JP2008224860A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性および耐高温オフセット性に優れる静電潜像現像用トナーを提供する。
【解決手段】結着樹脂を含むトナー母粒子を含むトナーであり、フローテスターにて測定した100℃におけるトナー母粒子の溶融粘度が、10000〜70000Pa・sであり、フローテスターにて測定したトナー母粒子の軟化点(Tm)と流出開始温度(Tfb)との差(Tm−Tfb)が、14〜20℃である静電潜像現像用トナー。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像の現像に用いられる静電潜像現像用トナーに関する。
画像形成装置には、省エネルギー化、装置の小型化の点から、定着ローラをできるだけ加温しない、いわゆる低温定着化が求められている。そのため、トナーには、低温定着性の向上が求められている。
低温定着性の良好なトナーとしては、下記トナーが提案されている。
(1)結着樹脂として変性ポリエステル樹脂を含み、フローテスターにて測定した1/2流出温度が105〜120℃であり、特定の粒度分布、円形度を有する母体トナー100重量部に対して、外添加剤が0.3〜5.0重量部の比率で添加混合されている静電荷像現像用トナー(特許文献1)。
(2)コアシェル型トナーであって、フローテスターにて測定した1/2流出温度が60〜100℃である静電荷像現像用トナー(特許文献2)。
しかし、(1)、(2)のトナーは、低温で溶融しやすくなっているため、過熱された定着ローラに融着しやすい、すなわち高温オフセットの問題を有する。そのため、低温定着性に優れると同時に、高温オフセットの発生温度が高い(耐高温オフセット性に優れる)トナーが求められている。
特開2005−258075号公報 特開2006−267231号公報
本発明は、低温定着性および耐高温オフセット性に優れる静電潜像現像用トナーを提供する。
本発明の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂を含むトナー母粒子を含むトナーであり、フローテスターにて測定した100℃におけるトナー母粒子の溶融粘度が、10000〜70000Pa・sであり、フローテスターにて測定したトナー母粒子の軟化点(Tm)と流出開始温度(Tfb)との差(Tm−Tfb)が、14〜20℃であること特徴とする。
前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂であることが好ましい。
トナー母粒子のガラス転移温度(Tg)は、53〜57℃であることが好ましい。
本発明の静電潜像現像用トナーは、2本のローラ間のニップ幅が5mm以上であるオイルレスの定着ローラを具備する画像形成装置に用いられるトナーとして好ましい。
本発明の静電潜像現像用トナーは、低温定着性および耐高温オフセット性に優れる。
(静電潜像現像用トナー)
本発明の静電潜像現像用トナー(以下、トナーと記す。)は、トナー母粒子を含み、必要に応じて外添剤を含むトナーである。
フローテスターにて測定した100℃におけるトナー母粒子の溶融粘度は、10000〜70000Pa・sであり、10000〜40000Pa・sが好ましい。100℃におけるトナー母粒子の溶融粘度が10000Pa・s以上であれば、トナーの耐高温オフセット性を損なうことはない。100℃におけるトナー母粒子の溶融粘度が70000Pa・s以下であれば、トナーの低温定着性を損なうことはない。
フローテスターにて測定したトナー母粒子の軟化点(Tm)と流出開始温度(Tfb)との差(Tm−Tfb)は、14〜20℃であり、18〜20℃が好ましい。Tm−Tfbが14℃未満の場合、トナー母粒子が短時間で急激に溶融するため、トナーの持つ弾性力が現れにくいので、定着ローラからトナーを分離させる力が働かず、高温オフセットおよび定着ローラへの巻きつきが発生しやすくなる。Tm−Tfbが20℃を超えると、反対にトナー母粒子が溶融しにくくなるため、トナーの紙への浸透性が悪くなり、低温定着性が低下する。Tm−Tfbが14〜20℃であれば、低温であってもトナー母粒子が適度に溶融するため、トナーの紙への浸透性が確保でき、低温定着性が良好となる。トナーが溶融しやすいと、トナー母粒子が定着ローラに融着しやすくなるが、Tm−Tfbが14〜20℃であれば、トナー母粒子が適度な弾性力を有するため、被転写体(紙等。)の表面のトナー母粒子が定着ローラに融着したとしても、トナー母粒子の弾性力によってトナー母粒子が被転写体の方に引っ張られ、定着ローラからトナー母粒子が引き離される。その結果、高温オフセットの発生が抑えられる。
フローテスターによるトナー母粒子の溶融粘度、軟化点(Tm)および流出開始温度(Tfb)の測定は、下記のように行う。
トナー母粒子1.8gを秤量し、円柱状の孔が形成された型に入れる。孔の中に円柱状のプランジャーを挿し込み、プランジャーの上から加圧機にて4MPaの圧力を加える。型の孔から、トナー母粒子からなる円柱状のペレットを取り出す。
市販のフローテスターを用い、約1.9cmの円柱状のペレットを、昇温速度4℃/分で加熱しながら、プランジャーにより30kg/cmの荷重を与え、直径1mm、厚さ1mmのノズルからペレット状トナーを押し出す。この際、図1に示すようなプランジャー降下量(mm)−温度曲線を作成し、該曲線からせん断応力およびせん断速度を計算し、100℃における溶融粘度を求める。また、該曲線においてプランジャーが降下しはじめたときの温度を流出開始温度(Tfb)とする。また、プランジャーが降下した高さをhとしたとき、h/2に対応する温度を軟化点(Tm)とする。
トナー母粒子のガラス転移温度(Tg)は、53〜57℃が好ましく、55〜57℃がより好ましい。トナー母粒子のガラス転移温度(Tg)が53℃未満では、トナーの低温定着性を維持したままの保存性の確保が困難になる。トナー母粒子のガラス転移温度(Tg)が57℃を超えると、トナーの低温定着性を確保しにくくなる。
トナー母粒子のガラス転移温度(Tg)の測定は、下記のように行う。
市販の示差走査熱量計を用い、常温常湿下にて、精密に秤量した10〜12mgのトナー母粒子をアルミパンの中に入れ、測定範囲30〜170℃の間で、昇温速度10℃/分で加熱して測定を行い、DSC曲線を得る。この際、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。昇温過程において、比熱変化が、図2に示すようなショルダーとして温度40〜100℃の範囲に現れる。そのショルダー2辺の接線の交点における温度をガラス転移温度(Tg)とする。
トナー母粒子は、結着樹脂を含む粒子であり、必要に応じて、離型剤、着色剤、荷電制御剤等を含む。
結着樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等。)、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂等。)、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
本発明のトナーをカラー用トナーとして用いる場合、結着樹脂としては、ポリエステル系樹脂が好ましい。
着色剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等の黒色顔料;黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等の緑色顔料;亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等の白色顔料;バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等の体質顔料等が挙げられる。
着色剤の量は、結着樹脂100質量部に対し、1〜10質量部が好ましく、4〜6質量部がより好ましい。
離型剤としては、ワックス類、低分子量オレフィン系樹脂が挙げられる。ワックス類としては、例えば、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸の高級アルコールエステル、アルキレンビス脂肪酸アミド化合物、天然ワックス等が挙げられる。低分子量オレフィン系樹脂としては、数平均分子量が1000〜10000、好ましくは2000〜6000の範囲にあるポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体等が挙げられ、低分子量ポリプロピレンが好ましい。
離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対し、1〜15質量部が好ましく、5〜10質量部がより好ましい。
正電荷制御剤としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等のアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体等のニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロールイド等の4級アンモニウム塩;4級アンモニウム塩を有する樹脂またはオリゴマー;カルボン酸塩を有する樹脂またはオリゴマー;カルボキシル基を有する樹脂またはオリゴマー等が挙げられる。
負電荷制御剤としては、有機金属錯体またはキレート化合物が挙げられ、例えば、アルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシヤリーブチルサリチル酸クロム等が挙げられ、アセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体または塩が好ましい。
電荷制御剤の量は、結着樹脂100質量部に対し、0.1〜5質量部が好ましく、0.5〜2質量部がより好ましい。
本発明のトナーを磁性一成分現像剤として用いる場合、トナー母粒子に磁性粉を含ませてもよい。
磁性粉としては、例えば、フェライト、マグネタイト等の、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属または合金またはこれらの元素を含む化合物;強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金;二酸化クロム等が挙げられる
磁性粉の量は、結着樹脂100質量部に対し、40〜60質量部が好ましい。
トナー母粒子の製造方法としては、粉砕分級法、重合法、溶融造粒法、スプレー造粒法等の公知の製造方法が挙げられる。
トナー母粒子の溶融粘度、流出開始温度(Tfb)、軟化点(Tm)、およびガラス転移温度(Tg)は、結着樹脂の製造条件を適宜選択することにより調整できる。
トナー母粒子の物性は、通常その構成材料である結着樹脂によって大部分が決まる。結着樹脂の分子量は、重合開始剤の量、反応時間にて調整される。結着樹脂の溶融粘度は、モノマーの種類、架橋剤含有量、分子量コントロールにて調整される。軟化点は、分子量コントロールにて調整される。ガラス転移温度は、モノマーの種類にて調整される。さらに、そこに離型剤の種類および添加量によって微調整することによって、トナー母粒子の物性が決められる。
トナー母粒子には、外添剤を外添してもよい。
外添剤としては、シリカ、酸化チタン、アルミナ、各種脂肪酸の金属石鹸(ステアリン酸亜鉛等。)等が挙げられる。
外添剤の量は、トナー母粒子100質量部に対し、0.3〜5質量部が好ましい。
本発明のトナーは、そのまま一成分現像剤として用いてもよく、キャリアと組み合わせて二成分現像剤として用いてもよい。
キャリアとしては、磁性体の粒子、または結着樹脂中に磁性体を分散させた樹脂粒子が挙げられる。
トナーの量は、キャリア100質量部に対して、2〜20質量部が好ましく、3〜12質量部がより好ましい。
(画像形成装置)
本発明のトナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等によって静電潜像を形成する方式の画像形成装置に用いられる。
図1に示す画像形成装置は、カラー画像形成装置に用いられるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応した感光体1を含むプロセスユニットを、中間転写ベルト2の進行方向に配列したタンデム型カラー画像形成装置であり、それぞれの色に対応して設けられた感光体1の周囲には、スコロトロン等の帯電装置3、露光4を行うための図示していない露光装置、現像装置5、感光体1上のトナー画像を中間転写ベルトに転写した後に残ったトナーをクリーニングするクリーニング装置6、および感光体1上に残った電荷を除電する除電器7等が配置され、さらに、中間転写ベルト2を間に挟んで、感光体1と対向するように1次転写ローラ8が配置されている。
中間転写ベルト2は、感光体1上に形成されたトナー画像を1次転写して色重ねし、形成されたフルカラートナー画像をさらに被転写体27(紙等。)に2次転写するためのものであり、一対の駆動ローラ21および被動ローラ22とバックアップローラ23とに張架され、該中間転写ベルト2上には、該中間転写ベルト2に接触するように、前記したブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色毎の像担持体である感光体1がサイドバイサイドに配列されている。
各感光体1の周囲に配置されている現像装置5には、それぞれ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー、またはイエロートナーが充填され、公知の電子写真法により、それぞれの色のトナー画像が形成される。すなわち、各感光体1は、帯電装置3によって所定極性に一様に帯電され、所定の画像情報に基づく光で露光4を行うと、光照射部の電位が低下することで静電潜像が形成され、該静電潜像に所定の現像バイアス下で現像装置5によって供給される各色のトナーが付着し、トナー画像が形成される。
形成された各色のトナー画像は、それぞれ、1次転写バイアス電位(トナーの帯電極性とは逆極性)を印加された1次転写ローラ8により、図1において矢印方向に駆動されている中間転写ベルト2上に順次転写され、色重ねされてフルカラートナー画像が形成される。該トナー画像は、さらに2次転写ローラ25とバックアップローラ23との間に搬送されてくる被転写体27に、2次転写ローラ25に印加されたトナー画像と逆極性の2次転写バイアスで転写され、被転写体27は、さらに定着装置26に送られてトナー画像が定着される。
また、感光体1から中間転写ベルト2に1次転写されずに残ったトナーはクリーニング装置6によって除去されるとともに、除電器7によって感光体1に残った電荷が除電され、一方、2次転写後に中間転写ベルト2上に残ったトナーは、クリーニングブラシ24によってクリーニングされて次の画像形成に備えられる。
定着装置27は、一対の定着ローラ28を具備する。
本発明のトナーは、2本の定着ローラ28間のニップ幅が5mm以上であるオイルレスの定着ローラ28を具備する画像形成装置に用いることが好ましい。ニップ幅が5mm以上であるオイルレスの定着ローラ28は、高温オフセットが発生しやすいため、本発明のトナーは好適に用いられる。
ニップ幅とは、図4に示すように、被転写体40の搬送方向の、定着ローラ28間の接触長nである。
以上説明した本発明のトナーは、フローテスターにて測定した100℃におけるトナー母粒子の溶融粘度が、10000〜70000Pa・sであり、フローテスターにて測定したトナー母粒子の軟化点(Tm)と流出開始温度(Tfb)との差(Tm−Tfb)が、14〜20℃であるため、低温定着性および耐高温オフセット性に優れる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ポリエステル樹脂の製造)
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物1960g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物780g、ドデセニル無水コハク酸257g、テレフタル酸770g、および酸化ジブチル錫4gを、窒素雰囲気下、235℃で8時間かけて反応させた後、さらに8.3kPaの圧力下にて1時間反応させた。さらに、180℃で無水トリメリット酸を所望の酸価になるように反応系に添加し、10℃/時間の速度で210℃まで昇温し、反応させ、ポリエステル樹脂を得た。
トナー母粒子の溶融粘度、流出開始温度(Tfb)、軟化点(Tm)、およびガラス転移温度(Tg)は、ポリエステル樹脂の製造時のモノマーの種類、反応速度および反応時間により調整した。また、WAXの種類および添加量により微調整した。
〔実施例1〕
(トナー母粒子の製造)
ポリエステル樹脂A(Tm:118.9℃、Tg:54.6℃)100質量部、離型剤(三洋化成社製、低分子量ポリプロピレン、商品名ビスコール660P)7質量部、電荷制御剤(オリエント化学工業社製、商品名ボントロンP−51)1質量部、および着色剤(三菱化学社製、カーボンブラックMA−100)4質量部をヘンシェルミキサー(三井三池工業社製)にて混合した後、混練押出機(池貝社製、PCM−30)にて溶融混練した。そしてターボミル(ターボ工業社製)にて粉砕した後、エルボージェット分級機(日鉄鉱業社製)にて分級を行い、平均粒子径が7.8μmのトナー母粒子を得た。
(トナーの製造)
トナー母粒子100質量部に対して、外添剤(日本アエロジル社製、商品名RA200H)1.5質量部を加え、ヘンシェルミキサーで周速32mm/秒にて4分間混合し、トナーを得た。
〔実施例2〕
離型剤の量を3質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
〔実施例3〕
架橋剤を少量添加したポリエステル樹脂B(Tm:122.9℃、Tg:61.3℃)100質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
〔実施例4〕
離型剤の量を3質量部に変更した以外は、実施例3と同様にしてトナーを得た。
〔実施例5〕
反応時間をポリエステル樹脂Aの2倍にしたポリエステル樹脂C(Tm:130.1℃、Tg:63.4℃)100質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
〔比較例1〕
反応時間をポリエステルAの半分にしたポリエステル樹脂D(Tm:96.7℃、Tg:50℃)100質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
〔比較例2〕
ポリエステル樹脂C(Tm:130.1℃、Tg:63.4℃)100質量部に変更し、離型剤の量を3質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
〔比較例3〕
架橋剤の添加量をポリエステル樹脂Bの2倍にしたポリエステル樹脂F(Tm:137.7℃、Tg:62.9℃)100質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
〔比較例4〕
離型剤の量を10質量部に変更した以外は、実施例3と同様にしてトナーを得た。
(溶融粘度、流出開始温度(Tfb)、軟化点(Tm)の測定)
トナー母粒子1.8gを秤量し、円柱状の孔が形成された型に入れた。孔の中に円柱状のプランジャーを挿し込み、プランジャーの上から加圧機にて4MPaの圧力を加えた。型の孔から、トナー母粒子からなる円柱状のペレットを取り出した。
フローテスター(島津製作所社製、CFT−500D)を用い、約1.9cmの円柱状のペレットを、昇温速度4℃/分で加熱しながら、プランジャーにより30kg/cmの荷重を与え、直径1mm、厚さ1mmのノズルからペレット状トナーを押し出した。この際、プランジャー降下量−温度曲線を作成し、該曲線からせん断応力およびせん断速度を計算し、100℃における溶融粘度を求めた。また、該曲線においてプランジャーが降下しはじめたときの温度を流出開始温度(Tfb)とした。また、プランジャーが降下した高さをhとしたとき、h/2に対応する温度を軟化点(Tm)とした。結果を表1に示す。
(ガラス転移温度(Tg)の測定)
示差走査熱量計(セイコー社製、DSC6220)を用い、常温常湿下にて、精密に秤量した10〜12mgのトナー母粒子をアルミパンの中に入れ、測定範囲30〜170℃の間で、昇温速度10℃/分で加熱して測定を行い、DSC曲線を得た。この際、リファレンスとして空のアルミパンを用いた。昇温過程において温度40〜100℃の範囲にショルダー2辺の接線の交点における温度をガラス転移温度(Tg)とした。結果を表1に示す。
(低温定着性評価方法)
京セラミタ社製カラープリンタFS−C5016の現像装置に二成分現像剤255gを充填し、線速97mm/秒、トナー載せ量1.8mg/cmの条件で評価用紙(ノイシドラー社製、Color Copy 90)にトナー画像(2cm×3cmのパッチサンプル)の未定着画像を出力した。その後、2本の定着ローラ間のニップ幅が5mmであるオイルレスの定着ローラを具備するFS−C5016モデルの定着冶具にて任意の温度に設定し、線速97mm/秒にて定着させた。定着後、トナー画像を内側にして評価用紙を二つ折りにして、1kgの分銅にて往復5回こすり、評価用紙を開いたときのトナーはがれを観察した。はがれ幅が1mm以下のものを合格とした。
定着温度を5℃ずつ下げながら、同様の試験を繰り返し、はがれ幅が1mm以下のものが得られる最低温度を、最低定着温度とした。結果を表2に示す。
(耐オフセット性評価方法)
京セラミタ社製カラープリンタFS−C5016の現像装置に二成分現像剤255gを充填し、線速97mm/秒、トナー載せ量1.8mg/cmの条件で評価用紙(上質PPC)にトナー画像(2cm×3cmのパッチサンプル)の未定着画像を出力した。その後、2本の定着ローラ間のニップ幅が5mmであるオイルレスの定着ローラを具備するFS−5016モデルの定着冶具にて温度を設定し、線速49mm/秒にて定着させた。評価用紙のトナー画像から、高温オフセットの発生の有無を判断した。
定着温度を5℃ずつ上げながら、同様の試験を繰り返し、高温オフセットが発生しない最高温度を、最高非オフセット温度とした。結果を表2に示す。なお、測定限界温度は200℃である。
(分離性評価方法)
京セラミタ社製カラープリンタFS−C5016の現像装置に二成分現像剤255gを充填し、線速97mm/秒、任意のトナー載せ量の条件で評価用紙(上質PPC)にトナー画像(紙の先端を5mmもたせたベタ画像サンプル)の未定着画像を出力した。その後、2本の定着ローラ間のニップ幅が5mmであるオイルレスの定着ローラを具備するFS−5016モデルの定着冶具にて温度を180℃に設定し、線速72mm/秒にて定着させた。定着ローラ(加熱ローラ)への評価用紙の巻きつきの有無を確認した。トナー載せ量を0.1g/cmずつ増やしながら、同様の試験を繰り返し、定着ローラ(加熱ローラ)への評価用紙の巻きつきの発生しない最大トナー載せ量を、分離可能トナー量とした。
(保存性)
容量50ccのサンプルびんにトナー約10gを入れ、サンプルびんを50℃の恒温槽(サンヨー社製、CONVECTION OVEN SANYO)中に100時間放置した。恒温槽からサンプルびんを取り出した翌日に下記評価を行った。
逆さ評価:
サンプルびんを傾けていきトナーが崩れ落ちる程度を評価した。評価の数字が大きいほど結果が良好であり、3以上を合格とする。
5:90°傾けると崩れる。
4:180°傾けると崩れる。
3:180°傾けてびんをたたくと崩れる。
2:180°傾けるとトナーが塊で落ちる。
1:180°傾けても、びんをたたいてもトナーが落ちてこない。
凝集評価:
逆さ評価の後のサンプルビンをゆっくり10回振った後、紙面上にトナーを取り出して凝集の様子を確認した。評価の数字が大きいほど結果が良好であり、3以上を合格とする。
5:凝集なし。
4:ほとんど凝集なし。
3:凝集がソフトケーキング。
2:凝集がハードケーキング。
1:凝集が崩れない。
ふるい上残:
質量既知の26メッシュのふるいを、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製、TYPE PT−E 84810)にセットし、レオスタット2.5の条件で20秒間かけてトナーをふるいにかけ、ふるい上に残ったトナーの質量を求めた。0.2g以下を合格とする。
以上の評価から保存性を3段階で評価した。
1:保存性に問題がある。(上記評価のどれかがNG)
2:保存性にやや問題があるが、実用上問題はない。(NGはないがマージンがない)
3:保存性にまったく問題はない。(上記評価にマージンが十分ある)
Figure 2008224860
Figure 2008224860
以上の結果から下記のことがわかる。
低温定着性を求めるためには低溶融粘度化が必要であるが、溶融粘度が低すぎると耐高温オフセット性および分離性に悪影響がでる。また、Tgが低くなることで保存性にも悪影響がでる(比較例1)。
耐高温オフセット性および分離性を確保するためには、Tm−Tfbの値が低すぎてはいけないことがわかる(比較例4)。
Tm−Tfbの値が高すぎると、耐高温オフセット性および分離性と、低温定着性とのバランスが取れなくなる(比較例2、3)。
一方、本発明のトナーは、オイルレスの定着ローラを用いた、ローラ−ローラ定着方式において、低温定着性を維持しつつ耐高温オフセット性にも優れていた。
本発明のトナーは、低温定着性および耐高温オフセット性に優れるため、2本のローラ間のニップ幅が5mm以上であるオイルレスの定着ローラを具備する画像形成装置に用いられるトナー、特にカラー用トナーとして有用である。
フローテスターによる測定によって得られるプランジャー降下量−温度曲線の一例を示すグラフである。 示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線の一例を示すグラフである。 画像形成装置の一例を示す概略図である。 定着ロール間のニップ幅を説明するための概略図である。
符号の説明
28 定着ローラ

Claims (4)

  1. 結着樹脂を含むトナー母粒子を含むトナーであり、
    フローテスターにて測定した100℃におけるトナー母粒子の溶融粘度が、10000〜70000Pa・sであり、
    フローテスターにて測定したトナー母粒子の軟化点(Tm)と流出開始温度(Tfb)との差(Tm−Tfb)が、14〜20℃である、静電潜像現像用トナー。
  2. 前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂である、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. トナー母粒子のガラス転移温度(Tg)が、53〜57℃である、請求項1または2に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 2本のローラ間のニップ幅が5mm以上であるオイルレスの定着ローラを具備する画像形成装置に用いられる、請求項1ないし3のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
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