JP3407738B1 - 酸化鉱石からニッケル、コバルトを回収する方法 - Google Patents
酸化鉱石からニッケル、コバルトを回収する方法Info
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Abstract
ム及び鉄を含有する酸化鉱石からニッケル、コバルトを
回収する方法に関する。 【解決手段】 ニッケル、コバルト、マグネシウム及び
鉄を含有する酸化鉱石からニッケル、コバルトを浸出す
るにあたり、硫酸により浸出して得られたニッケル、コ
バルト、マグネシウム及び多量の鉄を含む硫酸浸出液と
前記鉱石とを大気圧のもとで沸点以下の温度で反応させ
ることにより、鉄を少量しか含まないニッケル、コバル
ト、マグネシウムを含む反応液を得ること、及び前記鉱
石の反応残留物を硫酸により大気圧のもとで沸点以下の
温度で再度反応させることにより、ニッケル、コバルト
を回収する方法。 【効果】 従来の常圧浸出方法に比べて非常に少ない硫
酸使用量でニッケル、コバルトの高い浸出率を得、しか
も鉄を少量しか含まない液を得ることにより、鉄を除去
するための処理費を大幅に低減することができる。
Description
マグネシウム及び鉄を含有する酸化鉱石からニッケル、
コバルトを回収するにあたり、効率よく、経済的に、し
かも容易に、硫酸ニッケル液、硫酸コバルト液として回
収する方法に関する。 【0002】【従来の技術)ニッケル、コバルト、マグ
ネシウム及び鉄を含有する酸化鉱石から硫酸によりニッ
ケル、コバルトを浸出する方法は、Proc.Aust
ralas.Inst.Metall.,No.26
5,March,1978及びThe metal.S
oc.,1988,p447に記載されているように、
大気圧のもとで硫酸により浸出しニッケル、コバルトを
含む硫酸液を得る常圧浸出方法と、Journal o
f Metals,March,1960,P206に
記載されているように、高温高圧のもとで硫酸により浸
出する加圧浸出方法がある。 【0003】前記The metal.Soc.198
8にも記載されているように、ニッケル、コバルト、マ
グネシウム及び鉄を含有する酸化鉱石を大気圧のもとで
硫酸により浸出すると、ニッケル、コバルトの他に鉄も
同時に浸出し、ニッケル、コバルトを80%以上浸出さ
せようとすると鉄も15%以上浸出する。 【0004】一般にニッケル、コバルトを含有する酸化
鉱石はニッケルの10〜40倍もの鉄を含んでいるた
め、浸出に必要な硫酸消費量が多くなり、しかも浸出し
た液中の鉄濃度も高く鉄を除去するための処理費も多く
なり、経済的に問題があった。 【0005】ニッケル、コバルト、マグネシウム及び鉄
を含有する酸化鉱石の予備処理として、前記酸化鉱石を
600℃以上でカ焼した後、大気圧のもとで硫酸により
浸出するとニッケル、コバルトの浸出速度が改善され
る。 【0006】しかし、ニッケル,コバルト及び鉄の浸出
は、鉱石の予備処理の有無に関係なく浸出されるため、
硫酸消費量及び浸出した鉄を除去するための処理費も多
く、さらに600℃以上でカ焼するためのエネルギーが
余分に必要となり、経済的に問題があった。 【0007】一方、Journal of Metal
sに記載されているように、高温高圧のもとで硫酸によ
り加圧浸出すると、鉄の浸出が抑えられニッケル、コバ
ルトの高い浸出率が得られる。従って、硫酸の使用量が
少なくてすみ、また鉄を除去するための処理費も少なく
なるが、高温高圧のもとでの硫酸浸出操業のためオート
クレーブが必要であり、材質もチタン等の高価なものが
必要となる。また大気圧のもとでの浸出に比べてエネル
ギー消費量が増加するという問題があった。 【0008】【発明が解決しようとする課題)本発明が
解決しようとする課題は、ニッケル、コバルト、マグネ
シウム及び鉄を含有する酸化鉱石からニッケル、コバル
トを浸出するにあたり、硫酸により浸出して得られたニ
ッケル、コバルト、マグネシウム及び多量の鉄を含む硫
酸浸出液と前記鉱石とを大気圧のもとで沸点以下の温度
で反応させることにより、鉄を少量しか含まないニッケ
ル、コバルト、マグネシウムを含む反応液を得ること、
及び前記鉱石の反応残留物を硫酸により大気圧のもとで
沸点以下の温度で再度反応させることにより、従来の常
圧浸出方法に比べて非常に少ない硫酸使用量でニッケ
ル、コバルトの高い浸出率を得、しかも鉄を少量しか含
まない液を得ることにより、鉄を除去するための処理費
を大幅に低減することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、ニッケル、コ
バルト、マグネシウム及び鉄を含有する酸化鉱石からニ
ッケル、コバルトを回収するにあたり、(1)前記酸化
鉱石と工程(d)で得られたニッケル、コバルト、マグ
ネシウム及び鉄を含む硫酸浸出液とを、大気圧で、80
℃以上沸点以下の温度で反応させ、ニッケル、コバル
ト、マグネシウム及び鉄を含む反応液を得る常圧反応工
程(a)と、(2)工程(a)で得られたニッケル、コ
バルト、マグネシウム及び鉄を含む反応液と、前記酸化
鉱石の反応残留物とを分ける分離工程(b)と、(3)
工程(b)で得られた反応残留物の全量を、大気圧で、
80℃以上沸点以下の温度で硫酸と反応させ、ニッケ
ル、コバルト、マグネシウム及び鉄を含む硫酸浸出液を
得る常圧浸出工程(c)と、(4)工程(c)で得られ
たニッケル、コバルト、マグネシウム及び鉄を含む硫酸
浸出液と残渣物を分離し、ニッケル、コバルト、マグネ
シウム及び鉄を含む硫酸浸出液を工程(a)に循環使用
する工程(d)とからなる、ニッケル、コバルト、マグ
ネシウム及び鉄を含有する酸化鉱石からニッケル、コバ
ルトを回収する方法、、を提供する。 【0010】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明で原料として使用する酸化鉱石とは、Ni、Co、
Fe、Mg等を酸化物の形態で含み、鉱物学的な名称で
いうとリモナイト鉱石(ラテライト鉱石とも言う)とサ
プロライト鉱石(ガーニライト鉱石とも言う)が代表的
である。リモナイト鉱石とサプロライト鉱石の概略成分
は以下のようなものである。 【0011】 【表1】 【0012】図1に酸化鉱石からニッケル、コバルトを
浸出するための工程図を示す。 工程(a):ニッケル、コバルト、マグネシウム及び鉄
を含有する酸化鉱石1を、シックナーによる分離、硫酸
液循環使用工程(d)で得られたニッケル、コバルト、
マグネシウム及び多量(2〜35g/l)の鉄を含む硫
酸浸出液6と、大気圧のもとで常圧反応(a)させる。
温度は反応速度の点から高い温度の方が好ましく、80
℃〜沸点温度でおこなうのがよい。反応時間は1時間以
上10時間以下、好ましくは3時間以上7時間以下が望
ましい。硫酸浸出液中には、ニッケル、コバルト、マグ
ネシウム及び多量(2〜35g/l)の鉄が硫酸塩とし
て存在しているが、フリー硫酸も5〜30g/l存在す
る。 【0013】従って、前記酸化鉱石と前記硫酸浸出液と
を充分な攪拌のもとで反応させると、酸化鉱石中のニッ
ケル、コバルト、マグネシウムと硫酸の反応により硫酸
浸出液中のフリー硫酸が減少しPHが上昇する。このフ
リー硫酸の減少に伴って、硫酸浸出液中に多量に含まれ
ている鉄がFeO(OH)となって沈殿し、硫酸を生成
すると同時に、この硫酸が前記鉱石中のマグネシウム、
ニッケル、コバルトとの反応に有効に寄与し、これらの
金属の一部が反応液中に浸出される。前記酸化鉱石との
反応により、反応液のPHを1.5〜3.0、フリー硫
酸を0.5〜5g/lとすることにより、鉄濃度を0.
2〜2g/lまで低下させることができる。 【0014】工程(b):工程(a)で得られたニッケ
ル、コバルト、マグネシウム及び少量(0.2〜2.0
g/l)の鉄を含む反応液と前記酸化鉱石の反応残留物
2とを分離する。この分離方法は、シックナーあるいは
フィルタープレス等による固液分離方法があるが、高分
子凝集剤をスラリー中に加えて凝集させることにより、
シックナーで容易に固液分離(b)がおこなえる。 【0015】シックナーからのオーバーフローにより得
られた反応液中には、ニッケル、コバルト、マグネシウ
ムの他に鉄が2g/l以下、フリー硫酸も5g/l以下
含まれている反応液3が得られるが、鉄もフリー硫酸も
十分に低い濃度であるため、中和による鉄除去とその後
のニッケル、コバルトの回収が容易となる。 【0016】中和工程では、中和剤としてカルシウム、
マグネシウム及びナトリウムの水酸化物、酸化物及び炭
酸化物の使用により反応液中の鉄とフリー硫酸が沈殿除
去され、このとき、中和開始の反応液中の鉄とフリー硫
酸は十分に低い濃度であるため、前記中和剤の使用量は
少なくてすむ。 【0017】このようにして得られた中和液は、ニッケ
ル、コバルトとマグネシウムを含んでおり、ニッケルと
コバルトを回収するには、この中和液に水硫化ソーダ、
硫化ソーダ、硫化アンモン、又は硫化水素を加えニッケ
ルとコバルトの混合硫化物として沈殿回収するか(特開
平6−116660)、水酸化物、酸化物及び炭酸化物
を加えてニッケルとコバルトの混合水酸化物あるいは混
合炭酸化物として沈殿回収できる(特開平12−234
130)。マグネシウムは沈殿回収後の液に残留する。
一方、反応残留物4はシックナーの下部からスラリー状
態で抜かれる。 【0018】工程(c):工程(b)で得られたスラリ
ー状の反応残留物の全量は、大気圧のもとで80℃以上
沸点以下の温度で硫酸を加え常圧浸出(c)することに
より、ニッケル、コバルト、マグネシウム及び多量(2
〜35g/l)の鉄を含む硫酸浸出液が得られる。この
残留物と硫酸による常圧浸出時間は1時間以上10時間
以下好ましくは3時間あれば十分に浸出が平衡に達す
る。このことは、工程(a)により酸化鉱石中のニッケ
ル、コバルト及びマグネシウムの一部が浸出され、残り
の酸化鉱石がポーラス状となり表面積が大きくなったこ
とによる。 【0019】硫酸の使用量は、前記酸化鉱石のニッケ
ル、コバルト、マグネシウムに対し、当量程度使用し、
液のpHが0.7〜1.5、硫酸液濃度が5〜30g/
lとなるようにし、これによりニッケルの85%以上、
コバルト、マグネシウムの90%以上が浸出される。 【0020】工程(d):次に工程(d)で工程(c)
で得られたニッケル、コバルト、マグネシウム及び多量
(2〜35g/l)の鉄を含む硫酸浸出液と残渣物5と
を分離する。この分離方法は、6段以上の向流洗浄シッ
クナーあるいはフィルタープレス等による固液分離方法
があるが、高分子凝集剤をスラリー中に加えて凝集させ
ることにより、シックナーで容易に固液分離(d)が行
える。 【0021】シックナーからオーバーフローにより得ら
れた硫酸浸出液6は多量(2〜35g/l)の鉄と5〜
30g/lのフリー硫酸が含まれている為、全量工程
(a)に循環使用され、一方残渣物7はシックナーの下
部からスラリー状で抜かれ、廃棄される。 【0022】残渣物とは、工程bで得られた反応残留物
を硫酸と反応してNi、Co、MgのほとんどとFeの
一部が浸出した後の未溶解物である。この残渣物はシッ
クナー下部から全量抜く。この理由は、残渣物はNi、
Coのほとんどが浸出され、残渣中にはNi、Coが残
っていないためである。 【0023】以下本発明を実施例により具体的に説明す
る。またこれらの実施例の各成分比率はいずれもwt%
である。表−2に実施例と比較例の結果を示す。 【0024】 【実施例1】Ni:1.49%、Co:0.026%、
Fe:31.1%、Mg:10.8%の成分を有する酸
化鉱石を使用し、工程(d)で準備されたNi:3.4
7g/l、Co:0.06g/l、Fe:12.4g/
l、Mg:27.9g/l、フリー硫酸:12.1g/
lの濃度を有する硫酸浸出液とを沸点温度、大気圧のも
とで6時間攪拌し反応させた。 【0025】この結果、硫酸浸出液中のフリー硫酸は1
2.1g/lから2.8g/lに減少し、それに伴って
液pHは1.02から1.69に上昇した。一方、鉱石
中のNi、Co、Mgの一部は浸出され、また硫酸浸出
液中の鉄は沈殿除去され、Ni:4.53g/l、C
o:0.10g/l、Fe:1.29g/l、Mg:3
9.40g/l濃度を有する鉄を少量しか含まない反応
液が得られた。この時のFe/Ni比(液の濃度比)は
0.28であった。 【0026】この反応液と反応残留物とをシックナーに
て凝集分離し、シックナー下部から抜かれた反応残留物
スラリーに98%濃硫酸を加え、沸点温度で3時間攪拌
しNi、Co、Mgを浸出させた。硫酸添加量は、酸化
鉱石1kgに対して0.5kg使用した。 【0027】この反応残渣物を分析したところNi:
0.34%、Co:0.003%、Mg:0.82%、
Fe:42.1%であり、また鉱石に対する反応残渣物
の重量減少率は30%であった。従って、浸出率はN
i:84%、Co:92%、Mg:95%、Fe:5%
であった。 【0028】 【実施例2】実施例1で使用した成分の酸化鉱石を使用
して、工程(d)で準備されたNi:3.42g/l、
Co:0.06g/l、Fe:10.8g/l、Mg:
28.9g/l、フリー硫酸:8.5g/lの濃度を有
する硫酸浸出液とを実施例1と同じ条件で反応させた。 【0029】この結果、硫酸浸出液中のフリー硫酸は
1.2g/lに減少し、それに伴って硫酸浸出液pHは
1.21から2.27に上昇した。一方鉱石中のNi、
Co、Mgの一部は浸出され、また硫酸浸出液中の鉄は
沈殿除去され、Ni:4.89g/l、Co:0.10
g/l、Fe:0.64g/l、Mg:38.9g/l
の濃度を有する鉄を少量しか含まない反応液が得られ
た。この時のFe/Ni比は0.13であった。 【0030】その後、シックナー分離して得られた反応
残留物スラリーに98%濃硫酸を加え実施例1と同じ条
件で浸出させた。硫酸添加量は、酸化鉱石1kgに対し
て0.45kg使用した。この反応残渣物の分析値と、
重量減少率から求めた浸出率は、Ni:83%、Co:
93%、Mg:94%、Fe:2%であった。 【0031】 【実施例3】Ni:1.94%、Co:0.025%、
Fe:24.3%、Mg:15.4%の成分を有する酸
化鉱石と、工程(d)で準備されたNi:3.34g/
l、Co:0.05g/l、Fe:5.2g/l、M
g:28.9g/l、フリー硫酸:10.2g/lの濃
度を有する硫酸浸出液を使用した以外は実施例1と同様
に行った。 【0032】この緒果、硫酸浸出液中のフリー硫酸は
0.9g/lに減少し、それに伴って硫酸浸出液pHは
1.13から2.38に上昇した。一方反応液のFe/
Ni比は0.14であった。 【0033】その後、シックナー分離して得られた反応
残留物スラリーに98%濃硫酸を酸化鉱石1kgに対し
て0.65kg加え実施例1と同様に行つた結果、浸出
率はNi:88%、Co:95%、Mg:94%、F
e:1%であった。 【0034】 【実施例4】Ni:1.50%、Co:0.035%、
Fe:19.6%、Mg:25.8%の成分を有する酸
化鉱石と、工程(d)で準備されたNi:1.89g/
l、Co:0.04g/l、Fe:15.1g/l、M
g:28.9g/l、フリー硫酸:8.7g/lの濃度
を有する硫酸浸出液を使用した以外は実施例1と同様に
行った。 【0035】この結果、硫酸浸出液中のフリー硫酸は
0.8g/lに減少し、それに伴って硫酸浸出液pHは
1.24から2.45に上昇した。一方、反応液のFe
/Ni比は0.28であった。 【0036】その後、シックナー分離して得られた反応
残留物スラリーに98%濃硫酸を酸化鉱石1kgに対し
て0.65kg加え実施例1と同様に行った結果、浸出
率はNi:92%、Co:90%、Mg:94%、F
e:0.4%であった。 【0037】 【比較例1】実施例1で使用した成分の酸化鉱石を使用
し水でスラリー化後、98%濃硫酸を加え、沸点温度、
大気圧のもとで6時間攪拌し反応させた。硫酸添加量は
実施例1と同量の酸化鉱石1kgに対して0.5kg使
用した。 【0038】この反応残渣物を分析したところNi:
1.20%、Co:0.022%、Mg:5.8%、F
e:39.3%であり、また鉱石に対する反応残渣物の
重量減少率は29%であった。従って、浸出率はNi:
43%、Co:40%、Mg:62%、Fe:10%で
あつた。この浸出液濃度は、Ni:1.62g/l、C
o:0.028g/l、Mg:17.0g/l、Fe:
7.9g/l、フリー硫酸:27.6g/lであり、F
e/Ni比、フリー硫酸濃度ともに高くなった。 【0039】 【比較例2】実施例2で使用した成分の酸化鉱石を水で
スラリー化後、98%濃硫酸を酸化鉱石1kgに対して
0.95kg加え、沸点温度、大気圧のもとで6時間攪
拌し反応させた。この反応残渣物を分析したところ、N
i:0.53%、Co:0.008%、Mg:1.1
%、Fe:26.3%であり、鉱石に対する反応残渣物
の重量減少率は41.5%であつた。 【0040】従って、浸出率はNi:84%、Co:8
2%、Mg:96%と高い浸出率となったが、Feも3
6%と高い浸出率となった。この浸出液濃度は、Ni:
4.13g/l、Co:0.052g/l、Mg:3
6.5g/l、Fe:21.6g/l、フリー硫酸:4
3.3g/lであり、Fe/Ni比、フリー硫酸濃度と
もに高くなった。 【0041】 【比較例3】実施例4で使用した成分の酸化鉱石を水で
スラリー化後、98%濃硫酸を酸化鉱石1kgに対して
1.30kg加え、比較例1と同様に反応させた。浸出
率はNi:89%、Co:86%、Mg:90%と高い
浸出率となったが、鉄も43%と高い浸出率となつた。
この浸出液濃度は、Ni:2.67g/l、Co:0.
06g/l、Mg:46.4g/l、Fe:15.5g
/l、フリー硫酸:45.2g/lであり、Fe/Ni
比、フリー硫酸濃度ともに高くなった。 【0042】 【表2】 【0043】 【発明の効果】本発明によれば、ニッケル、コバルト、
マグネシウム及び鉄を含有する酸化鉱石からニッケル、
コバルトを浸出するにあたり、少ない硫酸使用量でニッ
ケル、コバルトの高い浸出率が得られ、しかも鉄を少量
しか含まない反応液が得られることから、経済的にニッ
ケル、コバルトの効率良い浸出が行われる。
である。 【符号の説明】 a 常圧反応工程 b シックナー分離工程 c 常圧浸出工程 d シックナー分離、硫酸浸出液循環使用工程 1 酸化鉱石 2 反応液+反応残留物 3 反応液 4 反応残留物 5 硫酸浸出液+残渣物 6 硫酸浸出液 7 残渣物
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ニッケル、コバルト、マグネシウム及び
鉄を含有する酸化鉱石からニッケル、コバルトを回収す
るにあたり、(1)前記酸化鉱石と工程(d)で得られ
たニッケル、コバルト、マグネシウム及び鉄を含む硫酸
浸出液とを、大気圧で、80℃以上沸点以下の温度で反
応させ、ニッケル、コバルト、マグネシウム及び鉄を含
む反応液を得る常圧反応工程(a)と、(2)工程
(a)で得られたニッケル、コバルト、マグネシウム及
び鉄を含む反応液と、前記酸化鉱石の反応残留物とを分
ける分離工程(b)と、(3)工程(b)で得られた反
応残留物の全量を、大気圧で、80℃以上沸点以下の温
度で硫酸と反応させ、ニッケル、コバルト、マグネシウ
ム及び鉄を含む硫酸浸出液を得る常圧浸出工程(c)
と、(4)工程(c)で得られたニッケル、コバルト、
マグネシウム及び鉄を含む硫酸浸出液と残渣物を分離
し、ニッケル、コバルト、マグネシウム及び鉄を含む硫
酸浸出液を工程(a)に循環使用する工程(d)とから
なる、ニッケル、コバルト、マグネシウム及び鉄を含有
する酸化鉱石からニッケル、コバルトを回収する方法。
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FR2905383B1 (fr) | 2006-09-06 | 2008-11-07 | Eramet Sa | Procede de traitement hydrometallurgique d'un minerai de nickel et de cobalt lateritique,et procede de preparation de concentres intermediaires ou de produits commerciaux de nickel et/ou de cobalt l'utilisant. |
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