JP5103522B2 - 音声再生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のスピーカにより音声を再生する音声再生装置に関する。
車載用のオーディオ再生装置では、左右のスピーカが聴取者に対して左右非対称な場所に取り付けられている。例えば、運転席では右スピーカの音(ステレオ右信号)が大きく、左スピーカの音(ステレオ左信号)が小さく聞こえる。良好なステレオ感を得るためには、左右のスピーカからの音圧レベルのバランスを等しくする必要がある。運転席において左右の音圧レベルのバランスを等しくするために左スピーカの音をアンプにより大きくすると、助手席においては左スピーカの音がさらに大きくなってしまう。よって、運転席及び助手席で左右スピーカの音圧レベルのバランスを整える技術が求められている。
このような観点から、特許文献1では、スピーカの指向性を利用することで、運転席及び助手席において帯域毎にほぼ同じ音圧レベルを実現している。しかし、特許文献1の手法は以下の問題を有する。
第1の問題は、所望の特性が得られるのが、3kHz以上という低い周波数の帯域に限られることである。第2の問題は、この手法がスピーカの特性に依存するため、車種やスピーカレイアウトの変換に柔軟に対応できないことである。
特開平5−161192号公報
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、左右の席において同一の音圧レベルで音声を再生することができ、高い周波数帯域においても効果があり、スピーカレイアウトの変化にも柔軟に対応できる音声再生装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、音場内に配置された2つのスピーカに接続された音声再生装置であって、1チャンネルの入力信号を受け取る入力手段と、前記入力信号を遅延する遅延手段と、前記遅延手段により遅延された入力信号を前記2つのスピーカのうちの一方のスピーカに出力し、前記入力手段が受け取った入力信号を前記2つのスピーカのうちの他方のスピーカに出力する出力手段と、を備え、前記遅延手段は、前記入力信号に対して、複数の帯域毎に異なる遅延量で遅延を与え、前記遅延手段は、周波数が高い帯域ほど遅延量を大きくすることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、音場内に配置された2組のスピーカに接続された音声再生装置であって、2チャンネルの入力信号を受け取る入力手段と、前記2チャンネルの入力信号をそれぞれ遅延する遅延手段と、前記2組のスピーカのそれぞれについて、前記遅延手段により遅延された入力信号を一方のスピーカに出力し、前記入力手段が受け取った入力信号を他方のスピーカに出力する出力手段と、を備え、前記遅延手段は、前記入力信号に対して、当該入力信号が有する複数の帯域毎に異なる遅延量で遅延を与え、前記遅延手段は、周波数が高い帯域ほど遅延量を大きくすることを特徴とする。
実施例に係るスピーカレイアウトを模式的に示す。 音声再生装置の構成を示すブロック図である。 運転席及び助手席における音圧レベルの分布を示す。 運転席と助手席の音圧レベル差を示す。 第1実施例における周波数帯域毎の最適な遅延量を示す。 周波数帯域毎の運転席と助手席の音圧レベル差を示す。 第2実施例における遅延量線分を示す。 第2実施例における右チャンネル信号の最適な遅延量を示す。 第2実施例における左チャンネル信号の最適な遅延量を示す。
符号の説明
5L、5R 入力信号
6L、6R ミキサ
7L、7R 1ch処理部
8R 帯域分割部
9R 遅延部
本発明の好適な実施形態では、音場内に配置された2つのスピーカに接続された音声再生装置は、1チャンネルの入力信号を受け取る入力手段と、前記入力信号を遅延する遅延手段と、前記遅延手段により遅延された入力信号を前記2つのスピーカのうちの一方のスピーカに出力し、前記入力手段が受け取った入力信号を前記2つのスピーカのうちの他方のスピーカに出力する出力手段と、を備え、前記遅延手段は、前記入力信号に対して、複数の帯域毎に異なる遅延量で遅延を与える。
上記の音声再生装置は、音場内の2つのスピーカから1チャンネルの信号を再生する。1チャンネルの入力信号は、遅延手段により遅延される。遅延手段は、入力信号を、複数の帯域毎に異なる遅延量で遅延する。2つのスピーカのうち一方のスピーカには、遅延手段により遅延された信号が出力され、他方のスピーカには入力信号がそのまま出力される。
上記の音声再生装置の一態様では、前記遅延手段は、前記2つのスピーカから出力される音声について、前記音場内の1つの聴取位置における音圧と、他の聴取位置における音圧との差がゼロとなるように前記入力信号を遅延する。
上記の音声再生装置の他の一態様では、前記遅延手段は、前記2つのスピーカから出力される音声について、前記音場内の1つの聴取位置における音圧と、他の聴取位置における音圧との差が最大となるように前記入力信号を遅延する。
好適な例では、前記遅延手段は、周波数が高い帯域ほど遅延量を大きくする。また、他の好適な例では、前記一方のスピーカは前記音場において聴取位置から近いほうのスピーカであり、前記他方のスピーカは前記聴取位置から遠いほうのスピーカである。
好適な例では、前記遅延手段は、前記入力信号を前記複数の帯域に分割する帯域分割部と、前記帯域分割手段により分割された複数の帯域の信号に対して、異なる遅延量で遅延を与える遅延部と、を備える。
本発明の他の好適な実施形態では、音場内に配置された2組のスピーカに接続された音声再生装置は、2チャンネルの入力信号を受け取る入力手段と、前記2チャンネルの入力信号をそれぞれ遅延する遅延手段と、前記2組のスピーカのそれぞれについて、前記遅延手段により遅延された入力信号を一方のスピーカに出力し、前記入力手段が受け取った入力信号を他方のスピーカに出力する出力手段と、を備え、前記遅延手段は、前記入力信号に対して、当該入力信号が有する複数の帯域毎に異なる遅延量で遅延を与える。
上記の音声再生装置は、2チャンネルの信号を2組のスピーカで再生する。即ち、1チャンネルの信号を1組のスピーカで再生し、他の1チャンネルの信号を他の1組のスピーカで再生する。各チャンネルについて、1チャンネルの入力信号は遅延手段により遅延される。遅延手段は、入力信号を、複数の帯域毎に異なる遅延量で遅延する。また、各チャンネルについて、2つのスピーカのうち一方のスピーカには、遅延手段により遅延された信号が出力され、他方のスピーカには入力信号がそのまま出力される。
上記の音声再生装置の一態様では、前記遅延手段は、前記2組のスピーカから出力される音声それぞれについて、前記音場内の1つの聴取位置における音圧と、他の聴取位置における音圧との差がゼロとなるように前記入力信号を遅延する。
上記の音声再生装置の他の一態様では、前記遅延手段は、前記2組のスピーカから出力される音声それぞれについて、前記音場内の1つの聴取位置における音圧と、他の聴取位置における音圧との差が最大となるように前記入力信号を遅延する。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[第1実施例]
図1に、第1実施例の音声再生装置に係るスピーカレイアウトを示す。図1は、車内におけるスピーカ及び聴取者(リスナ)位置を模式的に示す。車内にはフロント右(R)スピーカFR、リア右(R)スピーカRR、フロント左(L)スピーカFL、リア左(L)スピーカRLの合計4つのスピーカが配置される。また、運転席は右スピーカ寄りにあり、助手席は左スピーカ寄りにある。4つのスピーカ、運転席及び助手席の位置関係は図1に示す数値の通りである。
図示のように、運転席は、フロント右スピーカFRとリア右スピーカRRを結ぶ線分に対して垂直な線分L1上に存在する。また、助手席は、フロント左スピーカFLとリア左スピーカRLを結ぶ線分に対して垂直な線分L2上に存在する。ここで、本実施例では、線分L1と線分L2は延長線上にあり、よって運転席と助手席は同一線上にある。即ち、運転席と助手席は、ともに2つの右スピーカを結ぶ線分と垂直な線分L1上にあり、かつ、2つの左スピーカを結ぶ線分と垂直な線分L2上にある。なお、運転席及び助手席は本発明における聴取位置に相当する。
図2(a)は、第1実施例の音声再生装置の構成を概略的に示す。右スピーカ用の入力信号5Rは、1ch処理部7Rへ入力される。1ch処理部7Rは、入力信号5Rに対して遅延制御処理を行い、フロント右スピーカFR及びリア右スピーカRRへ供給する。同様に、左スピーカ用の入力信号5Lは、1ch処理部7Lへ入力される。1ch処理部7Lは、入力信号5Lに対して遅延制御処理を行い、フロント左スピーカFL及びリア左スピーカRLへ供給する。
右スピーカ用の1ch処理部7Rの構成を図2(b)に示す。1ch処理部7Rは、ミキサ6Rと、帯域分割部8Rと、遅延部9Rとを備える。1ch処理部7Rでは、まず、入力信号5Rは、信号処理を施されることなく、直接リア右スピーカRRへ出力される。また、入力信号5Rは帯域分割部8Rにも供給される。帯域分割部8Rは複数の帯域分割フィルタなどを備え、入力信号5Rを所定の複数帯域の信号に分割する。具体的に、帯域分割部8Rは、各帯域幅を1/3オクターブとし、各帯域の中心周波数f(1)〜f(N)を250Hz〜2kHzとする。
分割された各帯域の信号は、遅延部9Rへ送られる。遅延部9Rは、各帯域の信号に対して異なる遅延量の遅延を与え、ミキサ6Rへ出力する。ミキサ6Rは、遅延部9Rにより帯域毎に異なる遅延が与えられた信号を合成し、フロント右スピーカFRへ出力する。
左スピーカ用の1ch処理部7Lの構成は基本的に右スピーカ用の1ch処理部7Rと同一である。即ち、1ch処理部7Lは、入力信号5Lを所定の複数の帯域に分割し、帯域毎に異なる遅延を与えてフロント左スピーカFLへ出力する。同時に、1ch処理部7Lは、入力信号5Lをそのままリア左スピーカRLへ出力する。
上記の1ch処理部7Rを動作させ、各帯域の遅延量を変えたときの運転席での音圧分布を図3(a)に示す。なお、図3(a)は音圧値(dB)を等高線により示している。縦軸は周波数であり、横軸は遅延量である。図示のように、遅延量が約1msecのときに全帯域にわたり音圧が大きくなっている(0〜−2dB)。即ち、遅延量が約1msecのときに、フロント右スピーカFRとリア右スピーカRRの距離差が遅延によりちょうど補正され、2つのスピーカから出力される音が最も強め合っていることがわかる。
一方、上記の1ch処理部7Rを動作させ、各帯域の遅延量を変えたときの助手席での音圧分布を図3(b)に示す。図3(b)も音圧値(dB)を等高線により示している。縦軸は周波数であり、横軸は遅延量である。図示のように、遅延量が約0.7msecのときに全帯域にわたり音圧が大きくなっている(−2〜−4dB)。助手席では運転席と比べて、フロント右スピーカFRまでの距離とリア右スピーカRRまでの距離との差が小さいため、運転席よりも小さい遅延量で高い音圧が得られている。
次に、図3(a)の音圧分布から図3(b)の音圧分布を減算したものを図4に示す。即ち、図4は、(運転席−助手席)の音圧分布である。図4において、音圧値がほぼゼロとなる点、即ち運転席と助手席の音圧がほぼ等しくなる点が作る線分を複数の破線70で示す。図示のように、運転席と助手席の音圧がほぼ等しくなる線分は周期的に複数存在する。このうち、(1)最も音圧が大きくなる、及び、(2)広い周波数帯域をカバーしている、という条件を考慮し、線分70xを、遅延量を決定するための線分(以下、「遅延量線分」と呼ぶ。)と決定する。遅延量線分70xは、運転席と助手席の音圧がほぼ等しくなる(音圧差がゼロとなる)場合の各周波数帯域の遅延量を与える。
遅延量線分70xに基づいて定められた各周波数帯域の最適遅延量を図5(a)に示す。図5(a)では、横軸が周波数を示し、縦軸が最適遅延量を示す。さらに、図5(a)に示す最適遅延量を位相(radian)に変換し、対数周波数でプロットしたものを図5(b)に示す。最適遅延量は、対数周波数に対してほぼ直線的に増加することがわかる。なお、図5(b)は、最適遅延量の線分を直線近似したものを併せて示す。直線近似により得られた直線は、
p(f) = a*log10(f)+b (式1)
なお、a=13.8、b=−36.5、p:位相[radian]、f:周波数[Hz]である。
以上より、図5(b)に示す周波数と遅延量の特性に従って、図2に示す1ch処理部7Rにおける遅延部9Rの各帯域の遅延量を決定すれば、フロント右スピーカFR及びリア右スピーカRRから出力された音声が、運転席と助手席とで同じレベルで聴こえることになる。
図6は、上記の遅延制御処理を行った場合と行わない場合における運転席と助手席の音圧レベルの差を示す。横軸は周波数を示し、縦軸は運転席と助手席の音圧レベル差を示す。なお、グラフ71(処理前)は遅延制御処理を行わない場合の音圧レベル差を示し、グラフ72(処理後)は遅延制御処理を行った場合の音圧レベル差を示す。グラフ71が示すように、遅延制御処理を行わない場合は、周波数毎に音圧レベル差が大きく、最大で12dB程度の差が生じている。これに対し、グラフ72が示すように、遅延制御処理を行った場合は、どの周波数でも音圧レベル差は2dB以内に抑えられている。
上記の説明において、図3乃至図6に示す特性はいずれも図1に示すスピーカレイアウトの場合のものであるが、スピーカレイアウトが変わっても、同様の手法により、遅延制御処理を行うことができる。スピーカレイアウトが変わると、フロントスピーカ及びリアスピーカから運転席及び助手席までの距離が変わることになるが、その場合は、図3(a)に示す運転席の音圧分布及び図3(b)に示す助手席の音圧分布において、横軸の遅延量が変化するだけである。よって、演算により求めた(運転席−助手席)の音圧分布において、遅延量線分は図4と同様にグラフ中央上部から左右下方へ向かう線分となり、遅延量線分から求められる最適遅延量の特性は、全体としては図5(b)と同様に右上がりの傾向となる。従って、本実施例の手法は、スピーカレイアウトが異なる車両についても普遍的に適用することができる。
以上の説明は右スピーカについてのものであるが、左スピーカについても同様に遅延制御処理を行い、周波数帯域毎の遅延量を設定することができる。即ち、2つの左スピーカについても、運転席の音圧分布及び助手席の音圧分布を測定し、減算により(運転席−助手席)の音圧分布を生成し、その分布上で音圧レベル差がほぼゼロとなる最適遅延量を取得する。そして、最適遅延量に基づいて周波数帯域毎の遅延量を決定すればよい。
本実施例の手法はフロントスピーカの時間のみを調整するため、車両の後部座席へはフロントスピーカからの音がさらに遅れ、距離の分だけ減衰して到達する。そのため、前方座席(運転席及び助手席)で起こっているような音の干渉は起こりにくい。よって、後部座席に座っている者は、主に何も処理していないリアスピーカからの音声によりステレオ再生を楽しむことができる。また、本実施例の手法は、イコライザのように電気的に周波数特性を変化させるものではないため、車内のどの座席においても高音質で音楽を楽しむことができる。
[第2実施例]
第2実施例において、スピーカレイアウトは図1に示すものと同様であり、装置構成は図2に示すものと同じである。
上記の第1実施例では、運転席と助手席の音圧レベルが等しくなるように遅延量を制御した。これに対し、第2実施例では、運転席と助手席の音圧レベル差が最大となるように遅延量を制御する。
図7は、図4と同じ図であり、第1実施例と同様の構成でフロント右スピーカFR及びリア右スピーカRRから信号を出力した場合の運転席と助手席の音圧差を示す。ここで、運転席と助手席の音圧差(運転席−助手席)が最大となる点を結んだ線分が遅延量線分80である。即ち、遅延量線分80に基づいて各周波数帯域の遅延量を決定すれば、2つの右スピーカから出力される音声について、運転席と助手席の音圧差を最大とすることができる。
図8(a)は、遅延量線分80に基づいて決定した最適遅延量(radian)を示す。図8(a)は横軸が周波数を示す対数軸であり、縦軸が最適遅延量を示す。なお、図8(a)は、最適遅延量のプロットに基づいて得られた直線近似線分も示す。この直線近似線分は以下の式で示される。
p(f)=a*log10(f)+b (式2)
なお、a=9.3、b=−20.0である。
図8(a)に従って各周波数帯域の遅延量を決定すれば、2つの右スピーカFR及びRRから出力される音声の音圧レベルが運転席で最大となる。
図8(b)は、上記の処理を行った場合と行わない場合における運転席と助手席の音圧レベル差を示す。上記の処理を行わない場合、グラフ83が示すように、運転席と助手席の音圧レベル差は周波数帯域によって大きく異なる。これに対し、上記の処理を行った場合、グラフ84に示すように、運転席と助手席の音圧レベル差はグラフ83より全体的に大きく、最大で15dB程度確保できる。
図7に戻り、運転席と助手席の音圧差(助手席−運転席)が最大となる点を結んだ線分が遅延量線分81である。遅延量線分81は、(運転席−助手席)の音圧差が負の最大値となる線分である。図1に示すように、左右のスピーカは左右対称に配置されているので、遅延量線分81は、2つの左スピーカFL及びRLから出力される音声について、助手席における音圧レベルが最大となる線分と等価である。よって、左スピーカ用の入力信号については、遅延量線分81に基づいて最適遅延量を決定すればよい。
図9(a)は、遅延量線分81に基づいて決定された最適遅延量(radian)を示す。図9(a)は横軸が周波数を示す対数軸であり、縦軸が最適遅延量を示す。なお、図9(a)は、最適遅延量のプロットに基づいて得られた直線近似線分も示す。この直線近似線分は以下の式で示される。
p(f)=a*log10(f)+b (式2)
なお、a=13.0、b=−35.0である。
図9(a)に従って各周波数帯域の遅延量を決定すれば、2つの左スピーカFL及びRLから出力される音声の音圧レベルが助手席で最大となる。
図9(b)は、上記の処理を行った場合と行わない場合における運転席と助手席の音圧レベル差を示す。上記の処理を行わない場合、グラフ85が示すように、運転席と助手席の音圧レベル差は周波数帯域によって大きく異なる。これに対し、上記の処理を行った場合、グラフ86に示すように、運転席と助手席の音圧レベル差はグラフ85より全体的に大きくなっている。
このように、第2実施例では、運転席と助手席との音圧レベル差が最大となるように遅延量を決定することにより、左右のスピーカから出力される音声の音圧レベル差を運転席又は助手席で最大とすることができる。これにより、例えば運転席については2つの右スピーカからの音圧レベル差が最大となるようにして、カーナビゲーションの案内音声を運転席のみに聞こえるようにすることができる。
[変形例]
本発明は、2つのスピーカを結ぶ線分に対して垂直な線分上に配置された2席での音圧を等しくする装置を提供する。よって、上記の実施例のみならず、前方2つのスピーカを用いて、前後に配置される2席で音圧を等しくすることも可能である。これは、モノラル信号や5.1chサラウンドのセンター信号などを2つの前方スピーカで再生する場合に有効である。
本発明は、車載用オーディオ装置の音場補正に利用することができる。

Claims (10)

  1. 音場内に配置された2つのスピーカに接続された音声再生装置であって、
    1チャンネルの入力信号を受け取る入力手段と、
    前記入力信号を遅延する遅延手段と、
    前記遅延手段により遅延された入力信号を前記2つのスピーカのうちの一方のスピーカに出力し、前記入力手段が受け取った入力信号を前記2つのスピーカのうちの他方のスピーカに出力する出力手段と、を備え、
    前記遅延手段は、前記入力信号に対して、複数の帯域毎に異なる遅延量で遅延を与え
    前記遅延手段は、周波数が高い帯域ほど遅延量を大きくすることを特徴とする音声再生装置。
  2. 前記遅延手段は、各帯域の移相量を対数周波数に正比例した値に設定することを特徴とする請求項1に記載の音声再生装置。
  3. 前記遅延手段は、前記2つのスピーカから出力される音声について、前記音場内の1つの聴取位置における音圧と、他の聴取位置における音圧との差がゼロとなるように前記入力信号を遅延することを特徴とする請求項1又は2に記載の音声再生装置。
  4. 前記遅延手段は、前記2つのスピーカから出力される音声について、前記音場内の1つの聴取位置における音圧と、他の聴取位置における音圧との差が最大となるように前記入力信号を遅延することを特徴とする請求項1又は2に記載の音声再生装置。
  5. 前記一方のスピーカは前記音場において聴取位置から近いほうのスピーカであり、前記他方のスピーカは前記聴取位置から遠いほうのスピーカであることを特徴とする請求項1に記載の音声再生装置。
  6. 前記遅延手段は、
    前記入力信号を前記複数の帯域に分割する帯域分割部と、
    前記帯域分割手段により分割された複数の帯域の信号に対して、異なる遅延量で遅延を与える遅延部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の音声再生装置。
  7. 音場内に配置された2組のスピーカに接続された音声再生装置であって、
    2チャンネルの入力信号を受け取る入力手段と、
    前記2チャンネルの入力信号をそれぞれ遅延する遅延手段と、
    前記2組のスピーカのそれぞれについて、前記遅延手段により遅延された入力信号を一方のスピーカに出力し、前記入力手段が受け取った入力信号を他方のスピーカに出力する出力手段と、を備え、
    前記遅延手段は、前記入力信号に対して、当該入力信号が有する複数の帯域毎に異なる遅延量で遅延を与え
    前記遅延手段は、周波数が高い帯域ほど遅延量を大きくすることを特徴とする音声再生装置。
  8. 前記遅延手段は、各帯域の移相量を対数周波数に正比例した値に設定することを特徴とする請求項7に記載の音声再生装置。
  9. 前記遅延手段は、前記2組のスピーカから出力される音声それぞれについて、前記音場内の1つの聴取位置における音圧と、他の聴取位置における音圧との差がゼロとなるように前記入力信号を遅延することを特徴とする請求項7又は8に記載の音声再生装置。
  10. 前記遅延手段は、前記2組のスピーカから出力される音声それぞれについて、前記音場内の1つの聴取位置における音圧と、他の聴取位置における音圧との差が最大となるように前記入力信号を遅延することを特徴とする請求項7又は8に記載の音声再生装置。
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