームからの有機性揮発物質(VOC)やフォギング等のブリード物が極めて少なく、かつ止水性に優れる止水性ポリウレタンフォームの提供を目的とする。
本発明は、ポリオール成分、イソシアネート、発泡剤、触媒、撥水剤を含むポリウレタンフォーム原料から形成された密度15kg/m〜40kg/mのポリウレタンフォームからなる止水性ポリウレタンフォームであって、前記ポリオール成分は100重量部中に分子量2000〜5000のポリエーテルポリオールとイソシアネートの反応により得られた、30℃の粘度が2000〜30000mPa・sの水酸基末端プレポリマーを80〜100重量部含み、前記撥水剤はポリブタジエンポリオール、ポリブタジエンの水添ポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリイソプレンの水添ポリオールのグループから選択された少なくとも1種類からなり、イソシアネートインデックスは100〜150であることを特徴とする。
本発明の止水性ポリウレタンフォームは、ポリオール成分が、ポリエーテルポリオールとイソシアネートの反応により得られた水酸基末端プレポリマー単独又は前記水酸基末端プレポリマー以外のポリオールとの併用からなる。ポリオール成分100重量部中にポリエーテルポリオールとイソシアネートの反応により得られた水酸基末端プレポリマーを80〜100重量部含むため、ポリウレタンフォーム原料の粘度が高くなり、フォーム形成時にセルが微細化し、更に、ポリウレタンフォームのセル骨格を覆う皮膜(ミラー)が増えることにより、通気性が低減し、セル内へ水が浸入し難くなり、止水性が向上する。ポリオール成分を構成する水酸基末端プレポリマーと前記水酸基末端プレポリマー以外のポリオールとして、ポリエーテルポリオールを用いた場合は、ポリオール成分が、ポリエーテルポリオールのみからなるため耐加水分解性が良好となる。
また、本発明の止水性ポリウレタンフォームは、撥水剤として、ポリブタジエンポリオール、ポリブタジエンの水添ポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリイソプレンの水添ポリオールのグループから選択された少なくとも1種類を用いるため、撥水剤がフォームの樹脂骨格中に取り込まれ、撥水剤のブリードが起こらず、フォームの経時劣化や、撥水性低下のおそれが少なく、長期に渡って良好な止水性を発揮することができる。さらに、イソシアネートインデックスを100〜150とすることにより、ポリオール成分と撥水剤が完全に樹脂化し、またイソシアネートが過剰に存在するためイソシアネートの2次的な架橋反応(アロファネート結合やビュウレット結合等)が起こり、フォームの撥水性がより高まり、止水性が一層向上する。
さらに、本発明の止水性ポリウレタンフォームは、密度が15kg/m〜40kg/mであるため、従来の止水性ポリウレタンフォーム(密度40kg/m以上)と比べて軽量性に優れている。
本発明における止水性ポリウレタンフォームは、ポリオール成分、イソシアネート、発泡剤、触媒、撥水剤を含むポリウレタンフォーム原料から形成された密度15kg/m〜40kg/m、より好ましくは、20kg/m〜40kg/m、更に好ましくは、25kg/m〜35kg/m(JIS K 7222)のポリウレタンフォームからなる。
前記ポリオール成分は、ポリオール成分100重量部中に、ポリエーテルポリオールとイソシアネートの反応により得られた水酸基末端プレポリマーを80〜100重量部含んでいる。前記水酸基末端プレポリマーを80〜100重量部含むため、ポリウレタンフォーム原料の粘度が高くなり、フォーム形成時にセルが微細化し、更に、ポリウレタンフォームのセル骨格を覆うミラーが増え、通気性が低減するため止水性が向上する。前記水酸基末端プレポリマーの量が前記範囲よりも少ない場合には、ポリウレタンフォームのセルを微細化し、通気性を低減することが難しくなり、止水性が低下するようになる。
本発明における水酸基末端プレポリマーの製造に用いられるポリエーテルポリオールは、2官能以上のものとされ、セルがより細かいポリウレタンフォームを得るには3官能以上のものが好ましい。2官能以上のポリエーテルポリオールは特に制限されるものではなく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ハイドロキノン、水、レゾルシン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、エチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、トリエチレンテトラアミン、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール等を出発原料として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオールなどを用いることができる。
また、本発明における水酸基末端プレポリマーの製造に用いられるイソシアネートとしては、2官能以上のものとされる。2官能以上のイソシアネートは特に制限されるものではなく、芳香族系、脂環式、脂肪族系の何れでもよく、また、それらを単独であるいは複数組み合わせて使用してもよい。
例えば、2官能のイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネートなどの芳香族系、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの脂肪族系を挙げることができる。
また、3官能以上のイソシアネートとしては、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオホスァイト、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリレンジイソシアネート3量体、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ジフェニルエーテル−2,4,4’−トリイソシアネート、その他、多官能芳香族イソシアネート、多官能脂肪族イソシアネート、ブロック型イソシアネート等を挙げることができる。
前記水酸基末端プレポリマーは、前記ポリエーテルポリオールとイソシアネートとから公知のプレポリマーの製造方法により得られる。具体的には、所定温度(例えば80℃)に加熱したタンクに前記ポリエーテルポリオールを所定量投入し、窒素を充填した状態で攪拌しながら、前記イソシアネートや前記触媒を所定量投入して反応させることにより、水酸基末端プレポリマーを得ることができる。
水酸基末端プレポリマーとして用いるポリオールは、分子量300〜10000のポリエーテルポリオールであり、より好ましくは分子量1000〜8000であり、更に好ましくは、分子量2000〜5000である。また、イソシアネートは、水酸基末端プレポリマーの粘度が製造を困難にしなければ、特に制限されないが、トリレンジイソシアネートが有効である。水酸基末端のプレポリマーの粘度としては、30℃で、2000〜30000mPa・sであり、より好ましくは4000〜28000mPa・s、更に好ましくは、8000〜25000mPa・sである。
前記ポリオール成分100重量部中に含まれる前記水酸基末端プレポリマーの量が100重量部未満の場合に、前記ポリオール成分として併用されるポリオールは特に限定されず、ポリエーテルポリオールや、ポリエーテルポリオールにスチレンやアクリロニトリル等をグラフト重合させたポリマーポリオール、ポリエーテルエステルポリオールあるいはポリエステルポリオールを用いても良い。特に、ポリエーテルポリオールが好ましく、さらには、水酸基末端プレポリマーの製造原料に用いたポリエーテルポリオールを併用することがより好ましい。また、前記ポリオール成分として併用されるポリオールとして、ポリエステルポリオールを用いる場合、耐加水分解性に優れた止水性ポリウレタンフォームを得るためには、3−メチル−1,5−ペンタンジオールや2−メチル−1,8−オクタンジオール等のような分岐型ジオールとアジピン酸(脂肪族)、ダイマー酸(脂環族)、フタル酸(芳香族)等のジカルボン酸とを縮合させて得られた2官能以上のポリエステルポリールや、ポリカーボネートジオール、カプロラクトン等の各種ラクトンを開環重合して得られたポリエステルポリオール等が好ましい。
前記ポリオール成分と反応させるイソシアネートとしては、ポリウレタンフォーム用の公知の芳香族系、脂環式、脂肪族系のイソシアネートが単独であるいは組み合わせて用いられる。例えば、芳香族系イソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート等、脂環式イソシアネートとしては、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等、脂肪族系イソシアネートとしては、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等を挙げることができる。
発泡剤としては、水が好適である。ポリオール成分100重量部に対して1.5〜6重量部程度が好適である。
触媒としては、ポリウレタンフォーム用として公知のものを用いることができ、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N−エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒や、スタナスオクトエートやジブチルチンジラウレート等の錫触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)を挙げることができる。触媒の一般的な量は、ポリオール100重量部に対して0.2〜5重量部程度である。
撥水剤としては、ポリブタジエンポリオール、ポリブタジエンの水添ポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリイソプレンの水添ポリオールのグループから選択された少なくとも1種類からなる。前記撥水剤として用いられるポリオールは、分子量500〜6000、より好ましくは、分子量1000〜5000、更に好ましくは、分子量1000〜3500であって、水酸基価15〜120mgKOH/g、より好ましくは、水酸基価25〜110mgKOH/g、更に好ましくは、35〜70mgKOH/gである。官能基数は、1.6個以上、より好ましくは2個以上である。前記のポリオールを撥水剤として用いることにより、撥水剤が樹脂骨格中に取り込まれ、フォームの経時劣化や、撥水剤のブリードによる撥水性低下のおそれが少なく、長期に渡って良好な止水性を発揮することができるようになる。前記撥水剤のポリオールは、前記ポリオール成分とは別とされ、前記ポリオール成分100重量部に対して3〜30重量部、より好ましくは、5〜20重量部、更に好ましくは、10〜15重量部の添加量が好ましい。3重量部未満では、止水性能の向上効果が少なくなり、一方、30重量部を超えて添加しても、止水性の向上効果は、あまり見られない。
一般に止水材として用いられるポリウレタンフォームは、金属と熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂といった異なる材料の間で圧縮されて使用されることから、止水材そのものは、金属および上記樹脂の双方に対して密着しなければならない。
実際の使用に関して、ポリウレタンフォームに有機性揮発物質(VOC)の要因となり得る化合物が含まれていると上記金属面や樹脂面にケミカルアタックやブリード等の悪影響を与えることもある。また、ガラス等の透明な材料で圧縮されて使用される場合は、フォギングといった曇りを生じる不具合も発生する。
本発明の止水性ポリウレタンフォームは、撥水剤を選択することにより、アセトンによるソックスレー抽出法(抽出時間8時間)において、溶出物量が5%以下と非常に少なく、上記不具合を生じることがない。現在、一般に使用されている止水性ポリウレタンフォームの溶出物量は、15%程度であり、本発明の溶出物量が、5%以下であることは、撥水剤を含まない汎用のポリウレタンフォームと実質的に同等の性能である。
イソシアネートインデックスは100〜150であり、より好ましくは105〜140、更に好ましくは110〜130である。イソシアネートインデックスを100〜150とすることにより、ポリオール成分と撥水剤が完全に樹脂化し、またイソシアネートが過剰に存在するためイソシアネートの2次的な架橋反応(アロファネート結合やビュウレット結合等)が起こり、フォームの撥水性がより高まり、止水性が一層向上する。イソシアネートインデックスが100未満の場合、止水性能が低下するようになる。また、イソシアネートインデックスの上限は特に限定する必要はないが、150を超えるとフォーム発泡時(特に軟質スラブフォームに発泡成形する場合)、ポリウレタンフォーム内の内部発熱温度が高くなり、スコーチの発生や自然発火の危険が生じる。好ましいイソシアネートインデックスの範囲は100〜150であり、より好ましくは105〜140、更に好ましい範囲は110〜130である。なお、イソシアネートインデックスは、ポリウレタンの分野で使用される指数であって、原料中の活性水素基(例えばポリオールの水酸基及び発泡剤としての水等の活性水素基等に含まれる活性水素基)に対するポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比を百分率で表した数値[NCO基の当量/活性水素基の当量×100]である。
その他、整泡剤、顔料などの添加剤を適宜配合することができる。整泡剤は、ポリウレタンフォームに用いられるものであればよく、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤および公知の界面活性剤を挙げることができる。顔料は、求められる色に応じたものが用いられる。
ポリウレタンフォームは、前記ポリオール成分、イソシアネート、発泡剤、触媒、撥水剤、及び適宜の添加剤からなるポリウレタン発泡原料を攪拌混合して前記ポリオール成分とイソシアネートを反応させ、発泡させる公知の発泡方法によって製造される。
また、本発明の止水性ポリウレタンフォームは、100mmAq水圧の保持時間が9時間以上、より好ましくは24時間以上であり、非常に優れた止水性を発揮する。前記保持時間は、図1に示すように、10mm厚みの止水性ポリウレタンフォーム50をU字型に打抜き、2枚のアクリル樹脂板71、71間に50%の圧縮状態で挟み、その状態でU字体内に100mAq水圧となるように水を注入し、100mmAq水圧を保持している時間を止水時間として、測定した。
表1及び表2に示す配合からなるポリウレタン原料を用いて実施例及び比較例のポリウレタンフォームからなる止水性ポリウレタンフォームを作成した。表1及び表2の各成分は以下のとおりである。
・ポリオール成分A1:ポリエーテルポリオール(後述のポリオール成分A2)/イソシアネート(後述のイソシアネート)=2モル/1モル混合液を金属触媒の存在下において、80℃で約2時間反応させて合成された水酸基末端プレポリマー、水酸基価33mgKOH/g、粘度17000mPa・s(30℃)。
・ポリオール成分A2:ポリエーテルポリオール、分子量3000、官能基数3、水酸基価56mgKOH/g、品番;GP−3000、三洋化成工業株式会社製
・ポリオール成分A3:ポリエステルポリオール、分子量2000、官能基数3、水酸基価84mgKOH/g、品番;F−2010(トリメチロールプロパンに3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を縮合重合したもの)、株式会社クラレ社製
・撥水剤C1:ポリブタジエンポリオール、分子量2100、官能基数2、品番;LBH−P2000、Sartomer社製
・撥水剤C2:水添ポリブタジエンポリオール、分子量3100、官能基数2、品番;HLBH−P3000、Sartomer社製
・撥水剤C3:ポリブタジエンポリオール、分子量1200、官能基数2.3、品番;R−15HT、出光興産株式会社製
・撥水剤C4:イソプレンポリオール、分子量2500、官能基数2.1、品番;Roly ip、出光興産株式会社製
・撥水剤C5:水添イソプレンポリオール、分子量2500、官能基数2.3、品番;エポール、出光興産株式会社製
・撥水剤C6:石油系液状樹脂、品番;SAS−LH、新日本石油株式会社製
・発泡剤:水
・整泡剤:シリコーン系、品番:SZ−1919、東レ・ダウコーニング株式会社製
・触媒F1:トリエチレンジアミン、品番:DABCO−33LV、エアープロダクツジャパン株式会社製
・触媒F2:オクチル酸第一錫、品番:MRH−110、城北化学工業株式会社製
・イソシアネート:2,4−TDI/2,6−TD1=80/20、品番:T−80、日本ポリウレタン工業株式会社製
Figure 0005367356
Figure 0005367356
実施例及び比較例の止水性ポリウレタンフォームに対して、密度(kg/m、JIS K 7222)、通気性:(cc/cm2/sec、JIS K 6400−7B法)、セル数(個/25mm、JIS K 6400−1)、圧縮歪(%、JIS K 6400−4)、止水性(時間)、アセトン抽出物量(%)を測定した。
測定結果を表1及び表2の下部に示す。なお、止水性の測定は、図1に示した前記の方法にしたがって行った。なお、表の止水時間の結果における「1>」は前記止水性ポリウレタンフォーム50の上方から水を100mmAq水圧となるように注入後、1時間以内に漏水が起こり、アクリル樹脂板71,71間に水を保持することが出来なかったこと、すなわち止水時間が1時間未満であることを意味し、一方、「24<」は24時間より長いことを意味する。また、測定結果の評価は測定時間が24時間以上を「◎」、8〜24時間未満を「○」、8時間未満を「×」とした。アセトン抽出物量は、ソックスレー抽出法にて測定を行った。測定条件としては、ポリウレタンフォーム1gをアセトン100g中で8時間抽出し、抽出物量の重量を測定した。3%未満を「◎」、5%未満を「○」、5%以上を「×」とした。
表1に示す測定結果から理解されるように、実施例の止水性ポリウレタンフォームは、密度22〜40kg/m、100mmAq水圧の止水時間が9時間以上であり、軽量性及び止水性が良好なものであった。特にイソシアネートインデックス100の実施例12が止水時間9時間であったのに対して、イソシアネートインデックス110以上の他の実施例1〜11および13〜20は止水時間が13時間以上であった。イソシアネートインデックスが130以上となる実施例14〜16では、止水時間は24時間以上と優れているもののセル数が少なくなる傾向が見られた。これは、イソシアネートの使用量が増えたことにより、ポリウレタンフォーム原料全体の粘度が低下したことが原因であると考えられる。このことから、より好ましいイソシアネートインデックスは、110〜130であることが分かる。
一方、表2に示すように、撥水剤を含まない比較例1は、止水時間が1時間であって極端に止水性が劣っていた。また、ポリオール成分にプレポリマーを含まず、ポリオール成分がポリエーテルポリオール100%からなる比較例2は、止水時間が1時間未満であり、止水性の無いものであった。また、ポリオール成分100重量部中にプレポリマーを75重量部含む比較例3は、止水時間が5時間であり、プレポリマーを80重量部含む実施例9の止水時間13時間よりも大きく劣っていた。また、イソシアネートインデックス95の比較例4は、止水時間が1時間未満であり、イソシアネートインデックス100の実施例10が止水時間9時間、イソシアネートインデックス120の実施例1が止水時間24時間以上であるのと比べると止水性が極端に劣っていることがわかる。また、撥水剤として石油系液状樹脂を用いた比較例5は止水時間が4時間であり、実施例1〜20よりも止水性に劣っていた。
実施例1と比較例5のアセトン抽出物量(ソックスレー抽出法、抽出時間8時間)の測定結果について、実施例1は、1.1%:「◎」であり、実施例5は、13.9%:「×」であった。汎用ポリウレタンフォームであるECS(株式会社イノアックコーポレーション製、エーテル系ポリウレタンフォーム)の抽出物量は、0.8%:「◎」であった。本発明の止水性ポリウレタンフォームは、溶出物量が非常に少ないことがわかる。
止水性測定方法を示す図である。
符号の説明
50 止水性ポリウレタンフォーム
71 アクリル樹脂板

Claims (2)

  1. ポリオール成分、イソシアネート、発泡剤、触媒、撥水剤を含むポリウレタンフォーム原料から形成された密度15kg/m〜40kg/mのポリウレタンフォームからなる止水性ポリウレタンフォームであって、
    前記ポリオール成分は100重量部中に分子量2000〜5000のポリエーテルポリオールとイソシアネートの反応により得られた、30℃の粘度が2000〜30000mPa・sの水酸基末端プレポリマーを80〜100重量部含み、
    前記撥水剤はポリブタジエンポリオール、ポリブタジエンの水添ポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリイソプレンの水添ポリオールのグループから選択された少なくとも1種類からなり、
    イソシアネートインデックスは100〜150であることを特徴とする止水性ポリウレタンフォーム。
  2. 前記撥水剤は前記ポリオール成分100重量部に対して3〜30重量部であることを特徴とする請求項1に記載の止水性ポリウレタンフォーム。
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