JP2001119800A - 車載用音像制御装置 - Google Patents

車載用音像制御装置

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JP2001119800A
JP2001119800A JP29748599A JP29748599A JP2001119800A JP 2001119800 A JP2001119800 A JP 2001119800A JP 29748599 A JP29748599 A JP 29748599A JP 29748599 A JP29748599 A JP 29748599A JP 2001119800 A JP2001119800 A JP 2001119800A
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speaker
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sound
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JP29748599A
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Hiroyuki Hashimoto
裕之 橋本
Kenichi Terai
賢一 寺井
Isao Kakubari
勲 角張
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】音像を前方に定位させる車載用音像制御装置を
提供する。 【解決手段】マルチチャンネル音源である音源1(DV
D再生装置)と、音源1(DVD再生装置)からのセン
ターチャンネル信号を信号処理しセンターチャンネル信
号の音像を前方に定位させる音像制御回路2と、音源1
(DVD再生装置)からのメインチャンネル信号と音像
制御回路2からの制御信号を加算する加算器9a〜9b
と、加算器9a〜9bからの制御信号を再生する前ドア
に設置されたスピーカ3a〜3bと、音源1(DVD再
生装置)からのサラウンドチャンネル信号を再生する後
ドアに設置されたスピーカ3c〜3dと、音源1(DV
D再生装置)からのウーファーチャンネル信号を再生す
るリアトレイに設置されたスピーカ3e〜3fとを有し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車室内に設置
される車載用音像制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車室内という狭空間で反射や残響お
よび定在波の影響が強く、またスピーカ設置位置に制限
があるという状態で、従来、音像を自由に定位させるこ
とはかなり困難であったが、楽曲に含まれるヴォーカル
などを乗務員の前方中央に定位させたいという要望は、
現在でもかなり強く求められている。
【0003】特に近年では、DVDなどマルチチャンネル
システムが普及してきており、そのセンターチャンネル
の取り扱いについて、自動車室内の特殊な状況を勘案し
てどのように再生すればよいかがクローズアップされ始
めている。
【0004】以下、図面を参照しながら従来の車載用音
像制御装置について説明する。
【0005】図102は、従来の車載用音像制御装置の
ブロック図を示すものである。特に、図102(a)は
車体を上から見た図であり、図102(b)はその車体
を横から見た図である。
【0006】図102(a)において、1は音源、3a
〜3bは運転席近傍(例えば運転席ドア)および助手席
近傍(例えば助手席ドア)にそれぞれ設置されたスピー
カ、21はバランス回路である。
【0007】図102(a)に示す車載用音像制御装置
の動作を以下に説明する。
【0008】音源1からの信号は、バランス回路21に
よってスピーカ3a〜3bへの信号レベルを適度に調整
される。スピーカ3a〜3bは、それらの出力信号を再
生する。運転席に乗員が座っている場合、バランス回路
21が、スピーカ3bからの再生レベルがスピーカ3a
からの再生レベルより大きくなるように信号を調整する
ことで、距離差によるレベル減衰を補正する。この結
果、スピーカ3a〜3bから偏った位置にある運転席に
座っていても、伝達音のレベルがほぼ同程度になる。
【0009】図102(a)では、音源1からの信号が
モノラルとなっているが、実際には図103(a)およ
び図103(b)に示すように、CD再生装置やラジオ
などのステレオ信号をバランス回路21を介してスピー
カ3a〜3bから再生する。この場合、ステレオ信号の
LチャンネルとRチャンネルに共通に含まれるヴォーカ
ル信号などがファンタム音源が、スピーカ3a〜3b間
に定位しようとする。その音像がバランス回路21よっ
て調整される。
【0010】また、車載用DVDシステムでは、図10
4(a)および図104(b)に示すように、マルチチ
ャンネル再生のセンターチャンネルをメインLチャンネ
ル信号とメインRチャンネル信号にそれぞれ加えてメイ
ンスピーカ3a〜3bより再生する機能が備えられてい
る。これによって、センターチャンネル用のスピーカが
設置されていなくても、マルチチャンネル再生が可能と
なる。
【0011】図105は、特開平10-22488号公報に示さ
れる他の従来の車載用音像制御装置を示すブロック図で
ある。図105において、9は加算器、22はバンド・
パス・フィルタ(以下BPF)、23はレベル調整器、8a
〜8bは遅延器、24a〜24cはアンプ、3a〜3c
はスピーカである。
【0012】図105に示す車載用音像制御装置の動作
を以下に説明する。
【0013】音源からのステレオ信号は、それぞれ遅延
器8a〜8bで遅延され、アンプ24a〜24bを介し
てスピーカ3a〜3bより再生される。同時にステレオ
信号は、加算器9で加算された後、BPF22で例えば
200〜2000Hzに帯域制限され、そして適度にレベル調整
されてスピーカ3cより再生させる。ここで、スピーカ
3aは、図106に示すように運転席近傍に配置され、
スピーカ3bは助手席近傍に配置され、スピーカ3cは
スピーカ3a〜3b間のほぼ中央に配置される。これに
よって、ステレオ信号に含まれる同相成分(例えばヴォ
ーカル信号成分)、たとえば、200〜2000Hzの音がスピ
ーカ3cより再生されるので、スピーカ3cの近傍に定
位する。また、遅延器8a〜8bによって、スピーカ3
a〜3bから再生される音がスピーカ3cから再生され
る音より少しだけ遅れて受聴者に到達するように調整さ
れることにより、スピーカ3a〜3bはスピーカ3cよ
り遠くに配置されたように受聴者は思う。
【0014】以上のように、ヴォーカル信号など前方定
位させたい音をスピーカ3c近傍に定位させることがで
き、レベル調整器23によってその位置をある程度微調
整することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
2(a)に示す従来の装置では、実際に車室内前方にス
ピーカを設置した場合と比べて、スピーカ3a〜3bよ
り再生される特性は明らかに異なり、音像が受聴者近傍
のスピーカ3a、あるいはスピーカ3bに張り付いてし
まったり、音像がぼやけて明確な定位感がなかったりす
るなどの問題があった。
【0016】その理由を以下に説明する。特に、図10
7(a)は車体を上から見た図であり、図107(b)
はその車体を横から見た図である。図107(a)に示
すように、車室内前方のインストルメントパネル18中
央付近にスピーカ4が設置されている。
【0017】運転席での受聴点をA、助手席での受聴点
をBとする。図102(a)に示す装置におけるA点と
B点での音響特性と、図107(b)に示す装置におけ
るA点とB点での音響特性とを比較し、それぞれの特性
が同じになれば、図102(a)に示す装置は、あたか
も図107(b)に示すスピーカ4で再生する音と同じ
音を再生したことになる。
【0018】図108Aは、図107(a)に示すA点
におけるスピーカから音の周波数特性の振幅を目標特性
として示したものであり、図102(a)に示すA点に
おけるスピーカから音の周波数特性の振幅を再生特性と
して示したものである。図108Bは、図107(a)
に示すA点におけるスピーカから音の周波数特性の位相
を目標特性として示したものであり、図102(a)に
示すA点におけるスピーカから音の周波数特性の位相を
再生特性として示したものである。
【0019】また、図109Aは、図107(a)に示
すB点におけるスピーカから音の周波数特性の振幅を目
標特性として示したものであり、図102(a)に示す
B点におけるスピーカから音の周波数特性の振幅を再生
特性として示したものである。図109Bは、図107
(a)に示すB点におけるスピーカから音の周波数特性
の位相を目標特性として示したものであり、図102
(a)に示すB点におけるスピーカから音の周波数特性
の位相を再生特性として示したものである。
【0020】これらから明らかなように、図102
(a)に示すスピーカ3a〜3bからの再生特性は目標
特性と大きく異なっており、聴感上もインストルメント
パネル18中央付近にスピーカ4が設置されているよう
には聞こえない。
【0021】また、図105および図106に示す装置
の場合にも、スピーカ3cがインストルメントパネル1
8中央付近に設置される構成となっているが、200〜200
0Hzの音を再生するにはかなり大きな口径のスピーカが
必要であり、そのバックキャビティも含めてそれを設置
できる余裕はほとんどないのが現状である。また、図1
05および図106に示す装置では、2000Hz以上の高域
成分を再生しないため、例えばヴォーカル信号の明瞭度
が劣化するという問題があった。
【0022】さらに、スピーカ3cをインストルメント
パネルに追加する必要があるため、図105および図1
06に示す装置を製造するためのコストが多くかかると
いう問題があった。
【0023】本発明は、上記問題を鑑み、受聴位置前方
中央付近にスピーカを設置することなしに音像を前方に
定位させる車載用音像制御装置を提供することを1つの
目的とする。そのようなことにより、DVD再生装置な
どマルチチャンネルシステムにおけるセンターチャンネ
ルの音像定位が向上する。
【0024】さらに、本発明の他の目的は、インストル
メントパネル中央付近などに設置可能なサイズである小
型スピーカを用いて、例えば2000Hz以上の高域成分を再
生することを目的とする。
【0025】さらに、本発明の別の目的は、能動騒音制
御装置と組合せることにより、騒音制御と音像制御を行
いながら、新たにマルチチャンネルシステムにおける各
チャンネル信号の最適レベル設定を自動的に行う機能を
実現することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の車載用音像制御
装置は、音源からの信号を信号処理する音像制御回路
と、前記音像制御回路から出力された出力信号を再生す
る、車室内前席近傍に設置されたスピーカとを備え、少
なくとも1つの制御点における音響特性が、前席前方中
央付近に設置された場合における計測用スピーカと前記
制御点との間の伝達関数に近似するように、前記音像制
御回路が、前記音源からの信号を信号処理することを特
徴とする。
【0027】また、本発明の車載用音像制御装置は、音
源からの信号の低域成分を通過させるローパスフィルタ
と、前記音源からの信号の信号高域成分を通過させるハ
イパスフィルタと、前記ローパスフィルタからの出力信
号を信号処理する音像制御回路と、前記音像制御回路か
らの出力信号を再生する車室内前席近傍に設置されたス
ピーカと、前記ハイパスフィルタから出力される出力信
号を再生するために車室内前席前方中央付近に設置され
たツイータとを備え、少なくとも1つの制御点における
音響特性が、前席前方中央付近に設置された場合におけ
る計測用スピーカと前記制御点との間の伝達関数に近似
するように、前記音像制御回路が、前記ローパスフィル
タから出力される信号を信号処理することを特徴とす
る。
【0028】また、本発明の車載用音像制御装置は、車
載用マルチチャンネル音響システムにおける車載用音像
制御装置であって、騒音源からの騒音を検出し、その検
出信号より、少なくとも1つの制御点での騒音を低減す
るための逆位相の制御信号を生成する騒音制御回路と、
マルチチャンネル音源から出力されるフロントセンター
チャンネル信号を信号処理する音像制御回路と、前記音
像制御回路から出力される出力信号と前記騒音制御回路
から出力される前記制御信号を加算する加算器と、前記
加算器によって加算された加算信号を再生する、車室内
前席近傍に設置されたスピーカと、前記制御点に設置さ
れたマイクロホンとを備え、前記騒音制御回路は、前記
マイクロホンから出力される出力信号を誤差信号とし
て、前記制御点での騒音を低減するように適応動作し、
前記音像制御回路が、前記スピーカからの制御音によ
り、前記制御点における音響特性を、前席前方中央付近
に計測用スピーカを設置した場合の計測用スピーカと前
記少なくとも1つの制御点間の伝達関数に近似するよう
に、前記マルチチャンネル音源からのフロントセンター
チャンネル信号を信号処理し、前記スピーカが測定信号
を再生し、前記マイクロホンが前記測定信号を検出し、
前記音像制御回路が、前記マイクロホンが検出した測定
信号に応じて、前記スピーカから再生するチャンネル信
号のレベルを設定することを特徴とする。
【0029】また、本発明の車載用音像制御装置は、車
載用マルチチャンネル音響システムにおける車載用音像
制御装置であって、騒音源からの騒音を検出し、その検
出信号より少なくとも1つの制御点での騒音を低減する
ための逆位相の制御信号を生成する騒音制御回路と、マ
ルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネル
信号の低域成分を通過させるローパスフィルタと、前記
マルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネ
ル信号の高域成分を通過させるハイパスフィルタと、前
記ローパスフィルタからの出力信号を信号処理する音像
制御回路と、前記音像制御回路からの出力信号と前記騒
音制御回路からの出力信号を加算する加算器と、前記加
算器からの出力信号を再生する車室内前席近傍に設置さ
れたスピーカと、前記ハイパスフィルタからの出力信号
を再生するために車室内前席前方中央付近に設置された
ツイータと、前記制御点に設置されたマイクロホンとを
備え、前記騒音制御回路は、前記マイクロホンからの出
力信号を誤差信号として、前記制御点での騒音を低減す
るように適応動作し、前記音像制御回路が、前記スピー
カからの制御音により、前記制御点における音響特性
を、前席前方中央付近に計測用スピーカを設置した場合
の計測用スピーカと前記制御点との間の伝達関数に近似
するように、前記ローパスフィルタからの信号を信号処
理し、前記スピーカが測定信号を再生し、前記マイクロ
ホンが前記測定信号を検出し、前記音像制御回路が、そ
の検出した測定信号に応じて前記のスピーカから再生さ
れるチャンネル信号のレベルを設定することを特徴とす
る。
【0030】また、本発明の車載用音像制御装置は、音
源からの信号を信号処理する音像制御回路と、前記音像
制御回路からの出力信号を再生する車室内前席近傍に設
置されたスピーカと、車室内後席近傍に設置されたスピ
ーカとを備え、前記音像制御回路は、前記前席近傍に設
置された前記スピーカと後席近傍に設置された前記スピ
ーカからの夫々独立の制御音により、少なくとも1つの
制御点における音響特性を、前席前方中央付近に計測用
スピーカを設置した場合の計測用スピーカと前記制御点
間の伝達関数に近似するように、前記音源からの信号を
信号処理することを特徴とする。
【0031】また、本発明の車載用音像制御装置は、音
源からの信号の低域成分を通過させるローパスフィルタ
と、前記音源からの信号の高域成分を通過させるハイパ
スフィルタと、前記ローパスフィルタからの出力信号を
信号処理する音像制御回路と、前記音像制御回路からの
出力信号を再生する車室内前席近傍に設置されたスピー
カおよび車室内後席近傍に設置されたスピーカと、前記
ハイパスフィルタからの出力信号を再生するために車室
内前席前方中央付近に設置されたツイータとを備え、前
記音像制御回路は、前記前席近傍に設置されたスピーカ
と後席近傍に設置された前記スピーカからの夫々独立の
制御音により、少なくとも1つの制御点における音響特
性を、前席前方中央付近に計測用スピーカを設置した場
合の計測用スピーカと前記制御点との間の伝達関数に近
似するように、前記ローパスフィルタからの信号を信号
処理することを特徴とする。
【0032】また、本発明の車載用音像制御装置は、車
載用マルチチャンネル音響システムにおける車載用音像
制御装置であって、騒音源からの騒音を検出し、その検
出信号より、少なくとも1つの制御点での騒音を低減す
るための逆位相の制御信号を生成する騒音制御回路と、
マルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネ
ル信号を信号処理する音像制御回路と、前記音像制御回
路からの出力信号と前記騒音制御回路からの出力信号を
加算する加算器と、前記加算器からの出力信号を再生す
る車室内前席近傍に設置されたスピーカおよび車室内後
席近傍に設置されたスピーカと、前記少なくとも1つの
制御点に設置されたマイクロホンとを備え、前記騒音制
御回路は、前記マイクロホンからの出力信号を誤差信号
として、前記制御点での騒音を低減するように適応動作
し、前記音像制御回路が、前記前席近傍に設置された前
記スピーカと後席近傍に設置された前記スピーカからの
夫々独立の制御音により、前記制御点における音響特性
を、前席前方中央付近に計測用スピーカを設置した場合
の計測用スピーカと前記制御点との間の伝達関数に近似
するように、前記音源からの信号を信号処理し、前記前
席近傍に設置された前記複数のスピーカと後席近傍に設
置された前記スピーカが測定信号を再生し、前記マイク
ロホンが前記測定信号を検出し、前記音像制御回路が、
その検出した測定信号に応じて前記前席近傍に設置され
た前記スピーカと後席近傍に設置された前記スピーカか
ら再生するチャンネル信号のレベルを設定することを特
徴とする。
【0033】また、本発明の車載用音像制御装置は、車
載用マルチチャンネル音響システムにおける車載用音像
制御装置であって、騒音源からの騒音を検出し、その検
出信号より少なくとも1つの制御点での騒音を低減する
ための逆位相の制御信号を生成する騒音制御回路と、マ
ルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネル
信号の低域成分を通過させるローパスフィルタと、前記
マルチチャンネル音源からの前記フロントセンターチャ
ンネル信号の高域成分を通過させるハイパスフィルタ
と、前記ローパスフィルタからの出力信号を信号処理す
る音像制御回路と、前記音像制御回路からの出力信号と
前記騒音制御回路からの出力信号を加算する加算器と、
前記加算器からの出力信号を再生する車室内前席近傍に
設置されたスピーカおよび車室内後席近傍に設置された
スピーカと、前記ハイパスフィルタからの出力信号を再
生するために車室内前席前方中央付近に設置されたツイ
ータと、前記制御点に設置されたマイクロホンとを備
え、前記騒音制御回路は、前記マイクロホンからの出力
信号を誤差信号として、前記制御点での騒音を低減する
ように適応動作し、前記音像制御回路が、前記前席近傍
に設置されたスピーカと後席近傍に設置されたスピーカ
からの夫々独立の制御音により、前記制御点における音
響特性を、前席前方中央付近に計測用スピーカを設置し
た場合の計測用スピーカと前記制御点との間の伝達関数
に近似するように、前記ローパスフィルタからの信号を
信号処理し、前記前席近傍に設置された前記スピーカと
後席近傍に設置された前記スピーカが測定信号を再生
し、前記マイクロホンが前記測定信号を検出し、前記音
像制御回路が、その検出した測定信号に応じて、前記前
席近傍に設置された前記スピーカと後席近傍に設置され
た前記スピーカから再生されるチャンネル信号のレベル
を設定することを特徴とする。
【0034】また、本発明の車載用音像制御装置は、音
源からの信号を信号処理する音像制御回路と、前記音像
制御回路からの出力信号を再生する車室内後席近傍に設
置されたスピーカとを備え、前記音像制御回路は、前記
スピーカからの制御音により、少なくとも1つの制御点
における音響特性を、後席前方中央付近に計測用スピー
カを設置した場合の計測用スピーカと前記制御点との間
の伝達関数に近似するように、前記音源からの前記信号
を信号処理することを特徴とする。
【0035】また、本発明の車載用音像制御装置は、音
源からの信号の低域成分を通過させるローパスフィルタ
と、前記音源からの信号の高域成分を通過させるハイパ
スフィルタと、前記ローパスフィルタからの出力信号を
信号処理する音像制御回路と、前記音像制御回路からの
出力信号を再生する車室内後席近傍に設置されたスピー
カと、前記ハイパスフィルタからの出力信号を再生する
ために車室内後席前方中央付近に設置されたツイータと
を備え、前記音像制御回路が、前記スピーカからの制御
音により、少なくとも1つの制御点における音響特性
を、後席前方中央付近に計測用スピーカを設置した場合
の計測用スピーカと前記制御点との間の伝達関数に近似
するように、前記ローパスフィルタからの信号を信号処
理することを特徴とする。
【0036】また、本発明の車載用音像制御装置は、車
載用マルチチャンネル音響システムにおける車載用音像
制御装置であって、騒音源からの騒音を検出し、その検
出信号より、少なくとも1つの制御点での騒音を低減す
るための逆位相の制御信号を生成する騒音制御回路と、
マルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネ
ル信号を信号処理する音像制御回路と、前記音像制御回
路からの出力信号と前記騒音制御回路からの出力信号を
加算する加算器と、前記加算器からの出力信号を再生す
る車室内後席近傍に設置されたスピーカと、前記制御点
に設置されたマイクロホンとを備え、前記騒音制御回路
は、前記マイクロホンからの出力信号を誤差信号とし
て、前記制御点での騒音を低減するように適応動作し、
前記音像制御回路が、前記スピーカからの制御音によ
り、前記制御点における音響特性を、後席前方中央付近
に計測用スピーカを設置した場合の計測用スピーカと前
記制御点との間の伝達関数に近似するように、前記音源
からのフロントセンターチャンネル信号を信号処理し、
前記音像制御回路が、前記スピーカが測定信号を再生
し、前記マイクロホンが前記測定信号を検出し、その検
出した測定信号に応じて前記スピーカから再生されるチ
ャンネル信号のレベルを設定することを特徴とする。
【0037】また、本発明の車載用音像制御装置は、車
載用マルチチャンネル音響システムにおける車載用音像
制御装置であって、騒音源からの騒音を検出し、その検
出信号より少なくとも1つの制御点での騒音を低減する
ための逆位相の制御信号を生成する騒音制御回路と、マ
ルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネル
信号を低域成分を通過させるローパスフィルタと、前記
マルチチャンネル音源からの前記フロントセンターチャ
ンネル信号の高域成分を通過させるハイパスフィルタ
と、前記ローパスフィルタからの出力信号を信号処理す
る音像制御回路と、前記音像制御回路からの出力信号と
前記騒音制御回路からの出力信号を加算する加算器と、
前記加算器からの出力信号を再生する車室内後席近傍に
設置されたスピーカと、前記ハイパスフィルタからの出
力信号を再生するために車室内後席前方中央付近に設置
されたツイータと、前記制御点に設置されたマイクロホ
ンとを備え、前記騒音制御回路が、前記マイクロホンか
らの出力信号を誤差信号として、前記制御点での騒音を
低減するように適応動作し、前記音像制御回路が、前記
スピーカからの制御音により、前記制御点における音響
特性を、後席前方中央付近に計測用スピーカを設置した
場合の計測用スピーカと前記御点との間の伝達関数に近
似するように、前記ローパスフィルタからの信号を信号
処理し、前記スピーカが、測定信号を再生し、前記マイ
クロホンが前記測定信号を検出し、前記音像制御回路
が、その検出した測定信号に応じて前記スピーカから再
生するチャンネル信号のレベルを設定することを特徴と
する。
【0038】また、本発明の車載用音像制御装置は、音
源からの信号を信号処理する音像制御回路と、前記音像
制御回路からの出力信号を再生する車室内後席近傍前方
に設置されたスピーカと車室内後席近傍後方に設置され
たスピーカとを備え、前記音像制御回路は、前記後席近
傍前方に設置された前記スピーカと後席近傍後方に設置
された前記スピーカからの夫々独立の制御音により、少
なくとも1つの制御点における音響特性を、後席前方中
央付近に計測用スピーカを設置した場合の計測用スピー
カと前記制御点との間の伝達関数に近似するように、前
記音源からの信号を信号処理することを特徴とする。
【0039】また、本発明の車載用音像制御装置は、音
源からのを低域成分を通過させるローパスフィルタと、
前記音源からの信号の高域成分を通過させるハイパスフ
ィルタと、前記ローパスフィルタからの出力信号を信号
処理する音像制御回路と、前記音像制御回路からの出力
信号を再生する車室内後席近傍前方に設置された前記ス
ピーカおよび車室内後席近傍後方に設置された前記スピ
ーカと、前記ハイパスフィルタからの出力信号を再生す
るために車室内後席前方中央付近に設置されたツイータ
とから構成され、前記音像制御回路は、前記後席近傍前
方に設置された前記スピーカと後席近傍後方に設置され
た前記スピーカからの夫々独立の制御音により、前記制
御点における音響特性を、後席前方中央付近に計測用ス
ピーカを設置した場合の計測用スピーカと前記制御点と
の間の伝達関数に近似するように、前記ローパスフィル
タからの信号を信号処理することを特徴とする。
【0040】また、本発明の車載用音像制御装置は、車
載用マルチチャンネル音響システムにおける車載用音像
制御装置であって、騒音源からの騒音を検出し、その検
出信号より、少なくとも1つの制御点での騒音を低減す
るための逆位相の制御信号を生成する騒音制御回路と、
マルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネ
ル信号を信号処理する音像制御回路と、前記音像制御回
路からの出力信号と前記騒音制御回路からの出力信号を
加算する加算器と、前記加算器からの出力信号を再生す
る車室内席近傍前方に設置されたスピーカおよび車室
内後席近傍後方に設置されたスピーカと、前記少なくと
も1つの制御点に設置されたマイクロホンとを備え、前
記騒音制御回路は、前記マイクロホンからの出力信号を
誤差信号として、前記制御点での騒音を低減するように
適応動作し、前記音像制御回路が、前記後席近傍前方に
設置された前記スピーカと前記後席近傍後方に設置され
た前記スピーカからの夫々独立の制御音により、前記制
御点における音響特性を、後席前方中央付近に計測用ス
ピーカを設置した場合の計測用スピーカと前記制御点と
の間の伝達関数に近似するように、前記音源からの信号
を信号処理し、前記後席近傍前方に設置された前記スピ
ーカと前記後席近傍後方に設置された前記スピーカが、
測定信号を再生し、前記マイクロホンが、前記測定信号
を検出し、前記音像制御回路が、その検出した測定信号
に応じて前記後席近傍前方に設置された前記スピーカと
前記後席近傍後方に設置された前記スピーカから再生す
るチャンネル信号のレベルを設定することを特徴とす
る。
【0041】また、本発明の車載用音像制御装置は、車
載用マルチチャンネル音響システムにおける車載用音像
制御装置であって、騒音源からの騒音を検出し、その検
出信号より、少なくとも1つの制御点での騒音を低減す
るための逆位相の制御信号を生成する騒音制御回路と、
マルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネ
ル信号を低域成分を通過させるローパスフィルタと、前
記マルチチャンネル音源からの前記フロントセンターチ
ャンネル信号の高域成分を通過させるハイパスフィルタ
と、前記ローパスフィルタからの前記出力信号を信号処
理する音像制御回路と、前記音像制御回路からの前記出
力信号と前記騒音制御回路からの出力信号を加算する加
算器と、前記加算器からの出力信号を再生する車室内後
席近傍前方に設置されたスピーカおよび車室内後席近傍
後方に設置されたスピーカと、前記ハイパスフィルタか
らの出力信号を再生するために車室内後席前方中央付近
に設置されたツイータと、前記制御点に設置されたマイ
クロホンとを備え、前記騒音制御回路は、前記マイクロ
ホンからの出力信号を誤差信号として、前記制御点での
騒音を低減するように適応動作し、前記音像制御回路
が、前記後席近傍前方に設置された前記スピーカと後席
近傍後方に設置された前記スピーカからの夫々独立の制
御音により、前記制御点における音響特性を、後席前方
中央付近に計測用スピーカを設置した場合の計測用スピ
ーカと前記制御点間の伝達関数に近似するように、前記
ローパスフィルタからの信号を信号処理し、前記後席近
傍前方に設置された前記スピーカと後席近傍後方に設置
された前記スピーカは、測定信号を再生し、前記マイク
ロホンが前記測定信号を検出し、前記音像制御回路が、
その検出した測定信号に応じて前記各スピーカから再生
するチャンネル信号のレベルを設定することを特徴とす
る。
【0042】好ましくは、前記制御点が、運転席と助手
席の頭部近傍の夫々1点とすることを特徴とする。
【0043】好ましくは、前記制御点が、運転席あるい
は助手席の、両耳近傍の2点であることを特徴とする。
【0044】好ましくは、前記制御点が、運転席の両耳
近傍の2点および助手席の両耳近傍の2点であることを
特徴とする。
【0045】好ましくは、前記制御点は、運転席側後席
と助手席側後席の頭部近傍の夫々1点であることを特徴
とする。
【0046】好ましくは、前記制御点が、運転席側後席
あるいは助手席側後席の、両耳近傍の2点であることを
特徴とする。
【0047】好ましくは、前記制御点が、運転席側後席
の両耳近傍の2点および助手席側後席の両耳近傍の2点
であることを特徴とする。
【0048】好ましくは、前記音源からの信号は、ステ
レオLチャンネル信号とRチャンネル信号とを加算した
信号であることを特徴とする。
【0049】好ましくは、前記音源からの信号は、マル
チチャンネル信号におけるフロントセンターチャンネル
信号であることを特徴とする。
【0050】好ましくは、前記音源からの信号は、DV
Dマルチチャンネル信号におけるフロントセンターチャ
ンネル信号であることを特徴とする。
【0051】好ましくは、前記ツイータが、インストル
メントパネル中央付近に設置されることを特徴とする。
【0052】好ましくは、前記ツイータは、映像用ディ
スプレイとともに設置され、前記映像用ディスプレイ
は、インストルメントパネル中央付近に設置されること
を特徴とする。
【0053】好ましくは、前記ツイータは、センターコ
ンソール後部付近に設置されることを特徴とする車載用
音像制御装置。
【0054】好ましくは、前記ツイータは、映像用ディ
スプレイとともに設置され、前記映像用ディスプレイ
は、センターコンソール後部付近に設置されることを特
徴とする。
【0055】好ましくは、前記ローパスフィルタおよび
前記ハイパスフィルタは、前記音源からの信号を低域成
分と高域成分に滑らかに分割するチャンネルデバイダ機
能を有しており、前記低域成分と前記高域成分とのクロ
ストーク周波数を約1KHz〜約4KHz付近とするこ
とを特徴とする。
【0056】好ましくは、前記マルチチャンネル音源
は、DVD装置であることを特徴とする。
【0057】好ましくは、前記測定信号は、音楽を表す
信号であることを特徴とする。
【0058】好ましくは、前記測定信号は、風の音、波
の音、および川のせせらぎの音等を含む自然の音である
ことを特徴とする。
【0059】好ましくは、前記測定信号は、光ディスク
を含むマルチチャンネル音源記録デバイスにおける複数
の独立それぞれのチャンネルに記録されていることを特
徴とする。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図101を用いて説明する。
【0061】(実施の形態1)図1は実施の形態1にお
ける車載用音像制御装置のブロック図を示すものであ
る。特に、図1(a)は車体を上から見た図であり、図
1(b)はその車体を横から見た図である。
【0062】図1において、1は音源、2は音像制御回
路、3a〜3bは運転席近傍(例えば運転席ドア)およ
び助手席近傍(例えば助手席ドア)に設置されたスピー
カである。
【0063】図1(a)に示す車載用音像制御装置の動
作を以下に説明する。
【0064】音源1からの信号は、音像制御回路2で信
号処理され、スピーカ3a〜3bより再生される。音像
制御回路2は、制御点A、Bにおいてスピーカ3a〜3
bからの制御音の特性が、あたかも前方に設置したスピ
ーカより再生されている場合と同等な特性となるように
信号処理することになる。例えば、図2(a)および図
2(b)に示すようにインストルメントパネル18上面
中央付近に設置されたスピーカ4を考える。この場合の
スピーカ4から制御点A、Bへの伝達特性をG1、G2
とする。一方、図1におけるスピーカ3a〜3bから制
御点A、Bへの伝達特性をそれぞれC11、C12、C
21、C22とする。また、音像制御回路2における特
性をそれぞれH1、H2とする。図1の制御点A、Bに
おける伝達関数と、図2の各制御点A、Bにおける伝達
関数とがそれぞれ等しくなるように音像制御回路2が動
作すればよいので、 G1=C11H1+C21H2 G2=C12H1+C22H2 の連立方程式をH1、H2について解くと、 H1=(C21G2−C22G1)/(C12C21−
C11C22) H2=(C12G1−C11G2)/(C12C21−
C11C22) となる。C11、C12、C21、C22およびG1、
G2は全て測定可能なので、計算機処理などにより音像
制御回路2の特性H1、H2を求めることができる。
【0065】あるいは他の方法として、図3のように、
音像制御回路2に適応信号処理を利用してもよい。図3
において、制御点A、Bにマイクロホン5a〜5bをそ
れぞれ設置し、スイッチ7を導通させてマイクロホン5
a〜5bの位置でスピーカ4からの伝達音をスピーカ3
a〜3bからの制御音で打消すように音像制御回路2を
動作させる。これは、能動騒音制御技術の応用である。
【0066】たとえば、図3に示すように、音源1から
出力された信号が位相反転器6およびスピーカ4を通し
て出力され、音像制御回路2は逆位相の制御音を生成
し、スピーカ4からの伝達音を打消す。
【0067】図4は制御点Aでの打ち消し効果を示す図
であり、図5は制御点Bでの打ち消し効果を示す図であ
る。100〜4000Hzにおいて、最大10dB程度の低減効果が
得られている。このときの音像制御回路2の適応フィル
タ2a〜2bの特性H1、H2を用いて、スイッチ7を
遮断してスピーカ4からの再生音を停止し、スピーカ3
a〜3bのみから音を発生させる。
【0068】図6Aおよび図6Bは、そのときの制御点
Aでのスピーカ3a〜3bからの制御音の特性を示す図
であり、図7Aおよび図7Bは、そのときの制御点Bで
の制御音の特性を示す図である。
【0069】特に、図6Aおよび図7Aは、振幅周波数
特性を表し、図6Bおよび図7Bは位相周波数特性を表
している。これらから明らかなように、本実施形態では
図2における目標特性G1、G2にかなり近い特性が得
られている。つまり、本実施形態は、図102に示す従
来の装置と比較して格段に音像定位が向上することにな
る。
【0070】なお、図4および図5はパワースペクトル
(Power Spectrum)を示し、図6A、図6B、図7A、
および図7Bは周波数特性(Frequency Response)を示
している。
【0071】ところで、このように、図3に示す装置の
構成によって音像制御回路2の適応フィルタ2a〜2b
の特性H1、H2を求める場合、もし音像制御回路2の
因果律が問題となることがあれば、図8に示すように遅
延器8を音源1と位相反転器6との間に挿入してスピー
カ4から再生する音を適度に遅らせることで、因果律を
満足させることができる。
【0072】このように本実施形態では、新たなスピー
カ4を車室内に設けることなく、車室内の受聴者前方に
音像を定位させることができる。
【0073】また、制御を行うスピーカ3a〜3bが、
例えばそれぞれフロントドアに設置されることにより、
ある程度大口径のスピーカを用いることができ、またド
ア内部のバックキャビティも広いので、かなり低音の再
生も可能となる。これによって、例えば100Hz以下から
の音像定位制御も可能となる。
【0074】当然、スピーカ3a〜3bの設置場所を各
フロントドアに限定するものではなく、スピーカは例え
ば図106に示す装置のようにインストルメントパネル
18の運転席側近傍および助手席側近傍などに設置して
もよい。
【0075】なお、本実施形態ではスピーカ3a〜3b
をフルレンジ構成のように記述しているが、当然、周波
数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/またはツイ
ータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成としてもよ
い。
【0076】図9(a)および図9(b)は、ツイータ
3j〜3kを追加しマルチウェイスピーカ構成としたも
のを示す図である。ウーファー3a〜3bとツイータ3
j〜3kは直結しているように記述しているが、コンデ
ンサやコイルなどのネットワークフィルタを介して接続
されていても構わない。図10Aおよび図10Bは、図
9(a)に示す装置の構成における制御点Aでの周波数
特性を示す図であり、図11Aおよび図11Bは、図9
(a)に示す装置の構成における制御点Bでの周波数特
性を示す図である。これらの特性と、ツイータ3j〜3
kを使用していない装置の構成における特性(図6A、
図6B、図7A、および図7B)とを比較すると、図9
(a)に示す装置の構成の方が、1KHz以上、特に2〜3KH
z以上の特性が向上している。図9(a)に示す装置の
構成によって、ウーファー3a〜3bでは制御の難しか
った高域でツイータ3j〜3kによる特性向上が可能と
なる。
【0077】さらに、上述した実施形態では制御点A、
Bを運転席と助手席の頭部近傍にそれぞれ1点とした
が、制御点を、運転席の両耳近傍2点とり、あるいは助
手席の両耳近傍2点とってもよい。たとえば、図12
(a)および図12(b)は、運転席の両耳近傍2点を
制御する構成を示す図である。この場合の音像制御回路
2の特性は、これまで説明してきたように図13(a)
に示す目標特性G1、G2に近似するように求められ
る。
【0078】図14Aおよび図14Bは、図13に示す
装置の構成における制御点A(運転席右耳近傍)での周
波数特性を示す図であり、図15Aおよび図15Bは、
制御点B(運転席左耳近傍)での周波数特性を示す図で
ある。これらの特性と、運転席と助手席のそれぞれ頭部
近傍1点を制御した装置の構成における(図6A、図6
B、図7A、および図7B)を比較すると、図12
(a)に示す装置の方が、1KHz以下の特性が向上してい
るのが分かる。1KHz以下において図12(a)に示す装
置では、制御特性が目標特性とほぼ同じになるくらい制
御効果が向上している。これは、図12(a)に示す装
置の場合、制御点Aと制御点Bとの位置が近く、制御点
Aでの低域特性が制御点Bでの低域特性と類似している
ことによる。
【0079】このように、各座席の両耳近傍2点を制御
することにより、さらに目標特性に近い効果が得られ、
また両耳近傍の同時制御のため、音像定位が明確にな
る。これによって、例えば運転手のみが乗車している場
合、運転手は良好な音像の前方定位を感じられる。ま
た、例えば運転手は運転に集中するので同乗している助
手席に座っている人をよりよく制御したい場合には、助
手席のみに制御を行えばよい。
【0080】また、本実施形態では目標特性を、図13
に示すようにインストルメントパネル18上面中央に設
置したスピーカ4からの伝達特性としたが、これに限定
するものではない。例えば、目標特性が、図12に示す
スピーカ3a〜3bと図13に示すスピーカ4とを組合
せて、運転席正面前方にスピーカ4を設置したときの伝
達特性、またはスピーカ4を無響室に設置した場合の制
御点までの伝達特性であってもよい。
【0081】なお、運転席正面前方にスピーカ4を設置
した場合には、運転手の正面前方に音像が定位するよう
に制御することができ、またスピーカ4を無響室に設置
した場合には、受聴者前方に音像を定位しながら車室内
の反射や残響特性を打消すように制御することができ
る。
【0082】また、目標特性を任意に設定する(例えば
周波数平坦な特性)ために、その補正フィルタを、図3
あるいは図8における音源1とスピーカ4との間に挿入
する構成としてもよい。
【0083】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。
【0084】(実施の形態2)図16(a)および図1
6(b)は、実施の形態2における車載用音像制御装置
のブロック図を示すものである。特に、図16(a)は
車体を上から見た図であり、図16(b)はその車体を横
から見た図である。
【0085】図16(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3a〜3bは運転席近傍(例えば運転席ド
ア)および助手席近傍(例えば助手席ドア)に設置され
たスピーカ、9a〜9cは加算器である。本実施形態で
は、音源1はステレオ信号を生成するCD再生装置であ
る。
【0086】図16(a)に示す車載用音像制御装置に
ついて、その動作を以下に説明する。
【0087】音源1(CD再生装置)からのステレオ信
号は、加算器9aで加算され、その後、音像制御回路2
で信号処理され、それらの出力がそれぞれ音源1(CD
再生装置)からのチャンネル信号と加算されてスピーカ
3a〜3bよりそれぞれ再生される。実施の形態1と同
様に、音像制御回路2は、制御点A、Bにおいてスピー
カ3a〜3bからの制御音の特性が、あたかもインスト
ルメントパネル18の上面中央に設置したスピーカより
再生されている場合と同等な特性となるように信号処理
する。加算器9aが、ステレオ信号を加算することで、
モノラル信号が生成され、言い換えると、各チャンネル
に含まれる同相成分(例えばヴォーカル信号等、中央に
定位させたい信号)のレベルが増幅される。
【0088】この信号を音像制御回路2が信号処理する
ことにより、ヴォーカル信号等、中央に定位させたい信
号を受聴者前方中央に定位させることができる。そし
て、各チャンネルに個別に含まれる信号成分は、加算器
9b〜9cを介してスピーカ3a〜3bより再生される
ので、ステレオ信号の拡がり感を損なうことがない。
【0089】このように本実施形態では、インストルメ
ントパネル18の上面中央に新たなスピーカを使用する
ことなく、またステレオ信号の拡がり感を損なうことな
く、車室内の受聴者前方にステレオ信号における同相信
号成分を定位させることができる。さらに、制御を行う
スピーカ3a〜3bが、例えばそれぞれフロントドアに
設置されることにより、ある程度大口径のスピーカを用
いることができ、またドア内部のバックキャビティも広
いので、かなり低音の再生も可能となる。これによっ
て、例えば100Hz以下からの音像定位制御も可能とな
る。当然、スピーカ3a〜3bの設置場所を各フロント
ドアに限定するものではない。スピーカが、例えば図1
06に示す装置のようにインストルメントパネル18の
運転席側近傍および助手席側近傍などに設置されてもよ
い。
【0090】なお、本実施形態ではスピーカ3a〜3b
をフルレンジ構成のように記述しているが、本実施形態
の構成を、実施の形態1と同様に、周波数帯域毎にウー
ファー、スコーカ、および/またはツイータなどを用い
るマルチウェイスピーカ構成としてもよい。
【0091】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、本実施
形態の制御点が、実施の形態1と同様に、運転席の両耳
近傍2点、あるいは助手席の両耳近傍2点であってもよ
い。
【0092】また、本実施形態では、目標特性として、
インストルメントパネル18上面中央に設置されたスピ
ーカからの伝達特性が用いられたが、目標特性はこれに
限定されない。目標特性は、例えば運転席正面前方にス
ピーカを設置したときの伝達特性、またはスピーカを無
響室に設置した場合の制御点までの伝達特性、あるいは
周波数平坦な特性などであってもよい。
【0093】さらに、音像制御回路2が有する適応フィ
ルタの特性を求める場合に、音像制御回路2の因果律が
問題になる場合、図17(a)に示すように、遅延器8
aを音源1(CD再生装置)と加算器9aとの間に挿入
し、遅延器8bを音源1(CD再生装置)と加算器9b
との間に挿入してもよい。この場合、音像制御回路2の
出力信号と、音源1(CD再生装置)からのステレオ信
号の時間を合わせるために、遅延器8a〜8bでステレ
オ信号に適度な時間調整が施される。
【0094】さらに、本実施の形態では、音像制御回路
にの出力と音源1からのステレオ信号とを加算器9bお
よび9cでそれぞれ加算する構成としたが、音源1から
のステレオ信号を、(Lチャンネル)−(Rチャンネ
ル)あるいは(Rチャンネル)−(Lチャンネル)の差
信号として、加算器9bおよび9cで、音像制御回路2
からの出力と加算する構成としてもよい。
【0095】なお、本実施形態ではセダンなどの4ドア
車を例に挙げているが、これに限定するものではなく、
ワゴンや1ボックス車などあらゆる自動車に適用可能で
ある。
【0096】(実施の形態3)図18(a)および図1
8(b)は実施の形態3における車載用音像制御装置の
ブロック図を示すものである。特に、図18(a)は車
体を上から見た図であり、図18(b)はその車体を横か
ら見た図である。
【0097】図18(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3a〜3bは運転席近傍(例えば運転席ド
ア)および助手席近傍(例えば助手席ドア)に設置され
たスピーカ、3c〜3fは車室内に設置されたスピーカ
(例えばスピーカ3cは運転席側後席ドアに、スピーカ
3dは助手席側後席ドアに、スピーカ3e〜3fはリア
トレイにそれぞれ設置されている)、9a〜9bは加算
器である。
【0098】本実施形態は、音源1としてマルチチャン
ネルシステムであるDVD再生装置が用いられ、以下
に、マルチチャンネルシステムのセンターチャンネル信
号を制御する場合における車載用音像制御装置を示して
いる。
【0099】以下に、図18(a)に示す車載用音像制
御装置の動作を説明する。
【0100】音源1(DVD再生装置)からのセンター
チャンネル信号は、音像制御回路2で信号処理され、そ
れらの出力がそれぞれ音源1(DVD再生装置)からの
メインLチャンネル信号・メインRチャンネル信号と加
算され、スピーカ3a〜3bより再生される。実施の形
態1と同様に、音像制御回路2は、制御点A、Bにおい
てスピーカ3a〜3bからの制御音の特性が、あたかも
インストルメントパネル18の上面中央付近に設置した
スピーカより再生されている場合と同等な特性となるよ
うに信号処理する。これによって、センターチャンネル
信号を受聴者前方中央に定位させることができる。そし
て、メインLチャンネル信号・メインRチャンネル信号
は、加算器9a〜9bを介してスピーカ3a〜3bより
再生されるので、ステレオ信号の拡がり感を損なうこと
がない。また、スピーカ3c〜3dよりサラウンドLチ
ャンネル信号・サラウンドRチャンネル信号が、スピー
カ3e〜3fよりウーファーチャンネル信号がそれぞれ
個別に再生されるので、受聴者は、臨場感があり、低音
豊かなマルチチャンネルシステムを楽しむことができ
る。
【0101】このように本実施形態では、インストルメ
ントパネル18の上面中央付近に新たなスピーカを使用
することなく、またマルチチャンネルシステムの音質・
音場を損なうことなく、車室内の受聴者前方にセンター
チャンネル信号を定位させることができる。
【0102】さらに、制御を行うスピーカ3a〜3b
が、例えばそれぞれフロントドアに設置されることによ
り、ある程度大口径のスピーカを用いることができ、ま
たドア内部のバックキャビティも広いので、かなり低音
の再生も可能となる。これによって、本実施形態では、
例えば100Hz以下からの音像定位制御も可能となる。当
然、スピーカ3a〜3bの設置場所は、各フロントドア
に限定するものではなく、スピーカは、例えば、図10
6に示す装置のようにインストルメントパネル18の運
転席側近傍および助手席側近傍などに設置されてもよ
い。
【0103】なお、本実施形態では、スピーカ3a〜3
fをフルレンジ構成のように記述しているが、実施の形
態1と同様に、周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、
および/またはツイータなどを用いるマルチウェイスピ
ーカ構成としてもよい。
【0104】さらに、本実施形態では、制御点A、Bは
運転席と助手席の頭部近傍にそれぞれ1点としたが、制
御点は、実施の形態1と同様に、運転席の両耳近傍2
点、あるいは助手席の両耳近傍2点としてもよい。
【0105】また、本実施形態では目標特性をインスト
ルメントパネル18上面中央に設置したスピーカからの
伝達特性としたが、これに限定されない。目標特性は、
例えば運転席正面前方にスピーカを設置したときの伝達
特性、またはスピーカを無響室に設置した場合の制御点
までの伝達特性、あるいは周波数平坦な特性としてもよ
い。
【0106】さらに、音像制御回路2の特性の因果律を
考慮する場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(D
VD再生装置)からのメインLチャンネル信号・メイン
Rチャンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウ
ーファーチャンネル信号の時間を合わせるために、図1
9に示すように、遅延器8aが加算器9aと音源1(D
VD再生装置)との間に挿入され、遅延器8bが加算器
9bと音源1(DVD再生装置)との間に挿入され、遅
延器8cがスピーカ3cと音源1(DVD再生装置)と
の間に挿入され、遅延器8dがスピーカ3dと音源1
(DVD再生装置)との間に挿入され、遅延器8eがス
ピーカ3e、3fと音源1(DVD再生装置)との間に
挿入されてもよい。そのような構成により、メインLチ
ャンネル信号・メインRチャンネル信号およびサラウン
ドLチャンネル信号・サラウンドRチャンネル信号とウ
ーファーチャンネル信号を適度に時間調整する構成とす
ればよい。
【0107】また、本実施形態ではサラウンドチャンネ
ル信号をスピーカ3c〜3dより再生する構成としてい
たが、図20(a)および図20(b)に示すように、
サラウンドLチャンネル信号・サラウンドRチャンネル
信号とウーファーチャンネル信号が加算され、スピーカ
3e〜3fが加算された信号を再生してもよい。当然、
スピーカ3e〜3fを省いて、加算器9c〜9dから出
力される加算された信号がスピーカ3c〜3dより再生
されてもよい。
【0108】さらに、上述した実施形態では、車両とし
てセダンなどの4ドア車を例に挙げているが、これに限
定するものではなく、ワゴンや1ボックス車などのあら
ゆる車両に適用可能である。例えば、ワゴンなどリアト
レイ部を持たない車種の場合、本実施形態のスピーカ3
e〜3fがリアラゲッジルームの壁面などに設置されて
もよい。
【0109】(実施の形態4)図21は、実施の形態4
における車載用音像制御装置のブロック図を示すもので
ある。特に、図21(a)は車体を上から見た図であ
り、図21(b)はその車体を横から見た図である。
【0110】図21(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3a〜3bは運転席近傍(例えば運転席ド
ア)および助手席近傍(例えば助手席ドア)に設置され
たスピーカ、10はローパスフィルタ、11はハイパス
フィルタ、12はインストルメントパネル18上面中央
付近に設置されたツイータである。本実施形態では、実
施の形態1における音源1からの信号が低域成分と高域
成分に分割され、低域成分のみが、音像制御回路2によ
って制御される。
【0111】図21(a)に示す車載用音像制御装置の
動作を以下に説明する。
【0112】音源1からの信号は、ローパスフィルタ1
0で低域成分が抽出され、またハイパスフィルタ11で
高域成分が抽出される。その後、ローパスフィルタ10
の出力は、音像制御回路2で信号処理され、スピーカ3
a〜3bより再生される。実施の形態1と同様に、音像
制御回路2は、制御点A、Bにおいてスピーカ3a〜3
bからの制御音の特性が、あたかもインストルメントパ
ネル18の上面中央付近設置したスピーカより再生され
ている場合と同等な特性となるように信号処理する。こ
れによって、本実施形態は、実施の形態1と同様に、ロ
ーパスフィルタ10からの音源信号を受聴者前方中央に
定位させることができる。さらに、本実施形態では、ハ
イパスフィルタ11の出力(高域成分)が、インストル
メントパネル18上面中央付近に設置されたツイータ1
2から再生され、定位感が向上する。
【0113】図22は、ローパスフィルタ10とハイパ
スフィルタ11の特性を示す図である。ローパスフィル
タ10およびハイパスフィルタ11は、ある周波数f1
(例えば2KHz)で、クロスオーバーする特性とし、それ
らのフィルタの総合特性は、平坦となるようにする。
【0114】この周波数f1が、高いほどツイーター1
2は小型化でき、逆に周波数f1が低くなればスピーカ
3a〜3bを低域専用に特化させることができる。
【0115】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカをインストルメントパネル18に使用することな
く、車室内の受聴者前方に音像を定位させることがで
き、かつ、高域を再生するツイータ12をインストルメ
ントパネル18上面に実際に設置することで更なる定位
感の向上を実現できる。
【0116】また、ローパスフィルタ10とハイパスフ
ィルタ11により、入力信号が高域と低域に分割され、
高域を再生する小型のツイータ12のみがインストルメ
ントパネル18上面に設置される構成としたので、設置
に必要な容積が極めて小さく済み、従来のように設置ス
ペースがないなどの課題が解決される。
【0117】さらに、制御を行うスピーカ3a〜3b
が、例えばそれぞれフロントドアに設置されることによ
り、ある程度大口径のスピーカを用いることができ、ま
たドア内部のバックキャビティも広いので、かなり低音
の再生も可能となる。これによって、例えば100Hz以下
からの音像定位制御も可能となる。当然、スピーカ3a
〜3bの設置場所を各フロントドアに限定するものでは
なく、例えば(図106)の従来例のようにインストル
メントパネル18の運転席側近傍および助手席側近傍な
どに設置してもよい。
【0118】なお、本実施形態ではスピーカ3a〜3b
をフルレンジ構成のように記述しているが、本実施形態
は、実施の形態1と同様に、周波数帯域毎にウーファ
ー、スコーカ、および/またはツイータなどを用いるマ
ルチウェイスピーカ構成としてもよい。図23(a)お
よび図23(b)は、マルチウェイスピーカ構成の一例
を示す図である。
【0119】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、制御点
は、実施の形態1と同様に、運転席の両耳近傍2点、あ
るいは助手席の両耳近傍2点としてもよい。図24
(a)および図24(b)は、制御点を運転席の両耳近
傍2点にした場合における構成の一例を示す図である。
【0120】また、本実施形態では目標特性をインスト
ルメントパネル18上面中央に設置したスピーカからの
伝達特性としたが、これに限定するものではなく、目標
特性は、例えば運転席正面前方にスピーカを設置したと
きの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置した場合
の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な特性で
あってもよい。
【0121】さらに、上述した実施形態では、ツイータ
12の設置場所が、インストルメントパネル18上面中
央であるが、ツイータ12の設置場所は、のインストル
メントパネル18上面中央に限定されるものではなく、
オーディオ操作部や空調操作部など運転席と助手席の間
で且つ前方であれば特に問題はない。場合によっては、
ルームミラーにツイータ12が取り付けられてもよい。
【0122】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカをインストルメントパネル
18上面中央に設置した場合、あるいはそれ以外の場所
に設置した場合を問わず、そのスピーカ位置とツイータ
12の設置場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0123】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、これに限定するものではな
く、本実施形態は、ワゴンや1ボックス車などあらゆる
車両に適用可能である。
【0124】(実施の形態5)図25は、実施の形態5
における車載用音像制御装置のブロック図を示すもので
ある。特に、図25(a)は車体を上から見た図であ
り、図25(b)はその車体を横から見た図である。
【0125】図25(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3a〜3bは運転席近傍(例えば運転席ド
ア)および助手席近傍(例えば助手席ドア)に設置され
たスピーカ、9a〜9cは加算器、10はローパスフィ
ルタ、11はハイパスフィルタ、12はインストルメン
トパネル18上面中央付近に設置されたツイータであ
る。本実施形態では、音源1としてステレオ信号を生成
するCD再生装置が用いられ、また、ステレオ信号を加
算した信号を低域成分と高域成分に分割し、低域成分の
みを音像制御回路2によって制御する。
【0126】図25(a)に示す車載用音像制御装置の
動作を以下に説明する。
【0127】音源1(CD再生装置)からのステレオ信
号は、加算器9aで加算された後、ローパスフィルタ1
0で低域成分が抽出され、またハイパスフィルタ11で
高域成分が抽出される。その後、ローパスフィルタ10
の出力は、音像制御回路2で信号処理され、それらの出
力がそれぞれ音源1(CD再生装置)からの各チャンネ
ル信号と加算されてスピーカ3a〜3bより再生され
る。実施の形態1と同様に、音像制御回路2は、制御点
A、Bにおいてスピーカ3a〜3bからの制御音の特性
が、あたかも、インストルメントパネル18の上面中央
付近に設置したスピーカより再生されている場合と同等
な特性となるように信号処理する。
【0128】加算器9aが、ステレオ信号を加算するこ
とで実施の形態4と同様にモノラル信号とし、また各チ
ャンネルに含まれる同相成分(例えばヴォーカル信号
等、中央に定位させたい信号)のレベルが増幅される。
この信号は、ローパスフィルタ10で低域成分を抽出さ
れ、音像制御回路2が信号処理することにより、ヴォー
カル信号等、受聴者前方中央に定位させたい信号を受聴
者前方中央に定位させることができる。
【0129】そして、各チャンネルに個別に含まれる信
号成分は、加算器9b〜9cを介してスピーカ3a〜3
bより再生されるので、ステレオ信号の拡がり感が損な
われない。また、高域成分については、ハイパスフィル
タ11の出力をインストルメントパネル18上面中央付
近に設置されたツイータ12から再生することで、さら
に定位感が向上する。
【0130】ここで、ローパスフィルタ10とハイパス
フィルタ11の特性は、図22に示すように、ある周波
数f1(例えば2KHz)でクロスオーバーする特性とし、
それらのフィルタの総合特性が平坦になるようにする。
この周波数f1が高いほどツイーター12は小型化でき
る。
【0131】このように、本実施形態では、大口径のス
ピーカをインストルメントパネル18に使用することな
く、またステレオ信号の拡がり感を損なうことなく、車
室内の受聴者前方にステレオ信号における同相信号成分
を定位させることができ、かつ、高域を再生するツイー
タ12をインストルメントパネル18上面に実際に設置
することで更なる定位感の向上を実現できる。
【0132】また、ローパスフィルタ10とハイパスフ
ィルタ11により、入力信号が高域と低域に分割され、
高域を再生する小型のツイータ12のみがインストルメ
ントパネル18上面に設置される構成としたので、設置
に必要な容積が極めて小さく済み、従来のように設置ス
ペースがないなどの課題が解決される。
【0133】さらに、制御を行うスピーカ3a〜3b
が、例えばそれぞれフロントドアに設置されることによ
り、ある程度大口径のスピーカを用いることができ、ま
たドア内部のバックキャビティも広いので、かなり低音
の再生も可能となる。これによって、例えば100Hz以下
からの音像定位制御も可能となる。当然、スピーカ3a
〜3bの設置場所を各フロントドアに限定するものでは
なく、例えば図106に示す装置のように、インストル
メントパネル18の運転席側近傍および助手席側近傍な
どに設置してもよい。
【0134】なお、本実施形態ではスピーカ3a〜3b
をフルレンジ構成のように記述しているが、(実施の形
態4)と同様に、周波数帯域毎にウーファー、スコー
カ、および/またはツイータなどを用いるマルチウェイ
スピーカ構成としてもよい。
【0135】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、(実施
の形態4)と同様に、運転席の両耳近傍2点、あるいは
助手席の両耳近傍2点としてもよい。
【0136】また、本実施形態では目標特性をインスト
ルメントパネル18上面中央に設置したスピーカからの
伝達特性としたが、目標特性は、これに限定されるもの
ではなく、例えば運転席正面前方にスピーカを設置した
ときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置した場
合の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な特性
などであってもよい。
【0137】さらに、上述した実施形態では、ツイータ
12がインストルメントパネル18上面中央に設置され
るとしたが、ツイータ12が設置される場所は、インス
トルメントパネル18上面中央に限定するものではな
く、オーディオ操作部や空調操作部など運転席と助手席
の間でしかも前方であれば特に問題はない。場合によっ
ては、ツイータ12がルームミラーに取り付けられても
よい。
【0138】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカをインストルメントパネル
18上面中央に設置した場合、あるいはそれ以外の場所
に設置した場合を問わず、そのスピーカ位置とツイータ
12の設置場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0139】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(CD再生
装置)からのステレオ信号の時間を合わせるために、図
26に示すように、遅延器8aが音源1(CD再生装
置)と加算器9aとの間に挿入され、遅延器8bが音源
1(CD再生装置)と加算器9bとの間に挿入され、ス
テレオ信号を適度に時間調整してもよい。
【0140】また、本実施の形態では、音像制御回路に
の出力と音源1からのステレオ信号とを加算器9bおよ
び9cでそれぞれ加算する構成としたが、音源1からの
ステレオ信号を、(Lチャンネル)−(Rチャンネル)
あるいは(Rチャンネル)−(Lチャンネル)の差信号
として、加算器9bおよび9cで、音像制御回路2から
の出力と加算する構成としてもよい。
【0141】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、これに限定するものではな
く、本実施形態は、ワゴンや1ボックス車などあらゆる
車両に適用可能である。
【0142】(実施の形態6)図27は実施の形態6に
おける車載用音像制御装置のブロック図を示すものであ
る。特に、図27(a)は車体を上から見た図であり、
図27(b)はその車体を横から見た図である。図27
(a)において、1は音源、2は音像制御回路、3a〜
3bは運転席近傍(例えば運転席ドア)および助手席近
傍(例えば助手席ドア)に設置されたスピーカ、3c〜
3fは車室内に設置されたスピーカ(例えばスピーカ3
cは運転席側後席ドアに、スピーカ3dは助手席側後席
ドアに、スピーカ3e〜3fはリアトレイにそれぞれ設
置されている)、9a〜9bは加算器、10はローパス
フィルタ、11はハイパスフィルタ、12はインストル
メントパネル18上面中央付近に設置されたツイータで
ある。本実施形態は、音源1として、マルチチャンネル
システムであるDVD再生装置が使用され、音源1(D
VD再生装置)からの信号が低域成分と高域成分に分割
され、低域成分のみを音像制御回路2によって制御す
る。
【0143】図27(a)に示す車載用音像制御装置の
動作を以下に説明する。
【0144】音源1(DVD再生装置)からのセンター
チャンネル信号は、ローパスフィルタ10で低域成分が
抽出され、またハイパスフィルタ11で高域成分が抽出
される。その後、ローパスフィルタ10の出力は、音像
制御回路2で信号処理され、それらの出力がそれぞれ音
源1(DVD再生装置)からのメインLチャンネル信号
・メインRチャンネル信号と加算されてスピーカ3a〜
3bより再生される。実施の形態1と同様に、音像制御
回路2は、制御点A、Bにおいてスピーカ3a〜3bか
らの制御音の特性が、あたかも、インストルメントパネ
ル18の上面中央付近に設置したスピーカより再生され
ている場合と同等な特性となるように信号処理する。こ
れによって、本実施形態は、センターチャンネル信号を
受聴者前方中央に定位させることができる。そして、メ
インLチャンネル信号・メインRチャンネル信号は、加
算器9a〜9bを介してスピーカ3a〜3bより再生さ
れるので、ステレオ信号の拡がり感を損なうことがな
い。また、高域成分については、ハイパスフィルタ11
の出力をインストルメントパネル18上面中央付近に設
置されたツイータ12から再生することで、さらに定位
感が向上する。
【0145】図22は、ローパスフィルタ10とハイパ
スフィルタ11の特性を示している。
【0146】また、サラウンドLチャンネル信号・サラ
ウンドRチャンネル信号が、スピーカ3c〜3dより出
力され、ウーファーチャンネル信号がスピーカ3e〜3
fより出力されるので、受聴者は、臨場感があり、低音
豊かなマルチチャンネルシステムを楽しむことができ
る。
【0147】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカをインストルメントパネル18に使用することな
く、またマルチチャンネルシステムの音質・音場を損な
うことなく、車室内の受聴者前方にセンターチャンネル
信号を定位させることができる。
【0148】さらに、高域を再生するツイータ12をイ
ンストルメントパネル18上面に実際に設置することで
更なる定位感の向上を実現できる。
【0149】また、ローパスフィルタ10とハイパスフ
ィルタ11により、信号を高域と低域に分割して、高域
の信号を再生する小型のツイータ12のみをインストル
メントパネル18上面に設置する構成としたので、設置
に必要な容積が極めて小さく済み、従来のように設置ス
ペースがないなどの課題が解決される。
【0150】さらに、制御を行うスピーカ3a〜3b
が、例えばそれぞれフロントドアに設置されることによ
り、ある程度大口径のスピーカを用いることができ、ま
たドア内部のバックキャビティも広いので、かなり低音
の再生も可能となる。これによって、例えば100Hz以下
からの音像定位制御も可能となる。当然、スピーカ3a
〜3bの設置場所は、各フロントドアに限定するもので
はなく、例えば図106に示す装置のようにインストル
メントパネル18の運転席側近傍および助手席側近傍な
どであってもよい。
【0151】なお、上述した実施形態ではスピーカ3a
〜3fをフルレンジ構成のようにしているが、本実施形
態は、実施の形態4と同様に、周波数帯域毎にウーファ
ー、スコーカ、および/またはツイータなどを用いるマ
ルチウェイスピーカ構成としてもよい。
【0152】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、制御点
は、実施の形態1と同様に、運転席の両耳近傍2点、あ
るいは助手席の両耳近傍2点としてもよい。
【0153】また、本実施形態では目標特性を、インス
トルメントパネル18上面中央に設置したスピーカから
の伝達特性としたが、目標特性は、これに限定するもの
ではなく、例えば運転席正面前方にスピーカを設置した
ときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置した場
合の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な特性
であってもよい。
【0154】さらに、上述した実施形態ではツイータ1
2の設置場所をインストルメントパネル18上面中央と
したが、ツイータ12の設置場所は、インストルメント
パネル18上面中央に限定されるものではなく、オーデ
ィオ操作部や空調操作部など運転席と助手席の間で且つ
前方であれば特に問題はない。場合によっては、ルーム
ミラーにツイータ12が取り付けられてもよい。例え
ば、図28に示すように音源1(DVD再生装置)の映
像を映す液晶画面13とは別個にインストルメントパネ
ル18上面にツイータ12が設けられても構わないし、
あるいはツイータ12がオーディオ操作部19に設置さ
れてもよい。
【0155】さらに、図29に示すように液晶画面13
とツイータ12を一体構成としてもよい。図29に示す
ように、液晶画面13とツイータ12を一体構成とすれ
ば、インストルメントパネル18にツイータ12の設置
場所を準備する必要がなくなる。
【0156】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカをインストルメントパネル
18上面中央に設置した場合、あるいはそれ以外の場所
に設置した場合を問わず、そのスピーカ位置とツイータ
12の設置場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0157】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、図30に示
すように、遅延器8a〜8eがそれぞれ挿入され、メイ
ンLチャンネル信号・メインRチャンネル信号、サラウ
ンドチャンネル信号およびウーファーチャンネル信号が
適度に時間調整されてもよい。
【0158】また、本実施形態では、サラウンドチャン
ネル信号をスピーカ3c〜3dより再生する構成として
いたが、本実施形態の構成は、実施の形態3と同様にサ
ラウンドチャンネル信号とウーファーチャンネル信号を
加算し、スピーカ3e〜3f、あるいはスピーカ3c〜
3dより再生する構成としてもよい。この場合、できれ
ば加算器を2つ用いてサラウンド信号は2チャンネル再
生できるようにすることが望ましい。
【0159】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、これに限定するものではな
く、本実施形態は、ワゴンや1ボックス車などあらゆる
車両に適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部
を持たない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3
fがリアラゲッジルームの壁面などに設置されてもよ
い。
【0160】(実施の形態7)図31は、実施の形態7
における車載用音像制御装置のブロック図を示すもので
ある。特に、図31(a)は車体を上から見た図であ
り、図31(b)はその車体を横から見た図である。図3
1(a)において、1は音源、2は音像制御回路、3a
〜3bは運転席近傍(例えば運転席ドア)および助手席
近傍(例えば助手席ドア)に設置されたスピーカ、3c
〜3fは車室内に設置されたスピーカ(例えばスピーカ
3cは運転席側後席ドアに、スピーカ3dは助手席側後
席ドアに、スピーカ3e〜3fはリアトレイにそれぞれ
設置されている)、5a〜5dはマイクロホン、9a〜
9eは加算器、14はレベル制御回路、15a〜15f
はボリューム、16は能動騒音制御回路、17は自動車
のエンジンである。本実施形態は、実施の形態3におけ
る車載用音像制御装置に能動騒音制御装置を組み合わせ
たものである。
【0161】図31(a)に示す車載用音像制御装置の
動作を以下に説明する。
【0162】音源1(DVD再生装置)からの各チャン
ネル信号は、ボリューム15a〜15fでそれぞれレベ
ル調整される。ボリューム15aでレベル調整されたセ
ンターチャンネル信号は、音像制御回路2で信号処理さ
れ、それらの出力がそれぞれボリューム15b〜15c
でレベル調整されたメインLチャンネル信号・メインR
チャンネル信号と加算されてスピーカ3a〜3bより再
生される。(実施の形態1)と同様に、音像制御回路2
は、制御点A、Bにおいてスピーカ3a〜3bからの制
御音の特性が、あたかもインストルメントパネル18の
上面中央付近に設置したスピーカより再生されている場
合と同等な特性となるように信号処理する。これによっ
て、センターチャンネル信号を受聴者前方中央に定位さ
せることができる。そして、メインLチャンネル信号・
メインRチャンネル信号は、加算器9a〜9bを介して
スピーカ3a〜3bより再生されるので、ステレオ信号
の拡がり感を損なうことがない。また、スピーカ3c〜
3dよりサラウンドLチャンネル信号・サラウンドRチ
ャンネル信号が、スピーカ3e〜3fよりウーファーチ
ャンネル信号がそれぞれ個別に再生されるので、臨場感
があり、受聴者は低音豊かなマルチチャンネルシステム
を楽しむことができる。
【0163】次に、能動騒音制御装置16は、エンジン
17からの騒音信号(例えばエンジンパルスなど)をリ
ファレンス信号とし、また各座席に設置したマイクロホ
ン5a〜5dからの車室内騒音信号をエラー信号とし
て、各エラー信号を最小とするようにリファレンス信号
を信号処理して制御信号を出力する。各制御信号は、加
算器9a〜9eを介してスピーカ3a〜3fより再生さ
れる。このスピーカ3a〜3fから再生された制御音
は、各マイクロホン5a〜5d位置で、エンジン17か
らのエンジン音と同振幅逆位相の関係となるように能動
騒音制御装置16によって制御されているため、エンジ
ン音が低減される。能動騒音制御装置16の動作につい
ては、基本アルゴリズムとなる Filtered-x LMSアルゴ
リズム(例えば参考文献として、B. Widrow and S. Ste
arns,「Adaptive Signal Processing」(Prentice-Hall,En
glewood Cliffs,NJ,1985))や、そのマルチチャンネル
応用のMultiple Error Filtered-x LMSアルゴリズム
(例えば参考文献として、S. J.Elliott, I. M. Stothe
rs and P. A. Nelson,("A multiple error LMS algorit
hm and its application to the active control of so
und and vibration."IEEETrans. Acoust. Speech Signa
l Process. ASSP-35,pp1423-1434(1987)))に詳しく説
明されている。
【0164】次に、レベル制御回路14の動作を、図3
2を用いて説明する。図32は、レベル制御回路14お
よび音源1(DVD再生装置)を示す図である。
【0165】レベル制御回路14は、マイクロホン5a
〜5bからの信号と音源1(DVD再生装置)からの各
チャンネル信号のレベルをそれぞれ比較するレベル比較
器14a〜14fを有している。そこで、音源1(DV
D再生装置)は、各チャンネル毎に測定信号を出力し、
レベル比較器14a〜14fがマイクロホン5a〜5b
で検出した車室内の測定信号レベルと元の信号レベルと
を比較し、その差が予め決められた値(例えば同レベ
ル)となるようにボリューム15a〜15fを調整す
る。例えば、まずセンターチャンネルから測定信号が発
生し、これがレベル比較器14aに入力されるととも
に、ボリューム15aを経由してスピーカ3a〜3bよ
り再生され、その音がマイクロホン5a〜5bで検出さ
れてレベル比較器14aに入力される。レベル比較器1
4aは、音源1(DVD再生装置)からのセンターチャ
ンネル信号とマイクロホン5a〜5bからの検出信号の
レベルを比較して、その差が予め決められた値となるよ
うにボリューム15a〜15fを調整する。それが終了
すれば、次に、メインRチャンネルの設定を行い、つい
でメインLチャンネルの設定を行うというように各チャ
ンネルのレベル設定を順次行う。これによって、受聴者
のいる運転席、あるいは助手席において最適な各チャン
ネルレベル設定が自動的に行われる。
【0166】ここで、測定信号には、ホワイトノイズや
ピンクノイズなどの他に、ある程度周波数帯域が広いも
のであれば、音楽、風の音、波の音あるいは川のせせぎ
の音などの自然音でもよい。これらを測定信号に用いれ
ば、乗員がいても不快感を与えることがない。また、D
VDソフト毎に各チャンネルの最適な信号レベルを記憶
しておき、この信号レベルと同程度になるようにレベル
制御回路14がボリューム15a〜15fを制御する構
成としてもよい。この場合、DVDソフト毎に各チャン
ネルの録音レベルが異なっていても、常にそのソフトに
応じた最適音量レベルでマルチチャンネル再生を楽しむ
ことができる。さらに、DVDソフトの各チャンネル毎
に、例えばセンターチャンネルはヴォーカル、メインL
チャンネルはギター、メインRチャンネルはピアノな
ど、独自の測定信号を記憶しておくことにより、レベル
比較器14a〜14fが音源1(DVD再生装置)から
の信号とマイクロホン5a〜5bからの信号の相関を見
ながらボリューム15a〜15fを調整する構成とすれ
ば、それらの測定信号を同時発生させてレベル調整する
ことができる。
【0167】このように本実施形態では、インストルメ
ントパネル18の上面中央付近に新たなスピーカを使用
することなく、またマルチチャンネルシステムの音質・
音場を損なうことなく、車室内の受聴者前方にセンター
チャンネル信号を定位させることができる。さらに、制
御を行うスピーカ3a〜3bが、例えばそれぞれフロン
トドアに設置されることにより、ある程度大口径のスピ
ーカを用いることができ、またドア内部のバックキャビ
ティも広いので、かなり低音の再生も可能となる。これ
によって、例えば100Hz以下からの音像定位制御も可能
となる。当然、スピーカ3a〜3bの設置場所を各フロ
ントドアに限定するものではなく、例えば図106に示
す装置のようにインストルメントパネル18の運転席側
近傍および助手席側近傍などに設置してもよい。
【0168】なお、本実施形態では、スピーカ3a〜3
fをフルレンジ構成のように記述しているが、スピーカ
が、実施の形態1と同様に、周波数帯域毎にウーファ
ー、スコーカ、および/またはツイータなどを用いるマ
ルチウェイスピーカ構成としてもよい。
【0169】また、本実施形態では能動騒音制御回路1
6とマイクロホン5a〜5d、およびレベル制御回路1
4とボリューム15a〜15fを用いることにより、例
えばエンジン音の低減など能動騒音制御動作を行うこと
ができ、また新たにマイクロホンを追加することなく、
能動騒音制御回路16とマイクロホン5a〜5bを共用
しながら、レベル制御回路14とボリューム15a〜1
5fにより、受聴者のいる運転席、あるいは助手席にお
いてマルチチャンネルシステムにおける最適な各チャン
ネルレベル設定を自動的に行うことができる。
【0170】なお、本実施形態では騒音制御回路16の
騒音入力信号がエンジン17からの信号としたが、騒音
入力信号は、これに限定されるものではなく、自動車走
行騒音などを検出するために車室内に設置された複数の
加速度(あるいは振動)センサまたはマイクロホンなど
であってもよい。
【0171】また、本実施形態では、騒音信号が1つ、
制御信号が5つ、エラー信号が4つの所謂1−5−4シ
ステムとなっているが、これに限定されるものではな
い。
【0172】さらに、本実施形態のレベル制御回路14
は、図32に示すような構成としたが、このように必ず
しも制御点A、Bの両方のレベル比較を行わねばならな
いということではなく、例えば図33のように制御点
A、Bのどちらか一方の比較制御としてもよい。
【0173】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、制御点
は、実施の形態1と同様に、運転席の両耳近傍2点、あ
るいは助手席の両耳近傍2点としてもよい。なお、運転
席の両耳近傍2点制御の構成を図34に示す。この場
合、マイクロホン5a〜5bが運転席両耳近傍に設置さ
れているため、他の騒音制御用マイクロホン5c〜5h
も各座席に2つずつ設置される。また、スピーカ3e〜
3fを騒音制御用に個別に用いるため加算器9fを追加
しているが、図31のようにスピーカ3e〜3fはモノ
ラル仕様であってもよい。また、本実施形態ではサラウ
ンドチャンネル信号をスピーカ3c〜3dより再生する
構成としていたが、本実施形態は、実施の形態3と同様
にサラウンドチャンネル信号とウーファーチャンネル信
号を加算し、スピーカ3e〜3f、あるいはスピーカ3
c〜3dより再生する構成としてもよい。この場合、で
きれば加算器を2つ用いてサラウンド信号は2チャンネ
ル再生できるようにするのが望ましい。これらは、能動
騒音制御回路16の動作次第である。
【0174】また、本実施形態では目標特性をインスト
ルメントパネル18上面中央に設置したスピーカからの
伝達特性としたが、目標特性は、これに限定するもので
はなく、例えば運転席正面前方にスピーカを設置したと
きの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置した場合
の制御点までの伝達特性あるいは周波数平坦な特性など
にしてもよい。
【0175】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、図35のよ
うに遅延器8a〜8eがそれぞれ挿入され、遅延器8a
〜8eがメインLチャンネル信号・メインRチャンネル
信号、サラウンドチャンネル信号およびウーファーチャ
ンネル信号を適度に時間調整してもよい。
【0176】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、本実施形態は、これに限定す
るものではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆる車
両に適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を
持たない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3f
がリアラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0177】(実施の形態8)図36は、実施の形態8
における車載用音像制御装置のブロック図を示すもので
ある。特に、図36(a)は車体を上から見た図であ
り、図36(b)はその車体を横から見た図である。
【0178】図36において、1は音源、2は音像制御
回路、3a〜3bは運転席近傍(例えば運転席ドア)お
よび助手席近傍(例えば助手席ドア)に設置されたスピ
ーカ、3c〜3fは車室内に設置されたスピーカ(例え
ばスピーカ3cは運転席側後席ドアに、スピーカ3dは
助手席側後席ドアに、スピーカ3e〜3fはリアトレイ
にそれぞれ設置されている)、5a〜5dはマイクロホ
ン、9a〜9eは加算器、10はローパスフィルタ、1
1はハイパスフィルタ、12はインストルメントパネル
18上面中央付近に設置されたツイータ、14はレベル
制御回路、15a〜15fはボリューム、16は能動騒
音制御回路、17は自動車のエンジンである。本実施形
態は、音源1(DVD再生装置)からのセンターチャン
ネル信号を低域成分と高域成分に分割し、低域成分のみ
を音像制御回路2によって制御し、さらに能動騒音制御
を行う。
【0179】図36(a)に示す車載用音像制御装置の
動作を以下に説明する。
【0180】音源1(DVD再生装置)からの各チャン
ネル信号は、ボリューム15a〜15fでそれぞれレベ
ル調整される。ボリューム15aでレベル調整されたセ
ンターチャンネル信号は、ローパスフィルタ10で低域
成分が抽出され、またハイパスフィルタ11で高域成分
が抽出される。その後、ローパスフィルタ10の出力
は、音像制御回路2で信号処理され、それらの出力がそ
れぞれボリューム15b〜15cでレベル調整されたメ
インLチャンネル信号・メインRチャンネル信号と加算
されてスピーカ3a〜3bより再生される。本実施形態
では、実施の形態1と同様に、音像制御回路2が、制御
点A、Bにおいてスピーカ3a〜3bからの制御音の特
性が、あたかもインストルメントパネル18の上面中央
付近に設置したスピーカより再生されている場合と同等
な特性となるように信号処理する。これによって、セン
ターチャンネル信号を受聴者前方中央に定位させること
ができる。そして、メインLチャンネル信号・メインR
チャンネル信号は、加算器9a〜9bを介してスピーカ
3a〜3bより再生されるので、ステレオ信号の拡がり
感を損なうことがない。また、高域成分については、ハ
イパスフィルタ11の出力をインストルメントパネル1
8上面中央付近に設置されたツイータ12から再生する
ことで、さらに定位感が向上する。
【0181】図22は、ローパスフィルタ10とハイパ
スフィルタ11の特性を示している。
【0182】また、スピーカ3c〜3dよりサラウンド
Lチャンネル信号・サラウンドRチャンネル信号が、ス
ピーカ3e〜3fよりウーファーチャンネル信号がそれ
ぞれ個別に再生されるので、受聴者は、臨場感があり、
低音豊かなマルチチャンネルシステムを楽しむことがで
きる。
【0183】次に、能動騒音制御装置16は、実施の形
態7で説明したように、エンジン17からの騒音信号
(例えばエンジンパルスなど)をリファレンス信号と
し、また各座席に設置したマイクロホン5a〜5dから
の車室内騒音信号をエラー信号として、各エラー信号を
最小とするようにリファレンス信号を信号処理して制御
信号を出力する。各制御信号は、加算器9a〜9eを介
してスピーカ3a〜3fより再生される。スピーカ3a
〜3fから再生された制御音は、各マイクロホン5a〜
5d位置で、エンジン17からのエンジン音と同振幅逆
位相の関係となるように能動騒音制御装置16によって
制御されているため、エンジン音が低減される。
【0184】次に、レベル制御回路14は、図32を用
いて説明したように、マイクロホン5a〜5bからの信
号と音源1(DVD再生装置)からの各チャンネル信号
のレベルをそれぞれ比較するレベル比較器14a〜14
fを有している。そこで、音源1(DVD再生装置)
は、各チャンネル毎に測定信号を出力し、レベル比較器
14a〜14fは、マイクロホン5a〜5bで検出した
車室内の測定信号レベルと元の信号レベルを比較し、そ
の差が予め決められた値(例えば同レベル)となるよう
にボリューム15a〜15fを調整する。例えば、まず
センターチャンネルから測定信号が発生し、これがレベ
ル比較器14aに入力されるとともに、ボリューム15
aを経由してスピーカ3a〜3bおよびツイータ12よ
り再生され、その音がマイクロホン5a〜5bで検出さ
れてレベル比較器14aに入力される。レベル比較器1
4aは、音源1(DVD再生装置)からのセンターチャ
ンネル信号とマイクロホン5a〜5bからの検出信号の
レベルを比較して、その差が予め決められた値となるよ
うにボリューム15a〜15fを調整する。それが終了
すれば、次に、メインRチャンネルの設定を行い、つい
でメインLチャンネルの設定を行うというように各チャ
ンネルのレベル設定が順次行われる。これによって、受
聴者のいる運転席、あるいは助手席において最適な各チ
ャンネルレベル設定が自動的に行われる。
【0185】ここで、測定信号には、ホワイトノイズや
ピンクノイズなどの他に、ある程度周波数帯域が広いも
のであれば、音楽、風の音、波の音、あるいは川のせせ
らぎの音などの自然音でもよい。これらを測定信号に用
いれば、乗員がいても不快感を与えることがない。
【0186】また、DVDソフト毎に各チャンネルの最
適な信号レベルを記憶しておき、この信号レベルと同程
度になるようにレベル制御回路14がボリューム15a
〜15fを制御する構成としてもよい。この場合、DV
Dソフト毎に各チャンネルの録音レベルが異なっていて
も、常にそのソフトに応じた最適音量レベルでマルチチ
ャンネル再生を楽しむことができる。
【0187】さらに、DVDソフトの各チャンネル毎
に、例えばセンターチャンネルはヴォーカル、メインL
チャンネルはギター、メインRチャンネルはピアノな
ど、独自の測定信号を記憶しておくことにより、レベル
比較器14a〜14fが音源1(DVD再生装置)から
の信号とマイクロホン5a〜5bからの信号の相関を見
ながらボリューム15a〜15fを調整する構成とすれ
ば、それらの測定信号を同時発生させてレベル調整する
ことができる。
【0188】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカをインストルメントパネル18に使用することな
く、またマルチチャンネルシステムの音質・音場を損な
うことなく、車室内の受聴者前方にセンターチャンネル
信号を定位させることができる。さらに、高域を再生す
るツイータ12をインストルメントパネル18上面に実
際に設置することで更なる定位感の向上を実現できる。
また、ローパスフィルタ10とハイパスフィルタ11に
より、入力信号が高域と低域に分割され、高域を再生す
る小型のツイータ12のみがインストルメントパネル1
8上面に設置される構成としたので、設置に必要な容積
が極めて小さく済み、従来のように設置スペースがない
などの課題が解決される。
【0189】さらに、制御を行うスピーカ3a〜3b
が、例えばそれぞれフロントドアに設置されることによ
り、ある程度大口径のスピーカを用いることができ、ま
たドア内部のバックキャビティも広いので、かなり低音
の再生も可能となる。これによって、例えば100Hz以下
からの音像定位制御も可能となる。当然、スピーカ3a
〜3bの設置場所を各フロントドアに限定するものでは
なく、例えば図106に示す装置のようにインストルメ
ントパネル18の運転席側近傍および助手席側近傍など
に設置してもよい。
【0190】なお、本実施形態では、スピーカ3a〜3
fをフルレンジ構成のように記述しているが、スピーカ
が、実施の形態1と同様に、周波数帯域毎にウーファ
ー、スコーカ、および/またはツイータなどを用いるマ
ルチウェイスピーカ構成としてもよい。
【0191】また、本実施形態では能動騒音制御回路1
6とマイクロホン5a〜5d、およびレベル制御回路1
4とボリューム15a〜15fを用いることにより、例
えばエンジン音の低減など能動騒音制御動作を行うこと
ができ、また新たにマイクロホンを追加することなく、
能動騒音制御回路16とマイクロホン5a〜5bを共用
しながら、レベル制御回路14とボリューム15a〜1
5fにより、受聴者のいる運転席、あるいは助手席にお
いてマルチチャンネルシステムにおける最適な各チャン
ネルレベル設定を自動的に行うことができる。
【0192】なお、本実施形態では騒音制御回路16の
騒音入力信号をエンジン17からの信号としたが、騒音
入力信号は、これに限定されるものではなく、自動車走
行騒音などを検出するために車室内に設置された複数の
加速度(あるいは振動)センサからの信号、またはマイ
クロホンからの信号などであってもよい。また、本実施
形態では、騒音信号が1つ、制御信号が5つ、エラー信
号が4つの所謂1−5−4システムとなっているが、こ
れに限定されるものではない。
【0193】さらに、本実施形態のレベル制御回路14
は、図32に示すような構成としたが、このように必ず
しも制御点A、B両方のレベル比較を行わねばならない
ということではなく、例えば図33のように制御点A、
Bのどちらか一方の比較制御としてもよい。
【0194】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、制御点
は、実施の形態1と同様に、運転席の両耳近傍2点、あ
るいは助手席の両耳近傍2点としてもよい。運転席の両
耳近傍2点制御の構成を図37に示す。この場合、マイ
クロホン5a〜5bが運転席両耳近傍に設置されている
ため、他の騒音制御用マイクロホン5c〜5hも各座席
に2つずつ設置している。
【0195】また、本実施形態ではサラウンドチャンネ
ル信号をスピーカ3c〜3dより再生する構成としてい
たが、本実施形態は、実施の形態3と同様にサラウンド
チャンネル信号とウーファーチャンネル信号を加算し、
スピーカ3e〜3f、あるいはスピーカ3c〜3dより
再生する構成としてもよい。この場合、できれば加算器
を2つ用いてサラウンド信号は2チャンネル再生できる
ようにするのが望ましい。これらは、能動騒音制御回路
16の動作次第である。
【0196】また、本実施形態では目標特性をインスト
ルメントパネル18上面中央に設置したスピーカからの
伝達特性としたが、目標特性は、これに限定するもので
はなく、例えば運転席正面前方にスピーカを設置したと
きの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置した場合
の測定点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な特性に
してもよい。
【0197】さらに、本実施形態ではツイータ12の設
置場所をインストルメントパネル18上面中央とした
が、ツイータ12の設置場所は、その位置に限定される
ものではなく、オーディオ操作部や空調操作部など運転
席と助手席の間でしかも前方であれば特に問題はない。
場合によっては、ツイータ12がルームミラーに取り付
けられてもよい。例えば、図29のように液晶画面13
とツイータ12が一体に構成形成されてもよい。図29
に示すように、一体構成とすれば、インストルメントパ
ネル18上面にツイータ12を設置する場所を準備する
必要がなくなる。
【0198】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカをインストルメントパネル
18上面中央に設置した場合、あるいはそれ以外の場所
に設置した場合を問わず、そのスピーカ位置とツイータ
12の設置場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0199】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、図38に示
すように遅延器8a〜8eがそれぞれ挿入され、メイン
Lチャンネル信号・メインRチャンネル信号、サラウン
ドチャンネル信号、およびウーファーチャンネル信号が
適度に時間調整される。
【0200】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、本実施形態は、これに限定す
るものではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆる車
両に適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を
持たない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3f
がリアラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0201】(実施の形態9)図39は、実施の形態9
における車載用音像制御装置のブロック図を示す図であ
る。特に、図39(a)は車体を上から見た図であり、
図39(b)はその車体を横から見た図である。図39
において、1は音源、2は音像制御回路、3a〜3bは
運転席近傍(例えば運転席ドア)および助手席近傍(例
えば助手席ドア)に設置されたスピーカ、3c〜3dは
運転席側後席近傍(例えば運転席側後席ドア)および助
手席側後席近傍(例えば助手席側後席ドア)に設置され
たスピーカである。本実施形態は、(実施の形態1)に
おける音像制御回路およびスピーカを4チャンネル制御
としたものである。
【0202】図39(a)に示す車載用音像制御装置の
動作を以下に説明する。
【0203】音源1からの信号は、音像制御回路2で信
号処理され、スピーカ3a〜3dより再生される。音像
制御回路2は、実施の形態1の場合と同様に、制御点
A、Bにおいてスピーカ3a〜3dからの制御音の特性
が、図2のように、あたかもインストルメントパネル1
8の上面中央付近に設置したスピーカより再生されてい
る場合と同等な特性となるように信号処理する。図40
Aおよび図40Bは、そのときの制御点Aでのスピーカ
3a〜3dからの制御音の特性を示す図であり、図41
Aおよび図41Bはそのときの制御点Bでのスピーカ3
a〜3dからの制御音の特性を示す図である。
【0204】図40A〜図41Bから明らかなように、
本実施形態では、図2における目標特性G1、G2にか
なり近い特性が得られる。また、本実施形態を図1の構
成と比較した場合、明らかに本実施形態の効果が向上し
ている。これは制御チャンネルが増えたことによる。例
えば、図1の構成では、C11やC22などスピーカ3
a〜3bから制御点A、B間の伝達特性にある周波数帯
域でディップ特性などがある場合、その周波数帯域での
制御が困難となるが、本実施形態の構成では、スピーカ
3c〜3dがそれを補うように制御することが可能であ
るからである。つまり、制御チャンネルが増えると、そ
れだけ制御の自由度、精度が向上する。よって、本実施
形態では、図102に示す装置と比較して格段に音像定
位が向上する。また、本実施形態は、実施の形態1と比
較しても音像定位が向上することになる。
【0205】このように、本実施形態では、インストル
メントパネル18の上面中央付近に新たなスピーカを設
けることなく、車室内の受聴者前方に音像を定位させる
ことができる。また、制御を行うスピーカ3a〜3d
が、例えばそれぞれフロントドアおよびリアドアに設置
されることにより、ある程度大口径のスピーカを用いる
ことができ、またドア内部のバックキャビティも広いの
で、かなり低音の再生も可能となる。これによって、本
実施形態では、例えば100Hz以下からの音像定位制御も
可能となる。当然、スピーカ3a〜3dの設置場所を各
フロントドアおよびリアドアに限定するものではなく、
例えばスピーカ3a〜3bを図106に示す装置のイン
ストルメントパネル18の運転席側近傍および助手席側
近傍などに設置し、スピーカ3c〜3dをリアトレイに
設置してもよい。スピーカ3c〜3dをリアトレイに設
置する場合、その構成は、図42に示す構成であっても
よい。図43Aおよび図43Bは、そのときの制御点A
での制御音の特性を示す図であり、図44Aおよび図4
4Bは、そのときの制御点Bでの制御音の特性を示す図
である。
【0206】これらから明らかなように、本実施形態で
は、図39の場合と同様に目標特性にかなり近い特性が
得られている。よって、本実施形態は、図102に示す
装置と比較して格段に音像定位が向上する。
【0207】また、本実施形態を実施の形態1と比較し
ても音像定位は向上する。
【0208】また、図42はリアトレイに設置したスピ
ーカ3e〜3fを別チャンネルとすることで音像制御回
路2が4チャンネル制御となっているが、制御帯域がそ
れほど高くなければ(例えば1KHz以下の場合)、図45
のようにスピーカ3e〜3fをモノラルチャンネルとす
ることで音像制御回路2が3チャンネル制御を行っても
よい。
【0209】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
a〜3fがフルレンジであるとしているが、当然、スピ
ーカは周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/
またはツイータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成
であってもよい。
【0210】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、制御点
が運転席の両耳近傍2点のみ、あるいは助手席の両耳近
傍2点のみ、さらには運転席と助手席の両耳近傍各2点
としてもよい。
【0211】図46は、運転席両耳近傍のみを制御する
構成を示す図であり、図47Aおよび図47Bは、この
ときの制御点A(運転席右耳近傍)での周波数特性を示
す図であり、図48Aおよび図48Bは、制御点B(運
転席左耳近傍)での周波数特性を示す図である。このよ
うに、各座席の両耳近傍2点だけを制御することによ
り、さらに目標特性に近い効果が得られ、また両耳近傍
の同時制御のため、音像定位が明確になる。これによっ
て、例えば運転手のみが乗車している場合、運転手は良
好な音像の前方定位を感じられる。また、例えば運転手
は運転に集中する必要があるが、同乗している助手席に
座っている人をよりよく制御したい場合には、助手席の
みに制御を行えばよい。
【0212】図49は、運転席と助手席の両耳近傍各2
点を制御する構成を示す図である。この場合の目標特性
は、図50のようにG1〜G4となる。
【0213】図51Aおよび図51Bは、このときの制
御点A1(運転席右耳近傍)での周波数特性を示す図で
あり、図52Aおよび図52Bは、制御点A2(運転席
左耳近傍)での周波数特性を示す図である。同様に、図
53Aおよび図53Bは、制御点B1(助手席右耳近
傍)での周波数特性を示す図であり、図54Aおよび図
54Bは、制御点B2(助手席左耳近傍)での周波数特
性を示す図である。このように、本実施形態では、両座
席の両耳近傍2点でかなり目標特性に近い効果が得ら
れ、また両耳近傍の同時制御のため、運転席および助手
席に乗車している受聴者の音像定位が明確になる。
【0214】また、本実施形態では、目標特性を図2に
示すようにインストルメントパネル18上面中央に設置
したスピーカ4からの伝達特性としたが、目標特性はこ
れに限定するものではなく、例えば図46に示す車両の
運転席正面前方にスピーカを設置したときの伝達特性、
またはスピーカ4を無響室に設置した場合の制御点まで
の伝達特性、あるいは周波数平坦な特性などであっても
よい。運転席正面前方にスピーカ4を設置した場合に
は、本実施形態は、運転手の正面前方に音像が定位する
ように制御することができ、またスピーカ4を無響室に
設置した場合には、本実施形態は、受聴者前方に音像を
定位しながら車室内の反射や残響特性を打消すように制
御することができる。
【0215】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。
【0216】(実施の形態10)図55は実施の形態1
0における車載用音像制御装置のブロック図を示すもの
である。特に、図55(a)は車体を上から見た図であ
り、図55(b)はその車体を横から見た図である。
【0217】図55(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3a〜3bは運転席近傍(例えば運転席ド
ア)および助手席近傍(例えば助手席ドア)に設置され
たスピーカ、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運
転席側後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手
席側後席ドア)に設置されたスピーカ、9a〜9cは加
算器である。本実施形態では、音源1としてステレオ信
号を生成するCD再生装置が用いられ、音像制御回路お
よびスピーカを4チャンネル制御としたものでもある。
【0218】図55(a)に示す車載用音像制御装置の
動作を以下に説明する。
【0219】音源1(CD再生装置)からのステレオ信
号は、加算器9aで加算され、その後、音像制御回路2
で信号処理され、それらの出力の内の2つがそれぞれ音
源1(CD再生装置)からの各チャンネル信号と加算さ
れてスピーカ3a〜3bより再生され、残りの2つの出
力がスピーカ3c〜3dより再生される。実施の形態9
と同様に、音像制御回路2は、制御点A、Bにおいてス
ピーカ3a〜3dの制御音の特性が、あたかもインスト
ルメントパネル18の上面中央付近に設置したスピーカ
より再生されている場合と同等な特性となるように信号
処理する。加算器9aは、ステレオ信号を加算すること
で、実施の形態9と同様にステレオ信号をモノラル信号
とし、また各チャンネルに含まれる同相成分(例えばヴ
ォーカル信号等、中央に定位させたい信号)のレベルを
増幅する。この信号を音像制御回路2で信号処理するこ
とにより、本実施形態は、ヴォーカル信号等、中央に定
位させたい信号を受聴者前方中央に定位させることがで
きる。そして、各チャンネルに個別に含まれる信号成分
は、加算器9b〜9cを介してスピーカ3a〜3bより
再生されるので、ステレオ信号の拡がり感を損なうこと
がない。
【0220】このように本実施形態では、インストルメ
ントパネル18の上面中央付近に新たなスピーカを使用
することなく、またステレオ信号の拡がり感を損なうこ
となく、図39の場合と同様に車室内の受聴者前方にス
テレオ信号における同相信号成分を定位させることがで
きる。
【0221】また、制御を行うスピーカ3a〜3dが、
例えばそれぞれフロントドアおよびリアドアに設置され
ることにより、ある程度大口径のスピーカを用いること
ができ、またドア内部のバックキャビティも広いので、
かなり低音の再生も可能となる。これによって、例えば
100Hz以下からの音像定位制御も可能となる。当然、ス
ピーカ3a〜3dの設置場所は各フロントドアおよびリ
アドアに限定されるものではなく、例えばスピーカ3a
〜3bが図106に示す装置のインストルメントパネル
18の運転席側近傍および助手席側近傍などに設置さ
れ、あるいはスピーカ3c〜3dがリアトレイに設置さ
れてもよい。図56は、スピーカ3c〜3dをリアトレ
イに設置する一構成を示す図である。また、制御帯域が
それほど高くなければ(例えば1KHz以下の場合)、図4
5に示す装置のようにスピーカ3e〜3fをモノラルチ
ャンネルとすることで、音像制御回路2が3チャンネル
制御を行ってもよい。
【0222】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
a〜3fがフルレンジ構成であるとしているが、実施形
態1と同様に、スピーカは周波数帯域毎にウーファー、
スコーカ、および/またはツイータなどを用いるマルチ
ウェイスピーカ構成であってもよい。
【0223】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、実施の
形態9と同様に、制御点は、運転席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席の両耳近傍2点のみ、さらには運転
席と助手席の両耳近傍各2点としてもよい。
【0224】また、本実施形態では目標特性をインスト
ルメントパネル18上面中央に設置したスピーカからの
伝達特性としたが、これに限定されるものではなく、目
標特性は、例えば運転席正面前方にスピーカを設置した
ときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置した場
合の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な特性
などであってもよい。
【0225】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(CD再生
装置)からのステレオ信号の時間を合わせるために、図
17に示す装置と同様に遅延器を用いてステレオ信号を
適度に時間調整する構成とすればよい。
【0226】また、本実施の形態では、音像制御回路に
の出力と音源1からのステレオ信号とを加算器9bおよ
び9cでそれぞれ加算する構成としたが、音源1からの
ステレオ信号を、(Lチャンネル)−(Rチャンネル)
あるいは(Rチャンネル)−(Lチャンネル)の差信号
として、加算器9bおよび9cで、音像制御回路2から
の出力と加算する構成としてもよい。
【0227】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。
【0228】(実施の形態11)図57は、実施形態1
1における車載用音像制御装置のブロック図を示すもの
である。特に、図57(a)は車体を上から見た図であ
り、図57(b)はその車体を横から見た図である。
【0229】図57において、1は音源、2は音像制御
回路、3a〜3bは運転席近傍(例えば運転席ドア)お
よび助手席近傍(例えば助手席ドア)に設置されたスピ
ーカ、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運転席側
後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手席側後
席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜3fは車室内に
設置されたスピーカ(例えばリアトレイ)、9a〜9d
は加算器である。本実施形態では、実施の形態9のよう
に音源1としてマルチチャンネルシステムであるDVD
再生装置が使用され、そのセンターチャンネル信号が制
御される。
【0230】図57(a)に示す車載用音像制御装置の
動作を以下に説明する。
【0231】音源1(DVD再生装置)からのセンター
チャンネル信号は、音像制御回路2で信号処理され、そ
のいくつかある出力の内の2つがそれぞれ音源1(DV
D再生装置)からのメインLチャンネル信号・メインR
チャンネル信号と加算されてスピーカ3a〜3bより再
生され、残りの2つの出力がそれぞれ音源1(DVD再
生装置)からのサラウンドLチャンネル信号・サラウン
ドRチャンネル信号と加算されてスピーカ3c〜3dよ
り再生される。実施の形態9と同様に、音像制御回路2
は、制御点A、Bにおいてスピーカ3a〜3dからの制
御音の特性が、あたかもインストルメントパネル18の
上面中央付近に設置したスピーカより再生されている場
合と同等な特性となるように信号処理する。これによっ
て、センターチャンネル信号を受聴者前方中央に定位さ
せることができる。そして、メインLチャンネル信号・
メインRチャンネル信号は、加算器9a〜9bを介して
スピーカ3a〜3bより再生されるので、ステレオ信号
の拡がり感を損なうことがない。
【0232】また、加算器9c〜9dを介してスピーカ
3c〜3dよりサラウンドLチャンネル信号・サラウン
ドRチャンネル信号が、スピーカ3e〜3fよりウーフ
ァーチャンネル信号がそれぞれ個別に再生されるので、
臨場感があり、受聴者は低音豊かなマルチチャンネルシ
ステムを楽しむことができる。
【0233】このように本実施形態では、インストルメ
ントパネル18の上面中央付近に新たなスピーカを使用
することなく、またマルチチャンネルシステムの音質・
音場を損なうことなく、図39に示す装置と同様に車室
内の受聴者前方にセンターチャンネル信号を定位させる
ことができる。
【0234】また、制御を行うスピーカ3a〜3dが、
例えばそれぞれフロントドアおよびリアドアに設置され
ることにより、ある程度大口径のスピーカを用いること
ができ、またドア内部のバックキャビティも広いので、
かなり低音の再生も可能となる。これによって、例えば
100Hz以下からの音像定位制御も可能となる。当然、ス
ピーカ3a〜3dの設置場所は各フロントドアおよびリ
アドアに限定されるものではなく、例えばスピーカ3a
〜3bを図106に示す装置のインストルメントパネル
18の運転席側近傍および助手席側近傍などに、スピー
カ3c〜3dをリアトレイに設置したスピーカ3e〜3
fとしてもよい。図58(a)および図58(b)は、
リアトレイに設置したスピーカ3e〜3fを制御用に用
いた一構成を示す図である。
【0235】また、制御帯域がそれほど高くなければ
(例えば1KHz以下の場合)、図45に示す装置のように
スピーカ3e〜3fをモノラルチャンネルとすることで
音像制御回路2が3チャンネル制御を行ってもよい。
【0236】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
a〜3fがフルレンジ構成であるとしているが、実施形
態1と同様に、スピーカは周波数帯域毎にウーファー、
スコーカ、および/またはツイータなどを用いるマルチ
ウェイスピーカ構成であってもよい。
【0237】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、実施の
形態9と同様に、制御点は、運転席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席の両耳近傍2点のみ、さらには運転
席と助手席の両耳近傍各2点としてもよい。
【0238】また、本実施形態では目標特性をインスト
ルメントパネル18上面中央に設置したスピーカからの
伝達特性としたが、目標特性は、これに限定されるもの
ではなく、例えば運転席正面前方にスピーカを設置した
ときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置した場
合の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な特性
などであってもよい。
【0239】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、本実施形態
は、図19に示す装置と同様に遅延器を用いてメインL
チャンネル信号・メインRチャンネル信号およびサラウ
ンドチャンネル信号とウーファーチャンネル信号に適度
に時間調整する構成であればよい。
【0240】また、本実施形態では、サラウンドチャン
ネル信号をスピーカ3c〜3dより再生する構成として
いたが、実施の形態3と同様にサラウンドチャンネル信
号とウーファーチャンネル信号が加算され、加算された
信号がスピーカ3e〜3f、あるいはスピーカ3c〜3
dより再生される構成であってもよい。この場合、でき
れば加算器を2つ用いてサラウンド信号は2チャンネル
再生できるようにするのが望ましい。
【0241】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を持た
ない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3fがリ
アラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0242】(実施の形態12)図59は、実施の形態
12における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図59(a)は車体を上から見た図で
あり、図59(b)はその車体を横から見た図である。
【0243】図59において、1は音源、2は音像制御
回路、3a〜3bは運転席近傍(例えば運転席ドア)お
よび助手席近傍(例えば助手席ドア)に設置されたスピ
ーカ、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運転席側
後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手席側後
席ドア)に設置されたスピーカ、10はローパスフィル
タ、11はハイパスフィルタ、12はインストルメント
パネル18上面中央付近に設置されたツイータである。
本実施形態は、実施の形態9における音源1からの信号
を低域成分と高域成分に分割し、低域成分のみを音像制
御回路2によって制御する。
【0244】図59(a)に示す車載用音像制御装置の
動作を以下に説明する。
【0245】音源1からの信号は、ローパスフィルタ1
0で低域成分が抽出され、またハイパスフィルタ11で
高域成分が抽出される。その後、ローパスフィルタ10
の出力は、音像制御回路2で信号処理され、スピーカ3
a〜3dより再生される。実施の形態9と同様に、音像
制御回路2は、制御点A、Bにおいてスピーカ3a〜3
dからの制御音の特性が、あたかも、インストルメント
パネル18の上面中央付近に設置したスピーカより再生
されている場合と同等な特性となるように信号処理す
る。これによって、実施の形態9と同様に、ローパスフ
ィルタ10からの音源信号を受聴者前方中央に定位させ
ることができる。そして、高域成分については、ハイパ
スフィルタ11の出力をインストルメントパネル18上
面中央付近に設置されたツイータ12から再生すること
で、さらに定位感が向上する。
【0246】ここで、ローパスフィルタ10とハイパス
フィルタ11の特性が、図22に示すように、ある周波
数f1(例えば2KHz)でクロスオーバーする特性とし、
総合特性が平坦になるとする。この周波数f1が高いほ
どツイーター12は小型化でき、逆にf1が低くなれば
スピーカ3a〜3dを低域専用に特化することができ
る。
【0247】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカをインストルメントパネル18に使用することな
く、実施の形態9のように車室内の受聴者前方に音像を
定位させることができ、かつ、高域を再生するツイータ
12をインストルメントパネル18上面に実際に設置す
ることで更なる定位感の向上を実現できる。また、ロー
パスフィルタ10とハイパスフィルタ11が入力信号を
高域と低域に分割して、高域を再生する小型のツイータ
12のみがインストルメントパネル18上面に設置され
る構成としたので、設置に必要な容積が極めて小さく済
み、従来のように設置スペースがないなどの課題が解決
される。
【0248】さらに、制御を行うスピーカ3a〜3d
が、例えばそれぞれフロントドアおよびリアドアに設置
されることにより、ある程度大口径のスピーカを用いる
ことができ、またドア内部のバックキャビティも広いの
で、かなり低音の再生も可能となる。これによって、例
えば100Hz以下からの音像定位制御も可能となる。当
然、スピーカ3a〜3dの設置場所は各フロントドアお
よびリアドアに限定されるものではなく、例えばスピー
カ3a〜3bを図106に示す装置のインストルメント
パネル18の運転席側近傍および助手席側近傍などに、
スピーカ3c〜3dを図60(a)6および図60
(b)に示すようにリアトレイに設置してもよい。
【0249】また、制御帯域がそれほど高くなければ
(例えば1KHz以下の場合)、図61(a)および図61
(b)のように、スピーカ3e〜3fをモノラルチャン
ネルとすることで音像制御回路2が3チャンネル制御を
行ってもよい。
【0250】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
a〜3fがフルレンジ構成であるとしたが、スピーカ
は、周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/ま
たはツイータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成で
あってもよい。
【0251】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、制御点
は運転席の両耳近傍2点のみ、あるいは助手席の両耳近
傍2点のみ、さらには運転席と助手席の両耳近傍各2点
であってもよい。図62(a)および図62(b)は、
運転席の両耳近傍2点のみを制御する一構成を示す図で
あり、図63(a)および図63(b)は、運転席と助
手席の両耳近傍各2点を制御する一構成を示す図であ
る。
【0252】また、本実施形態では目標特性をインスト
ルメントパネル18上面中央に設置したスピーカからの
伝達特性としたが、目標特性は、これに限定されるもの
ではなく、例えば運転席正面前方にスピーカを設置した
ときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置した場
合の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な特性
などであってもよい。
【0253】さらに、本実施形態ではツイータ12の設
置場所をインストルメントパネル18上面中央とした
が、ツイータ12の設置場所は、その位置に限定される
ものではなく、オーディオ操作部や空調操作部など運転
席と助手席の間でしかも前方であれば特に問題はない。
場合によっては、ツイータ12がルームミラーにを取り
付けられてもよい。
【0254】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカをインストルメントパネル
18上面中央に設置した場合、あるいはそれ以外の場所
に設置した場合を問わず、そのスピーカ位置とツイータ
12の設置場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0255】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。
【0256】(実施の形態13)図64は、実施の形態
13における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図64(a)は車体を上から見た図で
あり、図64(b)はその車体を横から見た図である。
【0257】図64(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3a〜3bは運転席近傍(例えば運転席ド
ア)および助手席近傍(例えば助手席ドア)に設置され
たスピーカ、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運
転席側後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手
席側後席ドア)に設置されたスピーカ、9a〜9cは加
算器、10はローパスフィルタ、11はハイパスフィル
タ、12はインストルメントパネル18上面中央付近に
設置されたツイータである。本実施形態は、音源1とし
てCDなどのステレオ信号とする場合の応用を示してお
り、また(実施の形態5)における音像制御回路および
スピーカを4チャンネル制御としたものでもある。
【0258】図64(a)に示す車載用音像制御装置の
動作を以下に説明する。
【0259】音源1(CD再生装置)からのステレオ信
号は、加算器9aで加算された後、ローパスフィルタ1
0で低域成分が抽出され、またハイパスフィルタ11で
高域成分が抽出される。その後、ローパスフィルタ10
の出力は、音像制御回路2で信号処理され、それらの出
力の内の2つがそれぞれ音源1(CD再生装置)からの
各チャンネル信号と加算されてスピーカ3a〜3bより
再生され、残りの2つの出力がスピーカ3c〜3dより
再生される。実施の形態9と同様に、音像制御回路2
は、制御点A、Bにおいてスピーカ3a〜3dからの制
御音の特性が、あたかもインストルメントパネル18の
上面中央付近に設置したスピーカより再生されている場
合と同等な特性となるように信号処理する。加算器9a
がステレオ信号を加算することで、加算された信号は実
施の形態12と同様にモノラル信号となり、また各チャ
ンネルに含まれる同相成分(例えばヴォーカル信号等、
中央に定位させたい信号)のレベルは増幅される。この
信号をローパスフィルタ10で低域成分を抽出し、音像
制御回路2で信号処理することにより、ヴォーカル信号
等、中央に定位させたい信号を受聴者前方中央に定位さ
せることができる。そして、各チャンネルに個別に含ま
れる信号成分は、加算器9b〜9cを介してスピーカ3
a〜3bより再生されるので、ステレオ信号の拡がり感
を損なうことがない。また、高域成分については、ハイ
パスフィルタ11の出力をインストルメントパネル18
上面中央付近に設置されたツイータ12から再生するこ
とで、さらに定位感が向上する。
【0260】ここで、ローパスフィルタ10とハイパス
フィルタ11の特性は、図22に示すように、ある周波
数f1(例えば2KHz)でクロスオーバーする特性とし、
それらの総合特性は平坦になることが好ましい。この周
波数f1が高いほどツイーター12は小型化できる。
【0261】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカをインストルメントパネル18に使用することな
く、またステレオ信号の拡がり感を損なうことなく、車
室内の受聴者前方にステレオ信号における同相信号成分
を定位させることができ、かつ、高域を再生するツイー
タ12をインストルメントパネル18上面に実際に設置
することで更なる定位感の向上を実現できる。
【0262】また、ローパスフィルタ10とハイパスフ
ィルタ11により、入力信号が高域と低域に分割され、
高域を再生する小型のツイータ12のみがインストルメ
ントパネル18上面に設置される構成としたので、設置
に必要な容積が極めて小さく済み、従来のように設置ス
ペースがないなどの課題が解決される。
【0263】さらに、制御を行うスピーカ3a〜3d
が、例えばそれぞれフロントドアおよびリアドアに設置
されることにより、ある程度大口径のスピーカを用いる
ことができ、またドア内部のバックキャビティも広いの
で、かなり低音の再生も可能となる。これによって、例
えば100Hz以下からの音像定位制御も可能となる。当
然、スピーカ3a〜3dの設置場所は各フロントドアお
よびリアドアに限定されるものではなく、例えばスピー
カ3a〜3bが、図106に示す装置のインストルメン
トパネル18の運転席側近傍および助手席側近傍などに
設置され、スピーカ3c〜3dが図65に示すようにリ
アトレイに設置されてもよい。また、制御帯域がそれほ
ど高くなければ(例えば1KHz以下の場合)、図45に示
す装置のようにスピーカ3e〜3fをモノラルチャンネ
ルとすることで音像制御回路2が3チャンネル制御を行
ってもよい。
【0264】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
a〜3fがフルレンジ構成であるとしたが、スピーカ
は、周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/ま
たはツイータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成で
あってもよい。
【0265】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、実施の
形態9と同様に、制御点は、運転席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席の両耳近傍2点のみ、さらには運転
席と助手席の両耳近傍各2点としてもよい。
【0266】また、本実施形態では目標特性をインスト
ルメントパネル18上面中央に設置したスピーカからの
伝達特性としたが、目標特性は、これに限定されるもの
ではなく、例えば運転席正面前方にスピーカを設置した
ときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置した場
合の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な特性
などであってもよい。
【0267】さらに、本実施形態ではツイータ12の設
置場所をインストルメントパネル18上面中央とした
が、ツイータ12の設置場所は、その位置に限定される
ものではなく、オーディオ操作部や空調操作部など運転
席と助手席の間でしかも前方であれば特に問題はない。
場合によっては、ツイータ12がルームミラーにを取り
付けられてもよい。
【0268】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカをインストルメントパネル
18上面中央に設置した場合、あるいはそれ以外の場所
に設置した場合を問わず、そのスピーカ位置とツイータ
12の設置場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0269】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(CD再生
装置)からのステレオ信号の時間を合わせるために、図
17に示す装置は、同様に遅延器を用いてステレオ信号
に適度に時間調整する構成であってもよい。
【0270】また、本実施の形態では、音像制御回路に
の出力と音源1からのステレオ信号とを加算器9bおよ
び9cでそれぞれ加算する構成としたが、音源1からの
ステレオ信号を、(Lチャンネル)−(Rチャンネル)
あるいは(Rチャンネル)−(Lチャンネル)の差信号
として、加算器9bおよび9cで、音像制御回路2から
の出力と加算する構成としてもよい。
【0271】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。
【0272】(実施の形態14)図66は、実施の形態
14における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図66(a)は車体を上から見た図で
あり、図66(b)はその車体を横から見た図である。
【0273】図66(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3a〜3bは運転席近傍(例えば運転席ド
ア)および助手席近傍(例えば助手席ドア)に設置され
たスピーカ、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運
転席側後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手
席側後席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜3fは車
室内に設置されたスピーカ(例えばリアトレイ)、9a
〜9bは加算器、10はローパスフィルタ、11はハイ
パスフィルタ、12はインストルメントパネル18上面
中央付近に設置されたツイータである。
【0274】本実施形態は、(実施の形態12)におけ
る音源1をDVDなどのマルチチャンネルシステムと
し、そのセンターチャンネル信号を制御する場合の応用
を示しており、また(実施の形態6)における音像制御
回路およびスピーカを4チャンネル制御としたものでも
ある。
【0275】図66(a)に示す車載用音像制御装置の
動作を以下に説明する。
【0276】音源1(DVD再生装置)からのセンター
チャンネル信号は、ローパスフィルタ10で低域成分が
抽出され、またハイパスフィルタ11で高域成分が抽出
される。その後、ローパスフィルタ10の出力は、音像
制御回路2で信号処理され、それらの出力の内の2つが
それぞれ音源1(DVD再生装置)からのメインLチャ
ンネル信号・メインRチャンネル信号と加算されてスピ
ーカ3a〜3bより再生され、残りの2つの出力がそれ
ぞれ音源1(DVD再生装置)からのサラウンドLチャ
ンネル信号・サラウンドRチャンネル信号と加算されて
スピーカ3c〜3dより再生される。実施の形態9と同
様に、音像制御回路2は、制御点A、Bにおいてスピー
カ3a〜3dからの制御音の特性が、あたかもインスト
ルメントパネル18の上面中央付近に設置したスピーカ
より再生されている場合と同等な特性となるように信号
処理する。これによって、センターチャンネル信号を受
聴者前方中央に定位させることができる。そして、メイ
ンLチャンネル信号・メインRチャンネル信号は、加算
器9a〜9bを介してスピーカ3a〜3bより再生され
るので、ステレオ信号の拡がり感を損なうことがない。
また、高域成分については、ハイパスフィルタ11の出
力をインストルメントパネル18上面中央付近に設置さ
れたツイータ12から再生することで、さらに定位感が
向上する。
【0277】ここで、ローパスフィルタ10とハイパス
フィルタ11の特性を図22に示すように、ある周波数
f1(例えば2KHz)でクロスオーバーする特性とし、そ
れらの総合特性が平坦になることが好ましい。この周波
数f1が高いほどツイーター12は小型化できる。
【0278】また、加算器9c〜9dを介してスピーカ
3c〜3dよりサラウンドLチャンネル信号・サラウン
ドRチャンネル信号が、スピーカ3e〜3fよりウーフ
ァーチャンネル信号がそれぞれ個別に再生されるので、
臨場感があり、受聴者は低音豊かなマルチチャンネルシ
ステムを楽しむことができる。
【0279】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカをインストルメントパネル18に使用することな
く、またマルチチャンネルシステムの音質・音場を損な
うことなく、車室内の受聴者前方にセンターチャンネル
信号を定位させることができる。さらに、高域を再生す
るツイータ12をインストルメントパネル18上面に実
際に設置することで更なる定位感の向上を実現できる。
また、ローパスフィルタ10とハイパスフィルタ11に
より、入力信号が高域と低域に分割され、高域を再生す
る小型のツイータ12のみがインストルメントパネル1
8上面に設置される構成としたので、設置に必要な容積
が極めて小さく済み、従来のように設置スペースがない
などの課題が解決される。
【0280】さらに、制御を行うスピーカ3a〜3d
が、例えばそれぞれフロントドアおよびリアドアに設置
されることにより、ある程度大口径のスピーカを用いる
ことができ、またドア内部のバックキャビティも広いの
で、かなり低音の再生も可能となる。これによって、例
えば100Hz以下からの音像定位制御も可能となる。当
然、スピーカ3a〜3dの設置場所は各フロントドアお
よびリアドアに限定されるものではなく、例えばスピー
カ3a〜3bを図106に示す装置のインストルメント
パネル18の運転席側近傍および助手席側近傍などに、
スピーカ3c〜3dを図67に示すようにリアトレイに
設置したスピーカ3e〜3fとしてもよい。
【0281】また、制御帯域がそれほど高くなければ
(例えば1KHz以下の場合)、図45に示す装置のように
スピーカ3e〜3fをモノラルチャンネルとすることで
音像制御回路2が3チャンネル制御を行ってもよい。
【0282】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
a〜3fがフルレンジ構成であるとしたが、スピーカ
は、周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/ま
たはツイータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成で
あってもよい。
【0283】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、実施の
形態9と同様に、制御点は、運転席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席の両耳近傍2点のみ、さらには運転
席と助手席の両耳近傍各2点としてもよい。
【0284】また、本実施形態では目標特性をインスト
ルメントパネル18上面中央に設置したスピーカからの
伝達特性としたが、目標特性は、これに限定されるもの
ではなく、例えば運転席正面前方にスピーカを設置した
ときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置した場
合の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な特性
などであってもよい。
【0285】さらに、本実施形態ではツイータ12の設
置場所をインストルメントパネル18上面中央とした
が、ツイータ12の設置場所は、その位置に限定される
ものではなく、オーディオ操作部や空調操作部など運転
席と助手席の間でしかも前方であれば特に問題はない。
場合によっては、ツイータ12がルームミラーにを取り
付けられてもよい。例えば、図29のように液晶画面1
3とツイータ12が一体に構成形成されてもよい。図2
9に示すように、一体構成とすれば、インストルメント
パネル18上面にツイータ12を設置する場所を準備す
る必要がなくなる。
【0286】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカをインストルメントパネル
18上面中央に設置した場合、あるいはそれ以外の場所
に設置した場合を問わず、そのスピーカ位置とツイータ
12の設置場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0287】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、本実施形態
は、図19に示す装置と同様に遅延器を用いてメインL
チャンネル信号・メインRチャンネル信号およびサラウ
ンドチャンネル信号とウーファーチャンネル信号に適度
に時間調整する構成であればよい。
【0288】また、本実施形態ではサラウンドチャンネ
ル信号をスピーカ3c〜3dより再生する構成としてい
たが、実施の形態3と同様にサラウンドチャンネル信号
とウーファーチャンネル信号が加算され、加算された信
号がスピーカ3e〜3f、あるいはスピーカ3c〜3d
より再生される構成であってもよい。この場合、できれ
ば加算器を2つ用いてサラウンド信号は2チャンネル再
生できるようにするのが望ましい。
【0289】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を持た
ない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3fがリ
アラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0290】(実施の形態15)図68は実施の形態1
5における車載用音像制御装置のブロック図を示すもの
である。特に、図68(a)は車体を上から見た図であ
り、図68(a)はその車体を横から見た図である。
【0291】図68(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3a〜3bは運転席近傍(例えば運転席ド
ア)および助手席近傍(例えば助手席ドア)に設置され
たスピーカ、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運
転席側後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手
席側後席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜3fは車
室内に設置されたスピーカ(例えばリアトレイ)、5a
〜5dはマイクロホン、9a〜9eは加算器、14はレ
ベル制御回路、15a〜15fはボリューム、16は能
動騒音制御回路、17は自動車のエンジンである。本実
施形態は、実施の形態11における車載用音像制御装置
に能動騒音制御装置を組み合わせたものである。また、
音源1としてDVD再生装置が使用される。
【0292】図68(a)に示す車載用音像制御装置の
動作を以下に説明する。
【0293】音源1(DVD再生装置)からの各チャン
ネル信号は、ボリューム15a〜15fでそれぞれレベ
ル調整される。ボリューム15aでレベル調整されたセ
ンターチャンネル信号は、音像制御回路2で信号処理さ
れ、それらの出力がそれぞれボリューム15b〜15c
でレベル調整されたメインLチャンネル信号・メインR
チャンネル信号と加算されてスピーカ3a〜3bより再
生され、同様に音像制御回路2からの残りの出力がそれ
ぞれボリューム15d〜15eでレベル調整されたサラ
ウンドLチャンネル信号・サラウンドRチャンネル信号
と加算されてスピーカ3c〜3dより再生される。実施
の形態9と同様に、音像制御回路2は、制御点A、Bに
おいてスピーカ3a〜3dからの制御音の特性が、あた
かもインストルメントパネル18の上面中央付近に設置
したスピーカより再生されている場合と同等な特性とな
るように信号処理する。これによって、センターチャン
ネル信号を受聴者前方中央に定位させることができる。
そして、メインLチャンネル信号・メインRチャンネル
信号は、加算器9a〜9bを介してスピーカ3a〜3b
より再生されるので、ステレオ信号の拡がり感を損なう
ことがない。また、加算器9c〜9dを介してスピーカ
3c〜3dよりサラウンドLチャンネル信号・サラウン
ドRチャンネル信号が、スピーカ3e〜3fよりウーフ
ァーチャンネル信号がそれぞれ個別に再生されるので、
臨場感があり、受聴者は低音豊かなマルチチャンネルシ
ステムを楽しむことができる。
【0294】次に、能動騒音制御装置16は(実施の形
態7)で説明したように、エンジン17からの騒音信号
(例えばエンジンパルスなど)をリファレンス信号と
し、また各座席に設置したマイクロホン5a〜5dから
の車室内騒音信号をエラー信号として、各エラー信号を
最小とするようにリファレンス信号を信号処理して制御
信号を出力する。各制御信号は、加算器9a〜9eを介
してスピーカ3a〜3fより再生される。このスピーカ
3a〜3fから再生された制御音は、各マイクロホン5
a〜5d位置で、エンジン17からのエンジン音と同振
幅逆位相の関係となるように能動騒音制御装置16によ
って制御されているため、エンジン音が低減される。
【0295】次に、レベル制御回路14は図32に示す
装置のように、マイクロホン5a〜5bからの信号と音
源1(DVD再生装置)からの各チャンネル信号のレベ
ルをそれぞれ比較するレベル比較器14a〜14fを有
している。そこで、音源1(DVD再生装置)は、各チ
ャンネル毎に測定信号を出力し、レベル比較器14a〜
14fはマイクロホン5a〜5bによって検出した車室
内の測定信号レベルと元の信号レベルを比較し、その差
が予め決められた値(例えば同レベル)となるようにボ
リューム15a〜15fを調整する。例えば、まずセン
ターチャンネルから測定信号が発生し、これがレベル比
較器14aに入力されるとともに、ボリューム15aを
経由してスピーカ3a〜3bより再生され、その音がマ
イクロホン5a〜5bで検出されてレベル比較器14a
に入力される。レベル比較器14aは、音源1(DVD
再生装置)からのセンターチャンネル信号とマイクロホ
ン5a〜5bからの検出信号のレベルを比較して、その
差が予め決められた値となるようにボリューム15a〜
15fを調整する。それが終了すれば、次に、メインR
チャンネルの設定を行い、ついでメインLチャンネルの
設定を行うというように各チャンネルのレベル設定が順
次行われる。これによって、受聴者のいる運転席、ある
いは助手席において最適な各チャンネルレベル設定が自
動的に行われる。
【0296】ここで、測定信号には、ホワイトノイズや
ピンクノイズなどの他に、ある程度周波数帯域が広いも
のであれば、音楽、風の音、波の音、あるいは川のせせ
らぎの音などの自然音でもよい。これらを測定信号に用
いれば、乗員がいても不快感を与えることがない。ま
た、DVDソフト毎に各チャンネルの最適な信号レベル
を記憶しておき、この信号レベルと同程度になるように
レベル制御回路14がボリューム15a〜15fを制御
する構成としてもよい。この場合、DVDソフト毎に各
チャンネルの録音レベルが異なっていても、常にそのソ
フトに応じた最適音量レベルでマルチチャンネル再生を
楽しむことができる。さらに、DVDソフトの各チャン
ネル毎に、例えばセンターチャンネルはヴォーカル、メ
インLチャンネルはギター、メインRチャンネルはピア
ノなど、独自の測定信号を記憶しておくことにより、レ
ベル比較器14a〜14fが音源1(DVD再生装置)
からの信号とマイクロホン5a〜5bからの信号の相関
を見ながらボリューム15a〜15fを調整する構成と
すれば、それらの測定信号を同時発生させてレベル調整
することができる。
【0297】このように本実施形態では、インストルメ
ントパネル18の上面中央付近に新たなスピーカを使用
することにより、またマルチチャンネルシステムの音質
・音場を損なうことなく、図39に示す装置と同様に車
室内の受聴者前方にセンターチャンネル信号を定位させ
ることができる。
【0298】また、制御を行うスピーカ3a〜3dが、
例えばそれぞれフロントドアおよびリアドアに設置され
ることにより、ある程度大口径のスピーカを用いること
ができ、またドア内部のバックキャビティも広いので、
かなり低音の再生も可能となる。これによって、例えば
100Hz以下からの音像定位制御も可能となる。当然、ス
ピーカ3a〜3dの設置場所は各フロントドアおよびリ
アドアに限定されるものではなく、例えばスピーカ3a
〜3bを図106に示す装置のインストルメントパネル
18の運転席側近傍および助手席側近傍などに、スピー
カ3c〜3dをリアトレイに設置したスピーカ3e〜3
fとしてもよい。図69は、リアトレイに設置したスピ
ーカ3e〜3fを制御用に用いる一構成を示す図であ
る。
【0299】また、制御帯域がそれほど高くなければ
(例えば1KHz以下の場合)、図70に示すようにスピー
カ3e〜3fをモノラルチャンネルとすることで音像制
御回路2が3チャンネル制御を行ってもよい。
【0300】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
a〜3fがフルレンジ構成であるとしたが、スピーカ
は、周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/ま
たはツイータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成で
あってもよい。
【0301】また、本実施形態では能動騒音制御回路1
6とマイクロホン5a〜5d、およびレベル制御回路1
4とボリューム15a〜15fを用いることにより、例
えばエンジン音の低減など能動騒音制御動作を行うこと
ができ、また新たにマイクロホンを追加することなく、
能動騒音制御回路16とマイクロホン5a〜5bを共用
しながら、レベル制御回路14とボリューム15a〜1
5fにより、受聴者のいる運転席、あるいは助手席にお
いてマルチチャンネルシステムにおける最適な各チャン
ネルレベル設定を自動的に行うことができる。
【0302】なお、本実施形態では騒音制御回路16の
騒音入力信号をエンジン17からの信号としたが、騒音
入力信号は、これに限定されるものではなく、自動車走
行騒音などを検出するために車室内に設置された複数の
加速度(あるいは振動)センサからの信号、またはマイ
クロホンからの信号などであってもよい。また、本実施
形態では、騒音信号が1つ、制御信号が5つ、エラー信
号が4つの所謂1−5−4システムとなっているが、こ
れに限定されるものではない。
【0303】さらに、本実施形態のレベル制御回路14
は、図32に示すような構成としたが、このように必ず
しも制御点A、B両方のレベル比較を行わねばならない
ということではなく、例えば図33に示すような制御点
A、Bのどちらか一方の制御点比較制御としてもよい。
【0304】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、実施の
形態9と同様に、制御点は、運転席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席の両耳近傍2点のみ、さらには運転
席と助手席の両耳近傍各2点としてもよい。
【0305】図71は、運転席と助手席の両耳近傍各2
点を制御する場合の構成を示す図である。この場合、マ
イクロホン5a〜5dが、運転席および助手席両耳近傍
に設置されているため、他の騒音制御用マイクロホン5
e〜5hも各座席に2つずつ設置されている。また、ス
ピーカ3e〜3fを騒音制御用に個別に用いるため加算
器9e〜9fが追加されているが、スピーカ3e〜3f
はモノラル仕様であってもよい。また、本実施形態では
サラウンドチャンネル信号がスピーカ3c〜3dより再
生される構成としていたが、実施の形態3と同様にサラ
ウンドチャンネル信号とウーファーチャンネル信号が加
算され、加算された信号がスピーカ3e〜3f、あるい
はスピーカ3c〜3dより再生される構成であってもよ
い。この場合、できれば加算器を2つ用いてサラウンド
信号は2チャンネル再生できるようにするのが望まし
い。これらは、能動騒音制御回路16の動作次第であ
る。
【0306】図72は、レベル制御回路14の構成を示
す図である。運転席と助手席の両耳近傍各2点が制御さ
れるため、基本的にはマイクロホン5a〜5dのレベル
が音源1(DVD再生装置)からの各チャンネル信号と
比較されるが、マイクロホン5a〜5dの信号レベルが
全て比較される必要はない。例えばメインRチャンネル
信号についてはマイクロホン5a〜5bが用いられ、メ
インLチャンネル信号についてはマイクロホン5c〜5
dが用いられてもよい。
【0307】また、本実施形態では目標特性をインスト
ルメントパネル18上面中央に設置したスピーカからの
伝達特性としたが、目標特性は、これに限定されるもの
ではなく、例えば運転席正面前方にスピーカを設置した
ときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置した場
合の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な特性
などであってもよい。
【0308】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、本実施形態
は、図35に示す装置と同様に、遅延器を用いてメイン
Lチャンネル信号・メインRチャンネル信号およびサラ
ウンドチャンネル信号とウーファーチャンネル信号を適
度に時間調整する構成であってもよい。
【0309】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を持た
ない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3fがリ
アラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0310】(実施の形態16)図73は、実施の形態
16における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図73(a)は車体を上から見た図で
あり、図73(b)はその車体を横から見た図である。
【0311】図73(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3a〜3bは運転席近傍(例えば運転席ド
ア)および助手席近傍(例えば助手席ドア)に設置され
たスピーカ、、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば
運転席側後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助
手席側後席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜3fは
車室内に設置されたスピーカ(例えばリアトレイ)、5
a〜5dはマイクロホン、9a〜9fは加算器、10は
ローパスフィルタ、11はハイパスフィルタ、12はイ
ンストルメントパネル18上面中央付近に設置されたツ
イータ、14はレベル制御回路、15a〜15fはボリ
ューム、16は能動騒音制御回路、17は自動車のエン
ジンである。本実施形態では、音源1としてDVD再生
装置が使用され、音源1(DVD再生装置)からのセン
ターチャンネル信号が低域成分と高域成分に分割され、
低域成分のみが音像制御回路2によって制御される。
【0312】図73(a)に示す車載用音像制御装置の
動作を以下に説明する。
【0313】音源1(DVD再生装置)からの各チャン
ネル信号は、ボリューム15a〜15fでそれぞれレベ
ル調整される。ボリューム15aでレベル調整されたセ
ンターチャンネル信号は、ローパスフィルタ10で低域
成分が抽出され、またハイパスフィルタ11で高域成分
が抽出される。その後、ローパスフィルタ10の出力
は、音像制御回路2で信号処理され、それらの出力がそ
れぞれボリューム15b〜15cでレベル調整されたメ
インLチャンネル信号・メインRチャンネル信号と加算
されてスピーカ3a〜3bより再生され、同様に、音像
制御回路2からの残りの出力がそれぞれボリューム15
d〜15eでレベル調整されたサラウンドLチャンネル
信号・サラウンドRチャンネル信号と加算されてスピー
カ3c〜3dより再生される。実施の形態9と同様に、
音像制御回路2は、制御点A、Bにおいてスピーカ3a
〜3dからの制御音の特性が、あたかもインストルメン
トパネル18の上面中央付近に設置したスピーカより再
生されている場合と同等な特性となるように信号処理す
る。これによって、センターチャンネル信号を受聴者前
方中央に定位させることができる。そして、メインLチ
ャンネル信号・メインRチャンネル信号は、加算器9a
〜9bを介してスピーカ3a〜3bより再生されるの
で、ステレオ信号の拡がり感を損なうことがない。ま
た、高域成分については、ハイパスフィルタ11の出力
をインストルメントパネル18上面中央付近に設置され
たツイータ12から再生することで、さらに定位感が向
上する。
【0314】ここで、ローパスフィルタ10とハイパス
フィルタ11の特性が、図22に示すように、ある周波
数f1(例えば2KHz)でクロスオーバーする特性とし、
それらの総合特性は平坦になることが好ましい。この周
波数f1が高いほどツイーター12は小型化できる。
【0315】また、加算器9c〜9dを介してスピーカ
3c〜3dよりサラウンドLチャンネル信号・サラウン
ドRチャンネル信号が、スピーカ3e〜3fよりウーフ
ァーチャンネル信号がそれぞれ個別に再生されるので、
臨場感があり、受聴者は低音豊かなマルチチャンネルシ
ステムを楽しむことができる。
【0316】次に、能動騒音制御装置16は(実施の形
態7)で説明したように、エンジン17からの騒音信号
(例えばエンジンパルスなど)をリファレンス信号と
し、また各座席に設置したマイクロホン5a〜5dから
の車室内騒音信号をエラー信号として、各エラー信号を
最小とするようにリファレンス信号を信号処理して制御
信号を出力する。各制御信号は、加算器9a〜9fを介
してスピーカ3a〜3fより再生される。このスピーカ
3a〜3fから再生された制御音は、各マイクロホン5
a〜5d位置で、エンジン17からのエンジン音と同振
幅逆位相の関係となるように能動騒音制御装置16によ
って制御されているため、エンジン音が低減される。
【0317】次に、レベル制御回路14は、図32に示
す装置のように、マイクロホン5a〜5bからの信号と
音源1(DVD再生装置)からの各チャンネル信号のレ
ベルをそれぞれ比較するレベル比較器14a〜14fを
有している。そこで、音源1(DVD再生装置)は、各
チャンネル毎に測定信号を出力し、レベル比較器14a
〜14fは、マイクロホン5a〜5bによって検出した
車室内の測定信号レベルと元の信号レベルを比較し、そ
の差が予め決められた値(例えば同レベル)となるよう
にボリューム15a〜15fを調整する。例えば、まず
センターチャンネルから測定信号が発生し、これがレベ
ル比較器14aに入力されるとともに、ボリューム15
aを経由してスピーカ3a〜3bおよびツイータ12よ
り再生され、その音がマイクロホン5a〜5bで検出さ
れてレベル比較器14aに入力される。レベル比較器1
4aは、音源1(DVD再生装置)からのセンターチャ
ンネル信号とマイクロホン5a〜5bからの検出信号の
レベルを比較して、その差が予め決められた値となるよ
うにボリューム15a〜15fを調整する。それが終了
すれば、次に、メインRチャンネルの設定を行い、つい
でメインLチャンネルの設定を行うというように各チャ
ンネルのレベル設定が順次行われる。これによって、受
聴者のいる運転席、あるいは助手席において最適な各チ
ャンネルレベル設定が自動的に行われる。
【0318】ここで、測定信号には、ホワイトノイズや
ピンクノイズなどの他に、ある程度周波数帯域が広いも
のであれば、音楽、風の音、波の音、あるいは川のせせ
らぎの音などの自然音でもよい。これらを測定信号に用
いれば、乗員がいても不快感を与えることがない。ま
た、DVDソフト毎に各チャンネルの最適な信号レベル
を記憶しておき、この信号レベルと同程度になるように
レベル制御回路14がボリューム15a〜15fを制御
する構成としてもよい。この場合、DVDソフト毎に各
チャンネルの録音レベルが異なっていても、常にそのソ
フトに応じた最適音量レベルでマルチチャンネル再生を
楽しむことができる。さらに、DVDソフトの各チャン
ネル毎に、例えばセンターチャンネルはヴォーカル、メ
インLチャンネルはギター、メインRチャンネルはピア
ノなど、独自の測定信号を記憶しておくことにより、レ
ベル比較器14a〜14fが音源1(DVD再生装置)
からの信号とマイクロホン5a〜5bからの信号の相関
を見ながらボリューム15a〜15fを調整する構成と
すれば、それらの測定信号を同時発生させてレベル調整
することができる。
【0319】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカをインストルメントパネル18に使用することな
く、またマルチチャンネルシステムの音質・音場を損な
うことなく、車室内の受聴者前方にセンターチャンネル
信号を定位させることができる。さらに、高域を再生す
るツイータ12をインストルメントパネル18上面に実
際に設置することで更なる定位感の向上を実現できる。
また、ローパスフィルタ10とハイパスフィルタ11に
より、入力信号が高域と低域に分割され、高域を再生す
る小型のツイータ12のみがインストルメントパネル1
8上面に設置される構成としたので、設置に必要な容積
が極めて小さく済み、従来のように設置スペースがない
などの課題が解決される。
【0320】また、制御を行うスピーカ3a〜3dが、
例えばそれぞれフロントドアおよびリアドアに設置され
ることにより、ある程度大口径のスピーカを用いること
ができ、またドア内部のバックキャビティも広いので、
かなり低音の再生も可能となる。これによって、例えば
100Hz以下からの音像定位制御も可能となる。当然、ス
ピーカ3a〜3dの設置場所は各フロントドアおよびリ
アドアに限定されるものではなく、例えばスピーカ3a
〜3bを図106に示す装置のインストルメントパネル
18の運転席側近傍および助手席側近傍などに、スピー
カ3c〜3dをリアトレイに設置したスピーカ3e〜3
fとしてもよい。また、制御帯域がそれほど高くなけれ
ば(例えば1KHz以下の場合)、スピーカ3e〜3fをモ
ノラルチャンネルとすることで音像制御回路2が3チャ
ンネル制御を行ってもよい。
【0321】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
a〜3fがフルレンジ構成であるとしたが、スピーカ
は、周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/ま
たはツイータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成で
あってもよい。
【0322】また、本実施形態では能動騒音制御回路1
6とマイクロホン5a〜5d、およびレベル制御回路1
4とボリューム15a〜15fを用いることにより、例
えばエンジン音の低減など能動騒音制御動作を行うこと
ができ、また新たにマイクロホンを追加することなく、
能動騒音制御回路16とマイクロホン5a〜5bを共用
しながら、レベル制御回路14とボリューム15a〜1
5fにより、受聴者のいる運転席、あるいは助手席にお
いてマルチチャンネルシステムにおける最適な各チャン
ネルレベル設定を自動的に行うことができる。
【0323】なお、本実施形態では騒音制御回路16の
騒音入力信号をエンジン17からの信号としたが、騒音
入力信号は、これに限定されるものではなく、自動車走
行騒音などを検出するために車室内に設置された複数の
加速度(あるいは振動)センサからの信号、またはマイ
クロホンからの信号などであってもよい。また、本実施
形態では、騒音信号が1つ、制御信号が6つ、エラー信
号が4つの所謂1−6−4システムとなっているが、こ
れに限定したものではない。
【0324】さらに、本実施形態のレベル制御回路14
は、図32に示すような構成としたが、このように必ず
しも制御点A、B両方のレベル比較を行わねばならない
ということではなく、例えば図33のように制御点A、
Bのどちらか一方の比較制御としてもよい。
【0325】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席と助手席の頭部近傍1点としたが、実施の
形態9と同様に、制御点は、運転席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席の両耳近傍2点のみ、さらには運転
席と助手席の両耳近傍各2点としてもよい。
【0326】図74は、運転席の両耳近傍2点制御の構
成を示す図である。この場合、マイクロホン5a〜5d
が運転席および助手席両耳近傍に設置されているため、
他の騒音制御用マイクロホン5e〜5hも各座席に2つ
ずつ設置されている。また、スピーカ3e〜3fを騒音
制御用に個別に用いるため加算器9e〜9fを追加して
いるが、スピーカ3e〜3fはモノラル仕様であっても
よい。また、本実施形態ではサラウンドチャンネル信号
をスピーカ3c〜3dより再生する構成としていたが、
実施の形態3と同様にサラウンドチャンネル信号とウー
ファーチャンネル信号が加算され、加算された信号がス
ピーカ3e〜3f、あるいはスピーカ3c〜3dより再
生される構成であってもよい。この場合、できれば加算
器を2つ用いてサラウンド信号は2チャンネル再生でき
るようにするのが望ましい。これらは、能動騒音制御回
路16の動作次第である。
【0327】また、本実施形態では目標特性をインスト
ルメントパネル18上面中央に設置したスピーカからの
伝達特性としたが、目標特性は、これに限定されるもの
ではなく、例えば運転席正面前方にスピーカを設置した
ときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置した場
合の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な特性
などであってもよい。
【0328】さらに、本実施形態ではツイータ12の設
置場所をインストルメントパネル18上面中央とした
が、ツイータ12の設置場所は、その位置に限定される
ものではなく、オーディオ操作部や空調操作部など運転
席と助手席の間でしかも前方であれば特に問題はない。
場合によっては、ツイータ12がルームミラーにを取り
付けられてもよい。例えば、図29のように液晶画面1
3とツイータ12が一体に構成形成されてもよい。図2
9に示すように、一体構成とすれば、インストルメント
パネル18上面にツイータ12を設置する場所を準備す
る必要がなくなる。
【0329】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカをインストルメントパネル
18上面中央に設置した場合、あるいはそれ以外の場所
に設置した場合を問わず、そのスピーカ位置とツイータ
12の設置場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0330】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、図35に示
す装置と同様に本実施形態は、遅延器を用いてメインL
チャンネル信号・メインRチャンネル信号およびサラウ
ンドチャンネル信号とウーファーチャンネル信号を適度
に時間調整すればよい。
【0331】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を持た
ない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3fがリ
アラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0332】(実施の形態17)図75は実施の形態1
7における車載用音像制御装置のブロック図を示すもの
である。特に、図75(a)は車体を上から見た図であ
り、図75(a)はその車体を横から見た図である。
【0333】図75(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運
転席側後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手
席側後席ドア)に設置されたスピーカである。本実施形
態は、図1(a)に示すスピーカ3a〜3bの代わり
に、後部ドアに設置したスピーカ3c〜3dを用いて後
部座席の頭部近傍A点とB点を制御する構成としたもの
である。よって、本実施形態の動作は、基本的に、図1
(a)に示す装置と同様であるため、簡単にその動作を
説明する。
【0334】音源1からの信号は、音像制御回路2で信
号処理され、スピーカ3c〜3dより再生される。音像
制御回路2は、制御点A、Bにおいてスピーカ3c〜3
dからの制御音の特性が、あたかも受聴者の前方に設置
したスピーカより再生されている場合と同等な特性とな
るように信号処理する。例えば、図76に示すように、
センターコンソール20後方付近に設置されたスピーカ
4から制御点A、Bへの伝達特性G1、G2が目標特性
となる。図1に示す装置と同様に、本実施形態では、音
像制御回路2がスピーカ3c〜3dを制御するため、目
標特性G1、G2にかなり近い特性が得られる。このた
め、本実施形態では、従来の装置と比較して格段に音像
定位が向上する。
【0335】このように本実施形態では、センターコン
ソール20の後方付近に新たなスピーカを使用すること
なく、車室内の受聴者前方に音像を定位させることがで
きる。また、制御を行うスピーカ3c〜3dが、例えば
それぞれリアドアに設置されることにより、ある程度大
口径のスピーカを用いることができ、またドア内部のバ
ックキャビティも広いので、かなり低音の再生も可能と
なる。これによって、例えば100Hz以下からの音像定位
制御も可能となる。当然、スピーカ3c〜3dの設置場
所は、各リアドアに限定されるものではなく、例えば図
77に示すように、リアトレイなどに設置されてもよ
い。
【0336】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
c〜3fはフルレンジ構成であるが、当然、スピーカは
周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/または
ツイータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成であっ
てもよい。図78は、ツイータ3j〜3kを追加し、マ
ルチウェイスピーカ構成の一例を示す図である。図78
(a)では、ウーファー3c〜3dとツイータ3j〜3
kが直結しているが、ウーファー3c〜3dとツイータ
3j〜3kとの間にコンデンサやコイルなどのネットワ
ークフィルタが挿入されていてもよい。
【0337】さらに、本実施形態では制御点A、Bをそ
れぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1点とし
たが、運転席側後席の両耳近傍2点、あるいは助手席側
後席の両耳近傍2点としてもよい。
【0338】図79は、助手席側後席の両耳近傍2点を
制御する構成を示す図である。この場合の音像制御回路
2の特性は、図80に示す目標特性G1、G2に近似す
るように求められればよい。各座席の両耳近傍2点を制
御することにより、さらに目標特性に近い効果が得ら
れ、また両耳近傍の同時制御のため、音像定位が明確に
なる。このように、例えば助手席側後席に座っている人
をよりよく制御したい場合には、本実施形態は、助手席
側後席のみに制御を行えばよい。
【0339】また、本実施形態では目標特性を、図76
あるいは図80に示すようにセンターコンソール20後
方に設置したスピーカ4からの伝達特性としたが、目標
特性は、これに限定されるものではなく、例えば図79
に示す装置と組合せるように助手席シートバック背面に
スピーカ4を設置したときの伝達特性、またはスピーカ
4を無響室に設置した場合の制御点までの伝達特性、あ
るいは周波数平坦な特性などであってもよい。助手席シ
ートバック背面にスピーカ4を設置した場合には、本実
施形態は、助手席側後席に座っている人の正面前方に音
像が定位するように制御することができ、またスピーカ
4を無響室に設置した場合には、本実施形態は、受聴者
前方に音像を定位しながら車室内の反射や残響特性を打
消すように制御することができる。
【0340】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。
【0341】(実施の形態18)図81は、実施の形態
18における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図81(a)は車体を上から見た図で
あり、図81(b)はその車体を横から見た図である。
【0342】図81(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運
転席側後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手
席側後席ドア)に設置されたスピーカ、9a〜9cは加
算器である。本実施形態では、音源1としてステレオ信
号を生成するCD再生装置が用いられ、また図16に示
すスピーカ3a〜3bの代わりに、後部ドアに設置した
スピーカ3c〜3dを用いて後部座席の頭部近傍A点と
B点が制御される。よって、本実施形態の動作は、図1
6に示す装置の動作と基本的に同じであるため、簡単に
その説明を行う。
【0343】音源1(CD再生装置)からのステレオ信
号は、加算器9aで加算され、その後、音像制御回路2
で信号処理され、それらの出力がそれぞれ音源1(CD
再生装置)からの各チャンネル信号と加算されてスピー
カ3c〜3dより再生される。実施の形態17と同様
に、音像制御回路2は、制御点A、Bにおいてスピーカ
3c〜3dの制御音の特性が、あたかもセンターコンソ
ール20後方付近に設置したスピーカより再生されてい
る場合と同等な特性となるように信号処理する。加算器
9aでステレオ信号を加算することで、その加算された
信号は、実施の形態17と同様にモノラル信号となり、
また各チャンネルに含まれる同相成分(例えばヴォーカ
ル信号等、中央に定位させたい信号)のレベルが増幅さ
れる。この信号を音像制御回路2で信号処理することに
より、ヴォーカル信号等、中央に定位させたい信号を受
聴者前方中央に定位させることができる。そして、各チ
ャンネルに個別に含まれる信号成分は、加算器9b〜9
cを介してスピーカ3c〜3dより再生されるので、ス
テレオ信号の拡がり感を損なうことがない。
【0344】このように本実施形態では、センターコン
ソール20後方付近に新たなスピーカを使用することな
く、またステレオ信号の拡がり感を損なうことなく、車
室内の受聴者前方にステレオ信号における同相信号成分
を定位させることができる。さらに、制御を行うスピー
カ3c〜3dが、例えばそれぞれリアドアに設置される
ことにより、ある程度大口径のスピーカを用いることが
でき、またドア内部のバックキャビティも広いので、か
なり低音の再生も可能となる。これによって、例えば10
0Hz以下からの音像定位制御も可能となる。当然、スピ
ーカ3c〜3dの設置場所は、各リアドアに限定される
ものではなく、例えばリアトレイなどに設置されてもよ
い。
【0345】なお、本実施形態では、スピーカ3c〜3
dがフルレンジ構成であるが、スピーカは周波数帯域毎
にウーファー、スコーカ、および/またはツイータなど
を用いるマルチウェイスピーカ構成であってもよい。
【0346】さらに、本実施形態では、制御点A、B
が、それぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は、運転席側後席の両耳近傍2点、
あるいは助手席側後席の両耳近傍2点であってもよい。
【0347】また、本実施形態では目標特性をセンター
コンソール20後方に設置したスピーカ4からの伝達特
性としたが、目標特性は、これに限定されるものではな
く、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を設置
したときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置し
た場合の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な
特性などであってもよい。
【0348】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(CD再生
装置)からのステレオ信号の時間を合わせるために、遅
延器を用いてステレオ信号を適度に時間調整する構成と
すればよい。
【0349】また、本実施の形態では、音像制御回路に
の出力と音源1からのステレオ信号とを加算器9bおよ
び9cでそれぞれ加算する構成としたが、音源1からの
ステレオ信号を、(Lチャンネル)−(Rチャンネル)
あるいは(Rチャンネル)−(Lチャンネル)の差信号
として、加算器9bおよび9cで、音像制御回路2から
の出力と加算する構成としてもよい。
【0350】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。
【0351】(実施の形態19)図82は、実施の形態
19における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図82(a)は車体を上から見た図で
あり、図82(b)はその車体を横から見た図である。
【0352】図82において、1は音源、2は音像制御
回路、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運転席側
後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手席側後
席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜3hは車室内に
設置されたスピーカ(例えばスピーカ3gは運転席側後
席ドアに、スピーカ3hは助手席側後席ドアに、スピー
カ3e〜3fはリアトレイにそれぞれ設置されてい
る)、9a〜9bは加算器である。本実施形態では、音
源1としてマルチチャンネルシステムであるDVD再生
装置が用いられ、そのセンターチャンネル信号が制御さ
れる。また、本実施形態では、図18に示すスピーカ3
a〜3bの代わりに、後部ドアに設置したスピーカ3c
〜3dを用いて後部座席の頭部近傍A点とB点が制御さ
れる。よって、本実施形態の動作は、図18に示す装置
の動作と基本的に同じであるため、本実施形態の動作を
簡単に説明する。
【0353】音源1(DVD再生装置)からのセンター
チャンネル信号は、音像制御回路2で信号処理され、そ
れらの出力がそれぞれ音源1(DVD再生装置)からの
メインLチャンネル信号・メインRチャンネル信号と加
算されてスピーカ3c〜3dより再生される。実施の形
態17と同様に、音像制御回路2は、制御点A、Bにお
いてスピーカ3c〜3dからの制御音の特性が、あたか
もセンターコンソール20の後方付近に設置したスピー
カより再生されている場合と同等な特性となるように信
号処理する。これによって、センターチャンネル信号を
受聴者前方中央に定位させることができる。そして、メ
インLチャンネル信号・メインRチャンネル信号は、加
算器9a〜9bを介してスピーカ3c〜3dより再生さ
れるので、ステレオ信号の拡がり感を損なうことがな
い。また、スピーカ3g〜3hよりサラウンドLチャン
ネル信号・サラウンドRチャンネル信号が、スピーカ3
e〜3fよりウーファーチャンネル信号がそれぞれ個別
に再生されるので、臨場感があり、受聴者は低音豊かな
マルチチャンネルシステムを楽しむことができる。
【0354】このように本実施形態では、センターコン
ソール20の後方付近に新たなスピーカを使用すること
なく、またマルチチャンネルシステムの音質・音場を損
なうことなく、車室内の受聴者前方にセンターチャンネ
ル信号を定位させることができる。さらに、制御を行う
スピーカ3c〜3dが、例えばそれぞれリアドアに設置
されることにより、ある程度大口径のスピーカを用いる
ことができ、またドア内部のバックキャビティも広いの
で、かなり低音の再生も可能となる。これによって、例
えば100Hz以下からの音像定位制御も可能となる。当
然、スピーカ3c〜3dの設置場所は各リアドアに限定
されない。たとえば、スピーカ3g〜3hの設置場所
は、後部ドアではなく、図83に示すように、後部ドア
に設けられた窓の後方に位置するCピラー(後部ピラ
ー)に設置されてもよい。さらには、スピーカ3g〜3
hを使用せず、図84のように加算器9c〜9dが、サ
ラウンド信号とウーハー信号を加算し、これをスピーカ
3e〜3fより再生する構成でもよい。当然、スピーカ
3e〜3fの代わりにスピーカ3g〜3hが信号を再生
してもよい。
【0355】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
c〜3hがフルレンジ構成であるが、スピーカは周波数
帯域毎にウーファー、スコーカ、および/またはツイー
タなどを用いるマルチウェイスピーカ構成であってもよ
い。
【0356】さらに、本実施形態では、制御点A、B
が、それぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は、運転席側後席の両耳近傍2点、
あるいは助手席側後席の両耳近傍2点であってもよい。
【0357】また、本実施形態では目標特性をセンター
コンソール20後方に設置したスピーカ4からの伝達特
性としたが、目標特性は、これに限定されるものではな
く、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を設置
したときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置し
た場合の制御点までの伝達特性、あるいし周波数平坦な
特性などであってもよい。
【0358】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、本実施形態
は、本実施形態は、遅延器を用いてメインLチャンネル
信号・メインRチャンネル信号およびサラウンドチャン
ネル信号とウーファーチャンネル信号を適度に時間調整
すればよい。
【0359】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を持た
ない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3fがリ
アラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0360】(実施の形態20)図85は、実施の形態
20における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図85(a)は車体を上から見た図で
あり、図85(b)はその車体を横から見た図である。
【0361】図85(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運
転席側後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手
席側後席ドア)に設置されたスピーカ、10はローパス
フィルタ、11はハイパスフィルタ、12はセンターコ
ンソール20後方付近に設置されたツイータである。本
実施形態は、実施の形態17における音源1からの信号
が低域成分と高域成分に分割され、低域成分のみが音像
制御回路2によって制御される。また、本実施形態で
は、図21に示すスピーカ3a〜3bの代わりに、後部
ドアに設置したスピーカ3c〜3dを用いて後部座席の
頭部近傍A点とB点が、制御される。よって、本実施形
態の動作は、図21に示す装置の動作と基本的に同じで
あり、本実施形態の動作を簡単に説明する。
【0362】音源1からの信号は、ローパスフィルタ1
0で低域成分が抽出され、またハイパスフィルタ11で
高域成分が抽出される。その後、ローパスフィルタ10
の出力は、音像制御回路2で信号処理され、スピーカ3
c〜3dより再生される。実施の形態17と同様に、音
像制御回路2は、制御点A、Bにおいてスピーカ3c〜
3dの制御音の特性が、あたかもセンターコンソール20
後方に設置したスピーカより再生されている場合と同等
な特性となるように信号処理する。これによって、実施
の形態17と同様に、ローパスフィルタ10からの音源
信号を受聴者前方中央に定位させることができる。そし
て、図86に示すように、高域成分については、ハイパ
スフィルタ11の出力がセンターコンソール20後方付
近に設置されたツイータ12から再生されることで、さ
らに定位感が向上する。
【0363】ここで、ローパスフィルタ10とハイパス
フィルタ11の特性が、図22に示すように、ある周波
数f1(例えば2KHz)でクロスオーバーする特性とし、
それらの総合特性は平坦になることが好ましい。この周
波数f1が高いほどツイーター12は小型化でき、逆に
f1が低くなればスピーカ3c〜3dを低域専用に特化
することができる。
【0364】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカをセンターコンソール20に配置することなく、車
室内の受聴者前方に音像を定位させることができ、か
つ、高域を再生するツイータ12をセンターコンソール
20後方に実際に設置することで更なる定位感の向上を
実現できる。また、ローパスフィルタ10とハイパスフ
ィルタ11により、入力信号が高域と低域に分割され、
高域を再生する小型のツイータ12のみを例えば図86
に示すようにセンターコンソール20後方に設置する構
成としたので、設置に必要な容積が極めて小さく済み、
従来のように設置スペースがないなどの課題が解決され
る。さらに、制御を行うスピーカ3c〜3dが、例えば
それぞれリアドアに設置されることにより、ある程度大
口径のスピーカを用いることができ、またドア内部のバ
ックキャビティも広いので、かなり低音の再生も可能と
なる。これによって、例えば100Hz以下からの音像定位
制御も可能となる。当然、スピーカ3c〜3dの設置場
所は、各リアドアに限定されるものではなく、例えばリ
アトレイなどに設置されてもよい。
【0365】なお、本実施形態では、スピーカ3c〜3
dがフルレンジ構成であるが、スピーカは周波数帯域毎
にウーファー、スコーカ、および/またはツイータなど
を用いるマルチウェイスピーカ構成であってもよい。
【0366】さらに、本実施形態では、制御点A、B
が、それぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は、運転席側後席の両耳近傍2点、
あるいは助手席側後席の両耳近傍2点であってもよい。
【0367】また、本実施形態では目標特性をセンター
コンソール20後方に設置したスピーカ4からの伝達特
性としたが、目標特性は、これに限定されるものではな
く、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を設置
したときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置し
た場合の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な
特性などであってもよい。
【0368】さらに、上述した実施形態では、ツイータ
12の設置場所がセンターコンソール20後方になる
が、設置場所は、その位置に限定されるものではなく、
場合によっては、運転席シートバック背面あるいは助手
席シートバック背面であってもよい。
【0369】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカ位置とツイータ12の設置
場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0370】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。
【0371】(実施の形態21)図87は、実施の形態
21における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図87(a)は車体を上から見た図で
あり、図87(b)はその車体を横から見た図である。
【0372】図87(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運
転席側後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手
席側後席ドア)に設置されたスピーカ、9a〜9cは加
算器、10はローパスフィルタ、11はハイパスフィル
タ、12はセンターコンソール20後方付近に設置され
たツイータである。本実施形態は、音源1としてステレ
オ信号を生成するCD再生装置が用いられる。また、本
実施形態では、図25に示すスピーカ3a〜3bの代わ
りに、後部ドアに設置されたスピーカ3c〜3dを用い
て後部座席の頭部近傍A点とB点が制御される。よっ
て、本実施形態の動作は、図25に示す装置の動作と基
本的に同じであり、本実施形態の動作を簡単に説明す
る。
【0373】音源1(CD再生装置)からのステレオ信
号は、加算器9aで加算された後、ローパスフィルタ1
0で低域成分が抽出され、またハイパスフィルタ11で
高域成分が抽出される。その後、ローパスフィルタ10
の出力は、音像制御回路2で信号処理され、それらの出
力がそれぞれ音源1(CD再生装置)からの各チャンネ
ル信号と加算されてスピーカ3c〜3dより再生され
る。実施の形態17と同様に、音像制御回路2は、制御
点A、Bにおいてスピーカ3c〜3dからの制御音の特
性が、あたかもセンターコンソール20後方に設置した
スピーカより再生されている場合と同等な特性となるよ
うに信号処理する。加算器9aが、ステレオ信号を加算
することで、実施の形態20と同様にモノラル信号が生
成され、また各チャンネルに含まれる同相成分(例えば
ヴォーカル信号等、中央に定位させたい信号)のレベル
が増幅される。ローパスフィルタ10は、この信号から
低域成分を抽出し、音像制御回路2が信号処理すること
により、ヴォーカル信号等、中央に定位させたい信号を
受聴者前方中央に定位させることができる。そして、各
チャンネルに個別に含まれる信号成分は、加算器9b〜
9cを介してスピーカ3c〜3dより再生されるので、
ステレオ信号の拡がり感を損なうことがない。また、高
域成分については、ハイパスフィルタ11の出力がセン
ターコンソール20後方付近に設置されたツイータ12
から再生されることで、さらに定位感が向上する。
【0374】ここで、ローパスフィルタ10とハイパス
フィルタ11の特性が、図22に示すように、ある周波
数f1(例えば2KHz)でクロスオーバーする特性とし、
それらの総合特性は平坦になることが好ましい。この周
波数f1が高いほどツイーター12は小型化できる。
【0375】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカをセンターコンソール20に使用することなく、ま
たステレオ信号の拡がり感を損なうことなく、車室内の
受聴者前方にステレオ信号における同相信号成分を定位
させることができ、かつ、高域を再生するツイータ12
をセンターコンソール20後方に実際に設置することで
更なる定位感の向上を実現できる。また、ローパスフィ
ルタ10とハイパスフィルタ11により、入力信号が高
域と低域に分割され、高域を再生する小型のツイータ1
2のみをセンターコンソール20後方に設置する構成と
したので、設置に必要な容積が極めて小さく済み、従来
のように設置スペースがないなどの課題が解決される。
さらに、制御を行うスピーカ3c〜3dが、例えばそれ
ぞれリアドアに設置されることにより、ある程度大口径
のスピーカを用いることができ、またドア内部のバック
キャビティも広いので、かなり低音の再生も可能とな
る。これによって、例えば100Hz以下からの音像定位制
御も可能となる。当然、スピーカ3c〜3dの設置場所
は、各リアドアに限定されるものではなく、例えばリア
トレイなどに設置されてもよい。
【0376】なお、本実施形態では、スピーカ3c〜3
dがフルレンジ構成であるが、スピーカは周波数帯域毎
にウーファー、スコーカ、および/またはツイータなど
を用いるマルチウェイスピーカ構成であってもよい。
【0377】さらに、本実施形態では、制御点A、B
が、それぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は、運転席側後席の両耳近傍2点、
あるいは助手席側後席の両耳近傍2点であってもよい。
【0378】また、本実施形態では目標特性をセンター
コンソール20後方に設置したスピーカ4からの伝達特
性としたが、目標特性は、これに限定されるものではな
く、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を設置
したときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置し
た場合の制御点までの伝達特性、周波数平坦な特性など
であってもよい。
【0379】さらに、上述した実施形態では、ツイータ
12の設置場所がセンターコンソール20後方になる
が、設置場所は、その位置に限定されるものではなく、
場合によっては、運転席シートバック背面あるいは助手
席シートバック背面であってもよい。
【0380】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカ位置とツイータ12の設置
場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0381】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(CD再生
装置)からのステレオ信号の時間を合わせるために、遅
延器を用いてステレオ信号を適度に時間調整する構成と
すればよい。
【0382】また、本実施の形態では、音像制御回路に
の出力と音源1からのステレオ信号とを加算器9bおよ
び9cでそれぞれ加算する構成としたが、音源1からの
ステレオ信号を、(Lチャンネル)−(Rチャンネル)
あるいは(Rチャンネル)−(Lチャンネル)の差信号
として、加算器9bおよび9cで、音像制御回路2から
の出力と加算する構成としてもよい。
【0383】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。
【0384】(実施の形態22)図88は実施の形態2
2における車載用音像制御装置のブロック図を示すもの
である。特に、図88(a)は車体を上から見た図であ
り、図88(b)はその車体を横から見た図である。
【0385】図88において、1は音源、2は音像制御
回路、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運転席側
後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手席側後
席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜3hは車室内に
設置されたスピーカ(例えばスピーカ3gは運転席側後
席ドアに、スピーカ3hは助手席側後席ドアに、スピー
カ3e〜3fはリアトレイにそれぞれ設置されてい
る)、9a〜9bは加算器、10はローパスフィルタ、
11はハイパスフィルタ、12はセンターコンソール2
0後方付近に設置されたツイータである。本実施形態で
は、音源1としてマルチチャンネルシステムであるDV
D再生装置が用いられ、そのセンターチャンネル信号が
制御される。また、本実施形態では、図27に示すスピ
ーカ3a〜3bの代わりに、後部ドアに設置したスピー
カ3c〜3dを用いて後部座席の頭部近傍A点とB点が
制御される。よって、本実施形態の動作は、図27に示
す装置の動作と基本的に同じであり、本実施形態の動作
を簡単に説明する。
【0386】音源1(DVD再生装置)からのセンター
チャンネル信号は、ローパスフィルタ10によって低域
成分が抽出され、またハイパスフィルタ11によって高
域成分が抽出される。その後、ローパスフィルタ10の
出力は、音像制御回路2で信号処理され、それらの出力
がそれぞれ音源1(DVD再生装置)からのメインLチ
ャンネル信号・メインRチャンネル信号と加算されてス
ピーカ3c〜3dより再生される。(実施の形態17)
と同様に、音像制御回路2は、制御点A、Bにおいてス
ピーカ3c〜3dからの制御音の特性が、あたかもセン
ターコンソール20後方に設置したスピーカより再生さ
れている場合と同等な特性となるように信号処理する。
これによって、センターチャンネル信号を受聴者前方中
央に定位させることができる。そして、メインLチャン
ネル信号・メインRチャンネル信号は、加算器9a〜9
bを介してスピーカ3c〜3dより再生されるので、ス
テレオ信号の拡がり感を損なうことがない。また、高域
成分については、ハイパスフィルタ11の出力がセンタ
ーコンソール20後方付近に設置されたツイータ12か
ら再生されることで、さらに定位感が向上する。
【0387】ここで、ローパスフィルタ10とハイパス
フィルタ11の特性が、図22に示すように、ある周波
数f1(例えば2KHz)でクロスオーバーする特性とし、
それらの総合特性は平坦になることが好ましい。この周
波数f1が高いほどツイーター12は小型化できる。
【0388】また、スピーカ3g〜3hよりサラウンド
Lチャンネル信号・サラウンドRチャンネル信号が、ス
ピーカ3e〜3fよりウーファーチャンネル信号がそれ
ぞれ個別に再生されるので、臨場感があり、受聴者は低
音豊かなマルチチャンネルシステムを楽しむことができ
る。
【0389】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカをセンターコンソール20に使用することなく、ま
たマルチチャンネルシステムの音質・音場を損なうこと
なく、車室内の受聴者前方にセンターチャンネル信号を
定位させることができる。さらに、高域を再生するツイ
ータ12をセンターコンソール20後方に実際に設置す
ることで更なる定位感の向上を実現できる。また、ロー
パスフィルタ10とハイパスフィルタ11により、入力
信号が高域と低域に分割され、高域を再生する小型のツ
イータ12のみをセンターコンソール20後方に設置す
る構成としたので、設置に必要な容積が極めて小さく済
み、従来のように設置スペースがないなどの課題が解決
される。
【0390】さらに、制御を行うスピーカ3c〜3d
が、例えばそれぞれリアドアに設置されることにより、
ある程度大口径のスピーカを用いることができ、またド
ア内部のバックキャビティも広いので、かなり低音の再
生も可能となる。これによって、例えば100Hz以下から
の音像定位制御も可能となる。当然、スピーカ3c〜3
dの設置場所は各リアドアに限定されない。
【0391】また、スピーカ3g〜3hの設置場所は、
後部ドアに限定されるものではなく、例えばCピラーに
設置されてもよい。さらには、スピーカ3g〜3hを使
用せず、加算器9c〜9dがサラウンド信号とウーハー
信号を加算し、加算されたものがスピーカ3e〜3fで
再生されてもよい。この場合、できれば加算器を2つ用
いて、サラウンド信号は2チャンネル再生できるように
することが望ましい。当然、加算信号、スピーカ3e〜
3fの代わりにスピーカ3g〜3hより再生されてもよ
い。
【0392】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
c〜3hがフルレンジ構成であるが、スピーカは周波数
帯域毎にウーファー、スコーカ、および/またはツイー
タなどを用いるマルチウェイスピーカ構成であってもよ
い。
【0393】さらに、本実施形態では、制御点A、B
が、それぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は、運転席側後席の両耳近傍2点、
あるいは助手席側後席の両耳近傍2点であってもよい。
【0394】また、本実施形態では目標特性をセンター
コンソール20後方に設置したスピーカ4からの伝達特
性としたが、目標特性は、これに限定されるものではな
く、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を設置
したときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置し
た場合の制御点までの伝達特性あるいは周波数平坦な特
性などであってもよい。
【0395】さらに、上述した実施形態では、ツイータ
12の設置場所がセンターコンソール20後方になる
が、設置場所は、その位置に限定されるものではなく、
場合によっては、運転席シートバック背面あるいは助手
席シートバック背面であってもよい。あるいは、図89
に示すように音源1(DVD再生装置)の映像を映す液
晶画面13とツイータ12が一体構成されてもよい。図
89のように一体構成とすれば、センターコンソール2
0にツイータ12の設置場所を準備する必要がなくな
る。
【0396】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカ位置とツイータ12の設置
場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0397】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、本実施形態
は、遅延器を用いてメインLチャンネル信号・メインR
チャンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウー
ファーチャンネル信号を適度に時間調整すればよい。
【0398】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を持た
ない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3fがリ
アラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0399】(実施の形態23)図90は、実施の形態
23における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図90(a)は車体を上から見た図で
あり、図90(b)はその車体を横から見た図である。
【0400】図90において、1は音源、2は音像制御
回路、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運転席側
後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手席側後
席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜3hは車室内に
設置されたスピーカ(例えばスピーカ3gは運転席側後
席ドアに、スピーカ3hは助手席側後席ドアに、スピー
カ3e〜3fはリアトレイにそれぞれ設置されてい
る)、5a〜5dはマイクロホン、9a〜9eは加算
器、14はレベル制御回路、15a〜15fはボリュー
ム、16は能動騒音制御回路、17は自動車のエンジン
である。本実施形態は、実施の形態19における車載用
音像制御装置に能動騒音制御装置を組み合わせたもので
ある。また、本実施形態では、音源1として、DVD再
生装置が用いられ、図31に示すスピーカ3a〜3bの
代わりに、後部ドアに設置したスピーカ3c〜3dを用
いて後部座席の頭部近傍A点とB点が制御される。よっ
て、本実施形態の動作は、図31に示す装置の動作と基
本的に同じであり、本実施形態の動作を簡単に説明す
る。
【0401】音源1(DVD再生装置)からの各チャン
ネル信号は、ボリューム15a〜15fでそれぞれレベ
ル調整される。ボリューム15aでレベル調整されたセ
ンターチャンネル信号は、音像制御回路2で信号処理さ
れ、それらの出力がそれぞれボリューム15b〜15c
でレベル調整されたメインLチャンネル信号・メインR
チャンネル信号と加算されてスピーカ3c〜3dより再
生される。実施の形態17と同様に、音像制御回路2
は、制御点A、Bにおいてスピーカ3c〜3dからの制
御音の特性が、あたかもセンターコンソール20後方に
設置したスピーカより再生されている場合と同等な特性
となるように信号処理する。これによって、センターチ
ャンネル信号を受聴者前方中央に定位させることができ
る。そして、メインLチャンネル信号・メインRチャン
ネル信号は、加算器9a〜9bを介してスピーカ3c〜
3dより再生されるので、ステレオ信号の拡がり感を損
なうことがない。また、スピーカ3g〜3hよりサラウ
ンドLチャンネル信号・サラウンドRチャンネル信号
が、スピーカ3e〜3fよりウーファーチャンネル信号
がそれぞれ個別に再生されるので、臨場感があり、受聴
者は低音豊かなマルチチャンネルシステムを楽しむこと
ができる。
【0402】次に、能動騒音制御装置16は、エンジン
17からの騒音信号(例えばエンジンパルスなど)をリ
ファレンス信号とし、また各座席に設置したマイクロホ
ン5a〜5dからの車室内騒音信号をエラー信号とし
て、各エラー信号を最小とするようにリファレンス信号
を信号処理して制御信号を出力する。各制御信号は、加
算器9a〜9eを介してスピーカ3c〜3hより再生さ
れる。このスピーカ3c〜3hから再生された制御音
は、各マイクロホン5a〜5d位置で、エンジン17か
らのエンジン音と同振幅逆位相の関係となるように能動
騒音制御装置16によって制御されているため、エンジ
ン音が低減される。
【0403】次に、レベル制御回路14の動作につい
て、図91を用いて説明する。図91は、図32に示す
マイクロホン5a〜5bの代わりにマイクロホン5c〜
5dが用いられている。レベル制御回路14は、マイク
ロホン5c〜5dからの信号と音源1(DVD再生装
置)からの各チャンネル信号のレベルをそれぞれ比較す
るレベル比較器14a〜14fを有している。そこで、
音源1(DVD再生装置)は、各チャンネル毎に測定信
号を出力し、レベル比較器14a〜14fは、マイクロ
ホン5c〜5dで検出した車室内の測定信号レベルと元
の信号レベルを比較し、その差が予め決められた値(例
えば同レベル)となるようにボリューム15a〜15f
を調整する。例えば、まずセンターチャンネルから測定
信号が発生し、これがレベル比較器14aに入力される
とともに、ボリューム15aを経由してスピーカ3c〜
3dより再生され、その音がマイクロホン5c〜5dで
検出されてレベル比較器14aに入力される。レベル比
較器14aは、音源1(DVD再生装置)からのセンタ
ーチャンネル信号とマイクロホン5c〜5dからの検出
信号のレベルを比較して、その差が予め決められた値と
なるようにボリューム15a〜15fを調整する。それ
が終了すれば、次に、メインRチャンネルの設定を行
い、ついでメインLチャンネルの設定を行うというよう
に各チャンネルのレベル設定が順次行われる。これによ
って、受聴者のいる運転席側後席、あるいは助手席側後
席において最適な各チャンネルレベル設定が自動的に行
われる。
【0404】ここで、測定信号には、ホワイトノイズや
ピンクノイズなどの他に、ある程度周波数帯域が広いも
のであれば、音楽、風の音、波の音、あるいは川のせせ
らぎの音などの自然音でもよい。これらを測定信号に用
いれば、乗員がいても不快感を与えることがない。ま
た、DVDソフト毎に各チャンネルの最適な信号レベル
を記憶しておき、この信号レベルと同程度になるように
レベル制御回路14がボリューム15a〜15fを制御
する構成としてもよい。この場合、DVDソフト毎に各
チャンネルの録音レベルが異なっていても、常にそのソ
フトに応じた最適音量レベルでマルチチャンネル再生を
楽しむことができる。さらに、DVDソフトの各チャン
ネル毎に、例えばセンターチャンネルはヴォーカル、メ
インLチャンネルはギター、メインRチャンネルはピア
ノなど、独自の測定信号を記憶しておくことにより、レ
ベル比較器14a〜14fが音源1(DVD再生装置)
からの信号とマイクロホン5c〜5dからの信号の相関
を見ながらボリューム15a〜15fを調整する構成と
すれば、それらの測定信号を同時発生させてレベル調整
することができる。
【0405】このように本実施形態では、センターコン
ソール20の後方に新たなスピーカを使用することな
く、またマルチチャンネルシステムの音質・音場を損な
うことなく、車室内の受聴者前方にセンターチャンネル
信号を定位させることができる。さらに、制御を行うス
ピーカ3c〜3dが、例えばそれぞれリアドアに設置さ
れることにより、ある程度大口径のスピーカを用いるこ
とができ、またドア内部のバックキャビティも広いの
で、かなり低音の再生も可能となる。これによって、例
えば100Hz以下からの音像定位制御も可能となる。当
然、スピーカ3c〜3dの設置場所は、各リアドアに限
定されるものではない。スピーカ3g〜3hの設置場所
は、例えばCピラーに設置してもよい。さらには、スピ
ーカ3g〜3hを使用せず、加算器を用いてサラウンド
信号とウーハー信号を加算し、これがスピーカ3e〜3
fで再生されてもよい。この場合、できれば加算器を2
つ用いて、サラウンド信号は2チャンネル再生できるよ
うにすることが望ましい。当然、加算信号が、スピーカ
3e〜3fの代わりにスピーカ3g〜3hより再生され
てもよい。
【0406】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
c〜3hがフルレンジ構成であるが、スピーカは周波数
帯域毎にウーファー、スコーカ、および/またはツイー
タなどを用いるマルチウェイスピーカ構成であってもよ
い。
【0407】また、本実施形態では能動騒音制御回路1
6とマイクロホン5a〜5d、およびレベル制御回路1
4とボリューム15a〜15fを用いることにより、例
えばエンジン音の低減など能動騒音制御動作を行うこと
ができ、また新たにマイクロホンを追加することなく、
能動騒音制御回路16とマイクロホン5c〜5dを共用
しながら、レベル制御回路14とボリューム15a〜1
5fにより、受聴者のいる運転席側後席、あるいは助手
席側後席においてマルチチャンネルシステムにおける最
適な各チャンネルレベル設定を自動的に行うことができ
る。
【0408】なお、本実施形態では騒音制御回路16の
騒音入力信号をエンジン17からの信号としたが、騒音
入力信号は、これに限定されるものではなく、自動車走
行騒音などを検出するために車室内に設置された複数の
加速度(あるいは振動)センサからの信号、またはマイ
クロホンからの信号などであってもよい。また、本実施
形態では、騒音信号が1つ、制御信号が5つ、エラー信
号が4つの所謂1−5−4システムとなっているが、こ
れに限定されるものではない。例えば、スピーカ3e〜
3fをモノラル構成としているが、個別に制御できるよ
うに2チャンネル構成とすれば、制御信号は6つとな
る。さらに、前部ドアなどに他のスピーカが設置されて
いる場合、これを騒音制御用に用いてもよい。
【0409】さらに、本実施形態のレベル制御回路14
は、図91に示すような構成としたが、このように必ず
しも制御点A、B両方のレベル比較が行われる必要はな
く、例えば制御点A、Bのどちらか一方の比較制御が行
われてもよい。
【0410】さらに、本実施形態では、制御点A、B
が、それぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は、運転席側後席の両耳近傍2点、
あるいは助手席側後席の両耳近傍2点であってもよい。
【0411】また、本実施形態では目標特性をセンター
コンソール20後方に設置したスピーカ4からの伝達特
性としたが、目標特性は、これに限定されるものではな
く、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を設置
したときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置し
た場合の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な
特性などであってもよい。
【0412】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、本実施形態
は、遅延器を用いてメインLチャンネル信号・メインR
チャンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウー
ファーチャンネル信号を適度に時間調整すればよい。
【0413】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を持た
ない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3fがリ
アラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0414】(実施の形態24)図92は、実施の形態
24における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図92(a)は車体を上から見た図で
あり、図92(b)はその車体を横から見た図である。
【0415】図92において、1は音源、2は音像制御
回路、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運転席側
後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手席側後
席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜3hは車室内に
設置されたスピーカ(例えばスピーカ3gは運転席側後
席ドアに、スピーカ3hは助手席側後席ドアに、スピー
カ3e〜3fはリアトレイにそれぞれ設置されてい
る)、5a〜5dはマイクロホン、9a〜9eは加算
器、10はローパスフィルタ、11はハイパスフィル
タ、12はセンターコンソール20後方付近に設置され
たツイータ、14はレベル制御回路、15a〜15fは
ボリューム、16は能動騒音制御回路、17は自動車の
エンジンである。本実施形態では、音源1としてDVD
再生装置が用いられ、そのセンターチャンネル信号が低
域成分と高域成分に分割され、低域成分のみが音像制御
回路2によって制御される。また、本実施形態では、図
36に示すスピーカ3a〜3bの代わりに、後部ドアに
設置したスピーカ3c〜3dを用いて、後部座席の頭部
近傍A点とB点が制御される。よって、本実施形態の動
作は、図36に示す装置の動作と基本的に同じであり、
本実施形態の動作を簡単に説明する。
【0416】音源1(DVD再生装置)からの各チャン
ネル信号は、ボリューム15a〜15fでそれぞれレベ
ル調整される。ボリューム15aでレベル調整されたセ
ンターチャンネル信号は、ローパスフィルタ10で低域
成分が抽出され、またハイパスフィルタ11で高域成分
が抽出される。その後、ローパスフィルタ10の出力
は、音像制御回路2で信号処理され、それらの出力がそ
れぞれボリューム15b〜15cでレベル調整されたメ
インLチャンネル信号・メインRチャンネル信号と加算
されてスピーカ3c〜3dより再生される。実施の形態
17と同様に、音像制御回路2は、制御点A、Bにおい
てスピーカ3c〜3dからの制御音の特性が、あたかも
センターコンソール20後方に設置したスピーカより再
生されている場合と同等な特性となるように信号処理す
る。これによって、センターチャンネル信号を受聴者前
方中央に定位させることができる。そして、メインLチ
ャンネル信号・メインRチャンネル信号は、加算器9a
〜9bを介してスピーカ3c〜3dより再生されるの
で、ステレオ信号の拡がり感を損なうことがない。ま
た、高域成分については、ハイパスフィルタ11の出力
がセンターコンソール20後方付近に設置されたツイー
タ12から再生されることで、さらに定位感が向上す
る。
【0417】ここで、ローパスフィルタ10とハイパス
フィルタ11の特性が、図22に示すように、ある周波
数f1(例えば2KHz)でクロスオーバーする特性とし、
それらの総合特性は平坦になることが好ましい。この周
波数f1が高いほどツイーター12は小型化できる。
【0418】また、スピーカ3g〜3hよりサラウンド
Lチャンネル信号・サラウンドRチャンネル信号が、ス
ピーカ3e〜3fよりウーファーチャンネル信号がそれ
ぞれ個別に再生されるので、臨場感があり、受聴者は低
音豊かなマルチチャンネルシステムを楽しむことができ
る。
【0419】次に、能動騒音制御装置16は、実施の形
態7と同様に、エンジン17からの騒音信号(例えばエ
ンジンパルスなど)をリファレンス信号とし、また各座
席に設置したマイクロホン5a〜5dからの車室内騒音
信号をエラー信号として、各エラー信号を最小とするよ
うにリファレンス信号を信号処理して制御信号を出力す
る。各制御信号は、加算器9a〜9eを介してスピーカ
3c〜3hより再生される。このスピーカ3c〜3hか
ら再生された制御音は、各マイクロホン5a〜5d位置
で、エンジン17からのエンジン音と同振幅逆位相の関
係となるように能動騒音制御装置16によって制御され
ているため、エンジン音が低減される。
【0420】次に、レベル制御回路14は、図90の装
置と同様に、マイクロホン5c〜5dからの信号と音源
1(DVD再生装置)からの各チャンネル信号のレベル
をそれぞれ比較するレベル比較器14a〜14fを有し
ている。そこで、音源1(DVD再生装置)は、各チャ
ンネル毎に測定信号を出力し、レベル比較器14a〜1
4fは、マイクロホン5c〜5dで検出した車室内の測
定信号レベルと元の信号レベルを比較し、その差が予め
決められた値(例えば同レベル)となるようにボリュー
ム15a〜15fを調整する。例えば、まずセンターチ
ャンネルから測定信号が発生し、これがレベル比較器1
4aに入力されるとともに、ボリューム15aを経由し
てスピーカ3c〜3dおよびツイータ12より再生さ
れ、その音がマイクロホン5c〜5dで検出されてレベ
ル比較器14aに入力される。レベル比較器14aは、
音源1(DVD再生装置)からのセンターチャンネル信
号とマイクロホン5c〜5dからの検出信号のレベルを
比較して、その差が予め決められた値となるようにボリ
ューム15a〜15fを調整する。それが終了すれば、
次に、メインRチャンネルの設定を行い、ついでメイン
Lチャンネルの設定を行うというように各チャンネルの
レベル設定が順次行われる。これによって、受聴者のい
る運転席側後席、あるいは助手席側後席において最適な
各チャンネルレベル設定が自動的に行われる。
【0421】ここで、測定信号には、ホワイトノイズや
ピンクノイズなどの他に、ある程度周波数帯域が広いも
のであれば、音楽、風の音、波の音、あるいは川のせせ
らぎの音などの自然音でもよい。これらを測定信号に用
いれば、乗員がいても不快感を与えることがない。ま
た、DVDソフト毎に各チャンネルの最適な信号レベル
を記憶しておき、この信号レベルと同程度になるように
レベル制御回路14がボリューム15a〜15fを制御
する構成としてもよい。この場合、DVDソフト毎に各
チャンネルの録音レベルが異なっていても、常にそのソ
フトに応じた最適音量レベルでマルチチャンネル再生を
楽しむことができる。さらに、DVDソフトの各チャン
ネル毎に、例えばセンターチャンネルはヴォーカル、メ
インLチャンネルはギター、メインRチャンネルはピア
ノなど、独自の測定信号を記憶しておくことにより、レ
ベル比較器14a〜14fが音源1(DVD再生装置)
からの信号とマイクロホン5c〜5dからの信号の相関
を見ながらボリューム15a〜15fを調整する構成と
すれば、それらの測定信号を同時発生させてレベル調整
することができる。
【0422】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカをセンターコンソール20に使用することなく、ま
たマルチチャンネルシステムの音質・音場を損なうこと
なく、車室内の受聴者前方にセンターチャンネル信号を
定位させることができる。さらに、高域を再生するツイ
ータ12をセンターコンソール20後方に実際に設置す
ることで更なる定位感の向上を実現できる。また、ロー
パスフィルタ10とハイパスフィルタ11により、入力
信号が高域と低域に分割され、高域を再生する小型のツ
イータ12のみをセンターコンソール20後方に設置す
る構成としたので、設置に必要な容積が極めて小さく済
み、従来のように設置スペースがないなどの課題が解決
される。
【0423】さらに、制御を行うスピーカ3c〜3d
が、例えばそれぞれリアドアに設置されることにより、
ある程度大口径のスピーカを用いることができ、またド
ア内部のバックキャビティも広いので、かなり低音の再
生も可能となる。これによって、例えば100Hz以下から
の音像定位制御も可能となる。当然、スピーカ3c〜3
dの設置場所は、各リアドアに限定されるものではな
い。
【0424】また、スピーカ3g〜3hの設置場所は、
後部ドアに限定されるものではなく、例えばCピラーに
設置されてもよい。さらには、スピーカ3g〜3hを使
用せず、加算器を用いてサラウンド信号とウーハー信号
を加算し、これがスピーカ3e〜3fで再生されてもよ
い。この場合、できれば加算器を2つ用いて、サラウン
ド信号は2チャンネル再生できるようにすることが望ま
しい。当然、加算信号が、スピーカ3e〜3fの代わり
にスピーカ3g〜3hより再生されてもよい。
【0425】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
c〜3hがフルレンジ構成であるが、スピーカは周波数
帯域毎にウーファー、スコーカ、および/またはツイー
タなどを用いるマルチウェイスピーカ構成であってもよ
い。
【0426】また、本実施形態では能動騒音制御回路1
6とマイクロホン5a〜5d、およびレベル制御回路1
4とボリューム15a〜15fを用いることにより、例
えばエンジン音の低減など能動騒音制御動作を行うこと
ができ、また新たにマイクロホンを追加することなく、
能動騒音制御回路16とマイクロホン5c〜5dを共用
しながら、レベル制御回路14とボリューム15a〜1
5fにより、受聴者のいる運転席側後席、あるいは助手
席側後席においてマルチチャンネルシステムにおける最
適な各チャンネルレベル設定を自動的に行うことができ
る。
【0427】なお、本実施形態では騒音制御回路16の
騒音入力信号をエンジン17からの信号としたが、騒音
入力信号は、これに限定されるものではなく、自動車走
行騒音などを検出するために車室内に設置された複数の
加速度(あるいは振動)センサからの信号、またはマイ
クロホンからの信号などであってもよい。また、本実施
形態では、騒音信号が1つ、制御信号が5つ、エラー信
号が4つの所謂1−5−4システムとなっているが、こ
れに限定されるものではない。例えば、スピーカ3e〜
3fをモノラル構成としているが、個別に制御できるよ
うに2チャンネル構成とすれば、制御信号は6つとな
る。さらに、前部ドアなどに他のスピーカが設置されて
いる場合、これを騒音制御用に用いてもよい。
【0428】さらに、本実施形態のレベル制御回路14
は、図91に示すような構成としたが、このように必ず
しも制御点A、B両方のレベル比較が行われる必要はな
く、例えば制御点A、Bのどちらか一方の比較制御が行
われてもよい。
【0429】さらに、本実施形態では、制御点A、B
が、それぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は、運転席側後席の両耳近傍2点、
あるいは助手席側後席の両耳近傍2点であってもよい。
【0430】また、本実施形態では目標特性をセンター
コンソール20後方に設置したスピーカ4からの伝達特
性としたが、目標特性は、これに限定されるものではな
く、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を設置
したときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置し
た場合の制御点までの伝達特性、あるいは周波数平坦な
特性などであってもよい。
【0431】さらに、上述した実施形態では、ツイータ
12の設置場所がセンターコンソール20後方になる
が、設置場所は、その位置に限定されるものではなく、
場合によっては、運転席シートバック背面あるいは助手
席シートバック背面であってもよい。あるいは、音源1
(DVD再生装置)の映像を映す液晶画面13とツイー
タ12が一体構成されてもよい。一体構成とすれば、セ
ンターコンソール20にツイータ12の設置場所を準備
する必要がなくなる。
【0432】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカ位置とツイータ12の設置
場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0433】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、本実施形態
は、遅延器を用いてメインLチャンネル信号・メインR
チャンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウー
ファーチャンネル信号を適度に時間調整すればよい。
【0434】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を持た
ない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3fがリ
アラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0435】(実施の形態25)図93は第13の発明
における車載用音像制御装置のブロック図を示すもので
ある。特に、図93(a)は車体を上から見た図であ
り、図93(b)はその車体を横から見た図である。
【0436】図93において、1は音源、2は音像制御
回路、3c〜3dは運転席側後席近傍前方(例えば運転
席側後席ドア)および助手席側後席近傍前方(例えば助
手席側後席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜3fは
後席近傍後方(例えばリアトレイ)に設置されたスピー
カである。本実施形態は、実施の形態17における音像
制御回路およびスピーカを4チャンネル制御する。ま
た、本実施形態では、図39の前座席の頭部近傍A点と
B点を制御する構成の代わりに、後部座席の頭部近傍A
点とB点を制御する構成としている。よって、本実施形
態の動作は、図39に示す装置の動作と基本的に同じで
あり、本実施形態の動作を簡単に説明する。
【0437】音源1からの信号は、音像制御回路2で信
号処理され、スピーカ3c〜3fより再生される。音像
制御回路2は、実施の形態17の場合と同様に、制御点
A、Bにおいてスピーカ3c〜3fの制御音の特性が、
あたかもセンターコンソール20後方に設置したスピー
カより再生されている場合と同等な特性となるように信
号処理することになる。制御出力数が増えたために、制
御の自由度、精度が向上し、そのため従来例と比較して
格段に音像定位が向上するし、また実施の形態17と比
較しても音像定位が向上することになる。
【0438】このように本実施形態では、センターコン
ソール20の後方に新たなスピーカを使用することな
く、車室内の受聴者前方に音像を定位させることができ
る。また、制御を行うスピーカ3c〜3fが、例えばそ
れぞれリアドアあるいはリアトレイに設置されることに
より、ある程度大口径のスピーカを用いることができ、
またドア内部およびトランクルームのバックキャビティ
も広いので、かなり低音の再生も可能となる。これによ
って、例えば100Hz以下からの音像定位制御も可能とな
る。当然、スピーカ3c〜3fの設置場所は、各リアド
アあるいはリアトレイに限定されるものではなく、例え
ばCピラーなどであってもよい。また、制御帯域がそれ
ほど高くなければ(例えば1KHz以下の場合)、スピーカ
3e〜3fをモノラルチャンネルとすることで音像制御
回路2が3チャンネル制御を行ってもよい。
【0439】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
c〜3fはフルレンジ構成であるが、当然、スピーカは
周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/または
ツイータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成であっ
てもよい。
【0440】さらに、上述した実施形態では制御点A、
Bをそれぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は運転席側後席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席側後席の両耳近傍2点のみ、さらに
は運転席側後席と助手席側後席の両耳近傍各2点として
もよい。
【0441】また、上述した実施形態では目標特性をセ
ンターコンソール20後方に設置したスピーカ4からの
伝達特性としたが、目標特性はこれに限定されるもので
はなく、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を
設置したときの伝達特性、またはスピーカ4を無響室に
設置した場合の測定点までの伝達特性、あるいは周波数
平坦な特性などであってもよい。助手席シートバック背
面にスピーカ4を設置した場合には、本実施形態は助手
席側後席に座っている人の正面前方に音像が定位するよ
うに制御することができ、またスピーカ4を無響室に設
置した場合には、本実施形態は受聴者前方に音像を定位
しながら車室内の反射や残響特性を打消すように制御す
ることができる。
【0442】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。
【0443】(実施の形態26)図94は、実施の形態
26における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図94(a)は車体を上から見た図で
あり、図94(a)はその車体を横から見た図である。
【0444】図94(a)において、1は音源、2は音
像制御回路、3c〜3dは運転席側後席近傍前方(例え
ば運転席側後席ドア)および助手席側後席近傍前方(例
えば助手席側後席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜
3fは後席近傍後方(例えばリアトレイ)に設置された
スピーカ、9a〜9cは加算器である。本実施形態で
は、音源1としてステレオ信号を生成するCD再生装置
が用いられている。また、本実施形態は、図55に示す
前座席の頭部近傍A点とB点を制御する構成に代えて、
後部座席の頭部近傍A点とB点を制御する構成としたも
のである。よって、本実施形態の動作は、図55に示す
装置の動作と基本的に同じであり、本実施形態の動作を
簡単に説明する。
【0445】音源1(CD再生装置)からのステレオ信
号は、加算器9aで加算され、その後、音像制御回路2
で信号処理され、それらの出力の内の2つがそれぞれ音
源1(CD再生装置)からの各チャンネル信号と加算さ
れてスピーカ3c〜3dより再生され、残りの2つの出
力がスピーカ3e〜3fより再生される。実施の形態2
5と同様に、音像制御回路2は、制御点A、Bにおいて
スピーカ3c〜3fからの制御音の特性が、あたかもセ
ンターコンソール20後方に設置したスピーカより再生
されている場合と同等な特性となるように信号処理す
る。加算器9aはステレオ信号を加算することで実施の
形態25と同様にモノラル信号を生成し、それにより、
各チャンネルに含まれる同相成分(例えばヴォーカル信
号等、中央に定位させたい信号)のレベルが増幅され
る。この信号を音像制御回路2で信号処理することによ
り、ヴォーカル信号等、中央に定位させたい信号を受聴
者前方中央に定位させることができる。そして、各チャ
ンネルに個別に含まれる信号成分は、加算器9b〜9c
を介してスピーカ3c〜3dより再生されるので、ステ
レオ信号の拡がり感を損なうことがない。
【0446】このように本実施形態では、センターコン
ソール20後方に新たなスピーカを使用することなく、
またステレオ信号の拡がり感を損なうことなく、車室内
の受聴者前方にステレオ信号における同相信号成分を定
位させることができる。また、制御を行うスピーカ3c
〜3fが、例えばそれぞれリアドアあるいはリアトレイ
に設置されることにより、ある程度大口径のスピーカを
用いることができ、またドア内部およびトランクルーム
のバックキャビティも広いので、かなり低音の再生も可
能となる。これによって、例えば100Hz以下からの音像
定位制御も可能となる。当然、スピーカ3c〜3fの設
置場所は、各リアドアあるいはリアトレイに限定される
ものではなく、例えばCピラーなどであってもよい。ま
た、制御帯域がそれほど高くなければ(例えば1KHz以下
の場合)、スピーカ3e〜3fをモノラルチャンネルと
することで音像制御回路2が3チャンネル制御を行って
もよい。
【0447】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
c〜3fはフルレンジ構成であるが、当然、スピーカは
周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/または
ツイータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成であっ
てもよい。
【0448】さらに、上述した実施形態では制御点A、
Bをそれぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は運転席側後席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席側後席の両耳近傍2点のみ、さらに
は運転席側後席と助手席側後席の両耳近傍各2点として
もよい。
【0449】また、上述した実施形態では目標特性をセ
ンターコンソール20後方に設置したスピーカ4からの
伝達特性としたが、目標特性はこれに限定されるもので
はなく、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を
設置したときの伝達特性、またはスピーカ4を無響室に
設置した場合の測定点までの伝達特性あるいは周波数平
坦な特性などであってもよい。
【0450】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、本実施形態では、音像制御回路2の出力信号と
音源1(CD再生装置)からのステレオ信号の時間を合
わせるために、遅延器を用いてステレオ信号を適度に時
間調整する構成とすればよい。
【0451】また、本実施の形態では、音像制御回路に
の出力と音源1からのステレオ信号とを加算器9bおよ
び9cでそれぞれ加算する構成としたが、音源1からの
ステレオ信号を、(Lチャンネル)−(Rチャンネル)
あるいは(Rチャンネル)−(Lチャンネル)の差信号
として、加算器9bおよび9cで、音像制御回路2から
の出力と加算する構成としてもよい。
【0452】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。
【0453】(実施の形態27)図95は実施の形態2
7における車載用音像制御装置のブロック図を示すもの
である。特に、図95(a)は車体を上から見た図であ
り、図95(b)はその車体を横から見た図である。
【0454】図95において、1は音源、2は音像制御
回路、3c〜3dは運転席側後席近傍前方(例えば運転
席側後席ドア)および助手席側後席近傍前方(例えば助
手席側後席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜3fは
後席近傍後方(例えばリアトレイ)に設置されたスピー
カ、3g〜3hは車室内に設置されたスピーカ(例えば
スピーカ3gは運転席側後席ドアに、スピーカ3hは助
手席側後席ドアにそれぞれ設置されている)、9a〜9
dは加算器である。本実施形態では、音源1としてマル
チチャンネルシステムであるDVD再生装置が用いら
れ、そのセンターチャンネル信号が制御される。また、
本実施形態は、図57に示す前座席の頭部近傍A点とB
点を制御する構成に代えて、後部座席の頭部近傍A点と
B点を制御する構成としたものである。よって、本実施
形態の動作は、図57に示す装置の動作と基本的に同じ
であり、本実施形態の動作を簡単に説明する。
【0455】音源1(DVD再生装置)からのセンター
チャンネル信号は、音像制御回路2で信号処理され、そ
れらの出力の内の2つがそれぞれ音源1(DVD再生装
置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャンネ
ル信号と加算されてスピーカ3c〜3dより再生され、
残りの2つの出力がそれぞれ音源1(DVD再生装置)
からのウーファーチャンネル信号と加算されてスピーカ
3e〜3fより再生される。実施の形態25と同様に、
音像制御回路2は、制御点A、Bにおいてスピーカ3c
〜3fからの制御音の特性が、あたかもセンターコンソ
ール20の後方に設置したスピーカより再生されている
場合と同等な特性となるように信号処理する。これによ
って、センターチャンネル信号を受聴者前方中央に定位
させることができる。そして、メインLチャンネル信号
・メインRチャンネル信号は、加算器9a〜9bを介し
てスピーカ3c〜3dより再生されるので、ステレオ信
号の拡がり感を損なうことがない。また、スピーカ3g
〜3hよりサラウンドLチャンネル信号・サラウンドR
チャンネル信号が、加算器9c〜9dを介してスピーカ
3e〜3fよりウーファーチャンネル信号がそれぞれ個
別に再生されるので、臨場感があり、受聴者は低音豊か
なマルチチャンネルシステムを楽しむことができる。
【0456】このように本実施形態では、センターコン
ソール20の後方に新たなスピーカを使用することな
く、またマルチチャンネルシステムの音質・音場を損な
うことなく、車室内の受聴者前方にセンターチャンネル
信号を定位させることができる。また、制御を行うスピ
ーカ3c〜3fが、例えばそれぞれリアドアあるいはリ
アトレイに設置されることにより、ある程度大口径のス
ピーカを用いることができ、またドア内部およびトラン
クルームのバックキャビティも広いので、かなり低音の
再生も可能となる。これによって、例えば100Hz以下か
らの音像定位制御も可能となる。当然、スピーカ3c〜
3fの設置場所は、各リアドアあるいはリアトレイに限
定されるものではなく、例えばCピラーなどであっても
よい。また、制御帯域がそれほど高くなければ(例えば
1KHz以下の場合)、スピーカ3e〜3fをモノラルチャ
ンネルとすることで音像制御回路2が3チャンネル制御
を行ってもよい。さらに、スピーカ3g〜3hを使用せ
ず、加算器9c〜9dがサラウンド信号とウーハー信号
を加算し、加算されたものがスピーカ3e〜3fで再生
されてもよい。この場合、できれば加算器を2つ用い
て、サラウンド信号は2チャンネル再生できるようにす
ることが望ましい。当然、加算信号、スピーカ3e〜3
fの代わりにスピーカ3g〜3hより再生されてもよ
い。
【0457】さらに、音像制御回路2の出力をスピーカ
3c〜3fで再生するように構成したが、本実施形態
は、例えば図96のようにスピーカ3c〜3dとスピー
カ3g〜3hで信号を再生するようにしてもよい。
【0458】なお、上述した実施形態ではスピーカ3c
〜3hがフルレンジ構成であるとしたが、当然、スピー
カは周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/ま
たはツイータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成で
あってもよい。
【0459】さらに、上述した実施形態では制御点A、
Bをそれぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は運転席側後席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席側後席の両耳近傍2点のみ、さらに
は運転席側後席と助手席側後席の両耳近傍各2点として
もよい。
【0460】また、上述とた実施形態では目標特性をセ
ンターコンソール20後方に設置したスピーカ4からの
伝達特性としたが、目標特性はこれに限定されるもので
はなく、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を
設置したときの伝達特性、またはスピーカ4を無響室に
設置した場合の測定点までの伝達特性あるいは周波数平
坦な特性などであってもよい。
【0461】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、本実施形態
は、遅延器を用いてメインLチャンネル信号・メインR
チャンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウー
ファーチャンネル信号を適度に時間調整すればよい。
【0462】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を持た
ない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3fがリ
アラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0463】(実施の形態28)図97は、実施の形態
28における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図97(a)は車体を上から見た図で
あり、図97(b)はその車体を横から見た図である。
【0464】図97において、1は音源、2は音像制御
回路、3c〜3dは運転席側後席近傍前方(例えば運転
席側後席ドア)および助手席側後席近傍前方(例えば助
手席側後席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜3fは
後席近傍後方(例えばリアトレイ)に設置されたスピー
カ、10はローパスフィルタ、11はハイパスフィル
タ、12はセンターコンソール20後方付近に設置され
たツイータである。本実施形態では、実施の形態25に
おける音源1からの信号が低域成分と高域成分に分割さ
れ、低域成分のみが音像制御回路2によって制御され
る。また、本実施形態は、図59に示す前座席の頭部近
傍A点とB点を制御する構成に代わり、後部座席の頭部
近傍A点とB点を制御する構成としたものである。よっ
て、本実施形態の動作は、図59に示す装置の動作と基
本的に同じであり、本実施形態の動作を簡単に説明す
る。
【0465】音源1からの信号は、ローパスフィルタ1
0で低域成分が抽出され、またハイパスフィルタ11で
高域成分が抽出される。その後、ローパスフィルタ10
の出力は、音像制御回路2で信号処理され、スピーカ3
c〜3fより再生される。実施の形態25と同様に、音
像制御回路2は、制御点A、Bにおいてスピーカ3c〜
3fからの制御音の特性が、あたかもセンターコンソー
ル20後方に設置したスピーカより再生されている場合
と同等な特性となるように信号処理する。これによっ
て、実施の形態25と同様に、ヴォーカル信号等、中央
に定位させたい信号を受聴者前方中央に定位させること
ができる。そして、高域成分については、ハイパスフィ
ルタ11の出力がセンターコンソール20後方付近に設
置されたツイータ12から再生されることで、さらに定
位感が向上する。
【0466】ここで、ローパスフィルタ10とハイパス
フィルタ11の特性が、図22に示すように、ある周波
数f1(例えば2KHz)でクロスオーバーする特性とし、
それらの総合特性は平坦になることが好ましい。この周
波数f1が高いほどツイーター12は小型化でき、逆に
f1が低くなればスピーカ3a〜3dを低域専用に特化
することができる。
【0467】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカを新たにセンターコンソール20に使用することな
く、車室内の受聴者前方に音像を定位させることがで
き、かつ、高域を再生するツイータ12をセンターコン
ソール20後方に実際に設置することで更なる定位感の
向上を実現できる。また、ローパスフィルタ10とハイ
パスフィルタ11により、入力信号が高域と低域に分割
され、高域を再生する小型のツイータ12のみをセンタ
ーコンソール20後方に設置する構成としたので、設置
に必要な容積が極めて小さく済み、従来のように設置ス
ペースがないなどの課題が解決される。さらに、制御を
行うスピーカ3c〜3fが、例えばそれぞれリアドアあ
るいはリアトレイに設置されることにより、ある程度大
口径のスピーカを用いることができ、またドア内部およ
びトランクルームのバックキャビティも広いので、かな
り低音の再生も可能となる。これによって、例えば100H
z以下からの音像定位制御も可能となる。当然、スピー
カ3c〜3fの設置場所は、各リアドアあるいはリアト
レイに限定されるものではなく、例えばCピラーなどで
あってもよい。また、制御帯域がそれほど高くなければ
(例えば1KHz以下の場合)、スピーカ3e〜3fをモノ
ラルチャンネルとすることで音像制御回路2が3チャン
ネル制御を行ってもよい。
【0468】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
c〜3fはフルレンジ構成であるが、当然、スピーカは
周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/または
ツイータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成であっ
てもよい。
【0469】さらに、上述した実施形態では制御点A、
Bをそれぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は運転席側後席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席側後席の両耳近傍2点のみ、さらに
は運転席側後席と助手席側後席の両耳近傍各2点として
もよい。
【0470】また、上述とた実施形態では目標特性をセ
ンターコンソール20後方に設置したスピーカ4からの
伝達特性としたが、目標特性はこれに限定されるもので
はなく、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を
設置したときの伝達特性、またはスピーカ4を無響室に
設置した場合の測定点までの伝達特性、あるいは周波数
平坦な特性などであってもよい。
【0471】さらに、上述した実施形態では、ツイータ
12の設置場所がセンターコンソール20後方になる
が、設置場所は、その位置に限定されるものではなく、
場合によっては、運転席シートバック背面あるいは助手
席シートバック背面であってもよい。
【0472】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカ位置とツイータ12の設置
場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0473】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。
【0474】(実施の形態29)図98は、実施の形態
29における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図98(a)は車体を上から見た図で
あり、図98(b)はその車体を横から見た図である。
【0475】図98において、1は音源、2は音像制御
回路、3c〜3dは運転席側後席近傍前方(例えば運転
席側後席ドア)および助手席側後席近傍前方(例えば助
手席側後席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜3fは
後席近傍後方(例えばリアトレイ)に設置されたスピー
カ、9a〜9cは加算器、10はローパスフィルタ、1
1はハイパスフィルタ、12はセンターコンソール20
後方付近に設置されたツイータである。本実施形態は、
音源1としてステレオ信号を生成するCD再生装置が用
いられる。また、本実施形態は、図64に示す前座席の
頭部近傍A点とB点を制御する構成に代えて、後部座席
の頭部近傍A点とB点を制御する構成としたものであ
る。よって、本実施形態の動作は、図64に示す装置の
動作と基本的に同じであり、本実施形態の動作を簡単に
説明する。
【0476】音源1(CD再生装置)からのステレオ信
号は、加算器9aで加算された後、ローパスフィルタ1
0で低域成分が抽出され、またハイパスフィルタ11で
高域成分が抽出される。その後、ローパスフィルタ10
の出力は、音像制御回路2で信号処理され、それらの出
力の内の2つがそれぞれ音源1(CD再生装置)からの
各チャンネル信号と加算されてスピーカ3c〜3dより
再生され、残りの2つの出力がスピーカ3e〜3fより
再生される。実施の形態25と同様に、音像制御回路2
は、制御点A、Bにおいてスピーカ3c〜3fからの制
御音の特性が、あたかもセンターコンソール20後方に
設置したスピーカより再生されている場合と同等な特性
となるように信号処理する。加算器9aが、ステレオ信
号を加算することで、実施の形態28と同様にモノラル
信号が生成され、また各チャンネルに含まれる同相成分
(例えばヴォーカル信号等、中央に定位させたい信号)
のレベルが増幅される。この信号をローパスフィルタ1
0で低域成分を抽出し、音像制御回路2で信号処理する
ことにより、ヴォーカル信号等、中央に定位させたい信
号を受聴者前方中央に定位させることができる。そし
て、各チャンネルに個別に含まれる信号成分は、加算器
9b〜9cを介してスピーカ3c〜3dより再生される
ので、ステレオ信号の拡がり感を損なうことがない。ま
た、高域成分については、ハイパスフィルタ11の出力
がセンターコンソール20後方付近に設置されたツイー
タ12から再生されることで、さらに定位感が向上す
る。
【0477】ここで、ローパスフィルタ10とハイパス
フィルタ11の特性が、図22に示すように、ある周波
数f1(例えば2KHz)でクロスオーバーする特性とし、
それらの総合特性は平坦になることが好ましい。この周
波数f1が高いほどツイーター12は小型化できる。
【0478】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカをセンターコンソール20に使用することなく、ま
たステレオ信号の拡がり感を損なうことなく、車室内の
受聴者前方にステレオ信号における同相信号成分を定位
させることができ、かつ、高域を再生するツイータ12
をセンターコンソール20後方に実際に設置することで
更なる定位感の向上を実現できる。また、ローパスフィ
ルタ10とハイパスフィルタ11により、入力信号が高
域と低域に分割され、高域を再生する小型のツイータ1
2のみをセンターコンソール20後方に設置する構成と
したので、設置に必要な容積が極めて小さく済み、従来
のように設置スペースがないなどの課題が解決される。
さらに、制御を行うスピーカ3c〜3fが、例えばそれ
ぞれリアドアあるいはリアトレイに設置されることによ
り、ある程度大口径のスピーカを用いることができ、ま
たドア内部およびトランクルームのバックキャビティも
広いので、かなり低音の再生も可能となる。これによっ
て、例えば100Hz以下からの音像定位制御も可能とな
る。当然、スピーカ3c〜3fの設置場所は、各リアド
アあるいはリアトレイに限定されるものではなく、例え
ばCピラーなどであってもよい。また、制御帯域がそれ
ほど高くなければ(例えば1KHz以下の場合)、スピーカ
3e〜3fをモノラルチャンネルとすることで音像制御
回路2が3チャンネル制御を行ってもよい。
【0479】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
c〜3fはフルレンジ構成であるが、当然、スピーカは
周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/または
ツイータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成であっ
てもよい。
【0480】さらに、上述した実施形態では制御点A、
Bをそれぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は運転席側後席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席側後席の両耳近傍2点のみ、さらに
は運転席側後席と助手席側後席の両耳近傍各2点として
もよい。
【0481】また、上述した実施形態では目標特性をセ
ンターコンソール20後方に設置したスピーカ4からの
伝達特性としたが、目標特性はこれに限定されるもので
はなく、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を
設置したときの伝達特性、またはスピーカ4を無響室に
設置した場合の測定点までの伝達特性、あるいは周波数
平坦な特性などであってもよい。
【0482】さらに、上述した実施形態では、ツイータ
12の設置場所がセンターコンソール20後方になる
が、設置場所は、その位置に限定されるものではなく、
場合によっては、運転席シートバック背面あるいは助手
席シートバック背面であってもよい。
【0483】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカ位置とツイータ12の設置
場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0484】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(CD再生
装置)からのステレオ信号の時間を合わせるために、遅
延器を用いてステレオ信号を適度に時間調整する構成と
すればよい。
【0485】また、本実施の形態では、音像制御回路に
の出力と音源1からのステレオ信号とを加算器9bおよ
び9cでそれぞれ加算する構成としたが、音源1からの
ステレオ信号を、(Lチャンネル)−(Rチャンネル)
あるいは(Rチャンネル)−(Lチャンネル)の差信号
として、加算器9bおよび9cで、音像制御回路2から
の出力と加算する構成としてもよい。
【0486】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。
【0487】(実施の形態30)図99は、実施の形態
30における車載用音像制御装置のブロック図を示すも
のである。特に、図99(a)は車体を上から見た図で
あり、図99(b)はその車体を横から見た図である。
【0488】図99(a)において、1は音源であるD
VD、2は音像制御回路、3c〜3dは運転席側後席近
傍前方(例えば運転席側後席ドア)および助手席側後席
近傍前方(例えば助手席側後席ドア)に設置されたスピ
ーカ、3e〜3fは後席近傍後方(例えばリアトレイ)
に設置されたスピーカ、3g〜3hは車室内に設置され
たスピーカ(例えばスピーカ3gは運転席側後席ドア
に、スピーカ3hは助手席側後席ドアにそれぞれ設置さ
れている)、9a〜9dは加算器、10はローパスフィ
ルタ、11はハイパスフィルタ、12はセンターコンソ
ール20後方付近に設置されたツイータである。本実施
形態では、音源1としてマルチチャンネルシステムであ
るDVD再生装置が用いられ、そのセンターチャンネル
信号が制御される。また、本実施形態は、図66に示す
前座席の頭部近傍A点とB点を制御する構成に代えて、
後部座席の頭部近傍A点とB点を制御する構成としたも
のである。よって、本実施形態の動作は、図66に示す
装置の動作と基本的に同じであり、本実施形態の動作を
簡単に説明する。
【0489】音源1(DVD再生装置)からのセンター
チャンネル信号は、ローパスフィルタ10で低域成分が
抽出され、またハイパスフィルタ11で高域成分が抽出
される。その後、ローパスフィルタ10の出力は、音像
制御回路2で信号処理され、それらの出力の内の2つが
それぞれ音源1(DVD再生装置)からのメインLチャ
ンネル信号・メインRチャンネル信号と加算されてスピ
ーカ3c〜3dより再生され、残りの2つの出力がそれ
ぞれ音源1(DVD再生装置)からのサラウンドLチャ
ンネル信号・サラウンドRチャンネル信号と加算されて
スピーカ3e〜3fより再生される。実施の形態25と
同様に、音像制御回路2は、制御点A、Bにおいてスピ
ーカ3c〜3fからの制御音の特性が、あたかもセンタ
ーコンソール20後方に設置したスピーカより再生され
ている場合と同等な特性となるように信号処理する。こ
れによって、センターチャンネル信号を受聴者前方中央
に定位させることができる。そして、メインLチャンネ
ル信号・メインRチャンネル信号は、加算器9a〜9b
を介してスピーカ3c〜3dより再生されるので、ステ
レオ信号の拡がり感を損なうことがない。また、高域成
分については、ハイパスフィルタ11の出力がセンター
コンソール20後方付近に設置されたツイータ12から
再生されることで、さらに定位感が向上する。
【0490】ここで、ローパスフィルタ10とハイパス
フィルタ11の特性が、図22に示すように、ある周波
数f1(例えば2KHz)でクロスオーバーする特性とし、
それらの総合特性は平坦になることが好ましい。この周
波数f1が高いほどツイーター12は小型化できる。
【0491】また、スピーカ3g〜3hよりサラウンド
Lチャンネル信号・サラウンドRチャンネル信号が、加
算器9c〜9dを介してスピーカ3e〜3fよりウーフ
ァーチャンネル信号がそれぞれ個別に再生されるので、
臨場感があり、受聴者は低音豊かなマルチチャンネルシ
ステムを楽しむことができる。
【0492】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカを新たにセンターコンソール20に使用することな
く、またマルチチャンネルシステムの音質・音場を損な
うことなく、車室内の受聴者前方にセンターチャンネル
信号を定位させることができる。さらに、高域を再生す
るツイータ12をセンターコンソール20後方に実際に
設置することで更なる定位感の向上を実現できる。ま
た、ローパスフィルタ10とハイパスフィルタ11によ
り、入力信号が高域と低域に分割され、高域を再生する
小型のツイータ12のみをセンターコンソール20後方
に設置する構成としたので、設置に必要な容積が極めて
小さく済み、従来のように設置スペースがないなどの課
題が解決される。
【0493】また、制御を行うスピーカ3c〜3fが、
例えばそれぞれリアドアあるいはリアトレイに設置され
ることにより、ある程度大口径のスピーカを用いること
ができ、またドア内部およびトランクルームのバックキ
ャビティも広いので、かなり低音の再生も可能となる。
これによって、例えば100Hz以下からの音像定位制御も
可能となる。当然、スピーカ3c〜3fの設置場所は、
各リアドアあるいはリアトレイに限定されるものではな
く、例えばCピラーなどであってもよい。また、制御帯
域がそれほど高くなければ(例えば1KHz以下の場合)、
スピーカ3e〜3fをモノラルチャンネルとすることで
音像制御回路2が3チャンネル制御を行ってもよい。さ
らに、スピーカ3g〜3hを使用せず、加算器9c〜9
dがサラウンド信号とウーハー信号を加算し、加算され
たものがスピーカ3e〜3fで再生されてもよい。この
場合、できれば加算器を2つ用いて、サラウンド信号は
2チャンネル再生できるようにすることが望ましい。当
然、加算信号が、スピーカ3e〜3fの代わりにスピー
カ3g〜3hより再生されてもよい。
【0494】さらに、音像制御回路2の出力をスピーカ
3c〜3fで再生するように構成したが、例えば図96
(a)に示す装置と同様にスピーカ3c〜3dとスピー
カ3g〜3hで再生するようにしてもよい。
【0495】なお、上述した実施形態ではスピーカ3c
〜3hがフルレンジ構成であるとしたが、当然、スピー
カは周波数帯域毎にウーファー、スコーカ、および/ま
たはツイータなどを用いるマルチウェイスピーカ構成で
あってもよい。
【0496】さらに、上述した実施形態では制御点A、
Bをそれぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は運転席側後席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席側後席の両耳近傍2点のみ、さらに
は運転席側後席と助手席側後席の両耳近傍各2点として
もよい。
【0497】また、上述した実施形態では目標特性をセ
ンターコンソール20後方に設置したスピーカ4からの
伝達特性としたが、目標特性はこれに限定されるもので
はなく、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を
設置したときの伝達特性、またはスピーカ4を無響室に
設置した場合の測定点までの伝達特性、あるいは周波数
平坦な特性などであってもよい。
【0498】さらに、上述した実施形態では、ツイータ
12の設置場所がセンターコンソール20後方になる
が、設置場所は、その位置に限定されるものではなく、
場合によっては、運転席シートバック背面あるいは助手
席シートバック背面であってもよい。あるいは、図89
に示すように、音源1(DVD再生装置)の映像を映す
液晶画面13とツイータ12が一体構成されてもよい。
図89に示すように一体構成すると、センターコンソー
ル20にツイータ12の設置場所を準備する必要がなく
なる。
【0499】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカ位置とツイータ12の設置
場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0500】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、本実施形態
は、遅延器を用いてメインLチャンネル信号・メインR
チャンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウー
ファーチャンネル信号を適度に時間調整すればよい。
【0501】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を持た
ない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3fがリ
アラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0502】(実施の形態31)図100は、実施の形
態31における車載用音像制御装置のブロック図を示す
ものである。特に、図100(a)は車体を上から見た
図であり、図1(b)はその車体を横から見た図であ
る。
【0503】図100(a)において、1は音源である
DVD、2は音像制御回路、3c〜3dは運転席側後席
近傍(例えば運転席側後席ドア)および助手席側後席近
傍(例えば助手席側後席ドア)に設置されたスピーカ、
3e〜3hは車室内に設置されたスピーカ(例えばスピ
ーカ3gは運転席側後席ドアに、スピーカ3hは助手席
側後席ドアに、スピーカ3e〜3fはリアトレイにそれ
ぞれ設置されている)、5a〜5dはマイクロホン、9
a〜9fは加算器、14はレベル制御回路、15a〜1
5fはボリューム、16は能動騒音制御回路、17は自
動車のエンジンである。本実施形態は、実施の形態27
における車載用音像制御装置に能動騒音制御装置を組み
合わせたものであり、図68に示す制御点A、Bを前席
に代えて、後部座席の頭部近傍A点とB点を制御する構
成としたものである。よって、本実施形態の動作は、図
68に示す装置の動作と基本的に同じであり、本実施形
態の動作を簡単に説明する。
【0504】音源1(DVD再生装置)からの各チャン
ネル信号は、ボリューム15a〜15fでそれぞれレベ
ル調整される。ボリューム15aでレベル調整されたセ
ンターチャンネル信号は、音像制御回路2で信号処理さ
れ、それらの出力がそれぞれボリューム15b〜15c
でレベル調整されたメインLチャンネル信号・メインR
チャンネル信号と加算されてスピーカ3c〜3dより再
生され、同様に残りの音像制御回路2の出力がそれぞれ
ボリューム15fでレベル調整されたウーファーチャン
ネル信号と加算されてスピーカ3e〜3fより再生され
る。実施の形態25と同様に、音像制御回路2は、制御
点A、Bにおいてスピーカ3c〜3fからの制御音の特
性が、あたかもセンターコンソール20の後方に設置し
たスピーカより再生されている場合と同等な特性となる
ように信号処理する。これによって、センターチャンネ
ル信号を受聴者前方中央に定位させることができる。そ
して、メインLチャンネル信号・メインRチャンネル信
号は、加算器9a〜9bを介してスピーカ3c〜3dよ
り再生されるので、ステレオ信号の拡がり感を損なうこ
とがない。また、加算器9c〜9dを介してスピーカ3
g〜3hよりサラウンドLチャンネル信号・サラウンド
Rチャンネル信号が、加算器9e〜9fを介してスピー
カ3e〜3fよりウーファーチャンネル信号がそれぞれ
個別に再生されるので、臨場感があり、受聴者は低音豊
かなマルチチャンネルシステムを楽しむことができる。
【0505】次に、能動騒音制御装置16は、エンジン
17からの騒音信号(例えばエンジンパルスなど)をリ
ファレンス信号とし、また各座席に設置したマイクロホ
ン5a〜5dからの車室内騒音信号をエラー信号とし
て、各エラー信号を最小とするようにリファレンス信号
を信号処理して制御信号を出力する。各制御信号は、加
算器9a〜9fを介してスピーカ3c〜3hより再生さ
れる。このスピーカ3c〜3hから再生された制御音
は、各マイクロホン5a〜5d位置で、エンジン17か
らのエンジン音と同振幅逆位相の関係となるように能動
騒音制御装置16によって制御されているため、エンジ
ン音が低減される。
【0506】次に、レベル制御回路14は、図91に示
す装置と同様に、マイクロホン5c〜5dからの信号と
音源1(DVD再生装置)からの各チャンネル信号のレ
ベルをそれぞれ比較するレベル比較器14a〜14fを
有している。そこで、音源1(DVD再生装置)は、各
チャンネル毎に測定信号を出力し、レベル比較器14a
〜14fは、マイクロホン5c〜5dで検出した車室内
の測定信号レベルと元の信号レベルを比較し、その差が
予め決められた値(例えば同レベル)となるようにボリ
ューム15a〜15fを調整する。例えば、まずセンタ
ーチャンネルから測定信号が発生し、これがレベル比較
器14aに入力されるとともに、ボリューム15aを経
由してスピーカ3c〜3dより再生され、その音がマイ
クロホン5c〜5dで検出されてレベル比較器14aに
入力される。レベル比較器14aは、音源1(DVD再
生装置)からのセンターチャンネル信号とマイクロホン
5c〜5dからの検出信号のレベルを比較して、その差
が予め決められた値となるようにボリューム15a〜1
5fを調整する。それが終了すれば、次に、メインRチ
ャンネルの設定を行い、ついでメインLチャンネルの設
定を行うというように各チャンネルのレベル設定が順次
行われる。これによって、受聴者のいる運転席側後席、
あるいは助手席側後席において最適な各チャンネルレベ
ル設定が自動的に行われる。
【0507】ここで、測定信号には、ホワイトノイズや
ピンクノイズなどの他に、ある程度周波数帯域が広いも
のであれば、音楽、風の音、波の音、あるいは川のせせ
らぎの音などの自然音でもよい。これらを測定信号に用
いれば、乗員がいても不快感を与えることがない。ま
た、DVDソフト毎に各チャンネルの最適な信号レベル
を記憶しておき、この信号レベルと同程度になるように
レベル制御回路14がボリューム15a〜15fを制御
する構成としてもよい。この場合、DVDソフト毎に各
チャンネルの録音レベルが異なっていても、常にそのソ
フトに応じた最適音量レベルでマルチチャンネル再生を
楽しむことができる。さらに、DVDソフトの各チャン
ネル毎に、例えばセンターチャンネルはヴォーカル、メ
インLチャンネルはギター、メインRチャンネルはピア
ノなど、独自の測定信号を記憶しておくことにより、レ
ベル比較器14a〜14fが音源1(DVD再生装置)
からの信号とマイクロホン5c〜5dからの信号の相関
を見ながらボリューム15a〜15fを調整する構成と
すれば、それらの測定信号を同時発生させてレベル調整
することができる。
【0508】このように本実施形態では、センターコン
ソール20後方に新たなスピーカを使用することなく、
またマルチチャンネルシステムの音質・音場を損なうこ
となく、車室内の受聴者前方に音像を定位させることが
できる。また、制御を行うスピーカ3c〜3fが、例え
ばそれぞれリアドアあるいはリアトレイに設置されるこ
とにより、ある程度大口径のスピーカを用いることがで
き、またドア内部およびトランクルームのバックキャビ
ティも広いので、かなり低音の再生も可能となる。これ
によって、例えば100Hz以下からの音像定位制御も可能
となる。当然、スピーカ3c〜3fの設置場所は、各リ
アドアあるいはリアトレイに限定されるものではなく、
例えばCピラーなどであってもよい。また、制御帯域が
それほど高くなければ(例えば1KHz以下の場合)、スピ
ーカ3e〜3fをモノラルチャンネルとすることで音像
制御回路2が3チャンネル制御を行ってもよい。
【0509】また、スピーカ3g〜3hの設置場所は、
後部ドアに限定されるものではなく、例えばCピラーに
設置されてもよい。さらには、スピーカ3g〜3hを使
用せず、加算器を用いてサラウンド信号とウーハー信号
を加算し、これがスピーカ3e〜3fで再生されてもよ
い。この場合、できれば加算器を2つ用いて、サラウン
ド信号は2チャンネル再生できるようにすることが望ま
しい。当然、加算信号が、スピーカ3e〜3fの代わり
にスピーカ3g〜3hより再生されてもよい。
【0510】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
c〜3hがフルレンジ構成であるが、スピーカは周波数
帯域毎にウーファー、スコーカ、および/またはツイー
タなどを用いるマルチウェイスピーカ構成であってもよ
い。
【0511】また、本実施形態では能動騒音制御回路1
6とマイクロホン5a〜5d、およびレベル制御回路1
4とボリューム15a〜15fを用いることにより、例
えばエンジン音の低減など能動騒音制御動作を行うこと
ができ、また新たにマイクロホンを追加することなく、
能動騒音制御回路16とマイクロホン5c〜5dを共用
しながら、レベル制御回路14とボリューム15a〜1
5fにより、受聴者のいる運転席側後席、あるいは助手
席側後席においてマルチチャンネルシステムにおける最
適な各チャンネルレベル設定を自動的に行うことができ
る。
【0512】なお、本実施形態では騒音制御回路16の
騒音入力信号をエンジン17からの信号としたが、騒音
入力信号は、これに限定されるものではなく、自動車走
行騒音などを検出するために車室内に設置された複数の
加速度(あるいは振動)センサからの信号、またはマイ
クロホンからの信号などであってもよい。また、本実施
形態では、騒音信号が1つ、制御信号が6つ、エラー信
号が4つの所謂1−6−4システムとなっているが、こ
れに限定したものではない。例えば、スピーカ3e〜3
fを2チャンネル構成としているが、モノラル構成とす
れば、制御信号は5つとなる。さらに、前部ドアなどに
他のスピーカが設置されている場合、これを騒音制御用
に用いてもよい。
【0513】さらに、本実施形態のレベル制御回路14
は、図91に示すような構成としたが、このように必ず
しも制御点A、B両方のレベル比較が行われる必要はな
く、例えば制御点A、Bのどちらか一方の比較制御が行
われてもよい。
【0514】さらに、上述した実施形態では制御点A、
Bをそれぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は運転席側後席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席側後席の両耳近傍2点のみ、さらに
は運転席側後席と助手席側後席の両耳近傍各2点として
もよい。
【0515】また、本実施形態では目標特性をセンター
コンソール20後方に設置したスピーカ4からの伝達特
性としたが、目標特性は、これに限定されるものではな
く、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を設置
したときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置し
た場合の制御点までの伝達特性、周波数平坦な特性など
であってもよい。
【0516】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、本実施形態
は、遅延器を用いてメインLチャンネル信号・メインR
チャンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウー
ファーチャンネル信号を適度に時間調整すればよい。
【0517】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を持た
ない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3fがリ
アラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0518】(実施の形態32)図101は、実施の形
態32における車載用音像制御装置のブロック図を示す
ものである。特に、図101(a)は車体を上から見た
図であり、図101(b)はその車体を横から見た図で
ある。
【0519】図101において、1は音源、2は音像制
御回路、3c〜3dは運転席側後席近傍(例えば運転席
側後席ドア)および助手席側後席近傍(例えば助手席側
後席ドア)に設置されたスピーカ、3e〜3hは車室内
に設置されたスピーカ(例えばスピーカ3gは運転席側
後席ドアに、スピーカ3hは助手席側後席ドアに、スピ
ーカ3e〜3fはリアトレイにそれぞれ設置されてい
る)、3e〜3fは車室内に設置されたスピーカ(例え
ばリアトレイ)、5a〜5dはマイクロホン、9a〜9
fは加算器、10はローパスフィルタ、11はハイパス
フィルタ、12はセンターコンソール20後方付近に設
置されたツイータ、14はレベル制御回路、15a〜1
5fはボリューム、16は能動騒音制御回路、17は自
動車のエンジンである。本実施形態では、音源1として
DVD再生装置が用いられ、音源1(DVD再生装置)
からのセンターチャンネル信号が低域成分と高域成分に
分割され、低域成分のみが音像制御回路2によって制御
される。本実施形態は、図73に示す制御点A、Bを前
席の代わりに、後部座席の頭部近傍A点とB点を制御す
る構成としたものである。よって、本実施形態の動作
は、図73に示す装置の動作と基本的に同じであり、本
実施形態の動作を簡単に説明する。
【0520】音源1(DVD再生装置)からの各チャン
ネル信号は、ボリューム15a〜15fでそれぞれレベ
ル調整される。ボリューム15aでレベル調整されたセ
ンターチャンネル信号は、ローパスフィルタ10で低域
成分が抽出され、またハイパスフィルタ11で高域成分
が抽出される。その後、ローパスフィルタ10の出力
は、音像制御回路2で信号処理され、それらの出力がそ
れぞれボリューム15b〜15cでレベル調整されたメ
インLチャンネル信号・メインRチャンネル信号と加算
されてスピーカ3c〜3dより再生され、同様に残りの
音像制御回路2の出力がそれぞれボリューム15fでレ
ベル調整されたウーファーチャンネル信号と加算されて
スピーカ3e〜3fより再生される。(実施の形態2
5)と同様に、音像制御回路2は、制御点A、Bにおい
てスピーカ3c〜3fからの制御音の特性が、あたかも
センターコンソール20後方に設置したスピーカより再
生されている場合と同等な特性となるように信号処理す
る。これによって、センターチャンネル信号を受聴者前
方中央に定位させることができる。そして、メインLチ
ャンネル信号・メインRチャンネル信号は、加算器9a
〜9bを介してスピーカ3c〜3dより再生されるの
で、ステレオ信号の拡がり感を損なうことがない。ま
た、高域成分については、ハイパスフィルタ11の出力
がセンターコンソール20後方付近に設置されたツイー
タ12から再生されることで、さらに定位感が向上す
る。
【0521】ここで、ローパスフィルタ10とハイパス
フィルタ11の特性が、図22に示すように、ある周波
数f1(例えば2KHz)でクロスオーバーする特性とし、
それらの総合特性は平坦になることが好ましい。この周
波数f1が高いほどツイーター12は小型化できる。
【0522】また、加算器9c〜9dを介してスピーカ
3g〜3hよりサラウンドLチャンネル信号・サラウン
ドRチャンネル信号が、加算器9e〜9fを介してスピ
ーカ3e〜3fよりウーファーチャンネル信号がそれぞ
れ個別に再生されるので、臨場感があり、受聴者は低音
豊かなマルチチャンネルシステムを楽しむことができ
る。
【0523】次に、能動騒音制御装置16は、エンジン
17からの騒音信号(例えばエンジンパルスなど)をリ
ファレンス信号とし、また各座席に設置したマイクロホ
ン5a〜5dからの車室内騒音信号をエラー信号とし
て、各エラー信号を最小とするようにリファレンス信号
を信号処理して制御信号を出力する。各制御信号は、加
算器9a〜9fを介してスピーカ3c〜3hより再生さ
れる。このスピーカ3c〜3hから再生された制御音
は、各マイクロホン5a〜5d位置で、エンジン17か
らのエンジン音と同振幅逆位相の関係となるように能動
騒音制御装置16によって制御されているため、エンジ
ン音が低減される。
【0524】次に、レベル制御回路14は、図91に示
す装置と同様に、マイクロホン5c〜5dからの信号と
音源1(DVD再生装置)からの各チャンネル信号のレ
ベルをそれぞれ比較するレベル比較器14a〜14fを
有している。そこで、音源1(DVD再生装置)は、各
チャンネル毎に測定信号を出力し、レベル比較器14a
〜14fは、マイクロホン5c〜5dで検出した車室内
の測定信号レベルと元の信号レベルを比較し、その差が
予め決められた値(例えば同レベル)となるようにボリ
ューム15a〜15fを調整する。例えば、まずセンタ
ーチャンネルから測定信号が発生し、これがレベル比較
器14aに入力されるとともに、ボリューム15aを経
由してスピーカ3c〜3dおよびツイータ12より再生
され、その音がマイクロホン5c〜5dで検出されてレ
ベル比較器14aに入力される。レベル比較器14a
は、音源1(DVD再生装置)からのセンターチャンネ
ル信号とマイクロホン5c〜5dからの検出信号のレベ
ルを比較して、その差が予め決められた値となるように
ボリューム15a〜15fを調整する。それが終了すれ
ば、次に、メインRチャンネルの設定を行い、ついでメ
インLチャンネルの設定を行うというように各チャンネ
ルのレベル設定が順次行われる。これによって、受聴者
のいる運転席側後席、あるいは助手席側後席において最
適な各チャンネルレベル設定が自動的に行われる。
【0525】ここで、測定信号には、ホワイトノイズや
ピンクノイズなどの他に、ある程度周波数帯域が広いも
のであれば、音楽、風の音、波の音、あるいは川のせせ
らぎの音などの自然音でもよい。これらを測定信号に用
いれば、乗員がいても不快感を与えることがない。ま
た、DVDソフト毎に各チャンネルの最適な信号レベル
を記憶しておき、この信号レベルと同程度になるように
レベル制御回路14がボリューム15a〜15fを制御
する構成としてもよい。この場合、DVDソフト毎に各
チャンネルの録音レベルが異なっていても、常にそのソ
フトに応じた最適音量レベルでマルチチャンネル再生を
楽しむことができる。さらに、DVDソフトの各チャン
ネル毎に、例えばセンターチャンネルはヴォーカル、メ
インLチャンネルはギター、メインRチャンネルはピア
ノなど、独自の測定信号を記憶しておくことにより、レ
ベル比較器14a〜14fが音源1(DVD再生装置)
からの信号とマイクロホン5c〜5dからの信号の相関
を見ながらボリューム15a〜15fを調整する構成と
すれば、それらの測定信号を同時発生させてレベル調整
することができる。
【0526】このように本実施形態では、大口径のスピ
ーカをセンターコンソール20に使用することなく、ま
たマルチチャンネルシステムの音質・音場を損なうこと
なく、車室内の受聴者前方にセンターチャンネル信号を
定位させることができる。さらに、高域を再生するツイ
ータ12をセンターコンソール20後方に実際に設置す
ることで更なる定位感の向上を実現できる。また、ロー
パスフィルタ10とハイパスフィルタ11により、入力
信号が高域と低域に分割され、高域を再生する小型のツ
イータ12のみをセンターコンソール20後方に設置す
る構成としたので、設置に必要な容積が極めて小さく済
み、従来のように設置スペースがないなどの課題が解決
される。
【0527】また、制御を行うスピーカ3c〜3fが、
例えばそれぞれリアドアあるいはリアトレイに設置され
ることにより、ある程度大口径のスピーカを用いること
ができ、またドア内部およびトランクルームのバックキ
ャビティも広いので、かなり低音の再生も可能となる。
これによって、例えば100Hz以下からの音像定位制御も
可能となる。当然、スピーカ3c〜3fの設置場所は、
各リアドアあるいはリアトレイに限定されるものではな
く、例えばCピラーなどであってもよい。また、制御帯
域がそれほど高くなければ(例えば1KHz以下の場合)、
スピーカ3e〜3fをモノラルチャンネルとすることで
音像制御回路2が3チャンネル制御を行ってもよい。
【0528】また、スピーカ3g〜3hの設置場所は、
後部ドアに限定されるものではなく、例えばCピラーに
設置されてもよい。さらには、スピーカ3g〜3hを使
用せず、加算器がサラウンド信号とウーハー信号を加算
し、加算された信号がスピーカ3e〜3fで再生されて
もよい。この場合、できれば加算器を2つ用いて、サラ
ウンド信号は2チャンネル再生できるようにすることが
望ましい。当然、加算信号が、スピーカ3e〜3fの代
わりにスピーカ3g〜3hより再生されてもよい。
【0529】なお、上述した実施形態では、スピーカ3
c〜3hがフルレンジ構成であるが、スピーカは周波数
帯域毎にウーファー、スコーカ、および/またはツイー
タなどを用いるマルチウェイスピーカ構成であってもよ
い。
【0530】また、本実施形態では能動騒音制御回路1
6とマイクロホン5a〜5d、およびレベル制御回路1
4とボリューム15a〜15fを用いることにより、例
えばエンジン音の低減など能動騒音制御動作を行うこと
ができ、また新たにマイクロホンを追加することなく、
能動騒音制御回路16とマイクロホン5c〜5dを共用
しながら、レベル制御回路14とボリューム15a〜1
5fにより、受聴者のいる運転席側後席、あるいは助手
席側後席においてマルチチャンネルシステムにおける最
適な各チャンネルレベル設定を自動的に行うことができ
る。
【0531】なお、本実施形態では騒音制御回路16の
騒音入力信号をエンジン17からの信号としたが、騒音
入力信号は、これに限定されるものではなく、自動車走
行騒音などを検出するために車室内に設置された複数の
加速度(あるいは振動)センサからの信号、またはマイ
クロホンからの信号などであってもよい。また、本実施
形態では、騒音信号が1つ、制御信号が6つ、エラー信
号が4つの所謂1−6−4システムとなっているが、こ
れに限定したものではない。例えば、スピーカ3e〜3
fを2チャンネル構成としているが、モノラル構成とす
れば、制御信号は5つとなる。さらに、前部ドアなどに
他のスピーカが設置されている場合、これを騒音制御用
に用いてもよい。
【0532】さらに、本実施形態のレベル制御回路14
は、図91に示すような構成としたが、このように必ず
しも制御点A、B両方のレベル比較が行われる必要はな
く、例えば制御点A、Bのどちらか一方の比較制御が行
われてもよい。
【0533】さらに、上述した実施形態では制御点A、
Bをそれぞれ運転席側後席と助手席側後席の頭部近傍1
点としたが、制御点は運転席側後席の両耳近傍2点の
み、あるいは助手席側後席の両耳近傍2点のみ、さらに
は運転席側後席と助手席側後席の両耳近傍各2点として
もよい。
【0534】また、本実施形態では目標特性をセンター
コンソール20後方に設置したスピーカ4からの伝達特
性としたが、目標特性は、これに限定されるものではな
く、例えば助手席シートバック背面にスピーカ4を設置
したときの伝達特性、またはスピーカを無響室に設置し
た場合の制御点までの伝達特性、周波数平坦な特性など
であってもよい。
【0535】さらに、上述した実施形態では、ツイータ
12の設置場所がセンターコンソール20後方になる
が、設置場所は、その位置に限定されるものではなく、
場合によっては、運転席シートバック背面あるいは助手
席シートバック背面であってもよい。あるいは、音源1
(DVD再生装置)の映像を映す液晶画面13とツイー
タ12が一体構成されてもよい。一体構成とすれば、セ
ンターコンソール20にツイータ12の設置場所を準備
する必要がなくなる。
【0536】ただし、音像制御回路2の特性を求める場
合の目標特性となるスピーカ位置とツイータ12の設置
場所は大体同じ位置になることが望ましい。
【0537】さらに、音像制御回路2の因果律を考慮す
る場合、音像制御回路2の出力信号と音源1(DVD再
生装置)からのメインLチャンネル信号・メインRチャ
ンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウーファ
ーチャンネル信号の時間を合わせるために、本実施形態
は、遅延器を用いてメインLチャンネル信号・メインR
チャンネル信号およびサラウンドチャンネル信号とウー
ファーチャンネル信号を適度に時間調整すればよい。
【0538】さらに、本実施形態ではセダンなどの4ド
ア車を例に挙げているが、車両は、これに限定されるも
のではなく、ワゴンや1ボックス車などあらゆるものに
適用可能である。例えばワゴンなどリアトレイ部を持た
ない車両の場合、本実施形態のスピーカ3e〜3fがリ
アラゲッジルームの壁面などに設置されてもよい。
【0539】
【発明の効果】本発明の第1の車載用音像制御装置で
は、音像制御回路が、車室内前席近傍に設置されたスピ
ーカからの制御音により、制御点における音響特性を、
前席前方中央付近に計測用スピーカを設置した場合の計
測用スピーカと制御点間の伝達関数に近似するように、
音源からの信号を信号処理することにより、前席前方中
央付近にスピーカを設置することなしに音像を前方に定
位させることができるという有利な効果が得られる。
【0540】また、本発明の第2の車載用音像制御装置
では、音源からの信号をローパスフィルタとハイパスフ
ィルタにより帯域分割し、音像制御回路が、車室内前席
近傍に設置されたスピーカからの制御音により、制御点
における音響特性を、前席前方中央付近に計測用スピー
カを設置した場合の計測用スピーカと制御点間の伝達関
数に近似するように、ローパスフィルタからの信号を信
号処理し、そして車室内前席前方中央付近に設置された
ツイータが、ハイパスフィルタからの出力信号を再生す
ることにより、前席前方中央付近に設置可能なサイズで
あるツイータのみを用いて高域成分を再生しながらさら
に音像定位を向上させることができるという有利な効果
が得られる。
【0541】また、本発明の第3の車載用音像制御装置
では、本発明の第1の車載用音像制御装置における車載
用音像制御装置に騒音制御装置を組合せる構成としたこ
とにより、前席前方中央付近にスピーカを設置すること
なしに音像を前方に定位させることができるという第1
の発明の効果と、車室内騒音を低減できる効果と、新た
にマルチチャンネルシステムにおける各チャンネル信号
の最適レベル設定を自動的に行うことができるという有
利な効果が得られる。
【0542】また、本発明の第4の車載用音像制御装置
では、本発明の第2の車載用音像制御装置における車載
用音像制御装置に騒音制御装置を組合せる構成としたこ
とにより、前席前方中央付近に設置可能なサイズである
ツイータのみを用いて高域成分を再生しながらさらに音
像定位を向上させることができるという本発明の第2の
車載用音像制御装置の効果と、車室内騒音を低減できる
効果と、新たにマルチチャンネルシステムにおける各チ
ャンネル信号の最適レベル設定を自動的に行うことがで
きるという有利な効果が得られる。
【0543】また本発明の第5の車載用音像制御装置に
よれば、音像制御回路が、車室内前席近傍に設置された
スピーカと車室内後席近傍に設置されたスピーカからの
制御音により、制御点における音響特性を、前席前方中
央付近に計測用スピーカを設置した場合の計測用スピー
カと制御点間の伝達関数に近似するように、音源からの
信号を信号処理することにより、前席前方中央付近にス
ピーカを設置することなしに、第1の発明の効果以上に
精度良く音像を前方に定位させることができるという有
利な効果が得られる。
【0544】また本発明の第6の車載用音像制御装置に
よれば、音源からの信号をローパスフィルタとハイパス
フィルタにより帯域分割し、音像制御回路が、車室内前
席近傍に設置されたスピーカおよび車室内後席近傍に設
置されたスピーカからの制御音により、制御点における
音響特性を、前席前方中央付近に計測用スピーカを設置
した場合の計測用スピーカと制御点間の伝達関数に近似
するように、ローパスフィルタからの信号を信号処理
し、そして車室内前席前方中央付近に設置されたツイー
タが、ハイパスフィルタからの出力信号を再生すること
により、前席前方中央付近に設置可能なサイズであるツ
イータのみを用いて高域成分を再生しながら、さらに本
発明の第2の車載用音像制御装置の効果以上に精度良く
音像定位を向上させることができるという有利な効果が
得られる。
【0545】また本発明の第7の車載用音像制御装置に
よれば、本発明の第5の車載用音像制御装置における車
載用音像制御装置に騒音制御装置を組合せる構成とした
ことにより、前席前方中央付近にスピーカを設置するこ
となしに第1の発明の効果以上に精度良く音像を前方に
定位させることができるという本発明の第5の車載用音
像制御装置の効果と、車室内騒音を低減できる効果と、
新たにマルチチャンネルシステムにおける各チャンネル
信号の最適レベル設定を自動的に行うことができるとい
う有利な効果が得られる。
【0546】また本発明の第8の車載用音像制御装置に
よれば、本発明の第6の車載用音像制御装置における車
載用音像制御装置に騒音制御装置を組合せる構成とした
ことにより、前席前方中央付近に設置可能なサイズであ
るツイータのみを用いて高域成分を再生しながら、さら
に本発明の第2の車載用音像制御装置の効果以上に精度
良く音像定位を向上させることができるという本発明の
第6の車載用音像制御装置の効果と、車室内騒音を低減
できる効果と、新たにマルチチャンネルシステムにおけ
る各チャンネル信号の最適レベル設定を自動的に行うこ
とができるという有利な効果が得られる。
【0547】また本発明の第9の車載用音像制御装置に
よれば、音像制御回路が、車室内後席近傍に設置された
スピーカからの制御音により、制御点における音響特性
を、後席前方中央付近に計測用スピーカを設置した場合
の計測用スピーカと制御点間の伝達関数に近似するよう
に、音源からの信号を信号処理することにより、後席前
方中央付近にスピーカを設置することなしに音像を前方
に定位させることができるという有利な効果が得られ
る。
【0548】また本発明の第10の車載用音像制御装置
によれば、音源からの信号をローパスフィルタとハイパ
スフィルタにより帯域分割し、音像制御回路が、車室内
後席近傍に設置されたスピーカからの制御音により、制
御点における音響特性を、後席前方中央付近に計測用ス
ピーカを設置した場合の計測用スピーカと制御点間の伝
達関数に近似するように、ローパスフィルタからの信号
を信号処理し、そして車室内後席前方中央付近に設置さ
れたツイータが、ハイパスフィルタからの出力信号を再
生することにより、後席前方中央付近に設置可能なサイ
ズであるツイータのみを用いて高域成分を再生しながら
さらに音像定位を向上させることができるという有利な
効果が得られる。
【0549】また本発明の第11の車載用音像制御装置
によれば、本発明の第9の車載用音像制御装置における
車載用音像制御装置に騒音制御装置を組合せる構成とし
たことにより、後席前方中央付近にスピーカを設置する
ことなしに音像を前方に定位させることができるという
本発明の第9の車載用音像制御装置の効果と、車室内騒
音を低減できる効果と、新たにマルチチャンネルシステ
ムにおける各チャンネル信号の最適レベル設定を自動的
に行うことができるという有利な効果が得られる。
【0550】また本発明の第12の車載用音像制御装置
によれば、本発明の第10の車載用音像制御装置におけ
る車載用音像制御装置に騒音制御装置を組合せる構成と
したことにより、後席前方中央付近に設置可能なサイズ
であるツイータのみを用いて高域成分を再生しながらさ
らに音像定位を向上させることができるという本発明の
第10の車載用音像制御装置の効果と、車室内騒音を低
減できる効果と、新たにマルチチャンネルシステムにお
ける各チャンネル信号の最適レベル設定を自動的に行う
ことができるという有利な効果が得られる。
【0551】また本発明の第13の車載用音像制御装置
によれば、音像制御回路が、車室内後席近傍前方に設置
されたスピーカと車室内後席近傍後方に設置されたスピ
ーカからの制御音により、制御点における音響特性を、
後席前方中央付近に計測用スピーカを設置した場合の計
測用スピーカと制御点間の伝達関数に近似するように、
音源からの信号を信号処理することにより、後席前方中
央付近にスピーカを設置することなしに、本発明の第9
の車載用音像制御装置の効果以上に精度良く音像を前方
に定位させることができるという有利な効果が得られ
る。
【0552】また本発明の第14の車載用音像制御装置
によれば、音源からの信号をローパスフィルタとハイパ
スフィルタにより帯域分割し、音像制御回路が、車室内
後席近傍前方に設置されたスピーカおよび車室内後席近
傍後方に設置されたスピーカからの制御音により、制御
点における音響特性を、後席前方中央付近に計測用スピ
ーカを設置した場合の計測用スピーカと制御点間の伝達
関数に近似するように、ローパスフィルタからの信号を
信号処理し、そして車室内後席前方中央付近に設置され
たツイータが、ハイパスフィルタからの出力信号を再生
することにより、後席前方中央付近に設置可能なサイズ
であるツイータのみを用いて高域成分を再生しながら、
さらに本発明の第10の車載用音像制御装置の効果以上
に精度良く音像定位を向上させることができるという有
利な効果が得られる。
【0553】また本発明の第15の車載用音像制御装置
によれば、本発明の第13の車載用音像制御装置におけ
る車載用音像制御装置に騒音制御装置を組合せる構成と
したことにより、後席前方中央付近にスピーカを設置す
ることなしに本発明の第9の車載用音像制御装置の効果
以上に精度良く音像を前方に定位させることができると
いう本発明の第13の車載用音像制御装置の効果と、車
室内騒音を低減できる効果と、新たにマルチチャンネル
システムにおける各チャンネル信号の最適レベル設定を
自動的に行うことができるという有利な効果が得られ
る。
【0554】また、本発明の第16の車載用音像制御装
置によれば、本発明の第14の車載用音像制御装置にお
ける車載用音像制御装置に騒音制御装置を組合せる構成
としたことにより、後席前方中央付近に設置可能なサイ
ズであるツイータのみを用いて高域成分を再生しなが
ら、さらに本発明の第10の車載用音像制御装置の効果
以上に精度良く音像定位を向上させることができるとい
う本発明の第14の車載用音像制御装置の効果と、車室
内騒音を低減できる効果と、新たにマルチチャンネルシ
ステムにおける各チャンネル信号の最適レベル設定を自
動的に行うことができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、実施の形態1における車載用音像制
御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその車体
を横から見た図である。
【図2】(a)は、実施の形態1における計測用スピー
カの設置場所と制御点A、Bを示す車体上からの図であ
り、(b)はその車体横からの図である。
【図3】(a)は、実施の形態1における適応信号処理
を用いて音像制御回路の特性を求める車載用音像制御装
置と車体を上から見た図であり、(b)はその車体を横
から見た図である。
【図4】図3における制御点Aでの消音効果を示す図で
ある。
【図5】図3における制御点Bでの消音効果を示す図で
ある。
【図6A】図3における制御点Aでの目標特性と制御特
性の振幅周波数特性を示す図である。
【図6B】図3における制御点Aでの目標特性と制御特
性の位相周波数特性を示す図である。
【図7A】図3における制御点Bでの目標特性と制御特
性の振幅周波数特性を示す図である。
【図7B】図3における制御点Bでの目標特性と制御特
性の位相周波数特性を示す図である。
【図8】実施の形態1における適応信号処理を用いて音
像制御回路の特性を求めるブロック図である。
【図9】(a)は、実施の形態1における制御スピーカ
をマルチウェイスピーカ構成とした車載用音像制御装置
と車体を上から見た図であり、(b)はその車体を横か
ら見た図である。
【図10A】図9における制御点Aでの目標特性と制御
特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図10B】図9における制御点Aでの目標特性と制御
特性の位相周波数特性を示す図である。
【図11A】図9における制御点Bでの目標特性と制御
特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図11B】図9における制御点Bでの目標特性と制御
特性の位相周波数特性を示す図である。
【図12】(a)は、実施の形態1における制御点A、
Bを運転席の両耳近傍2点とする車載用音像制御装置と
車体を上から見た図であり、(b)はその車体を横から
見た図である。
【図13】(a)および(b)は、実施の形態1におけ
る計測用スピーカの設置場所と制御点A、Bを示す図で
ある。
【図14A】図12における制御点Aでの目標特性と制
御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図14B】図12における制御点Aでの目標特性と制
御特性の位相周波数特性を示す図である。
【図15A】図12における制御点Bでの目標特性と制
御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図15B】図12における制御点Bでの目標特性と制
御特性の位相周波数特性を示す図である。
【図16】(a)は、実施の形態2における車載用音像
制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその車
体を横から見た図である。
【図17】(a)は、実施の形態2における遅延器を用
いた車載用音像制御装置と車体を上から見た図であり、
(b)はその車体を横から見た図である。
【図18】(a)は、実施の形態3における車載用音像
制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその車
体を横から見た図である。
【図19】実施の形態3における遅延器を用いた場合を
示すブロック図である。
【図20】実施の形態3における他の実施形態を示すブ
ロック図である。
【図21】(a)は、実施の形態1における車載用音像
制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその車
体を横から見た図である。
【図22】ローパスフィルタとハイパスフィルタの振幅
周波数特性を示す図である。
【図23】(a)は、実施の形態4における制御スピー
カをマルチウェイスピーカ構成とした車載用音像制御装
置と車体を上から見た図であり、(b)はその車体を横
から見た図である。
【図24】(a)は、実施の形態4における制御点A、
Bを運転席の両耳近傍2点とする車載用音像制御装置と
車体を上から見た図であり、(b)はその車体を横から
見た図である。
【図25】(a)は、実施の形態5における車載用音像
制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその車
体を横から見た図である。
【図26】実施の形態5における遅延器を用いた場合を
示すブロック図である。
【図27】(a)は、実施の形態6における車載用音像
制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその車
体を横から見た図である。
【図28】実施の形態6におけるツイータ12の設置場
所を示すブロック図である。
【図29】実施の形態6におけるツイータ12の設置場
所を示すブロック図である。
【図30】実施の形態6における遅延器を用いた場合を
示すブロック図である。
【図31】(a)は、実施の形態7における車載用音像
制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその車
体を横から見た図である。
【図32】実施の形態7におけるレベル制御回路の構成
を示すブロック図である。
【図33】実施の形態7におけるレベル制御回路の構成
を示すブロック図である。
【図34】実施の形態7における制御点A、Bを運転席
の両耳近傍2点とするブロック図である。
【図35】実施の形態7における遅延器を用いた場合を
示すブロック図である。
【図36】(a)は、実施の形態8における車載用音像
制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその車
体を横から見た図である。
【図37】実施の形態8における制御点A、Bを運転席
の両耳近傍2点とするブロック図である。
【図38】実施の形態8における遅延器を用いた場合を
示すブロック図である。
【図39】(a)は、実施の形態9における車載用音像
制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその車
体を横から見た図である。
【図40A】図39における制御点Aでの目標特性と制
御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図40B】図39における制御点Aでの目標特性と制
御特性の位相周波数特性を示す図である。
【図41A】図39における制御点Bでの目標特性と制
御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図41B】図39における制御点Bでの目標特性と制
御特性の位相周波数特性を示す図である。
【図42】(a)は、実施の形態9における他の車載用
音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はそ
の車体を横から見た図である。
【図43A】図42における制御点Aでの目標特性と制
御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図43B】図42における制御点Aでの目標特性と制
御特性の位相周波数特性を示す図である。
【図44A】図42における制御点Bでの目標特性と制
御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図44B】図42における制御点Bでの目標特性と制
御特性の位相周波数特性を示す図である。
【図45】(a)は、実施の形態9における別の車載用
音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はそ
の車体を横から見た図である。
【図46】(a)は、実施の形態9における制御点A、
Bを運転席の両耳近傍2点とする車載用音像制御装置と
車体を上から見た図であり、(b)はその車体を横から
見た図である。
【図47A】図46における制御点Aでの目標特性と制
御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図47B】図46における制御点Aでの目標特性と制
御特性の位相周波数特性を示す図である。
【図48A】図46における制御点Bでの目標特性と制
御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図48B】図46における制御点Bでの目標特性と制
御特性の位相周波数特性を示す図である。
【図49】(a)は、実施の形態9における制御点A、
Bを運転席と助手席の各両耳近傍2点A1、A2、B
1、B2とする車載用音像制御装置と車体を上から見た
図であり、(b)はその車体を横から見た図である。
【図50】(a)および(b)は、図49における計測
用スピーカの設置場所と制御点A1、A2、B1、B2
を示す図である。
【図51A】図49における制御点A1での目標特性と
制御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図51B】図49における制御点A1での目標特性と
制御特性の位相周波数特性を示す図である。
【図52A】図49における制御点A2での目標特性と
制御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図52B】図49における制御点A2での目標特性と
制御特性の位相周波数特性を示す図である。
【図53A】図49における制御点B1での目標特性と
制御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図53B】図49における制御点B1での目標特性と
制御特性の位相周波数特性を示す図である。
【図54A】図49における制御点B2での目標特性と
制御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図54B】図49における制御点B2での目標特性と
制御特性の位相周波数特性を示す図である。
【図55】(a)は、実施の形態10における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図56】(a)は、実施の形態10における他の車載
用音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)は
その車体を横から見た図である。
【図57】(a)は、実施の形態11における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図58】(a)は、実施の形態11における他の車載
用音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)は
その車体を横から見た図である。実施の形態11におけ
る他の実施形態を示すブロック図である。
【図59】(a)は、実施の形態12における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図60】(a)は、実施の形態12における他の車載
用音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)は
その車体を横から見た図である。
【図61】(a)は、実施の形態12における別の車載
用音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)は
その車体を横から見た図である。
【図62】(a)は、実施の形態12における制御点
A、Bを運転席の両耳近傍2点とする車載用音像制御装
置と車体を上から見た図であり、(b)はその車体を横
から見た図である。
【図63】(a)は、実施の形態12における制御点
A、Bを運転席と助手席の各両耳近傍2点A1、A2、
B1、B2とする車載用音像制御装置と車体を上から見
た図であり、(b)はその車体を横から見た図である。
【図64】(a)は、実施の形態13における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図65】(a)は、実施の形態13における他の車載
用音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)は
その車体を横から見た図である。
【図66】(a)は、実施の形態14における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図67】(a)は、実施の形態14における他の車載
用音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)は
その車体を横から見た図である。実施の形態14におけ
る他の実施形態を示すブロック図である。
【図68】(a)は、実施の形態15における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図69】(a)は、実施の形態15における他の車載
用音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)は
その車体を横から見た図である。
【図70】(a)は、実施の形態15における別の車載
用音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)は
その車体を横から見た図である。
【図71】実施の形態15における制御点を運転席と助
手席の各両耳近傍2点とするブロック図である。
【図72】実施の形態15におけるレベル制御回路の構
成を示すブロック図である。
【図73】実施の形態16を示すブロック図である。
【図74】実施の形態16における制御点を運転席と助
手席の各両耳近傍2点とするブロック図である。
【図75】(a)は、実施の形態17における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図76】(a)および(b)は、実施の形態17にお
ける計測用スピーカの設置場所と制御点A、Bを示す図
である。
【図77】(a)は、実施の形態17における他の車載
用音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)は
その車体を横から見た図である。
【図78】(a)は、実施の形態17における制御スピ
ーカをマルチウェイスピーカ構成とした車載用音像制御
装置と車体を上から見た図であり、(b)はその車体を
横から見た図である。
【図79】(a)は、実施の形態17における制御点を
助手席側後席の両耳近傍2点A、Bとする車載用音像制
御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその車体
を横から見た図である。
【図80】(a)および(b)は、実施の形態17にお
ける計測用スピーカの設置場所と制御点A、Bを示す図
である。
【図81】(a)は、実施の形態18における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図82】(a)は、実施の形態19における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図83】(a)は、実施の形態19における他の車載
用音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)は
その車体を横から見た図である。
【図84】(a)は、実施の形態19における別の車載
用音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)は
その車体を横から見た図である。
【図85】(a)は、実施の形態20における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図86】ツイータ12の設置場所を示すブロック図で
ある。
【図87】(a)は、実施の形態21における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図88】(a)は、実施の形態22における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図89】ツイータ12の設置場所を示すブロック図で
ある。
【図90】(a)は、実施の形態23における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図91】実施の形態23におけるレベル制御回路の構
成を示すブロック図である。
【図92】(a)は、実施の形態24における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図93】(a)は、実施の形態25における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図94】(a)は、実施の形態26における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図95】(a)は、実施の形態27における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図96】(a)は、実施の形態27における他の車載
用音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)は
その車体を横から見た図である。
【図97】(a)は、実施の形態28における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図98】(a)は、実施の形態29における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図99】(a)は、実施の形態30における車載用音
像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はその
車体を横から見た図である。
【図100】(a)は、実施の形態31における車載用
音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はそ
の車体を横から見た図である。
【図101】(a)は、実施の形態32における車載用
音像制御装置と車体を上から見た図であり、(b)はそ
の車体を横から見た図である。
【図102】(a)は、従来の音像制御装置と車体を上
から見た図であり、(b)はその車体を横から見た図で
ある。
【図103】(a)は、従来の音像制御装置と車体を上
から見た図であり、(b)はその車体を横から見た図で
ある。
【図104】(a)は、従来の音像制御装置と車体を上
から見た図であり、(b)はその車体を横から見た図で
ある。
【図105】他の従来の音像制御装置を示すブロック図
である。
【図106】他の従来の音像制御装置を示すブロック図
である。
【図107】(a)および(b)は、従来の音像制御装
置における計測用スピーカの設置場所と制御点A、Bを
示す図である。
【図108A】図102における制御点Aでの目標特性
と制御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図108B】図102における制御点Aでの目標特性
と制御特性の位相周波数特性を示す図である。
【図109A】図102における制御点Bでの目標特性
と制御特性の振幅周波数特性を示す図である。
【図109B】図102における制御点Bでの目標特性
と制御特性の位相周波数特性を示す図である。
【符号の説明】 1 音源(CD、DVD) 2 音像制御回路 2a〜2b 適応フィルタ 3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h ス
ピーカ 3j、3k ツイータ 4 計測用スピーカ 5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h マ
イクロホン 6 位相反転器 7 スイッチ 8、8a、8b、8c、8d、8e 遅延器 9a、9b、9c、9d、9e、9f 加算器 10 ローパスフィルタ 11 ハイパスフィルタ 12 ツイータ 13 液晶画面 14 レベル制御回路 14a、14b、14c、14d、14e、14f レ
ベル比較器 15a、15b、15c、15d、15e、15f ボ
リューム 16 騒音制御装置 17 エンジン 18 インストルメントパネル 19 オーディオ操作部 20 センターコンソール 21 バランス回路 22 BPF 23 アッテネータ 24a、24b、24c アンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角張 勲 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3D020 BA10 BA11 BB01 BC02 BC06 BC08 BE03 BE04 5D062 BB01 BB03 BB07 CC12 CC13

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音源からの信号を信号処理する音像制御
    回路と、 前記音像制御回路から出力された出力信号を再生する、
    車室内前席近傍に設置されたスピーカとを備え、 少なくとも1つの制御点における音響特性が、前席前方
    中央付近に設置された場合における計測用スピーカと前
    記制御点との間の伝達関数に近似するように、前記音像
    制御回路が、前記音源からの信号を信号処理することを
    特徴とする車載用音像制御装置。
  2. 【請求項2】 音源からの信号の低域成分を通過させる
    ローパスフィルタと、 前記音源からの信号の信号高域成分を通過させるハイパ
    スフィルタと、 前記ローパスフィルタからの出力信号を信号処理する音
    像制御回路と、 前記音像制御回路からの出力信号を再生する車室内前席
    近傍に設置されたスピーカと、 前記ハイパスフィルタから出力される出力信号を再生す
    るために車室内前席前方中央付近に設置されたツイータ
    とを備え、 少なくとも1つの制御点における音響特性が、前席前方
    中央付近に設置された場合における計測用スピーカと前
    記制御点との間の伝達関数に近似するように、前記音像
    制御回路が、前記ローパスフィルタから出力される信号
    を信号処理することを特徴とする車載用音像制御装置。
  3. 【請求項3】 車載用マルチチャンネル音響システムに
    おける車載用音像制御装置であって、 騒音源からの騒音を検出し、その検出信号より、少なく
    とも1つの制御点での騒音を低減するための逆位相の制
    御信号を生成する騒音制御回路と、 マルチチャンネル音源から出力されるフロントセンター
    チャンネル信号を信号処理する音像制御回路と、 前記音像制御回路から出力される出力信号と前記騒音制
    御回路から出力される前記制御信号を加算する加算器
    と、 前記加算器によって加算された加算信号を再生する、車
    室内前席近傍に設置されたスピーカと、 前記制御点に設置されたマイクロホンとを備え、 前記騒音制御回路は、前記マイクロホンから出力される
    出力信号を誤差信号として、前記制御点での騒音を低減
    するように適応動作し、 前記音像制御回路が、前記スピーカからの制御音によ
    り、前記制御点における音響特性を、前席前方中央付近
    に計測用スピーカを設置した場合の計測用スピーカと前
    記少なくとも1つの制御点間の伝達関数に近似するよう
    に、前記マルチチャンネル音源からのフロントセンター
    チャンネル信号を信号処理し、 前記スピーカが測定信号を再生し、前記マイクロホンが
    前記測定信号を検出し、 前記音像制御回路が、前記マイクロホンが検出した測定
    信号に応じて、前記スピーカから再生するチャンネル信
    号のレベルを設定することを特徴とする車載用音像制御
    装置。
  4. 【請求項4】 車載用マルチチャンネル音響システムに
    おける車載用音像制御装置であって、 騒音源からの騒音を検出し、その検出信号より少なくと
    も1つの制御点での騒音を低減するための逆位相の制御
    信号を生成する騒音制御回路と、 マルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネ
    ル信号の低域成分を通過させるローパスフィルタと、 前記マルチチャンネル音源からのフロントセンターチャ
    ンネル信号の高域成分を通過させるハイパスフィルタ
    と、 前記ローパスフィルタからの出力信号を信号処理する音
    像制御回路と、 前記音像制御回路からの出力信号と前記騒音制御回路か
    らの出力信号を加算する加算器と、 前記加算器からの出力信号を再生する車室内前席近傍に
    設置されたスピーカと、 前記ハイパスフィルタからの出力信号を再生するために
    車室内前席前方中央付近に設置されたツイータと、 前記制御点に設置されたマイクロホンとを備え、 前記騒音制御回路は、前記マイクロホンからの出力信号
    を誤差信号として、前記制御点での騒音を低減するよう
    に適応動作し、 前記音像制御回路が、前記スピーカからの制御音によ
    り、前記制御点における音響特性を、前席前方中央付近
    に計測用スピーカを設置した場合の計測用スピーカと前
    記制御点との間の伝達関数に近似するように、前記ロー
    パスフィルタからの信号を信号処理し、 前記スピーカが測定信号を再生し、前記マイクロホンが
    前記測定信号を検出し、前記音像制御回路が、その検出
    した測定信号に応じて前記のスピーカから再生されるチ
    ャンネル信号のレベルを設定することを特徴とする車載
    用音像制御装置。
  5. 【請求項5】 音源からの信号を信号処理する音像制御
    回路と、 前記音像制御回路からの出力信号を再生する車室内前席
    近傍に設置されたスピーカと、 車室内後席近傍に設置されたスピーカとを備え、 前記音像制御回路は、前記前席近傍に設置された前記ス
    ピーカと後席近傍に設置された前記スピーカからの夫々
    独立の制御音により、少なくとも1つの制御点における
    音響特性を、前席前方中央付近に計測用スピーカを設置
    した場合の計測用スピーカと前記制御点間の伝達関数に
    近似するように、前記音源からの信号を信号処理するこ
    とを特徴とする車載用音像制御装置。
  6. 【請求項6】 音源からの信号の低域成分を通過させる
    ローパスフィルタと、 前記音源からの信号の高域成分を通過させるハイパスフ
    ィルタと、 前記ローパスフィルタからの出力信号を信号処理する音
    像制御回路と、 前記音像制御回路からの出力信号を再生する車室内前席
    近傍に設置されたスピーカおよび車室内後席近傍に設置
    されたスピーカと、 前記ハイパスフィルタからの出力信号を再生するために
    車室内前席前方中央付近に設置されたツイータとを備
    え、 前記音像制御回路は、前記前席近傍に設置されたスピー
    カと後席近傍に設置された前記スピーカからの夫々独立
    の制御音により、少なくとも1つの制御点における音響
    特性を、前席前方中央付近に計測用スピーカを設置した
    場合の計測用スピーカと前記制御点との間の伝達関数に
    近似するように、前記ローパスフィルタからの信号を信
    号処理することを特徴とする車載用音像制御装置。
  7. 【請求項7】 車載用マルチチャンネル音響システムに
    おける車載用音像制御装置であって、 騒音源からの騒音を検出し、その検出信号より、少なく
    とも1つの制御点での騒音を低減するための逆位相の制
    御信号を生成する騒音制御回路と、 マルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネ
    ル信号を信号処理する音像制御回路と、 前記音像制御回路からの出力信号と前記騒音制御回路か
    らの出力信号を加算する加算器と、 前記加算器からの出力信号を再生する車室内前席近傍に
    設置されたスピーカおよび車室内後席近傍に設置された
    スピーカと、 前記少なくとも1つの制御点に設置されたマイクロホン
    とを備え、 前記騒音制御回路は、前記マイクロホンからの出力信号
    を誤差信号として、前記制御点での騒音を低減するよう
    に適応動作し、 前記音像制御回路が、前記前席近傍に設置された前記ス
    ピーカと後席近傍に設置された前記スピーカからの夫々
    独立の制御音により、前記制御点における音響特性を、
    前席前方中央付近に計測用スピーカを設置した場合の計
    測用スピーカと前記制御点との間の伝達関数に近似する
    ように、前記音源からの信号を信号処理し、 前記前席近傍に設置された前記複数のスピーカと後席近
    傍に設置された前記スピーカが測定信号を再生し、前記
    マイクロホンが前記測定信号を検出し、 前記音像制御回路が、その検出した測定信号に応じて前
    記前席近傍に設置された前記スピーカと後席近傍に設置
    された前記スピーカから再生するチャンネル信号のレベ
    ルを設定することを特徴とする車載用音像制御装置。
  8. 【請求項8】 車載用マルチチャンネル音響システムに
    おける車載用音像制御装置であって、 騒音源からの騒音を検出し、その検出信号より少なくと
    も1つの制御点での騒音を低減するための逆位相の制御
    信号を生成する騒音制御回路と、 マルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネ
    ル信号の低域成分を通過させるローパスフィルタと、 前記マルチチャンネル音源からの前記フロントセンター
    チャンネル信号の高域成分を通過させるハイパスフィル
    タと、 前記ローパスフィルタからの出力信号を信号処理する音
    像制御回路と、 前記音像制御回路からの出力信号と前記騒音制御回路か
    らの出力信号を加算する加算器と、 前記加算器からの出力信号を再生する車室内前席近傍に
    設置されたスピーカおよび車室内後席近傍に設置された
    スピーカと、 前記ハイパスフィルタからの出力信号を再生するために
    車室内前席前方中央付近に設置されたツイータと、 前記制御点に設置されたマイクロホンとを備え、 前記騒音制御回路は、前記マイクロホンからの出力信号
    を誤差信号として、前記制御点での騒音を低減するよう
    に適応動作し、 前記音像制御回路が、前記前席近傍に設置されたスピー
    カと後席近傍に設置されたスピーカからの夫々独立の制
    御音により、前記制御点における音響特性を、前席前方
    中央付近に計測用スピーカを設置した場合の計測用スピ
    ーカと前記制御点との間の伝達関数に近似するように、
    前記ローパスフィルタからの信号を信号処理し、 前記前席近傍に設置された前記スピーカと後席近傍に設
    置された前記スピーカが測定信号を再生し、前記マイク
    ロホンが前記測定信号を検出し、 前記音像制御回路が、その検出した測定信号に応じて、
    前記前席近傍に設置された前記スピーカと後席近傍に設
    置された前記スピーカから再生されるチャンネル信号の
    レベルを設定することを特徴とする車載用音像制御装
    置。
  9. 【請求項9】 音源からの信号を信号処理する音像制御
    回路と、 前記音像制御回路からの出力信号を再生する車室内後席
    近傍に設置されたスピーカとを備え、 前記音像制御回路は、前記スピーカからの制御音によ
    り、少なくとも1つの制御点における音響特性を、後席
    前方中央付近に計測用スピーカを設置した場合の計測用
    スピーカと前記制御点との間の伝達関数に近似するよう
    に、前記音源からの前記信号を信号処理することを特徴
    とする車載用音像制御装置。
  10. 【請求項10】 音源からの信号の低域成分を通過させ
    るローパスフィルタと、 前記音源からの信号の高域成分を通過させるハイパスフ
    ィルタと、 前記ローパスフィルタからの出力信号を信号処理する音
    像制御回路と、 前記音像制御回路からの出力信号を再生する車室内後席
    近傍に設置されたスピーカと、 前記ハイパスフィルタからの出力信号を再生するために
    車室内後席前方中央付近に設置されたツイータとを備
    え、 前記音像制御回路が、前記スピーカからの制御音によ
    り、少なくとも1つの制御点における音響特性を、後席
    前方中央付近に計測用スピーカを設置した場合の計測用
    スピーカと前記制御点との間の伝達関数に近似するよう
    に、前記ローパスフィルタからの信号を信号処理するこ
    とを特徴とする車載用音像制御装置。
  11. 【請求項11】 車載用マルチチャンネル音響システム
    における車載用音像制御装置であって、 騒音源からの騒音を検出し、その検出信号より、少なく
    とも1つの制御点での騒音を低減するための逆位相の制
    御信号を生成する騒音制御回路と、 マルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネ
    ル信号を信号処理する音像制御回路と、 前記音像制御回路からの出力信号と前記騒音制御回路か
    らの出力信号を加算する加算器と、 前記加算器からの出力信号を再生する車室内後席近傍に
    設置されたスピーカと、 前記制御点に設置されたマイクロホンとを備え、 前記騒音制御回路は、前記マイクロホンからの出力信号
    を誤差信号として、前記制御点での騒音を低減するよう
    に適応動作し、 前記音像制御回路が、前記スピーカからの制御音によ
    り、前記制御点における音響特性を、後席前方中央付近
    に計測用スピーカを設置した場合の計測用スピーカと前
    記制御点との間の伝達関数に近似するように、前記音源
    からのフロントセンターチャンネル信号を信号処理し、 前記音像制御回路が、前記スピーカが測定信号を再生
    し、前記マイクロホンが前記測定信号を検出し、その検
    出した測定信号に応じて前記スピーカから再生されるチ
    ャンネル信号のレベルを設定することを特徴とする車載
    用音像制御装置。
  12. 【請求項12】 車載用マルチチャンネル音響システム
    における車載用音像制御装置であって、 騒音源からの騒音を検出し、その検出信号より少なくと
    も1つの制御点での騒音を低減するための逆位相の制御
    信号を生成する騒音制御回路と、 マルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネ
    ル信号を低域成分を通過させるローパスフィルタと、 前記マルチチャンネル音源からの前記フロントセンター
    チャンネル信号の高域成分を通過させるハイパスフィル
    タと、 前記ローパスフィルタからの出力信号を信号処理する音
    像制御回路と、 前記音像制御回路からの出力信号と前記騒音制御回路か
    らの出力信号を加算する加算器と、 前記加算器からの出力信号を再生する車室内後席近傍に
    設置されたスピーカと、 前記ハイパスフィルタからの出力信号を再生するために
    車室内後席前方中央付近に設置されたツイータと、 前記制御点に設置されたマイクロホンとを備え、 前記騒音制御回路が、前記マイクロホンからの出力信号
    を誤差信号として、前記制御点での騒音を低減するよう
    に適応動作し、 前記音像制御回路が、前記スピーカからの制御音によ
    り、前記制御点における音響特性を、後席前方中央付近
    に計測用スピーカを設置した場合の計測用スピーカと前
    記御点との間の伝達関数に近似するように、前記ローパ
    スフィルタからの信号を信号処理し、 前記スピーカが、測定信号を再生し、前記マイクロホン
    が前記測定信号を検出し、 前記音像制御回路が、その検出した測定信号に応じて前
    記スピーカから再生するチャンネル信号のレベルを設定
    することを特徴とする車載用音像制御装置。
  13. 【請求項13】 音源からの信号を信号処理する音像制
    御回路と、 前記音像制御回路からの出力信号を再生する車室内後席
    近傍前方に設置されたスピーカと車室内後席近傍後方に
    設置されたスピーカとを備え、 前記音像制御回路は、前記後席近傍前方に設置された前
    記スピーカと後席近傍後方に設置された前記スピーカか
    らの夫々独立の制御音により、少なくとも1つの制御点
    における音響特性を、後席前方中央付近に計測用スピー
    カを設置した場合の計測用スピーカと前記制御点との間
    の伝達関数に近似するように、前記音源からの信号を信
    号処理することを特徴とする車載用音像制御装置。
  14. 【請求項14】 音源からのを低域成分を通過させるロ
    ーパスフィルタと、 前記音源からの信号の高域成分を通過させるハイパスフ
    ィルタと、 前記ローパスフィルタからの出力信号を信号処理する音
    像制御回路と、 前記音像制御回路からの出力信号を再生する車室内後席
    近傍前方に設置された前記スピーカおよび車室内後席近
    傍後方に設置された前記スピーカと、 前記ハイパスフィルタからの出力信号を再生するために
    車室内後席前方中央付近に設置されたツイータとから構
    成され、 前記音像制御回路は、前記後席近傍前方に設置された前
    記スピーカと後席近傍後方に設置された前記スピーカか
    らの夫々独立の制御音により、前記制御点における音響
    特性を、後席前方中央付近に計測用スピーカを設置した
    場合の計測用スピーカと前記制御点との間の伝達関数に
    近似するように、前記ローパスフィルタからの信号を信
    号処理することを特徴とする車載用音像制御装置。
  15. 【請求項15】 車載用マルチチャンネル音響システム
    における車載用音像制御装置であって、 騒音源からの騒音を検出し、その検出信号より、少なく
    とも1つの制御点での騒音を低減するための逆位相の制
    御信号を生成する騒音制御回路と、 マルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネ
    ル信号を信号処理する音像制御回路と、 前記音像制御回路からの出力信号と前記騒音制御回路か
    らの出力信号を加算する加算器と、 前記加算器からの出力信号を再生する車室内席近傍前
    方に設置されたスピーカおよび車室内後席近傍後方に設
    置されたスピーカと、 前記少なくとも1つの制御点に設置されたマイクロホン
    とを備え、 前記騒音制御回路は、前記マイクロホンからの出力信号
    を誤差信号として、前記制御点での騒音を低減するよう
    に適応動作し、 前記音像制御回路が、前記後席近傍前方に設置された前
    記スピーカと前記後席近傍後方に設置された前記スピー
    カからの夫々独立の制御音により、前記制御点における
    音響特性を、後席前方中央付近に計測用スピーカを設置
    した場合の計測用スピーカと前記制御点との間の伝達関
    数に近似するように、前記音源からの信号を信号処理
    し、 前記後席近傍前方に設置された前記スピーカと前記後席
    近傍後方に設置された前記スピーカが、測定信号を再生
    し、前記マイクロホンが、前記測定信号を検出し、 前記音像制御回路が、その検出した測定信号に応じて前
    記後席近傍前方に設置された前記スピーカと前記後席近
    傍後方に設置された前記スピーカから再生するチャンネ
    ル信号のレベルを設定することを特徴とする車載用音像
    制御装置。
  16. 【請求項16】 車載用マルチチャンネル音響システム
    における車載用音像制御装置であって、 騒音源からの騒音を検出し、その検出信号より、少なく
    とも1つの制御点での騒音を低減するための逆位相の制
    御信号を生成する騒音制御回路と、 マルチチャンネル音源からのフロントセンターチャンネ
    ル信号を低域成分を通過させるローパスフィルタと、 前記マルチチャンネル音源からの前記フロントセンター
    チャンネル信号の高域成分を通過させるハイパスフィル
    タと、 前記ローパスフィルタからの前記出力信号を信号処理す
    る音像制御回路と、 前記音像制御回路からの前記出力信号と前記騒音制御回
    路からの出力信号を加算する加算器と、 前記加算器からの出力信号を再生する車室内後席近傍前
    方に設置されたスピーカおよび車室内後席近傍後方に設
    置されたスピーカと、 前記ハイパスフィルタからの出力信号を再生するために
    車室内後席前方中央付近に設置されたツイータと、 前記制御点に設置されたマイクロホンとを備え、 前記騒音制御回路は、前記マイクロホンからの出力信号
    を誤差信号として、前記制御点での騒音を低減するよう
    に適応動作し、 前記音像制御回路が、前記後席近傍前方に設置された前
    記スピーカと後席近傍後方に設置された前記スピーカか
    らの夫々独立の制御音により、前記制御点における音響
    特性を、後席前方中央付近に計測用スピーカを設置した
    場合の計測用スピーカと前記制御点間の伝達関数に近似
    するように、前記ローパスフィルタからの信号を信号処
    理し、 前記後席近傍前方に設置された前記スピーカと後席近傍
    後方に設置された前記スピーカは、測定信号を再生し、
    前記マイクロホンが前記測定信号を検出し、 前記音像制御回路が、その検出した測定信号に応じて前
    記各スピーカから再生するチャンネル信号のレベルを設
    定することを特徴とする車載用音像制御装置。
  17. 【請求項17】 前記制御点が、運転席と助手席の頭部
    近傍の夫々1点とすることを特徴とする請求項1〜8の
    うちのいずれか1つに記載の車載用音像制御装置。
  18. 【請求項18】 前記制御点が、運転席あるいは助手席
    の、両耳近傍の2点であることを特徴とする請求項1〜
    8のうちのいずれか1つに記載の車載用音像制御装置。
  19. 【請求項19】 前記制御点が、運転席の両耳近傍の2
    点および助手席の両耳近傍の2点であることを特徴とす
    る請求項5〜8のうちのいずれか1つに記載の車載用音
    像制御装置。
  20. 【請求項20】 前記制御点は、運転席側後席と助手席
    側後席の頭部近傍の夫々1点であることを特徴とする請
    求項9〜16のうちのいずれか1つに記載の車載用音像
    制御装置。
  21. 【請求項21】 前記制御点が、運転席側後席あるいは
    助手席側後席の、両耳近傍の2点であることを特徴とす
    る請求項9〜16のいずれか1つに記載の車載用音像制
    御装置。
  22. 【請求項22】 前記制御点が、運転席側後席の両耳近
    傍の2点および助手席側後席の両耳近傍の2点であるこ
    とを特徴とする請求項13〜16のいずれか1つに記載
    の車載用音像制御装置。
  23. 【請求項23】 前記音源からの信号は、ステレオLチ
    ャンネル信号とRチャンネル信号とを加算した信号であ
    ることを特徴とする請求項1、2、5、6、9、10、
    13、および14のいずれか1つに記載の車載用音像制
    御装置。
  24. 【請求項24】 前記音源からの信号は、マルチチャン
    ネル信号におけるフロントセンターチャンネル信号であ
    ることを特徴とする請求項1、2、5、6、9、10、
    13、および14のいずれか1つに記載の車載用音像制
    御装置。
  25. 【請求項25】 前記音源からの信号は、DVDマルチ
    チャンネル信号におけるフロントセンターチャンネル信
    号であることを特徴とする請求項1、2、5、6、9、
    10、13、および14のいずれか1つに記載の車載用
    音像制御装置。
  26. 【請求項26】 前記ツイータが、インストルメントパ
    ネル中央付近に設置されることを特徴とする請求項2、
    4、6、および8のいずれか1つに記載の車載用音像制
    御装置。
  27. 【請求項27】 前記ツイータは、映像用ディスプレイ
    とともに設置され、前記映像用ディスプレイは、インス
    トルメントパネル中央付近に設置されることを特徴とす
    る請求項2、4、6、および8のいずれか1つに記載の
    車載用音像制御装置。
  28. 【請求項28】 前記ツイータは、センターコンソール
    後部付近に設置されることを特徴とする請求項10、1
    2、14、および16のいずれか1つに記載の車載用音
    像制御装置。
  29. 【請求項29】 前記ツイータは、映像用ディスプレイ
    とともに設置され、前記映像用ディスプレイは、センタ
    ーコンソール後部付近に設置されることを特徴とする請
    求項10、12、14、および16のいずれか1つに記
    載の車載用音像制御装置。
  30. 【請求項30】 前記ローパスフィルタおよび前記ハイ
    パスフィルタは、前記音源からの信号を低域成分と高域
    成分に滑らかに分割するチャンネルデバイダ機能を有し
    ており、前記低域成分と前記高域成分とのクロストーク
    周波数を約1KHz〜約4KHz付近とすることを特徴
    とする請求項2、4、6、8、10、12、14、およ
    び16のいずれか1つに記載の車載用音像制御装置。
  31. 【請求項31】 前記マルチチャンネル音源は、DVD
    装置であることを特徴とする請求項3、4、7、8、1
    1、12、15、および16のいずれか1つに記載の車
    載用音像制御装置。
  32. 【請求項32】 前記測定信号は、音楽を表す信号であ
    ることを特徴とする請求項3、4、7、8、11、1
    2、15、および16のいずれか1つに記載の車載用音
    像制御装置。
  33. 【請求項33】 前記測定信号は、風の音、波の音、お
    よび川のせせらぎの音等を含む自然の音であることを特
    徴とする請求項3、4、7、8、11、12、15、お
    よび16のいずれか1つに記載の車載用音像制御装置。
  34. 【請求項34】 前記測定信号は、光ディスクを含むマ
    ルチチャンネル音源記録デバイスにおける複数の独立そ
    れぞれのチャンネルに記録されていることを特徴とする
    請求項3、4、7、8、11、12、15、および16
    のいずれか1つに記載の車載用音像制御装置。
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