JP5362995B2 - Ni3Tiη相析出によって強化されたマルテンサイトステンレス鋼 - Google Patents

Ni3Tiη相析出によって強化されたマルテンサイトステンレス鋼 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
[01]
本出願は参照により本明細書に組み入れられ、その優先権が主張される次の仮出願:2005年1月25日に出願された米国特許出願第60/646,805号、「NiTiη相析出によって強化されたマルテンサイトステンレス鋼(Martensitic Stainless Steel Strengthened by Ni3Tiη-Phase Precipitation)」に基づく国際出願である。
研究助成金および政府許認可の言及
[02]
本発明の対象の開発に関連する活動は少なくとも一部が米国政府、米国海兵隊SBIR契約M67854−04−C−0029およびM67854−05−C−0025ならびに米国海軍SBIR契約N00421−03−P−0062およびN00421−03−C−0091によって助成され、それゆえ米国での認可権および他の権利に従う。
技術分野
[03]
主要な態様において、本発明は、各種の強度レベルに亘る強度、靭性、および耐食性の優れた組合せを有する非侵入型クロム、ニッケル、コバルト、モリブデン、チタン、アルミニウムステンレスマルテンサイト鋼に関する。
[04]
マルテンサイト鋼は、高温でのオーステナイトから低温でのマルテンサイトへの相変態の結果として生成する細かい亜結晶粒構造のために高い強度および靱性を示す。マルテンサイト鋼は、炭素または窒素などの格子間原子を含有するか、または本質的に非侵入型のどちらかに分類できる。非ステンレス非侵入型マルエージング鋼は1960年代から開発され、通常、約18重量%のNiと、Co、Mo、およびTiなどの置換元素を含有する。これらの鋼のNi含有率は、(1)η核形成の熱力学駆動力を増大させて、それにより効率的な強化のためにη粒径を最適に縮小させることによって;(2)延性脆性遷移温度(DBTT)を低下させて、マトリクス靱性を改善することによって良好な強度−靱性組合せに寄与する。非ステンレスマルエージング鋼には2つのグレード:Cグレード、たとえばC−200、−250、−300、および−350;ならびにTグレード、たとえばT−200、−250、および−300があり、数字はおおよその引張り強度を単位ksiで表す。CグレードはCoを含有しており、Coを含まずにより大量のTiを含有するTグレードよりも同じη相分率で高い強度を達成する。Cグレードの改良された強化効率は、増大された熱力学駆動力によって達成された縮小したη粒径に起因しうる。
[05]
合金は一般に、Crの熱力学的活量がさらなる腐食を防止する安定な酸化クロム不動態膜を生成するのに十分であるときにステンレスと見なすことができる。MoおよびWは、耐孔食性をさらに改善することが既知である。しかしながらこれらの元素の添加は、マルテンサイト開始温度(M)を低下させる。合理的なMを確保するために、合金元素、特にCr、Ni、Cu、およびMoの平衡が必要である。一連の既存ステンレスマルエージング鋼は、許容されるバランスの確立された例:PH 17−7、17−4PH、15−5PH、PH13−8、Custom450、Custom455、Custom465、S240、Marval X12、Vasco734、およびXPH12−9を有する。これらの合金のCr、Ni、Cu、およびMo含有率を析出した強化相と共に表1に示す。
Figure 0005362995
[06]
この一連の合金組成より、室温でのマルテンサイト変態を完了させるために高いMを維持する際の合金元素間のトレードオフを認めることができる。Custom465などの一部の合金は、変態を完了させるために追加の極低温処理を必要とする。真空溶融によって大規模インゴットに処理できないステンレスマルエージング鋼を表2に示す。NanoflexのMは低すぎて、零下の等温マルテンサイト変態および/またはマルテンサイト変態を完了させるために焼入れ後の重度の冷間加工を必要とし、その形状を細い断面を持つワイヤまたはブレードに制限する。Custom475[米国特許第6,630,103号(本明細書に組み入れられている)]は、凝固分離問題のためにインゴットサイズが制限される。
Figure 0005362995
[07]
表1および2に挙げた合金は、エージング中に析出するその強化相によって特徴付けられる。3つの最も一般的で有効な強化相は、η、B2−NiAl、およびbcc−Cuである。bcc−CuおよびB2−NiAl相はどちらもかなりの相互溶解度を持つ秩序bcc相であり、bccマルテンサイトマトリクス中で凝集的に核化することが可能であり、それにより微細スケール分散を提供する。B2−NiAl中におけるTiの多少の溶解度が予測され、延長された焼戻し時間では、高秩序Heusler相NiTiAlが生成しうる。
[08]
η−NiTi相は、鋼鉄における金属間析出のうちで最小最適粒径を有すると考えられ、したがって強化にとって最も効率的である。この強化効率はマトリクス中のニッケルの欠点を最小限に抑え、それによりDBTTを抑制する。この理由のために、η相は、高い合金Ni含有率が高いM温度によって容易に得られる非ステンレス非侵入型マルテンサイトCグレードおよびTグレード鋼を強化するために使用される。
[09]
B2、bcc−Cu、およびη強化相以外に、R、Laves、またはμなどの低対称トポロジカル最密(TCP)相は、合金の延性を犠牲にするが、多少の強化反応を提供できる。軟質オーステナイト粒子の析出は、合金の強度を低下させることがある。最後に、わずかな強化反応を焼戻し中の凝集性のナノスケールbcc−Cr粒子の析出から得ることができる。しかしながらナノスケールbcc−Cr析出物の転位運動、したがって機械的特性に対する効果は小さいことが予測される。
[10]
マルエージング鋼もその強度−靱性組合せによって特徴付けられる。図1は、各種の市販のステンレスマルエージング合金の強度−靱性組合せを、以下で述べるような本発明の例と共に示す。bcc−Cuによって強化された合金は一般に、140〜175ksiの降伏強度を示す。B2強化PH13−8合金は良好な耐食性を有し、約200ksiまでの降伏強度を達成することができる。PH13−8 SuperTough(登録商標)合金は、O、N、S、およびPを最小限にして、同時に強度を維持することによって合金の靱性を向上させるために、Allvacによって開発された。約240ksiまでの降伏強度を達成するためにさらなる合金が開発されたが、その衝撃靱性は約235ksi超へ劇的に低下した。約255ksiを超える降伏強度を達成できるステンレスマルエージング鋼は、Custom475およびNanoFlexであるが、どちらも上述の処理上の課題を被る。
[11]
マルエージング鋼は耐食性によっても特徴付けることができる。耐孔食性指数(PREN)は耐食性を推定するために一般に使用されるパラメータである。PRENは特定の腐食機構に対する微細構造効果を考慮しないが、同様の微細構造を比較するときに有効である。PRENは重量% Cr+3.3(重量% Mo+2/1重量% W)として定義され、本発明に設計パラメータとして包含される。
[12]
ステンレスマルエージング鋼であるCarpenter TechnologiesによるCustom465およびNanoFlexは、Sandvik steelsによって1RK91とも呼ばれ、強化η相を利用する。しかしながらNanoFlexは合金中の0.5重量%を超えるCuによって規定されるのに対して、Custom465はより高いTi含有率を有し、Coを一切含有しない。
[13]
2つの他の特許合金は同様の強度−靱性組合せを示している。第1に、Custom475は非常に高いAlおよびMo含有率を含む。この合金は、高い強度−靱性特性を示したが、小さい断面サイズでしか作製できない[米国特許第6,630,103号、5欄、46〜58行目]。第2に、PH13−8 SuperToughに関するAllvacによる特許は、より高い靱性を持つ既存の非専売合金PH13−8の作製方法について述べている。しかしながらPH13−8 SuperToughの組成は非常に低いTi含有率を有する。
[14]
NanoFlexは、マルテンサイト変態を完了させるために塑性変形させる必要がある[米国特許第RE36,382号(本明細書に組み入れられている)]。NanoFlexは小型寸法用途のみに適切であり、所望の延性を達成するために主にCuを利用するが、所望の焼戻し反応も達成する。
[15]
それゆえ相当に高い強度で強靭なステンレス鋼合金への要求が残存している。
発明の概要
[16]
主要な態様において、本発明は、主にNiTiη相の金属間粒子の分散によって強化されたマルテンサイトステンレス鋼合金析出を含む。補足的な析出強化は、凝集性bcc−Crおよび/またはB2−NiAl粒子の分散によって与えることができる。焼戻しの間に、オーステナイト析出が制御され、脆性TCP相の析出が回避される。TiおよびCレベルは、均質化の間にCが溶解して、次に鍛造の間に析出可能であり、MがTi、V、Nb、またはTaであるMCカーバイドの結晶粒ピニングを提供するように制御される。組成は、均質化の間に合金がfccの単相界となり、同時にδ−フェライトを回避するように選択される。組成はまた、M、したがって維持されたオーステナイトの体積分率が他の合金設計制約と平衡になるように選択される。所与の強度レベルでは、PRENによって定量されるような合金の耐食性は最大化される。合金の耐開裂性は、焼戻し済みマトリクス組成物の慎重な制御によって極低温度にて維持される。
[17]
上述の微細構造特徴を備えた本発明の合金は、当業者に公知の従来の処理技法を使用する大規模インゴットの生産に適切である。合金は、均質化処置に続き、次に鍛造することができる。合金は、高温からの焼入れ時に冷間加工を必要とせずに約85%超の所望のマルテンサイト相構造に変態するように設計されている。一部の用途では、合金は真空中でニアネット形状部品へインベストメント鋳造できる。CまたはNなどの格子間元素と比較して、Al、Co、Cr、Mo、Ni、またはTiなどの置換元素の低い固体−溶液強化効果のために、本発明の焼入れたままの(as−quenched)非侵入型マルテンサイト鋼は比較的軟質であり、したがって炭素含有マルテンサイト鋼よりも容易に機械加工される。
[18]
上述の微細構造概念を備え、所望の処理制約を受ける合金は、降伏強度は180〜270ksiの範囲で設計されている。これらの強度レベルでは、衝撃靱性は図1に示した関係に従って10〜160ft−lbsの範囲で変化する。所与の強度および靱性レベルでは、一般的な耐食性および応力−腐食割れ(SCC)耐性は最大化される。その上、一部の用途では、高い衝撃靱性が−100℃においてすら証明されている。
[19]
処理制約を満足して、特性目標に到達するために微細構造概念を達成できる最適組成範囲を表3に示す。関連付けられた靱性および耐食性トレードオフでの3つの異なる強度レベルを標的とする3つの実施形態を、市販の合金の組成範囲と比較して示す。
Figure 0005362995
[20]
強度、靱性、および耐食性の改良された組合せのステンレス鋼から恩恵を受けることができる、多くの構造技術用途がある。SCCに対する優れた耐性と共に高い引張り強度を必要とする航空機着陸装置は現在、ステンレス鋼が要求の厳しい性能要件を満足しないため、300MおよびAerMet100などの非ステンレス鋼より作製されている。SCC感受性を最小化するために、非ステンレス鋼を毒性のカドミウムでコーティングする必要がある。本発明のステンレス鋼は、機械的特性の欠点を伴わずにカドミウムコーティングの必要をなくす。フラップトラック、アクチュエータ、またはエンジンマウントなどの他の構造エアロフレーム部品の新規な重量効率設計も本発明の改善された強度−靱性組合せによって可能になる。材料の降伏強度によって制限され、さらに腐食を被る砲身の火力は、本発明のステンレス鋼を利用することによって改善できる。チョーク、バルブインターナル、およびチュービングハンガーなどの高い強度を必要とするダウンホール石油化学掘削部品も本発明のステンレスから恩恵を得る。良好なスルフィド応力割れ耐性およびより高い強度を備えた本発明の析出硬化マルテンサイトステンレス鋼は、これらの部品の新規な空間効率設計を可能にして、オイルおよびガス供給の持続可能性を延長する。生物医学用途においても優れた強度−耐食性組合せを備えた本発明の鋼から恩恵を得ることができる。
[21]
特にこれらの目的、特徴および使用は、以下で述べる説明でさらに詳細に述べる。
[22]
続いての詳細な説明では、添付の図面を参照する。
実施の形態の詳細な説明
システム設計チャート
[32]
合金にとって重要と見なされる処理−構造および構造−特性関係を図2に示す。この合金システム設計チャートは、微細構造サブシステムの各種の長さスケールおよび合金特性に対するその効果を描いている。本発明では、重要な特性は降伏強度および極限引張り強度、衝撃靱性、ならびにPRENを含む。好ましい処理ステップを設計チャートの左側に示し、各処理ステップ中に影響を受ける微細構造特徴を矢印で示す。
特性
[33]
強度は合金から製造される多くの部品にとって主要な設計因子である。所与の合金では、強度は靱性に反比例する。加えて耐食性に有用なCrおよびMo含有率もMのために微妙に平衡にされて、強度の耐食性に対するもう1つの反比例関係を生じさせる。それゆえどの特定の合金の強度も両立する靱性および耐食性で設計され、図1に描くようにうまく検証された。
[34]
5つの主要な微細構造特徴は、効率的な強化を達成するために重要であると見なされる。第1に、合金は鍛造によって達成できる微粒度と、最適MC細粒化分散を必要とする(Mは、Ti、V、Nb、またはTaである)。第2に、合金は溶液熱処理からの焼入れ時に主としてラスマルテンサイト亜結晶粒構造を、約15%未満の残留オーステナイトと共に有する必要がある。第3に、焼戻しマルテンサイトマトリクス内で、η相析出物は効率的な強化を提供する必要がある。第4に、オーステナイト析出は、そのような粒子が強度を低下させることがあるので、慎重に制御する必要がある。最後にマルテンサイトマトリクス中に残留するNi、Co、Cr、Mo、およびWは、有効な固溶体強化を提供する必要がある。
[35]
シャルピーVノッチ(CVN)衝撃靱性は、本発明の合金のプロトタイプで靱性の主要な尺度であった。図1に例示するように、いずれかの所与の降伏強度および耐食性で、合金の衝撃靱性は現在利用できる非侵入型マルテンサイトステンレス鋼より優れている。本発明の鋼は約240より大きいCVN+0.85×(降伏強度)の値を達成でき、式中、CVNはft−lbにより、降伏強度はksiによる。図3に示すように、M48S−1Aプロトタイプについて衝撃靱性を各種の試験温度で測定して、DBTTを特徴付けて、低温での開裂に対する合金感受性を検証した。
[36]
所与の強度レベルで高靱性合金を設計するためには、複数の微細構造特徴は重要な因子と見なされる。強度と同様に残留オーステナイトを約15体積%未満に最小化しながら、細粒微小構造と、主にマルテンサイトサブ構造を達成することが重要である。均質化中に溶解させることができないTiC粒子は、避けるべきである。主要な微小空洞形成含有物は溶融の間にO、N、S、およびPを制御することによって最小限に抑えるべきである。焼戻しの間のTCP相析出は、合金延性および靱性を低下させることがあるため避けるべきである。最後に焼戻しマルテンサイトマトリクス組成はDBTTを決定し、Niは延性破壊を促進するための最も強力な元素である。
[37]
PRENは、合金の耐食性の主要な尺度として利用されてきた。これは合金組成から好都合に計算できる。本発明の鋼は約44を超えるPREN+0.12×(降伏強度)の値を達成し、降伏強度はksiによる。耐食性は主に自己回復不動態酸化クロム表面層によって達成される。マルテンサイトマトリクス中のCr、Mo、およびWは、受動態酸化物層の形成を可能にする。したがってCrが豊富な粒子および(W、Mo、Cr)が豊富なTCP相は可能ならば耐食性のために避けるべきである。ある例ではbcc−Crが強度にとって必要であるが、TCP相析出を避けるべきである。焼戻し中のMoおよびWの結晶粒および亜結晶粒境界への分割は合金感受性を粒間SCCまで低下させることがある。低下した粒度は、感受性をSCCまで低下させるのにも有益である。
処理
[38]
合金は、たとえば図4に示す時間−温度図に従って好都合に処理されるように設計されている。合金が豊富な鋼を処理するときにある問題が発生することがあり、そのような問題を避けるために、図4に示し、以下で説明するような組成の制限および処理上の勧告を本合金に適用することができる。
[39]
まず、高純度の元素を真空中で誘導溶融(VIM)させて、O、N、S、P、およびトランプ元素の低い不純物レベルを達成する。SおよびPは、オーステナイト粒界まで偏析して、それにより合金靱性を低下させるか、またはSCC感受性を上昇させることが既知である。Ca、La、希土類元素、またはこれらの脆化元素を吸着することが既知である他の反応性元素の少量の添加は同様に、粒界偏析を最小限に抑えることができる。OおよびNは、脆化酸化物および窒化物含有物を形成することが既知であり、これらの元素の低減は合金靱性を向上させる。本発明のη強化合金では、凝固中の大型の不溶性チタンカーバイドまたはチタンカルボスルフィド粒子の形成を避けるために、C含有率を慎重に制御すべきであることも見出されている。
[40]
VMIに続いて、より精製された鋳造微小構造を達成するために、インゴットを次に真空アーク再溶融(VAR)させることができる。あるいは合金をニアネット形状に真空インベストメント鋳造することができる。
[41]
偏析は、樹枝状結晶と残りの液体との間の組成差のためにVIMプロセス中に発生する。凝固による組成変動を低下させるために、合金は高温fcc単相界に保持されるべきである。この処理の期間は、インゴットの冷却速度およびインゴットでの偏析の規模によって変化するが、一般に8〜32時間で十分であることが見出されている。合金炭素含有率は、すべてのTiC相が実際の均質化温度にてfccマトリクス中に溶解できるように十分低くすべきである。これはTi含有率に制限を与える。図5は、合金TiおよびC含有率の関数としての、計算したTiCソルバス温度の曲線を示す。0.5〜0.75重量%のTiレベルは、約20〜150wppm、好ましくは50〜100wppmのCを1250℃にて溶解させるのに最適であることが見出されている。TiC粒子はこの処理中に溶解するが、非常に少量の、希土類に吸着されたO、N、S、P含有物が合金に溶解せずに残存することがある。
[42]
微小構造をさらに精製するために、均質化したインゴットをTiC+fcc2相界でのTiCソルバス温度より低い温度で鍛造すると、TiC粒子は細粒化分散物として作用する。析出TiCの小さい粒径は、細粒化効率を最大化して、続く溶体化熱処理中のオーステナイト結晶粒の再結晶成長を制限する。
[43]
鍛造の間、初期溶融は熱脆性またはエッジ割れなどの深刻な問題を引き起こすことがある。初期溶融は、低溶融共融組成物にて液だめが生成する不完全な均質化の結果である。凝固の間に溶融物からTiCを形成するTiとCとの間の相互作用がこの問題の原因であり、勧告されるTiおよびC制限はこれを回避する。
[44]
インベストメント鋳造成分は通常は鍛造されず、したがって鍛造した成分よりも粗い微小構造を有するであろう。TiC+fcc2相界への暴露による微細TiC細粒化分散物の析出は、再結晶化オーステナイト粒界を次の溶体化熱処理中にピニングするために望ましい。
[45]
鍛造プロセス(またはインベストメント鋳造成分では均質化およびTiC析出)からの冷却後、合金は金属間相を溶解させるために溶体化処理されるが、暴露の時間および温度が制限されて、細粒化TiC分散物の粗大化を最小限に抑え、したがってオーステナイト結晶粒成長を制限する。成分は通例、マルテンサイト変態を促進するために、室温まで合理的に迅速に冷却すべきである。残留オーステナイトの割合をさらに低下させるために迅速な極低温処理を利用できる。
[46]
溶体化熱処理後、合金は比較的柔軟な状態で機械加工できる。
[47]
次の焼戻しは合金中に第2相粒子分散の析出を引き起こす。各合金組成および所望の特性については、最適な微細構造を達成するために勧告または制御された焼戻し時間および温度が提案される。本合金中に析出した主要な相は、効率的な強化のためにはNiTiη相である。η相析出物の粒径は、Ti含有率およびη相の割合を含有するCustom465と比較して、合金においてより高い強度が達成されるように最適に縮小される。
微小構造
[48]
本合金の微小構造は、主としてラスマルテンサイトマトリクスを有するとして特徴付けることができる。5μm未満の、好ましくは1μmのサイズの球〜立方体形状粒子の微細なMC相結晶粒ピニング分散物は、粒界に位置していた。マルテンサイトマトリクス中では、本合金は、主にTCP相を含まず、主にη相粒子の分散によって強化されるとして特徴付けられる。最高強度の実施形態で、η相粒子の分散は約2〜8体積%を構成して、50nm未満の、好ましくは約10nm未満の長い寸法を持つロッド形状形態まで成長する。
[49]
N、O、S、およびPは耐疲労性および靱性に対する悪影響を有する望ましくない含有物を形成しうる。S、P、および他のトランプ元素は、粒界脆化を引き起こし、それによりSCCに対する合金感受性を向上させる。結果として、これらは本合金では最小限に抑えられる。
[50]
ミクロ偏析は、合金が豊富な組成物で問題となることがある。均質な組成は、鋳造インゴッド内に低溶融温度の液だめを生じることがある。M52S−2Aおよび2Bの例(表4)は、過剰な合金Ti含有率のために、鍛造に不適切であった。望ましくない早期溶融を避けるために、Mo含有率も制御すべきである。M45S−2AおよびM48S−2A(表4)は、偏析問題を伴わずに中間スケールで示されている。
[51]
強度、靱性および耐食性には微細粒度が必要である。溶体化処理中の望ましくない結晶粒成長を防止するために、本発明ではMがTi、V、Nb、またはTaであるMC粒子の分散を利用する。MC粒子分散の結晶粒ピニング効率は、上述の均質化プロセス中のC溶解および続いての鍛造中の析出によって達成される、改良された粒径で改善される。TiC粒子は球〜立方体形状であり、5μm未満、好ましくは1μmで粒界に位置して、約0.02〜0.15体積%を構成する。
[52]
良好な強度および靱性にはラスマルテンサイトマトリクスが必要である。残留オーステナイトは合金の強度を低下させて、約15体積%未満であるべきである。結果としてデルタフェライトを含まないFcc単相界が均質化温度にて必要である。この要件は、高いCr、Mo、およびW含有率を持つ合金にとって懸念事項である。図6に示すように、CoのM48S−1Aへの添加が高温オーステナイト単相界を促進できることが見出されている。
[53]
高温からの焼入れ時に、合金は極低温処置の必要をなくすために、室温を超える、好ましくは50℃を超えるMを有するべきである。Ni、Cr、Mo、Cu、およびWを慎重に制御すべきである。図7は、Mと残留オーステナイトの体積分率との関係を示す。M48S−2AおよびM52S−1B(表4)は、低すぎるMと、それに対応して高いオーステナイトを持つ合金の例である。
[54]
450〜550℃の焼戻しプロセスは、マルテンサイトマトリクス内に金属間粒子の分散物を析出させる。上述のη相は、本新規合金の主要な強化粒子である。図8に示すようなη相へのAlの溶解度も本合金で利用される。合金中のTi/Al比に応じて、多少の補助B2−NiAl強化が期待される。η相粒径は本合金で合金へのCoの包含によって最小限に抑えられ、このことは析出のための熱力学的駆動力を増大させる。低下した焼戻し温度もη相析出の熱力学的駆動力を増大させる。η相粒子は、最高強度の実施形態では主として、50nm未満の、好ましくは約10nm未満の長い寸法を持つロッド形状形態を有する。η相の相分率は約2〜8体積%の範囲で変化できる。
[55]
TCP相は、焼戻し中の上述の合金性能に対する有害な影響を避けられる。低下した焼戻し温度および向上したW、Mo、Co、Cu、およびCrは、TCP相の安定性を上昇させる。本発明のM45S合金の実施形態は、TCP相の析出を最も受けやすく、したがってこの合金の好ましい焼戻し温度は500℃超である。
[56]
オーステナイトも焼戻し中に析出し、このことは合金硬度の低下を引き起こす。オーステナイト析出は上昇した合金NiおよびCo含有率ならびに上昇した焼戻し温度によって促進される。制限されたオーステナイト析出も許容されるが、過剰なオーステナイト析出は合金強度を迅速に低下させることがある。図9は、3つの焼戻し温度でM52S−1Aについて、オーステナイトの体積分率を焼戻し時間および関連する硬度の低下と共に示している。
[57]
Cuはη相析出物と同時核形成することが既知であるため回避され[Hattestrand,M.et al.,2004 Acta Materialia,52,1023−1037]、そのような非剪断性オロワン転位障害物では、同時核形成は、特に関連するMの低下を考慮すると、強化の恩恵をほとんどもたらさない。bcc−CrおよびB2−NiAl析出の凝集性析出物は、η相粒子とは無関係に核形成して、補足的な強化を与えることができる。過剰なB2−NiAlを含むマトリクスからNiの過剰消費を避けるために注意を払う必要がある。
[58]
mu、ラーベス、R、およびシグマ相などのTCP相は、本質的に避けるべきである。その低い結晶対象性のために、これらの相は上述した強化相と比較して、析出について動力学的欠点を有する。したがってそれらは、析出のためのその駆動力がさらに望ましい相の析出後まで析出を遅延させるために十分に低い限り、熱力学的に適している。一般に、TCP相析出はW、Mo、Cr、Cu、およびCoならびに低下した焼戻し温度によって促進される。以下で述べる例により示すように、許容される合金元素制限および関連する焼戻し温度が編み出されている。
[59]
最後に、焼戻し中にオーステナイト析出が起こりうる。上昇した合金Ni含有率および増加した焼戻し温度がオーステナイトの析出を促進する。制限されたオーステナイト析出は許容されるが、過剰なオーステナイト析出は合金強度を迅速に低下させることがある。約15%未満の残留オーステナイトは許容されると考えられ、それゆえ合金は主にマルテンサイトにされる。
[60]
微細な粒度が強度、靱性および耐食性のために必要である。溶体化処理中の望ましくない結晶粒成長を防止するために、本発明ではTiC粒子の分散が利用される。TiC粒子分散の結晶粒ピニング効率は、均質化プロセス中のC溶解および続いて鍛造中の析出によって達成される、改良された粒径で改善される。TiC溶解度への要件は、選択した均質化温度について図5に示すように、TiCおよびC含有率を制限することによって達成される。約1200〜1250℃の温度範囲が0.5〜0.75重量%のTiおよび20〜150wppmのC、好ましくは50〜100wppmの炭素の最適温度として見出されている。
[61]
最適なη相強化反応のためのTi、Ni、Al、およびCoの平衡のために、有害なTCP相析出を避けるためのW、Mo、Co、Cu、およびCr、ならびにオーステナイト析出、合金組成全体および焼戻し温度を制御するためのNiおよびCoは、所望の合金性能を達成するために慎重に平衡にすべきである。表4は、本発明の実施例の組成および1つ以上の要件を満足しない組成の例を示す。表5は、合金例の焼戻し条件およびその対応する特性を示す。これらの例は、所望の強度、靱性、および耐食性を達成することが可能である考えられる組成および焼戻し温度のトレードオフを例示している。
実施例
Figure 0005362995
Figure 0005362995
Figure 0005362995
[62]
いずれにしても本発明の主題の目的は、特徴付けされた微小構造を達成するために、それにより強度、靱性および耐食性の改良された物理パラメータを達成するために処理された元素の組成を提供することである。請求する合金について所望の微細構造の特徴を達成するために、代わりの処理手段を利用できる。元素のある変形および代替物も利用できる。それゆえ本発明は、添付の請求項およびその同等物によってのみ限定される。
[23]析出硬化マルテンサイトステンレス鋼の衝撃靱性対降伏強度のグラフである。 [24]本発明の処理−構造−特性関係を示したシステム設計チャートである。 [25]M48S−1Aプロトタイプ合金の試験温度の関数としてシャルピーVノッチ衝撃エネルギーを示す。 [26]本合金の時間−温度ステップを図式的に示す。 [27]M48S−1A組成のTiおよびC含有率の関数としてMCカーバイドソルバス温度曲線を示す。TiおよびCを重量%の単位で示し、温度曲線を℃の単位で示す。 [28]M48S−1A合金の均質化温度での高温δフェライト(BCC)を回避するためのCoの効果を示す。 [29]プロトタイプ合金の測定した残留オーステナイト含有率対測定したMを示し、M低下により増加した残留オーステナイトの効果を示す。 [30]M52S−1A合金について計算したη−NiTi相の溶解度を説明するTi−Al準二元相図を示す。 [31]M52S−1Aプロトタイプ合金の測定した硬度およびオーステナイト体積分率を示し、オーステナイト体積分率の上昇による硬度の低下を示す。

Claims (15)

  1. 質量について0.002〜0.015%の炭素(C)、2〜15%のコバルト(Co)、7.0〜14.0%のニッケル(Ni)、8.0〜15.0%のクロム(Cr)、0.5〜2.6%のモリブデン(Mo)、0.4〜0.75%のチタン(Ti)、0.5%未満のタングステン(W)、0.7%未満のアルミニウム(Al)、残りの鉄(Fe)ならびに不可避的不純物からなる組成を有し、銅(Cu)を構成成分として回避するステンレス鋼合金であって、前記合金
    高温のFCC単相界に保持して前記合金を均質化するステップと、
    高温のFCCの単相界からTiC+FCCの2相界でのTiCソルバス温度より低い温度まで冷却された後で微小構造を精製する前記合金を鍛造するステップと、
    金属間相を溶解させる前記合金の溶体化処理ステップと、
    冷間加工を要することなくNi Tiη相を析出させる前記合金の焼戻しステップと、
    前記合金を不動態化するステップと、
    を含むステップにより処理され、
    これによって、前記合金は、ラスマルテンサイト微小構造を有し、残留オーステナイトの体積分率が15%未満であり、トポロジカル最密(TCP)金属間相を含まない、前記炭素(C)が0.02〜0.15体積%のTiCカーバイド粒子の分散であり、NiTiη相の金属間粒子の分散を強化相としてさらに含むことを特徴とする、ステンレス鋼合金。
  2. bcc−CrおよびB2−NiAl粒子から成る群より選択された、母相に結晶構造が整合する粒子の分散をさらに含む、請求項1に記載の合金。
  3. MCカーバイド粒子の結晶粒ピニング分散をさらに含み、MがV、NbおよびTaから成る群より選択される、請求項1に記載の合金。
  4. 鍛造及び熱処理を含む一連のステップを介して、1.356×CVN()+0.168×降伏強度(MPa)が325を超えるように、1241(MPa)を超える降伏強度、少なくとも13.56(MPa)のCVN靱性および少なくとも10の耐食性(PREN)まで処理され前記耐食性(PREN)は質量%Cr+3.3×(質量%Mo+1/2 質量%W)で規定される、請求項1に記載の合金。
  5. 質量について8〜11%のCr、10〜14%のNi、6〜15%のCo、0.2〜0.7%のAl、0.002〜0.015%のC、0.4%未満のCu、0.5〜1.5%のMo、0.5%までのW、0.55〜0.75%のTi、残りのFeならびに不可避的不純物からなる組成を有する、請求項1に記載の合金。
  6. 質量について10〜13%のCr、8.5〜11%のNi、4〜10%のCo、0.4%未満のCu、1〜2%のMo、0.5%までのW、0.45〜0.65%のTi、0.2〜0.6%のAl、0.002〜0.015%のC、残りのFeならびに不可避的不純物からなる組成を有する、請求項1に記載の合金。
  7. 質量について12〜15%のCr、7〜10%のNi、2〜8%のCo、0.4%未満のCu、1.5〜2.5%のMo、0.5%までのW、0.4〜0.6%のTi、0.4%までのAl、0.002〜0.015%のC、残りのFeならびに不可避的不純物からなる組成を有する、請求項1に記載の合金。
  8. 均質化によって単Fcc相まで処理され、続いて50℃のM温度以下に冷却されて、金属間η粒子およびTiC粒子を含むラスマルテンサイト微小構造を形成する、請求項1に記載の合金。
  9. η金属間相が2〜8重量%を構成する、請求項1に記載の合金。
  10. η金属間相の粒径および形状が、50nm未満の長寸法を備えた一般にロッド形状として特徴付けられる、請求項1に記載の合金。
  11. η金属間相の粒径および形状が、10nm未満の長寸法を備えた一般にロッド形状として特徴付けられる、請求項10に記載の合金。
  12. TiCの粒径が、球または立方体形状であり、粒界に位置し、5μm未満として特徴付けられる、請求項1に記載の合金。
  13. TiCの粒径が、1μm未満として特徴付けられる、請求項12に記載の合金。
  14. TiC粒子が結晶粒ピニング分散を構成する、請求項1に記載の合金。
  15. TiC粒子が結晶粒ピニング分散を構成する、請求項3に記載の合金。
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