JP6434165B2 - 前面ラウドスピーカによって個別の三次元音響を達成する、車内再生のためのステレオ信号を処理する装置および方法 - Google Patents

前面ラウドスピーカによって個別の三次元音響を達成する、車内再生のためのステレオ信号を処理する装置および方法 Download PDF

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Description

幾つかの実施形態はデジタルプロセッサに関し、特に、多チャネル信号を処理するため、例えば車内で三次元音響を再生するための、デジタルプロセッサに関する。他の実施形態は、多チャネル信号を処理する方法に関する。幾つかの実施形態は、前面ラウドスピーカによって個別の三次元音響を達成すべく車内再生のためにステレオ信号を処理する装置および方法に関する。
従来、車内で三次元音響を再生するのために、20個を上回るラウドスピーカから成る多ラウドスピーカの多チャネル3D音響システムが使用されてきた。そのような多ラウドスピーカの多チャネル音響システムは、車両の前側領域に、中央チャネルラウドスピーカ、前右チャネルラウドスピーカ及び前左チャネルラウドスピーカを有している。中央チャネルラウドスピーカは、ダッシュボートの中央部に配置することができ、前右チャネル及び前左チャネルのラウドスピーカは、車両のフロントドアまたはダッシュボートの外側右および左の位置に配置することができる。更に、多ラウドスピーカの多チャネル音響システムは、車両の後側領域に、後方右(又はサラウンド右)チャネルラウドスピーカと、後方左(又はサラウンド左)チャネルラウドスピーカとを有する。後方右および後方左のチャネルラウドスピーカは、車両のリヤドアまたはリアシェルフの外側右および左の位置に配置することができる。任意選択的に、多ラウドスピーカの多チャネルシステムは少なくとも1つのサブウーファを含むこともできる。
しかしながら、従来の多ラウドスピーカの多チャネル3D音響システムは、ケーブル配線作業の多大な手間と、多数のパワー増幅器とを必要とする。更に、ステレオ信号に基づいて多ラウドスピーカの多チャネル音響システムの異なるチャネルのための信号を取得するには、複雑なオーディオ処理が必要となる。
Gampp Patrick ; Habets Emanuel ; Kratz Michael ; Uhle Christian: Apparatus And Method For Multichannel Direct-Ambient Decomposition For Audio Signal Processing, Patent Family number: 57367305 (WO14135235A1),2013年10月23日公開
Hess, W. and J. Weishaeupl, "Replication of Human Head Movements in 3 Dimensions by a Mechanical Joint", in Proc. ICSA International Conference on Spatial Acoustics, Erlangen, Germany, 2014. Jecklin, J.: "A different way to record classical music", in J. Audio Eng. Soc, Vol. 29 issue 5 pp., 329 _ 332, 1981 Walther Andreas et al: "Direct-Ambient Decomposition and Upmix of Surround Signals", Applications of Signal Processing to Audio and Acoustics (Waspaa), 2811 IEEE Workshop on, IEEE, 2011年10月16日
そこで、本発明の目的は、車内で多チャネル信号を三次元で再生する概念であって、統合複雑性(integration complexity)が低減され、ラウドスピーカの個数が削減され、オーディオ処理の要求も軽減された概念を提供することである。
この目的は、独立請求項により解決される。有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
幾つかの実施形態は、環境部分抽出部(ambient portion extractor)と、空間効果処理ステージ(spatial effect processing stage)とを含む、デジタルプロセッサを提供する。環境部分抽出部は、多チャネル信号から環境部分を抽出するよう構成されている。空間効果処理ステージは、多チャネル信号の環境部分に基づいて空間効果信号を生成するよう構成されている。デジタルプロセッサは、多チャネル信号またはその処理済みバージョンと空間効果信号とを結合するよう構成されている。
本発明の概念に従えば、空間効果オーディオ処理ステージは、多チャネル信号の環境部分に対して空間効果オーディオ処理を実行するよう構成することができ、その目的は、個々の多チャネル音響ステージ信号と空間効果信号とを結合することによって、個々の多チャネル音響ステージ信号に対して空間効果(例えば、聴覚ステージ寸法(auditory stage dimension)および聴覚エンベロープメント(auditory envelopment)のうちの少なくとも1つ)を付加するためである。
他の実施形態は、
−多チャネル信号から環境部分を抽出するステップと、
−多チャネル信号の環境部分に基づいて空間効果信号を生成するステップと、
−多チャネル信号又はその処理済みバージョンと空間効果信号とを結合するステップと、
を含む方法に関する。
有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
実施形態において、多チャネル(オーディオ)信号は2つ以上、即ち少なくとも2つの(オーディオ)チャネルを含み得る。例えば、多チャネル(オーディオ)信号はステレオ信号であり得る。
実施形態において、デジタルプロセッサは、多チャネル信号を処理してその多チャネル信号の処理済みバージョンを取得する、多チャネル処理ステージを含み得る。それにより、デジタルプロセッサは、多チャネル信号の処理済みバージョンと空間効果信号とを結合するよう構成され得る。
多チャネル処理ステージは、多チャネル信号に基づいて、個別の多チャネル音響ステージ信号(=多チャネル信号の処理済みバージョン)を生成するよう構成され得る。個別の多チャネル音響ステージ信号は、多チャネル信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含んでいてもよい。個別の多チャネル音響ステージ信号は、例えばラウドスピーカ再生システムを用いて、少なくとも2つの異なるリスニング位置のための少なくとも2つの個別の多チャネル音響ステージを生成するために使用され得る。
例えば、多チャネル処理ステージは、ステレオ信号に基づいて個別のステレオ音響ステージ信号を生成するよう構成されてもよく、このステージ信号は、例えば少なくとも3個のラウドスピーカ(例えば3個または4個のラウドスピーカ)を含むラウドスピーカ再生システムを用いて、少なくとも2つの異なるリスニング位置のための少なくとも2つの個別のステレオ音響ステージを生成するための信号であり得る。
実施形態において、空間効果処理ステージは、空間両耳フィルタ(又は、聴覚ステージ寸法、例えば聴覚ステージ幅または聴覚ステージ高さのうちの少なくとも1つ、を強化するよう適応された両耳フィルタ)を、多チャネル信号の環境部分またはその処理済みバージョンへと適用するよう構成された、両耳化ステージ(binauralization stage)を含み得る。
空間両耳フィルタは、直接音経路インパルス応答に相当していてもよい。
例えば、両耳フィルタは、リスニング位置(又は、例えば1つ以上のマイクロホンを有しリスニング位置に設置または配置されたダミーの頭部により代表されるリスナー(例えばリスナーの耳))と、そのリスニング位置とは異なる位置に設置または配置された少なくとも2つのオーディオソース(例えばラウドスピーカ)と、の間の音響経路のインパルス応答に相当していてもよい。両耳フィルタは、例えば、リスニング位置に対して30°,40°,50°,60°,70°,80°,90°,100°,110°,120°の内の少なくとも2つを有する1つのステレオ三角形内に配置された2つのオーディオソースのインパルス応答を測定し、その測定されたインパルス応答の畳み込みを決定することによって取得され得る。
両耳化ステージは、多チャネル信号の環境部分またはその処理済みバージョンの異なるリスニング位置に対応するチャネルに対し、同じ1つの両耳フィルタまたは複数の両耳フィルタを適用するよう構成されてもよい。
実施形態において、空間効果処理ステージはリスナーエンベロープメント修正部を含むことができ、この修正部は、リスナーエンベロープメント両耳フィルタ(又は(リスナーの)聴覚エンベロープメントを強化するよう適応された両耳フィルタ))を多チャネル信号の環境部分またはその処理済みバージョンへと適用するよう構成されている。
リスナーエンベロープメント両耳フィルタは、両耳室内インパルス応答に相当していてもよい。
例えば、その両耳フィルタは、リスニング位置(又は、例えば1つ以上のマイクロホンを有しリスニング位置に設置または配置されたダミーの頭部により代表されるリスナー(例えばリスナーの耳))の周囲(例えば横及び/又は後ろ)の室のインパルス応答に相当してもよい。その両耳フィルタは、例えば、そのリスニング位置の横または後ろに配置された少なくとも1つのオーディオソース(例えばラウドスピーカ)の間のインパルス応答を測定することにより、取得されてもよい。
リスナーエンベロープメント修正部は、多チャネル信号またはその処理済みバージョンの異なるリスニング位置に対応するチャネルに対し、異なる両耳フィルタを適用するよう構成されてもよい。
実施形態において、空間効果処理ステージは、多チャネル信号の環境部分をデコリレートしてデコリレート済み信号を取得するよう構成された、デコリレータを含み得る。
デコリレート済み信号は、多チャネル信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、多チャネル信号はステレオ信号であり、デコリレート済み信号は3つ又は4つのチャネルを含み得る。
両耳化ステージは、空間両耳フィルタを、デコリレート済み信号または(例えばリスナーエンベロープメント修正部により処理された)その処理済みバージョンへ適用するよう構成されてもよい。
リスナーエンベロープメント修正部は、エンベロープメント両耳フィルタを、デコリレート済み信号または(例えば両耳化ステージによって処理された)その処理済みバージョンに対して適用するよう構成されてもよい。
実施形態において、空間効果処理ステージは遅延ステージを含むことができ、その遅延ステージは、多チャネル信号の環境部分の(例えば両耳化ステージ及びリスナーエンベロープメント修正部の少なくとも1つにより処理された)処理済みバージョンを遅延させるよう構成されている。
実施形態において、空間効果処理ステージは空間効果強度調節ステージを含むことができ、その空間効果強度調節ステージは、多チャネル信号の環境部分の(例えば両耳化ステージ及びリスナーエンベロープメント修正部の少なくとも1つにより処理された)処理済みバージョンの空間効果の強度を調節するよう構成されている。
実施形態において、空間効果処理ステージは聴覚ステージ寸法効果調節ステージを含むことができ、この調節ステージは、多チャネル信号の環境部分の(例えば両耳化ステージにより処理された)処理済みバージョンの聴覚ステージ寸法効果の強度を調節するよう構成されている。
実施形態において、空間効果処理ステージはリスナーエンベロープメント効果調節ステージを含むことができ、この調節ステージは、多チャネル信号の環境部分の(例えばリスナーエンベロープメント修正部により処理された)処理済みバージョンの効果強度を調節するよう構成されている。
実施形態において、空間効果ステージにより提供された空間効果信号は、両耳化ステージ及びリスナーエンベロープメント修正部の少なくとも1つにより処理された、多チャネル信号の環境部分の処理済みバージョンであってもよく、また任意選択的に、遅延ステージ及び効果調節ステージ(例えば空間効果強度調節ステージ、聴覚ステージ寸法効果調節ステージ又はリスナーエンベロープメント効果調節ステージ)の少なくとも1つによって更に処理されたバージョンであってもよい。
実施形態において、デジタルプロセッサは、多チャネル信号またはその処理済みバージョンと空間効果信号とを、チャネル毎に結合するよう構成されてもよい。
デジタルプロセッサは、多チャネル信号またはその処理済みバージョンと空間効果信号とを、チャネル毎に加算するよう構成された、加算部を含み得る。
更なる実施形態は、車両用のラウドスピーカ再生システムに関する。そのシステムは、上述のデジタルプロセッサと、そのデジタルプロセッサによって供給された信号を再生するよう構成された少なくとも3個の前面ラウドスピーカと、を含み得る。
以下に、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
一実施形態に係るデジタルプロセッサの概略ブロック図を示す。 他の実施形態に係るデジタルプロセッサの概略ブロック図を示す。 別の実施形態に係るデジタルプロセッサの概略ブロック図を示す。 一実施形態に係るリスナーエンベロープメント修正部の両耳フィルタを取得する測定装置の概略図を示す。 一実施形態に係るデジタルプロセッサと4個のラウドスピーカとを含むラウドスピーカ再生システムを備えた車両の概略平面図を示す。 聴覚ステージ寸法およびリスナーエンベロープメントを追加的に示す、図5に示すラウドスピーカ再生システムを備えた車両の概略平面図である。 空間効果処理ステージの両耳化およびエンベロープメント修正のステージのフィルタ処理構造の概略図を示す。 一実施形態に係る信号処理の方法のフローチャートを示す。
同一若しくは同等な要素、又は同一若しくは同等な機能を有する要素は、以下の説明では同一又は同等な参照番号によって示されている。
以下の説明では、複数の詳細例が本発明の実施形態のさらに十分な説明を提供するために提示される。しかしながら、本発明の実施形態は、それらの特異な詳細に拘わらず実施され得ることは、当業者にとって自明のことであろう。換言すれば、周知の構造や装置は、本発明の実施形態を不明瞭にするのを避けるため、その詳細よりもブロック図の形態で示される。さらに、以下に示される異なる実施形態の特徴は、特に結合不可の注意書きがない限り、互いに結合が可能である。
図1は、一実施形態に係るデジタルプロセッサ100の概略ブロック図を示す。デジタルプロセッサ100は、環境音部分抽出部102と空間効果音処理ステージ104とを含む。環境音部分抽出部102は、多チャネル信号106から環境部分を抽出するよう構成されている。空間効果音処理ステージ104は、多チャネル信号の環境部分110に基づいて空間効果信号108を生成するよう構成されている。デジタルプロセッサ100は、多チャネル信号106又はその多チャネル信号の処理済みバージョン112と、空間効果信号108とを結合するよう構成されている。
図1に示されるように、デジタルプロセッサ100は、多チャネル信号106を処理してその多チャネル信号の処理済みバージョン112を取得するよう構成された多チャネルオーディオ処理ステージ114を、任意選択的に含むことができる。これにより、デジタルプロセッサ100は、多チャネル信号の処理済みバージョン112と空間効果信号108とを、例えば結合ステージ116を用いて結合するよう構成され得る。
多チャネルオーディオ処理ステージ114は、多チャネル信号106に基づいて、個別の多チャネル音響ステージ信号112(=多チャネル信号の処理済みバージョン)を生成するよう構成され得る。個別の多チャネル音響ステージ信号112は、例えばラウドスピーカ再生システムを用いて、少なくとも2つの異なるリスニング位置のための少なくとも2つの個別の多チャネル音響ステージを生成するために使用され得る。
空間効果オーディオ処理ステージ104は、多チャネル信号106の環境部分に対して空間効果オーディオ処理を実行するよう構成されることができ、その目的は、個別の多チャネル音響ステージ信号112と空間効果信号108とを結合することによって、個別の多チャネル音響ステージ信号112に対して空間効果(例えば聴覚ステージ寸法および聴覚エンベロープメントのうちの少なくとも1つ)を付加することである。
聴覚ステージ寸法(ASD)は、聴覚ステージ幅(リスナーの前方における音場の水平範囲)と聴覚ステージ高さ(リスナーの前方における音場の垂直空間範囲)との組合せを示す。
リスナーエンベロープメント(LEV)は、リスナーの横および後方において知覚される、リスナーの音響による聴覚エンベロープメント(サラウンディング)を示す。
以下に、車内においてステレオ信号を再生することに焦点を当てた実施形態を説明する。ここで、多チャネル処理ステージ114は、ステレオ信号106に基づいて個別のステレオ音響ステージ信号112を生成するよう構成されることができ、この信号112は、ラウドスピーカ再生システムを用いて、少なくとも2つの異なるリスニング位置、即ち運転席位置および助手席位置用の、少なくとも2つの個別のステレオ音響ステージを生成するための信号である。
詳細には、ステレオ入力信号を車両(例えば自動車)の中で三次元音響信号として再生することは、リスナーの前方のダッシュボート内に設けられた2個のラウドスピーカペア(又は3個のラウドスピーカ=1つの中央ラウドスピーカとダッシュボート内のAピラー近傍に設けた2個のラウドスピーカ)により達成され得る。リスナーの前方における音響ステージの聴覚的空間範囲は、水平方向は幅で、垂直方向は高さで、知覚されることができ、聴覚空間エンベロープメントは、横および後方において知覚され、即ち、空間的奥行きおよび空間的サラウンディングが生成される。
基本的な考え方は、(独立型の)ステレオ信号としても再生され得る、固定的な現状技術の標準的ステレオ音響ステージを、三次元音場の追加による環境音処理によって、オーバーレイすることである。環境音情報は、オリジナルステレオ信号106から(そのステレオ信号から空間情報を抽出することにより)計算され得る。環境音情報は、修正済みの測定されたインパルス応答および空間処理によって、両耳化され、かつ空間的に整形されることができる。よって、聴覚ステージ高さ、聴覚ステージ幅および周囲の音の内の少なくとも1つが、ソース信号と静的デジタルフィルタとの混合に依存して処理されることができ、そのデジタルフィルタはステージの幅および高さとエンベロープメントにおける最適な個別の空間的知覚へと調節可能である。
一つ又は複数の遅延ステージの後で、この信号108がステレオ音響前ステージのオーディオ信号112の上にミキシングされる前に、三次元効果の強度は調整(又は重み付け)され得る。ある出力生成ユニットが、自動車のダッシュボート内の2つの前列席の前方に設けられた2対のラウドスピーカ又は3個のラウドスピーカに対し、その信号を出力してもよい。
以下に、三次元アルゴリズムの直列処理について、図2を参照しながら説明し、三次元音場のより良好なスケーラビリティを可能にする三次元アルゴリズムの並列処理について、図3を参照しながら説明する。
図2は、他の実施形態に係るオーディオプロセッサ100の概略ブロック図を示す。音響プロセッサ100は、環境音部分抽出部(直接音/環境の分解)102と、空間効果処理ステージ104と、結合ステージ116とを含む。
2つの入力チャネルのデコリレーションは、両方の中央チャネルのためだけ、又は4つの全てのチャネルのためにも、使用可能である。前ステージのための両耳化は、例えばスタジオ室またはリビングルームなど標準的な室内で測定された測定済みかつチューニング済みの両耳室内インパルス応答によって、実行されることができる。
詳細には、図2に示すように、空間効果処理ステージ104は、ステレオ信号の環境部分110をデコリレートしてデコリレート済み信号122を取得するよう構成された、デコリレータ120を含んでもよい。デコリレート済み信号122は4つのチャネルを含み得る。
更に、空間効果処理ステージ104は、両耳化ステージ124を含み得る。両耳化ステージ124は、空間両耳フィルタ(又は、聴覚ステージ寸法、例えば聴覚ステージ幅および聴覚ステージ高さの内の少なくとも1つ、を強化するよう適応された両耳フィルタ)を、ステレオ信号の環境部分110またはその処理済みバージョンに対して、例えば図2の実施形態におけるデコリレート済み信号122に対して、適用するよう構成されてもよい。
両耳化ステージ124又は両耳化ブロックは、運転席と助手席とについて同一の両耳フィルタから構成され得る。同一の空間フィルタと対称的なラウドスピーカ位置とにより、両方の席についての設定が同一となるため、音響的チューニング処理が高度に簡素化される。これらの両耳フィルタは、上述したように室内において音響的に測定可能である。両耳化ステージのために、標準的な部屋または自動車が測定用に使用され得る。これら2つのラウドスピーカは、胴体上に設けられたダミー頭部またはユーザーの前方に対称的に配置されることができる。それらラウドスピーカのインパルス応答は、測定可能である。これらのラウドスピーカペアは、リスナーの前方向に対して30°,40°,50°,60°,70°,80°,90°,100°,110°又は120°のステレオ三角形内に配置され得る。しかしながら、音響室内シミュレーションにより生成されたシミュレーション済みフィルタもまた使用可能である。有限インパルス応答フィルタ(両耳室内インパルス応答と等価のFIR)の形態を有するこれらのインパルス応答の畳み込みは、時間ドメイン、周波数ドメイン(オーバーラップ加算又はオーバーラップセーブ)又はQMFフィルタバンクドメイン(QM=直交ミラーフィルタ)において実行されることができる。フィルタ処理構造については図7を参照されたい。
両耳化ステージ124による処理を受けた、ステレオ信号の環境音部分110の処理済みバージョン126は、ステレオ信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、両耳化ステージ124により処理された信号126は、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル、又は、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのため、又は更なる処理のための)4つのチャネルを含み得る。
更に、空間効果処理ステージ104は、多チャネル信号の環境部分110またはその処理済みバージョン、例えば図2に示す実施形態における両耳化ステージ124により処理された信号126に対して、リスナーエンベロープメント両耳フィルタ(又は(リスナーの)聴覚エンベロープメントを強化するよう適応された両耳フィルタ)を適用するよう構成された、リスナーエンベロープメント修正部128を含み得る。
リスナーの背後のラウドスピーカからのインパルス応答を測定する自動車の内部での測定が、エンベロープメント修正部128(又はエンベロープメント修正ブロック又はエンベロープメントステージ)のために使用され得る。これらの測定においては、胴体上のダミー頭部(非特許文献1)、球体マイクロホン又はバッフル(非特許文献2)が、左右の耳の測定チャネルのオーディオチャネル分離を確保するために使用され得る。自動車内において、ダミー頭部またはマイクロホンは、前列席に配置され得る。測定は各前列席で実行されることができ、よって、2つの異なる両耳室内インパルス応答が測定され得る。1つのラウドスピーカ、又は2つ以上のラウドスピーカの組合せが測定され得る(図4参照)。フィルタ処理構造については図7を参照されたい。
エンベロープメント修正部128による処理を受けた、ステレオ信号の環境音部分110の処理済みバージョン130は、ステレオ信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、エンベロープメント修正部128により処理された信号130は、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル、又は、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのため、又は更なる処理のための)4つのチャネルを含み得る。
更に、空間効果処理ステージ104は、ステレオ信号の環境部分110の処理済みバージョンを遅延するよう構成された遅延ステージ132を含み得る。その処理済みバージョンとは、例えば両耳化ステージ124及びリスナーエンベロープメント修正部128の内の少なくとも1つによって処理されたバージョンであり、例えば図2に示す実施形態においては、エンベロープメント修正部128により処理された信号130である。
遅延ステージ132による処理を受けた、ステレオ信号の環境音部分110の処理済みバージョン134は、ステレオ信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、遅延ステージにより処理された信号134は、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル、又は、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)4つのチャネルを含み得る。
更に、空間効果処理ステージ104は、ステレオ信号の環境部分110の処理済みバージョンの空間効果強度を調節するよう構成された、空間効果強度調節ステージ136を含み得る。その処理済みバージョンとは、例えば両耳化ステージ124及びリスナーエンベロープメント修正部128の内の少なくとも1つによって処理されたバージョン、又は、その更なる処理済みバージョン、例えば図2に示す実施形態においては、遅延ステージ132により処理された信号134である。
空間効果強度調節ステージ136による処理を受けた、ステレオ信号の環境音部分110の処理済みバージョン138は、ステレオ信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、空間効果強度調節ステージ136により処理された信号138は、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル、又は、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのため、又は更なる処理のための)4つのチャネルを含み得る。
空間効果ステージ104により提供された空間効果信号108は、ステレオ信号の環境部分110の処理済みバージョンであってもよく、両耳化ステージ124及びリスナーエンベロープメント修正部128の内の少なくとも1つによる処理を受け、かつ任意選択的に遅延ステージ132と空間効果強度調節ステージ136の内の少なくとも1つによる追加的な処理を受けた信号、例えば空間効果強度調節ステージ136により処理された信号138であり得る。
音響プロセッサ100は、ステレオ信号106に基づいて個別のステレオ音響ステージ信号112を生成するよう構成された、ステレオ処理ステージ(前ステージ生成)114を更に含むことができ、このステレオ音響ステージ信号112は、3個または4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムを用いて、少なくとも2つの異なるリスニング位置用の、即ち運転席位置および助手席位置用の、少なくとも2つの個別のステレオ音響ステージを生成するための信号である。
ステレオ処理ステージ114により提供された個別のステレオ音響ステージ信号112は、ステレオ信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、個別のステレオ音響ステージ信号112は、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル、又は、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)4つのチャネルを含み得る。
結合ステージ116、例えば加算部は、個別のステレオ音響ステージ信号112と空間効果信号108とをチャネル毎に加算するよう構成され得る。即ち、個別のステレオ音響ステージ信号112と空間効果信号108とは、同一個数のチャネルを含み得る。
結合ステージ116により提供された信号140は、ステレオ信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、結合ステージ116により提供された信号140は、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル、又は、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)4つのチャネルを含み得る。
音響プロセッサ100は、4チャネル出力生成ユニット142を含むことができ、このユニットは、結合ステージ116により処理された信号140に基づいて、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)4つのチャネル(左左(LL),左右(LR),右左(RL),右右(RR))を含む4チャネル出力信号144を生成するよう構成されている。
代替的に、音響プロセッサ100は、3チャネル出力生成ユニット146を含むことができ、このユニットは、結合ステージ116により処理された信号140に基づいて、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル(左(LL),中央(CNTR),右(RR))を含む3チャネル出力信号148を生成するよう構成されている。
図3は別の実施形態に係るオーディオプロセッサ100の概略ブロック図を示す。音響プロセッサ100は、環境音部分抽出部(直接音/環境の分解)102と、空間効果処理ステージ104と、結合ステージ116とを含む。
直接音/環境分解ユニット102は、ダイナミックな入力信号依存の処理ユニットとして作動する。これらのアルゴリズムは以下の文献から周知である。例えば、非特許文献3及び特許文献1を参照されたい。後続の全てのアルゴリズムは静的な特性を持つ。静的なフィルタと低い待ち時間のブロック畳み込み(例えばオーバーラップ加算又はオーバーラップセーブ)だけが、「両耳化」及び「エンベロープメント修正」のブロックにおけるデジタル有限インパルス応答フィルタを介した信号整形のために使用される。
詳細には、図3に示すように、空間効果処理ステージ104は、ステレオ信号の環境部分110をデコリレートしてデコリレート済み信号122を取得するよう構成された、デコリレータ120を含み得る。デコリレート済み信号122は4チャネルを含み得る。
更に、空間効果処理ステージ104は、両耳化ステージ124を含み得る。両耳化ステージ124は、空間両耳フィルタ(又は、聴覚ステージ寸法、例えば聴覚ステージ幅および聴覚ステージ高さの内の少なくとも1つ、を強化するよう適応された両耳フィルタ)を、ステレオ信号の環境部分110またはその処理済みバージョンに対して、即ち例えば図3の実施形態におけるデコリレート済み信号122に対して、適用するよう構成されてもよい。
両耳化ステージ124又は両耳化ブロックは、運転席と助手席とについて同一の両耳フィルタから構成され得る。これらのフィルタは、上述したように室内において音響的に測定可能である。両耳化ステージのために、標準的な部屋が測定用に使用され得る。これら2つのラウドスピーカは、胴体上に設けられたダミー頭部またはユーザーの前方に対称的に配置されることができる。それらラウドスピーカのインパルス応答は、測定可能である。これらのラウドスピーカペアは、リスナーの前方向に対して30°,40°,50°,60°,70°,80°,90°,100°,110°又は120°のステレオ三角形内に配置され得る。有限インパルス応答フィルタ(FIR=両耳室内インパルス応答)の畳み込みは、時間ドメイン、周波数ドメイン(オーバーラップ加算又はオーバーラップセーブ)又はQMFフィルタバンクドメイン(QM=直交ミラーフィルタ)において実行されることができる。フィルタ処理構造については図7を参照されたい。
両耳化ステージ124による処理を受けた、ステレオ信号の環境音部分110の処理済みバージョン126は、ステレオ信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、両耳化ステージ124により処理された信号126は、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル、又は、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのため、又は更なる処理のための)4つのチャネルを含み得る。
更に、空間効果処理ステージ104は、多チャネル信号の環境部分110またはその処理済みバージョン、例えば図3に示す実施形態におけるデコリレート済み信号122に対して、リスナーエンベロープメント両耳フィルタ(又は(リスナーの)聴覚エンベロープメントを強化するよう適応された両耳フィルタ)を適用するよう構成された、リスナーエンベロープメント修正部128を含み得る。
リスナーの背後のラウドスピーカからのインパルス応答を測定する自動車の内部での測定が、エンベロープメント修正部128(又はエンベロープメント修正ブロック又はエンベロープメントステージ)のために使用され得る。これらの測定においては、胴体上のダミー頭部(非特許文献1)、球体マイクロホン又はバッフル(非特許文献2)が、左右の耳の測定チャネルのオーディオチャネル分離を確保するために使用され得る。自動車内において、ダミー頭部またはマイクロホンは、前列席に配置され得る。測定は各前列席で実行されることができ、よって、2つの異なる両耳室内インパルス応答が測定され得る。1つのラウドスピーカ、又は2つ以上のラウドスピーカの組合せが測定され得る(図4参照)。フィルタ処理構造については図7を参照されたい。
エンベロープメント修正部128による処理を受けた、ステレオ信号の環境音部分110の処理済みバージョン130は、ステレオ信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、エンベロープメント修正部128により処理された信号130は、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル、又は、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのため、又は更なる処理のための)4つのチャネルを含み得る。
更に、空間効果処理ステージ104は、例えば図3の実施形態における両耳化ステージ124により処理されたステレオ信号の環境部分110の処理済みバージョンを遅延するよう構成された、第1遅延ステージ132_1と、例えば図3の実施形態におけるエンベロープメント修正部128により処理されたステレオ信号の環境部分110の処理済みバージョンを遅延するよう構成された、第2遅延ステージ132_2と、を含み得る。
第1遅延ステージ132_1によって処理されたステレオ信号の環境音部分110の処理済みバージョン134_1と、第2遅延ステージ132_によって処理されたステレオ信号の環境音部分110の処理済みバージョン134_2とは、それぞれ、ステレオ信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、第1及び第2の遅延ステージ132_1及び132_2により処理された信号134_1及び134_2は、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル、又は、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)4つのチャネルを含み得る。
更に、空間効果処理ステージ104は、ステレオ信号の環境部分110の処理済みバージョンの聴覚ステージ寸法効果の強度を調節するよう構成された、聴覚ステージ寸法効果調節ステージ136_1を含むことができ、その処理済みバージョンとは、例えば両耳化ステージ124により処理された信号、又は、例えば第1遅延ステージ132_1による処理を受けた信号134_1のように、その更に処理されたバージョンである。
聴覚ステージ寸法効果調節ステージ136_1によって処理されたステレオ信号の環境音部分110の処理済みバージョン138_1は、ステレオ信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、聴覚ステージ寸法効果調節ステージ136_1により処理された信号138_1は、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル、又は、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)4つのチャネルを含み得る。
更に、空間効果処理ステージ104は、ステレオ信号の環境部分110の処理済みバージョンの効果強度を調節するよう構成された、リスナーエンベロープメント効果調節ステージ136_2を含むことができ、その処理済みバージョンとは、例えばリスナーエンベロープメント修正部128により処理された信号、又は、例えば図3において第2遅延ステージ132_2による処理を受けた信号134_2のように、その更に処理されたバージョンである。
リスナーエンベロープメント効果調節ステージ136_2によって処理されたステレオ信号の環境音部分110の処理済みバージョン138_2は、ステレオ信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、リスナーエンベロープメント効果調節ステージ136_2により処理された信号138_2は、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル、又は、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)4つのチャネルを含み得る。
空間効果処理ステージ104により提供される空間効果信号108は、ステレオ信号の環境音部分110の処理済みバージョンであって、両耳化ステージ124及びリスナーエンベロープメント修正部128の内の少なくとも1つによる処理を受け、任意選択的に、第1遅延ステージ132_1と第2遅延ステージ132_2と聴覚ステージ寸法効果調節ステージ136_1とリスナーエンベロープメント効果調節ステージ136_2との内の少なくとも1つによる追加的な処理を受けた信号、又はそれらの信号の組合せ、例えば、図3に示す実施形態において、聴覚ステージ寸法効果調節ステージ136_1とリスナーエンベロープメント効果調節ステージ136_2とにより処理された信号138_1と138_2との組合せ、であり得る。異なる信号経路に起因して、ASD及びLEVの効果強度は独立して調節され得る。よって、前ステージ3D効果とサラウンディング(又は横および後方からのエンベローピング)3D効果とを含む個別の3D効果がチューニングされ得る。
音響プロセッサ100は、ステレオ信号106に基づいて個別のステレオ音響ステージ信号112を生成するよう構成された、ステレオ処理ステージ(前ステージ生成)114を更に含むことができ、このステレオ音響ステージ信号112は、3個または4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムを用いて、少なくとも2つの異なるリスニング位置用の、即ち運転席位置および助手席位置用の、少なくとも2つの個別のステレオ音響ステージを生成するための信号である。
ステレオ処理ステージ114により提供された個別のステレオ音響ステージ信号112は、ステレオ信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、個別のステレオ音響ステージ信号112は、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル、又は、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)4つのチャネルを含み得る。
結合ステージ116、例えば加算部は、個別のステレオ音響ステージ信号112と空間効果信号108とをチャネル毎に加算するよう構成され得る。即ち、個別のステレオ音響ステージ信号112と空間効果信号108とは、同一個数のチャネルを含み得る。
結合ステージ116により提供された信号140は、ステレオ信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み得る。例えば、結合ステージ116により提供された信号140は、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル、又は、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)4つのチャネルを含み得る。
音響プロセッサ100は、4チャネル出力生成ユニット142を含むことができ、このユニットは、結合ステージ116により処理された信号140に基づいて、(例えば4個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)4つのチャネル(左左(LL),左右(LR),右左(RL),右右(RR))を含む4チャネル出力信号144を生成するよう構成されている。
代替的に、音響プロセッサ100は、3チャネル出力生成ユニット146を含むことができ、このユニットは、結合ステージ116により処理された信号140に基づいて、(例えば3個のラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システムのための)3つのチャネル(左(LL),中央(CNTR),右(RR))を含む3チャネル出力信号148を生成するよう構成されている。
図4は、一実施形態に従って、リスナーエンベロープメント修正部の両耳フィルタを取得する測定装置の概略ブロック図を示す。
換言すれば、図4はリスナーエンベロープメント(LEV)経路のためのフィルタ(FIR=両耳室内インパルス応答)の測定を示す。ダミー頭部が、前列席150_1及び150_2の一方に配置されてもよい。
図4に示すように、測定については、前列席150_1及び150_2の後方のラウドスピーカが測定処理のために使用されてもよい。車両のリアドア内にはラウドスピーカ152_1及び152_2が配置され、後部座席には横方向、前方または上方に向かって放射するラウドスピーカ154が配置され、後部座席のバックレストの頂部にはラウドスピーカ156が配置され、リアシェルフの頂部には前方または後方に向かって放射するラウドスピーカ158が配置され、リアシェルフ内またはその頂部には上方に向かって放射するラウドスピーカ160が配置されている。
図5は、デジタルプロセッサ100と4個のラウドスピーカ204,206,208,210とを含むラウドスピーカ再生システム202を備えた車両200の概略平面図を示す。
ラウドスピーカ再生システム202は、デジタルプロセッサ100により処理された信号、例えば4チャネル生成出力ユニット142により提供された信号を、ラウドスピーカ204,206,208,210を用いて再生するよう構成されてもよい。従って、ラウドスピーカ204,206,208,210の各々は、デジタルプロセッサ100により処理された信号のチャネルの1つを再生するために使用され得る。
ラウドスピーカ204,206,208,210の各々は、1つのラウドスピーカドライバ(例えば全域ドライバ又は広域ドライバ)、又は、異なる周波数帯域のための複数のラウドスピーカドライバ(例えば、高周波数ドライバ(ツィータ)と中間周波数ドライバ、高周波数ドライバ(ツィータ)とウーファ、又は、高周波数ドライバ(ツィータ)と中間周波数ドライバとウーファ)を含み得る。
2つのラウドスピーカ204と206とは、第1リスニング位置(例えば運転者位置)212に向かって方向付けられてもよく、第1リスニング位置212のための第1音場216を生成することで、ステレオ前ステージの右および左のチャネルを再生するために使用され得る。この場合、2つのラウドスピーカ208と210とは、第2リスニング位置(例えば助手位置)214に向かって方向付けられてもよく、第2リスニング位置214のための第2音場218を生成することで、ステレオ前ステージの右および左のチャネルを再生するために使用され得る。
図5に例示的に示すように、車両200は自動車であり得る。自動車は、少なくとも運転席220と助手席222とを有しても良い。従って、運転者位置212は運転席220の位置によって定義されてもよく、助手位置214は助手席222の位置によって定義されてもよい。例えば、運転者位置212は、運転席220に着席している運転者の頭部位置となるであろう位置に対応してもよい(又は位置であってもよい)。同様に、助手位置214は、助手席222に着席している助手者の頭部位置となるであろう位置に対応してもよい(又は位置であってもよい)。
当然ながら、自動車は、少なくとも2人の乗客のための、少なくとも2つの後部座席または少なくとも1つの後部ベンチ席を更に有しても良い。図5から明らかなように、その場合、第1音場216及び第2音場218は、運転者位置212及び助手位置214の後ろに配置される後部の乗客位置に向かって、例えば、運転者(席)及び助手(席)の後ろに着席している後部の乗客に向かってもまた、それぞれ方向付けられている。
また、運転者席および助手席の後ろの席において、仮想3D音響信号が知覚可能であってもよい。なぜなら、音響表現するラウドスピーカに対する位置もまた、前列席と同様に、対称的となるからであり、但し、距離が大きくなっている。両方の席は、前面ラウドスピーカシステムに対して一列に並んでいる。
ラウドスピーカ204,206,208,210は、車両200のダッシュボート224に配置されてもよい。
換言すれば、図5は車両内におけるリスニング列を示しており、ダッシュボート内の4個のラウドスピーカを使用して実例が示されている。中央の2個のラウドスピーカは1個の中央ラウドスピーカによって置換され得る。
図6は、図5に示すラウドスピーカ再生システム202を備えた車両200の概略平面図である。図5に加え、図6においては、聴覚ステージ寸法およびリスナーエンベロープメントが矢印230及び232によってそれぞれ示されている。換言すれば、図6は三次元オーディオを示している。ASD及びLEVは聴覚空間寸法、つまり、ASD(聴覚ステージ寸法)は前方の幅および高さを表し、LEVは空間的奥行きを表す。
図7は、空間効果処理ステージの両耳化ステージ及びエンベロープメント修正ステージのフィルタ処理構造の概略図を示す。第1音源(例えば第1ラウドスピーカ)250とリスナー254の第1の耳252との間の第1音響経路は、係数H11によって記述されることができ、第1音源250とリスナー254の第2の耳256との間の第2音響経路は、係数H21によって記述されることができ、第2音源(例えば第2ラウドスピーカ)258とリスナーの第1の耳252との間の第3音響経路は、係数H12によって記述されることができ、第2音源258とリスナー254の第2の耳256との間の第4音響経路は、係数H22によって記述されることができる。
図8は、一実施形態に従って、信号を処理する方法300のフローチャートを示す。この法300は、多チャネル信号から環境部分を抽出するステップ302と、多チャネル信号の環境部分に基づいて空間効果信号を生成するステップ304と、多チャネル信号またはその処理済みバージョンと空間効果信号とを結合するステップ306とを含む。
これまで幾つかの態様を装置の文脈で示してきたが、これらの態様は対応する方法の説明をも表しており、1つのブロック又は装置が1つの方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応することは明らかである。同様に、方法ステップを説明する文脈で示した態様もまた、対応するブロック、項目、又は対応する装置の特徴を表している。方法ステップの幾つか又は全ては、例えばマイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ、又は電子回路のようなハードウエア装置により(を使用して)実行されることができる。幾つかの実施形態において、最も重要な方法ステップの一又は複数が、そのような装置によって実行されてもよい。
所定の構成要件にもよるが、本発明の実施形態は、ハードウエア又はソフトウエアにおいて構成可能である。この構成は、例えばフレキシブルディスク,DVD,ブルーレイ,CD,ROM,PROM,EPROM,EEPROM,フラッシュメモリなどのデジタル記憶媒体を使用して実行することができ、その0デジタル記憶媒体は、その中に格納された電子的に読み取り可能な制御信号を有し、それら制御信号は、本発明の各方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働する(又は協働可能である)。従って、デジタル記憶媒体はコンピュータ読み取り可能であり得る。
本発明に従う幾つかの実施形態は、電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを含み、それら制御信号は、上述した方法の1つを実行するようプログラム可能なコンピュータシステムと協働可能である。
一般的に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として構成することができ、そのプログラムコードは当該コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で作動するときに、本発明の方法の一つを実行するよう作動可能である。そのプログラムコードは例えば機械読み取り可能なキャリアに記憶されていても良い。
本発明の他の実施形態は、上述した方法の1つを実行するための、機械読み取り可能なキャリアに格納されたコンピュータプログラムを含む。
換言すれば、本発明の方法の一実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で作動するときに、上述した方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
本発明の他の実施形態は、上述した方法の1つを実行するために記録されたコンピュータプログラムを含む、データキャリア(又はデジタル記憶媒体、又はコンピュータ読み取り可能な媒体)である。データキャリア、デジタル記憶媒体、又は記録媒体は、典型的には有形及び/又は非一時的である。
本発明の他の実施形態は、上述した方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表現するデータストリーム又は信号列である。そのデータストリーム又は信号列は、例えばインターネットのようなデータ通信接続を介して伝送されるよう構成されても良い。
他の実施形態は、上述した方法の1つを実行するように構成又は適応された、例えばコンピュータ又はプログラム可能な論理デバイスのような処理手段を含む。
他の実施形態は、上述した方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを含む。
本発明の更なる実施形態は、本願明細書に記載の方法の一つを実行するためのコンピュータプログラムを、レシーバへと(例えば電子的または光学的に)伝送するよう構成された、装置またはシステムを含む。レシーバは、例えばコンピュータ、モバイル機器、メモリデバイスその他であり得る。装置またはシステムは、例えばコンピュータプログラムをレシーバへと伝送するファイルサーバーを含み得る。
幾つかの実施形態においては、(例えば書換え可能ゲートアレイのような)プログラム可能な論理デバイスが、上述した方法の幾つか又は全ての機能を実行するために使用されても良い。幾つかの実施形態では、書換え可能ゲートアレイは、上述した方法の1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働しても良い。一般的に、そのような方法は、好適には任意のハードウエア装置によって実行される。
本願明細書に記載の装置は、ハードウエア装置を使用して、又はコンピュータを使用して、又はハードウエアとコンピュータの組合せを使用して、実装されてもよい。
本願明細書に記載の装置、又は本願明細書に記載の装置の任意の構成要素は、少なくとも部分的に、ハードウエア及び/又はソフトウエアにおいて実装されてもよい。
本願明細書に記載の方法は、ハードウエア装置を使用して、又はコンピュータを使用して、又はハードウエアとコンピュータの組合せを使用して、実行されてもよい。
本願明細書に記載の方法、又は本願明細書に記載の装置の任意の構成要素は、少なくとも部分的に、ハードウエア及び/又はソフトウエアにおいて実行されてもよい。
上述の実施形態は、本発明の原理の単なる説明に過ぎない。上述の装置及び詳細の修正及び変更が当業者にとって明らかなことは理解されよう。従って、以下に添付する特許請求の範囲の主題によってのみ限定されるべきであり、実施形態の説明及び解説の方法で表現された特定の詳細によっては限定されないことが趣旨である。

Claims (17)

  1. 少なくとも3個の前面ラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システム(202)のためのデジタルプロセッサ(100)であって、
    多チャネル信号(106)から環境部分を抽出するよう構成された環境部分抽出部(102)と、
    前記多チャネル信号の前記環境部分(110)に基づいて空間効果信号(108)を生成するよう構成された空間効果処理ステージ(104)と、
    前記多チャネル信号(106)の処理済みバージョン(112)を生成するよう構成された多チャネル処理ステージ(114)と、を含み、
    前記デジタルプロセッサ(100)は、前記多チャネル信号(106)の処理済みバージョン(112)と前記空間効果信号(108)とを結合して、前記少なくとも3個の前面ラウドスピーカのための信号を取得するよう構成されており、
    前記多チャネル信号はステレオ信号であり、
    前記多チャネル信号の前記処理済みバージョン(112)は、前記多チャネル信号(106)よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み、
    前記多チャネル処理ステージは、前記ステレオ信号(106)から前記多チャネル信号の前記処理済みバージョン(112)として個別のステレオ音響ステージ信号を生成するよう構成されており、前記個別のステレオ音響ステージ信号は、前記少なくとも3つの前面ラウドスピーカを含むラウドスピーカ再生システム(202)を用いて、少なくとも2つの異なるリスニング位置用の少なくとも2つの個別のステレオ音響ステージを生成するために使用される、デジタルプロセッサ。
  2. 請求項1に記載のデジタルプロセッサ(100)において、前記空間効果処理ステージ(104)は、空間両耳フィルタを前記多チャネル信号の前記環境部分(110)又はその処理済みバージョン(122,130)に適用するよう構成された両耳化ステージ(124)を含む、デジタルプロセッサ(100)。
  3. 請求項2に記載のデジタルプロセッサ(100)において、前記両耳化ステージ(124)の前記空間両耳フィルタは両耳直接音経路インパルス応答に相当する、デジタルプロセッサ。
  4. 請求項2又は3に記載のデジタルプロセッサ(100)において、前記両耳化ステージ(124)は、前記多チャネル信号の前記環境部分(110)又はその処理済みバージョン(122,130)の異なるリスニング位置に対応するチャネルに対して同じ両耳フィルタを適用するよう構成されている、デジタルプロセッサ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデジタルプロセッサ(100)において、前記空間効果処理ステージ(104)は、リスナーエンベロープメント両耳フィルタを前記多チャネル信号の前記環境部分(110)又はその処理済みバージョン(122,126)へと適用するよう構成されたリスナーエンベロープメント修正部(128)を含む、デジタルプロセッサ。
  6. 請求項5に記載のデジタルプロセッサ(100)において、前記リスナーエンベロープメント修正部(128)の前記リスナーエンベロープメント両耳フィルタは両耳室内インパルス応答に相当する、デジタルプロセッサ。
  7. 請求項5又は6に記載のデジタルプロセッサ(100)において、前記リスナーエンベロープメント修正部(128)は、前記多チャネル信号の前記環境部分(110)又はその処理済みバージョン(122,126)の異なるリスニング位置に対応するチャネルに対して異なる両耳フィルタを適用するよう構成されている、デジタルプロセッサ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のデジタルプロセッサ(100)において、
    前記空間効果処理ステージ(104)は、前記多チャネル信号の前記環境部分(110)をデコリレートしてデコリレート済み信号(122)を得るよう構成されたデコリレータ(120)を含み、
    請求項2乃至4のいずれか一項に記載の前記両耳化ステージ(124)が、前記空間両耳フィルタを前記デコリレート済み信号(122)又はその処理済みバージョン(130)へと適用するよう構成されているか、又は、
    請求項5乃至7のいずれか一項に記載の前記リスナーエンベロープメント修正部(128)が、前記リスナーエンベロープメント両耳フィルタを前記デコリレート済み信号(122)又はその処理済みバージョン(126)へと適用するよう構成されている、デジタルプロセッサ。
  9. 請求項8に記載のデジタルプロセッサ(100)において、前記デコリレート済み信号(122)は、前記多チャネル信号(106)よりも少なくとも1つ多いチャネルを含む、デジタルプロセッサ。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のデジタルプロセッサ(100)において、前記空間効果処理ステージ(104)は、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の前記両耳化ステージ(124)により処理された信号(126)、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の前記リスナーエンベロープメント修正部(128)により処理された信号(130)、又はその更なる処理済みバージョンを、遅延させるよう構成された遅延ステージ(132,132_1,132_2)を含む、デジタルプロセッサ。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のデジタルプロセッサ(100)において、
    請求項2乃至4のいずれか一項に記載の前記両耳化ステージ(124)と請求項5乃至7のいずれか一項に記載の前記リスナーエンベロープメント修正部(128)とが直列接続されており、
    前記空間効果処理ステージ(104)は、前記両耳化ステージ(124)と前記リスナーエンベロープメント修正部(128)との直列接続によって提供される空間効果強度を調節するよう構成された空間効果強度調節ステージ(136)を含む、デジタルプロセッサ。
  12. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のデジタルプロセッサ(100)において、
    請求項2乃至4のいずれか一項に記載の前記両耳化ステージ(124)と請求項5乃至7のいずれか一項に記載の前記リスナーエンベロープメント修正部(128)とが並列接続されており、
    前記空間効果処理ステージ(104)は、前記両耳化ステージ(124)により処理された信号(126)又はその更に処理されたバージョン(134_1)の効果強度を調節するよう構成された聴覚ステージ寸法効果調節ステージ(136_1)を含み、
    前記空間効果処理ステージ(104)は、前記リスナーエンベロープメント修正部(128)により提供された信号(130)又はその更に処理されたバージョン(134_2)の効果強度を調節するよう構成されたリスナーエンベロープメント効果調節ステージ(136_2)を含む、デジタルプロセッサ。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載のデジタルプロセッサ(100)において、
    前記デジタルプロセッサ(100)は、前記多チャネル信号(106)又はその処理済みバージョン(112)と前記空間効果信号(108)とをチャネル毎に結合するよう構成されている、デジタルプロセッサ。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載のデジタルプロセッサ(100)において、
    前記デジタルプロセッサ(100)は、前記多チャネル信号(106)又はその処理済みバージョン(112)と前記空間効果信号(108)とをチャネル毎に加算するよう構成された加算部を含む、デジタルプロセッサ。
  15. 車両用のラウドスピーカ再生システム(202)であって、
    請求項1乃至14のいずれか一項に記載のデジタルプロセッサ(100)と、
    前記多チャネル信号又はその処理済みバージョンと前記空間効果信号とを結合させることで得られた信号を再生するよう構成された少なくとも3つの前面ラウドスピーカ(204,206,208,210)とを含む、システム。
  16. 少なくとも3個の前面ラウドスピーカを有するラウドスピーカ再生システム(202)のための信号を処理する方法(300)であって、
    多チャネル信号から環境部分を抽出するステップ(302)と、
    前記多チャネル信号の前記環境部分に基づいて空間効果信号を生成するステップ(304)と、
    前記多チャネル信号の処理済みバージョンを生成するステップと、
    前記多チャネル信号の処理済みバージョンと前記空間効果信号とを結合して、前記少なくとも3個の前面ラウドスピーカのための信号を取得するステップ(306)と、を含み、
    前記多チャネル信号はステレオ信号であり、
    前記多チャネル信号の前記処理済みバージョンは、前記多チャネル信号よりも少なくとも1つ多いチャネルを含み、
    前記多チャネル処理の処理済みバージョンを生成するステップは、前記ステレオ信号から前記多チャネル信号の前記処理済みバージョンとして個別のステレオ音響ステージ信号を生成するステップを含み、前記個別のステレオ音響ステージ信号は、前記少なくとも3つの前面ラウドスピーカを含むラウドスピーカ再生システムを用いて、少なくとも2つの異なるリスニング位置用の少なくとも2つの個別のステレオ音響ステージを生成するために使用される、方法。
  17. 請求項16に記載の方法を実行するコンピュータプログラム。
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