JP5914177B2 - 水シール材 - Google Patents

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本発明は、優れた止水性能を有し、かつ低燃焼性を有するノンハロゲンタイプの水シール材に関する。
従来、水シール材として止水性ポリウレタンフォームが使用されている。従来の止水性ポリウレタンフォームとして、100mmAq水圧における保持時間が9時間以上の高止水性を有し、かつ密度が15kg/m〜40kg/mである低密度のポリウレタンフォームが提案されている(特許文献1)。
前記高止水性かつ低密度のポリウレタンフォームは、ポリオールの全量100質量部中に、ポリエーテルポリオールとイソシアネートの反応により得られた水酸基末端プレポリマーを80〜100質量部含み、撥水剤がポリブタジエンポリオール、ポリブタジエンの水添ポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリイソプレンの水添ポリオールのグループから選択された少なくとも1種類からなり、イソシアネートインデックスが100〜150で構成されている。
しかしながら、従来の高止水性かつ低密度のポリウレタンフォームは、難燃性について検討されてなく、低燃焼性が求められる用途、例えば自動車やOA機器等において低燃焼性が求められる部位の水シール材としては難燃性の向上が必要である。
また、緩衝材や吸音材等に使用される低燃焼性ポリウレタンフォームとして、近年、環境保護の観点からハロゲン化合物を用いていないノンハロゲンタイプのものが提案されている。ノンハロゲンタイプの低燃焼性ポリウレタンフォームとして、ポリオールにフタル酸エステルポリオールを含み、難燃剤として平均粒径0.5μm以下のメラミンパウダーを含むもの(特許文献2)、フタル酸エステル系ポリオールと、リン酸エステル系難燃剤と平均粒子径0.1〜0.5μmのメラミン粉末及び無機化合物の水和物を含むもの(特許文献3)、メラミンと縮合リン酸エステル系難燃剤を含むもの(特許文献4)がある。
しかし、緩衝材や吸音材等に使用される従来の低燃焼性ポリウレタンフォームは、止水性を目的して使用されるものではないため、止水性については検討されていなかった。
また、ポリウレタンフォームの製造は、液状のポリオールに発泡剤、触媒及び難燃剤を混合し、さらに液状のイソシアネートを混合して、ポリオールとイソシアネートを反応させ、発泡させることにより行われるが、混合不良があると良好なセル状態が得られなくなって発泡不良を生じたりする。そのため、良好な発泡状態を得るには、ポリウレタンフォームに使用される原料は全て液状のものが好ましい。
したがって、従来の止水性ポリウレタンフォームの原料に、低燃焼性ポリウレタンフォームで使用されている常温で固体の難燃剤(例えばメラミン)あるいは、固体の難燃剤(例えばメラミン)と液体の難燃剤(例えば縮合系リン酸エステル系難燃剤)を使用して難燃性を向上しようとしても、良好な発泡状態のフォームを得るには固体の難燃剤の使用量が制限され、優れた止水性能と良好な低燃焼性の両方を得ることができなかった。
また、常温で液状の縮合系リン酸エステル難燃剤を用いた場合、50mmAq水圧程度では止水性に問題は生じないが、100mmAq水圧では止水性が顕著に低下するという現象が生じた。
このように、100mmAq止水性を有し、かつFMVSS302(アメリカ連邦自動車安全規格(Federal
Motor Vehiecle Safety
Standard No302)燃焼試験に合格するノンハロゲン低燃焼性水シール材を得ることができなかった。
特開2010−144066号公報 特開2007−002036号公報 特開2007−091866号公報 特開2011−184601号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、優れた止水性能を有し、かつ優れた難燃性(低燃焼性)を有するノンハロゲンタイプの水シール材の提供を目的とする。
本発明は、ポリオール成分、イソシアネート、発泡剤、触媒、撥水剤、難燃剤を含むポリウレタン原料から形成されたポリウレタンフォームで構成された水シール材であって、前記ポリオール成分は100質量部中にポリエーテルポリオールとイソシアネートの反応により得られた水酸基末端プレポリマーを80〜100質量部含み、前記撥水剤はポリブタジエンポリオール、ポリブタジエンの水添ポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリイソプレンの水添ポリオールのグループから選択された少なくとも1種類からなり、前記難燃剤は常温で液状であるノンハロゲン非縮合型リン酸エステルからなり、前記難燃剤を前記ポリオール成分100質量部に対して6〜13質量部含有し、イソシアネートインデックスは100〜150であることを特徴とする。
本発明の水シール材は、ポリオール成分が、ポリエーテルポリオールとイソシアネートの反応により得られた水酸基末端プレポリマー単独又は前記水酸基末端プレポリマー以外のポリオールとの併用からなる。ポリオール成分100質量部中にポリエーテルポリオールとイソシアネートの反応により得られた水酸基末端プレポリマーを80〜100質量部含むため、ポリウレタンフォーム原料の粘度が高くなり、フォーム形成時にセルが微細化し、更に、ポリウレタンフォームのセル骨格を覆う皮膜(ミラー)が増えることにより、通気性が低減し、セル内へ水が浸入し難くなり、止水性が向上する。ポリオール成分を構成する水酸基末端プレポリマーと前記水酸基末端プレポリマー以外のポリオールとして、ポリエーテルポリオールを用いた場合は、ポリオール成分が、ポリエーテルポリオールのみからなるため耐加水分解性が良好となる。
また、本発明の水シール材は、撥水剤として、ポリブタジエンポリオール、ポリブタジエンの水添ポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリイソプレンの水添ポリオールのグループから選択された少なくとも1種類を用いるため、撥水剤がフォームの樹脂骨格中に取り込まれ、撥水剤のブリードが起こらず、フォームの経時劣化や、撥水性低下のおそれが少なく、長期に渡って良好な止水性を発揮することができる。さらに、イソシアネートインデックスを100〜150とすることにより、ポリオール成分と撥水剤が完全に樹脂化し、またイソシアネートが過剰に存在するためイソシアネートの2次的な架橋反応(アロファネート結合やビュウレット結合等)が起こり、フォームの撥水性がより高まり、止水性が一層向上する。
さらに本発明の水シール材は、難燃剤として常温で液状であるノンハロゲン非縮合型リン酸エステルを用い、難燃剤を前記ポリオール成分100質量部に対して6〜13質量部含有することにより、止水性の低下を抑えて100mmAq水圧で高い止水性を有し、かつ燃焼試験のFMVSS302に合格できる優れた難燃性を有する。
止水性測定用サンプルを示す平面図である。 止水性測定方法を示す図である。
本発明における水シール材は、ポリオール成分、イソシアネート、発泡剤、触媒、撥水剤、難燃剤を含むポリウレタンフォーム原料から形成されたポリウレタンフォームからなる。
前記ポリオール成分は、ポリオール成分100質量部中に、ポリエーテルポリオールとイソシアネートの反応により得られた水酸基末端プレポリマーを80〜100質量部含んでいる。前記水酸基末端プレポリマーを80〜100質量部含むため、ポリウレタンフォーム原料の粘度が高くなり、フォーム形成時にセルが微細化し、更に、ポリウレタンフォームのセル骨格を覆うミラーが増え、通気性が低減するため止水性が向上する。前記水酸基末端プレポリマーの量が前記範囲よりも少ない場合には、ポリウレタンフォームのセルを微細化し、通気性を低減することが難しくなり、止水性が低下するようになる。
本発明における水酸基末端プレポリマーの製造に用いられるポリエーテルポリオールは、2官能以上のものとされ、セルがより細かいポリウレタンフォームを得るには3官能以上のものが好ましい。2官能以上のポリエーテルポリオールは特に制限されるものではなく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ハイドロキノン、水、レゾルシン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、エチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、トリエチレンテトラアミン、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール等を出発原料として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルポリオールなどを用いることができる。
また、本発明における水酸基末端プレポリマーの製造に用いられるイソシアネートとしては、2官能以上のものとされる。2官能以上のイソシアネートは特に制限されるものではなく、芳香族系、脂環式、脂肪族系の何れでもよく、また、それらを単独であるいは複数組み合わせて使用してもよい。
例えば、2官能のイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネートなどの芳香族系、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの脂肪族系を挙げることができる。
また、3官能以上のイソシアネートとしては、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオホスァイト、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリレンジイソシアネート3量体、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ジフェニルエーテル−2,4,4’−トリイソシアネート、その他、多官能芳香族イソシアネート、多官能脂肪族イソシアネート、ブロック型イソシアネート等を挙げることができる。
前記水酸基末端プレポリマーは、前記ポリエーテルポリオールとイソシアネートとから公知のプレポリマーの製造方法により得られる。具体的には、所定温度(例えば80℃)に加熱したタンクに前記ポリエーテルポリオールを所定量投入し、窒素を充填した状態で攪拌しながら、前記イソシアネートや前記触媒を所定量投入して反応させることにより、水酸基末端プレポリマーを得ることができる。
水酸基末端プレポリマーとして用いるポリオールは、分子量300〜10000のポリエーテルポリオールであり、より好ましくは分子量1000〜8000であり、更に好ましくは、分子量2000〜5000である。また、イソシアネートは、水酸基末端プレポリマーの粘度が製造を困難にしなければ、特に制限されないが、トリレンジイソシアネートが有効である。水酸基末端のプレポリマーの粘度としては、30℃で、2000〜30000mPa・sであり、より好ましくは4000〜28000mPa・s、更に好ましくは、8000〜25000mPa・sである。
前記ポリオール成分100質量部中に含まれる前記水酸基末端プレポリマーの量が100質量部未満の場合に、前記ポリオール成分として併用されるポリオールは特に限定されず、ポリエーテルポリオールや、ポリエーテルポリオールにスチレンやアクリロニトリル等をグラフト重合させたポリマーポリオール、ポリエーテルエステルポリオールあるいはポリエステルポリオールを用いても良い。特に、ポリエーテルポリオールが好ましく、さらには、水酸基末端プレポリマーの製造原料に用いたポリエーテルポリオールを併用することがより好ましい。また、前記ポリオール成分として併用されるポリオールとして、ポリエステルポリオールを用いる場合、耐加水分解性に優れた水シール材を得るためには、3−メチル−1,5−ペンタンジオールや2−メチル−1,8−オクタンジオール等のような分岐型ジオールとアジピン酸(脂肪族)、ダイマー酸(脂環族)、フタル酸(芳香族)等のジカルボン酸とを縮合させて得られた2官能以上のポリエステルポリールや、ポリカーボネートジオール、カプロラクトン等の各種ラクトンを開環重合して得られたポリエステルポリオール等が好ましい。
前記ポリオール成分と反応させるイソシアネートとしては、ポリウレタンフォーム用の公知の芳香族系、脂環式、脂肪族系のイソシアネートが単独であるいは組み合わせて用いられる。例えば、芳香族系イソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート等、脂環式イソシアネートとしては、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等、脂肪族系イソシアネートとしては、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等を挙げることができる。
発泡剤としては、水が好適である。ポリオール成分100質量部に対して1.5〜6質量部程度が好適であり、特に3〜5質量部が好適である。1.5質量部未満ではシール対象物に追従する変形性が低下してシール性が低下し、6質量部より大となると発熱量が大きく成形困難である。
触媒としては、ポリウレタンフォーム用として公知のものを用いることができ、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N−エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒や、スタナスオクトエートやジブチルチンジラウレート等の錫触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)を挙げることができる。触媒の一般的な量は、ポリオール100質量部に対して0.2〜5質量部程度である。
撥水剤としては、ポリブタジエンポリオール、ポリブタジエンの水添ポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリイソプレンの水添ポリオールのグループから選択された少なくとも1種類からなる。前記撥水剤として用いられるポリオールは、分子量500〜6000、より好ましくは、分子量1000〜5000、更に好ましくは、分子量1000〜3500であって、水酸基価15〜120mgKOH/g、より好ましくは、水酸基価25〜110mgKOH/g、更に好ましくは、35〜70mgKOH/gである。官能基数は、1.6個以上、より好ましくは2個以上である。前記のポリオールを撥水剤として用いることにより、撥水剤が樹脂骨格中に取り込まれ、フォームの経時劣化や、撥水剤のブリードによる撥水性低下のおそれが少なく、長期に渡って良好な止水性を発揮することができるようになる。前記撥水剤のポリオールは、前記ポリオール成分とは別とされ、前記ポリオール成分100質量部に対して3〜30質量部、より好ましくは、5〜20質量部、更に好ましくは、10〜15質量部の添加量が好ましい。3質量部未満では、止水性能の向上効果が少なくなり、一方、30質量部を超えて添加しても、止水性の向上効果は、あまり見られない。
一般に止水材として用いられるポリウレタンフォームは、金属と熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂といった異なる材料の間で圧縮されて使用されることから、止水材そのものは、金属および上記樹脂の双方に対して密着しなければならない。
実際の使用に関して、ポリウレタンフォームに有機性揮発物質(VOC)の要因となり得る化合物が含まれていると上記金属面や樹脂面にケミカルアタックやブリード等の悪影響を与えることもある。また、ガラス等の透明な材料で圧縮されて使用される場合は、フォギングといった曇りを生じる不具合も発生する。
本発明の水シール材は、撥水剤を選択することにより、アセトンによるソックスレー抽出法(抽出時間8時間)において、溶出物量が5%以下と非常に少なく、上記不具合を生じることがない。現在、一般に使用されている水シール材の溶出物量は、10〜15%程度であり、本発明の溶出物量が、5%以下であることは、撥水剤を含まない汎用のポリウレタンフォームと実質的に同等の性能である。
難燃剤としては、ノンハロゲン非縮合型リン酸エステルが使用される。ノンハロゲン非縮合型リン酸エステルとしては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート等のトリアリールキルホスフェート(脂肪族リン酸エステル)、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等のトリアリールホスフェート(芳香族リン酸エステル)などが挙げられる。特にトリアリールホスフェート(芳香族リン酸エステル)の中でもリン酸トリアリールイソプロピル化物が好ましい。前記難燃剤の添加量は、前記ポリオール成分100質量部に対して6〜13質量部が好ましい。6質量部未満では、燃焼性試験のFMVSS302に合格せず、一方、13質量部より多い場合には100mmAq水圧の止水性試験において9時間未満で漏水するようになり、100mmAq水圧で良好な止水性が得られなくなる。
イソシアネートインデックスは100〜150であり、より好ましくは105〜140、更に好ましくは110〜130である。イソシアネートインデックスを100〜150とすることにより、ポリオール成分と撥水剤が完全に樹脂化し、またイソシアネートが過剰に存在するためイソシアネートの2次的な架橋反応(アロファネート結合やビュウレット結合等)が起こり、フォームの撥水性がより高まり、止水性が一層向上する。イソシアネートインデックスが100未満の場合、止水性能が低下するようになる。また、イソシアネートインデックスの上限は特に限定する必要はないが、150を超えるとフォーム発泡時(特に軟質スラブフォームに発泡成形する場合)、ポリウレタンフォーム内の内部発熱温度が高くなり、スコーチの発生や自然発火の危険が生じる。好ましいイソシアネートインデックスの範囲は100〜150であり、より好ましくは105〜140、更に好ましい範囲は110〜130である。なお、イソシアネートインデックスは、ポリウレタンの分野で使用される指数であって、原料中の活性水素基(例えばポリオールの水酸基及び発泡剤としての水等の活性水素基等に含まれる活性水素基)に対するポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比を百分率で表した数値[NCO基の当量/活性水素基の当量×100]である。
その他、整泡剤、顔料などの添加剤を適宜配合することができる。整泡剤は、ポリウレタンフォームに用いられるものであればよく、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤および公知の界面活性剤を挙げることができる。顔料は、求められる色に応じたものが用いられる。
ポリウレタンフォームは、前記ポリオール成分、イソシアネート、発泡剤、触媒、撥水剤、難燃剤及び適宜の添加剤からなるポリウレタン発泡原料を攪拌混合して前記ポリオール成分とイソシアネートを反応させ、発泡させる公知の発泡方法によって製造される。本発明におけるポリウレタンフォームは密度15〜40kg/mが好ましく、特には20〜35kg/mがより好ましい。ポリウレタンフォームの密度を15〜40kg/mとすることにより、低密度で、優れた止水性能かつ低燃焼性を発現させることができるので、材料費を減らすことができ、また水シール材として軽量化を図ることができる。
本発明の水シール材は、打ち抜き等によって用途に応じた厚み及び形状(例えば紐状)とされて使用される。本発明の水シール材は、100mmAq水圧の保持時間が9時間以上、より好ましくは24時間以上であり、非常に優れた止水性を発揮する。前記100mmAq水圧の保持時間は、10mm厚みの水シール材を図1に示す寸法でU字型に打抜いて作成した止水性測定用サンプル50を、図2に示すように2枚のアクリル樹脂板71、71間に50%の圧縮状態で挟み、その状態でU字型の試験用サンプル50内に100mAq水圧となるように水を注入し、100mmAq水圧を保持している時間である。
また、本発明の水シール材は、FMVSS302燃焼試験に合格する低燃焼性のものである。前記FMVSS302燃焼試験は、試験片数10に対して、平均燃焼速度及び最大燃焼速度を測定し、次の(1)から(3)のいずれか一つに該当する場合に合格となる。(1)試験片に着火しない場合、または試験片に着火しても燃焼開始標線に達しないで自然消火する場合(燃焼速度0)、(2)燃焼開始標線を超えて燃焼し、燃焼開始標線から50.8mm以内で自然消火し、かつ自然消火までの時間が60秒以内の時(自然消火(SE))、(3)燃焼開始標線を超えて燃焼し、燃焼速度が100mm/min以下の場合。
表1及び表2に示す配合からなるポリウレタン発泡原料を用いて実施例及び比較例のポリウレタンフォームからなる水シール材を作成した。表1及び表2の各成分は以下のとおりである。なお、表1及び表2における発泡性は、良好なフォームが得られた場合に○、フォームが不良または得られなかった場合に×を示した。
・ポリオール成分A1:ポリエーテルポリオール(後述のポリオール成分A2)/イソシアネート(後述のイソシアネート)=2モル/1モル混合液を金属触媒の存在下において、80℃で約2時間反応させて合成された水酸基末端プレポリマー、水酸基価33mgKOH/g、粘度17000mPa・s(30℃)。
・ポリオール成分A2:ポリエーテルポリオール、分子量3000、官能基数3、水酸基価56mgKOH/g、品番;GP−3000、三洋化成工業株式会社製
・ポリオール成分A3:ポリエステルポリオール、分子量2000、官能基数3、水酸基価84mgKOH/g、品番;F−2010(トリメチロールプロパンに3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を縮合重合したもの)、株式会社クラレ社製
・撥水剤C1:ポリブタジエンポリオール、分子量2100、官能基数2、品番;KRASOL LBH−P2000、Cray Valley社製
・撥水剤C2:水添ポリブタジエンポリオール、分子量3100、官能基数2、品番;HLBH−P3000、Cray Valley社製
・撥水剤C3:ポリブタジエンポリオール、分子量1200、官能基数2.3、品番;R−15HT、出光興産株式会社製
・撥水剤C4:イソプレンポリオール、分子量2500、官能基数2.1、品番;Roly ip、出光興産株式会社製
・撥水剤C5:水添イソプレンポリオール、分子量2500、官能基数2.3、品番;エポール、出光興産株式会社製
・撥水剤C6:石油系液状樹脂、品番;SAS−LH、新日本石油株式会社製
・発泡剤:水
・整泡剤:シリコーン系、品番:SZ−1919、東レダウコーニング社製
・触媒F1:反応型3級アミン、品番:カオーライザーNo.51、花王株式会社製
・触媒F2:オクチル酸第一錫、品番:MRH−110、城北化学工業株式会社製
・難燃剤G1:リン酸トリアリールイソプロピル化物、品番:REOFOS 35、粘度44mm/s、25℃、味の素ファインテクノ株式会社製
・難燃剤G2:リン酸トリアリールイソプロピル化物、品番:REOFOS 50、粘度50mm/s、25℃、味の素ファインテクノ株式会社製
・難燃剤G3:リン酸トリアリールイソプロピル化物、品番:REOFOS 65、粘度61mm/s、25℃、味の素ファインテクノ株式会社製
・難燃剤G4:リン酸トリアリールイソプロピル化物、品番:REOFOS 95、粘度93mm/s、25℃、味の素ファインテクノ株式会社製
・難燃剤G5:リン酸トリアリールイソプロピル化物、品番:REOFOS 110、粘度120mm/s、25℃、味の素ファインテクノ株式会社製
・難燃剤G6:脂肪族縮合リン酸エステル、品番:DAIGUARD−880 大八工業株式会社製
・難燃剤G7:縮合系リン酸エステル、品番:fyrol PNX−S ICL−IP社製
・イソシアネート:2,4−TDI/2,6−TD1=80/20、品番:T−80、日本ポリウレタン工業株式会社製
Figure 0005914177
Figure 0005914177
実施例及び比較例の水シール材に対して、密度(kg/m、JIS K 7222)、止水性、難燃性を測定した。止水性の測定は、図1及び図2に示した方法において、25mmAq水圧、50mmAq水圧、100mmAq水圧に対して行った。なお、25mm水圧の止水性については、前記水シール材50の上方から水を25mmAq水圧となるように注入後、24時間以上漏水を生じなかった場合に合格(○)、24時間未満で漏水を生じた場合に不合格(×)、50mm水圧の止水性については、前記水シール材50の上方から水を50mmAq水圧となるように注入後、24時間以上漏水を生じなかった場合に合格(○)、24時間未満で漏水を生じた場合に不合格(×)、100mm水圧の止水性については、前記水シール材50の上方から水を100mmAq水圧となるように注入後、9時間以上漏水を生じなかった場合に合格(○)、24時間以上漏水を生じなかった場合に最良(◎)とし、9時間未満で漏水を生じた場合に不合格(×)とした。また、難燃性については、FMVSS302燃焼試験にしたがい、試験片数10に対して、平均燃焼速度及び最大燃焼速度を測定し、前記の判断基準(1)から(3)のいずれか一つに該当する場合に合格(○)とし、いずれにも該当しなかった場合に不合格(×)とした。測定結果を表1及び表2の下部に示す。
表1の測定結果に示すように、ノンハロゲンタイプの実施例の水シール材は、何れも100mmAq水圧の止水性に合格し、かつ難燃性についてFMVSS302燃焼試験に合格した。
一方、表2に示す比較例1は、難燃剤を使用しない例であり、また、比較例2は、難燃剤G3(リン酸トリアリールイソプロピル化物、品番:REOFOS 65)の量を本発明の範囲よりも少ない5質量部とした例であり、比較例1及び比較例2の何れもFMVSS302燃焼試験が不合格となり、難燃性に劣っていた。
比較例3は、難燃剤G3(リン酸トリアリールイソプロピル化物、品番:REOFOS 65)の量を本発明の範囲を超える15質量部とした例であり、100mmAq水圧の止水性が不合格となった。
比較例4は、難燃剤G2(リン酸トリアリールイソプロピル化物、品番:REOFOS 50)の量を本発明の範囲よりも少ない5質量部とし、難燃剤G6(脂肪族縮合リン酸エステル、品番:DAIGUARD−880)の2質量部を併用した例であり、50mmAq水圧と100mmAq水圧の止水性が何れも不合格となった。
比較例5は、難燃剤として、難燃剤G6(脂肪族縮合リン酸エステル、品番:DAIGUARD−880)のみを5質量部使用した例であり、50mmAq水圧と100mmAq水圧の止水性が何れも不合格となった。
比較例6は、難燃剤として、難燃剤G7(縮合系リン酸エステル、品番:fyrol PNX−S)のみを10質量部使用した例であり、発泡反応が阻害され、フォームが得られなかった。
比較例7は、撥水剤及を含まない例であり、25mmAq水圧と50mmAq水圧と100mmAq水圧の全てにおいて止水性が不合格になった。
比較例8は、ポリオール成分にプレポリマーを含まず、ポリオール成分がポリエーテルポリオール100%からなる例であり、25mmAq水圧と50mmAq水圧と100mmAq水圧の全てにおいて止水性が不合格になった。
比較例9は、ポリオール成分100質量部中にプレポリマーを75質量部含む例であり、50mmAq水圧と100mmAq水圧の止水性が何れも不合格になった。
比較例10は、イソシアネートインデックスが95の例であり、25mmAq水圧と50mmAq水圧と100mmAq水圧の全てにおいて止水性が不合格になった。
比較例11は、撥水剤として石油系液状樹脂を用いた例であり、50mmAq水圧と100mmAq水圧の止水性が何れも不合格になった。
このように、実施例の水シール材は、優れた止水性能を有し、かつ優れた難燃性(低燃焼性)を有するノンハロゲンタイプのものであり、自動車やOA機器等において低燃焼性が求められる部位の水シール材として好適なものである。
50 水シール材
71 アクリル樹脂板

Claims (1)

  1. ポリオール成分、イソシアネート、発泡剤、触媒、撥水剤、難燃剤を含むポリウレタン原料から形成されたポリウレタンフォームで構成された水シール材であって、
    前記ポリオール成分は100質量部中にポリエーテルポリオールとイソシアネートの反応により得られた水酸基末端プレポリマーを80〜100質量部含み、
    前記撥水剤はポリブタジエンポリオール、ポリブタジエンの水添ポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリイソプレンの水添ポリオールのグループから選択された少なくとも1種類からなり、
    前記難燃剤は常温で液状であるノンハロゲン非縮合型リン酸エステルからなり、前記難燃剤を前記ポリオール成分100質量部に対して6〜13質量部含有し、
    イソシアネートインデックスは100〜150であることを特徴とする水シール材。
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