JP5363266B2 - 石英ガラスルツボ製造装置、及び、石英ガラスルツボの製造方法 - Google Patents
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Description
近年では、このCZ法において引き上げるシリコン単結晶の大型化(例えば直径300mm以上、あるいは、直径450mm以上など)が図られており、これに伴ってシリコン単結晶の引き上げ時間が長くなる傾向にある。
これらの問題は、引き上げるシリコン単結晶の大型化に対応させるように大口径化(例えば内径914mm(36インチ)以上、あるいは、内径1016mm(40インチ)以上など)された石英ガラスルツボにおいて特に生じ易いため、予め肉厚の厚い石英ガラスルツボを製造することが求められることがある。
そこで、従来では、この気泡がシリコン単結晶の引き上げに影響しないように、例えば石英粉成形体の溶融(ガラス化)の際に、石英粉成形体中に存在するガスを石英粉成形体の内表面側から外表面側に減圧・吸引している。また、ガスを効率よく吸引除去できるように石英粉成形体内部を減圧雰囲気とするため、石英粉成形体の内表面部分の表層全体を加熱溶融して薄い溶融層をシール層として形成しておき(シール工程)、溶融されていない石英粉成形体がモールド及び溶融層によって覆われた状態(シールされた状態)でガスを減圧吸引することが図られている。なお、シール層としての溶融層は、モールドの碗状内面の上端開口縁部分に堆積された石英粉成形体の上端部分を、その溶融によってモールドの碗状内面の上端開口縁部分に張り付けることで形成されるものである。
以上のことから、従来の石英ガラスルツボの製造方法では、モールドの碗状内面に対する石英ガラス層の張り付け領域は、石英ガラスルツボをモールドから容易に取り出すことができるように、気泡を効率よく減圧吸引して除去できる最低限の領域に抑える必要がある。
この場合、アーク加熱によって加熱される石英粉成形体の上端部分では、ガラス化させる石英粉成形体の厚さの増加分だけ、石英粉成形体の上端側からのアーク加熱量が増大することになる。このため、モールドの碗状内面の上端開口縁部分に対する石英ガラス層(溶融層)の張り付け領域が拡大されてしまい、結果として、モールドから石英ガラスルツボを取り出す際に石英ガラス層の張り付け部分をモールドから剥がし難くなり、石英ガラスルツボをモールドから取り出せなくなる場合もある。
なお、上述したシール性が従来から問題視されていたことは、特許文献2,3にも記載されているが、大口径化した石英ガラスルツボの製造において、シール性の向上・改善に伴って発生する石英ガラスルツボとモールドとの張り付きなどの問題は未だ解決されていない。
前記碗状内面のうち、その上端開口縁を画成する円環帯状の上端開口縁部分の熱伝導速度が、当該上端開口縁部分を除く前記碗状内面の残部よりも高いとともに、
前記回転モールドが、前記碗状内面の残部をなすモールド本体と、前記碗状内面の上端開口縁部分をなす開口縁部材とを備え、
当該開口縁部材が、前記モールド本体に対して着脱自在とされ、かつ、前記上端開口縁部分に堆積された石英粉成形体の加熱量が実質減少するよう高伝導率化されていることを特徴とする。
本発明は、製造する前記石英ガラスルツボが、内径610mm以上、1270mmまでの口径を有する手段か、前記回転モールドの回転軸に沿う前記上端開口縁部分の長手寸法は、堆積された石英粉成形体の厚さ寸法の0.5倍以上、10倍以下の範囲に設定された手段か、前記開口縁部材は、前記モールド本体のカーボンよりも熱伝導速度が高くなるようファイバの向きを径方向にそろえて高伝導率化したカーボンによって形成されている手段か、アーク放電をその先端間に生じさせる複数の炭素電極は、電極移動機構によって、上下方向及び水平方向に移動可能とされ、水平方向に延在する回転軸部により回動可能とされ、電極間距離Dを自由に設定できる手段から選択されたものを採用することもできる。
本発明は、アーク加熱によって回転モールドの碗状内面に成形された石英粉成形体を加熱溶融して石英ガラスルツボを製造するための石英ガラスルツボ製造装置であって、前記碗状内面のうち、その上端開口縁を画成する円環帯状の上端開口縁部分の熱伝導速度が、当該上端開口縁部分を除く前記碗状内面の残部よりも高いことができる。
なお、前記回転モールドの回転軸に沿う前記上端開口縁部分の長手寸法は、堆積された石英粉成形体の厚さ寸法の0.5倍以上で、2倍まで、あるいは10倍以下の範囲に設定することが好ましい。
ここで、円環帯状の上端開口縁部分の熱伝導速度が、当該上端開口縁部分を除く前記碗状内面の残部よりも高いとは、石英粉成形体からモールド側に移動する熱量が移動する際に、上端開口縁部分において、前記碗状内面の残部よりも石英粉成形体が受ける熱がモールド側に逃げ易いということを意味する。つまり、必ずしも上端開口縁部分の熱伝導率が残部よりも高いことのみを意味するものではなく、熱伝導率が残部に比べて低い材質からなる上端開口縁部分であっても、そのモールド径方向厚さ寸法が充分小さければ、石英粉成形体から径方向へ熱を逃げやすくすることは可能であり、本発明においては、このような構成も含むものとする。
そして、上述したように、シール層の張り付け領域を意図的に拡大しても、シール工程後のさらなるアーク加熱によって溶融層の厚みを増す際に、上端開口縁部分に接触する石英粉成形体の上端部分が受ける熱はモールド側に逃げるため、溶融層の張り付け領域が不意用に拡大してしまうことを抑制できる。
この構成では、回転モールドから石英ガラスルツボを取り出す際に、石英ガラス層が開口縁部材に張り付いたままで、石英ガラスルツボ及び開口縁部材をモールド本体から取り外し、その後に、石英ガラスルツボを開口縁部材から剥がすことも可能となる。
この構成の場合には、モールド本体に対する開口縁部材の突出高さを調整するだけで、石英ガラスルツボの深さ寸法を容易に変更することができる。すなわち、同一のモールド本体を用いて、様々な深さ寸法の石英ガラスルツボを製造することが可能となる。
この場合、碗状内面の上端開口縁部分が、その全周にわたって、前記碗状内面の残部に対して回転モールドの径方向内側に突出するため、碗状内面の上端開口縁部分とこれに隣り合う碗状内面の残部との間には、段差が形成されることになる。すなわち、開口縁部材の内径は、モールド本体からなる碗状内面の残部の最大内径よりも小さく設定されている。
また、大口径ルツボを製造する場合などシール性を向上する、あるいは、気泡含有量を低減するために減圧状態の時間を増大する、若しくは、より減圧することによって石英ガラスルツボを製造する場合に、シール工程において碗状内面に対するシール層の張り付け領域を意図的に拡大しても、溶融工程において溶融層の張り付け領域が不意に拡大してしまうことを抑制できる。
図1は、本実施形態における石英ガラスルツボ製造装置の一部を示す模式正面図であり、図において、符号1は、石英ガラスルツボ製造装置である。
なお、石英粉とは、石英に限らず、二酸化ケイ素(シリカ)を含む、水晶、珪砂等、石英ガラスルツボの原材料として周知の材料の粉体をも含むものとし結晶状態、アモルファス、ガラス状態であるものを全て含み、その内部構造は石英のみに限定されないものとする。
モールド本体12には、前述した通気口13が設けられ、また、碗状内面10Aが開口するモールド本体12の上端面12Bからモールド10の回転軸O1方向に窪む円環状の収容段差部14が形成されている。収容段差部14は、碗状内面10Aの径方向内側にも開口しており、この収容段差部14に開口縁部材11が着脱自在に収容されるようになっている。このモールド本体12は、カーボンによって形成されている。
そして、開口縁部材11が収容段差部14に収容された状態においては、円環帯状に形成されて碗状内面10Aの上端開口縁部分11Aをなす開口縁部材11の内周面11Aが、モールド本体12からなる碗状内面10Aの残部12Aに対して滑らかに連なる。なお、図示例においては、開口縁部材11の内径が、収容段差部14に隣り合う碗状内面10Aの残部12Aの内径(最大内径)と等しくなるように設定されている。
なお、開口縁部材11の長手寸法H2は、例えば碗状内面10Aの残部12Aに堆積された石英粉成形体21の厚さ寸法T1の0.5倍以上、10倍以下の範囲に設定することが好ましい。
炭素電極31,31,31は、例えば交流3相(R相、S相、T相)のアーク放電をおこなうように同形状の電極棒とされ、炭素電極31,31,31は、モールド10の上方に配された電極移動機構30によって、上下方向(M1方向)、及び、M1方向に直交する水平方向(M2方向)に移動可能となされている。また、炭素電極31,31,31は、電極移動機構30によってM3方向に回動可能とされている。
この構成により、モールド10に対する炭素電極31,31,31の先端部分の位置や、隣り合う炭素電極31,31同士の先端間距離D(電極間距離D)等を自由に設定できるようになっている。
この構成において、石英ガラスルツボ製造装置1は、300kVA〜12,000kVAの出力範囲で、複数の炭素電極31,31,31の先端間に生じるアーク放電によって非導電性対象物(石英粉)を加熱溶融する高出力の装置とされる。
石英ガラスルツボを製造する際には、はじめに、石英粉末(原料粉末)をモールド10の碗状内面10A全体に堆積することで石英粉成形体21を成形する(原料粉成形工程)。すなわち、この工程においては、図2(a)に示すように、碗状内面10Aの残部12Aから上端開口縁部分11A全体にわたって石英粉末が堆積される。ここで、碗状内面10Aの残部12Aに接触する石英粉成形体21の厚さ寸法T1は、例えば5〜30mm、あるいは、8〜20mm、または、10〜15mmの範囲で設定されてもよい、これに限らなくてもよい。
なお、図示例においては、開口縁部材11の内周面11Aに接触する石英粉成形体21の厚さ寸法T1が、碗状内面10Aの下側から上端開口縁10Cに近づくにしたがって薄くなるように設定されているが、例えば石英粉成形体21全体の寸法が均一となるように設定されていてもよい。
なお、図2(b)においては、モールド10の回転軸O1に沿うシール層23の張り付け領域の軸方向寸法L1が、シール層23の厚さ寸法T2と等しくなるように設定されているが、例えばシール層23の他の部分の厚さ寸法T2よりも大きくなるように設定されてもよい。
ここで、前述したシール工程及び溶融工程は、開口縁部材11の内周面11Aの保温性がモールド本体12における碗状内面10Aの残部12Aよりも低く設定された状態で実施される。すなわち、シール工程及び溶融工程において、アーク加熱によって開口縁部材11の内周面11Aに堆積された石英粉成形体21が受ける熱は、碗状内面10Aの残部12Aに堆積された石英粉成形体21が受ける熱よりもモールド10側に逃げやすい。さらに言い換えれば、シール工程や溶融工程において、石英ガラスルツボの製造に必要な厚さ寸法分だけ、石英粉成形体21の内表面から溶融するように石英粉成形体21を加熱しても、碗状内面10Aの残部12Aに堆積された石英粉成形体21の加熱量と比較して、開口縁部材11の内周面11Aに接触するように堆積された石英粉成形体21の加熱量が実質減少することになる。
なお、前述したシール工程においては、溶融されていない石英粉成形体21がモールド10及び溶融層22によって確実にシールされている。このため、減圧工程においては、溶融されていない石英粉成形体21内部をより低い圧力まで減圧することが可能となり、また、長時間にわたって石英粉成形体21内部を確実に減圧することで、結果として、気泡を効率よく減圧吸引して除去し、低気泡含有率の部分を有する石英ガラスルツボを製造することができる。
なお、未溶融層24の厚さ寸法T3は、例えば0.2〜3.0mm、あるいは、0.5〜1.5mmの範囲で設定されてもよいが、これに限らなくてもよい。
また、この取り出しに際して、開口縁部材11はモールド本体12に対して着脱可能であるため、石英ガラス層25が開口縁部材11に張り付いた状態で石英ガラスルツボ及び開口縁部材11をモールド本体12から取り外した後に、石英ガラスルツボを開口縁部材11から剥がすことも可能である。
すなわち、本実施形態による石英ガラスルツボ製造装置1及び石英ガラスルツボの製造方法によれば、石英ガラスルツボを製造する際に、気泡の効率的な除去を可能としながら、モールド10から石英ガラスルツボを容易に取り出すことができる。
例えば上記実施形態において、開口縁部材11が収容段差部14に収容された状態においては、開口縁部材11の上面11Bがモールド本体12の上端面12Bと共に同一平面をなすとしたが、例えば図3に示すように、開口縁部材11として熱伝導速度の高いカーボンに代えて石英からなるリングとし、この石英リング11の一部がモールド本体12の上端面12Bよりも上方に突出していてもよい。言い換えれば、石英リング11の長手寸法H2は、モールド本体12の上端面12Bから窪む収容段差部14の深さ寸法よりも大きく設定されていてもよい。
この構成では、モールド本体12に対する石英リング11の突出高さH3を調整するだけで、製造される石英ガラスルツボの深さ寸法を容易に変更することができる。すなわち、同一のモールド本体12を用いて、様々な深さ寸法の石英ガラスルツボを製造することが可能となる。
なお、図4に示す構成においては、例えばモールド本体12の上端面12B、あるいは、上端面12Bに当接する石英リング11の下面のいずれか一方に突起を形成すると共に、他方に突起を係合させる穴や溝等の係合部を形成することで、モールド本体12に対する石英リング11の位置決めを図ってもよい。
このように図3,図4に示す石英リング11がモールド本体12の上に突出したものにおいて、アーク溶融時において、碗状内面10Aの残部12Aに堆積された石英粉成形体21が受ける熱よりも石英粉成形体21最上部が受けた熱がモールド10側(外側)に逃げやすい状態とするためには、石英リング11の最上部における厚さ寸法が1〜5cmに設定されることが好ましい。これにより、碗状内面10Aの上端開口縁部分(石英リング11)の保温性を碗状内面の残部よりも低くすることが可能となる。
この構成では、碗状内面10Aの残部12Aに対してモールド10の径方向内側に突出するため、開口縁部材11の内周面11Aとこれに隣り合うモールド本体12の碗状内面10Aの残部12Aとの間に段差が形成されることになる。言い換えれば、開口縁部材11の内径が、収容段差部14に隣り合う碗状内面10Aの残部12Aの内径(最大内径)よりも小さく設定されている。なお、碗状内面10Aの残部12Aに対する開口縁部材11の径方向内側への突出長さR1は、碗状内面10Aに堆積される石英粉成形体21の厚さ寸法T1(図2(a)参照)よりも小さく設定されていることが好ましい。また、図5の構成は、図3,4に示す構成と組みあわせてもよい。
なお、図5においては、溶融工程の停止後状態を示しているが、開口縁部材11の熱伝導速度がモールド本体12の熱伝導速度よりも高い(保温性が低い)ことから、上記実施形態と同様にシール工程及び溶融工程を実施しても、開口縁部材11の内周面11Aに対する溶融層22の張り付け領域の軸方向寸法L1を小さく抑えることができる。
さらに、モールド10は、別個の材料からなる開口縁部材11の開口縁部材及びモールド本体12を備えて構成されることに限らず、少なくとも碗状内面10Aのうち上端開口縁10Cを画成する円環帯状の上端開口縁部分11Aの熱伝導速度が、上端開口縁部分11Aを除く碗状内面の残部12Aよりも高く設定されていれば、例えばカーボン等からなる開口縁部材11とモールド10とを一体に形成されるものとしてもよい。
この際、気泡は検査する石英ルツボの内表面および内表面近傍の内部に照射した光の反射光を受ける受光装置を備える光学的検出手段を用いて非破壊的に測定する。
上記光学検出手段による測定結果は画像処理装置に取り込まれ、この画像から次のように気泡含有率が算出される。
P(%)=(S2/S1)×100
により面積気泡含有率P(%)を算出する。さらに、気泡をほぼ球状だとみなし、気泡の体積V2を算出し、前述の基準面積S1については、画像を撮像した深さとS1から基準体積V1を求めることで、
P(%)=(V2/V1)×100
により、体積比による体積気泡含有率P(vol%)を算出する。
この堆積気泡含有率を本発明においては、気泡含有率として定義する。
径寸法100μmの気泡において、図6(a)に示すように浅すぎてカウントしないものは、リングの輪郭幅寸法が10.3μmのときに、外側のぼやけた領域の幅寸法が15.4μm、図6(b)に示すようにカウントするものは、リングの輪郭幅寸法が14.1μmのときに、外側のぼやけた領域の幅寸法が11.5μm、図6(c)に示すように基準面D3上のものは、リングの輪郭幅寸法が17.9μmのときに、外側のぼやけた領域の幅寸法が5.13μm、内側のぼやけた領域の幅寸法が2.56μm、図6(d)に示すようにカウントするものは、リングの輪郭幅寸法が14.1μmのときに、内側のぼやけた領域の幅寸法が11.5μm、図6(e)に示すように深すぎてカウントしないものは、リングの輪郭幅寸法が10.3μmのときに、内側のぼやけた領域の幅寸法が15.4μmとなっている。
Claims (6)
- 300kVA〜12,000kVAの出力範囲とされるアーク加熱によって回転モールドの碗状内面に成形された石英粉成形体を加熱溶融して石英ガラスルツボを製造するための石英ガラスルツボ製造装置であって、
前記碗状内面のうち、その上端開口縁を画成する円環帯状の上端開口縁部分の熱伝導速度が、当該上端開口縁部分を除く前記碗状内面の残部よりも高いとともに、
前記回転モールドが、前記碗状内面の残部をなすモールド本体と、前記碗状内面の上端開口縁部分をなす開口縁部材とを備え、
当該開口縁部材が、前記モールド本体に対して着脱自在とされ、かつ、前記上端開口縁部分に堆積された石英粉成形体の加熱量が実質減少するよう高伝導率化されていることを特徴とする石英ガラスルツボ製造装置。 - 製造する前記石英ガラスルツボが、内径610mm以上、1270mmまでの口径を有することを特徴とする請求項1に記載の石英ガラスルツボ製造装置。
- 前記回転モールドの回転軸に沿う前記上端開口縁部分の長手寸法は、堆積された石英粉成形体の厚さ寸法の0.5倍以上、10倍以下の範囲に設定されたことを特徴とする請求項1または2に記載の石英ガラスルツボ製造装置。
- 前記開口縁部材は、前記モールド本体のカーボンよりも熱伝導速度が高くなるようファイバの向きを径方向にそろえて高伝導率化したカーボンによって形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の石英ガラスルツボ製造装置。
- アーク放電をその先端間に生じさせる複数の炭素電極は、電極移動機構によって、上下方向及び水平方向に移動可能とされ、水平方向に延在する回転軸部により回動可能とされ、電極間距離を自由に設定できることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の石英ガラスルツボ製造装置。
- 請求項1から5記載の石英ガラスルツボ製造装置を用いて、回転する回転モールドの碗状内面に堆積された石英粉成形体をアーク加熱して石英ガラスルツボを製造する製造方法であって、
前記アーク加熱により石英粉成形体の内表面部分の表層全体を加熱溶融すると共に、前記碗状内面の上端開口縁を画成する円環帯状の上端開口縁部分に堆積された石英粉成形体の上端部分を溶融して、前記碗状内面の上端開口縁部分に張り付けて石英粉成形体内部を減圧可能にシールするシール層としての溶融層を形成するシール工程と、
前記加熱溶融を継続して前記石英粉成形体の厚さ方向に前記溶融層の溶融厚さを増大させるように、前記溶融層の厚さを前記内表面側から前記碗状内面に向けて成長させる溶融工程と、
前記溶融工程の途中において前記石英粉成形体及び前記溶融層内部を減圧吸引することで内部に存在する気泡を除去または低減する減圧工程と、を具備し、
前記シール工程及び前記溶融工程は、前記碗状内面の上端開口縁部分の熱伝導速度が当該上端開口縁部分を除く前記碗状内面の残部よりも高く設定された状態で実施されることを特徴とする石英ガラスルツボの製造方法。
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