JP5366827B2 - 映像音響出力システム - Google Patents

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Description

本発明は、音響出力装置とこの音響出力装置の上方に設置される映像音響出力装置とで構成され、音響信号の音像を所定の位置に定位させて出力する映像音響出力システムに関する。
近年、プラズマテレビや液晶テレビ等の薄型テレビの大画面化によって、家庭において迫力ある映像を楽しむことが出来るようになった。今後、例えば壁に掛けて視聴できるテレビを実現するために、大画面化と共により一層の薄型軽量化が求められている。また、薄型テレビに搭載されるスピーカも、小型化及び薄型化される。このため、スピーカから出力される音の振幅周波数特性の帯域は狭くなり、かつ平坦性が損なわれる結果を招いている。このように、映像性能が向上している反面、音響性能が犠牲となっている。
そこで、テレビ台に高音質スピーカを搭載したAVラックスピーカ装置が提案されている。このAVラックスピーカ装置では、高音質スピーカを外付けで別途設置することなく、高音質の音響を手軽に楽しむことができる。また、このようなAVラックスピーカ装置には、フロントチャンネルの音をスピーカ設置位置より広がった方向に定位させ、視聴者がより迫力ある音響効果を楽しめるような音像定位制御機能も搭載されている。
しかし、AVラックスピーカ装置は、通常は床に設置して、その上にテレビを載せて使用する。このため、センターチャンネル又は音像定位制御されたフロントチャンネルの音像が床付近に定位し、映像の高さと音像の高さとがずれて違和感が生じるという新たな課題が生じている。
音像を所望の位置に定位させる技術としては、従来より頭部音響伝達関数(以下、HR伝達関数と記す)を補正する音像定位制御技術が幅広く実用化されている。図23は、Rチャンネル信号を処理して映像ディスプレイ105の右側に同じ高さで定位させる従来の音像定位制御技術を説明する図である。図23の(a)に信号処理の構成を示し、図23の(b)に音像の定位位置を示す。
FIRフィルタ101a及び101bは、Rチャンネル信号を処理して振幅位相特性を所望の特性に補正する。スピーカ102a及び102bは、FIRフィルタ101a及び101bが出力する電気信号をそれぞれ音響信号に変換して出力する。ここで、図23の視聴者104に対して目標音像103aの位置に音像を定位させたい場合、下記の式[数1]を満足する伝達関数G1及びG2を算出し、この伝達関数G1及びG2を処理特性とする係数をFIRフィルタ101a及び101bに与えればよい。なお、スピーカ102aから視聴者104の左耳及び右耳へのHR伝達関数をC1及びC2と、スピーカ102bから視聴者104の左耳及び右耳へのHR伝達関数をC3及びC4と、目標音像103aの位置にスピーカを設置した場合にスピーカから視聴者104の左耳及び右耳へのHR伝達関数をH1及びH2としている。
Figure 0005366827
しかし、FIRフィルタ101a及び101bの伝達関数G1及びG2が固定である場合、視聴者104が視聴位置を変えてHR伝達関数C1〜C4が変化してしまうと、音像が定位する位置が目標音像103aの位置から移動してしまう。特に、HR伝達関数C1〜C4の位相周波数特性の変化によって、両耳において両スピーカからの音響出力の合成音の振幅周波数特性が極端に変化してしまう。このような振幅周波数特性の変化は、波長が短い高域成分で顕著に現れる。
一方、音像知覚とHR伝達関数との因果関係に関する研究が、従来より幅広く行われている。この研究によれば、人は両耳でのHR伝達関数のレベル差及び位相差を手がかりとして音像の横方向の角度を判断し、HR伝達関数の振幅周波数特性の形状を手がかりとして音像の高さ方向の角度を判断する、という知見が得られている。
図24に、高さが異なる音源のHR伝達関数の例を示す。音源Aは、視聴者104の正面方向に対して水平方向右60度の位置にあり、音源Bは、音源Aからさらに垂直方向下30度の位置にある(図24の(a))。音源A及びBの振幅周波数特性を比較すると、1kHzより高い周波数帯域において形状が大きく異なることがわかる(図24の(b))。特に、4kHz以上の高周波帯域に現れる特徴的なピーク特性及びノッチ特性が、音像の高さ知覚の重要な手がかりとなることが広く知られている。また、非特許文献1において、4kHz〜16kHzの周波数帯域に現れる2つのノッチ特性が、正面方向の音の高さ又は前後の定位にとって重要な手がかりになっていると報告している。
このように、HR伝達関数の高域成分は音像の高さを判断する手がかりとなっているが、式[数1]において誤差を生じやすく、所望の高さに音像が定位しないという課題がある。図23の(b)に示すように、視聴者104にとっては、横方向については所望の位置に音像が定位する。しかし、視聴者104は、音像の高さの知覚の手がかりとなる高域成分について所望のHR伝達関数H1及びH2の特徴的な特性を聴くことができず、実際に音響出力しているスピーカ102a及び102bのHR伝達関数の特性を聴いてしまう。このため、高さ方向については、スピーカ102a及び102bの高さに音像定位してしまう(音像103b)。
以上のように、従来の音像定位制御技術では、横方向への音像定位は実現できるものの、音響出力するスピーカとは異なる高さに音像定位させることは実際上は不可能であった。
また、高さが異なるスピーカを用いて映像モニタの位置に音像を定位させる処理回路が、特許文献1に公開されている。図25は、この特許文献1に記載されている従来の処理回路106を示す図である。図25では、Cチャンネル信号を映像モニタの位置に定位させる例を示している。
図25において、イコライザ107は、Cチャンネル信号Cinの振幅周波数特性を補正する。帯域通過フィルタ108は、イコライザ107の出力のうち所定の周波数帯域成分のみを抽出する。帯域除去フィルタ109は、イコライザ107の出力のうち所定の周波数帯域以外の成分を抽出する。増幅器110a〜110dは、Lチャンネル信号Lin、帯域通過フィルタ108の出力、帯域除去フィルタ109の出力、及びRチャンネル信号Rinを、それぞれ所定のゲインで増幅する。加算器111aは、増幅器110aの出力と増幅器110bの出力とを加算する。加算器111bは、増幅器110bの出力と増幅器110dの出力とを加算する。
加算器111aの出力は、映像モニタ105の左側に設置されたスピーカ102cから、Lチャンネル音響として出力される。加算器111bの出力は、映像モニタ105の右側に設置されたスピーカ102eから、Rチャンネル音響として出力される。増幅器110cの出力は、映像モニタ105の上側に設置されたスピーカ102d(又は下側に設置されたスピーカ102f)から、Cチャンネル音響として出力される。イコライザ107には、視聴者がおよそ±30度方向にあるLRチャンネル用のスピーカ102c及び102eから出力される音を正面方向のCチャンネル用のスピーカ102d(又は102f)から出力されたと感じるように、所定の処理係数が与えられている。この処理係数は、Cチャンネル用スピーカ102d(又は102f)から視聴者までのHR伝達関数をLRチャンネル用スピーカ102c及び102eから視聴者までのHR伝達関数で割った伝達関数と、同じ振幅特性で処理するための係数である。
特開2004−266604号公報
飯田ら著、「ア・ノベル・ヘッド−リレイテッド・トランスファー・ファンクション・モデル・ベースド・スペクトラル・アンド・インタオーラル・ディファレンス・キューズ(A novel head-related transfer function model based spectral and interaural difference cues)」、WESPAC9、2006年9月
しかしながら、図25に示した従来の処理回路106を用いる場合、映像モニタ105と同じ高さとなる位置にスピーカ102c及び102eを設置する必要があり、テレビの下にあるAVラックスピーカ装置に適用することはできない。スピーカの設置が可能であったとしても、新たな設置スペースの確保や配線の複雑化という課題が生じる。
また、スピーカ102c及び102eの設置角度によって、スピーカから視聴者104までのHR伝達関数が変わってしまう。このため、イコライザ107の処理によって正面に音像定位させる効果を得るためには、設置位置に応じてHR伝達関数を測定し、測定データに基づいてイコライザ107の処理特性を補正する必要がある。
また、スピーカ102c〜102fの少なくとも2個以上のスピーカを用いて、図23で示した信号処理構成によってLチャンネル信号及びRチャンネル信号等を音像定位制御する場合、設置位置に応じたHR伝達関数データに基づいてFIRフィルタを補正する必要があり、視聴者に測定作業を強いるという課題も生じる。
それ故に、本発明の目的は、テレビのディスプレイの高さに音像を定位させることで、映像と音像定位の高さが一致した臨場感が高い音響を容易に楽しむことができる映像音響出力システムを提供することである。
本発明は、音響出力装置と音響出力装置の上方に設置される映像音響出力装置とで構成され、音響信号の音像を所定の位置に定位させて出力する映像音響出力システムに向けられている。そして、上記目的を達成するための映像音響出力システムの一態様は、音響出力装置が、音響信号から低域成分の音響信号及び高域成分の音響信号を抽出する音響信号出力制御部と、低域成分の音響信号を音像定位処理する第1の音像定位処理フィルタ部と、第1の音像定位処理フィルタ部が出力する複数の低域成分の音響信号を音響出力する複数の第1のスピーカと、高域成分の音響信号を音像定位処理する第2の音像定位処理フィルタ部と、第2の音像定位処理フィルタ部が出力する複数の高域成分の音響信号を、映像音響出力装置へ伝送する第1の通信部とを備え、映像音響出力装置が、音響出力装置から伝送される複数の高域成分の音響信号を受信する第2の通信部と、複数の高域成分の音響信号を音響出力する複数の第2のスピーカと、映像信号を表示する映像表示部とを備える。このとき、低域成分の音響信号は、少なくとも1kHz以下の周波数成分を含み、高域成分の音響信号は、少なくとも4kHz以上の周波数成分を含むことが望ましい。
また、上記目的を達成するための映像音響出力システムの他の一態様として、音響出力装置が、音響信号を音像定位処理する第1の音像定位処理フィルタ部と、第1の音像定位処理フィルタ部が出力する複数の音響信号に対応して設けられ、各音響信号から低域成分の音響信号及び高域成分の音響信号をそれぞれ抽出する複数の音響信号出力制御部と、複数の音響信号出力制御部でそれぞれ抽出された複数の低域成分の音響信号を音響出力する複数の第1のスピーカと、複数の音響信号出力制御部でそれぞれ抽出された複数の高域成分の音響信号を、映像音響出力装置へ送出する第1の通信部とを備えてもよい。
典型的には、音響信号出力制御部は、音響信号のうち低域成分の音響信号だけを通過させる低域通過フィルタと、音響信号のうち高域成分の音響信号だけを通過させる高域通過フィルタとを含む。
また、音響出力装置が、映像音響出力装置から得られる情報に基づいて、映像音響出力装置の種類を判定する判定部をさらに備え、音響信号出力制御部が、判定部の判定結果に基づいて、低域通過フィルタの通過後の音響信号レベル及び高域通過フィルタの通過後の音響信号レベルを制御してもよい。この場合、第1の音像定位処理フィルタ部が、判定部の判定結果に基づいて、音像定位処理を制御してもよい。
また、音響出力装置が、視聴者の嗜好を反映させた視聴モードを入力する視聴モード入力部をさらに備え、音響信号出力制御部が、視聴モード入力部に入力された視聴モードに基づいて、低域通過フィルタのカットオフ周波数及び通過後の音響信号レベル、及び高域通過フィルタのカットオフ周波数及び通過後の音響信号レベルを制御してもよい。
また、音響出力装置が、視聴者が設定した音量値を入力する音量設定入力部をさらに備え、音量設定入力部に入力された音量値に基づいて、第1のスピーカに入力される低域成分の音響信号レベルを制御してもよい。この場合、映像音響出力装置が、音量設定入力部に入力された音量値を音響出力装置から取得し、音量設定入力部に入力された音量値に基づいて、第2のスピーカに入力される高域成分の音響信号レベルを制御してもよい。
さらに、音響出力装置が、映像音響出力装置から得られる音像定位のための信号処理に割り当てられる信号処理量に基づいて、音響出力装置が行う音像定位処理量と映像音響出力装置が行う音像定位処理量との配分を決定する処理配分決定部と、処理配分決定部で決定された配分に従って、第1の音像定位処理フィルタ部が行う音像定位処理を制御する第1の処理量制御部とをさらに備え、映像音響出力装置が、第2の通信部で受信された高域成分の音響信号を音像定位処理して複数の第2のスピーカに出力する第3の音像定位処理フィルタ部と、音響出力装置から与えられる処理配分決定部で決定された配分に従って、第3の音像定位処理フィルタ部が行う音像定位処理を制御する第2の処理量制御部とをさらに備える構成も考えられる。
本発明の映像音響出力システムによれば、映像と音像定位の高さが一致した臨場感が高い音響を容易に楽しむことができる。
本発明の映像音響出力システムの基本的な構成例を示す図 本発明の第1の実施形態に係る映像音響出力システムの詳細な構成を示す図 音響信号出力制御部12aの詳細な構成を示す図 音像定位処理フィルタ部13aの構成及びHR伝達関数を示す図 適応アルゴリズムを用いてFIRフィルタの係数を求めるための信号処理回路の構成例を示す図 テレビ用音像定位処理フィルタ部14aの構成及びHR伝達関数を示す図 処理係数設定部17aの詳細な構成を示す図 AVラックスピーカ装置10及びテレビ20の音響出力レベルを示す図 第1の実施形態に係る映像音響出力システムの周波数帯域別の音像を示す図 視聴者二人が音像定位効果を得る構成におけるHR伝達関数を示す図 本発明の第1の実施形態に係る映像音響出力システムの詳細な構成の変形例を示す図 本発明の第2の実施形態に係る映像音響出力システムの詳細な構成を示す図 処理係数設定部17b及び音像定位処理フィルタ部75aの詳細な構成を示す図 音像定位処理後に周波数分割する場合の処理係数の例を示す図 本発明の第3の実施形態に係る映像音響出力システムの詳細な構成を示す図 音響信号出力制御部12dの詳細な構成を示す図 視聴モードに応じた音響出力の振幅周波数特性の例を示す図 本発明の第4の実施形態に係る映像音響出力システムの詳細な構成を示す図 全チャンネルの低域成分用の音像定位処理フィルタ部の構成を示す図 FIRフィルタのフィルタ長と振幅周波数特性との関係を示す図 音像定位のための信号処理の配分の例を示す図 本発明のその他の実施形態に係る映像音響出力システムの詳細な構成を示す図 従来の音像定位処理の構成及びHR伝達関数を示す図 高さの異なる音源のHR伝達関数を示す図 従来の音像定位処理回路の構成例を示す図
図1は、本発明の映像音響出力システムの基本的な構成例を示す図である。この映像音響出力システムは、外部から映像信号及び音響信号が入力される音響出力装置であるAVラックスピーカ装置10と、AVラックスピーカ装置10の上に設置され、HDMI(High-Definition Multimedia Interface )ケーブルでAVラックスピーカ装置10と接続される映像音響出力装置であるテレビ20とで構成される。
このHDMIは、映像信号、マルチチャンネル音響信号、機器の動作を制御するためのCEC(Consumer Electronics Control)信号、及び機器を認証するためのEDID(Extended Display Identification Data)信号等の複数の信号を、多重化して1本のケーブルで伝送するための規格である。HDMIを使用すれば、1本のケーブルで複数の機器間を簡略に接続できる。
AVラックスピーカ装置10は、少なくとも2個以上のスピーカを搭載している。図1のAVラックスピーカ装置10は、中心より左側にスピーカ11aを、中心より右側にスピーカ11bを搭載している。AVラックスピーカ装置10は、スピーカを取り付けるスペースが十分あり、比較的大きなサイズのスピーカが搭載されているため、高音質つまり低い周波数も含め広い周波数帯域で一定の振幅周波数特性で音響出力できるという特徴を有している。
一方、テレビ20も、少なくとも2個以上のスピーカを搭載している。図1のテレビ20は、映像表示部であるディスプレイ23の左側にスピーカ21aを、右側にスピーカ21bを搭載している。このテレビ20は、ディスプレイ23の周囲にスピーカを取り付けるスペースが十分になく、小さいサイズのスピーカしか搭載されていないため、低い周波数帯域の音響出力が不足する。なお、図1に示す構造に限らず、ディスプレイ23の上側又は下側にスピーカが配置されている構造のテレビであっても、本発明を同様に適用可能である。
本発明の映像音響出力システムは、マルチチャンネル音響信号を高音質で音響出力し、所定の位置に音像を定位させるものであり、簡略な配線で実現できる。図1には、本発明の映像音響出力システムで実現できる、Lチャンネルの音響信号から定位される音像30a及びRチャンネルの音響信号から定位される音像30bを示しており、AVラックスピーカ装置10やテレビ20よりも外側で、かつテレビ20のディスプレイ23の高さ位置に音像が設定できていることを示している。
以下、本発明の映像音響出力システムの具体的な実施形態を順に説明する。なお、各実施形態では、入力される音響信号がRチャンネル信号である場合について説明するが、入力される音響信号は、複数のチャンネル信号(L、R、C等)に分かれており、各チャンネル信号について以下に説明する処理がそれぞれ行われることは、言うまでもない。
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態に係る映像音響出力システムの詳細な構成を示す図である。第1の実施形態に係るAVラックスピーカ装置10は、スピーカ11a及び11bと、音響信号出力制御部12aと、音像定位処理フィルタ部13aと、テレビ用音像定位処理フィルタ部14aと、HDMI通信部15と、テレビ判定部16と、処理係数設定部17aとを備える。テレビ20は、スピーカ21a及び21bと、HDMI通信部22と、ディスプレイ23とを備える。
まず、AVラックスピーカ装置10の各構成について説明する。
音響信号出力制御部12aは、外部からRチャンネルの音響信号Rinを入力し、後述するテレビ判定部16が出力する判定結果に基づいて、AVラックスピーカ装置10から音響出力される音響信号XAV(R)と、テレビ20から音響出力される音響信号XTV(R)とに分離する。
図3は、音響信号出力制御部12aの詳細な構成を示す図である。音響信号Rinは、低域通過部81及び高域通過部82とに入力される。低域通過部81は、例えば所定のカットオフ周波数を持つローパスフィルタであり、音響信号Rinの低域成分を抽出する。高域通過部82は、例えば所定のカットオフ周波数を持つハイパスフィルタであり、音響信号Rinの高域成分を抽出する。可変乗算器83aは、低域通過部81の出力信号にゲイン設定部84aから与えられるゲインを乗算し、音響信号XAV(R)として出力する。可変乗算器83bは、高域通過部82の出力信号にゲイン設定部84aから与えられるゲインを乗算し、音響信号XTV(R)として出力する。ゲイン設定部84aは、テレビ判定部16から与えられる信号に従って所定のゲインを可変乗算器83a及び83bに与える。ゲイン設定部84aの詳細な処理は後述する。
再び図2を参照する。音像定位処理フィルタ部13aは、音響信号XAV(R)が音響出力されたときに所定の位置に音像が定位するように音像定位処理を行う。この音像定位処理フィルタ部13aが行う音像定位処理は、上記従来技術で説明したとおりであり、目標音像30bから視聴者4の両耳へのHR伝達関数をH1,1及びH1,2とすると、音像定位処理フィルタ部13aが備えるFIRフィルタ33a及び33bの係数は、図4及び式[数2]を満足するHR伝達関数G1.1及びG1.2に基づいて求められる。この音像定位処理によって得られた音響信号は、スピーカ11a及び11bにそれぞれ出力される。
Figure 0005366827
ここで、FIRフィルタの係数を、上述したHR伝達関数G1.1及びG1.2を算出した後で求めるのではなく、公知の適応アルゴリズムを用いて近似的に求める手法を、説明する。
図5は、適応アルゴリズムを用いてFIRフィルタの係数を求めるための信号処理回路の構成例である。この信号処理回路には、設計参照信号Sが入力される。この設計参照信号Sは、ホワイトノイズ等の広帯域信号が望ましい。適応フィルタ41a及び41bは、設計参照信号Sを処理する。FIRフィルタ42a、42b、及び43a〜43dは、それぞれHR伝達関数H1,1、H1,2、及びC1,1〜C1,4による処理特性を有し、設計参照信号Sを処理する。FIRフィルタ43e及び43fは、それぞれHR伝達関数C1,1及びC1,2による処理特性を有し、適応フィルタ41aの出力信号を処理する。FIRフィルタ43g及び43hは、それぞれHR伝達関数C1,3及びC1,4による処理特性を有し、適応フィルタ41bの出力信号を処理する。
加算器44aは、FIRフィルタ43eの出力とFIRフィルタ43gの出力とを加算する。加算器44bは、FIRフィルタ43fの出力とFIRフィルタ43hの出力とを加算する。加算器44cは、FIRフィルタ42aの出力から加算器44aの出力を減算する。加算器44dは、FIRフィルタ42bの出力から加算器44bの出力を減算する。フィルタ係数更新部45aは、FIRフィルタ43a及び43b、加算器44c、及び加算器44dの出力に基づいて、適応フィルタ41aの係数を更新する。フィルタ係数更新部45bは、FIRフィルタ43c及び43d、加算器44c、及び加算器44dの出力に基づいて、適応フィルタ41bの係数を更新する。このフィルタ係数更新部45a及び45bは、公知のLMSアルゴリズムに基づいてフィルタ係数更新を行うため、動作の詳細な説明は省略する。
図5の構成によれば、適応誤差である加算器44c及び44dの出力レベルが十分に小さくなれば、適応フィルタ41a及び41bの係数を、式[数2]を近似的に満足するFIRフィルタ33a及び33bの係数として得ることができる。
再び図2を参照する。テレビ用音像定位処理フィルタ部14aは、音響信号XTV(R)が音響出力されたときに所定の位置に音像が定位するように音像定位処理を行う。このテレビ用音像定位処理フィルタ部14aが行う音像定位処理は、音像定位処理フィルタ部13aで説明した処理が、スピーカ21a及び21bの位置等のテレビ20固有の情報を考慮した上で行われる(後述する)。目標音像30bから視聴者4の両耳への頭部音響伝達関数をH1,1及びH1,2とすると、テレビ用音像定位処理フィルタ部14aが備えるFIRフィルタ51a及び51bの係数は、図6及び式[数3]を満足するHR伝達関数G2.1及びG2.2に基づいて求められる。この音像定位処理によって得られた音響信号は、HDMI通信部15からテレビ20へ出力される。
Figure 0005366827
HDMI通信部15は、入力される映像信号とテレビ用音像定位処理フィルタ部14aが出力する音響信号とをHDMI規格に基づいて多重化し、多重信号をテレビ20へ出力する。また、HDMI通信部15は、テレビ20から入力されるEDID信号をテレビ判定部16へ出力する。テレビ判定部16は、EDID信号に基づいてテレビ20の型番を判定する。判定した結果は、音響信号出力制御部12a及び処理係数設定部17aへ出力される。処理係数設定部17aは、テレビ判定部16の判定結果に基づいて、テレビ用音像定位処理フィルタ部14aの処理係数を変更する。
次に、テレビ20の各構成について説明する。
HDMI通信部22は、AVラックスピーカ装置10のHDMI通信部15から多重信号を入力し、HDMI規格に基づいて多重信号を映像信号と音響信号とに分離する。また、HDMI通信部22は、テレビ20の型番情報を含むEDID信号をAVラックスピーカ装置10へ出力する。HDMI通信部22で分離された映像信号は、ディスプレイ23に出力される。HDMI通信部22で分離された音響信号は、スピーカ21a及び21bにそれぞれ出力される。
次に、FIRフィルタ51a及び51bの係数の設定方法について説明する。
式[数3]から明らかなように、FIRフィルタ51a及び51bの最適な係数は、スピーカ21a及び21bのHR伝達関数C1.1〜C1.4によって異なる。これは、HR伝達関数C1.1〜C1.4が、スピーカ21a及び21bの音響伝達関数、テレビ筐体への取り付け状態、及び視聴者4から見た開き角度等が異なること、すなわちテレビ20の種類違いに起因する。また、スピーカ21a及び21bの音響出力能率も、テレビ20の種類によって異なる。このため、AVラックスピーカ装置10の音響出力レベルとテレビ20の音響出力レベルとのバランスも、テレビ20の種類によって異なる。
テレビ判定部16及び処理係数設定部17aは、上記問題を解決するための構成であり、テレビ20の種類に応じてFIRフィルタ51a及び51bの係数と可変乗算器83a及び83bのゲインを最適に設定する処理を行う。
図7に、処理係数設定部17aの詳細な構成を示す。テレビ判定部16は、HDMI通信部15を経てテレビ20からEDID信号を受信する。通常、EDID信号は、ディスプレイ仕様に関する情報を送受信するための規格として規定されているが、HDMI通信部22は、テレビ20の種類(型番)をEDID信号に含めて送信する。テレビ判定部16は、受信したEDID信号からテレビ20の型番を識別し、処理係数設定部17a及び音響信号出力制御部12aに識別信号を出力する。
処理係数設定部17aは、識別信号が入力される処理係数照合部61aと、処理係数データベース62とで構成される。処理係数データベース62には、テレビ20の型番やメーカ等に応じて予め設計されたFIRフィルタ51a及び51bの係数が保持されている。処理係数照合部61aは、テレビ20の識別信号に基づいて処理係数データベース62から最適係数を読み出し、FIRフィルタ51a及び51bに設定する。なお、テレビ20に応じた最適係数が処理係数データベース62に保持されていない場合には、処理係数照合部61aは、例えば保持する全係数の平均値を設定したり、一方のスピーカの位置に音像が定位するように一方のFIRフィルタに係数「1」を他方のFIRフィルタに係数「0」を設定したり、スピーカ21a及び21bから音響出力させないために両方のFIRフィルタに係数「0」を設定したりしてもよい。
次に、図3の可変乗算器83a及び83bのゲイン設定について説明する。
図8は、AVラックスピーカ装置10のスピーカ11a及び11bとテレビ20のスピーカ21a及び21bとに、同レベルの音響信号を入力したときに出力される音響出力のレベル比較を、イメージで示した図である。ゲイン設定部84aは、図8に示すようなAVラックスピーカ装置10とテレビ20との音響出力レベルの差を補正し、かつ所望の音響出力レベルが得られるように可変乗算器83a及び83bのゲインを調整する。
例えば、AVラックスピーカ装置10の音響出力レベルとテレビ20の音響出力レベルとが等しく、かつ視聴者4による音量設定に対する音響出力レベルがP0の状態を考える。テレビ20がテレビAの場合、図3のゲイン設定部84aは、可変乗算器83aに対して音響出力レベルが「ΔP2+ΔP3」分上昇するゲインを与え、可変乗算器83bに対して音響出力レベルが「ΔP1+ΔP2+ΔP3」分上昇するゲインを与えればよい。また、テレビ20がテレビBの場合、ゲイン設定部84aは、可変乗算器83aに対して音響出力レベルが「ΔP2+ΔP3」分上昇するゲインを与え、可変乗算器83bに対して音響出力レベルが「ΔP3]分上昇するゲインを与えればよい。
図9に、第1の実施形態に係る映像音響出力システムによって、視聴者4が知覚する周波数帯域別の音像の位置を示す。
AVラックスピーカ装置10のスピーカ11a及び11bから出力される音響信号は、低域通過部81の処理によって高域成分が十分に減衰されている。よって、スピーカ11a及び11bからは音像の高さ知覚の手がかりとなる高域成分が音響出力されず、低域成分のみが音響出力される。このため、スピーカ11a及び11bからの音響出力によって定位される音像は、高さ方向の定位位置が不明瞭である音像32bとなる。しかしながら、スピーカ11a及び11bは、低い周波数も含め広い周波数帯域で一定の振幅周波数特性で音響出力できるため、視聴者4は高音質の音を聴くことができる。
一方、テレビ20のスピーカ21a及び21bから出力される音響信号は、高域通過部82の処理によって低域成分が十分に減衰されている。よって、スピーカ21a及び21bからは低域成分が音響出力されず、音像の高さ知覚の手がかりとなる高域成分のみが音響出力される。このため、ディスプレイ23とほぼ同じ高さに位置するスピーカ21a及び21bの音響出力によって定位される音像は、音像定位処理の制御誤差に関わらずディスプレイ23の高さにある音像31bの位置に定位する。また、スピーカ21a及び21bからは高域成分のみが音響出力されるので、低域成分の音響出力が難しい廉価なスピーカであっても、十分高音質で高域成分を音響出力することができる。
視聴者4は、これら2つの音を同時に聴くことになり、全体的には音像30bを知覚することができる。なお、低域通過部81及び高域通過部82のカットオフ周波数は、HR伝達関数の振幅周波数特性の形状が平坦でなくなる境となる周波数、具体的には1〜4kHzの範囲にあることが望ましい。すなわち、低域成分の音響信号が少なくとも1kHz以下の周波数成分を含み、高域成分の音響信号が少なくとも4kHz以上の周波数成分を含むことを意味する。このカットオフ周波数は、低域通過部81と高域通過部82とで同じであってもよいし、オーバーラップしていてもよい。後者の場合、音像は大きくなりぼやけるが、音の迫力が増大する。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る映像音響出力システムによれば、高音質スピーカを搭載するAVラックスピーカ装置10からは低域成分を音響出力し、廉価スピーカを搭載するテレビ20からは高域成分を音響出力することで、所定の位置、すなわちテレビ20のディスプレイ23の高さに音像を定位することができる。これにより、視聴者は、高音質であると同時に、映像と音像定位の高さが一致した臨場感が高い音響を、新たに接続ケーブルを用いることなく容易に楽しむことができる。
なお、上記第1の実施形態では、L、R、C等の各チャンネル信号についてテレビ20のスピーカ21a及び21bにおける音像定位処理を行うように説明した。しかし、HDMI規格(バージョン1.3)では、音声信号データ(PCM)は最大8チャンネルしか多重化することができない。このため、例えば一部のチャンネル信号の高域成分だけをテレビ20から音響出力し、残りのチャンネル信号については全帯域成分をAVラックスピーカ装置10から音響出力すればよい。
また、上記第1の実施形態では、AVラックスピーカ装置10及びテレビ20がそれぞれ2個のスピーカを搭載する場合を説明したが、3個以上のスピーカを搭載していてもよい。例えば、AVラックスピーカ装置10がN(N≧3)個のスピーカを搭載する場合、音像定位処理フィルタ部13aにN個のFIRフィルタを用意し、式[数4]を満足する伝達関数G1,1〜G1,Nを各FIRフィルタの係数として与えればよい。
Figure 0005366827
また、上記第1の実施形態では、音像定位処理フィルタ部13a及びテレビ用音像定位処理フィルタ部14aで処理するFIRフィルタの処理係数は、式[数2]及び[数3]を満足するように各々設計される。つまり、AVラックスピーカ装置10の2個のスピーカで1箇所の音響伝達関数を、テレビ20の2個のスピーカで1箇所の音響伝達関数を、それぞれ制御するような構成であった。しかし、これらの合計4個のスピーカを用いて2箇所以上の音響伝達関数を制御する構成にしてもよい。
例えば、4個のスピーカで二人の視聴者の両耳位置の音響伝達関数を制御することが考えられる。図10は、映像音響出力システムと音像定位制御を行う隣り合う二人の視聴者4a及び4bとの位置関係を示す上面図である。図10の(a)は、スピーカ11a及び11bから視聴者4a及び4bの両耳への経路のHR伝達関数C1,1〜C1.8を、図10の(b)は、スピーカ21a及び21bから視聴者4a及び4bの両耳への経路のHR伝達関数C2,1〜C2,8を示している。式[数5]を満足する伝達関数G1,1〜G 2,2 をFIRフィルタの係数として音像定位処理フィルタ部13a及びテレビ用音像定位処理フィルタ部14aに設定すれば、視聴者4a及び4bは、同じ音像定位効果を得ることができる。
Figure 0005366827
さらに、上記第1の実施形態では、音響信号がAVラックスピーカ装置10へ入力される構成を説明したが、図11に示すように、テレビ20へ入力される放送波から得られる音響信号をAVラックスピーカ装置10へ送出してもよい。図11では、放送波受信部24が、受信された放送波を映像信号と音響信号とに分離する。音響信号通信部27は、分離された音響信号をAVラックスピーカ装置10の音響信号通信部73へ送信する。音響信号通信部73は、テレビ20から音響信号を受信し、音響信号出力制御部12aへ出力する。
(第2の実施形態)
図12は、本発明の第2の実施形態に係る映像音響出力システムの詳細な構成を示す図である。第2の実施形態に係るAVラックスピーカ装置10は、スピーカ11a及び11bと、音響信号出力制御部12b及び12cと、音像定位処理フィルタ部75aと、HDMI通信部15と、テレビ判定部16と、処理係数設定部17bとを備える。テレビ20は、スピーカ21a及び21bと、HDMI通信部22と、ディスプレイ23とを備える。
この第2の実施形態のAVラックスピーカ装置10は、上記第1の実施形態のAVラックスピーカ装置10と、音響信号出力制御部12b及び12c、音像定位処理フィルタ部75a、及び処理係数設定部17bが異なる。以下、この異なる構成を中心に第2の実施形態を説明する。図13は、処理係数設定部17b及び音像定位処理フィルタ部75aの詳細な構成を示す図である。
音像定位処理フィルタ部75aは、左スピーカ用のFIRフィルタ76a及び右スピーカ用のFIRフィルタ76bを備え、入力される音響信号の音像定位処理を行う。処理係数設定部17bは、識別信号が入力される処理係数照合部61bと、処理係数データベース62と、処理係数合成部77bとで構成される。処理係数照合部61bは、テレビ判定部16から入力される識別信号に基づいて、テレビ20から音響出力される高域成分を生成するための最適係数を処理係数データベース62から読み出す。処理係数合成部77bは、AVラックスピーカ装置10から音響出力される低域成分を生成するための処理係数を予め保持しており、処理係数照合部61bで読み出された処理係数と合成する。そして、処理係数合成部77bは、合成した処理係数をFIRフィルタ76a及び76bに設定する。
図14に、AVラックスピーカ装置10及びテレビ20から音響出力される成分の境界となる周波数が1kHzの場合に、FIRフィルタ76aに設定される処理係数の一例を示す。図中の上段が係数値であり、下段が振幅周波数特性である。図14の(a)は、処理係数合成部77bに予め保持されている低域成分生成用のフィルタ処理係数G1,1を示す。図14の(b)は、処理係数照合部61bで読み出された高域成分生成用のフィルタ処理係数G2,1を示す。図14の(c)は、式[数6]に基づいてフィルタ処理係数G1,1とフィルタ処理係数G2,1を合成した処理係数G1を示す。
Figure 0005366827
処理係数合成部77bは、左スピーカ用の処理係数G1をFIRフィルタ76aに右スピーカ用の処理係数G1をFIRフィルタ76bにそれぞれ設定する。FIRフィルタ76a及び76bの出力は、音響信号出力制御部12b及び12cを介して、AVラックスピーカ装置10から音響出力される低域成分の音響信号XAV(R)と、テレビ20から音響出力される高域成分の音響信号XTV(R)とに分離される。この音響信号出力制御部12b及び12cは、図3の音響信号出力制御部12aと同様の構成である。
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る映像音響出力システムによれば、高音質スピーカを搭載するAVラックスピーカ装置10からは低域成分を音響出力し、廉価スピーカを搭載するテレビ20からは高域成分を音響出力することで、所定の位置、すなわちテレビ20のディスプレイ23の高さに音像を定位することができる。これにより、視聴者は、高音質であると同時に、映像と音像定位の高さが一致した臨場感が高い音響を、新たに接続ケーブルを用いることなく容易に楽しむことができる。
(第3の実施形態)
上記第1及び第2の実施形態では、様々な音響信号について画一的な音像定位処理を行った。しかし、視聴者によって好みの音質や好みの音像の高さ位置が異なる場合が考えられる。また、視聴するコンテンツに応じてそれらを調整したいという要望もある。そこで、第3の実施形態では、視聴者4が入力する視聴モードに応じて、AVラックスピーカ装置10及びテレビ20から出力する音響信号の振幅周波数特性を制御する構成を説明する。
図15は、本発明の第3の実施形態に係る映像音響出力システムの詳細な構成を示す図である。第3の実施形態に係るAVラックスピーカ装置10は、スピーカ11a及び11bと、音響信号出力制御部12dと、音像定位処理フィルタ部13aと、テレビ用音像定位処理フィルタ部14aと、HDMI通信部15と、テレビ判定部16と、処理係数設定部17aと、視聴モード設定入力部72とを備える。テレビ20は、スピーカ21a及び21bと、HDMI通信部22と、ディスプレイ23とを備える。
この第3の実施形態のAVラックスピーカ装置10は、上記第1の実施形態のAVラックスピーカ装置10と、音響信号出力制御部12d及び視聴モード設定入力部72が異なる。以下、この異なる構成を中心に第3の実施形態を説明する。図16は、音響信号出力制御部12dの詳細な構成を示す図である。
視聴モード設定入力部72は、例えばリモコンの操作ボタンであって、視聴者4が聴きたい音の音質や音像の高さ位置に関する指示を視聴者4から入力する。なお、視聴者4からの指示形態は特に限定しないが、例えば予め音質と音像の高さ位置との組み合わせをパターン化した「映画モード」、「音楽モード」、「高音質モード」、及び「臨場感モード」等の複数の視聴モードを視聴モード設定入力部72に用意しておくと、視聴者4が音質や音像の高さ位置を簡単に指示できる。
視聴モード設定入力部72は、視聴者4からの指示を、音響信号出力制御部12dの処理係数設定部17b及びゲイン設定部84aに与える。処理係数設定部17bは、視聴者4からの指示に従って、AVラックスピーカ装置10からの音響出力周波数とテレビ20からの音響出力周波数の境となる周波数、すなわち低域通過部81及び高域通過部82のカットオフ周波数を設定する。ゲイン設定部84aは、視聴者4からの指示に従って、所定のゲインを可変乗算器83a及び83bに与える。
今、映像との一体感を優先する「映画モード」と音質を優先する「音楽モード」とが予め設定されている場合を、図17を用いて説明する。図17の(a)は、「映画モード」の特性であり、映像との一体感をより高めるため、音響出力の境となるカットオフ周波数fc1が低く設定されている。これにより、より広い周波数帯域の成分がテレビディスプレイ23の高さに音像定位する。また、AVラックスピーカ装置10の音響出力である低域成分のレベルが、通常モードのレベルに対してΔP4だけ高く設定されており、より迫力のある音を視聴者4に聴かせることができる。一方、図17の(b)は、「音楽モード」の特性であり、音響出力の境となるカットオフ周波数fc2が高く設定されている。これにより、高音質スピーカを搭載するAVラックスピーカ装置10の音響出力の周波数帯域がより広くなるため、視聴者4により高音質の音を聴かせることができる。
以上のように、本発明の第3の実施形態に係る映像音響出力システムによれば、好みに応じた音響効果を得ることができる。
なお、本第3の実施形態の構成は、図15に示した第1の実施形態の構成への適用だけでなく、第2の実施形態の構成(図12)への適用も勿論可能である。
(第4の実施形態)
上記第1〜第3の実施形態では、テレビ20側の音像定位処理を全てAVラックスピーカ装置10側で行う構成を説明した。しかしながら、この構成の場合、AVラックスピーカ装置10に全ての処理負荷がかかることになる。そこで、この第4の実施形態では、テレビ20で許容される信号処理量に応じて、テレビ20にも音像定位処理の一部を負担させる構成を説明する。
図18は、本発明の第4の実施形態に係る映像音響出力システムの詳細な構成を示す図である。第4の実施形態に係るAVラックスピーカ装置10は、スピーカ11a及び11bと、音響信号出力制御部12aと、音像定位処理フィルタ部13aと、テレビ用音像定位処理フィルタ部14aと、HDMI通信部15と、テレビ判定部16と、処理係数設定部17aと、処理配分決定部74と、処理量制御部75とを備える。テレビ20は、スピーカ21a及び21bと、HDMI通信部22と、ディスプレイ23と、許容処理量検出部25と、処理量制御部26と、テレビ用音像定位処理フィルタ部27aとを備える。
この第4の実施形態のAVラックスピーカ装置10は、上記第1の実施形態のAVラックスピーカ装置10と、処理配分決定部74及び処理量制御部75が異なる。また、第4の実施形態のテレビ20は、上記第1の実施形態のテレビ20と、許容処理量検出部25、処理量制御部26、及びテレビ用音像定位処理フィルタ部27aが異なる。以下、この異なる構成を中心に第4の実施形態を説明する。
許容処理量検出部25は、音像定位のための信号処理に割り当てられるテレビ20の信号処理量を検出し、検出した許容処理量の情報をCEC信号の一部としてHDMI通信部22に出力する。処理配分決定部74は、テレビ判定部16が出力するテレビ20の種類を示す識別信号と、HDMI通信部15を通じて入力されるテレビ20の許容処理量情報とに基づいて、AVラックスピーカ装置10が行う信号処理の処理量とテレビ20が行う信号処理の処理量とを決定する。この決定された処理配分情報は、処理量制御部75へ出力されると共に、CEC信号の一部としてHDMI通信部15に出力される。
AVラックスピーカ装置10の処理量制御部75は、処理配分情報に基づいて音像定位処理フィルタ部13aのフィルタ数とフィルタ長、及びテレビ用音像定位処理フィルタ部14aのフィルタ数とフィルタ長を設定する。一方、テレビ20の処理量制御部26は、HDMI通信部22を通してAVラックスピーカ装置10から受信した処理配分情報に基づいて、テレビ用音像定位処理フィルタ部27aのフィルタ数及びフィルタ長を設定する。テレビ用音像定位処理フィルタ部27aは、テレビ用音像定位処理フィルタ部14aと同じ構成であり、1つのチャンネル当たり2つのFIRフィルタで入力信号を処理して、スピーカ21a及び21bに出力する。
図19は、AVラックスピーカ装置10で処理する低域成分用の音像定位処理フィルタを全てのチャンネル分について示した図である。図19において、音像定位処理フィルタ13b〜13fは、L、C、SR、SL、及びLFEの各チャンネル信号の低域成分用の音像定位処理フィルタであり、音像定位処理フィルタ部13aと同様にそれぞれ2個のFIRフィルタで構成される。ただし、通常LFEチャンネルに含まれる120Hz以下の低域信号については、音像知覚が困難であり音像定位処理は必要では無い。よって、音像定位処理フィルタ部13fは、FIRフィルタを含まずにスルー処理することが望ましい。加算器44cは、音像定位処理フィルタ部13a〜13fの出力のうちスピーカ11aから音響出力する信号を加算する。加算器44dは、音像定位処理フィルタ部13a〜13fの出力のうちスピーカ11bから音響出力する信号を加算する。加算器44c及び44dの出力は、それぞれスピーカ11a及び11bから音響出力される。なお、テレビ用音像定位処理フィルタ部14aについても同様である。
次に、処理配分決定部74の処理量決定方法について説明する。
処理配分決定部74には、AVラックスピーカ装置10で許容される信号処理量S1の情報が保持されている。また、処理配分決定部74には、許容処理量検出部25からHDMI通信部22及び15経由でテレビ20で許容される信号処理量S2の情報が入力される。処理配分決定部74は、音像定位処理フィルタ部13aとテレビ用音像定位処理フィルタ部14a及び27aとで必要とする信号処理量がS1+S2を越えない範囲で、かつできるだけ高い音像定位効果が得られるように、音像定位処理フィルタ部13a、テレビ用音像定位処理フィルタ部14a及び27aを構成するFIRフィルタのフィルタ長を決定する。
ここで、FIRフィルタのフィルタ長と振幅周波数特性との関係の一例を、図20に示す。図20の(a)は、FIRフィルタのフィルタ係数値を示している。図20の(b)は、(a)に示したフィルタ係数値のうち、1024タップ分を係数として持つフィルタAと、係数値が大きな値を持つ200タップ付近を中心とする128タップ分を係数として持つフィルタBと、200タップ付近を中心とする64タップ分を係数として持つフィルタCについて、振幅周波数特性を示したものである。FIRフィルタは、フィルタ係数の長さ、すなわちフィルタ長が短いほど信号処理量が少ないが、図20の(b)からもわかるように特に低い周波数の特性の分解能が大きくなり、特性精度が低くなってしまう。よって、音像定位処理を行うFIRフィルタは、フィルタ長が短くなった場合、信号処理量が少ないという利点がある一方で、特に低い周波数帯域において特性精度が低くなり、式[数2]及び式[数3]を満足しなくなるため、結果として音像定位効果が悪くなる欠点がある。
図9に示した音像の場合、低域知覚音像32b又は高域知覚音像31bが図示された位置に定位せず、音響出力しているスピーカの近くに定位したり、極端な場合には頭の中で音が鳴っているような感覚(頭内定位)を与えてしまうという問題が発生する。特に、本来視聴者4の斜め後方に定位すべきサラウンドチャンネルの音像が、音像定位処理フィルタ部のフィルタ長が短いがために、音響出力しているスピーカの近くに定位してしまった場合、視聴者4は大きな違和感を感じ、音響的な臨場感は大幅に損なわれてしまう。
処理配分決定部74は、フロントチャンネルを処理するFIRフィルタよりもサラウンドチャンネルを処理するFIRフィルタのフィルタ長を優先し、高域成分を処理するFIRフィルタよりも低域成分を処理するFIRフィルタのフィルタ長を優先するように処理配分を決定する。図21に、各音像定位処理フィルタ部が処理するフィルタ長の例を示す。図21では、例えばAVラックスピーカ装置10にある音像定位処理フィルタ部13a〜13eは、Cチャンネル信号、Lチャンネル信号、及びRチャンネル信号の低域成分を、2個の512タップ−FIRフィルタで処理し、サラウンドLチャンネル信号及びサラウンドRチャンネル信号の低域成分を、2個の1024タップ−FIRフィルタで処理する。なお、処理配分決定部74は、HDMI規格で定められる多重化可能な音声データチャンネル数も併せて考慮した上で最適な処理配分を決定する。
一方、テレビ20は、例えば受信している放送波の種類又は付加機能使用の有無等により、LSI等の信号処理回路への信号処理負荷が変動する。それら信号処理負荷の変動に応じて、音像定位のための信号処理に割り当てられる信号処理量S2も変動する。よって、処理配分決定部74は、変動するS1+S2に応じて、極力音像定位効果を損なわないようなフィルタ長の設定、又は音像定位処理チャンネルを選択するように動作する。
以上のように、本発明の第4の実施形態に係る映像音響出力システムによれば、テレビ20で許容される信号処理量に応じて、音像定位処理をAVラックスピーカ装置10とテレビ20とに適切に配分する。これにより、テレビ20の種類や動作状況に関わらず、視聴者は高い音像定位効果を得ることができる。
なお、本第4の実施形態の構成は、図18に示した第1の実施形態の構成への適用だけでなく、第2の実施形態の構成(図12)及び第3の実施形態の構成(図15)への適用も勿論可能である。
また、図20の(b)に示したように、振幅周波数特性は、フィルタ長が短くなるにつれて特に低域において振幅レベルが減衰する傾向がある。そこで、フィルタ長に応じて、音響信号出力制御部12aを構成する可変乗算器83aのゲインが増加するようにして、不足する低域の振幅レベルを補う構成にしてもよい。又は、可変乗算器83aの代わりに振幅周波数特性が可変のイコライザフィルタを挿入し、フィルタ長に応じて、イコライザフィルタの振幅特性を変更して不足する低域の振幅レベルを補う構成にしてもよい。
さらに、通常、5.1チャンネル音響のコンテンツにおいて、サラウンドチャンネルには効果音等の成分が割り当てられており、フロントチャンネルに比べて音像定位による音響と映像との一体感に与える寄与度は低い。よって、サラウンドチャンネルは周波数分割を行わずにAVラックスピーカ装置10のみから音像定位処理された全周波数成分を音響出力するか、テレビ20のみから音像定位処理された全周波数成分を音響出力してもよい。
(その他の実施形態)
上記第1〜第4の実施形態では、AVラックスピーカ装置10の音量とテレビ20の音量とのバランスが保たれていることを前提に説明した。しかし、AVラックスピーカ装置10やテレビ20には、好みの音量で視聴できるようにそれぞれ音量設定機能が備えられている。
本発明では、各スピーカから出力される音の周波数帯域が異なるため、AVラックスピーカ装置10又はテレビ20で独立に音量変更した場合には、音響出力レベルのバランスが崩れて音質が悪くなる問題が発生する。よって、視聴者4が入力する音量設定に関わらずAVラックスピーカ装置10とテレビ20の音響出力レベルのバランスを一定に保つような工夫が必要である。
図22に、その構成の一例を示す。この例では、AVラックスピーカ装置10側にある音量設定入力部71で音量を制御する場合を示している。音量設定入力部71に視聴者4から音量変更の指示が入力されると、ゲイン設定24bは、その音量変更の指示に応じて可変乗算器83c及び83dのゲインを制御する。一方、この音量変更の指示は、HDMI通信部15及び22を介して、ゲイン設定24cにも出力される。ゲイン設定24cは、音量変更の指示に応じて可変乗算器83e及び83fのゲインを制御する。
なお、音量変更の指示に応じた制御対象は、スピーカへ入力されるアナログ信号のゲイン以外であっても構わない。また、音量設定入力部71がテレビ20側にあってもよい。
本発明の映像音響出力システムは、映像と音像定位の高さを一致させたい場合等に適用可能である。
4、4a、4b、104 視聴者
10 AVラックスピーカ装置
11a、11b、21a、21b、102a〜102f スピーカ
12a〜12d 音響信号出力制御部
13a〜13f、75a 音像定位処理フィルタ部
14a、27a テレビ用音像定位処理フィルタ部
15、22 HDMI通信部
16 テレビ判定部
17a、17b 処理係数設定部
20 テレビ
23、105 ディスプレイ
24 放送波受信部
24c、84a ゲイン設定部
25 許容処理量検出部
26、75 処理量制御部
27、73 音響信号通信部
30a、30b、31b、32b、103a、103b 音像
33a、33b、42a、42b、43a〜43h、51a、51b、76a、76b、101a、101b FIRフィルタ
41a、41b 適応フィルタ
44a〜44d、111a、111b 加算器
45a、45b フィルタ係数更新部
61a、61b 処理係数照合部
62 処理係数データベース
71 音量設定入力部
72 視聴モード設定入力部
74 処理配分決定部
77b 処理係数合成部
81 低域通過部
82 高域通過部
83a〜83f 可変乗算器
106 処理回路
107 イコライザ
108 帯域通過フィルタ
110a〜110d 増幅器

Claims (17)

  1. 音響出力装置と当該音響出力装置の上方に設置される映像音響出力装置とで構成され、音響信号の音像を所定の位置に定位させて出力する映像音響出力システムであって、
    前記音響出力装置は、
    前記音響信号から、低域成分の音響信号及び高域成分の音響信号を抽出する音響信号出力制御部と、
    前記低域成分の音響信号を音像定位処理する第1の音像定位処理フィルタ部と、
    前記第1の音像定位処理フィルタ部が出力する複数の低域成分の音響信号を音響出力する複数の第1のスピーカと、
    前記高域成分の音響信号を音像定位処理する第2の音像定位処理フィルタ部と、
    前記第2の音像定位処理フィルタ部が出力する複数の高域成分の音響信号を、前記映像音響出力装置へ伝送する第1の通信部とを備え、
    前記映像音響出力装置は、
    前記音響出力装置から伝送される前記複数の高域成分の音響信号を受信する第2の通信部と、
    前記複数の高域成分の音響信号を音響出力する複数の第2のスピーカと、
    映像信号を表示する映像表示部とを備え、
    前記低域成分の音響信号は、少なくとも1kHz以下の周波数成分を含み、
    前記高域成分の音響信号は、少なくとも4kHz以上の周波数成分を含み、
    前記第2の音像定位処理フィルタ部は、前記映像音響出力装置に関する情報を基に、前記映像音響出力装置の設置される高さに音像が定位するように、前記高域成分の音響信号を音像定位処理することを特徴とする、映像音響出力システム。
  2. 前記音響信号出力制御部は、
    前記音響信号のうち低域成分の音響信号だけを通過させる低域通過フィルタと、
    前記音響信号のうち高域成分の音響信号だけを通過させる高域通過フィルタとを含む、請求項1に記載の映像音響出力システム。
  3. 前記音響出力装置は、前記映像音響出力装置から得られる情報に基づいて、前記映像音響出力装置の種類を判定する判定部をさらに備え、
    前記音響信号出力制御部は、前記判定部の判定結果に基づいて、前記低域通過フィルタの通過後の音響信号レベル及び前記高域通過フィルタの通過後の音響信号レベルを制御する、請求項2に記載の映像音響出力システム。
  4. 前記第2の音像定位処理フィルタ部は、前記判定部の判定結果に基づいて算出された係数を基に、前記高域通過フィルタの通過後の音響信号に対して音像定位処理を施す、請求項3に記載の映像音響出力システム。
  5. 前記第1の音像定位処理フィルタ部は、前記判定部の判定結果に基づいて、音像定位処理を制御する、請求項3に記載の映像音響出力システム。
  6. 前記音響出力装置は、視聴者の嗜好を反映させた視聴モードを入力する視聴モード入力部をさらに備え、
    前記音響信号出力制御部は、前記視聴モード入力部に入力された視聴モードに基づいて、前記低域通過フィルタのカットオフ周波数及び通過後の音響信号レベル、及び前記高域通過フィルタのカットオフ周波数及び通過後の音響信号レベルを制御する、請求項2に記載の映像音響出力システム。
  7. 前記音響出力装置は、視聴者が設定した音量値を入力する音量設定入力部をさらに備え、前記音量設定入力部に入力された音量値に基づいて、前記第1のスピーカに入力される低域成分の音響信号レベルを制御する、請求項1に記載の映像音響出力システム。
  8. 前記映像音響出力装置は、前記音量設定入力部に入力された音量値を前記音響出力装置から取得し、前記音量設定入力部に入力された音量値に基づいて、前記第2のスピーカに入力される高域成分の音響信号レベルを制御する、請求項に記載の映像音響出力システム。
  9. 前記音響出力装置は、
    前記映像音響出力装置から得られる音像定位のための信号処理に割り当てられる信号処理量に基づいて、前記音響出力装置が行う音像定位処理量と前記映像音響出力装置が行う音像定位処理量との配分を決定する処理配分決定部と、
    前記処理配分決定部で決定された配分に従って、前記第1の音像定位処理フィルタ部が行う音像定位処理を制御する第1の処理量制御部とをさらに備え、
    前記映像音響出力装置は、
    前記第2の通信部で受信された前記高域成分の音響信号を音像定位処理して前記複数の第2のスピーカに出力する第3の音像定位処理フィルタ部と、
    前記音響出力装置から与えられる前記処理配分決定部で決定された配分に従って、前記第3の音像定位処理フィルタ部が行う音像定位処理を制御する第2の処理量制御部とをさらに備える、請求項1に記載の映像音響出力システム。
  10. 音響出力装置と当該音響出力装置の上方に設置される映像音響出力装置とで構成され、音響信号の音像を所定の位置に定位させて出力する映像音響出力システムであって、
    前記音響出力装置は、
    前記音響信号を音像定位処理する第1の音像定位処理フィルタ部と、
    前記第1の音像定位処理フィルタ部が出力する複数の音響信号に対応して設けられ、各音響信号から低域成分の音響信号及び高域成分の音響信号をそれぞれ抽出する複数の音響信号出力制御部と、
    前記複数の音響信号出力制御部でそれぞれ抽出された複数の低域成分の音響信号を音響出力する複数の第1のスピーカと、
    前記複数の音響信号出力制御部でそれぞれ抽出された複数の高域成分の音響信号を、前記映像音響出力装置へ送出する第1の通信部とを備え、
    前記映像音響出力装置は、
    前記音響出力装置から伝送される前記複数の高域成分の音響信号を受信する第2の通信部と、
    前記複数の高域成分の音響信号を音響出力する複数の第2のスピーカと、
    映像信号を表示する映像表示部とを備え、
    前記低域成分の音響信号は、少なくとも1kHz以下の周波数成分を含み、
    前記高域成分の音響信号は、少なくとも4kHz以上の周波数成分を含み、
    前記第1の音像定位処理フィルタ部は、前記映像音響出力装置に関する情報を基に、前記映像音響出力装置の設置される高さに音像が定位するように音像定位処理することを特徴とする、映像音響出力システム。
  11. 前記複数の音響信号出力制御部は、それぞれ
    前記音響信号のうち低域成分の音響信号だけを通過させる低域通過フィルタと、
    前記音響信号のうち高域成分の音響信号だけを通過させる高域通過フィルタとを含む、請求項10に記載の映像音響出力システム。
  12. 前記音響出力装置は、前記映像音響出力装置から得られる情報に基づいて、前記映像音響出力装置の種類を判定する判定部をさらに備え、
    前記複数の音響信号出力制御部は、前記判定部の判定結果に基づいて、前記低域通過フィルタの通過後の音響信号レベル及び前記高域通過フィルタの通過後の音響信号レベルをそれぞれ制御する、請求項11に記載の映像音響出力システム。
  13. 前記第1の音像定位処理フィルタ部は、前記判定部の判定結果に基づいて、音像定位処理を制御する、請求項12に記載の映像音響出力システム。
  14. 前記音響出力装置は、視聴者の嗜好を反映させた視聴モードを入力する視聴モード入力部をさらに備え、
    前記複数の音響信号出力制御部は、前記視聴モード入力部に入力された視聴モードに基づいて、前記低域通過フィルタのカットオフ周波数及び通過後の音響信号レベル、及び前記高域通過フィルタのカットオフ周波数及び通過後の音響信号レベルをそれぞれ制御する、請求項11に記載の映像音響出力システム。
  15. 前記音響出力装置は、視聴者が設定した音量値を入力する音量設定入力部をさらに備え、前記音量設定入力部に入力された音量値に基づいて、前記第1のスピーカに入力される低域成分の音響信号レベルを制御する、請求項10に記載の映像音響出力システム。
  16. 前記映像音響出力装置は、前記音量設定入力部に入力された音量値を前記音響出力装置から取得し、前記音量設定入力部に入力された音量値に基づいて、前記第2のスピーカに入力される高域成分の音響信号レベルを制御する、請求項15に記載の映像音響出力システム。
  17. 前記音響出力装置は、
    前記映像音響出力装置から得られる音像定位のための信号処理に割り当てられる信号処理量に基づいて、前記音響出力装置が行う音像定位処理量と前記映像音響出力装置が行う音像定位処理量との配分を決定する処理配分決定部と、
    前記処理配分決定部で決定された配分に従って、前記第1の音像定位処理フィルタ部が行う音像定位処理を制御する第1の処理量制御部とをさらに備え、
    前記映像音響出力装置は、
    前記第2の通信部で受信された前記高域成分の音響信号を音像定位処理して前記複数の第2のスピーカに出力する第2の音像定位処理フィルタ部と、
    前記音響出力装置から与えられる前記処理配分決定部で決定された配分に従って、前記第2の音像定位処理フィルタ部が行う音像定位処理を制御する第2の処理量制御部とをさらに備える、請求項10に記載の映像音響出力システム。
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