JP5362567B2 - ラテライト質のニッケルとコバルトの鉱石を湿式製錬処理するための方法 - Google Patents

ラテライト質のニッケルとコバルトの鉱石を湿式製錬処理するための方法 Download PDF

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Description

本発明はニッケルおよびコバルトの酸化物鉱石の湿式製錬処理に関し、これは特に鉱石から抽出されたニッケルとコバルトを含む溶液を得るためのものであり、次いでその溶液はニッケルおよび/またはコバルトを中間精鉱(intermediate concentrate)または商品の形で回収するために処理することができる。
ニッケルおよびコバルトの鉱石は様々な種類に分けられる。主な種類のうちの一つは「酸化物」鉱石すなわち「ラテライト質」鉱石であり、これにおいてはニッケルとコバルトは酸化物の形になっていて、それらは下記の重なった層に配置された二つの部分の形で存在する。
− 「褐鉄鉱(limonite)」(またはしばしば「ラテライト」)の部分であって、マグネシウムの含有量が比較的低く、鉄の含有量が比較的高い;
− 「サプロライト(腐食岩石)」の部分であって、これは逆に、マグネシウムの含有量が比較的高く、鉄の含有量が比較的低い。
金属の形でニッケルとコバルトを回収する前にそれらの溶液を得るための様々な湿式製錬法が提案されてきた。最も慣用的な方法は「モア・ベイ(Moa Bay)」法であり、これにおいては、実質的に褐鉄鉱からなる鉱石である40%の固体分を有する鉱液(pulp)が245〜270℃および35〜55バールにおいて硫酸中に浸出され、次いで、大気圧において固-液分離と遊離酸の中和に供される。溶液中に残っている鉄とアルミニウムが、(歴史的にはサンゴ泥からの)粉砕した石灰石を添加することによって沈殿される。硫黄を沈殿させることによって溶液からニッケルとコバルトが回収される。
この方法の欠点は褐鉄鉱とかなりの部分のサプロライト質鉱石の両者が存在することであり、後者はマグネシウムの濃度が高いために主として塩基性であり、その結果、酸の消耗が増大してしまう。
この方法を用いて得られる溶液は、できるだけ様々なタイプのラテライト質鉱石またはそれらの部分を処理するとともに、酸の消耗をできるだけ少なくして、そして/または信頼性があまり高くなくて高圧で作業するときに用いなければならない高価なオートクレーブを用いることなく、そのような処理を行うことを目ざして提案されてきた。
特に、US-A-3 793 432号は、1.5よりも低いpHにおいて硫酸を用いて褐鉄鉱だけを浸出させ、その一方でジャロサイト沈殿物の中に鉄の沈殿を生成させる作用剤を添加することを教示するものとして引用することができる。この浸出プロセスは大気圧において行われるが、しかしニッケルの良好な抽出と十分な鉄の沈殿物を得るために極めて長い処理時間(40〜100時間)を必要とする。
US-A-4 410 498号において、大気圧において硫酸を用いてサプロライトだけを浸出させ、その一方で400〜600mVにおいて浴の酸化還元電位を維持する還元剤を添加することが教示されている。
US-B1-6 261 527号とUS-B2-6 680 035号は、鉄とニッケルを溶解させるために大気圧において褐鉄鉱の部分を最初に浸出させ、次いでジャロサイト沈殿物を得るために鉄の沈殿剤を添加し、それと同時に、液相中で遊離H2SO4 の濃度を5〜15g/l または5〜30g/l に維持するためにサプロライトを用いて鉱液を中和することを教示する。最終の溶液は、添加した鉄の沈殿剤の量に基づいて3g/l 未満または10g/l 未満の鉄の含有量を有する。
この鉄の沈殿剤を添加する一つの方法は、Na+ イオンの場合、海水を用いて褐鉄鉱とサプロライトを鉱液にすることである。これが鉄の沈殿剤の唯一の供給源である場合、上述の10g/l 未満の鉄の含有量の範囲の上方の部分だけを得ることができる。
JAL(ジャロサイト大気浸出)として知られるこのプロセスは、最終の浸出溶液の組成に関して良好な結果をもたらすという利点を有し、そしてプロセスの湿式製錬の部分を実施するためにかなり高価または信頼性の低い設備(オートクレーブ)を使用することを必要としない。しかし、前述した通り、ラテライト質鉱石から褐鉄鉱とサプロライトの部分を分離する前に選択的な採鉱または選択的な処理を必要とする。
しかるに、ある種の鉱床については、褐鉄鉱とサプロライトの層の薄さのために、あるいはそれらの境界面の複雑な形態のために、この分離プロセスを有効に実施することは困難である。また、ある種の鉱床においては極度に鉄を含むサプロライトが存在し、採鉱によって褐鉄鉱からこれらを有効に分離する方法は知られていない。これらのサプロライトには、鉄の含有量が少なくてマグネシウムをより多く含むサプロライトが重なっている。最後に、ある種の鉱床は(例えば、低い領域への多量の滑動により)再可動化されてきたが、移動の間に混合した様々なタイプの鉱石は有効に分離することができない。
従って、可能ではあるが(必ずしもそうとは限らない)、この分離プロセスは困難であり、そのコストは、金属を回収することを目ざして行われるニッケルとコバルトの鉱石の採鉱、鉱物加工工程および湿式製錬処理のコストにかなりの影響を及ぼす。
本発明の目的は、ラテライト質のニッケルとコバルトの鉱石を湿式製錬処理するための新奇な方法と、広範囲のラテライト質鉱石から満足なコストで高レベルの純度を有するニッケルおよびコバルトの中間精鉱または商品を得ることを可能にするその方法の使用を提供することである。
従って、本発明は、褐鉄鉱とサプロライトの混合物からなるラテライト質のニッケルとコバルトの鉱石を湿式製錬処理するための方法であって、以下のことを特徴とする方法に関する:
− 鉄の沈殿剤の存在下で褐鉄鉱とサプロライトの混合物が鉱液にされ、それにより10〜40重量%、好ましくは20〜30重量%の固体の含有量を有する最初の鉱液を形成し;
− 褐鉄鉱とサプロライトの出発鉱液が硫酸を用いて70℃とこの溶液の沸点との間の温度、好ましくは90℃と沸点との間の温度で大気圧において浸出され;
− 浸出工程から得られた鉱液が2〜3のpHが得られるように任意に中和され;
− 好ましくはデカンテーションおよび向流洗浄またはろ過によって、前記鉱液について固-液分離工程が行われ、それにより主としてジャロサイトの形の鉄を含有する固体残留物とニッケルとコバルトのイオンを含有する溶液を得て;
− 混合物のサプロライト/褐鉄鉱の比率は好ましくは0.5〜3であり;
− 硫酸を用いる浸出工程の間の鉱液の保持時間は好ましくは1〜24h、好ましくは6〜12hであり;
− 鉱液が浸出される間に添加される硫酸の量は、好ましくは、浸出工程の後の鉱液中の硫酸の濃度が10〜50g/l 、好ましくは20〜40g/l になるような量である。
本発明の変形によれば、混合物のサプロライト/褐鉄鉱の比率は、その混合物の浸出工程の第一段階の後に25〜50g/l の硫酸の濃度を得ることを可能にする比率であり、そしてさらに、サプロライトは単独で10〜40重量%、好ましくは20〜30重量%の固体の含有量を有する鉱液にされる。このサプロライトの鉱液は浸出工程の間にサプロライトと褐鉄鉱の鉱液に添加され、それによってこの浸出工程の第二段階が5〜8hにわたって70℃とこの溶液の沸点との間の温度、好ましくは90℃と沸点との間の温度で続行され、前記の任意の中和工程と前記の固-液分離工程を続行する前に、浸出工程の第二段階の後の鉱液中の硫酸の濃度が10〜50g/l 、好ましくは20〜40g/l にされる。
浸出工程の第一段階の間に最初の褐鉄鉱とサプロライトの鉱液を保持する時間は、好ましくは1〜8h、好ましくは4〜6hである。
浸出工程は好ましくはSO2 などの還元剤の存在下で行なわれ、このとき電気化学電位は標準水素電極に対して1000mV以下に維持される。
最初の褐鉄鉱とサプロライトの鉱液は、好ましくはジャロサイトのシード(seed)の存在下で浸出される。
シード/鉱石の比率は好ましくは0〜2、より好ましくは0.2〜0.6である。
前記のシードは好ましくは、前記の浸出工程から得られる鉱液の幾分かの固-液分離(好ましくはデカンターにおいて)を行う間に得られる固体部分によって形成される。
前記の分離工程によって得られる前記の固体部分は好ましくは、少なくとも30%の固体含有量を有する。
前記のシードは、前記の分離工程によって得られる前記の固体部分をろ過することによって生じたものであってもよい。
鉄の沈殿剤は好ましくはNa+ 、K+ およびNH4 + から選択される。
鉄の沈殿剤は好ましくは、少なくとも一部は、海水を用いて添加され、それによって褐鉄鉱とサプロライトの混合物が鉱液にされ、さらに/またはサプロライトが鉱液にされる。
本発明はまた、ラテライト質鉱石からニッケルおよび/またはコバルトの中間精鉱または商品を製造するための方法であって、以下のことを特徴とする方法に関する:
− 前記のラテライト質鉱石の湿式製錬処理が上述したようにして行われ;
− 前記のニッケルとコバルトのイオンを含有する溶液が精製工程に供され、そして中間精鉱または商品の形でニッケルおよび/またはコバルトが回収される。
すでに理解されたであろうが、US-B1-6 261 527号とUS-B2-6 680 035号に開示された先行技術の方法と本発明に従う方法との間の実質的な相違は、本発明においては、ラテライト質鉱石を比較的高い含有量の鉄と比較的低い含有量のマグネシウムを有する褐鉄鉱の部分と比較的低い含有量の鉄と比較的高い含有量のマグネシウムを有するサプロライトの部分に最初に分離する必要がない、ということである。高含有量のサプロライト部分を有するラテライト質鉱石の鉱液は硫酸を用いる大気浸出によって直接処理することができて、従って、もしそれが無ければ、浸出工程の間に高温と高圧を用いる必要がある。従って、このタイプの鉱石を処理するためのトータルコストは、ニッケルのある回収量を維持したまま実質的に少なくなり、そのような回収量はなお競争力のあるものであり、また上述の先行技術の方法を用いて得ることのできるものと同等ですらある。褐鉄鉱とサプロライトに有効に分離するには困難すぎるか、そして/または費用がかかりすぎた様々なラテライト質鉱石は、かように満足のいくコストで処理することができる。
もしサプロライトの供給源も利用できるのであれば、浸出工程の間に最初の鉱液にサプロライトの鉱液を添加することによってプロセスの成績を改善することができる。この変形を実施するのに必要な唯一の追加の反応器は、サプロライトを鉱液にするためのものであって、従ってそれは非常に単純な構造のものとなる。この変形から得られるプロセスのコストの増大は依然として極めて手ごろなままであり、それによって浸出操作の総時間を短縮することができるので、なおいっそうそうである。プロセスの総時間は、依然として標準的なプロセスのものと同等である。
最初の褐鉄鉱とサプロライトの鉱液は好ましくは、ジャロサイト含有シードの存在下で浸出される。これらのシードは好ましくはプロセス自体が実施される間に得られ、例えば浸出工程によって得られる鉱液の幾分かについて行われる固-液分離工程によって得られる。
海水を用いて鉱液形成工程を実施することによって、Na+ イオンの場合、鉄の沈殿剤を低コストで導入することができる。この作用剤のおかげで、硫酸を用いて浸出がなされた鉱石の溶液中に存在する鉄はジャロサイト中に沈殿するだろう。鉱液形成工程について上述した条件下で海水によって導入されるNa+ イオンの量は、少なくとも許容できると考えられる鉄の溶解量を有する最終の溶液中に残る鉄の沈殿を得るのに十分なものである。極めて少量の鉄を含有する最終の溶液を得ようとする場合は、1以上の鉄の沈殿剤(Na+、K+、およびNH4 + イオンなどを含む化合物)を鉱液に特別に添加してもよく、あるいは鉱液形成工程を適当な量の1以上の前記作用剤とともに軟水を用いて実施してもよい。最終の溶液において極めて低い鉄の含有量を得るために2〜3のpHが得られるように、浸出工程から生じる鉱液を中和することも好ましい。
添付図面を参照しながら以下の説明を読むことによって、本発明はより良く理解されるであろう。
図1は本発明に従う方法の第一の態様を示す図である。 図2は本発明に従う方法の第二の態様を示す図である。 図3は三つの浸出試験の間の鉱液の液体部分における鉄の含有量の変化を示す。 図4は同様の試験の間の鉱液の液体部分における遊離H2SO4 の含有量の変化を示す。
最初に指摘すべきことは、以下の説明において特定の用語に次の定義が適用されるが、それらの正確な意味は技術文献の中で常に同じであるとは限らない、ということである。
− 褐鉄鉱(limonite):50〜70%のFe2O3 および多くても5%のMgOを含有する鉱石の部分;
− サプロライト(腐食岩石(saprolite)):7〜27%のFe2O3 および少なくとも10%のMgOを含有する鉱石の部分。
図1は本発明に従う方法の標準的なバージョンを示し、以下ではこれを「バージョン1」と呼ぶ。
第一の工程において、褐鉄鉱とサプロライトの混合物2が海水3を用いて鉱液にされる。この褐鉄鉱とサプロライトの混合物2は好ましくはラテライト質のニッケル鉱石であり、これにおいて高含有量のマグネシウムを有する部分と低含有量のマグネシウムを有する部分は分離されていない。サプロライト/褐鉄鉱の比率は好ましくは0.5〜3である。この鉱液形成工程により、10〜40重量%、好ましくは20〜30重量%の固体の含有量を得ることが可能になる。
第二の工程4において、第一の工程1で得られた鉱液は硫酸5を用いて浸出される。この浸出工程4は、大気圧において70℃とこの溶液の沸点との間の温度、好ましくは90℃と沸点との間の温度で行われ、この高温により、浸出されるべき成分の溶解が促進される。従って、このプロセスの場合、ニッケル鉱石を処理するための幾つかの他のプロセスにおいて必要な高温かつ高圧での浸出プロセスのために通常用いられるオートクレーブなどの、必ずしも信頼性が高くはなくて複雑で高価な設備を不要にすることができる。浸出工程4の間の鉱液の保持時間は一般に1〜24h、好ましくは6〜12hである。この時間は、できるだけ完全なニッケルの溶解を達成するためと、長過ぎない処理時間を得るために、プロセスの様々な技術上および費用上のパラメータの関数として最適化することができる。添加される硫酸の量は、好ましくは、全体のプロセスの最後に硫酸の濃度が10〜50g/l 、好ましくは20〜40g/l になるのに必要な量であり、それにより浸出溶液でのニッケルの高い浸出収量と可溶性の鉄の低い含有量との間の良好な折衷が得られる。他の方法においては、標準水素電極に対して1000mV以下の電気化学電位を溶液に対して負荷することも知られている。実際には、ラテライト質の鉱石において、コバルトの優勢な部分は呉須土(asbolite)タイプの酸化マンガン化合物中に含まれていて、マンガンが可溶性にされるときに原子価がIVからIIに還元されることによってコバルトは放出される。しかしながら、コバルトを浸出するためにプロセスを最適化することが特に求められない場合は、電気化学電位を負荷する必要はない。電気化学電位は還元剤を添加することによって、例えばSO2 の吹き込みによって負荷される。ジャロサイトを含む固体部分(これはひいては、混合物2の中に最初に存在する鉄の大部分を含む)は沈殿し、ニッケルおよび/またはコバルトを回収するための工程が行われる最終の溶液中にこの鉄が高含有量で存在するのは望ましくない。
必須ではなく好ましくは(従って、この工程は図1において点線で示されている)、浸出工程4は、ジャロサイトを含む浸出残留物シードを鉱液に添加した後に行われ、これにより固体部分におけるジャロサイトの沈殿が迅速に起こる。シード/鉱石の重量比は好ましくは0〜2であり、より好ましくは0.2〜0.6であり、これにより所望の結果が低コストで得られる。この比率は、最初の鉱石の正確な組成に応じて本発明のプロセスが十分に最適化されるように、変化させてもよいパラメータである。このシードを得るための好ましい方法は、図1に示すように、浸出工程4によって得られる鉱液の部分について(好ましくはデカンターにおいて)固-液分離工程6を行い、そして底流部分を浸出反応器へ戻すことである。この底流部分は少なくとも30重量%の固体含有量を有するのが好ましく、浸出のために再循環される液体の量が制限されるように、できるだけ濃厚にされるのが有利である。底流部分の鉱液をろ過することによって、かなり高い固体含有量を得ることが可能になる。
分離工程6の溢流液(overflow liquid)は、浸出工程4によって得られた鉱液に任意に添加され、次いでこれは任意に、最終的なpHを2〜3、好ましくは約2.5にするために、細かく粉砕された石灰岩などの中和剤を用いて中和の工程7に供され、それにより可溶性の鉄の含有量が最少になり、また幾分かのコバルトとニッケルの共沈が避けられる。
最後に、鉱液は固-液分離工程8に供され、これは好ましくはデカンテーションおよび向流洗浄またはろ過によって行なわれる。可溶性のコバルトとニッケルを実質的に含まず、そして特に最初の鉱石の中に最初に存在していた鉄の実質的に全てを含む残留物9が得られ、それと同時に、可溶性にされたニッケルとコバルトのイオンを含んでいて、そして任意の中和工程7が行なわれない場合は鉄の含有量が典型的には約4〜30g/l、好ましくは4〜15g/lである溶液も得られる。中和工程7により、この鉄の含有量を1g/l未満にすることができる。
次いで、この溶液をニッケルおよび/またはコバルトを回収するための慣用の回収工程10に供することができて、これは、これらの元素のうちの少なくとも一つを中間精鉱の形で、あるいは通常のタイプの商品の形で分離するために行なわれる。特に、硫酸塩を用いるプロセスが望ましい。そのようなプロセスは慣用のものであり、また本発明に従う方法の初期に行なわれる諸工程がそれらによって特に干渉されるわけではないので、それらについてここでもっと詳細に説明する必要はない。
図2は本発明に従う方法の変形を示す図であり、以下ではこれを「バージョン2」と呼ぶ。これはバージョン1に対して、主として、浸出工程が二段階で実施され、第二段階は最初の鉱液が浸出されている間にサプロライトの鉱液を添加することによって開始される、という点で異なっている。
褐鉄鉱とサプロライトの混合物を海水3を用いて鉱液にする第一の工程1はバージョン1におけるのと同様に行なわれ、そして10〜40%、好ましくは20〜30%の鉱液中での固体の含有量が得られる。
しかし、サプロライト/褐鉄鉱の比率を決定するための基準はこの場合は異なっていて、浸出工程の第一段階4の最後に、硫酸の濃度が20〜50g/lの比較的高い濃度となり、それによりニッケルとコバルトの浸出収量が与えられるように、比率が設定される。
次いで、鉱液は二つの段階4および11で浸出される。第一段階4は単一段階のバージョン1における浸出工程4に相当し、やはりこれも、大気圧において70℃とこの溶液の沸点との間の温度、好ましくは90℃と沸点との間の温度で行われ、そしてコバルトを浸出するためにプロセスを最適化することが求められる場合は、標準水素電極に対して1000mV以下の電位が負荷される。
この場合、添加される硫酸5の量は、浸出工程の第二段階11(これについては後に説明する)の後に硫酸の濃度が10〜50g/l 、好ましくは20〜40g/l になるのに必要な量である。
浸出工程のこの第一段階4は一般に1〜8h、好ましくは4〜6h持続される。褐鉄鉱とサプロライトの混合物が鉱液1にされ、そして浸出工程の第一段階4が実施されるとき、サプロライトの部分13も海水14を用いて鉱液12にされ、それにより10〜40%、好ましくは20〜30%の鉱液中での固体の含有量が得られる。鉱液中での硫酸の含有量が20〜50g/lに達した時点まで浸出工程の第一段階4が進行したら、次に鉱液形成工程12から生じたサプロライトの鉱液が浸出された鉱液に添加され、このとき、プロセスからの意図的でない偏りを修正する場合以外は、硫酸をさらに添加する必要はない。かくして浸出工程の第二段階11が開始するが、しかしこれは、大気圧において70℃とこの溶液の沸点との間の温度、好ましくは90℃と沸点との間の温度で行われる。この段階11は5〜8h持続される。これにより最終的に浸出された鉱液が得られ、それの固体部分はジャロサイトを含み、これはひいては、最初の褐鉄鉱とサプロライトの混合物2の中および添加されたサプロライト13の中に最初に存在する鉄の大部分とを含む。
次いでこの鉱液は、バージョン1と同様に任意の工程である中和7、固-液分離8およびニッケルおよび/またはコバルトの回収10の工程に供される。
バージョン1と同様に、浸出工程4および11は好ましくはジャロサイトを含むシードの存在下で行なわれる。それは浸出工程の第一段階4の前に鉱液に添加され、好ましいシード/鉱石の重量比はやはり0〜2であり、より好ましくは0.2〜0.6である。この核は、有利なやり方としては、浸出工程の第二段階11によって得られる鉱液の部分について行われる固-液分離工程6によって得られる。やはり、この分離工程6から生じる底流部分は少なくとも30%の固体含有量を有しているのが好ましく、そしてそれは、浸出反応器へ送られる底流部分(もしくはそれをろ過することによって得られる鉱液)である。
この分離工程6から生じる溢流液は浸出工程の第二段階11によって得られた鉱液に添加され、その目的は、中和工程7(これが行われる場合)に供するか、あるいは直接に固-液分離工程8に供することである。
バージョン1と比較して、バージョン2はニッケルとコバルトの浸出収量を増大させることを可能にする。これは、最初の褐鉄鉱とサプロライトの鉱液が浸出工程4に供される前に、この鉱液にジャロサイトを含むシードを添加する目的でもある。この添加を行うことによって、ジャロサイトが沈殿する速度を加速させ、そして最終的な溶液中の所定の鉄含有量について所望の浸出収量を得るのに必要な硫酸の量を低減させることが可能になる。実際に、ジャロサイトの沈殿によってある量の酸が放出され、次にこれは、ニッケルとコバルトをさらに溶解させるのに利用できる。
本発明に従うプロセスの様々な変形に関して、実験室での試験手順とそれらの結果を以下で説明する。
試験の最初のセット(1〜5と番号付けした)において、本発明に従うプロセスのバージョン1および2が行われたが、しかしこのとき、浸出工程の間にジャロサイトを含むシードの意図的な導入は行われなかった。
ニューカレドニアから得られた典型的な鉱石について試験が行なわれたが、それらの鉱石の主な特徴を表1に示す。
主要な操作条件を表2に示す。
Figure 0005362567
Figure 0005362567
試験5に関して、酸性度は、二つの段階の浸出工程において添加された鉱石の総量に対するものとみなされる。より詳細なことを知るために、試験の詳細な説明を参照されたい。
試験No.1:バージョン1−褐鉄鉱とサプロライトの1:1の比率での浸出
269gの乾燥した褐鉄鉱と281gの乾燥したサプロライトの混合物が、還流装置を備えた自動調温制御の2リットルの二重包囲反応器中にあるNaを11g/l含む1620mlの海水に添加された。鉱液の状態にあるこの鉱石の混合物に443gの96%硫酸がゆっくり添加された。すなわち、これは0.77g H2SO4/g乾燥鉱石である。反応器に、二酸化硫黄を脱ガスするための装置とAg/AgCl電極を用いて酸化還元電位を測定するための装置が備え付けられた。鉱液を攪拌するために反応器は318rpmで回転された。
試験を行なう間、反応媒体は95℃と沸点の間の温度にされた。反応の30分後、SO2を約5hにわたって添加することによって、最大でおよそ650mV Ag/AgClで鉱液の電位が点検された。電位の変化は次のようであった。
Figure 0005362567
5.8hにおいて採取した試料は、3.8g/lのNi、0.51g/lのCoおよび34g/lのFeを含む浸出液を示した。すなわち、Niについておよそ70%、Coについて92%の浸出収率とFeについて28%の沈殿である。
次いで、試験後に1930mlの鉱液からなる反応混合物がろ過された。4.7g/lのNiと0.51g/lのCo、7.7g/lのFeおよび39g/lのH2SO4 を含む1300mlのろ液が回収された。ろ過ケークがフィルター上で洗浄され、そして一定の重量で乾燥された。551gの乾燥残留物、すなわち1.00g乾燥残留物/g乾燥鉱石が回収された。
浸出収率はNiについて86.6%、Coについて92.4%、そしてFeについて8%であった。
試験No.2:バージョン1−褐鉄鉱とサプロライトの1:1の比率での浸出
333gの乾燥した褐鉄鉱と333gの乾燥したサプロライトの混合物が、前述したのと同様の反応器中にあるNaを11g/l含む2000mlの海水に添加され、そして同様の条件で攪拌された。鉱液の状態にあるこの鉱石の混合物に557gの96%硫酸がゆっくり添加された。すなわち、これは0.80g H2SO4/g乾燥鉱石である。
試験を行なう間、反応媒体は95℃と沸点の間の温度にされた。15分後、SO2を約5時間にわたって添加することによって、最大でおよそ650mV Ag/AgClで鉱液の電位が点検された。電位の変化は次のようであった。
Figure 0005362567
1300mlの鉱液からなる最終的な反応混合物がろ過された。4.8g/lのNiと0.55g/lのCo、27.4g/lのFeおよび25g/lのH2SO4 を含む940mlのろ液が回収された。ろ過ケークがフィルター上で洗浄され、そして一定の重量で乾燥された。356gの乾燥残留物が回収された。
浸出収率はNiについて87.3%、Coについて95.3%、そしてFeについて26%であった。
試験No.3:バージョン1−褐鉄鉱とサプロライトの1:1の比率での浸出
269gの乾燥した褐鉄鉱と281gの乾燥したサプロライトの混合物が、前述したのと同様の反応器中にあるNaを11g/l含む1620mlの海水に添加され、そして同様の条件で攪拌された。鉱液の状態にあるこの鉱石の混合物に500gの96%硫酸がゆっくり添加された。すなわち、これは0.87g H2SO4/g乾燥鉱石である。
試験を行なう間、反応媒体は95℃と沸点の間の温度にされた。反応の15分後、SO2を約5時間にわたって添加することによって、最大でおよそ650mV Ag/AgClで鉱液の電位が点検された。電位の変化は次のようであった。
Figure 0005362567
次いで、1920mlの鉱液からなる最終的な反応混合物がろ過された。4.6g/lのNiと0.46g/lのCo、21.4g/lのFeおよび36g/lのH2SO4 を含む1355mlのろ液が回収された。ろ過ケークがフィルター上で洗浄され、そして一定の重量で乾燥された。475gの乾燥残留物、すなわち0.86g乾燥残留物/g乾燥鉱石が回収された。
浸出収率はNiについて93.6%、Coについて96.7%、そしてFeについて24%であった。
試験No.4:バージョン1−褐鉄鉱とサプロライトの1:2の比率での浸出
135gの乾燥したラテライトと270gの乾燥したサプロライトの混合物が、前述したのと同様の反応器中にあるNaを11g/l含む1215mlの海水に添加され、そして同様の条件で攪拌された。鉱液の状態にあるこの鉱石の混合物に375gの96%硫酸がゆっくり添加された。すなわち、これは0.89g H2SO4/g乾燥鉱石である。
試験を行なう間、反応媒体は95℃と沸点の間の温度にされた。反応の15分後、SO2を約5時間にわたって添加することによって、最大でおよそ650mV Ag/AgClで鉱液の電位が点検された。電位の変化は次のようであった。
Figure 0005362567
次いで、1500mlの鉱液からなる反応混合物がろ過された。4.3g/lのNiと0.33g/lのFeおよび30g/lのH2SO4 を含む1080mlのろ液が回収された。ろ過ケークがフィルター上で洗浄され、そして一定の重量で乾燥された。288gの乾燥残留物、すなわち0.71g乾燥残留物/g乾燥鉱石が回収された。
浸出収率はNiについて89.0%、Coについて93.9%、そしてFeについて34%であった。
試験No.5:バージョン2−褐鉄鉱とサプロライトの1:2の比率での浸出
第一段階
141gの乾燥したラテライトと139gの乾燥したサプロライトの混合物が、前述したのと同様の反応器中にあるNaを11g/l含む810mlの海水に添加され、そして同様の条件で攪拌された。鉱液の状態にあるこの鉱石の混合物に363gの96%硫酸がゆっくり添加された。すなわち、これは最初の鉱石の量に対して1.24g H2SO4/g乾燥鉱石である。
試験を行なう間、反応媒体は95℃と沸点の間の温度にされた。反応の15分後、SO2を約5時間にわたって添加することによって、最大でおよそ650mV Ag/AgClで鉱液の電位が点検された。電位の変化は次のようであった。
Figure 0005362567
この第一段階は5.7h持続した。
反応混合物は1092mlの鉱液からなり、これは次のように処理された:
− ろ過;4.2g/lのNiと0.43g/lのCo、71g/lのFeおよび30g/lのH2SO4 を含む900mlのろ液が回収された。ろ過ケークがフィルター上で洗浄され、そして一定の重量で乾燥された。86gの乾燥残留物、すなわち0.31g乾燥残留物/g乾燥鉱石が回収された。次いで、第一段階の結果が評価された。浸出収率はNiについて97.7%、Coについて97.9%、そしてFeについて94%であった。
− あるいは、第二段階において用いられる。
第二段階
t=5.7hにおいて、139gの乾燥したサプロライトを添加することによって反応混合物は中和され、405mlの海水中の鉱液にされた。この媒体は、t=23.8hにおいて試験が終了するまで加熱された。追加の酸は何も添加されず、このことは、二つの段階の間に添加された鉱石の総量を考えた場合、試験の開始の時点で導入された酸の量は0.83/g乾燥鉱石であったことを意味する。
最終的な酸化還元電位は574mV Ag/AgClであった。
1590mlの鉱液からなる反応混合物がろ過された。5.7g/lのNiと0.40g/lのCo、4.9g/lのFeおよび25g/lのH2SO4 を含む1080mlのろ液が回収された。ろ過ケークがフィルター上で洗浄され、そして一定の重量で乾燥された。400gの乾燥残留物、すなわち0.95g乾燥残留物/g乾燥鉱石が回収された。
浸出収率はNiについて93.8%、Coについて95.5%、そしてFeについて8%であった。
試験No.2における浸出プロセスの間に、関係する様々な反応の変化がモニターされた場合、浸出プロセスの進行に関して以下の結論がなされる。
マグネシウムは極めて迅速に浸出され(最初の1時間に90%が浸出される)、そして開始時に導入される酸のかなりの部分(40%)が消費される。その後は、浸出される量はほんのわずかしか増大しない(最終的な収率は95%)。
鉄は迅速に浸出されるが、3h後に48%の最大浸出収率に達する。すなわち、導入される酸の消費量は33%である。この収率はその後、ジャロサイト中への鉄の沈殿のために26%の最終値に達するまで低下し、この値は約15h後に得られる。溶液中での鉄の含有量の変化を示す曲線を図3に示す。
ニッケルの73%が1h以内に浸出される。次いで、浸出はゆっくり行われ、16h後に87%の最終的な収率が得られる。
SO2を添加した後にコバルトが極めて迅速に浸出される(1h以内に90%)。約10h後に95%の最大収率が得られる。
1h後のH2SO4含有量は35g/lであり、3h後に17g/lに低下する。次いで、ジャロサイトの沈殿が進行する間に酸性度が連続的に増大する。これによって酸が放出され、次いで、鉱石の浸出はニッケルの連続的な浸出へ移行する利用が可能となる。H2SO4含有量の最大値は28g/lであり、この値は約15h後に得られる。次いでそれは、28h後に25g/lまで再び連続的に低下する。その曲線を図4に示す。
参照の試験1および2
JAL(jarosite atmospheric leaching:ジャロサイト大気浸出)として知られるプロセスを用いて、参照の試験も行なわれた。そのプロセスは文献US-B1-6 261 527およびUS-B2-6 680 035の主題である。
このプロセスによれば、第一段階において褐鉄鉱(これは海水を用いて鉱液にされている)だけが大気圧において浸出され、そして還元剤を添加することによって電位が点検される。第二段階において、鉱液はサプロライトだけを用いて中和される。
これらの参照試験において、1gの鉱石(褐鉄鉱とサプロライトの合計)当り0.80gのH2SO4が添加され、そして1:1の褐鉄鉱/サプロライト比が用いられた。この点で、本発明に従う試験1および2において用いられたものと同等の条件が用いられた。参照試験1は13.3h行われ、一方、参照試験2は24h行われた。
参照試験1および2と本発明に従う試験1〜5の結果を表8に要約する。
Figure 0005362567
全てのケースにおいて、コバルトを浸出することによっておよそ92〜98%の良好な収率が得られた。本発明に従うプロセスは、参照のJALプロセスのものに極めて近い結果をもたらした。これは、コバルトを浸出するためのプロセスはコバルトと関係のあるマンガン還元剤の導入にかなり強く依存する、という事実によるものである。この場合、参照試験と本発明に従う試験の両者において、それはSO2であった。
ニッケルを浸出するためのプロセスに関して、収率はほぼ同等である(全ての試験について約90%)。褐鉄鉱/サプロライト比が1:1であるとき、本発明に従うプロセスのバージョン1は約87%の収率をもたらし、酸性度は約0.80g/gとなり、従って参照試験のものよりもわずかに低い結果となるが、しかし酸性度は同等である。約0.90g/gのもっと高い酸性度を用いると、参照試験のものと同等の収率が得られる。褐鉄鉱/サプロライト比が1:2に増大して、かつ同等の酸性度を用いる場合、ニッケルを浸出することによって得られる収率は、本発明に従うプロセスのバージョン1の場合に、わずかに低下する。
しかし、本発明に従うプロセスのバージョン2が1:2の褐鉄鉱/サプロライト比で行われる場合は、酸性度が約0.80g/gに過ぎない場合であっても、ニッケルを浸出することによって約94%の非常に高い収率が得られる。
従って、本発明は、バージョン1そしてとりわけバージョン2を用いることによってニッケルを浸出したとき、従来のJALプロセスを用いる場合と同等の組成の鉱石を処理して、そして同等の量の酸を消費して、JALプロセスを用いて得られるものよりもほんのわずかに劣るか、あるいはほぼ同等の結果を得ることを可能にする。
注目すべきことに、これらの結果は、浸出プロセスの第一の段階あるいは一つだけの段階を実施するために褐鉄鉱とサプロライトを最初に分離することを要せずして得られた。このことは、一般的にはかなりの量のサプロライトを含むラテライト質鉱床に対するJALプロセス、そして特に鉱物の加工処理によって褐鉄鉱の部分とサプロライトの部分を選択的に採鉱または分離する場合のJALプロセスが可能でないか、あるいは費用がかかり過ぎる場合と比較して、費用の面からの実質的な利点である。
最終の溶液中に残留する鉄の存在に関して、試験1〜5において本発明に従うプロセスを用いて得られた結果は、一見したところではかなり矛盾するように思える。導入される酸の量に伴って鉄の含有量は増大する傾向があるが(0.77〜0.83g/g H2SO4が導入された場合の5〜8g/lのFe、0.87〜0.89g/gのH2SO4が導入された場合の21〜24g/lのFe)、しかし、試験No.2(0.80g/g H2SO4)では、H2SO4の量はわずかに0.80g/gであるにもかかわらず27.4g/lというかなり高いFe含有量となったことが注目される。
この発見は、ジャロサイトの沈殿速度が浸出プロセスの開始時にジャロサイト含有シードの有無にかなり依存することの説明となる。実際には、試験2を開始する前に反応器を極めて念入りに洗浄したというのが事実である。従って、このタイプのジャロサイトシードは出発媒体には全く存在せず、一方、このことは本発明に従う他の試験にはおそらく当てはまらず、工業上の実際においては当てはまることがかなり多いであろう。
従って、この発見に基づいて、浸出プロセスの前にジャロサイトシードを鉱液に故意に添加することによる影響を検討するために、新しい試験が行なわれた。
これらの試験は本発明に従うプロセスのバージョン1に従って行われ、この場合、浸出プロセスは単一の段階で行なわれる。しかるに、その結果は、中間でのサプロライトの添加を伴う二つの段階での浸出を含むバージョン2にも適用することができる。
6および7と番号付けした二つの試験が、使用したプロセスのバージョン(バージョン1)に関して上の試験2のものと同等の条件で行われ、褐鉄鉱/サプロライト比は1:1で、添加したH2SO4の量は乾燥鉱石1g当り約0.80gであった。試験2の場合とは異なって、浸出が始まる前に、鉱液にジャロサイト残留物シードが1:6(試験6)または1:2(試験7)のシード/乾燥鉱石の比率で添加された。また、シードの分散を促進するために反応器の回転速度が上げられた。試験2(比較としてのもの)、試験6および7についての条件を表9に要約する。
Figure 0005362567
試験No.6:バージョン1−褐鉄鉱とサプロライトの1:1の比率および0.17gシード/g鉱石での浸出
260gの乾燥した褐鉄鉱と258gの乾燥したサプロライトおよび88gのジャロサイト残留物シードの混合物が、前述したのと同様の反応器中にあるNaを11g/l含む1580mlの海水に添加された。鉱液の状態にあるこの鉱石の混合物に450gの96%硫酸がゆっくり添加された。すなわち、これは0.84g H2SO4/g乾燥鉱石である。反応器に二酸化硫黄を脱ガスするための装置と酸化還元電位を測定するための装置が備え付けられ、そして反応器は538rpmで回転するように設定された。
試験を行なう間、反応媒体は95℃と沸点の間の温度にされた。15分後、SO2を約5時間にわたって添加することによって、最大でおよそ650mV Ag/AgClで鉱液の電位が点検された。電位の変化は次のようであった。
Figure 0005362567
約50mlの鉱液からなる一定の試料が1時間ごとに採取された。試料はすぐにろ過され、そしてろ過ケークが洗浄された。ろ液、洗浄物および洗浄されたろ過ケークが分析された。
最終的な反応混合物がろ過された。4.5g/lのNiと0.50g/lのCo、11.2g/lのFeおよび36g/lのH2SO4 を含む990mlのろ液が回収された。ろ過ケークがフィルター上で洗浄され、そして一定の重量で乾燥された。484gの乾燥残留物が回収された。すなわち、開始時に88gのシードを添加したとき、0.77gの新しい残留物/g鉱石である。
浸出収率はNiについて93.7%、Coについて96.5%、そしてFeについて9.6%であった。
試験No.7:バージョン1−褐鉄鉱とサプロライトの1:1の比率および0.50gシード/g鉱石での浸出
333gの乾燥した褐鉄鉱と333gの乾燥したサプロライトおよび333gのジャロサイト残留物シードの混合物が、前述したのと同様の反応器中にあるNaを11g/l含む2000mlの海水に添加された。鉱液の状態にあるこの鉱石の混合物に556gの96%硫酸がゆっくり添加された。すなわち、これは0.80g H2SO4/g乾燥鉱石である。反応器に二酸化硫黄を脱ガスするための装置と酸化還元電位を測定するための装置が備え付けられ、そして反応器は515rpmで回転するように設定された。
試験を行なう間、反応媒体は95℃と沸点の間の温度にされた。15分後、SO2を約5時間にわたって添加することによって、鉱液の電位が最大でおよそ650mV Ag/AgClに設定された。電位の変化は次のようであった。
Figure 0005362567
約50mlの鉱液からなる一定の試料が1時間ごとに採取された。試料はすぐにろ過され、そしてろ過ケークが洗浄された。ろ液、洗浄物および洗浄されたろ過ケークが分析された。
2135mlの鉱液からなる最終的な反応混合物がろ過された。4.8g/lのNiと0.51g/lのCo、7.6g/lのFeおよび42g/lのH2SO4 を含む1227mlのろ液が回収された。ろ過ケークがフィルター上で洗浄され、そして一定の重量で乾燥された。839gの乾燥残留物が回収された。すなわち、開始時に333gのシードを添加したとき、0.76gの新しい残留物/g鉱石である。
浸出収率はNiについて97.1%、Coについて94.6%、そしてFeについて5.3%であった。
浸出プロセスの間に反応媒体の変化をモニターすることによって以下の結論が得られた。
シードが存在することによってNiの浸出収率が実質的に改善され、添加されるシードの量が多いほど浸出プロセスの進度は加速される。
試験2において、1時間後、72%のNiが浸出され、それに対して試験6においては75%、そして試験7においては88%であった。試験7について、わずか2hで92.9%が得られ、一方、この量は試験2においては24h後であっても得られなかった。試験7において、8h後に96%が得られ、そして24h後に97%となり、これはJALプロセスを用いる参照の試験で得られる量よりも高く、優れている。試験6において、24h後に93.7%の収率が得られ、従って、これはJALの参照試験で得られるものとちょうど同等であった。
コバルトを浸出するためのプロセスの結果は三つの試験において同等であり(2時間後に94〜96%が得られた)、これらは試験1〜5のセットについてわかったことと同じ理由による。従って、JALの参照試験のものと類似する結果が得られた。
マグネシウムを浸出するためのプロセスの速度は全てのケースにおいて迅速である(1時間後に88〜92%)。24時間後に、全てのケースにおいて約95%の浸出速度が得られた。シードを導入することがこれに顕著な影響を及ぼさないことが確実である。
図3は試験2、6および7の間の鉱液の液体部分における鉄の濃度の変化を示す。鉱石中の鉄の最初の部分的な溶解の後に、ジャロサイト中で鉄が沈殿する速度は導入されるシードの量に大きく依存することがわかる。
シードが存在しない場合(試験2)、鉄は約3h後に溶解した後にやっと沈殿し始め、そして溶液中の鉄の濃度は16h後に27.4g/lの最少値に達し、これは実験の終わり(28h)まで維持される。
0.17g/gのシードを添加すると(試験6)、鉄は約1時間後に溶解した後に沈殿し、そして24.4h後に11.2g/lの鉄の含有量が得られるまで沈殿が観察される。
0.5g/gのシードを添加すると(試験7)、鉄はやはり約1時間後に溶解した後に沈殿する。ほんの8h後に、溶液中の鉄は比較的低いレベルである14g/lにすでに達する。24.3h後に、このレベルはわずかに7.6g/lとなり、従って、これは参照のJAL試験を用いて得られるレベルと同等である。
これらの実験は、浸出プロセスの前にジャロサイトのシードを故意に導入することによってジャロサイトが沈殿する速度がかなり実質的に加速され、そして固-液分離が行われる前に過度に長くはない処理時間で低い鉄の含有量を有する最終的な溶液を得ることが可能になることを、明確に示している。
図4は、試験の間の鉱液の液体部分の中での遊離H2SO4 含有量の変化を示す。浸出プロセスはかなり酸性度の高い媒体中で開始し、そして最初に導入された酸は鉱石の成分の溶解によって急速に消費される。この消費は、(特にジャロサイトの沈殿によって生じる)酸の放出に匹敵する。従って、遊離H2SO4 含有量の曲線の質的な変化が実質的に(しかし逆比例して)図3における鉄含有量の曲線の質的な変化に追随するのは正常なことである。
ジャロサイトのシードが存在しない場合(試験2)、酸性度は試験の3〜4hまで急速に低下し、次いで15h後に約28g/lの平坦域に達するまで連続的に増大する。28h後の最終的な含有量は25g/lである。
0.17g/gのジャロサイトのシードを用いると(試験6)、2h後に酸性度の低下は停止し、そしてジャロサイトが沈殿する間、24h後に36g/lに達するまで連続的に増大する。0.50g/gのジャロサイトのシードを用いると(試験7)、24.3h後に42g/lの最終的な含有量が得られるまで同様の変化が観察される。
試験の開始時に酸性度が低いほど、導入されるシードの量は多い。従って、シードを導入すると、鉱石を浸出するための遊離酸の有効性はかなり促進され、このことは、同等の量の酸を導入した場合に、試験2と比較して試験6および7において認められるニッケルのより高い浸出収率の説明となる。従って、ユーザーは次の二つの解決策とそれらの折衷案の間で選択しなければならない:
− ニッケルの等しい浸出収率を得ることを目ざして、導入される酸の量を低減するためのシードの導入による利益を得る;
− あるいは、導入される酸の量をシードが存在しない場合と同じに維持し、そして最後に、増大した浸出収率によって、シードが存在しない場合に得られる量よりも多い量のニッケルを得る。
金属の価格、採鉱のコスト、消耗する材料のコスト、設備への投資およびメンテナンスを考慮すれば、コストを計算することによって、ユーザーは、特に評価すべき鉱床の特徴に基づいて、特定のケースに最良に適合させるべき解決策を選択することができる。
ジャロサイトのシードを導入することによって、鉄、硫黄およびナトリウムの沈殿とともに、アルミニウムとクロムの沈殿を増大させることが可能になることも見いだされた。従って、これら二つの元素は最終的な溶液中に少ない量で見いだされる。従って、この溶液から得られるニッケルとコバルトの中間精鉱または商品の中の不純物としてのこれらの元素の存在は低減されるか、あるいはそれらのその後の除去は容易になるであろう。
一般に、本発明に従うプロセスを、それらの浸出工程の前にその二つのバージョンにおいて褐鉄鉱とサプロライトの鉱液にジャロサイトのシードを添加することによって補えば、JALプロセスを用いて得られるものとほぼ同等に良好な結果を本発明に従うプロセスを用いて得ることができ、鉱石の褐鉄鉱の部分とサプロライトの部分を最初に分離する必要なくしてこれが達成され、従ってコストが低減される。用いられるジャロサイトのシードは固-液分離工程から生じて、この工程はそれ自体を実施する間に得られる浸出した鉱液の部分について実施されるのが好ましく、この場合、この改良による利益を得るためにプロセスの中にいかなる外部の物質をも導入する必要はない。

Claims (22)

  1. 褐鉄鉱とサプロライトの混合物(2)からなるラテライト質のニッケルとコバルトの鉱石を湿式製錬処理するための方法であって、
    − 鉄の沈殿剤の存在下で褐鉄鉱とサプロライトの混合物(2)が鉱液(1)にされ、それにより10〜40重量%の固体の含有量を有する最初の鉱液を形成し;
    − 最初の褐鉄鉱とサプロライトの鉱液が硫酸(5)を用いて70℃とこの溶液の沸点との間の温度で大気圧において浸出工程(4)に供され、ここで最初の褐鉄鉱とサプロライトの鉱液を浸出するための工程(4)は、ジャロサイトのシードの存在下で行われる;
    − 浸出工程(4)によって得られた鉱液が2〜3のpHを有するように任意に中和工程(7)に供され;そして
    − 前記鉱液について固-液分離工程(8)が行われ、それにより主としてジャロサイトの形での鉄を含有する固体残留物(9)とニッケルとコバルトのイオンを含有する溶液を得る;
    以上の工程を有することを特徴とする方法。
  2. 最初の鉱液の固体の含有量が20〜30重量%であり、
    浸出工程(4)が90℃と最初の褐鉄鉱とサプロライトの鉱液の沸点との間の温度で行われ、または
    固-液分離工程(8)がデカンテーションおよび向流洗浄またはろ過によって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 混合物(2)のサプロライト/褐鉄鉱の比率は0.5〜3であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 硫酸を用いる浸出工程(4)の間の鉱液の保持時間は1〜24hであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 硫酸を用いる浸出工程(4)の間の鉱液の保持時間は6〜12hであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 鉱液が浸出されるときに添加される硫酸(5)の量は、浸出工程(4)の最後での鉱液中の硫酸の濃度が10〜50g/l になるような量であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 鉱液が浸出されるときに添加される硫酸(5)の量は、浸出工程(4)の最後での鉱液中の硫酸の濃度が20〜40g/l になるような量であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 混合物(2)のサプロライト/褐鉄鉱の比率は、その混合物の浸出工程(4)の第一段階の後に25〜50g/l の硫酸の濃度を得ることを可能にする比率であり、そしてサプロライト(13)は単独でも10〜40重量%の固体の含有量を有する鉱液(12)にされ、このサプロライトの鉱液は浸出工程の間にサプロライトと褐鉄鉱の鉱液に添加され、それによってこの浸出工程の第二段階(11)が5〜8hにわたって70℃とこの溶液の沸点との間の温度で続行され、前記の任意の中和工程(7)と前記の固-液分離(8)を続行する前に、浸出工程の第二段階(11)の後の鉱液中の硫酸の濃度が10〜50g/l にされることを特徴とし、
    中和工程(7)が行われる場合には浸出工程(4)の第一段階の後で中和工程(7)の前に浸出工程の第二段階(11)が行われ、または中和工程(7)が行われない場合には浸出工程(4)の第一段階の後で固-液分離工程(8)の前に浸出工程の第二段階(11)が行われる、請求項1または2に記載の方法。
  9. サプロライト(13)は単独でも20〜30重量%の固体の含有量を有する鉱液(12)にされ、
    浸出工程の第二段階(11)が90℃と溶液の沸点との間の温度で続行され、または
    前記の任意の中和工程(7)と前記の固-液分離(8)を続行する前に、浸出工程の第二段階(11)の後の鉱液中の硫酸の濃度が20〜40g/l にされる
    ことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 浸出工程の第一段階(4)の間に最初の褐鉄鉱とサプロライトの鉱液を保持する時間は1〜8hであることを特徴とする、請求項8または09に記載の方法。
  11. 浸出工程の第一段階(4)の間に最初の褐鉄鉱とサプロライトの鉱液を保持する時間は4〜6hであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 浸出工程(4、または4と11)は還元剤の存在下で行なわれ、このとき電気化学電位は標準水素電極に対して1000mV以下に維持されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 還元剤がSO 2 である、請求項12に記載の方法。
  14. 最初の褐鉄鉱とサプロライトの鉱液を浸出するための工程の第二段階(11)は、ジャロサイトのシードの存在下で行われることを特徴とする、請求項8〜13のいずれかに記載の方法。
  15. シード/鉱石の比率は0.2〜2であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 前記のシードは、前記の浸出工程(4、11)によって得られる鉱液の幾分かの固-液分離(6)を行う間に得られる固体部分によって形成されることを特徴とする、請求項14または15のいずれかに記載の方法。
  17. 固-液分離(6)をデカンターにおいて行う、請求項16に記載の方法。
  18. 前記の分離工程(6)によって得られる前記の固体部分は少なくとも30%の固体含有量を有することを特徴とする、請求項16または17に記載の方法。
  19. 前記のシードは、前記の分離工程(6)によって得られる前記の固体部分をろ過することによって得られることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  20. 鉄の沈殿剤はNa+ 、K+およびNH4 + から選択されることを特徴とする、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 褐鉄鉱とサプロライトの混合物(2)を鉱液(1)にするために、さらに/またはサプロライト(13)を鉱液(12)にするために、鉄の沈殿剤が、少なくとも一部が、海水(3、14)を用いて添加されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
  22. ラテライト質鉱石からニッケルおよび/またはコバルトの中間精鉱または商品を製造するための方法であって、
    − 前記のラテライト質鉱石の湿式製錬処理が請求項1〜21のいずれかに従って行われ;
    − 前記のニッケルとコバルトのイオンを含有する溶液が精製工程(10)に供され、そして中間精鉱または商品の形でニッケルおよび/またはコバルトが回収される;
    以上の工程を有することを特徴とする方法。
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