JP2013165387A - 車載用オーディオ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両において、座席の向きが変わった場合にも、聴者に対して音場の違和感を感じさせず、適切な音声信号の出力を維持させることが可能な音声出力設定装置及び音声出力設定方法などを提供する。
【解決手段】車両において、互いに異なる位置に固定設置された複数スピーカへの音声信号の出力を設定する音声出力設定装置であって、座席の向きに応じて各前記スピーカの音声信号の出力が設定された音声出力設定テーブルを記憶した記憶手段と、検出された座席の向きに基づいて前記記憶手段から音声出力テーブルを参照して各前記スピーカへの前記音声信号の出力をそれぞれ設定する出力設定手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の座席の向きが変わった場合にも、聴者に違和感のない音場を提供することが可能な車載用オーディオ装置に関するものである。
従来の座席の回転に伴う音場制御装置として、各スピーカへの音声信号の割り当て、出力音響、出力タイミングを変えるといった制御装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2006−20198号公報(15頁、第4、5、6図)
車両において、一般に複数のスピーカは、車両の互いに異なる位置、例えば、車両内の前方(Front)のドア、左側部、右側下部、左側上部、右側上部、及び後方(Rear)のドア、左側下部、右側下部等の異なった位置にそれぞれ固定設置されている。また、各スピーカの再生可能帯域(口径)は、例えば、Frontドア左側下部とFrontドア右側下部に搭載されるスピーカは、大口径で低〜中域の再生能力が高く、Frontドア右側上部とFrontドア左側上部に搭載されるスピーカは、小口径で高域の再生能力が高い。また、Rearドア左側下部とRearドア右側下部に搭載されるスピーカは、中口径で中域の再生能力が高いといったように再生可能な帯域が異なる。
このため、純正向け車載用オーディオ装置では、車両の互いに異なる位置に固定された複数のスピーカの搭載位置とそれぞれのスピーカの再生可能な帯域が考慮された設計となっている。これによって、例えば聴者が進行方向を向いた状態において、運転席をはじめ、それぞれの座席の聴者に対して最適な音場が提供されている。
しかしながら、近年ワンボックス車やバス等の車両には、回転式の座席が備えられるようになっており、当該座席が回転しその向きが変わった場合、複数スピーカの配置と種類は変わらないため、その向きが変わった座席の聴者に対して、スピーカの位置と種類が変化(音場が変化)し、聴者に違和感のある音場を与えるといった問題が生じる。
この問題を解消することを目的とした従来技術においては、互いに異なる位置に固定設置された複数のスピーカの搭載位置やそれぞれのスピーカの再生可能な帯域を考慮していないために、聴者の向きによっては音響特性のバランスの崩れ、定位の違和感、サラウンド感不足が生じ、聴者に最適な音場を提供することができないという問題がある。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、互いに異なる位置に固定設置された複数のスピーカの搭載位置と、それぞれのスピーカの再生帯域を考慮して、すでに進行方向の聴者に対して音響チューニングされたパラメータを利用して、当該座席の向きが変わった場合にも、聴者に対して最適な音場を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の車載用オーディオ装置は、座席の向きを検出する検出手段と、この検出手段が検出した座席の向きに応じて互いに異なる位置に固定設置された複数のスピーカへの音声信号の出力をそれぞれ設定する出力設定手段とを備える。
本発明によれば、車室内のように狭く閉じられた車室内で、互いに異なる位置に固定設置された複数のスピーカが搭載されており、進行方向において、前記スピーカの搭載位置と前記スピーカの再生帯域を考慮した音響チューニングがなされ、各座席において違和感のない最適な音場が生成されている。当該座席が回転し、聴者の向きが変わった場合、出力設定手段が前記音響チューニングのパラメータを利用して、互いに異なる位置に固定設置されたスピーカの搭載位置とそれぞれのスピーカの再生帯域に応じて、チューニングパラメータを自動的に制御するため、座席が回転した場合でも聴者に違和感のない音場を提供することができる。
本実施形態における車載用オーディオ装置のブロック図 車内におけるスピーカと座席の配置例をイメージで説明する図 前方右側座席の向きをイメージで説明する図 座席の向きに応じた各スピーカの出力テーブルの一例を説明する図 デジタル信号処理部における各スピーカへの各チャンネルの音声信号の割り当て設定手法例を説明する図 デジタル信号処理部における各スピーカへの各チャンネルの出力タイミング(遅延時間)の設定手法例を説明する図 デジタル信号処理部における各スピーカへの各チャンネルの音声信号の周波数特性、ゲインの割り当て設定手法例を説明する図 デジタル信号処理部における各スピーカへの各チャンネルの音声信号の周波数特性、ゲインの割り当ての構成を説明する図
以下、本発明の一実施形態の車載用オーディオ装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明における車載用オーディオ装置Sの概略を示すブロック図である。
図1において、車載用オーディオ装置Sは、音声再生部1、デジタル信号処理部2、DAC(Digital Analog Converter)3、AMP(Amplifire)4、スピーカ5a〜5f、制御部7、記憶部8、操作部9、表示部10からなるものである。車載用オーディオ装置Sの構成はこれに限定されるものではない。例えば、角度検出部6a〜6dは車載用オーディオ装置Sに含めてもよいし、また、操作部9、表示部10は車載用オーディオ装置Sに含めない構成であってもよい。さらに、別置きアンプの構成のように、AMP4は車載用オーディオ装置Sに含めない構成であってもよい。
音声再生部1は、CDやDVDやメモリカードなどの記録媒体から音声データ(音楽データなど)を再生し、各チャンネル(例えばレフトチャンネル(Lch)、ライトチャンネル(Rch))に当該音声データをデジタル音声信号として出力するようになっている。なお、音声再生部1には、音声データを記録する記録媒体から当該音声データを再生するものであればいかなるものであっても適用可能である。また、音声再生部1の構成は、既に公知であるのでこれ以上は説明を省略する。
デジタル信号処理部2は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成されており、音声再生部1から出力されたLch、Rchのデジタル音声信号を各入力ポート1a、1bから入力し、所定のデジタル信号処理を施し、当該各チャンネルのデジタル音声信号を各出力ポート2a〜2dへ出力するようになっている。例えば入力ポート1aは、Lchの音声信号を入力するためのポートであり、入力ポート1bは、Rchの音声信号を入力するためのポートである。デジタル信号処理部2におい
て例えば2チャンネル入力を4チャンネルの出力にする場合、出力ポート2aにはFront Lch(FLch)、出力ポート2bにはFront Rch(FRch)、出力ポート2cにはRear Lch(RLch)、出力ポート2dにはRear Rch(RRch)といったように、チャンネルの割り当てが行われる。これにより、各スピーカ5a〜5fへの各チャンネルの音声信号の割り当てが決まることになる。
また、このデジタル信号処理部2において、各チャンネルのデジタル音声信号の出力ポート2a〜2dからの出力タイミング(遅延時間)の設定、音量調整、周波数の設定が制御部7〜の制御信号によって行われる。
DAC3は、デジタル信号処理部2の出力ポート2a〜2dから出力された各チャンネルのデジタル音声信号を入力し、これをアナログ音声信号に変換して出力するようになっている。例えば、出力ポート3aはFLch、3bはFRch、3cはRLch、3dはRRchのチャンネルが割り当てられ、この各チャンネルに対応したアナログ音声信号が出力ポート3a〜3dに出力される。
AMP4は出力ポート3a〜3dから入力された各アナログ音声信号を増幅して外部に出力するようになっている。その出力信号は、車室内の互いに異なる位置に固定設置された複数のスピーカ5a〜5fに入力される。この入力信号は各スピーカ5a〜5fから音波として外部に出力される。例えば、出力ポート4aから出力されたFLchの信号はスピーカ5aと5bから、出力ポート4bから出力されたFRchの信号はスピーカ5cと5dから、出力ポート4cから出力されたRLchの信号はスピーカ5eから、出力ポート4dから出力されたRRchの信号はスピーカ5fから出力される。
図2は車室内におけるスピーカ5a〜5fの配置例、及び、座席の聴者Aが進行方向を向いた状態を示すものである。純正向け車載用オーディオ装置は、車両の互いに異なる位置に固定された複数のスピーカの搭載位置と各スピーカの再生帯域を考慮した音響チューニングが反映されており、運転席をはじめ、それぞれの座席の聴者に対して最適な音場を提供している。
図2に示す例では、スピーカ5aは(進行方向)前方左側ドア下部に、スピーカ5bは(進行方向)前方左側ドア上部に、スピーカ5cは(進行方向)前方右側ドア下部に、スピーカ5dは(進行方向)前方右側ドア上部に、スピーカ5eは後方左側ドア下部に、5fは後方右側ドア下部に、それぞれ配置されている。尚、図2に示す例は、6スピーカの構成であるが、サブウーファーやセンタースピーカ、天井スピーカなどのスピーカを本実施形態に適用させてスピーカ数を6より増やした構成としてもよい。また、図2に示す例は、車内の前方の運転席及びその隣の助手席、後方の4つの座席を示しているが、その運転席及び助手席を含めて6あるいは7座席として本実施形態を適用させてもよい。
ここで、「座席の向き」とは、例えば、本実施形態の場合、座席の背もたれの12a〜12dの向く方向を意味している。
図3(A)から(D)は、前方右座席11bの向きを示す図である。図3(A)の例では、前方右側座席11bの向きは「前方」を向いており、図3(B)の例では前方右側の座席の向きは「左斜め後方」、図3(C)の例では、前方右側の座席の向きは「後方」、図(D)の例では、前方右側の座席の向きは「左方」である。各座席11a〜11dの回転角度は、角度検出部6a〜6dによってそれぞれ検出される。
制御部7は、制御機能を有するCPU、作業用RAM、各種データやプログラムを記憶するROM等を備えており、車載用オーディオ装置Sにおける構成要素全体を制御するよ
うになっている。また、制御部7には、記憶部8、操作部9、表示部10がそれぞれ接続されている。
さらに、制御部7のCPUが、例えば、記憶部8に予め記憶された音声出力設定テーブルやプログラムを実行することにより、制御部7は、デジタル信号処理部2と、角度検出部6a〜6dの回転角度から、座席の「向き」の検出と、その座席の向きに応じた、各スピーカ5aから5fへの音声信号の出力を設定する出力設定手段として機能するようになっている。
ここで、各スピーカ5a〜5fへの各チャンネルの音声信号の割り当て設定について詳しく説明する。
図4は、出力テーブルの一例を示す図である。図4に示す出力テーブルの例では、前方右側座席11bの各向き(図3(A)から図3(D)に示す「前方」、「左斜め後方」、「後方」、「左方」)毎に、各スピーカ5a〜5fへの各チャンネルの信号の割り当て(FLch、FRch、RLch、RRch)を規定している。例えば、前方右側座席11bの向きとして、「前方」が検出された場合、制御部7は、図4に示す出力テーブルを記憶部8から読み出し、この出力テーブルに基づいて、スピーカ5a、スピーカ5bにFLchの音声信号を、スピーカ5c、スピーカ5dにFRchの音声信号を、スピーカ5eにRLchの音声信号を、スピーカ5fにRRchの音声信号を、それぞれ割り当て設定するため、制御部7の制御信号をデジタル信号処理部2に供給する。
図5から図6は、デジタル信号処理部2における各スピーカへの各チャンネルの音声信号の割り当てを設定する手法例を示す概念図である。
図5に示す例では、各スピーカへの各チャンネルの音声信号の割り当て設定を実現している。図5に示す例では、デジタル信号処理部2には、信号処理としてチャンネル設定部51、52が設けられており、チャンネル設定部51には入力ポート1aが、チャンネル設定部52には入力ポート1bが接続されいる。チャンネル設定部51、52には、それぞれ加算器53a〜53dが接続され、この加算器53a〜53dにはそれぞれ出力ポート2a〜2dが接続されている。また、各チャンネル設定部51、52は、“0”または“1”の係数を設定する乗算器51a〜h、52a〜hで構成される。そして、デジタル信号処理部2においては、制御部7からの割り当て設定するための制御信号に従って、各乗算器51a〜h、52a〜hに“0”または“1”の係数が設定される。係数“1”が設定された乗算器は、入力ポートからの音声信号を加算器に出力することが可能となり、係数“0”が設定された乗算器は、入力ポートからの音声信号を加算器に出力することが不可能となる。
図5に示す設定例は、前方右側座席11bの向きが図3(C)に示す「後方」の場合の設定例であり、例えば入力ポート1aから入力されたLチャンネルの音声信号は、乗算器51b、51f及び加算器53bを介して出力ポート2bから出力(最終的に、出力ポート2bに対応するスピーカ5d、5cから出力)される。このように乗算器に設定される係数は、座席の向きによって制御部7によって切り替えられる。なお、係数はこの場合の例では、乗算器が有効(=“1”)か無効(=“0”)としているが、0より大きな値であれば、1以外の数値であってもよい。また、この例では、デジタル信号処理部2で処理する一般的なオーディオ機能の“Balance”と“Fader”を考慮した構成のため、各チャンネル設定部51、52は乗算器を2段接続した構成としており、乗算器にはBalanceやFaderで決められたレベル設定値が設定される。このように、入力ポートからの音声信号が乗算器に設定されたレベルとなり加算器に出力される構成であってもよい。
図6に示す例では、遅延回路の書き込みアドレスと読み出しアドレスによって各スピーカへの各チャンネルの音声信号の遅延時間の設定を実現している。具体的には、入力ポートからの音声信号が書き込まれるメモリの書き込みアドレスと、出力ポートに出力するために読み出される読み出しアドレスとの対応関係を、制御部7から制御信号によって設定されることで実現される。図6に示す例は、入力ポート1aから入力されたLチャンネルの音声信号は、書き込みアドレスw1のメモリに格納されたあと、読み出しアドレスr1のメモリに読み出され出力ポート2aから出力される。このような書き込みアドレスと読み出しアドレスの対応関係は、座席の向きとスピーカの距離によって変わる。例えば、それぞれの座席の向きに対する各スピーカの距離をあらかじめ算出し、各チャンネルの音声信号の遅延時間を設定するテーブルを記憶部8から参照するような構成にしてもよい。
次に、イコライザ設定テーブルが記憶部8から参照されて行われる、座席の向きに応じた、各スピーカ5a〜5fへの各チャンネルの音声信号のイコライザ設定とゲイン設定について詳しく説明する。
図7は、出力テーブルのイコライザ設定とゲイン設定の一例を示す図である。図7に示す音声出力設定テーブルの例では、前方右側座席11bの各向き(図3(A)から図3(D)に示す「前方」、「左斜め後方」、「後方」、「左方」)毎に、各スピーカ5a〜5fへの各チャンネルの信号のイコライザとゲイン設定が規定されている。例えば、前方右側座席11bの向きとして、「前方」が検出された場合、制御部7は、図7に示す音声出力設定テーブルを記憶部8から読み出し、この音声出力設定テーブルに基づき、スピーカ5a、5bに出力されるFLチャンネル音声信号に、低域用イコライザ係数(FL_Low_EQ)と低域用ゲイン係数(FL_Low_Gain)を、中域用イコライザ係数(FL_Mid_EQ)と中域用ゲイン係数(FL_Mid_Gain)を、高域用イコライザ係数(FL_High_EQ)と高域用ゲイン係数(FL_High_Gain)をそれぞれ設定する。同様に、スピーカ5c、5dに出力されるFRチャンネルの音声信号に、低域用イコライザ係数(FR_Low_EQ)と低域用ゲイン係数(FR_Low_Gain)を、中域用イコライザ係数(FR_Mid_EQ)と中域用ゲイン係数(FR_Mid_Gain)を、高域用イコライザ係数(FR_High_EQ)と高域用ゲイン係数(FR_High_Gain)をそれぞれ設定する。スピーカ5eに出力されるRLチャンネルの音声信号に、低域用イコライザ係数(RL_Low_EQ)と低域用ゲイン係数(RL_Low_Gain)を、中域用イコライザ係数(RL_Mid_EQ)と中域用ゲイン係数(RL_Mid_Gain)を、高域用イコライザ係数(RL_High_EQ)と高域用ゲイン係数(RL_High_Gain)をそれぞれ設定する。スピーカ5fに出力されるRRチャンネルの音声信号に、低域用イコライザ係数(RR_Low_EQ)と低域用ゲイン係数(RR_Low_Gain)を、中域用イコライザ係数(RR_Mid_EQ)と中域用ゲイン係数(RR_Mid_Gain)を、高域用イコライザ係数(RR_High_EQ)と高域用ゲイン係数(RR_High_Gain)をそれぞれ設定するため、制御信号をデジタル信号処理部2に供給する。
図8は、デジタル信号処理部2における各スピーカに対応した各チャンネルのイコライザ処理を設定する手法例を示す概念図である。
図8に示す例では、デジタル信号処理部2には、信号処理としてイコライザ設定部54から57が設けられている。このイコライザ設定部54〜57によって各チャンネルのイコライザ設定とゲイン設定を実現している。イコライザ設定部54、56には入力ポート1aが、イコライザ設定部55、57には入力ポート1bが接続されており、イコライザ設定部54〜57には、それぞれ出力ポート2a〜2dが接続されている。また、各イコライザ設定部54〜57は、スピーカの再生帯域を考慮して帯域毎に分けたイコライザ係
数を設定するイコライザと、ゲイン係数を設定する乗算器と、それぞれの出力ポートへ接続する4つの加算器で構成される。イコライザ設定部54は、低域用イコライザ54aとそのゲインを調整する乗算器54d、中域用イコライザ54bとそのゲインを調整する乗算器54e、高域用イコライザ54cとそのゲインを調整する乗算器54fを有する。同様に、イコライザ設定部55は、低域用イコライザ55aとそのゲインを調整する乗算器55d、中域用イコライザ55bとそのゲインを調整する乗算器55e、高域用イコライザ55cとそのゲインを調整する乗算器54fを有する。イコライザ設定部56は、低域用イコライザ56aとそのゲインを調整する乗算器56d、中域用イコライザ56bとそのゲインを調整する乗算器56e、高域用イコライザ56cとそのゲインを調整する乗算器56fを有する。イコライザ設定部57は、低域用イコライザ57aとそのゲインを調整する乗算器57d、中域用イコライザ57bとそのゲインを調整する乗算器57e、高域用イコライザ57cとそのゲインを調整する乗算器57fを有する。
一般的に、イコライザ設定部はフィルタの縦続接続で構成されることが多いが、本実施例においては、低域用イコライザ、中域用イコライザ、高域用イコライザをそれぞれ並列接続した構成をとり、さらに、それぞれの帯域毎のゲイン設定部を設けることで、スピーカの再生帯域を考慮した構成をとっている。
デジタル信号処理部2においては、制御部7からの制御信号に従って、各イコライザ設定部の低域用イコライザ係数、中域用イコライザ係数、高域用イコライザ係数と、低域用ゲイン係数、中域用ゲイン係数、高域用ゲイン係数が設定される。
以上のように構成されたイコライザ設定部について、以下にその係数(パラメータ)の設定方法を説明する。
図2の座席の聴者Aが前方方向を向いた状態で、音響チューニングにより、周波数特性のバランスと定位感が調整され、違和感のない音響空間を実現している状態から、座席の回転によって、例えば、図5(C)のように聴者Aが後方を向いた場合、それまで聴者Aに対して前方左側に配置されていたスピーカ5aと5bは、後方右側スピーカとなり、それまで聴者Aに対して前方右側に配置されていたスピーカ5cと5dは、後方左側スピーカとなる。つまり、座席の回転によって、聴者Aに対して後方に位置するスピーカは、大口径で低〜中域が再生可能なスピーカと小口径で高域が再生可能なスピーカとなる。また、それまで聴者Aに対して後方左側に配置されていたスピーカ5eは、前方右側スピーカとなり、それまで聴者Aに対して後方右側に配置されていたスピーカ5fは、前方左側スピーカとなる。つまり、座席の回転によって、聴者Aに対して前方に位置するスピーカは、中口径で中域再生可能なスピーカとなる。
このとき、聴者Aに対して前方に位置するスピーカ5eと5fは中口径で中域再生可能なスピーカであるため、聴者Aの前方方向から到来する音として低音と高音が不足する。
また、聴者Aに対して後方に位置するスピーカ5b、5dは高域再生可能なスピーカであるため、高音が聴者Aの後方から到来し、違和感となる。
さらに、聴者Aに対して後方に位置するスピーカ5a、5cは、大口径で低〜中音再生可能なスピーカであるため、ボーカルや楽器が多く含まれる中域成分が聴者Aの後方から到来し、定位が後方に引っ張られ違和感となる。
聴者Aに対して後方に位置するスピーカ5aと5cは、大口径で低〜中域再生可能であり、低音は方向を検知しにくいという聴覚の特徴があるため、前方、後方それぞれに位置するスピーカ5a、5b、5e、5fから低音を出力することで、聴者Aの前方方向の低
音不足が解消できる。具体的には、出力ポート2aに繋がる低域用イコライザ係数(FL_Low_EQ)と低域用ゲイン係数(FL_Low_Gain)、出力ポート2bに繋がる低域用イコライザ係数(FR_Low_EQ)と低域用ゲイン係数(FR_Low_Gain)、出力ポート2cに繋がる低域用イコライザ係数(RL_Low_EQ)と低域用ゲイン係数(RL_Low_Gain)、出力ポート2dに繋がる低域用イコライザ係数(RR_Low_EQ)と低域用ゲイン係数(RR_Low_Gain)それぞれに、既音響チューニングされた低域用イコライザ係数と低域用ゲイン係数をそのまま割り当てることで、低音不足を解消する。
次に、聴者Aに対して高音の後方到来による違和感は、聴者Aに対して前方に位置するスピーカ5eと5fからの出力される高域成分の信号レベルに対して、後方に位置するスピーカ5bと5dから出力される高域のレベルを下げることで音の後方到来の違和感を解消できる。
具体的には、後方に位置するスピーカ5bと5dの信号に対して、出力ポート2aに繋がる高域用ゲイン係数(FL_High_Gain)には、前方と後方の高域のレベル差分|(FL_High_Gain)−(RR_High_Gain)|)を落としたゲイン係数(FL_High_Gain’)と、高域用イコライザ係数(FL_High_EQ)を設定し、出力ポート2bに繋がる高域用ゲイン係数(FR_High_Gain)には、前方と後方の高域のレベル差分(|(FR_High_Gain)−(RL_High_Gain)|)を落としたゲイン係数(FR_High_Gain’)と、高域用イコライザ係数(FR_High_EQ)を設定する。
さらに、前方に位置するスピーカ5eと5fの信号に対して、出力ポート2cに繋がる高域用ゲイン係数(RL_High_Gain)には、前方と後方の高域のレベル差分(|(FR_High_Gain)−(RL_High_Gain)|)を上げたゲイン係数(RL_High_Gain’)と、高域用イコライザ係数(RL_High_EQ)を設定し、出力ポート2dに繋がる高域用ゲイン係数(RR_High_Gain)には、前方と後方の高域のレベル差分(|(FL_High_Gain)−(RR_High_Gain)|)を上げたゲイン係数(RR_High_Gain’)と高域用イコライザ係数(RR_High_EQ)を設定する。
さらに、聴者Aの後方定位の違和感は、聴者Aに対して前方に位置するスピーカ5eと5fと、後方に位置するスピーカ5aと5cの中域のゲインの配分を、前方のレベルよりも後方のレベルを弱めることで後方定位の違和感を解消できる。具体的には、出力ポート2aに繋がる中域用ゲイン係数(FL_Mid_Gain)には、前方と後方の中域のレベル差分(|FL_Mid_Gain)−(RR_Mid_Gain)|)を落としたゲイン係数(FL_Mid_Gain’)と、中域用イコライザ係数(FL_Mid_EQ)を設定し、出力ポート2bに繋がる中域用ゲイン係数(FR_Mid_Gain)には、前方と後方の高域のレベル差分(|(FR_Mid_Gain)−(RL_Mid_Gain)|)を落としたゲイン係数(FR_Mid_Gain’)と、中域用イコライザ係数(FR_Mid_EQ)を設定する。さらに、出力ポート2cに繋がる中域用ゲイン係数(RL_Mid_Gain)には、前方と後方の中域のレベル差分(|(FR_Mid_Gain)−(RL_Mid_Gain)|)を上げたゲイン係数(RL_Mid_Gain’)と、中域用イコライザ係数(RL_Mid_EQ)を設定し、出力ポート2dに繋がる中域用ゲイン係数(RR_Mid_Gain)には、前方と後方の中域のレベル差分(|(FL_Mid_Gain)−(RR_Mid_Gain)|)を上げたゲイン係数(RR_Mid_Gain’)と中域用イコライザ係数(RR_Mid_EQ)を設定する。
なお、上記の例では、既音響チューニングされたゲイン係数が設定されており、前方と後方に位置するゲインの差分をとっているが、車室内特性の各帯域の平均音圧から、前方と後方のレベル差分を算出し、そのレベル差分をゲイン係数として与えてもよい。
以上のように本実施の形態によれば、各スピーカ5a〜5eへの各チャンネルの割り当て、スピーカの口径に応じた周波数帯域ごとの割り当て、周波数帯域ごとのゲイン割り当てを、既音響チューニングパラメータを利用することにより、座席の向き(当該座席に座る聴者の向き)に応じて設定することができるため、聴者に対して違和感のない最適な音響空間を提供することができる。特に、座席が後方を向いている場合、各スピーカの低域用のイコライザ係数とゲイン係数、および、各スピーカの中域用と高域用のイコライザ係数については座席が前方を向いている場合の係数をそのまま割り当て、各スピーカの中域用と高域用のゲイン係数については前記車両の前方に配置されたスピーカよりも後方に配置されたスピーカのレベルを弱める
なお、図4、図7に示す音声出力設定テーブルの例では、一例として、前方右側座席11bのみの各向き毎に、各スピーカ5aから5fへの各チャンネルの音声信号の割り当てと周波数帯域ごとの割り当て、周波数帯域ごとのゲインの割り当てを示しているが、その他の座席11a、11c、11dについての割り当ても、同様に、出力テーブルに規定されることになる。
また、図4、図7に示す音声出力設定テーブルの例では、前方右側座席11bのみの4つの向き(「前方」、「左斜め後方」、「後方」、「左方」)を例にとったが、これに限定されるものではなく、その他の向きと、各スピーカへの各チャンネルの音声信号の割り当てと周波数帯域ごとの割り当て、周波数帯域ごとのゲインの割り当てを規定するように構成してもよい。
また、図7に示す音声出力設定テーブルの例のイコライザ設定部のそれぞれの周波数帯域の規定方法は、例えば、低域用イコライザには、低音の方向を知覚しにくい20Hz〜200Hzの周波数帯域を設定し、高域用イコライザには、例えばスピーカ5aと5bを電気的に接続するためのネットワーク用のコンデンサが接続されていることが多いため、そのコンデンサの容量から求められるカットオフ周波数以上の周波数帯域を設定し、中域用イコライザには、200Hz〜カットオフ周波数の帯域を設定する。
さらにまた、図7に示す音声出力設定テーブルの例では、中域用ゲイン、高域用ゲインの設定は、聴者の向きに対して前方と後方のそれぞれのゲイン設定の差分から算出しているが、これに限定するものではなく、中域用イコライザ、高域用イコライザのフィルタのゲイン係数を用いて規定するように構成してもよい。
本発明の車載用オーディオ装置は、各スピーカへの各チャンネルの音声信号の出力(例えば、スピーカへの割り当てや周波数帯域毎の設定)を設定するように構成することで、座席(聴者)の向きに応じて、聴者に対して最適な音響空間を提供できるという効果があり、車載用オーディオ装置として有用である。
1 音声再生部
2 デジタル信号処理部
3 DAC
4 AMP
5a〜5f スピーカ
6a〜6d 角度検出部
7 制御部
8 記憶部
9 操作部
10 表示部
S 車載用オーディオ装置

Claims (9)

  1. 車両の互いに異なる位置に固定設置された複数のスピーカへの音声信号の出力を設定する車載用オーディオ装置であって、
    座席の向きに応じて各前記スピーカの音声信号の出力が設定された音声出力設定テーブルを記憶した記憶手段と、
    検出された座席の向きに基づいて前記記憶手段から音声出力テーブルを参照して各前記スピーカへの前記音声信号の出力をそれぞれ設定する出力設定手段とを備えることを特徴とする車載用オーディオ装置。
  2. 請求項1に記載の車載用オーディオ装置において、
    前記出力設定手段は、座席の向きに応じた、各前記スピーカへの各音声信号の割り当てを設定することを特徴とする車載用オーディオ装置。
  3. 請求項1または2に記載の車載用オーディオ装置において、
    前記出力設定手段は、座席の向きに応じた、各前記スピーカへの各音声信号の出力タイミングを設定することを特徴とする車載用オーディオ装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の車載用オーディオ装置において、
    前記出力設定手段は、座席の向きに応じた、各前記スピーカへの各音声信号の出力音量を設定することを特徴とする車載用オーディオ装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の車載用オーディオ装置において、
    前記出力設定手段は、座席の向きに応じた、各前記スピーカへの各音声信号の周波数帯域の割り当てを設定することを特徴とする車載用オーディオ装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の車載用オーディオ装置において、
    前記出力設定手段は、座席の向きに応じた、各前記スピーカへの各音声信号の各周波数帯域毎のゲインを設定することを特徴とする車載用オーディオ装置。
  7. 請求項6に記載の車載用オーディオ装置において、
    前記出力設定の構成は、座席の向きに応じた、各前記スピーカへの各音声信号の各周波数帯域の割り当てを設定する構成と各ゲインの設定の構成がそれぞれ縦続接続されているいることを特徴とする車載用オーディオ装置。
  8. 請求項6に記載の車載用オーディオ装置において、
    前記出力設定の構成は、座席の向きに応じた、各前記スピーカへの各音声信号の各周波数帯域の割り当てを設定する構成と各ゲインの設定の構成は、帯域毎に並列接続されていることを特徴とする車載用オーディオ装置。
  9. 請求項1から6のいずれか一項に記載の車載用オーディオ装置において、
    前記座席のいずれか1つの座席に対して音響チューニングがなされており、前記出力設定手段は、座席の向きに応じた前記音声信号の出力に、前記音響チューニングのパラメータを利用することを特徴とする車載用オーディオ装置。
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