JP5362334B2 - 2成分現像剤用トナー、および画像形成装置 - Google Patents
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また、長期にわたって色変動(ΔE)が少ない画像を得るためには、トナーの流動性が安定していることが重要である。
補給トナーの安定補給は、トナーの流動性、画像形成時の環境や画像形成装置内の温度等に左右されやすい。特に、トナーの流動性が安定していれば、補給トナーは安定して補給されやすくなる。
また、例えば特許文献1では、ホソカワミクロン社製のパウダーテスターを用いて凝集度を測定することで、トナーの流動性を評価している。
特に、長期にわたって印字を行うような場合は、現像容器内で長時間撹拌されるストレスにより、トナーに負荷がかかりやすかった。そのため、従来の方法で安定した流動性を維持するための最適な凝集度や嵩密度を規定しても、時間の経過と共にトナーの流動性が不安定になりやすかった。
また、補給トナーを現像容器に補給する場合は、時間の経過と共に補給トナーがトナーコンテナ内でストレスを受けることで、凝集度や嵩密度が規定した範囲から外れて補給トナーの流動性が不安定になり、補給トナーが安定して補給されにくくなることがあった。従って、長期にわたって色変動の少ない画像を得ることが困難であった。
Y=aX+b ・・・(1)
(式(1)中、aおよびbは係数であり、−0.0060≦a≦0.0060、210≦b≦245である。)
Y=aX+b ・・・(1)
(式(1)中、aおよびbは係数であり、−0.0060≦a≦0.0060、210≦b≦245である。)
また、本発明の画像形成装置によれば、現像剤として長期にわたって安定した流動性を維持した2成分現像剤用トナーとキャリアからなる2成分現像剤を用い、かつ、補給トナーとして上記2成分現像剤用トナーを用いるので、安定して高画質の画像を形成できる。
さらに、本発明によれば、画像形成時の環境や画像形成装置内の温度に影響を受けることなく、補給トナーを安定して補給できる。
[2成分現像剤用トナー]
本発明の2成分現像剤用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある。)は、トナー母粒子に外添剤を外添してなる。
また、本発明のトナーは、回転速度1/100(1/S)で少なくとも300秒回転させてせん断応力を測定し、回転時間150〜300秒間での回転時間(X)とせん断応力(Y)が下記式(1)を満たすことを特徴とする。
Y=aX+b ・・・(1)
(式(1)中、aおよびbは係数であり、−0.0060≦a≦0.0060、210≦b≦245である。)
回転時間(X)とせん断応力(Y)が上記式(1)を満たせば、トナーの流動性を最適な状態で安定して維持できる。また、トナーがストレス等の負荷を受けてもせん断応力は変動が少ないため、長期にわたってトナーの流動性を安定して維持できる。従って、回転時間(X)とせん断応力(Y)が上記式(1)を満たせば、現像容器内で長時間撹拌されるストレスによりトナーに負荷がかかっても、流動性が安定しているので、長期にわたって色変動(ΔE)が少ない画像が得られる。また、本発明のトナーを補給トナーとして用いれば、画像形成時の環境や画像形成装置内の温度に影響を受けることなく、補給トナーを安定して補給できる。
さらに、本発明のトナーを補給トナーとして用い、長期にわたって印刷を行う場合は、トナーの流動性が低下すると、現像容器にトナーが安定して補給されにくくなる。そのため、2成分現像剤中のトナーの濃度が低下して、トナーが過度に帯電されて帯電量が上昇し、その結果、画像濃度が低下しやすくなる。
さらに、本発明のトナーを補給トナーとして用い、長期にわたって印刷を行う場合は、トナーの流動性が必要以上に高くなると、トナーが過剰に現像容器に補給されるため、2成分現像剤中のトナーの濃度が増加して、トナーの帯電量が低下し、その結果、画像カブリが発生しやすくなる。
さらに、本発明のトナーを補給トナーとして用い、長期にわたって印刷を行う場合は、現像容器にトナーが安定して補給されにくくなり、2成分現像剤中のトナーの濃度が低下して、トナーが過度に帯電されて帯電量が上昇し、その結果、画像濃度が低下しやすくなる。
bの値は、220以上、230以下が好ましい。
まず、撹拌羽を備えた容器内にトナーを18g充填する。ついで、容器内を20℃に設定し、20℃になった時点で回転速度1/100(1/S)の条件で、撹拌羽を少なくとも300秒回転させて容器内を撹拌し、回転中のトナーのせん断応力を経時的に測定する。
ついで、各回転時間(X)(単位:秒)におけるせん断応力(Y)(単位:Pa)をプロットし、Xが150〜300の範囲でのプロットの近似式を求める。
せん断応力の測定に用いる装置としては、例えばAnton Paar社製の粘弾性測定装置などが適している。
以下、トナーを構成する各成分について説明する。
トナー母粒子は、少なくとも結着樹脂と顔料を含有する。
結着樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂;スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。中でもポリエステル系樹脂が好ましい。これら結着樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
顔料の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、3.0〜10.0質量部が好ましく、4.0〜7.0質量部がより好ましい。
磁性粉を用いる場合、その含有量は、結着樹脂100質量部に対して50〜200質量部が好ましい。
帯電制御剤は、トナーの摩擦帯電特性を制御するためのもので、トナーの帯電極性に応じて正帯電制御剤または負帯電制御剤を用いる。
帯電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、0.5〜5.0質量部が好ましく、1.0〜2.0質量部がより好ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、1.0〜10.0質量部が好ましく、3.0〜7.0質量部がより好ましい。
トナー母粒子は、粉砕分級法、重合法、溶融造粒法、スプレー造粒法等の公知の製造方法で製造することができる。例えば、粉砕分級法であれば次のような手順で製造する。上述した結着樹脂、顔料、帯電制御剤、離型剤等の必要な原料をヘンシェルミキサー等のミキサーで混合し、二軸混練機等で溶融混練した後、ドラムフレーカ等の冷却機で冷却し、ターボミル等の粉砕機で粉砕する。その後、アルピネ分級機等の分級機で分級して、トナー母粒子とする。
トナー母粒子の体積基準の平均粒子径は、コールターカウンター法による粒度分布測定装置によって測定される粒度分布の測定値から算出した値で表すこととする。
なお、トナーのせん断応力は、トナー母粒子の体積基準の平均粒子径で調整することができる。トナー母粒子の体積基準の平均粒子径が大きくなるほど、トナーのせん断応力は小さくなる傾向にある。
外添剤としては、シリカ、酸化チタン、アルミナ等の無機酸化物、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の種脂肪酸の金属石鹸などが挙げられる。中でもシリカが好ましい。これら外添剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、トナーのせん断応力は、外添剤の添加量で調整することができる。外添剤の添加量が増えるほど、トナーのせん断応力は小さくなる傾向にある。
外添剤の添加量は、トナー母粒子の体積基準の平均粒子径に依存するため一概には決められず、平均粒子径の大きさによって最適な量の外添剤をトナー母粒子に外添すればよいが、例えばトナー母粒子100質量部に対し、0.5〜3.0質量部が好ましく、1.0〜2.0質量部がより好ましい。
なお、トナー母粒子の体積基準の平均粒子径が大きい場合、外添剤の添加量は減らす傾向にある。
本発明のトナーは、トナー母粒子に外添剤を添加し(外添し)、例えばヘンシェルミキサー等のミキサーで混合することで得られる。
また、前記a’およびb’の値は、トナーを製造する際の製造条件、すなわちトナー母粒子に外添剤を外添し混合するときの条件を調整することで制御できる。具体的には、ミキサーの回転数や混合時間の設定値を上げると、a’およびb’の値は小さくなる傾向にある。
本発明のトナーは、そのまま1成分現像剤として使用することも可能であるが、キャリアと組み合わせて2成現像剤として用いる。
2成分現像剤における本発明のトナーの割合は、2成分現像剤(100質量%)中、8.0〜13.0質量%が好ましく、9.0〜12.0質量%がより好ましい。
磁性体としては、例えば鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト等の粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金等の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子などが挙げられる。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。この例の画像形成装置10は、ブラック(BK)、イエロー(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の各色にそれぞれ対応した作像ユニット11〜14を備えた、タンデム方式のカラープリンタである。
現像装置11a〜14aは、それぞれ現像剤を収容する現像容器11c〜14cと、現像ローラ11d〜14dと、該現像ローラ11d〜14dにトナーを供給するトナー供給ローラ11e〜14eを備える。
また、トナーコンテナ11b〜14bには、補給トナーとして本発明の2成分現像剤用トナーが収容される。
2成分現像剤を構成する2成分現像剤用トナーと、補給トナーとして用いられる2成分現像剤用トナーは、同じ種類のトナーであることが好ましい。
補給トナーを安定補給するには、トナーの流動性が安定していればよい。従来、凝集度や嵩密度を規定することでトナーの流動性を評価していたが、従来の方法はトナーにストレス等の負荷がかかることを考慮していないため、安定した流動性を維持するための最適な凝集度や嵩密度を規定しても、トナーに負荷がかかると凝集度や嵩密度が規定した範囲から外れやすくなり、流動性が不安定になりやすかった。
また、現像容器に最初に供給された現像剤や、トナーコンテナから補給された補給トナーが現像容器内で長時間撹拌されるストレスにより、トナーに負荷がかかりやすくなり、時間の経過と共にトナーの流動性が不安定になりやすかった。
なお、本発明は、ロータリー現像装置に限定されず、例えばタンデム現像装置、モノクロ用現像装置など、多様な現像装置に適用できる。
ここで、各測定方法を以下に示す。
粘弾性測定装置(Anton Paar社製、「MCR−301」)を用い、深さ7.5cm、内径3.0cmの円筒形の容器内に2成分現像剤用トナーを18g充填し、容器内を20℃に設定した。容器内が20℃になった時点で、回転速度1/100(1/S)の条件で撹拌羽を300秒回転させて容器内を撹拌し、回転中のトナーのせん断応力を経時的に測定した。
ついで、各回転時間(X)(単位:秒)におけるせん断応力(Y)(単位:Pa)をプロットし、Xが150〜300の範囲でのプロットの近似式(Y=a’X+b’)を求めた。
トナー母粒子の体積基準の平均粒子径は、粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製、「コールターマルチサイザーTA−III」)を使用し、分散媒としてアイソトンII希釈液にトナーを1分間超音波分散させた溶液をアパチャー径100μmの条件で測定した粒度分布から算出した。
2成分現像剤および補給トナーを評価機(京セラミタ社製、「FS−C5030N」)にセットし、補給トナーをトナーコンテナから現像容器に補給しながら、画像評価パターン(1.5%印字)を連続1万枚印字した。
現像ローラの回転周期に当る1周目の画像と、2周目の画像、および1万枚目に印字された画像について、反射濃度計(東京電色社製、「TC−6DS型」)を用いて画像濃度(ID)を測定した。判定は、画像濃度が1.300以上のものを合格とした。
さらに、1周目の画像の画像濃度(ID1)と、2周目の画像の画像濃度(ID2)の差(ΔE=ID1−ID2)を求めた。判定は、ΔEが0.020以下のものを合格とした。
画像濃度の測定と同様にして印字した、現像ローラの回転周期に当る1周目の画像について、反射濃度計を用いてカブリ値(FD)を測定した。なお、カブリ値は、ソリッド画像の白紙相当部の画像濃度(ID)から、ベースペーパーの画像濃度(ID)を引いた値とした。判定は、カブリ値が0.008以下のものを合格とした。
画像濃度およびカブリ濃度の測定において、1周目と2周目の画像、および1万枚目の画像の画像濃度の判定、および1周目の画像のカブリ値の判定が全て合格の場合を「○」、不合格が1つ以上ある場合を「×」とした。
(2成分現像剤用トナーの調製)
結着樹脂としてポリエステル樹脂100質量部と、顔料としてカーボンブラック(キャボット社製、「Reagal330R」)5質量部と、帯電制御剤としてニグロシン染料(オリエント化学工業社製、「N−01」)1質量部とをヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、「20B」)にて回転数2500rpmで5分間混合した。
ついで、二軸混練機(池貝社製、「PCM−30」)にて回転数200rpm、シリンダ温度120℃、投入量6kg/時間で混練し、ドラムフレーカ(三井鉱山社製)にて速度140mm/秒で板厚3〜4mmに調整しながら冷却した。
ついで、ターボミル(ターボ工業社製、「T−250型」)にて粉砕し、さらにアルピネ分級機にて分級を行ない、トナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子の平均粒子径は7.8μmであった。
得られた2成分現像剤用トナーのせん断応力を測定し、近似式(Y=a’X+b’)を求めた。求めた近似式を表1に示す。
2成分現像剤用トナー10質量部に、キャリアとしてシリコーン樹脂でコーティングされたCu−Zn系フェライトキャリア(パウダーテック社製、質量平均粒子径35μm)100質量部をボールミルで30分間混合し、2成分現像剤を得た。
現像剤として2成分現像剤を、補給トナーとして先に得られた2成分現像剤用トナーをそれぞれ評価機にセットし、画像濃度およびカブリ濃度の測定を測定した。結果を表1に示す。
シリカの添加量を表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして2成分現像剤用トナー、および2成分現像剤を得た。2成分現像剤用トナーの近似式を表1に示す。
各例で得られた2成分現像剤、および2成分現像剤用トナーをそれぞれ評価機にセットし、画像濃度およびカブリ濃度の測定を測定した。結果を表1に示す。
本発明の2成分現像剤用トナーは、長期にわたって安定した流動性を維持し、高画質の画像を形成できた。
比較例1、2、4の場合、2成分現像剤用トナーの近似式(Y=a’X+b’)においてa’の値が0.0090および/またはb’の値が250と大きいため、トナーの流動性が低下し、現像容器内の現像ローラ上にトナーが十分に補給されにくかった。その結果、現像ローラの1周目の画像と2周目の画像の濃度差が大きく、画質が低下した。また、1万枚の耐刷を行うと、画像濃度が低下した。
比較例3、5の場合、2成分現像剤用トナーの近似式(Y=a’X+b’)においてb’の値が205と小さいため、トナーの流動性が必要以上に高くなり、現像容器内の現像ローラ上にトナーが過剰に補給されやすかった。その結果、キャリアに対するトナーの濃度が増加して、画像カブリが発生した。
Claims (2)
- 結着樹脂と顔料を含有する粉砕法によって得られたトナー母粒子に外添剤が外添され、
トナー供給ローラからトナーが現像ローラに供給される現像装置に使用される2成分現像剤用トナーであって、
前記トナー母粒子100質量部に対して前記外添剤は1.0質量部〜2.2質量部外添され、
回転速度1/100(1/S)で少なくとも300秒回転させてせん断応力を測定し、回転時間150〜300秒間での回転時間(X)(秒)とせん断応力(Y)(Pa)が下記式(1)を満たすことを特徴とする2成分現像剤用トナー。
Y=aX+b ・・・(1)
(式(1)中、a(Pa/秒)およびb(Pa)は係数であり、0.0010≦a≦0.0060、210≦b≦245である。) - 現像剤を収容する現像容器を備えた現像装置と、補給トナーを収容するトナーコンテナとを具備し、該トナーコンテナに収容された補給トナーが前記現像容器に補給される画像形成装置において、
前記現像剤は、結着樹脂と顔料を含有する粉砕法によって得られたトナー母粒子に外添剤が外添され、
トナー供給ローラからトナーが現像ローラに供給される現像装置に使用される2成分現像剤用トナーであって、
前記トナー母粒子100質量部に対して前記外添剤は1.0質量部〜2.2質量部外添され、
かつ回転速度1/100(1/S)で少なくとも300秒回転させてせん断応力を測定し、回転時間150〜300秒間での回転時間(X)(秒)とせん断応力(Y)(Pa)が下記式(1)を満たす2成分現像剤用トナーと、キャリアとからなる2成分現像剤であり、
前記補給トナーが、前記2成分現像剤用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
Y=aX+b ・・・(1)
(式(1)中、a(Pa/秒)およびb(Pa)は係数であり、0.0010≦a≦0.0060、210≦b≦245である。)
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