JP5366281B2 - 車両用シートのスライド構造 - Google Patents
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Description
従来の車両用シートのスライド構造を説明すれば、車床に固定され、車両の前後方向に延設された固定内側レールと、車両の前後方向に延設され、かつ固定内側レールに外嵌し、固定内側レールに対して車両の前後方向に摺動可能な可動外側レールと、可動外側レールを固定内側レールに対して車両の前後方向に係止する係止手段とを有し、固定内側レールと可動外側レールとの間には、車両前後方向に延びるリテーナが、固定内側レールと外嵌する形態で設けられ、リテーナは、固定内側レールと可動外側レールとの間に介在する複数のボールをそれぞれ保持するための貫通穴を、車両の前後方向に互いに間隔を隔てて複数有し、可動外側レールは、クッションシートに固定される。
より詳細には、可動外側レールを固定外側レールに対して車両前後方向に移動させる際、可動外側レールと固定内側レールとの間に設けられたボールが転動することにより、リテーナが可動外側レールの移動方向と同じ向きに移動しながら、可動外側レールを固定外側レールに対して円滑に摺動可能に移動させることが可能である。次いで、係止手段により、可動外側レールを固定内側レールに対して係止させ、目標位置に固定することが可能である。
すなわち、可動外側レールを固定内側レールに対して車両の前後方向に移動させる際、リテーナがロックし、可動外側レールを目標位置に固定することが困難となる点である。
より具体的には、リテーナが、可動外側レールあるいは固定内側レールに対して係合することに起因して、可動外側レールが車両の前後方向に移動するにも係わらず、リテーナが移動しないことにより、車両前後方向目標位置近傍の固定係止穴がリテーナにより塞がれて、可動外側レールを目標位置に係止固定することが困難となる状況が生じる。
たとえ、可動外側レールを目標位置に移動可能であったとしても、その位置に係止固定できないのでは、安全に車両の運転を行うことが困難となる。
車床に固定され、車両の前後方向に延設された固定内側レールと、
車両の前後方向に延設され、かつ該固定内側レールに外嵌し、該固定内側レールに対して車両の前後方向に摺動可能な可動外側レールと、
前記可動外側レールを前記固定内側レールに対して車両の前後方向に係止する係止手段とを有し、
前記固定内側レールと前記可動外側レールとの間には、車両前後方向に延びるリテーナが、前記固定内側レールと外嵌する形態で設けられ、
該リテーナは、前記固定内側レールと前記可動外側レールとの間に介在する複数のボールをそれぞれ保持するための保持部を、車両の前後方向に互いに間隔を隔てて複数有し、
前記可動外側レールは、車両用シートに固定される車両用シートのスライド構造において、
前記リテーナには、車両の前後方向に延びる細長開口が設けられ、
前記可動外側レールには、前記固定内側レールに対向する面から前記固定内側レールに向かって突出するリテーナロック防止ピンが設けられ、該リテーナロック防止ピンは、前記リテーナの前記細長開口を貫通する突出長さを有する、構成としている。
前記可動外側レールには、車両の前後方向に前記間隔と同一の間隔を隔てて整列する可動係止穴が設けられ、
前記係止手段は、前記固定内側レールの前記複数の固定係止穴のいずれかと、前記可動外側レールの前記可動係止穴とを貫通して、前記可動外側レールを前記固定内側レールに対して車両の前後方向に係止する係止歯を備えた係止用プレートからなるのがよい。
前記固定内側レールは、車両の前後方向に延びる固定側面と、該固定側面の一方の側縁から張り出す第1張り出し固定面と、該固定側面の他方の側縁から張り出す第2張り出し固定面とを備えたほぼコの字状の断面を有し、
前記可動外側レールは、前記固定内側レールに対して、それぞれのコの字状の断面により形成される開放部を互いに対向させた状態で外嵌し、
前記リテーナは、車両の前後方向に延びるリテーナ側面部と、該リテーナ側面部の一方の側縁から張り出し、車両の前後方向に所定の間隔を隔てた複数の第1リテーナ張り出し上面と、該リテーナ側面部の他方の側縁から張り出し、車両の前後方向に所定の間隔を隔てた複数の第2リテーナ張り出し面とを備えたほぼコの字状の断面を有し、
前記リテーナは、前記可動外側レールに対して、それぞれのコの字状の断面により形成される開放部を互いに対向させた状態で、前記複数の第1リテーナ張り出し面を前記第1張り出し可動面と前記第1張り出し固定面との間に、かつ前記複数の第2リテーナ張り出し下面を前記第2張り出し可動面と前記第2張り出し固定面との間に設置するように位置決めされ、
前記複数の第1リテーナ張り出し面および前記複数の第2リテーナ張り出し面はそれぞれ、ボールを保持するための貫通穴を有し、
それにより、前記ボールが、前記第1張り出し可動面と前記第1張り出し固定面との間、および前記第2張り出し可動面と前記第2張り出し固定面との間で転動することにより、前記可動外側レールが前記リテーナとともに、前記固定内側レールに対して、車両の前後方向に移動可能であるのがよい。
前記第1張り出し可動面および前記第2張り出し可動面はそれぞれ、その内面に、車両の前後方向に延びる第1弧状断面溝を有し、
前記第1張り出し固定面および前記第2張り出し固定面はそれぞれ、その外面に、車両の前後方向に延びる第2弧状断面溝を有するのがよい。
加えて、前記リテーナロック防止ピンは、前記可動側面の内面に対してねじ込み固定されてもよい。
さらにまた、前記保持部は、前記複数の第1リテーナ張り出し面のそれぞれ、および前記複数の第2リテーナ張り出し面のそれぞれに設けられた貫通穴でもよい。
さらに、前記保持部は、前記複数の第1リテーナ張り出し面の側縁のそれぞれ、および前記複数の第2リテーナ張り出し面の側縁のそれぞれに設けられた凹部でもよい。
車両用シートの車両前後方向の位置調整機構402は、それぞれ車両の前後方向に延設し、互いに車両の幅方向に所定間隔を隔てた一対のレール構造410と、レールの摺動可能な車両前後方向の移動を可能とするためのリテーナ412とから概略構成されている。
一対のレール構造410はそれぞれ、鋼製であり、車両の前後方向の各端部に固定されたレール取付ブラケット414A,Bを有する固定内側レール416と、固定内側レール416に外嵌する可動外側レール418とを有する。固定内側レール416および可動外側レール418それぞれのレール長さは、車両用シートのスライド構造400が設置されるフロント床のスペースに鑑み、固定内側レール416を可動外側レール418に対して、車両最後方側位置にしたとき、および車両最前方側位置にしたときの状態を考慮して、適宜に決定すればよい。
図4に示すように、固定内側レール416には、車両の前後方向に間隔を隔てて整列する複数の固定係止穴428が設けられている。固定係止穴428の数は、固定内側レール416に対して車両前後方向に移動する可動外側レール418の移動範囲を考慮して、適宜定めればよい。
第1張り出し可動上面432および前記第2張り出し可動下面434はそれぞれ、その内面に、車両の前後方向に延びる第1弧状断面溝436を有する。
操作レバー446を操作レバー係止用バネ452の付勢力に抗して上方に持ち上げることにより、リリースロッド450がレールの長手方向を中心にレールの外側の向き(図の矢印の向き)に回転し、それによりリリースロッド450に取り付けられた係止用プレート454が、係止用プレート戻しバネ456の付勢力に抗して、係止位置から係止解除位置まで回転する。これにより、可動係止穴421および固定係止穴428に貫通していた係止用歯455が、両穴から抜け、それにより、可動外側レール418は固定内側レール416に対して、車両の前後方向に自由に移動することが可能としてある(図3参照)。
次いで、操作レバー446を下げることにより、図2に示すように、係止用プレート454の係止歯455が、目標位置に達した可動外側レール418の可動係止穴421と、この位置に対応する固定内側レール416の固定係止穴428とに貫通することにより、目標位置に達した可動外側レール418を固定内側レール416に対して係止固定することが可能となる。
400 車両用シートのスライド構造
402 車両用シートの車両前後方向位置調整機構
404 車両用シートの車両前後方向位置決め機構
406 車両用シートの車両高さ方向位置調整機構
408 車両用シートの車両高さ方向位置決め機構
410 一対のレール構造
411 ベルトブラケット
412 リテーナ
414 レール取付ブラケット
416 固定内側レール
418 可動外側レール
419 リテーナロック防止ピン
420 固定側面
421 可動係止穴
422 第1張り出し固定上面
424 第2張り出し固定下面
426 第2弧状断面溝
428 固定係止穴
430 可動側面
432 第1張り出し可動上面
434 第2張り出し可動下面
436 第1弧状断面溝
441 細長開口441
443 端縁
440 リテーナ側面部
442 第1リテーナ張り出し上面
444 第2リテーナ張り出し下面
445 ボール
447 保持部
446 操作レバー
448 操作レバー支持ブラケット
450 リリースロッド
452 操作レバー係止用バネ
454 係止用プレート
455 係止用歯
456 係止用プレート戻しバネ
460 前リンク
462 後リンク
470 操作レバー
472 ピニオンギア
474 セクターギア
476 連結ブラケット
Claims (7)
- それぞれ、車両の幅方向に間隔を隔て、たがいに平行に配置された一対のレール構造を構成し、一方の一対のレール構造に対して内側に配置される固定内側レールと、他方の一対のレール構造に対して外側に配置される可動外側レールとを有し、
前記固定内側レールは、車床に固定され、車両の前後方向に延設され、
前記可動外側レールは、前記固定内側レールに対して車両の前後方向に亘って外嵌し、前記固定内側レールに対して車両の前後方向に摺動可能であり、
前記可動外側レールを前記固定内側レールに対して車両の前後方向に係止する係止手段とを有し、
前記固定内側レールと前記可動外側レールとの間には、車両前後方向に延びるリテーナが、前記固定内側レールと外嵌する形態で設けられ、
該リテーナは、前記固定内側レールと前記可動外側レールとの間に介在する複数のボールをそれぞれ保持するための保持部を、車両の前後方向に互いに間隔を隔てて複数有し、
前記可動外側レールは、車両用シートに固定される車両用シートのスライド構造において、
前記リテーナには、車両の前後方向に延びる細長開口が設けられ、
前記可動外側レールには、前記固定内側レールに対向する面から前記固定内側レールに向かって突出するリテーナロック防止ピンが、車両の前後方向に間隔を隔てて2つ設けられ、各々の該リテーナロック防止ピンは、前記リテーナの前記細長開口を貫通する突出長さを有し、
車両前方側の前記リテーナロック防止ピンは、前記リテーナの前記細長開口の車両前方側の端縁に当接し、一方車両後方側の前記リテーナロック防止ピンは、前記リテーナの前記細長開口の車両後方側の端縁に当接するように設けられる、
ことを特徴とする車両用シートのスライド構造。 - 前記固定内側レールには、車両の前後方向に間隔を隔てて整列する複数の固定係止穴が設けられ、
前記可動外側レールには、車両の前後方向に前記間隔と同一の間隔を隔てて整列する可動係止穴が設けられ、
前記係止手段は、前記固定内側レールの前記複数の固定係止穴のいずれかと、前記可動外側レールの前記可動係止穴とを貫通して、前記可動外側レールを前記固定内側レールに対して車両の前後方向に係止する係止歯を備えた係止用プレートからなる、請求項1に記載の車両用シートのスライド構造。 - 前記可動外側レールは、車両の前後方向に延びる可動側面と、該可動側面の一方の側縁から張り出す第1張り出し可動面と、該可動側面の他方の側縁から張り出す第2張り出し可動面とを備えたほぼコの字状の断面を有し、
前記固定内側レールは、車両の前後方向に延びる固定側面と、該固定側面の一方の側縁から張り出す第1張り出し固定面と、該固定側面の他方の側縁から張り出す第2張り出し固定面とを備えたほぼコの字状の断面を有し、
前記可動外側レールは、前記固定内側レールに対して、それぞれのコの字状の断面により形成される開放部を互いに対向させた状態で外嵌し、
前記リテーナは、車両の前後方向に延びるリテーナ側面部と、該リテーナ側面部の一方の側縁から張り出し、車両の前後方向に所定の間隔を隔てた複数の第1リテーナ張り出し上面と、該リテーナ側面部の他方の側縁から張り出し、車両の前後方向に所定の間隔を隔てた複数の第2リテーナ張り出し下面とを備えたほぼコの字状の断面を有し、
前記リテーナは、前記可動外側レールに対して、それぞれのコの字状の断面により形成される開放部を互いに対向させた状態で、前記複数の第1リテーナ張り出し上面を前記第1張り出し可動面と前記第1張り出し固定面との間に、かつ前記複数の第2リテーナ張り出し下面を前記第2張り出し可動面と前記第2張り出し固定面との間に設置するように位置決めされ、
前記複数の第1リテーナ張り出し上面および前記複数の第2リテーナ張り出し下面はそれぞれ、ボールを保持するための貫通穴を有し、
それにより、前記ボールが、前記第1張り出し可動面と前記第1張り出し固定面との間、および前記第2張り出し可動面と前記第2張り出し固定面との間で転動することにより、前記可動外側レールが前記リテーナとともに、前記固定内側レールに対して、車両の前後方向に移動可能である、請求項1に記載の車両用シートのスライド構造。 - 前記可動側面、前記固定側面および前記リテーナ側面部が、車両の高さ方向に沿って配置され、それにより、前記固定内側レールおよび前記可動外側レールがいずれも、車両の高さ方向に縦長断面となるように配置され、
前記第1張り出し可動面および前記第2張り出し可動面はそれぞれ、その内面に、車両の前後方向に延びる第1弧状断面溝を有し、
前記第1張り出し固定面および前記第2張り出し固定面はそれぞれ、その外面に、車両の前後方向に延びる第2弧状断面溝を有する、請求項3に記載の車両用シートのスライド構造。 - 前記リテーナロック防止ピンは、前記可動側面の内面に対してねじ込み固定される、請求項3に記載の車両用シートのスライド構造。
- 前記保持部は、前記複数の第1リテーナ張り出し上面のそれぞれ、および前記複数の第2リテーナ張り出し下面のそれぞれに設けられた貫通穴である、請求項3に記載の車両用シートのスライド構造。
- 前記保持部は、前記複数の第1リテーナ張り出し上面の側縁のそれぞれ、および前記複数の第2リテーナ張り出し下面の側縁のそれぞれに設けられた凹部である、請求項3に記載の車両用シートのスライド構造。
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