JP5363477B2 - 強制的に切り離し出来る少なくとも一つの引っ張りフックを有する使い捨て注射器 - Google Patents

Description

本発明は、その中又はその上に−各々少なくともあるエリアで−少なくとも一つの機械的なバネエネルギー貯蔵部、少なくとも時々、有効成分が充填できる少なくとも一つのシリンダー−ピストンユニット、少なくとも一つのピストン−作動プランジャー、及び少なくとも一つの作動ユニットが配置されている筐体を有する使い捨て注射器であって、ここでバネエネルギー貯蔵部が少なくとも一つの事前に応力をかけられた、バネエレメントを含み、そしてここで、ピストン−作動プランジャーの少なくとも一部が、シリンダー−ピストンユニットのバネエネルギー貯蔵部とピストンの間に置かれている使い捨て注射器に関する。

特許文献１は、とりわけ、その後方プランジャー棒がその自由端で弾性引っ張りフックを有するバネで事前に応力をかけられたピストン−作動プランジャーを有するような注射器を開示している。引っ張りフックは、注射器筐体の一端上でピストン−作動プランジャーを積極的にしっかりと保持している。このために、それらは筐体上で最小の担持表面のみを有する。注射器を作動させるために、引っ張りフックは、それらを保持する端から離れるよう押される。その結果、バネで事前に応力をかけられたピストン−作動プランジャーは注射を完了するために前進する。
特許文献２は、その筐体上に使用の都度、新しいシリンダー−ピストンユニットが挿入される再使用可能な注射器を開示している。この目的のために、再使用可能な注射器が事実上完全に解体され、そして使用の都度、再組み立てされる。ピストン−作動プランジャーを作動するバネを保持するために、二つの互いに向かい合った引っ張りフックが、注射器の筐体上に各々の機械的旋回ジョイントを介して実装される。二つの旋回ジョイントは、筐体の外側上に配置される。
特許文献３は、高度に複雑で、多部品からなる再使用可能な注射器を開示している。それは、複数の指を有するリングを用いて筐体上に支持されている、張力をかけられたピストン−作動プランジャーを有する。この支持は、他の、分離した筐体部分の相互結合を用いて起こる。

ＤＥ３６４４９８４Ａ１ ＵＳ３，５５７，７８４ ＵＳ２００６／０１２９０８９Ａ１

従って、本発明の目的は、最小の構造的サイズのための数個の部品のみを有し、そして容易な取扱いで確実な実装と機能を保証するモジュラー型の使い捨て注射器を開発することである。

この課題はメインクレームの特徴によって解決される。このために、筐体は、各々その自由端の領域において少なくとも一つの支持面を持つ少なくとも一つの引っ張りフックを有する。ピストン−作動プランジャーは支持面上に置かれている。引っ張りフックのロック位置は、そのロックされた位置に置かれた作動エレメントによってしっかりと固定されている。作動エレメントは、ピストン−作動プランジャーが解放された時に、引っ張りフックの横方向の後退を起こさせる作動位置を有する。

本明細書で、本発明は、例えば、そのピストン−作動プランジャーが使い捨て注射器の引き金手順を用いて開放される針無しの使い捨て注射器を供する。この目的のために、バネエネルギー貯蔵部に事前に応力をかけそして保持するために、ピストン−作動プランジャーが、筐体上に配列された又は筐体中に一体化された少なくとも一つの引っ張りフックによって積極的に保持される。引っ張りフック又は引っ張りフック類は、使い捨て注射器がそれらのロックされた位置において使用されるまで、作動エレメントによって保持される。注射器を始動させるために、引っ張りフック又は引っ張りフック類は、ピストン−作動プランジャーがバネエネルギー貯蔵部の作用下で、使い捨て注射器の中心線に対して少なくともほぼ平行に動くことが出来るように開放される。

本発明の更なる詳細が、従属クレーム及び模式的に示された実施態様の以下の記述から示されるであろう。

二つの積極的に切り離し出来る引っ張りフックを有する使い捨て注射器を示す。 図１に関するものであるが、ロックが解除されたそして作動された状態である。 図２に関するものであるが、薬が放出された後の状態である。 保持エレメントの近傍における、図１におけるような断面を示す。 ロックされた位置において変形された二つの引っ張りフックを有する使い捨て注射器を示す。 図５に関するものであるが、ロックが解除され、そして作動された状態である。 図５におけるような、使い捨て注射器の半分の筐体の内部図を示す。 図７の側面図を示す。 作動位置において変形された二つの引っ張りフックを有する使い捨て注射器を示す。 保持エレメントの近傍における、図９におけるような断面を示す。 ピストン−作動プランジャーを通した部分的縦方向の図である。 ピストン−作動プランジャーの部分図である（仮想状態）。 図９に関するものであるが、ロックが解除されたそして作動された状態である。 図１３に関するものであるが、医薬が放出された後の状態である。

図１から４は、永久的に荷重されたバネエネルギー貯蔵部を有する使い捨て注射器タイプの簡略化された原理を示す。示された使い捨て注射器は、筐体（１０）、例えば注射溶液を事前に充填されたシリンダー−ピストンユニット（１００）、ピストン−作動プランジャー（６０）及びバネエネルギー貯蔵部としてのねじ式の圧縮バネ（５０）を含む。また、作動エレメント（８２）及び保持エレメント（９０）が筐体（１０）の上に配置される。

筐体（１０）は、底で開放された、そして高い床（３９）を有するポット形状の空洞体である。筐体（１０）は、図２におけるように、例えば、中間領域であるジャケット領域（３１）における二つの向い合った窓状の開口部（３３）を有する。各々の場合において、開口部（３３）の各上方端上で各々連接した状態で引っ張りフック（２１）がある。両方の引っ張りフック（２１）は、その事前に応力をかけられた位置において、そのプランジャーディスク（７３）上でピストン−作動プランジャー（６０）を保持する。この目的のために、引っ張りフック（２１）は、それらの比較的に大きな支持面（２３）を用いて、プランジャーディスク（７３）の下方前端（７４）を包囲する。支持面（２３）及び対応する前端面（７４）の間の各接触面のサイズは、１０から２０ｍ²に範囲にある。

内面（２６）は、各々の場合、中心線（５）を用いて並んでいる支持面（２３）と隣接する。本明細書で、後者は、やはり球状に曲げることの出来る切頭円錐形又は円錐面（２５）内に合流する。

中心線（５）からそらされた側で、各引っ張りフック（２１）は、接触面（２４）を有する。

筐体（１０）の下方領域に設置された状態で、保持エレメント（９５）を巻き取るための管状溝（３８）がある。筐体（１０）の下方領域に、シリンダー−ピストンユニットを締め付けるための保持具がある。

本実施態様において、シリンダー−ピストンユニット（１００）は、後方の位置にピストン（１１１）がある注射溶液（１）を充填されたシリンダー（１０１）を含む。筐体（１０）中のピストン（１１１）の上方に、ピストン−作動プランジャー（６０）が、例えば、それがピストンに接触しないものの、シリンダー（１０１）の上方領域におけるそのより下方端によって横向きに誘導されるように配置される。

図１によると、筐体（１０）がスリーブ状の作動エレメント（８２）によって環状溝（３８）の下に取り囲まれる。筐体（１０）の半径方向の外側面（１３）上で長さ方向に動くために作動エレメント（８２）が実装される。それは、図４のように、フックの端（２２）のレベルで、下方領域において円周の広くなった領域（８３）を有する。引っ張りフック（２１）毎の、回転しない対称的な作動エレメント（８２）の場合には、この広くなった領域（８３）の代わりに、部分的に広くなった領域又は覆われていない開口部も存在できる。

筐体（１０）に関して、広くなった領域（８３）が、作動操作の間後退する外側に突き出た引っ張りフック（２１）を巻き取ることができるように、正確に置かれて寸法取りされる。広くなった領域（８３）の内部輪郭は、本明細書では注射器の中心線（５）に垂直な平面を表す戻り側面（８４）を有する溝である。例えば作動エレメント（８２）のシリンダー状の内壁と戻り側面（８４）の間の移行は、例えば鋭端（８５）として構成される。

戻り側面（８４）と向かい合って、図１から３によると、少なくともある区域で引っ張りフック端を包囲する解放端（８７）を有する解放側面（８６）がある。図１において、解放端（８７）は引っ張りフック（２１）と接触しない。本明細書において、解放端（８７）を支える、スリーブ状の作動エレメント（８２）の壁も、同様に筐体（１０）の外壁（１３）の上を滑る。

図１によると、引っ張りフック（２１）は、作動エレメント（８２）の内壁（８９）上のそれらの最も外側の接触面（２４）でと確実に横たわる。図２及び３において、解放端（８７）は引っ張りフック（２１）の切頭円錐形又は円錐側面（２５）と接触する。

筐体（１０）中に配列されたピストン−作動プランジャー（６０）は、本明細書において、二つの領域に分けられる。下方領域はピストン・スライド（７６）である。その直径は、シリンダー−ピストンユニット（１００）のシリンダー（１０１）の内径よりも僅かに小さい。ピストン・スライド（７６）の下方前端は直接ピストン（１１１）上に作用する。

上方領域のプランジャー・ディスク（７３）は、その外径が、ジャケット領域（３１）における筐体（１０）の内径よりも十分の数ミリメーター小さい、少なくともあるエリアにおいてシリンダー状の平らなディスクである。

ピストン・スライド（７６）も勿論、プランジャー・ディスク（７３）から分離された分離部品として設計できる。この目的のために、それは筐体（１０）の内壁上に設置される。

ねじ式の圧縮バネ（５０）は、筐体（１０）のプランジャー・ディスク（７３）及び上にある床（３９）の間に事前に応力をかけられた状態である。

図１の如く、作動エレメント（８２）は、管状溝（３８）中にある保持エレメント（９５）上に支えられている。保持エレメント（９５）は、例えば、筐体（１０）の管状溝（３８）を角度にして約１２０度の角度で弾性的に取り囲む弾力のあるオメガ形ベイル（bail）である。図１及び４におけるように、それは左側上に、それを介して、ロック解除のためにそれが横方向に除去できるハンドル（９８）を有する。

使い捨て注射器を起動させるために−ノズル密封の除去後−保持エレメント（９５）が最初に側方へ引っ張られる。次に、握り締めた手を用いて作動エレメント（８２）が握られ、そして使い捨て注射器は注射部位に置かれる。この時点で、親指は使い捨て注射器の後端に位置する。それは、筐体（１０）の床（３９）上に位置する。直ぐに解放するために、使い捨て注射器を保持している手の親指が床（３９）に抗して押し付けられる。この手順を用いて、作動エレメント（８２）が筐体（１０）の外壁（１３）上の後へ、従って注射部位から離れて滑る。引っ張りフック（２１）の接触面（２４）は、端（８５）に亘って外れ、そしてそうすることでロックが解除される。同時に又は少し後で、解放端（８７）は切頭体円錐面（２５）と接触する。作動エレメント（８２）の上方への動きによって、図２におけるように、解放端（８７）は各々の引っ張りフック（２１）を切頭体円錐面（２５）に亘ってほとんど半径方向に外側へ押す。作動エレメント（８２）の解放端（８７）及び個々の引っ張りフック（２１）の切頭体円錐面（２５）は、共に各々のポジティブ（positive）なスプラインギアを形成する。

引っ張りフック端は広くなった領域（８３）内にそれ、そしてその過程で、プランジャーディスク（７３）を解放する。この時点で、ピストン−作動プランジャー（６０）は、図３におけるように、妨害されない状態で下方に発射できる。シリンダー（１０１）は空になる。

図５から８は、図１から４において記述されている原理の実施態様を示す。本明細書において、負荷を支える部品は二つの部分からなる筐体（１０）である。

それは、二つの例えば、その組立てジョイントが中心線（５）上に横たわる平面中に横たわる全く同一のハーフシェル（１１、１２）から作られる。両方のハーフシェルは、例えば、射出成形によるガラス繊維強化ポリアミドで作られる。図７及び８におけるように、組立て区域において、各ハーフシェルは少なくとも一つの隆起したリンク（１８）及び例えば４つのトラニオン（１９）を有する。両部品が互いに接合された後、ハーフシェル（１１）のトラニオン（trunnion）（１９）及びリンク（１８）は、他のハーフシェル（１２）の対応する窪みにおいて係合する。

実装された筐体（１０）は広範囲に管状の形を有し、そして３つの機能区域（１６、３１、４１）に分割される。図５及び６におけるように、上方区域は解放区域（１６）である。ジャケット領域（３１）はそこに取り付けられる。両区域の間に配列された状態で、擬似床（３２）がある。擬似床（３２）は中央窪み（３４）を有する。

閉じられた床（３９）は、擬似床（３２）の上方の解放領域（１６）中に設置される。両方の床（３２、３９）の間で、筐体（１０）の外壁は二つの外周リンク（３７）を有する。リンク（３７）の間に横たわる管状溝（３８）は、図５におけるように、保持エレメント（９５）を受ける働きをする。

各ハーフシェル（１１、１２）のジャケット領域（３１）において、７及び８におけるのと同様に、形成された引っ張りフック（２１）がある。引っ張りフック（２１）用の形成部位は擬似床（３２）の丁度下にあり、そこで筐体（１０）が外周支持リンク（３６）を有する。

各引っ張りフック（２１）を形成するために、ジャケットセクション（３１）中に、狭くて、少なくともほぼＵ字形の隙間が設置されている。引っ張りフック（２１）の長さの約８０％に対応する、引っ張りフック（２１）の上方領域は、肉厚及び曲率に関して、筐体（１０）の壁に対応する。この領域はバネ付きの弾性屈折ビーム（２２）としての機能を果たし、そして鎌形状の断面を有する

もし必要ならば、この屈折ビーム（２２）の部分にも、屈折ビーム端領域における使用から生じる曲げ応力を減じるために矩形の断面を備えることができる。図７及び８において、引っ張りフック（２１）は非変形状態で示されている。

本明細書において、個々の引っ張りフック（２１）の下方自由端は、少なくとも三つの機能表面（２３、２４、２５）を有するフックとして設計されている。フックのために周りを包むことの出来る表面は、使い捨て注射器が応力をかけられた時に、その上にピストン−作動プランジャー（６０）がその下方前端（７４）を介して置かれている支持面（２３）を形成する。もし必要ならば、少なくとも支持面（２３）の近傍において、引っ張りフック（２１）はセラミック製の外装を有する。

引っ張りフック（２１）の下方に向いた面はいわゆる切頭体円錐面（２５）である。共に変形した引っ張りフック（２１）の切頭体円錐面（２５）は、図５におけるように、その先端がプランジャーディスク（７３）の領域における中心線（５）上に横たわる円錐の外皮のセクションである。本明細書において、円錐の想像上の包みは例えば、角度にして１２０度の円錐角を有する。

切頭体円錐面（２５）に取り付けられた状態で、半径方向に外側へ並んだ接触面（２４）がある。図６及び８によると、接触面（２４）は、筐体（１０）の外壁に亘って半径方向に外側に向かう屈折ビームの肉厚の例えば１．６倍だけ突き出る。

図７におけるように、引っ張りフック（２１）の下方端は例えば二つのノッチを有する。

組込み可能なシリンダー−ピストンユニット（１００）を巻き取るための固定領域（４１）がジャケットセクション（３１）の下側に設置される。固定領域（４１）はバヨネットソケットの部分である。この目的のために、図７におけるように、二つ又はそれ以上の角のある溝（４２）がその内壁上に配置される。溝（４２）は、筐体の下方前面（１７）から上方に垂直に通じ、そして数ミリメーターの後、各々、短い水平な溝部分内に合流する。適切ならば、横方向の溝エリアが半径方向に連続な凹部を形成する。

図５におけるように、シリンダー（１０１）は、例えば、二つ又はそれ以上のバヨネット捕捉部（４４）を介して、固定領域（４１）において、設定されそして固定される。バヨネットソケットの解放、従って、シリンダー（１０１）の除去を防ぐ一つ又はそれ以上のラッチエレメントが、必要ならば水平な溝セクション中に又は少なくともバヨネット捕捉部（４４）の部分上に設置される。

シリンダー（１０１）は、例えば厚肉のポットである。例えば、シリンダー（１０１）のシリンダー状の穴中に、棒無しピストン（１１１）がある。その少なくともほぼ切頭円錐形の前端上で、ピストン（１１１）は、密封リング（１１４）又は永久的に弾性の密封物体を受けるための軸環状溝（１１２）を有する。例えばシリンダー状の金属板（１１６）が、ピストン（１１１）の後部前端内にセットされる。

そのシリンダーの床が、前ピストンの前面の輪郭と少なくともほぼ一致するシリンダー（１０１）の穴の中心に設置された状態で、短いシリンダー状のノズル状の穴（１０６）がある。その直径は約０．１から０．５ミリメーターである。この穴（１０６）は、その直径の１から５倍長い。それは、シリンダー（１０１）の床側の外前端（１０３）のシリンダー状凹部（１０７）で終わる。

バネエネルギー貯蔵部（５０）又は各々使い捨て注射器の駆動ユニットは、ピストン（１１１）及び擬似床（３２）の間に配列される。バネエネルギー貯蔵部（５０）は、プランジャーディスク（７３）を用いてピストン−作動プランジャー（６０）上に配列された、ねじ式の圧縮バネである。弾性的に応力をかけられたピストン−作動プランジャー（６０）は、筐体（１０）の引っ張りフック（２１）上に、プランジャーディスク（７３）を用いて支持されている。

プランジャー・ディスク（７３）の上方で、ピストン−作動プランジャー（６０）は、ねじ型圧縮バネ（５０）を誘導するパイロットピン（６２）を有する。パイロットピン（６２）の延長部のプランジャー・ディスク（７３）の下方の中央に設置された状態で、使い捨て注射器が作動された時にピストン（１１１）上で作用するピストン・スライド（７６）がある。

筐体（１０）及びシリンダー−ピストンユニット（１００）を部分的に取り囲む作動エレメント（８２）は、本明細書において、解放スリーブと同様である。例えばＡＢＳ製の回転対称の解放スリーブ（８２）は、三つの領域、挿入領域（５７）、中間領域（５８）及び広げられた領域（５９）を有する。中間領域（５８）は、少なくともほぼシリンダー状のパイプであることが出来る。本実施態様において、それは、図５におけるように、それらの幾何学的な中間部から上方及び下方に広がる二つの殆ど同じ長さの切頭円錐状のパイプセクションを含む。各々の円錐角は約２度の角度である。

図５において、漏斗型の広がった挿入領域（５７）は、頂部で中間領域（５８）に接合し、そして角度にして１００から１１０度の円錐角を有する。挿入領域（５７）の最大直径は、引っ張りフック（２１）の下方端の領域において実装された筐体（１０）の最大外形よりも大きい。

広げられた領域（５９）は、底部で中間領域と境を接する。それは、その断面が連続して下側に大きくなる僅かに切頭円錐状のパイプセクションと同様である。その円錐角は約２度の角度である。中間領域（５８）と広げられた領域（５９）の間に設置された状態で、移行区域がある。この点で広げられた領域（５９）が、隣接する中間領域（５８）の外形よりも約２つの解放スリーブ壁の肉厚だけ大きい直径を有する故に、移行区域はそこで肩を形成する。

広くなった領域（８３）の下方端は、その中で例えばポリカーボネート（ＰＣ）又はポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）から作られるスプリッター保護パイプ（９０）が接着され又は溶接されて座する逆さまの溝（８８）を有する。シリンダー−ピストンユニット（１００）の大部分を取り囲む透明なスプリッター保護パイプ（９０）は、その内壁が筐体（１０）の外壁と空隙を持って接触する程度に少なくともほぼ漏斗状に、筐体（１０）に対してテーパーになっている。本明細書で、この区域中に横たわるスプリッター保護部（９０）の上方に通じる端は、解放側面（８６）に取り付けられる管状外周解放端（８７）である。解放端（８７）の下側で、解放側面（８６）は角度にして６０度未満の円錐角を有する。図６は、保持エレメント（９５）を持たない、従ってロックが解除されて隆起された作動エレメント（８２）を有する使い捨て注射器を示す。

筐体（１０）を押し下げるように設計もできる作動エレメント（８２）を隆起させることによって、図５におけるように、接触面（２４）は戻り側面（８４）に沿って外側に滑る。引っ張りフック（２１）の外側への曲げが、フック側の切頭体円錐面（２５）が端（８５）、従ってスプリッター保護部（９０）の上方端に沿って強制的に滑空するとすぐに実行される。この時点でもはや変形されない引っ張りフック（２１）は、ピストン（１１１）がシリンダー（１０１）に突然押し戻されるように、ここでピストン−作動プランジャーを解放する。

図１１から１４は、引っ張りフック注射器に対する更なる強制的ロック解除を示す。本明細書において、引っ張りフック（２１）は、作動ユニット（８０）中に統合された伸張可能なギアを用いてピストン−作動プランジャー（６０）によって外側へ突き出される。

このために、注射器は特別なピストン−作動プランジャー（６０）を有する。ピストンスライド（７６）の上方で、それは、少なくともある区域において、中空に設計される。それは、その中間線が例えば中心線（５）と同じ広がりで一致する中央穴（６２）を有する。プランジャー・ディスク（７３）中の穴（６２）は、図１２におけるように、二つの対向する、例えば、半径方向の開口部（６４）を有する凹部（６３）中で終わる。プランジャー・ディスク（７３）の領域において、ピストン−作動プランジャー（６０）は、例えば製造上の理由で細分割される。ピストンスライド（７６）は、それを用いて、図１１におけるように、それが例えばプランジャーディスク（７３）の対応する凹部（７２）において分離不能にスナップロックする二つのバーブ(barb)（７７）を有する。

開口部（６４）の近傍において、プランジャー・ディスク（７３）は、少なくともある区域において外周にある、そして通常は中心線（５）に対して直交して向いている襟面（７５）を有する。引っ張りフック（２１）は、この襟面（７５）上でそれらの支持面（２３）で支えられている。

分岐した圧縮棒（６５）は穴（６８）及び凹部（６３）中に挿入される。本明細書において、圧縮棒（６５）は、空隙を有した穴（６８）中に誘導されたシリンダー状シャフト（６６）を有する。シャフト（６６）の下方端上に連接した状態で、二つの振り子棒（６７）がある。振り子棒（６７）は、例えば矩形の断面を有する。シャフト（６６）及び振り子棒（６７）の間のリンクは、例えば、フィルムリンクである。必要ならば、振り子棒（６７）のみが一緒に結合され、そしてシャフトが別の部品を形成する。

図９によると、作動されていない注射器における圧縮棒（６５）の振り子棒（６７）は、二等辺三角形の等長の足を形成する。振り子棒（６７）の自由端は、図１４におけるように、引っ張りフック（２１）の各内面（２６）を支える。

圧縮棒（６５）の上方の自由端は穴（６８）から上に突き出る。押しボタン（８１）はシャフト（６６）の自由端上のその床で支えられる。

原則的に、押しボタン（８１）は、床及びフラッシング（flashing）を含む缶の形を有する。下方領域における外側上で、それは少なくとも二つの半径方向に突き出ているカム（９１）を有する。カム（９１）は、図９におけるように押しボタン（８１）が設置されそしてしっかりと固定される時に、筐体（１０）の窪み（１４）中に係合する。

フラッシングは、押しボタン（８１）が起動された時に、筐体（１０）の擬似床（３２）に抗して停止するのに役立つ下方端、例えば平らな端（９２）を有する。作動されていない、そしてしっかりと固定された状態において、端（９２）は、保持エレメント（９５）のロッキングピン（９７）上に位置する。

保持エレメント（９５）は、図１０におけるように、ロッキングピン（９７）及び開いたバネ荷重リングを含み、後者をオメガバネ（９６）の形で支える。しっかりと固定された注射器上で、オメガバネ（９６）は、約２４０度の角度で外壁を取り囲む筐体（１０）の外壁上にある。ロッキングピン（９７）は、図９におけるように、筐体（１０）の穴（１５）に入り、そして筐体内部へ数ミリメーター突き出る。もし必要ならば、オメガバネ（９６）の少なくとも一つの自由端が紙又はフィルムの巻物を用いて密封される。

筐体（１０）と相対的にピストン−作動プランジャー（６０）を並べるために、回転防止部（３５）を用いてピストン−作動プランジャー（６０）の誘導溝（６１）内に擬似床（３２）が突き出る。回転防止のために、ピストン−作動プランジャー（６０）及び穴（３４）の断面は、矩形、卵状、楕円状などにも設計できる。

図１３におけるように、筐体（１０）の下側領域において、組込み可能なシリンダー−ピストンユニット（１００）を受取るための固定領域（４１）がある。固定領域（４１）は、各々の場合、内方向に並べられたフック先端（４７）中で終わる６つのバネフック（４６）を含む。フック先端（４７）は、フック厚みの全体に亘って、下方筐体前端に延びている面取り（４８）を有する。バネフック（４６）の長さ及び弾性率は、使い捨て注射器の機能のために要求される内部取り付け（５０，１００）が、バネフック（４６）の塑性変形無しで組込みできるように寸法取りされる。

本明細書では、シリンダー−ピストンユニット（１００）のシリンダー（１０１）は、場合によりそのシリンダー状の外壁が例えば５つの外周戻り止めリブ（１０２）を支える肉厚のポットである。戻り止めリブ（１０２）の合計は、その中で歯が付いた戻り止めリブ（１０２）の間の分割が等距離である断面、例えば鋸歯プロファイルを有する。戻り止めリブ（１０２）の最大直径は、固定領域（４１）における筐体（１０）の内径よりも僅かに小さい。隣接する戻り止めリブ（１０２）の間に位置する領域の直径は、フック先端（４７）の近傍における筐体（１０）の最小直径に対応する。

注射器を作動させるために、図９におけるように、保持エレメント（９５）の横方向への引き抜き、そして保護フィルム（１２０）の除去の後、押しボタン（８１）が押し下げられる。この時点で、振り子棒（６７）が図１３におけるように、−下方に動かされたシャフト（６６）によって押されて−、延伸位置内に滑る。振り子棒（６７）の自由端は、プランジャーディスク（７３）をもはや包囲しないように、引っ張りフック（２１）を弾性的に変形させる外側に押込む。

図１４におけるように、バネエレメント（５０）はこの時点で、ピストン−作動プランジャー（６０）を下へ突き出す。シリンダー−ピストンユニット（１００）を介した薬の放出によって注射手順が完了される。

先に述べられた変形例におけるように、その中でピストン−作動プランジャー（６０）が、少なくとも床又は擬似床（３２）の穴（３４）中に真っ直ぐに誘導される、そしてピストン−作動プランジャー（６０）が適切な曲げ強度を有する注射器を用いると、二つ又はそれより多くの引っ張りフック（２１）の代わりに、単一の引っ張りフック（２１）のみが使用できる。

これらの図において説明された変形例において、引っ張りフック（２１）及びプランジャーディスク（７３）の間の個々の接触ゾーンが、滑空できる状態で互いに接触する表面（２３）及び（７４、７５）として設計される。個々の引っ張りフック（２１）の各表面（２３）における特別な構成において、注射器がプランジャー・ディスクの表面（７４、７５）上で作動されたときに、ローラーベアリングとして転がり、そのために低い摩擦で転がるローラーが実装できる。

バネエレメント（５０）及び、必要な場合、入手可能なピストン板（１１６）を除いて、前に述べられた使い捨て注射器の全ての部分はプラスチック又はプラスチック状又はゴム状の材料で作られる。

１ 注射溶液；薬
５ 使い捨て注射器の中心線
６ （８２）の動きの作動方向、上方向の動き
８ ロックされた位置
９ 作動位置
１０ 筐体、一体物
１１ 第一ハーフシェル
１２ 第二ハーフシェル
１３ 外側面、シリンダー状
１４ 凹部、管状溝
１５ 穴
１６ 解放領域、頂部
１７ 下方筐体前端
１８ リンク
１９ トラニオン（trunnion）
２１ 引っ張りフック
２２ 屈折ビーム
２３ 支持面
２４ 接触面
２５ 切頭円錐形、円錐面
２６ 内面
２９ 後面
３１ ジャケット領域
３２ 擬似床
３３ 開口部
３４ 穴
３５ 回転防止部
３６ 支持リンク
３７ リンク、外側への旋回
３８（９５）のための管状溝
３９ 床
４１ シリンダー−ピストンユニットのための固定領域
４２ 溝、角度が付いた
４４ バヨネット捕捉部
４６ バネフック
４７ フック先端
４８ 面取り
５０ バネエレメント、ねじ式の圧縮バネ、バネエネルギー貯蔵部
５７ 挿入領域
５８ 中間領域
５９ 広げられた領域
６０ ピストン−作動プランジャー
６１ 誘導溝
６２ パイロットピン
６３ 凹部
６４ 開口部、半径方向
６５ 圧縮棒、分岐した
６６ シャフト
６７ 振り子棒
６８ 穴
７２ （７３）における凹部
７３ プランジャー・ディスク
７４ 前端、下方；前端面
７５ 襟面、前端面
７６ ピストンスライド
７７ （７６）上のバーブ
８０ 作動ユニット
８１ 押しボタン
８２ 作動エレメント
８３ 広くなった領域
８４ 戻り側面
８５ 端、鋭い端を有する
８６ 解放側面
８７ 解放端
８８ 逆さまの溝、筐体襟
８９ 内壁
９０ スプリッター保護パイプ
９１ カム
９２ 端、下方
９５ 保持エレメント
９６ オメガバネ
９７ ロッキングトラニオン、ロッキングピン
９８ ハンドル
１００ シリンダー−ピストンユニット
１０１ シリンダー
１０２ 戻り止めリブ、外側；外部溝ひだ
１０３ 前端
１０６ 穴、ノズル
１０７ 前端における凹部
１１１ ピストン
１１２ 管状溝
１１４ 密封リング、密封
１１６ 金属板、磁性又は磁化出来る
１２０ 保護フィルム、接着剤密封

Claims (4)

1. 少なくとも一つの機械的なバネエネルギー貯蔵部、有効成分を充填するための少なくとも一つのシリンダー−ピストンユニット（１００）、少なくとも一つのピストン−作動プランジャー（６０）、及び少なくとも一つの作動ユニット（８０）を含む、筐体（１０）を有する使い捨て注射器であって、ここでバネエネルギー貯蔵部（５０）が少なくとも一つの事前に応力をかけられた、バネエレメントを含み、そしてここで、ピストン−作動プランジャー（６０）の少なくとも一部が、シリンダー−ピストンユニット（１００）のバネエネルギー貯蔵部（５０）とピストン（１１１）の間に置かれ、
   −ここで筐体（１０）が、各々その自由端の領域において少なくとも一つの支持面（２３）を持つ少なくとも一つの引っ張りフック（２１）を有し、
   −ここでピストン−作動プランジャー（６０）が支持面（２３）上に静止し、
   −ここで作動ユニット（８０）が、ピストン−作動プランジャー（６０）の穴（６８）を通って延びるシャフト（６６）およびシャフト（６６）の端部にある少なくとも２つの振り子棒（６７）を含み、振り子棒（６７）の自由端が、引張フック（２１）の各内面（２６）を支え、そして
   −ここで作動ユニット（８０）が、ピストン−作動プランジャー（６０）が解除された時に、引っ張りフック（２１）の横方向外側への押出しを引起す作動位置を有する使い捨て注射器。
2. ピストン−作動プランジャー（６０）がマルチパートとして設計されることを特徴とする、請求項１記載の使い捨て注射器。
3. ピストン−作動プランジャー（６０）が、筐体（１０）中で回転しないように実装されることを特徴とする、請求項１記載の使い捨て注射器。
4. 筐体（１０）上及び／又は作動ユニット（８０）上に、保持エレメント（９５）が配置され、それによってピストン−作動プランジャー（６０）がロックされる位置（８）にしっかりと固定されることを特徴とする、請求項１記載の使い捨て注射器。

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