JP6437436B2 - 物質を媒体の中に投入するための試験デバイス - Google Patents

Description

本発明は、
− 閉じた端部および内部に配置されたノズルを有する、物質を受けるためのチャンバと、
− チャンバの開いた端部を閉じるためのピストンと、
− 作動デバイスと、
− 駆動装置と
を含む、物質を媒体の中に投入するための試験デバイスに関する。本発明はさらに、関連する試験方法、および試験方法を実施するための試験デバイスの使用に関する。

試験デバイスは、従来技術において記載されているデバイスに関係している。出願人は、物質を媒体の中に投入するための適切なデバイスについて、例えば特許文献１、特許文献２、特許文献３または特許文献４に記載している。

例えばサービス（ｓｅｒｖｉｃｅ）の関係では、物質を媒体の中に投入する点において、そうしたデバイスを試験することが強く求められる。試験によって、物質の媒体内への投入を最適化することが可能になる。デバイスは、その構成要素に関して、物質の媒体内への投入を最適化することができるように変更可能であることが重要である。

従来技術では、物質をデバイスから媒体の中に投入するための前記物質の適合性に関し、物質の物理的特性および化学的特性を用いて結論に達することができない。したがって、物質および試験デバイス内の構成要素の変化に関する系統的な試験が求められる。

ＤＥ１０２００８０６３５１９Ａ１ ＤＥ１０２００７００４２１１Ａ１ ＤＥ１０２００７０１８８６８Ａ１ ＤＥ１０２００７０３２４６４Ａ１

本発明の目的は、個々の構成要素を迅速かつ安全に交換することができるように、扱いやすく利用しやすい試験デバイスを使用可能にすることである。

本発明によれば、この目的は、請求項１に記載の試験デバイスを使用可能にすることによって達成される。

本発明の実施形態は、従属請求項に記載されており、以下に説明する。

以下の構成要素は、様々に互いに交換すること、および組み合わせることが可能であり、場合により、少なくとも１つの構成要素を変更することができる：

駆動装置：
・例えば出願人による特許出願ＤＥ１０２００８０６３５１９Ａ１、ＤＥ１０２００７００４２１１Ａ１、ＤＥ１０２００７０１８８６８Ａ１、またはＤＥ１０２００７０３２４６４Ａ１に記載されているばね式駆動装置（ｓｐｒｉｎｇ ｄｒｉｖｅ）。
・例えばＥＰ１１２５５９３Ｂ１、またはＥＰ１２４３２８１Ｂ１に記載されているガス式駆動装置。
・例えばＥＰ１２９２３４４Ｂ１に記載されている火工式駆動装置（ｐｙｒｏｔｅｃｈｎｉｃ ｄｒｉｖｅ）。

チャンバ：
・チャンバの前方の閉じた端部は、少なくとも１つのノズルを有し、多孔システム、すなわち、例えばＤＥ２０２００８０１７８１４Ｕ１のパラグラフ００５０に記載されている、きわめて多数のノズルが知られている。別法として、カニューレ部分をノズルの孔の中に嵌め込むこと、またはノズルの孔の代わりに、直接形成されたカニューレ、小さい針などを提供することができる。
・各出願に記載されている平坦な面（前述の「ばね式駆動装置」の項目参照）の代わりに、例えばＷＯ２００９／０９７９６６Ａ１、またはＤＥ１０２００４００７２５７Ａ１に記載されているように、チャンバの前方の閉じた端部が、湾曲した形状または他の３次元形状を有することもできる。
・チャンバの体積は、チャンバの様々な内径、したがって、チャンバの前方の閉じた端部の支持面の大きさを考慮して、０．１ｍｌから約２．０ｍｌまで変更することができる。
・さらに、チャンバの材料を変更することができる。例えば、チャンバは、プラスチック、ガラス、金属、セラミックなどで作ることができる。例えば物質の付着に影響を与えるために、チャンバの表面を処理することもできる。

ノズル：
・ノズルの直径は、０．１〜１．５ｍｍの間で変わり、例えばＤＥ１０２００５０５４６００Ａ１のパラグラフ００３０、ＤＥ１０２００６０４５９５９Ｂ３のパラグラフ００３０、またはＤＥ１０２００７０３１６３０Ｂ３のパラグラフ００５４に記載されている。
・ノズルの配置および向きは、例えばＤＥ２０２００８０１７８１４Ｕ１（パラグラフ００４３ｆｆ）に記載されているように、噴霧液が長手方向の軸に沿って方向付けられるように、また長手方向の軸からそれるようにも変更することができる。

ピストン：
・チャンバに受け入れられるピストンは、大きさおよび材料に関して様々でよい。同様に、ピストンのラムからの距離を選択することも可能である。ピストンの直径は、形状においても、長さおよび幅においても、チャンバの体積に適合させることができる。特に、ピストンのチャンバ壁に対する耐密性（ｔｉｇｈｔｎｅｓｓ）および摩擦は、自由に選択することができる。

ラムまたは作動デバイス：
・ラムの長さおよびセンタリング（ｃｅｎｔｅｒｉｎｇ）を変更し、ピストンの表面に適合させることができる。
（以下では、「変更可能な構成要素」、あるいは「１つまたはそれ以上の構成要素を変更することができる」。）

変更可能な構成要素を、通常の締結要素（例えば、ねじなど）によって互いに連結することができる。固定された構造要素は、図２でわかる。

試験過程をより適切に観察するために、用いられる材料を、透明な材料（例えば、ガラス、プラスチック）から製造することができる。例えば、ばね式駆動装置を受けるためのスリーブは、透明な材料で作ることができる（図３の２参照）。さらに、ピストンの過程を観察し、視覚的に評価することができるように、チャンバを透明にすることができる。

本発明による試験デバイスにより、有利には、選択された物質／媒体の組合せに応じて、例えば図４に特徴的に示す圧力／時間のグラフを決めることが可能になる。選択された試験デバイスの質的な適合性を様々な構成要素に応じて決定し、最適化することができるような他の重要なパラメータは、チャンバの圧力、ピストン／ラムの速度、加熱、安定性、出力速度、ピストンの変形、チャンバの耐密性などである。

本発明の文脈において、「物質」とは、１つまたはそれ以上の異なるまたは同一の化学化合物を意味する。物質は同様に、複数の物質を含むことができる。物質は、バイオシミラ（ｂｉｏｓｉｍｉｌａｒ）、人工の物質または自然のままの物質、無機化合物または有機化合物、純粋物質、天然物質、医薬、活性物質、ジェネリックなど、機能的に決められた物質とすることができる。さらに物質は、固体、液体、半固体、半液体とすることができ、適切であれば、溶液として存在することができる。さらに、物質は、例えばガレヌス製剤（ｇａｌｅｎｉｃａｌ ｆｏｒｍｕｌａｔｉｏｎ）に使用されるような、任意の所望の添加剤、および助剤または溶媒を含むことができる。

試験方法を実施するために、例えば物質を希釈系列として使用することができる。

さらに、より適切に視覚化するために、物質にカラーエンハンサまたは染料を加えることができる。

本発明の文脈において、「媒体」とは、特に自然のままの組織または人工的な組織、ゲル（超音波ゲル、シリコーンゲル）、ブタの皮など、任意の所望の弾力性または嵩を有する吸収性の媒体を意味する。

さらに、より適切に視覚化するために、媒体にカラーエンハンサまたは染料を加えることができる。しかしながら、物質が（１つまたはそれ以上の）ノズルから流出する速度、および／または流出する力を決定するために、「媒体」を、例えばセンサとすることも可能である。当業者には、圧力変換器などの適切な測定機器が知られている。

媒体内での物質の浸透深さおよび分布を視覚的に提示することができるように、媒体は透明であることが好ましい。特に媒体は、例えば好ましくは透明な材料（プラスチック、ガラスなど）で作られた容器によって、機械的に安定させることができる。

媒体は、試験方法の標準化が可能になるように、試験デバイスへの機械的な連結部を確立する取付具を含むことができる。当業者は、適切な取付具またはホルダを提供することができる。

変更可能な構成要素は、試験デバイス、ならびに媒体および／または取付具の有無にかかわらず、モジュール式システムまたはキットの形で使用可能にすることができる。

本発明はさらに、本発明による試験デバイスを用いて、物質を媒体の中に投入するための試験方法に関する。

したがって、本発明は、試験デバイスが（試験）物質で満たされ、媒体を用いて、変更可能な構成要素に応じて物質の媒体内への投入が調べられる試験方法に関する。

調べることによって、特に物質の媒体内への浸透深さ、および物質の媒体内での分布についても結論を与える結果が得られる。

好ましい実施形態において、本発明は、本発明による試験デバイスが物質で満たされ、物質が媒体の中に投入され、結果が読み取られる試験方法に関する。

他の実施形態において、読み取りは、視覚的にまたは写真によって行うことができ、またデータを記録することができる（例えば、コンピュータ、データベースなど）。データベースを設けることにより、比較によって調べることが可能になる。さらに、試験デバイスに通常の測定機器を取り付けることができる。

特に、本発明は、決定された結果を、変更可能な構成要素の交換、または物質の変更（例えば、交換、添加剤）によって最適化／改善し、適切であれば試験方法が繰り返される、反復的な試験方法に関する。

別法として、（電子的な）較正曲線によって、結果（例えば、決定される媒体内での浸透深さ）を最適化すること、または適合させることができる（例えば、媒体内での物質の分布）。

したがって、本発明は同様に、物質の特性（例えば、密度、粘性など）およびチャンバの特性（例えば、体積、（１つまたはそれ以上の）ノズルの形状、ノズルの直径、チャンバの材料（プラスチック、ガラス、金属、セラミックなど）、および表面）に従って、媒体内への浸透深さを調べる試験方法に関する。

本発明はさらに、媒体の中に投入する物質をスクリーニングするための、本発明による試験デバイスの使用に関する。特に、本発明は、物質の媒体内への投入をシミュレートするための、本発明による試験デバイスの使用に関する。スクリーニングまたはシミュレーションは、好ましくは本発明による試験方法を実施することによって行うことができる。

したがって、本発明の好ましい実施形態では、作動デバイスの下側端部のピストンの背面からの距離は、変更することができるように設けられるようにする。このために、例えば作動デバイスを、ホルダの中に保持し、また案内するようにする。圧力が加えられたばねを用いる駆動装置の場合には、ばねが作動デバイスに対して作用するため、例えばホルダに解放可能なフックが設けられ、その場合、フックは、トリガデバイスによるトリガリング（ｔｒｉｇｇｅｒｉｎｇ）を可能にするために、圧力が加えられたばねを自由にし、次いで、それによって作動デバイスを加速し、作動デバイスをピストンの上に動かす。

本発明の他の特徴および詳細を、特許請求の範囲、および概略図として示す本発明の例示的な実施形態に関する以下の説明において述べる。

個々の変更可能な構成要素を有する試験デバイスの正面図である。 個々の変更可能な構成要素を有する試験デバイスの正面図である。 少なくとも１つの測定機器１、ばね式駆動装置を受けるための透明なスリーブ２、媒体３、およびノズルを含む供給チャンバ４からなる、固定された試験デバイスの一例を示す図である。 試験デバイスを用いて試験を実施するための特徴的な時間／圧力のグラフである。

本発明による試験デバイス１は、図１でわかる。チャンバ４を受けるための第１の保持要素３が、背後の壁２から直角に突出する。チャンバ４は物質５を受け、物質５は、チャンバ４の閉じた端部７にあるノズル６を通って出て来ることができる。ノズル６は、チャンバ４の長手方向の軸８上にある。長手方向の軸８の延長部分では、チャンバ４の反対側の開いた端部９で、物質５にピストン１０が適用され、内部に物質があるチャンバ４を閉じる。

物質５をチャンバ４の外に運ぶためには、ピストン１０を長手方向の軸８に沿って、チャンバ４の開いた端部９から閉じた端部７まで動かさなければならない。このために、作動デバイス１１がピストン１０に作用し、ピストン１０を、ノズル６を有する閉じた端部７の方向に加速する。チャンバ４内にある物質５は、ノズル６を通してチャンバ４から押し出される。これを行うために必要な力は、作動デバイス１１の上側端部１３と直接接触する駆動装置１２によって供給され、一方、作動デバイス１１の下側端部１４は、ピストン１０の背面１５からある距離のところに位置する。作動デバイス１１の下側端部１４とピストン１０の背面１５との間の距離は、好ましくは光学的に測定される。

第１の実施形態では、駆動装置１２としてばね１６が提供される。ばね１６の座屈を防ぐために、ばね１６を囲むチューブ、または内側に配置された案内ピンを提供することが可能である。

駆動装置１２として、ばね１６の代わりに、火工式駆動装置（図示せず）またはガス式駆動装置（図示せず）を駆動ホルダ１７に導入することもできる。火工式駆動装置またはガス式駆動装置を用いる場合には、駆動装置１２のユニット全体を取り替えなければならない。

ばね１６を使用する時、トリガリングが行われる前に、選択されたばね１６のばね力を、スピンドルまたは行程調節手段の形のスラスト機構１７によって、ばね１６が決められた範囲まで圧縮されるように調節することが可能である。したがって、ばね１６は複数回用いることができ、ばね力は過程において調節される。

他の実施形態では、さらにばね定数（ｓｐｒｉｎｇ ｒａｔｅ）を調節することができる。これは、トリガリングが行われた後、他の駆動装置によってノズル６の方向に加速されるばね１６の上側端部によって行われる。このために、例えばスラスト機構１７は、ばね１６が完全に弛緩することができず、依然として力を受けるように、他の駆動デバイスによってチャンバ４の方向に下向きに加速される。

図２は、機構（ｆｅａｔｕｒｅ）９、１０、１１および１２が構造的に固定され（固定された構造要素）、機構１、２、３、４、５および６を変更することができる、試験デバイスの他の実施形態を示している。機構を変更することにより、媒体に応じて関係のある物質に対して試験デバイスを最適化することが可能になる。

図３は、少なくとも１つの測定機器１、ばね式駆動装置を受けるための透明なスリーブ２、媒体３、およびノズルを含む供給チャンバ４からなる、固定された試験デバイスの一例を示している。

図４は、試験デバイスを用いて試験を実施するための特徴的な時間／圧力のグラフを示している。媒体および物質に応じて、時間／圧力のグラフは、変更可能な構成要素を用いて変わる可能性がある。

図１
１ 試験デバイス
２ 背後の壁
３ 第１の保持要素
４ チャンバ
５ 物質
６ ノズル
７ チャンバ４の閉じた端部
８ 長手方向の軸
９ チャンバ４の開いた端部
１０ ピストン
１１ 作動デバイス
１２ 駆動装置
１３ 作動デバイス１１の上側端部
１４ 作動デバイス１１の下側端部
１５ ピストン１０の背面
１６ ばね
１７ スラスト機構
図２
１ 駆動装置
２ 固定手段／トリガ
３ ピストンの距離
４ ピストン
５ チャンバ
６ ノズル（形状）
７ チャンバの直径
８ チャンバの体積
９ チャンバ締結部
１０ ホルダ／連結部／駆動チャンバ
１１ ラム
１２ スリーブ
図３
１ 測定機器
２ スリーブ（透明）
３ 媒体
４ チャンバ

Claims (16)

1. 背後の壁（２）から突出する、チャンバ（４）を受けるための第１の保持要素（３）を有し、そして、以下の構成要素：
   閉じた端部（７）および内部に配置されたノズル（６）を有する、物質（５）を受けるためのチャンバ（４）と、
   該チャンバ（４）の開いた端部（９）を閉じるためのピストン（１０）と、
   作動デバイス（１１）と
   駆動装置（１２）と
   を含む、物質の媒体内への投入をシミュレートするための試験デバイス（１）であって、ノズル（６）、チャンバ（４）、ピストン（１０）、作動デバイス（１１）および駆動装置（１２）の構成要素を変更することができ：
   ａ）０．１ｍｌ〜２．０ｍｌの体積を有するチャンバ（４）の閉じた端部（７）は、０．１〜１．５ｍｍの直径を有するノズル（６）と交換することができるように設けられ；かつ／または
   ｂ）作動デバイス（１１）の下側端部（１４）のピストン（１０）の背面（１５）からの距離は、変更することができるように設けられ；かつ／または
   ｃ）様々な駆動装置（１２）が用いられ、ここで駆動装置（１２）は（i）ばね（１６）または（ii）ガス駆動装置または（iii）火工式駆動装置から選ばれる；かつ／または
   ｄ）チャンバ（４）は、様々な材料で作られる
   ことを特徴とする前記試験デバイス。
2. チャンバ（４）が透明であることを特徴とする、請求項１に記載の試験デバイス。
3. ばね力は調節可能であることを特徴とする、請求項２に記載の試験デバイス。
4. ばね定数は調節可能であることを特徴とする、請求項２に記載の試験デバイス。
5. 作動デバイス（１１）の下側端部（１４）とピストン（１０）の背面（１５）との間の距離は、光学的に測定されることを特徴とする、請求項１に記載の試験デバイス。
6. １つまたはそれ以上の異なるまたは同一の化学化合物、バイオシミラ、人工の物質または自然のままの物質、無機化合物または有機化合物、純粋物質、天然物質、医薬、活性物質、ジェネリック、溶液または溶媒、添加剤および助剤の形の固体、液体、半固体、半液体の物質を含む群から選択される物質を含む、請求項１に記載の試験デバイス。
7. 測定機器を含む、請求項１に記載の試験デバイス。
8. 取付具と共に、請求項１に記載の試験デバイス（１）および媒体を含む、物質の媒体内への投入をシミュレートするためのキット。
9. 媒体は、透明な、自然のままの組織または人工的な組織、ゲル、ブタの皮を含む群から選択されることを特徴とする、請求項８に記載の物質の媒体内への投入をシミュレートするためのキット。
10. 請求項１〜７のいずれか１項に記載の試験デバイスのチャンバが物質で満たされ、媒体を用いて、変更可能な構成要素に応じて物質の媒体内への投入が調べられることを特徴とする試験方法。
11. 選択された物質／媒体の組合せに応じた圧力／時間のグラフおよびチャンバの圧力、ピストン／ラムの速度、加熱、安定性、出力速度、ピストンの変形、チャンバの耐密性を決めるための請求項１０に記載の試験方法。
12. 結果、物質の媒体内への浸透深さ、および物質の媒体内での分布に関する結果が読み取られる、請求項１０に記載の試験方法。
13. 読み取りは、視覚的にまたは写真によって行なわれ、データはデータベースによって記録される、請求項１０に記載の試験方法。
14. 繰り返し行なわれる、請求項１０に記載の試験方法。
15. 媒体の中に投入する物質をスクリーニングするための、請求項１〜７のいずれか１項に記載の試験デバイスの使用。
16. 物質の媒体内への投入をシミュレートするための、請求項１〜７のいずれか１項に記載の試験デバイスの使用。

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