JP5365989B2 - ワーク設置装置を備えた搬送ロボットと設置方法及び持ち上げ方法 - Google Patents
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Description
この場合、ワーク搬送装置およびワークが設置される部材(以下、「被設置部材」と呼ぶ)は、その機能上、ワーク搬送装置はワークを確実に把持・搬送する必要があり、被設置部材は正確に位置決めする必要がある。
そのため、ワーク、ワーク搬送装置および被設置部材が高い剛性を有している(例えば金属製)場合、ワークを被設置部材に設置する際に、剛性の高い部材同士(ワーク、ワーク搬送装置および被設置部材)が接触するので、ワークが引っ掛かってかじる、或いはワークや被設置部材に過剰な力がかかるなどの問題が発生する。
そのため、この装置は、図1に示すように、部品の押圧力をコンプライアンス機構56に作用させ、この力を力覚センサ57で計測することにより軸芯ずれ方向と軸芯ずれ量を演算し、この演算情報を利用して、部品を把持したロボット58と位置決め機構53を相対的に移動させて軸芯合わせを行い、一度に軸芯が合わない場合は部品の押圧を一度解除して上記の軸芯合わせを行うものである。
なおこの図で、51は第1部品、52は第2部品、54はチャック機構、55は連結機構である。
そのため、この方法は、特別な制御アルゴリズムを実装して、直交座標系上で柔らかさが調節可能なサーボ系を構成するものである。
前記ワークが設置される被設置部材が、前記ワーク下端と嵌合する嵌合部をその上端部に有し、該嵌合部には案内テーパ面が設けられており、
前記ワークを被設置部材まで搬送して被設置部材に設置するワーク設置装置を備えた搬送ロボットであって、
3次元的に移動可能な把持機構に取り付けられ、水平方向に移動可能であり、その間にワークの前記鍔部を開放可能に把持可能な複数のツメ部材と、
該複数のツメ部材を互いに連動して水平反対方向に駆動する開閉アクチュエータとを備え、
前記ツメ部材は、鍔部の前記水平下面を支持する水平な支持面と、鍔部の外面又は上縁部を把持する把持面とを有し、
さらに、前記把持機構を3次元的に移動するロボットと、指令信号によりロボットを3次元的に数値制御する制御装置とを備え、ロボットは、制御装置からの指令信号により、
(A) ワークの鍔部の下面を複数のツメ部材の水平な支持面で支持し、かつワークの鍔部の外面又は上縁部を複数のツメ部材の把持面で把持して、ワークを3次元的に移動し、ワークの下面を被設置部材の嵌合部の案内テーパ内まで搬送し、
(B) ワークの鍔部の下面を複数のツメ部材の水平な支持面で支持したまま、複数のツメ部材を互いに連動して水平外方に駆動して、鍔部の外面又は上縁部と複数のツメ部材の把持面との間に所定の隙間を形成し、
(C) 前記隙間の範囲でワークが自由に水平移動かつ鉛直移動できる状態で、ワーク下端が被設置部材に対し所定の高さに達するまで、把持機構を鉛直に下降させて、ワーク下端を被設置部材の嵌合部に組み付け、
(D) 次いで、複数のツメ部材を互いに連動して水平外方に駆動して、その間の鍔部を開放する、ことを特徴とするワーク設置装置を備えた搬送ロボットが提供される。
前記ワークが設置される被設置部材が、前記ワーク下端と嵌合する嵌合部をその上端部に有し、該嵌合部には案内テーパ面が設けられており、
前記ワークを被設置部材まで搬送して被設置部材に設置するワーク設置方法であって、
(A) ワークの鍔部の下面を複数のツメ部材の水平な支持面で支持し、かつワークの鍔部の外面又は上縁部を複数のツメ部材の把持面で把持して、ワークを3次元的に移動し、ワークの下面を被設置部材の嵌合部の案内テーパ内まで搬送し、
(B) ワークの鍔部の下面を複数のツメ部材の水平な支持面で支持したまま、複数のツメ部材を互いに連動して水平外方に駆動して、鍔部の外面又は上縁部と複数のツメ部材の把持面との間に所定の隙間を形成し、
(C) 前記隙間の範囲でワークが自由に水平移動できる状態で、ワーク下端が被設置部材に対し所定の高さに達するまで、把持機構を鉛直に下降させて、ワーク下端を被設置部材の嵌合部に組み付け、
(D) 次いで、複数のツメ部材を互いに連動して水平外方に駆動して、その間の鍔部を開放する、ことを特徴とするワーク設置方法が提供される。
前記ワークが設置される被設置部材が、前記ワーク下端と嵌合する嵌合部をその上端部に有し、該嵌合部には案内テーパ面が設けられており、
前記被設置部材に組み付けられたワークを持ち上げるワーク持ち上げ方法であって、
(A) 複数のツメ部材を互いに連動して水平外方に駆動して、鍔部の外面と複数のツメ部材の把持面との間に所定の隙間を形成し、
複数のツメ部材をワークが設置された被設置部材の上方まで3次元的に移動し、
(B) 被設置部材に対し所定の高さに達するまで、把持機構を鉛直に下降させて、複数のツメ部材を鍔部の外側に位置決めし、
(C) 次いで、複数のツメ部材を互いに連動して水平内方に駆動して、鍔部の外面又は上縁部と複数のツメ部材の把持面との間に所定の隙間を形成し、該隙間の範囲でワークが自由に水平移動かつ鉛直移動できる状態とし、
(D) ワーク下端が被設置部材に対し所定の高さに達するまで、把持機構を鉛直に上降させて、ワークの鍔部の下面を複数のツメ部材の水平な支持面で支持したまま、ワーク下端を被設置部材の嵌合部から持ち上げる、ことを特徴とするワーク持ち上げ方法が提供される。
特にワークを高速搬送するときは、ツメ部材を閉じてワークを確実に把持することができる。
すなわち、ワークの重量を支持する水平面と、鍔部の外面又は上縁部を把持する把持面を持つ複数のツメ部材でワークを把持し、ワークを被設置部材(例えば置き治具)に設置するときにはツメ部材を少し緩めることで、ツメ部材の間でワークの「遊び」を作ることができる。
またこの図において、6は制御装置であり、指令信号によりロボット4を3次元的に数値制御し、把持機構5を3次元的に移動するようになっている。
本体1aは、鉛直な軸線Z−Zを有する。また、鍔部1bは、ワーク下端1dより上方に設けられ、その下面1cが水平に構成されている。鍔部1bのワーク下端1dからの位置は、後述するツメ部材12の作動に支障のないように設定するのがよい。
なおこの例において、本体1aは円筒形または中空円筒形であり、鍔部1bはリング状である。
この例において、被設置部材2は円筒形であり、嵌合部2aは円筒面であり、案内テーパ面2bは接頭円錐面である。
なお嵌合部2aがワーク下端1dの中空孔と嵌合する場合、嵌合部2aをピン形状としてもよい。
なお、ツメ部材12は、ワーク1の軸線Z−Zに対して対称(水平)に移動できる限りで、3以上であってもよい。
なお、開閉アクチュエータ14は、ツメ部材12の開閉位置を数値制御できることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、開閉位置を3段階(閉、開、中間)に変化できる機構であればよい。
支持面12aは水平であり、鍔部1bの水平な下面1cを支持する機能を有する。
把持面12b,12cは、鉛直面12bとテーパ面12cからなり、鍔部1bの外面又は上縁部を把持する機能を有する。
後述の例において、鉛直面12bとテーパ面12cは、平面視において、V字状に開いている。すなわち、鉛直面12bは、鍔部1bの外面と当接する鉛直V字面であり、テーパ面12cは、鍔部1bの上縁部と当接するテーパV字面である。
以下、この図を参照して、本発明のワーク設置方法を説明する。
なおワーク設置装置10は、上述した把持機構5の下部に取り付けられ、制御装置6により、一定の姿勢を保持する。ここで「一定の姿勢」とは、ワーク1の軸線Z−Zに対して、ツメ部材12が対称(水平)に移動する姿勢を意味する。
なお、図示しない支持台からのワークの搬送動作中は、ワーク1の軸線Z−Zを鉛直以外に傾けてもよい。
ここで「所定の隙間」は、案内テーパ2bの内側まで搬送されたワーク1の下面1dが、被設置部材2の嵌合部2aに嵌合するために要する水平移動距離よりも大きい必要がある。すなわち、所定の隙間は、例えばこの水平移動距離の最大値である案内テーパ2bの最大半径と最小半径の差に設定するのがよい。
ここで「所定の高さ」とは、ワーク1を被設置部材2に正確に組み付けた際に、ワーク下端1dが位置する高さをいう。すなわち、ワーク下端1dが被設置部材2に対し所定の高さに達した状態において、ワーク1は被設置部材2に正確に組み付けられている。
複数のツメ部材12をワーク1が設置された被設置部材2の上方まで3次元的に移動し、
(B) 被設置部材2に対し所定の高さに達するまで、把持機構を鉛直に下降させて、複数のツメ部材12を鍔部1bの外側に位置決めし、
(C) 次いで、複数のツメ部材12を互いに連動して水平内方に駆動して、鍔部1bの外面又は上縁部と複数のツメ部材12の把持面との間に所定の隙間を形成し、該隙間の範囲でワーク1が自由に水平移動かつ鉛直移動できる状態とし、
(D) ワーク下端が被設置部材に対し所定の高さに達するまで、把持機構を鉛直に上降させて、ワーク1の鍔部1bの下面を複数のツメ部材12の水平な支持面で支持したまま、ワーク下端を被設置部材の嵌合部から持ち上げる、ことによりワークの持ち上げ動作を行うことができる。
この例において、鉛直面12bとテーパ面12cは、平面視において、V字状に開いている。すなわち、鉛直面12bは、鍔部1bの外面と当接する鉛直V字面であり、テーパ面12cは、鍔部1bの上縁部と当接するテーパV字面である。
V字状の開き角度θは、この例では80°である。また、テーパV字面12cの上向き角度αは、この例では30°である。なお、開き角度θと上向き角度αは、この例に限定されず、ワーク1を正しい姿勢で把持できる限りで任意に設定することができる。
また、この例のように、テーパ面12c(テーパV字面)を用いることにより、上述した設置中(C)において、嵌め合い抵抗が大きい場合でも、テーパ面12cが鍔部1bの上縁部と当接して、鍔部1bがツメ部材12から抜け出るのを防ぐことができる。
この例では、上述したテーパ面12cはなく、鉛直面12bのみが、平面視において、V字状に開いている。すなわち、鉛直面12bは、鍔部1bの外面と当接する鉛直V字面である。V字状の開き角度θは、この例では80°であるが、開き角度θは、この例に限定されず、ワーク1を正しい姿勢で把持できる限りで任意に設定することができる。
その他の構成は、図5と同様である。
この構成により、設置中(C)における嵌め合い抵抗が小さい場合に、ツメ部材12の加工を容易にすることができる。
特にワーク1を高速搬送するときは、ツメ部材12を閉じてワーク1を確実に把持することができる。
すなわち、ワーク1の重量を支持する水平面12aと、鍔部1bの外面又は上縁部を把持する把持面12b,12cを持つ複数のツメ部材12でワーク1を把持し、ワーク1を被設置部材2(例えば置き治具)に設置するときにはツメ部材12を少し緩めることで、ツメ部材12の間でワーク1の「遊び」を作ることができる。
2 置き治具(被設置部材)、2a 嵌合部、2b 案内テーパ面、
3 テーブル、4 ロボット、5 把持機構(ロボットハンド)、6 制御装置、
10 ワーク設置装置、11 本体、12 ツメ部材、
12a 支持面、12b,12c 把持面
12b 鉛直面(鉛直V字面)、12c テーパ面(テーパV字面)、
14 開閉アクチュエータ
Claims (4)
- ワークが鉛直な軸線とワーク下端より上方に下面が水平な鍔部とを有し、
前記ワークが設置される被設置部材が、前記ワーク下端と嵌合する嵌合部をその上端部に有し、該嵌合部には案内テーパ面が設けられており、
前記ワークを被設置部材まで搬送して被設置部材に設置するワーク設置装置を備えた搬送ロボットであって、
3次元的に移動可能な把持機構に取り付けられ、水平方向に移動可能であり、その間にワークの前記鍔部を開放可能に把持可能な複数のツメ部材と、
該複数のツメ部材を互いに連動して水平反対方向に駆動する開閉アクチュエータとを備え、
前記ツメ部材は、鍔部の前記水平下面を支持する水平な支持面と、鍔部の外面又は上縁部を把持する把持面とを有し、
さらに、前記把持機構を3次元的に移動するロボットと、指令信号によりロボットを3次元的に数値制御する制御装置とを備え、ロボットは、制御装置からの指令信号により、
(A) ワークの鍔部の下面を複数のツメ部材の水平な支持面で支持し、かつワークの鍔部の外面又は上縁部を複数のツメ部材の把持面で把持して、ワークを3次元的に移動し、ワークの下面を被設置部材の嵌合部の案内テーパ内まで搬送し、
(B) ワークの鍔部の下面を複数のツメ部材の水平な支持面で支持したまま、複数のツメ部材を互いに連動して水平外方に駆動して、鍔部の外面又は上縁部と複数のツメ部材の把持面との間に所定の隙間を形成し、
(C) 前記隙間の範囲でワークが自由に水平移動かつ鉛直移動できる状態で、ワーク下端が被設置部材に対し所定の高さに達するまで、把持機構を鉛直に下降させて、ワーク下端を被設置部材の嵌合部に組み付け、
(D) 次いで、複数のツメ部材を互いに連動して水平外方に駆動して、その間の鍔部を開放する、ことを特徴とするワーク設置装置を備えた搬送ロボット。 - 前記ツメ部材の把持面は、前記鍔部の外面と当接する鉛直面又は鍔部の上縁部と当接するテーパ面である、ことを特徴とする請求項1に記載のワーク設置装置を備えた搬送ロボット。
- ワークが鉛直な軸線とワーク下端より上方に下面が水平な鍔部とを有し、
前記ワークが設置される被設置部材が、前記ワーク下端と嵌合する嵌合部をその上端部に有し、該嵌合部には案内テーパ面が設けられており、
前記ワークを被設置部材まで搬送して被設置部材に設置するワーク設置方法であって、
(A) ワークの鍔部の下面を複数のツメ部材の水平な支持面で支持し、かつワークの鍔部の外面又は上縁部を複数のツメ部材の把持面で把持して、ワークを3次元的に移動し、ワークの下面を被設置部材の嵌合部の案内テーパ内まで搬送し、
(B) ワークの鍔部の下面を複数のツメ部材の水平な支持面で支持したまま、複数のツメ部材を互いに連動して水平外方に駆動して、鍔部の外面又は上縁部と複数のツメ部材の把持面との間に所定の隙間を形成し、
(C) 前記隙間の範囲でワークが自由に水平移動かつ鉛直移動できる状態で、ワーク下端が被設置部材に対し所定の高さに達するまで、把持機構を鉛直に下降させて、ワーク下端を被設置部材の嵌合部に組み付け、
(D) 次いで、複数のツメ部材を互いに連動して水平外方に駆動して、その間の鍔部を開放する、ことを特徴とするワーク設置方法。 - ワークが鉛直な軸線とワーク下端より上方に下面が水平な鍔部とを有し、
前記ワークが設置される被設置部材が、前記ワーク下端と嵌合する嵌合部をその上端部に有し、該嵌合部には案内テーパ面が設けられており、
前記被設置部材に組み付けられたワークを持ち上げるワーク持ち上げ方法であって、
(A) 複数のツメ部材を互いに連動して水平外方に駆動して、鍔部の外面と複数のツメ部材の把持面との間に所定の隙間を形成し、
複数のツメ部材をワークが設置された被設置部材の上方まで3次元的に移動し、
(B) 被設置部材に対し所定の高さに達するまで、把持機構を鉛直に下降させて、複数のツメ部材を鍔部の外側に位置決めし、
(C) 次いで、複数のツメ部材を互いに連動して水平内方に駆動して、鍔部の外面又は上縁部と複数のツメ部材の把持面との間に所定の隙間を形成し、該隙間の範囲でワークが自由に水平移動かつ鉛直移動できる状態とし、
(D) ワーク下端が被設置部材に対し所定の高さに達するまで、把持機構を鉛直に上降させて、ワークの鍔部の下面を複数のツメ部材の水平な支持面で支持したまま、ワーク下端を被設置部材の嵌合部から持ち上げる、ことを特徴とするワーク持ち上げ方法。
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JP2009045745A JP5365989B2 (ja) | 2009-02-27 | 2009-02-27 | ワーク設置装置を備えた搬送ロボットと設置方法及び持ち上げ方法 |
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